JP6556568B2 - センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は検査装置に関し、特に、検査装置の精度の向上に関する。
図10に示すような検査装置101が従来技術として知られている。
検査装置101においては、共振器102と差動回路103とを含む発振器104が集積回路105に形成され、共振器102を構成するインダクタ106が集積回路105の表面近傍に配置されている。そして、集積回路105の表面近傍にある被検査体の物性(複素誘電率および複素透磁率)の変化により共振器102の共振周波数が変化し、発振器04の発振周波数が変化する。
このような発振周波数の変化が、集積回路105の外部または内部に形成された周波数検出回路107により、検出される。この結果、検査装置101は、被検査体の物性の変化を検出することができる。
例えば、水の複素誘電率は、100GHz付近の周波数帯において、水分子の状態により、大きく変化する。また、生体の主要成分は水であるため、水分子の状態を調べることにより、生体および生体高分子の状態を調べることができる。
例えば、タンパク質の周りの水分子は、タンパク質と水和した状態にあり、同じ温度の純水中の水分子より動きにくい。また、細胞内の水も、同様に、水和した状態にあり、動きにくい。このため、細胞内の水は細胞外の水より誘電ロス(損失)が小さくなる。したがって、細胞を含む水溶液で集積回路105を濡らすと、インダクタ106の上に細胞がある共振器102は、インダクタ106の上に細胞がない共振器102より共振周波数が高くなる。
また、細胞は誕生直後から構造化が進むため、老化するにともない、細胞の誘電ロスは徐々に小さくなる。したがって、検査装置101は、細胞の老若を検出することもできる。
しかしながら、検査装置101が出力する検査結果は、温度に依存する。これを解決するために、非特許文献1は、集積回路105において、発振器104の温度を制御するために、発振器104近傍に温度センサと発熱体とを組み込んだ構成を開示している。
H. Wang, Y. Chen, A. Hassbi, A. Scherer, A. Hajimiri, "A Frequency-Shift CMOS Magnetic Biosensor Array with Single-Bead Sensitivity and No External Magnet", IEEE International Solid-State Circuit Conf. Dig. Tech. papers, pp.438-439, Feb. 2009.
しかしながら、従来の検査装置101および非特許文献1に開示の検査装置の構成においては、被検査体の物性(複素誘電率)が被検査体の温度に応じて変化する場合、検査結果の温度依存性を解決できない。
例えば、水の複素誘電率は、100GHz付近の周波数帯において、水の温度に応じて、大きく変化する。
図11は、純水またはスクロース水溶液で集積回路105を濡らした場合の、発振器104の発振周波数の温度依存性を示す図であり、純水と種々の濃度(0.01mol/L、0.1mol/Lおよび0.2mol/L)のスクロース水溶液との温度依存性を示す図である。なお、スクロース水溶液は、純水にスクロースを溶かしたものである。また、縦軸が、発振器104の発振周波数を示し、図11において上方ほど発振周波数が高い。また、横軸がスクロース水溶液の温度を示し、図11において右方ほど温度が高い。
図11において、発振器104の発振周波数は、スクロース水溶液の温度に線形に依存している。また、スクロース水溶液の温度が同じ場合、スクロース濃度が高いほど、発振器104の発振周波数が高い。
スクロース水溶液中では、静電相互作用および水素結合により、水分子がスクロースを水和する。このため、スクロース濃度が高くほど、スクロース水溶液の複素誘電率は減少する。また、水の温度が高いほど、水の複素誘電率は増大する。したがって、スクロース濃度が高いほど、スクロース水溶液の温度が低いほど、発振周波数は高い。言い換えると、図11から明らかなように、スクロース濃度を特定するためには、発振器104発振周波数とスクロース水溶液の温度との両方を測定する必要がある。
このような被検査体の温度の測定は、スクロース水溶液だけでなく、水溶液中の目標成分を検査する場合のように、被検査体の主要成分の物性(複素誘電率)が被検査体の温度に応じて変化する場合に、必要になる。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検査体が温度に依存して物性を変化させる場合であっても、検査結果の温度依存性を解決することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサ装置は、被検査体の物性に応じて発振周波数を変化させる発振部と、前記発振周波数を検出する発振周波数検出部と、前記被検査体の温度を検出する温度センサ部と、前記温度センサ部により検出された温度に基づき、前記被検査体の主要成分の物性の温度依存性に基づき、前記発振周波数を補償する温度補償部と、を備え、前記発振部と少なくとも1つの前記温度センサ部とは、単一の集積回路に設けられ、前記集積回路は、前記被検査体が接触する接触面と、配線に使用する導電層とを有し、前記集積回路に設けられた少なくとも1つの前記温度センサ部は、前記導電層のうち前記接触面に最も近い層に接続されていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、発振部は被検査体の物性に応じて発振周波数を変化させる。このため、センサ装置は、発振周波数検出部により検出された発振周波数に基づき、被検査体の物性を検出することができる。また、温度センサ部は、被検査体の温度を検出するため、センサ装置は、被検査体の温度を検出することができる。
上記一態様によれば、センサ装置は、温度センサ部により検出された温度に基づき発振周波数を補償する温度補償部を備えるため、被検査体の物性の温度依存性を補償することができる。例えば、基準温度での発振周波数から、基準温度での被検査体の物性を算出することができる。
したがって、被検査体の物性が温度に依存する場合であっても、上記一態様によれば、センサ装置が出力する結果の温度依存性を解決することができる。また、センサ装置が出力する結果を安定させ、出力する結果の精度を高めることができる。
