JP6789835B2 - 高温液体式加熱処理装置及び高温液体式加熱処理装置の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理対象物を加熱処理する加熱処理装置及び加熱処理装置の運転方法に関し、より詳しくは、処理対象物を高温液体に浸積させて加熱処理する高温液体式加熱処理装置及び高温液体式加熱処理装置の運転方法に関する。
従来から、処理対象物に対して所定の目的の処理を施すために、処理対象物を加熱処理する加熱処理装置が提供されている。加熱処理装置には、種々タイプのものがあり、その一つとして、処理対象物を高温液体に浸積させて加熱処理する高温液体式加熱処理装置がある。この高温液体式加熱処理装置の代表例としては、レトルトパック等の処理対象物の殺菌及び調理を目的に、処理対象物を加熱処理する熱水式殺菌装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
この種の高温液体式加熱処理装置は、処理対象物を収容可能な槽本体を有する処理槽と、槽本体に高温液体(例えば、熱水)を供給するための高温液体供給系統と、槽本体に低温液体(例えば、水)を供給するための低温液体供給系統と、槽本体内の液体を排出するための液体排出系統とを備える。
処理槽の槽本体は、横方向に延びる中心線を有する筒状の胴部であって、横方向の両端を開放させた胴部と、胴部の両端を閉塞する一対の閉塞部とを備える。一対の閉塞部のうちの少なくとも一方の閉塞部は、胴部の一端を開閉可能に設けられる。これにより、処理槽(槽本体)は、胴部の一端から処理対象物を出し入れできるようになっている。
処理槽は、槽本体に加え、該槽本体を支持する脚部を備える。脚部は、複数あり、各脚部は、胴部の外周の下部に対し、溶接等によって強固に固定されている。
高温液体供給系統は、配管やバルブ等を含み、加熱された高温液体を槽本体内に供給可能に構成される。低温液体供給系統は、配管やバルブ等を含み、供給源(例えば、水源)からの低温液体を槽本体内に供給可能に構成される。
この種の高温液体式加熱処理装置は、高温液体により処理対象物を加熱処理した後、処理対象物を冷却処理する。具体的に説明すると、高温液体式加熱処理装置では、処理対象物が処理槽の槽本体内に収容された上で、高温液体供給系統から槽本体内に高温液体が供給される。この高温液体の供給に伴い、槽本体内の液位が上昇し、処理対象物が高温液体に完全に浸積した状態になると、槽本体内の高温液体が循環系統を介して所定時間循環される。これにより、処理対象物は、高温液体の熱を受けて加熱される。
処理対象物に対する加熱処理が完了すると、液体排出系統から槽本体の高温液体が排出される。そして、槽本体内に高温液体が無くなると、低温液体供給系統から槽本体内に低温液体が供給される。この低温液体の供給により、槽本体内の液位が上昇し、槽本体内の処理対象物が低温液体に完全に浸積した状態になると、槽本体内の低温液体が循環系統を介して所定時間循環される。これにより、処理対象物は、低温液体に熱を奪われて冷却される。
ところで、この種の高温液体式加熱処理装置では、処理対象物を加熱処理するに際して処理対象物を高温液体に所定時間浸積させるため、槽本体が高温液体の熱の影響を受けて高温になる。そのため、処理対象物を低温液体で冷却する際、槽本体と脚部との接続部分(例えば、溶接部分)がダメージを受けてしまう虞がある。
具体的には、処理対象物に対する加熱処理後に槽本体から高温液体を排出するが、槽本体は、貯留していた高温液体の熱の影響を受けているため、高温液体が完全に無くなった状態でも高温である。そのため、高温液体を排出した直後の槽本体内に低温液体が供給されると、槽本体の下部は、槽本体内に供給された(当該槽本体の下部に溜まる)低温液体によって急冷されてしまう。これに伴い、槽本体(胴部)と脚部との接続部分(固定部分)に応力が集中して作用し、当該部分に割れ等が生じる虞がある。すなわち、槽本体における処理対象物の冷却時に急冷される領域に槽本体(胴部)と脚部との接続部分が含まれるため、槽本体(胴部)と脚部との接続部分が急冷に伴って集中的に生じる応力(残留応力)によって損傷してしまう虞がある。
特開2014−8235号公報
そこで、本発明は、一連の処理における熱の影響で処理槽が損傷することを抑えた上で、処理対象物に対して加熱処理・冷却処理を適正にすることのできる高温液体式加熱処理装置及び高温液体式加熱処理装置の運転方法を提供することを課題とする。
本発明に係る高温液体式加熱処理装置は、処理対象物を収容可能な槽本体及び槽本体の下部に固定された脚部を含む処理槽と、処理槽の槽本体に接続され、槽本体に高温液体を供給する高温液体供給系統と、処理槽の槽本体に接続され、槽本体に低温液体を供給する低温液体供給系統と、処理槽の槽本体の下部に接続され、槽本体内の液体を排出する液体排出系統と、槽本体に対する液体の供給及び排出を制御する制御部とを備え、制御部は、槽本体内の処理対象物全体が浸積する第一液位になるまで、高温液体供給系統から槽本体内に高温液体を供給させ、高温液体が第一液位になってから所定時間経過後に、槽本体内の高温液体を液体排出系統から排出させつつ、液体排出系統から排出される高温液体の排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させ、槽本体内の液位が槽本体内の処理対象物よりも低い第二液位になると、液体排出系統からの液体の排出を停止させ、槽本体内の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させることを特徴とする。
