JP6556533B2 - 間接式ガス冷却装置および間接式ガス冷却装置の劣化診断方法 - Google Patents
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Description
1.冷却管内を流れる冷却水によりガスを冷却する間接式ガス冷却装置であって、
前記冷却管と前記ガスとを接触させるガス冷却塔と、
前記ガス冷却塔より小型であり、前記冷却管と同じ材質からなる検査用冷却管を備え、かつ前記ガスを内部に流さない検査用模擬冷却塔と、
前記ガス冷却塔と前記検査用模擬冷却塔とに前記冷却水を供給する冷却水供給手段と、
前記検査用模擬冷却塔を迂回して冷却水を流すためのバイパス配管とを備える、間接式ガス冷却装置。
前記間接式ガス冷却装置として、前記1〜3のいずれか一項に記載の間接式ガス冷却装置を使用し、
前記検査用冷却管の劣化状態を検査し、
前記検査の結果に基づいて前記冷却管の劣化状態を判断する、間接式ガス冷却装置の劣化診断方法。
本発明の間接式ガス冷却装置は、冷却管内を流れる冷却水と熱交換させることにより、高温のガスを冷却するためのものである。前記冷却対象のガスとしては、特に限定されることなく、任意のガスを用いることができる。使用できるガスの例としては、石炭を乾留するコークス炉ガスから発生するコークス炉ガス(「Cガス」ともいう)が挙げられる。冷却対象のガスとしてコークス炉ガスを使用する場合には、安水(アンモニア水)による直接冷却によって80℃程度まで冷却した後に、本発明の間接式ガス冷却装置による冷却を行うことが好ましい。なお、このようなアンモニア水による直接冷却後のコークス炉ガスを冷却するための冷却装置は、「プライマリークーラー」とも呼ばれる。
上記冷却水は、上記ガスを冷却するための冷媒として使用されるものである。前記冷却水としては、水道水、地下水、工業用水など、任意の水を用いることができる。また、前記冷却水は、任意の添加剤を含有していてもよい。前記添加剤としては、例えば、腐食防止剤、スケール防止剤、pH調整剤、スライム防止剤、スライム剥離剤、スライムコントロール剤、抗菌剤、殺菌剤、殺藻剤などを、1種または2種以上を使用することができる。
上記ガスと冷却水の間の熱交換は、ガス冷却塔において行われる。前記ガス冷却塔としては、冷却管を備え、間接式でガスを冷却するものであれば、任意のものを使用できる。前記冷却管の詳細については後述する。
上記冷却管としては、冷却水を流し、ガスと熱交換させることができるものであれば任意のものを用いることができるが、通常は金属製の冷却管が用いられる。前記金属としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼などを用いることが好ましく、前記鋼としては、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼などを用いることが好ましい。また、耐食性向上の観点からは、表面にめっき被膜を有する冷却管を用いることが好ましい。前記めっき被膜としては、例えば、アルミニウムめっき皮膜、アルミニウム合金めっき被膜、亜鉛めっき被膜、亜鉛合金めっき被膜などを使用することができる。前記めっき被膜は、任意の方法で形成されためっき被膜であってよく、例えば、溶融めっき皮膜、電気めっき皮膜等であってよい。
本発明の間接式ガス冷却装置は、上記ガス冷却塔に加えて、検査用模擬冷却塔を備えている。本発明においては、ガス冷却塔における冷却管の劣化の診断を、実際にガス冷却塔内に設置されている冷却管を検査することに変えて、前記検査用模擬冷却塔に設置された検査用冷却管を検査することによって行うことができる。前記検査用模擬冷却塔は、上記ガス冷却塔の冷却管内部の腐食検査のためのものであるため、該検査用模擬冷却塔において実際に高温ガスの冷却を行う必要は無く、また、前記検査用模擬冷却塔は、前記ガス冷却塔よりも小型とすることができる。したがって、前記検査用模擬冷却塔は、冷却対象である高温ガスを流さないものとすることができる。しかし、劣化診断の精度をあげるためには、検査用冷却管の外表面の温度を、上記ガス冷却塔へ導入されるガス温度と同程度にするのが好ましい。具体的には、ガス冷却塔へ導入されるガスの温度と同程度の温度に調整された空気などの媒体を、検査用模擬冷却塔に供給することが好ましい。