上記一態様によれば、被検査体の主要成分の物性の温度依存性に基づき、発振周波数は補償される。このため、主要成分の物性の温度依存性が明らかであれば、発振周波数を補償することができる。したがって、主要成分以外の被検査体の成分にかかわらず、センサ装置が出力する結果の温度依存性を解決することができる。また、センサ装置が出力する結果を安定させ、出力する結果の精度を高めることができる。
本発明の実施形態1に係る検査装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す集積回路の概略構成を示す断面図であり、A−A矢視断面図である。 図1に示す検査装置が備える温度センサの概略構成を示す回路図である。 本発明の実施形態2に係る検査装置の概略構成を示すブロック図である。 図4に示す集積回路の概略構成を示す断面図であり、B−B矢視断面図である。 図4に示す検査装置が備える温度センサの概略構成を示す回路図である。 本発明の実施形態3に係る検査装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態4に係る検査装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態5に係る検査装置の概略構成を示すブロック図である。 従来の検査装置の概略構成を示す図である。 純水またはスクロース水溶液で集積回路を濡らした場合の、発振器の発振周波数の温度依存性を示す図であり、純水と種々の濃度のスクロース水溶液との温度依存性を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、図1から図3に基づいて、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る検査装置91の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、検査装置(センサ装置)91は、発振器(発振部)15と温度センサ(温度センサ部)21とを含む集積回路(単一の集積回路)81、温度検出回路30、周波数検出回路(発振周波数検出部)40、および温度補償回路(温度補償部)50を備える。なお、温度検出回路30と周波数検出回路40と温度補償回路50とは、集積回路81の内部に形成されてもよく、検査装置91の外部に設けられてもよい。
(発振器)
発振器15は、インダクタ11とキャパシタ12とを含む共振器(共振部)13、および差動回路14とを備える。また、発振器15は、被検査体の物性(複素誘電率および複素透磁率)に応じて発振周波数を変化させ、物性を感知するセンサ部として機能する。共振器13は、差動回路14の作動間に形成されたLC回路である。差動回路14は、例えば、互いにクロスカップルされたトランジスタから成る差動回路のような、公知の差動回路を適宜用いてよい。
図2は、図1に示す集積回路81の概略構成を示す断面図であり、A−A矢視断面図である。
図2に示すように、集積回路81は、基板1と配線層2と接触面4aを有する保護膜4との3層から主に構成される。
基板1は、汎用のシリコン基板である。また、基板1に、回路素子が形成されており、温度センサ21が構成されている。
配線層2は、基板1を覆い、金属配線(配線に使用する導電層)と金属配線どうしを絶縁するための絶縁層とを含む。一般的に、金属配線を絶縁するための絶縁層は窒化シリコンSiの層である。また、最上位層メタル3は、配線層2の金属配線のうち、被検査体5が接触する接触面4aに最も近い層である。本実施形態では、インダクタ11が最上位層メタル3に形成されているが、キャパシタ12が最上位層メタル3に形成されてもよい。インダクタ11およびキャパシタ12の少なくとも一方が最上位層メタル3に形成されているため、共振器13は被検査体5の影響を受けやすい。このため、共振器13の共振周波数および発振器15の発振周波数は、被検査体5の複素誘電率の変化に応じて、変化する。
保護膜4は、配線層2を覆い、集積回路82を保護するための膜であり、一般的に酸化シリコンSiOの膜である。接触面4aは、保護膜4の表面であり、被検査体5が接触する面である。
被検査体5は、目標成分を含む水溶液であり、主要成分は水である。被検査体5は保護膜4に付着し、インダクタ11の少なくとも一部を覆うように、集積回路81を濡らす。このとき、発振器15の発振周波数は、被検査体5の目標成分の濃度と、被検査体5の温度と、の二変数関数で近似的に示すことができる。
さらに、図11に示された純水と種々の濃度のスクロース水溶液との温度依存性から、発振器15の発振周波数の近似関数は、被検査体5の目標成分の濃度の一次線形関数であり、被検査体5の温度の一次線形関数である。したがって、発振器15の発振周波数は、次の(式1)のような二変数一次関数に近似されることができる。
f(x,t)=ax+bt+c・・・・・(式1)
f(x,t):発振器15の発振周波数
x:被検査体5の目標成分の濃度[mol/L]
t:被検査体5の温度[K]
a:発振器15の発振周波数の濃度依存係数
b:発振器15の発振周波数の温度依存係数
なお、発振器15の発振周波数の温度依存性は、被検査体5の主要成分である水の複素誘電率の温度依存性に主に由来する。また、図11は、発振器104の発振周波数の温度依存性が、スクロース水溶液のスクロース濃度によらず、純水の場合と同一であることを示している。このため、温度依存係数bは、純水の温度を変えながら発振器15の発振周波数を測定することにより、調べることができる。
したがって、温度依存係数bの値は、既知の値である。また、水の複素誘電率の温度依存性に、温度依存係数bは由来するため、被検査体の目標成分の濃度および温度依存性にかかわらず、発振器15の発振周波数は(式1)で近似される。
(温度センサ)
図3は、図1に示す検査装置91が備える温度センサ21の概略構成を示す回路図である。
温度センサ21は、第1電流源S1、第2電流源S2、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、およびアンプAmpを備え、絶対温度に比例する(PTAT:Proportional To Absolute Temperature)電圧Voutを出力する回路であり、発振器15の近傍に位置する。なお、これに限らず、温度センサ21は、他のPTAT電圧を出力する回路、またはPTAT電流を出力する回路であってもよい。