本発明の一態様として、低温液体供給系統は、処理槽の槽本体内の上部領域に低温液体を供給する液体供給系統を含み、制御部は、槽本体内の高温液体を液体排出系統から排出させつつ、液体排出系統から排出される高温液体の排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させる際、前記液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させるようにしてもよい。
本発明の他態様として、制御部は、槽本体の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させた後、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出させることと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させることとを、所定回数繰り返させるようにしてもよい。
また、制御部は、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出させることと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させることとを所定回数繰り返させた後、液体排出系統から槽本体内の全ての液体を排出させることと、槽本体内の液位が第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給させることとを少なくとも一回ずつさせるようにしてもよい。
本発明に係る高温液体式加熱処理装置の運転方法は、処理対象物を収容可能な槽本体及び槽本体の下部に固定された脚部を含む処理槽の槽本体内の処理対象物全体が浸積する第一液位になるまで、槽本体に接続された高温液体供給系統から槽本体内に高温液体を供給することと、高温液体が第一液位になってから所定時間経過後に、槽本体の下部に接続された液体排出系統から槽本体内の高温液体を排出しつつ、液体排出系統から排出される高温液体の排出量よりも少ない供給量で、槽本体に接続された低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給することと、槽本体内の液位が槽本体内の処理対象物よりも低い第二液位になったときに、液体排出系統からの液体の排出を停止し、槽本体内の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給することとを含むことを特徴とする。
本発明の一態様として、低温液体供給系統は、処理槽の槽本体内の上部領域に低温液体を供給する液体供給系統を含み、槽本体の下部に接続された液体排出系統から槽本体内の高温液体を排出しつつ、液体排出系統から排出される高温液体の排出量よりも少ない供給量で、槽本体に接続された低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給する際、前記液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給するようにしてもよい。
本発明の他態様として、槽本体の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給した後、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出することと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給することとを所定回数繰り返すことを含んでもよい。
また、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出することと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給することとを所定回数繰り返した後、液体排出系統から槽本体内の全ての液体を排出することと、槽本体内の液位が第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内に低温液体を供給することとを少なくとも一回ずつすることを含んでもよい。
本発明によれば、一連の処理における熱の影響で処理槽が損傷することを抑えた上で、処理対象物に対して加熱処理・冷却処理を適正にすることができるという優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の概略全体図である。 図2は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の処理槽の断面図である。 図3は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の装置本体の概略構成図である。 図4は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の運転方法を説明するための説明図である。 図5は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の運転方法を説明するための説明図である。 図6は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の運転方法を説明するための説明図である。 図7は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の運転方法を説明するための説明図である。 図8は、同実施形態に係る高温液体式加熱処理装置の運転方法を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、食品を容器に収容したレトルトパックを処理対象物とする高温液体式加熱処理装置(熱水式殺菌装置)について説明する。