上記検査用模擬冷却塔に設置される検査用冷却管は、上記ガス冷却塔に設置される冷却管と同じ材質からなるものとすることが重要である。同じ材質の管を用いることにより、前記検査用冷却管の腐食状態に基づいて、前記ガス冷却塔内の冷却管の腐食状態を推定することが可能となる。前記冷却管の腐食状態をより正確に再現するためには、前記検査用冷却管の肉厚は、前記ガス冷却塔に設置される冷却管と同じとすることが好ましい。同様に、検査用冷却管の径は、ガス冷却塔に設置される冷却管と同じとすることが好ましい。これにより、管内における冷却水の流速を同一とすることができるため、劣化診断の精度をさらに向上させることができる。また、前記冷却管がめっき被膜を有している場合には、前記検査用冷却管も同様の材質および膜厚のめっき被膜を有していることが好ましい。
本発明の間接式ガス冷却装置は、上記ガス冷却塔と検査用模擬冷却塔とに冷却水を供給するための冷却水供給手段を備えている。前記冷却水供給手段としては、例えば、ポンプを使用することができる。
前記冷却水供給手段による冷却水の供給は、ガス冷却塔と検査用模擬冷却塔の両者に対して行われる。この際、前記ガス冷却塔と検査用模擬冷却塔は直列に接続されている。例えば、冷却水供給手段としてのポンプ、ガス冷却塔、および検査用模擬冷却塔を、この順序で接続することができる。この場合、前記ガス冷却塔においてガスの冷却に使用された後の冷却水が、前記検査用模擬冷却塔に供給される。また、複数の冷却水供給手段を用いて、前記ガス冷却塔と検査用模擬冷却塔に独立して冷却水を供給することもできる。ただし、いずれの場合においても、ガス冷却塔と検査用模擬冷却塔に供給される冷却水は同一のものとすることが好ましい。
本発明においては、さらに間接式ガス冷却装置が、前記検査用模擬冷却塔を迂回して冷却水を流すためのバイパス配管を備えていることが重要である。検査用模擬冷却塔に設置された検査用冷却管の検査を行うためには、該検査用冷却管を検査用模擬冷却塔から抜き取って検査を行うことが好ましい。しかし、前記間接式ガス冷却装置の稼働中は、検査用冷却管の内部に冷却水が流れているため、該検査用冷却管を抜き出すためには冷却水の供給を停止する必要がある。すなわち、ガス冷却塔とは別に検査用模擬冷却塔を設けているにもかかわらず、検査を行うために間接式ガス冷却装置全体の操業を中断する必要がある。そこで、上述のように検査用模擬冷却塔を迂回して冷却水を流すためのバイパス配管を設けることにより、検査用冷却管の検査を行う間、前記バイパス配管を利用して検査用模擬冷却塔を迂回して冷却水を流すことにより、間接式ガス冷却装置全体の操業を中断することなく検査を行うことが可能となる。
本発明の間接式ガス冷却装置は、さらに、前記検査用冷却管を流れる冷却水の温度を調整するための温度調節手段を備えることが好ましい。冷却管の腐食の進行は、該冷却管の内部を流れる冷却水の温度に依存する。上記のように温度調整手段を設けることにより、検査用冷却管の腐食環境がガス冷却塔に設置された冷却管の腐食環境により近くなるように水温を制御することが可能となる。
次に、上記間接式ガス冷却装置を使用する際に、該間接式ガス冷却装置の劣化を診断する方法について説明する。なお、ここで間接式ガス冷却装置の劣化とは、該間接式ガス冷却装置の冷却等に備えられた冷却管の劣化を表すものとする。
2 冷却水
3 コークス炉ガス
10 ガス冷却塔
11 冷却管
12 水室カバー
20 検査用模擬冷却塔
21 検査用冷却管
22 水室カバー
30 ポンプ(冷却水供給手段)
40 冷却塔
41 ファンスタック
42 水槽
50 循環用配管
60 バイパス配管
70 ヒーター(温度調整手段)
Claims (4)
- 冷却管内を流れる冷却水によりガスを冷却する間接式ガス冷却装置であって、
前記冷却管と前記ガスとを接触させるガス冷却塔と、
前記ガス冷却塔より小型であり、前記冷却管と材質および肉厚が同じである検査用冷却管を備え、かつ前記ガスを内部に流さない検査用模擬冷却塔と、
前記ガス冷却塔の前記冷却管の内部と前記検査用模擬冷却塔の前記検査用冷却管の内部とに前記冷却水を供給する冷却水供給手段と、
前記検査用模擬冷却塔を迂回して冷却水を流すためのバイパス配管と、
前記検査用冷却管を流れる冷却水の温度を調整するための、前記検査用模擬冷却塔の上流側に設置された温度調節手段を備える、間接式ガス冷却装置。 - 前記ガスが、コークス炉から排出されたコークス炉ガスである、請求項1に記載の間接式ガス冷却装置。
- 間接式ガス冷却装置の劣化診断方法であって、
前記間接式ガス冷却装置として、請求項1または2に記載の間接式ガス冷却装置を使用し、
前記検査用冷却管の劣化状態を検査し、
前記検査の結果に基づいて前記冷却管の劣化状態を判断する、間接式ガス冷却装置の劣化診断方法。 - 前記検査の結果が所定の基準を超えた場合に、前記冷却管の点検および補修の少なくとも一方を実施する、請求項3に記載の間接式ガス冷却装置の劣化診断方法。
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