第1電流源S1はアンプAmpの反転入力端子と、第1トランジスタT1のエミッタとに接続されている。また、第1電流源S1は、定電流Iを発生させる。
第2電流源S2はアンプAmpの非反転入力端子と、第2トランジスタT2のエミッタとに接続されている。また、第2電流源S2は、定電流pIを発生させる。
第1トランジスタT1および第2トランジスタT2は、シリコンバイポーラトランジスタであり、それぞれベースとコレクタとが接地されている。
アンプAmpから出力される電圧Voutは、PTAT電圧である。
温度センサ21は、発振器15と同様に、集積回路81に組み込まれている。また、集積回路81は、被検査体5に比べて、十分に熱容量が小さく、熱伝導性が高い。また、温度センサ21が駆動されている間は、温度センサ21を駆動するために必要な回路を除き、集積回路81内の回路は停止される。このため、温度センサ21を駆動している間、集積回路81の熱容量および発熱の影響を無視してよく、温度センサ21の温度は被検査体5の温度tと同等である。
言い換えると、温度センサ21が出力する電圧Voutは、被検査体5の温度tに比例し、電圧Voutから被検査体5の温度tを算出することができる。
したがって、温度センサ21により、温度tの値は、既知の値である。
なお、温度センサ21が駆動されている時間と発振器15が駆動されている時間とは異なるが、時間的間隔が十分に小さいため、時間差による温度変化は無視してもよい。また、厳密には、温度センサ21により温度が検出される被検査体5の部分と、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分とは異なるが、空間的に十分に近いため、温度センサ21により検出された温度(被検査体5の温度の測定値)と発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度(被検査体5の温度の真値)との差は無視してもよい。
(温度検出回路)
温度検出回路30は、温度センサ21からの出力信号を温度補償回路50への入力に適合するように変換する回路である。例えば、温度検出回路30は、温度センサ21が出力する電圧Voutを増幅したり、電圧Voutを電流に変換したり、電圧Voutからノイズを除去したり、電圧Voutを電圧降下させたり、する。温度検出回路30は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
(周波数検出回路)
周波数検出回路40は、発振器15から出力された信号の周波数を数え、発振器15が発振する発振周波数を検出する回路である。周波数検出回路40は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
したがって、発振器15および周波数検出回路40により、発振周波数f(x,t)の値は、既知の値である。
(温度補償回路)
温度補償回路50は、温度検出回路30から被検査体5の温度tを取得し、周波数検出回路40から発振器15の発振周波数f(x,t)を取得する回路である。また、温度補償回路50は、被検査体の温度tに基づき、発振器15の発振周波数f(x,t)を補償し、基準温度tでの発振周波数f(x,t)を出力する。
例えば、(式1)より、被検査体5が基準温度tである場合の発振周波数は、次の(式2)のように示される。
f(x,t)=ax+bt+c・・・・・(式2)
そして、(式1)と(式2)との差を変形して、次の(式3)を得ることができる。
f(x,t)=f(x,t)+b(t−t)・・・・・(式3)
発振周波数f(x,t)、温度依存係数b、基準温度t、および被検査体5の温度tの値は、温度補償回路50において、既知の値である。したがって、(式3)より、被検査体5が基準温度tである場合の発振周波数f(x,t)の値を算出することができる。
なお、実施形態1においては、(式1)のように、発振器15の発振周波数は温度と濃度との一次関数に近似されたが、これに限らない。任意の発振器15の発振周波数と、任意の被検査体5の温度との組み合わせから、被検査体5の目標成分の濃度を一意的に求めることができればよい。
(効果)
以下のような作用効果を、実施形態1における検査装置91は有する。
発振器15は被検査体5の複素誘電率に応じて発振周波数を変化させる。このため、検査装置91は、発振器15の発振周波数に基づき、被検査体5の複素誘電率を検出することができる。
被検査体5の複素誘電率は、主要成分である水の状態に依存する。このため、検査装置91は、発振器15の発振周波数に基づき、被検査体5の中の水の状態を検出することができる。
例えば、被検査体5の中の目標成分が多く、水和した状態にある水分子が多いほど、被検査体5の複素誘電率は小さくなる。このため、検査装置91は、発振器15の発振周波数に基づき、被検査体5の目標成分の濃度を検出することができる。
また、例えば、被検査体5が細胞である場合、細胞は老いるほど構造化し、複素誘電率が低下するので、発振器15の発振周波数に基づき、検査装置91は細胞の老若を判定することができる。
温度センサ21は、温度センサ21の絶対温度に比例した電圧Voutを出力し、温度センサ21の絶対温度は、被検査体5の絶対温度と同等である。このため、検査装置91は、温度センサ21から出力される電圧Voutに基づき、被検査体5の温度を検出することができる。
被検査体5の主要成分は水であり、水の複素誘電率は温度に依存するため、被検査体5の複素誘電率も温度に依存する。このような場合であっても、被検査体5の複素誘電率と温度とを検出することが可能なため、被検査体5の温度に基づき、被検査体5の複素誘電率の温度依存性を補償することが可能である。
例えば、基準温度での被検査体5の複素誘電率を算出することができる。また、検査装置91が出力する検査結果が、被検査体5の目標成分の濃度および細胞の老若等の場合も、検査結果の温度依存性を解決することができる。
したがって、検査装置91は、被検査体5の主要成分が水であるにもかかわらず、被検査体5温度によらず、検査結果を安定させることができる。
これに対し、従来の検査装置101が出力する検査結果の温度依存性には、被検査体の温度に対する温度依存性と、集積回路105の温度に対する温度依存性とがあるため、非特許文献1に開示の構成の検査装置は、被検査体の主要成分が水である場合には、検査結果を安定させることができない。
より詳しく述べると、発振器104の発振周波数は、被検査体の温度と発振器104の温度とにそれぞれ依存する。被検査体の主要成分が水である場合、発振器104の温度の発振周波数への影響に比べて、被検査体の温度(すなわち、水の複素誘電率の温度依存性)の発振周波数への影響は数十倍程度大きい。このため、非特許文献1に開示の構成のように、発振器104の温度を制御しても、被検査体の主要成分が水である場合には、検査結果の温度依存性を解決することができない。
検査装置91は、発振器15により被検査体5の複素誘電率を検出することができ、温度センサ21により被検査体5の温度を検出することができる。このため、容易に、被検査体の複素誘電率と温度との経時変化を検出することができる。また、集積回路81に、発振器15と温度センサ21との組み合わせを複数配置した場合、容易に、被検査体の複素誘電率と温度との面内分布を検出することができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図4〜図6に基づいて、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図4は、本発明の実施形態2に係る検査装置92の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、検査装置92は、発振器15と温度センサ22とを含む集積回路82、温度検出回路30、周波数検出回路40、および温度補償回路50を備える。したがって、実施形態2の検査装置92は、温度センサ21を含む集積回路81の代わりに、温度センサ22を含む集積回路82を備える点で、実施形態1の検査装置91から相違する。
(温度センサ)
図5は、図4に示す集積回路82の概略構成を示す断面図であり、B−B矢視断面図である。
図6は、図4に示す検査装置92が備える温度センサ22の概略構成を示す回路図である。
温度センサ22は、第1電流源S1、第2電流源S2、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、およびアンプAmpを備える温度センサ21を含み、さらに最上位層メタル3の一部を含む回路であり、発振器15の近傍に位置する。
温度センサ22において、最上位層メタル3の一部が、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2のベース電極およびコレクタ電極に接続されている。そして、最上位層メタル3は、保護膜4に最も近い配線層2の金属配線であるため、最上位層メタル3と被検査体5とは温度差が小さい。また、配線層2の金属配線は熱伝導率が高いため、金属配線により接続されている最上位層メタル3と第1トランジスタT1および第2トランジスタT2との温度差は小さい。
したがって、実施形態1の場合に比べて、実施形態2の場合は、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2の温度が、被検査体5の温度により近い。このため、実施形態2の温度センサ22が出力する電圧Voutは、より精度よく、被検査体5の絶対温度に比例する。
また、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2に接続される最上位層メタル3の部分は、図4および図5に示すように共振器13の近傍に位置することが好ましい。近傍に位置することにより、共振器13の共振周波数を変化させている被検査体5の部分の温度を、最上位層メタル3は第1トランジスタT1および第2トランジスタT2に正確に伝達することができる。したがって、近傍に位置することにより、被検査体5内部の温度差に起因する被検査体5の温度の測定の誤差を抑制することができる。
なお、最上位層メタル3と接続される電極は、温度センサの具体的な構成に応じて、抵抗素子あるいはダイオード素子あるいはバイポーラトランジスタ素子あるいはCMOS(相補型金属酸化膜半導体)トランジスタ等に接続する電極であることが好ましい。
(温度検出回路)
実施形態2の温度検出回路30は、実施形態1の温度検出回路30と同様に、温度センサ22からの出力信号を、温度補償回路50への入力に適合するように変換する。
(効果)
実施形態2における検査装置92は、実施形態1における検査装置91と同様の作用効果を有する。
さらに、検査装置92においては、温度センサ22が出力する電圧Voutが、より精度よく、被検査体5の絶対温度に比例するため、検査装置91は、被検査体5の温度を、より精度よく、検出することができる。したがって、検査装置92は、被検査体5の温度に基づき、被検査体5の複素誘電率の温度依存性を、より精度よく、補償することができる。
したがって、被検査体5の主要成分が水であるにもかかわらず、検査装置92の検査結果の温度依存性を、より精度よく、解決することができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図7に基づいて、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本発明の実施形態3に係る検査装置93の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、検査装置93は、発振器15と第1温度センサ23と第2温度センサ24とを含む集積回路83、2つの温度検出回路30、周波数検出回路40、および温度補償回路50を備える。
したがって、実施形態3の検査装置93は、1つの発振器15に対して1つの温度センサ21が設けられた集積回路81の代わりに、1つの発振器15に対して2つの温度センサ(第1温度センサ23と第2温度センサ24)が設けられた集積回路83を備える点で、実施形態1の検査装置91および実施形態2の検査装置92から相違する。
(第1温度センサと第2温度センサ)
第1温度センサ23および第2温度センサ24は、実施形態1の温度センサ21(図3)と同一構成である。なお、第1温度センサ23および第2温度センサ24は、これに限らず、例えば、実施形態2の温度センサ22(図6)と同一構成であってもよく、他のPTAT電圧を出力する回路またはPTAT電流を出力する回路であってもよい。また、第1温度センサ23および第2温度センサ24は、検査装置93の検査精度を簡易な構成で高めるために、互いに同一構成であることが好ましい。
第1温度センサ23および第2温度センサ24は、発振器15の近傍に位置し、発振器15を挟むように配置されている。具体的には、図7において、第1温度センサ23は共振器13の右側近傍に位置し、第2温度センサ24は共振器13の左側近傍に位置する。
したがって、厳密に考えると、第1温度センサ23により温度を検出される被検査体5の部分は、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の右側近傍の部分である。また、第2温度センサ24により温度を検出される被検査体5の部分は、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の左側近傍の部分である。このため、被検査体5内部の温度差を考慮すると、第1温度センサ23および第2温度センサ24とにより検出される温度は、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度とは、厳密には異なる。
これに対し、検査装置93は、第1温度センサ23により検出された温度と、第2温度センサ24により温度された温度との差が第1温度閾値(閾値)以下になったときに、発振器15の発振周波数の測定を行う。なお、第1温度閾値は、被検査体5内部の温度分布が略均一になるように、設定される。言い換えると、第1温度センサ23と第2温度センサ24とにより検出された温度の差が、無視しても良いほど小さくなるように、検査装置93の検査精度に応じて、前記第1温度閾値は設定される。
これにより、被検査体5内部の温度分布が略均一である状態で、発振器15の発振周波数の測定を行うことができる。略均一であるため、第1温度センサ23および第2温度センサ24により検出される温度は、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度と、略同一である。
また、1つの発振器15に対して設けられる温度センサは2つより多くてもよい。例えば、図7において、さらに、第3温度センサが共振器13の上側近傍に配置され、第4温度センサが共振器13の下側近傍に配置されてもよい。
(温度検出回路)
実施形態3の2つの温度検出回路30は、実施形態1〜2の温度検出回路30と同様に、第1温度センサ23と第2温度センサ24とからの出力信号を、温度補償回路50への入力に適合するように変換する。
なお、検査装置93が備える温度検出回路30が1つであり、1つの温度検出回路30が第1温度センサ23と第2温度センサ24との両方からの出力信号を、温度補償回路50への入力に適合するように変換してもよい。
(温度補償回路)
温度補償回路50は、第1温度センサ23と第2温度センサ24とにより検出された温度の何れか一方を、被検査体5の温度tとする。そして、実施形態1と同様に、(式3)より、基準温度tでの発振周波数f(x,t)を算出する。
被検査体5内部の温度分布が略均一であるため、被検査体5内部の温度差および対流は、無視してもよいほど小さい。このため、温度差および対流に起因する誤差が抑制される。したがって、実施形態1に比べて、実施形態3においては、より精度よく、基準温度tでの発振器15の発振周波数f(x,t)を算出することができる。
また、第1温度センサ23と第2温度センサ24とにより検出された温度から、第1温度センサ23と第2温度センサ24との配置に応じて、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度を推定してもよい。
例えば、第1温度センサ23と第2温度センサ24とが、共振器13から等距離に配置されている場合、第1温度センサ23と第2温度センサ24とにより検出された温度の平均値を、被検査体5の温度tとして用いてもよい。第1温度センサ23と第2温度センサ24とにより検出された温度の平均値と、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度との差は、第1温度閾値より、さらに小さい。このため、第1温度閾値を変えずに、検査装置93の検査精度を高めることができる。あるいは、検査装置93の検査精度を損なわずに、第1温度閾値を大きく設定することができる。
(効果)
実施形態3における検査装置93は、実施形態1における検査装置91と同様の作用効果を有する。
さらに、検査装置93においては、被検査体5内部の温度分布が略均一である状態で、発振器15の発振周波数を検出する。このため、被検査体5の温度tとして、(式3)に代入する値(被検査体5の温度の測定値)と、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度(被検査体5の温度の真値)との差を小さくすることができる。
被検査体5の温度の測定値と真値との差が小さいため、検査装置93は、被検査体5の温度の測定値に基づき、被検査体5の複素誘電率の温度依存性を、より精度よく、補償することができる。
したがって、被検査体5の主要成分が水であるにもかかわらず、検査装置93の検査結果の温度依存性を、より精度よく、解決することができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図8に基づいて、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態4に係る検査装置94の概略構成を示すブロック図である。
図8に示すように、検査装置94は、発振器15と温度センサ21とを含む第1集積回路84、発振器15と温度センサ21とを含む第2集積回路85、温度検出回路30と周波数検出回路40と温度補償回路50とを含む集積回路87、および接続線60を備える。なお、集積回路87は、検査装置94の外部に設けられてもよく、第1集積回路84および第2集積回路85の何れか一方と一体であってもよい。
第1集積回路84および第2集積回路85は、実施形態1の集積回路81(図1)と同一構成である。なお、これに限らず、第1集積回路84および第2集積回路85は、発振器及び温度センサを含む集積回路であればよく、例えば、実施形態2の集積回路82(図4)または実施形態3の集積回路83(図7)と同一構成であってもよい。また、第1集積回路84および第2集積回路85は、検査装置94の検査精度を簡易な構成で高めるために、互いに同一構成であることが好ましい。
また、第1集積回路84および第2集積回路85は互いに対向するように容器70内部の被検査体5に、沈められる。言い換えると、保護膜が設けられている側(図2および図5参照)を互いに向けて、第1集積回路84および第2集積回路85は被検査体5を挟むように配置される。なお、第1集積回路84に含まれる発振器15と第2集積回路85に含まれる発振器15とが、互いに正対することが好ましい。
接続線60は、第1集積回路84および第2集積回路85を、別の集積回路87に接続する信号線である。接続線60は、例えば、フレキシブル基板であり、第1集積回路84および第2集積回路85を駆動するための電力線等と一体に形成されていてもよい。
検査装置94は、第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる温度センサ21により検出された温度との差が第2温度閾値以下になったときに、発振器15の発振周波数の測定を行う。なお、第2温度閾値は、被検査体5内部の温度分布が略均一になるように、設定される。言い換えると、第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる温度センサ21により検出された温度の差が、無視しても良いほど小さくなるように、検査装置94の検査精度に応じて、前記第2温度閾値は設定される。
これにより、被検査体5内部の温度分布が略均一である状態で、発振器15の発振周波数の測定を行うことができる。略均一であるため、第1集積回路84および第2集積回路85に含まれる温度センサ21により検出される温度は、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度と、略同一である。
(温度検出回路)
実施形態4の温度検出回路30は、実施形態1〜3の温度検出回路30と同様に、第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる温度センサ21からの出力信号を、温度補償回路50への入力に適合するように変換する。
(温度補償回路)
温度補償回路50は、第1集積回路84と第2集積回路85との何れか一方に含まれる温度センサ21により検出された温度を、被検査体5の温度tとする。また、第1集積回路84と第2集積回路85との何れか一方に含まれる発振器15の発振周波数を、温度tでの発振周波数f(x,t)とする。そして、実施形態1と同様に、(式3)より、基準温度tでの発振周波数f(x,t)を出力する。
被検査体5内部の温度分布が略均一であるため、被検査体5内部の温度差に起因する誤差が抑制される。また、被検査体5内部の対流に起因する誤差も抑制される。したがって、実施形態1に比べて、実施形態4においては、より精度よく、基準温度tでの発振器15の発振周波数f(x,t)を算出することができる。
また、第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる温度センサ21により検出された温度から、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度を推定してもよい。
例えば、第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる温度センサ21により検出された温度の平均値を、被検査体5の温度tとして用いてもよい。第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる温度センサ21により検出された温度の平均値と、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度との差は、第2温度閾値より、さらに小さい。このため、第2温度閾値を変えずに、検査装置94の検査精度を高めることができる。あるいは、検査装置94の検査精度を損なわずに、第2温度閾値を大きく設定することができる。
また、第1集積回路84と第2集積回路85とに含まれる発振器15の発振周波数の平均値を、温度tでの発振周波数f(x,t)としてもよい。
(効果)
実施形態4における検査装置94は、実施形態1における検査装置91と同様の作用効果を有する。
さらに、検査装置94においては、被検査体5内部の温度分布が略均一である状態で、発振器15の発振周波数を検出する。このため、被検査体5の温度tとして、(式3)に代入する値(被検査体5の温度の測定値)と、発振器15により複素誘電率が検出される被検査体5の部分の温度(被検査体5の温度の真値)との差を小さくすることができる。
被検査体5の温度の測定値と真値との差が小さいため、検査装置94は、被検査体5の温度の測定値に基づき、被検査体5の複素誘電率の温度依存性を、より精度よく、補償することができる。
したがって、被検査体5の主要成分が水であるにもかかわらず、検査装置94の検査結果の温度依存性を、より精度よく、解決することができる。
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、図9に基づいて、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図9は、本発明の実施形態5に係る検査装置95の概略構成を示すブロック図である。
図9に示すように、検査装置95は、発振器15と温度センサ21とを含む第1集積回路84、温度センサ21と含む第3集積回路86、集積回路87、および接続線60を備える。したがって、実施形態5の検査装置95は、第2集積回路85の代わりに、第3集積回路86を備える点で、実施形態4の検査装置94から相違する。
第3集積回路86は、実施形態1の温度センサ21(図3)を含むが、発振器を含まない集積回路である。なお、これに限らず、第3集積回路86は、実施形態2の温度センサ22を含んでもよく、実施形態3のように複数の温度センサ(第1温度センサ23および第2温度センサ24)を含んでもよい。また、第3集積回路86に含まれる温度センサは、検査装置95の検査精度を簡易な構成で高めるために、第1集積回路84に含まれる温度センサと同一構成であることが好ましい。
したがって、実施形態5における検査装置95は、実施形態4における検査装置94と同様の作用効果を有し、被検査体5の主要成分が水であるにもかかわらず、検査装置95の検査結果の温度依存性を、より精度よく、解決することができる。
さらに、検査装置94においては、第2集積回路85の代わりに、第3集積回路86を備えるため、構成がより簡略であり、小型化および軽量化が可能である。また、製造費用の低減も可能である。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るセンサ装置(検査装置91〜95)は、被検査体(5)の物性(複素誘電率)に応じて発振周波数を変化させる発振部(発振器15)と、前記発振周波数を検出する発振周波数検出部(周波数検出回路40)と、前記被検査体の温度を検出する温度センサ部(温度センサ21、温度センサ22)と、前記温度センサ部により検出された温度に基づき、前記被検査体の主要成分(水)の物性の温度依存性に基づき、前記発振周波数を補償する温度補償部(温度補償回路50)と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、発振部は被検査体の物性に応じて発振周波数を変化させる。このため、センサ装置は、発振周波数検出部により検出された発振周波数に基づき、被検査体の物性を検出することができる。また、温度センサ部は、被検査体の温度を検出するため、センサ装置は、被検査体の温度を検出することができる。
上記構成によれば、センサ装置は、温度センサ部により検出された温度に基づき発振周波数を補償する温度補償部を備えるため、被検査体の物性の温度依存性を補償することができる。例えば、基準温度での発振周波数から、基準温度での被検査体の物性を算出することができる。
したがって、被検査体の物性が温度に依存する場合であっても、上記構成によれば、センサ装置が出力する結果の温度依存性を解決することができる。また、センサ装置が出力する結果を安定させ、出力する結果の精度を高めることができる。
上記構成によれば、被検査体の主要成分の物性の温度依存性に基づき、発振周波数は補償される。このため、主要成分の物性の温度依存性が明らかであれば、発振周波数を補償することができる。したがって、主要成分以外の被検査体の成分にかかわらず、センサ装置が出力する結果の温度依存性を解決することができる。また、センサ装置が出力する結果を安定させ、出力する結果の精度を高めることができる。
本発明の態様2に係るセンサ装置(検査装置91〜95)は、態様1に記載のセンサ装置であり、前記発振部(発振器15)と前記温度センサ部(温度センサ21、温度センサ22)とは、単一の集積回路(集積回路81〜83、第1集積回路84、第2集積回路84)に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
上記構成によれば、発振部と温度センサ部とが単一の集積回路に設けられているため、発振部と温度センサ部とを容易に近接して設けることができる。近接して設けることにより、発振部により物性が検出される被検査体の部分と、温度センサ部により温度が検出される被検査体の部分とを、近接させることができるため、被検査体内部の温度差に起因する誤差を抑制することができる。
また、発振部と温度センサとが単一の集積回路に設けられているため、センサ装置の構成を簡略にすることができ、センサ装置の小型化および軽量化が可能になる。
本発明の態様3に係るセンサ装置(検査装置93〜95)は、態様1または2に記載のセンサ装置であり、前記温度センサ部(温度センサ21)を複数備え、複数の前記温度センサ部により検出された温度の差が、閾値(第1温度閾値、第2温度閾値)以下になったときに、前記発振周波数検出部(周波数検出回路40)は、前記発振周波数を検出することを特徴とする。
上記構成によれば、複数の温度センサ部により検出された温度の差が閾値以下になったときに、被検査体の物性を測定することにより、被検査体内部の温度分布が略均一な状態で、被検査体の物性を測定することができる。温度分布が略均一であるため、温度センサ部により検出される温度と、発振部により物性が検出される被検査体の部分の温度との差を抑制することができる。このため、被検査体内部の温度差および対流に起因する誤差を抑制することができ、被検査体の物性の温度依存性を、より精度よく補償することができる。また、センサ装置が出力する結果の温度依存性を、より精度よく解決することができる。
本発明の態様4に係るセンサ装置(検査装置93〜95)は、態様3に記載のセンサ装置であり、前記温度補償部(温度補償回路50)は、複数の前記温度センサ部(第1温度センサ23と第2温度センサ24、第1集積回路84に含まれる温度センサ21と第2集積回路85に含まれる温度センサ21、第1集積回路84に含まれる温度センサ21と第3集積回路86に含まれる温度センサ21)により検出された温度の何れか1つ、あるいは、複数の前記温度センサ部により検出された温度の平均値、に基づき、前記発振周波数を補償することを特徴とする。
本発明の態様5に係るセンサ装置(検査装置93)は、態様3または4に記載のセンサ装置であり、前記発振部(発振器15)と複数の前記温度センサ部(第1温度センサ23と第2温度センサ24)とは、単一の集積回路(83)に設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、発振部と複数の温度センサ部とが単一の集積回路に設けられているため、発振部と複数の温度センサ部とを容易に近接して設けることができる。近接して設けることにより、発振部により物性が検出される被検査体の部分と、複数の温度センサ部により温度が検出される被検査体の部分とを、近接させることができるため、被検査体内部の温度差に起因する誤差を抑制することができる。
また、発振部と複数の温度センサとが単一の集積回路に設けられているため、センサ装置の構成を簡略にすることができ、センサ装置の小型化および軽量化が可能になる。
本発明の態様6に係るセンサ装置(検査装置94、95)は、態様3または4に記載のセンサ装置であり、前記発振部(発振器15)と複数の前記温度センサ部の一部(第1集積回路84に含まれる温度センサ21)とは、単一の集積回路(第1集積回路84)に設けられ、複数の前記温度センサ部のその他(第2集積回路85に含まれる温度センサ21、第3集積回路86に含まれる温度センサ21)は、前記集積回路の外部(第2集積回路84、第3集積回路85)に設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、発振部と複数の温度センサ部の一部とが単一の集積回路に設けられているため、発振部と複数の温度センサ部の一部とを容易に近接して設けることができる。近接して設けることにより、発振部により物性が検出される被検査体の部分と、複数の温度センサ部により温度が検出される被検査体の部分とを、近接させることができるため、被検査体内部の温度差に起因する誤差を抑制することができる。
また、発振部と複数の温度センサの一部とが単一の集積回路に設けられているため、センサ装置の構成を簡略にすることができ、センサ装置の小型化および軽量化が可能になる。
上記構成によれば、複数の温度センサ部のその他は、当該集積回路の外部に設けられる。このため、複数の温度センサ部のその他は、当該集積回路と別に、被検査体の温度を検出するために適切な位置に配置することができる。
本発明の態様7に係るセンサ装置(検査装置92)は、態様2と5と6との何れか1態様に記載のセンサ装置であり、前記集積回路(82)は、前記被検査体(5)が接触する接触面(4a)と、配線に使用する導電層(配線層2の金属配線)とを有し、前記集積回路に設けられた少なくとも1つの前記温度センサ部(温度センサ22)は、前記導電層のうち前記接触面に最も近い層(最上位層メタル3)に接続されていることを特徴とする。
上記構成によれば、導電層の熱伝導率が高いため、温度センサ部そのものの温度が被検査体の温度により近くなる。したがって、温度センサ部の被検査体の温度を検出する精度をより良くすることができる。そして、被検査体の温度を、より精度よく、検出することができるため、被検査体の物性の温度依存性をより精度よく補償することができる。
したがって、被検査体の物性が温度に依存する場合であっても、上記構成によれば、センサ装置が出力する結果の温度依存性を、より精度よく解決することができる。また、センサ装置が出力する結果をより安定させ、出力する結果の精度をより高めることができる。
本発明の態様8に係るセンサ装置(検査装置92)は、態様7に記載のセンサ装置であり、前記集積回路(集積回路82)に設けられた少なくとも1つの前記温度センサ部(温度センサ22)は、抵抗素子あるいはダイオード素子とバイポーラトランジスタ素子とCMOSトランジスタとの少なくとも何れか1つの回路素子(トランジスタT1とトランジスタT2)を含み、前記導電層(配線層2の金属配線)のうち前記接触面(4a)に最も近い層(最上位層メタル3)は、前記回路素子に接続されている。
本発明の態様9に係るセンサ装置(検査装置92)は、態様8に記載のセンサ装置であり、前記発振部(発振器15)は、前記被検査体(5)の物性(複素誘電率)に応じて共振周波数を変化させる共振部(共振器13)を有することを特徴とする。
上記構成によれば、発振部は被検査体の物性に応じて共振周波数を変化させる共振部を有するため、被検査体の物性に応じて発振周波数を変化させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 基板
2 配線層
3 最上位層メタル(導電層のうち接触面に最も近い層)
4 保護膜
5 被検査体
11、106 インダクタ
12 キャパシタ
13、102 共振器(共振部)
14、103 差動回路
15、104 発振器(発振部)
21、22 温度センサ(温度センサ部)
23 第1温度センサ(温度センサ部)
24 第2温度センサ(温度センサ部)
30 温度検出回路
40、107 周波数検出回路(発振周波数検出部)
50 温度補償回路(温度補償部)
60 接続線
70 容器
81、82、83、87、105 集積回路(単一の集積回路)
84 第1集積回路(単一の集積回路)
85 第2集積回路(単一の集積回路の外部)
86 第3集積回路(単一の集積回路の外部)
91、92、93、94、95、101 検査装置(センサ装置)
Amp アンプ
S1 第1電流源
S2 第2電流源
T1 第1トランジスタ(回路素子)
T2 第2トランジスタ(回路素子)

Claims (5)

  1. 被検査体の物性に応じて発振周波数を変化させる発振部と、
    前記発振周波数を検出する発振周波数検出部と、
    前記被検査体の温度を検出する温度センサ部と、
    前記温度センサ部により検出された温度に基づき、前記被検査体の主要成分の物性の温度依存性に基づき、前記発振周波数を補償する温度補償部と、を備え
    前記発振部と少なくとも1つの前記温度センサ部とは、単一の集積回路に設けられ、
    前記集積回路は、前記被検査体が接触する接触面と、配線に使用する導電層とを有し、
    前記集積回路に設けられた少なくとも1つの前記温度センサ部は、前記導電層のうち前記接触面に最も近い層に接続されていることを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記温度センサ部を複数備え、
    複数の前記温度センサ部により検出された温度の差が、閾値以下になったときに、前記発振周波数検出部は、前記発振周波数を検出することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記温度補償部は、複数の前記温度センサ部により検出された温度の何れか1つ、あるいは、複数の前記温度センサ部により検出された温度の平均値、に基づき、前記発振周波数を補償することを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
  4. 前記発振部と少なくとも1つの前記温度センサ部とは、単一の集積回路に設けられ、
    前記集積回路は、前記被検査体が接触する接触面と、配線に使用する導電層とを有し、
    前記集積回路に設けられた少なくとも1つの前記温度センサ部は、前記導電層のうち前記接触面に最も近い層に接続されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のセンサ装置。
  5. 前記発振部は、前記被検査体の物性に応じて共振周波数を変化させる共振部を有することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のセンサ装置。
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