本実施形態に係る高温液体式加熱処理装置(以下、単に処理装置という)は、処理対象物に対して殺菌処理及び調理処理を行うことを目的に、処理対象物に対して加熱処理及び冷却処理を行うもので、図1に示す如く、処理対象物T…に対して加熱処理及び冷却処理を行う装置本体2と、装置本体2を操作する制御盤3とを有する。
装置本体2は、図1に示す如く、処理対象物T…を収容する槽本体200及び槽本体200に固定された脚部201を含む処理槽20と、処理槽20の槽本体200に接続され、槽本体200に高温液体(本実施形態においては熱水)を供給する高温液体供給系統21と、処理槽20の槽本体200に接続され、槽本体200に低温液体(本実施形態においては水)を供給する低温液体供給系統22と、処理槽20の槽本体200の下部に接続され、槽本体200から液体を排出する液体排出系統23とを備える。
処理槽20の槽本体200は、横方向に延びる中心線CLを有する筒状の胴部202であって、横方向の両端が開放した胴部202と、胴部202の両端を閉塞する一対の閉塞部203,203とを備える。一対の閉塞部203,203のうちの一方の閉塞部203は、胴部202の一端を開閉可能に設けられる。これにより、処理槽20(槽本体200)は、胴部202の一端から処理対象物T…を出し入れできるようになっている。脚部201は、複数あり、各脚部201は、図1及び図2に示す如く、槽本体200の胴部202の外周の下部に溶接されている。なお、処理槽20は、図示しない液位センサを備えている。この液位センサは、槽本体200内の液体の液面の位置(液位)を計測(検知)する。
高温液体供給系統21は、図1及び図3に示す如く、高温液体を貯留するタンク210と、タンク210と槽本体200とを繋ぐ配管系統(以下、第一配管系統という)211とを備える。
タンク210は、いわゆる圧力容器であり、槽本体200に供給する高温液体を貯留する。すなわち、タンク210の内容量(高温液体の貯留量)は、槽本体200における内容量(高温液体の貯留量)以上に設定される。本実施形態において、タンク210は、処理槽20の上方位置に配置される。
第一配管系統211は、図3に示す如く、タンク210内の高温液体を処理槽20(槽本体200)に供給するための供給系統212と、高温液体をタンク210と処理槽20との間で循環させるための循環系統213とを含む。
供給系統212は、高温液体の流路を構成し、タンク210の下部と槽本体200(胴部202)の下部とを流体に繋いでいる。本実施形態において、供給系統212は、高温液体の流路を開閉する電動バルブVを含む。
循環系統213は、タンク210と処理槽20(槽本体200)とを繋ぐ二つの系統213a,213bであって、それぞれが高温液体の流路を構成する二つの系統213a,213bを含み、二つの系統213a,213bのうちの一方の系統213bは、電動ポンプPを含む。
具体的には、本実施形態において、循環系統213は、高温液体の流路を構成する第一系統213aであって、タンク210の下部と槽本体200(胴部202)の中位位置とを繋ぐ第一系統213aと、高温液体の流路を構成する第二系統213bであって、タンク210の下部と槽本体200(胴部202)の下位位置とを繋ぐ第二系統213bとを含む。なお、本実施形態において、槽本体200(胴部202)は、断面円筒形状をなすため、「上位位置」とは、胴部202の径方向のうちの縦方向(上下方向)にある最も高い位置にある頂部を意味し、「下位位置」とは、胴部202の径方向のうちの縦方向(上下方向)にある最も低い位置にある頂部を意味する。これに伴い、「中位位置」とは、上位位置と下位位置との略中間位置にある側部(頂部)であって、槽本体200(胴部202)の中心線CLと直交する奥行き方向(縦方向及び横方向のそれぞれと直交する方向)における槽本体200(胴部202)の側部(頂部)又はその周辺を意味する。また、各系統の説明において、上流という場合には、その系統における液体の流れ方向の上流を意味し、下流という場合には、その系統における液体の流れ方向の下流を意味する。これに伴い、上流域という場合には、その系統における液体の流れの上流側の領域を意味し、下流域という場合、その系統における液体の流れの下流側の領域を意味する。
第一系統213aは、高温液体の流路を開閉する電動バルブVを含む。第一系統213aの下流域(槽本体200側)は、図3において図示されていないが、二つの系統に分かれている。この二つの系統のうちの一方の系統は、槽本体200(胴部202)の中心線CLと直交する奥行き方向における該槽本体200(胴部202)の一方の側部(頂部)に接続され、二つの系統のうちの他方の系統は、槽本体200(胴部202)の中心線CLと直交する奥行き方向における該槽本体200(胴部202)の他方の側部(頂部)に接続されている。
第二系統213bは、高温液体の流路を開閉する電動バルブVを含む。また、第二系統213bは、高温液体を槽本体200からタンク210に向けて送るための電動ポンプPを含む。また、本実施形態において、第二系統213bは、流通する液体を加熱するためのスチームエジェクタEを備える。スチームエジェクタEは、電動ポンプPの下流側に設置されている。本実施形態において、第二系統213bの電動ポンプPよりも上流域は、供給系統212の下流域と合流している。すなわち、第二系統213bの上流域は、供給系統212の下流域に兼用されている。
本実施形態において、第二系統213bの上流域は、二つの系統214,215を含む。具体的には、本実施形態に係る第二系統213bは、槽本体200の下位位置に繋がる下位接続系統214と、槽本体200の中位位置に繋がる中位接続系統215とを含む。
下位接続系統214及び中位接続系統215は、合流した状態で電動ポンプPに繋がっている。下位接続系統214及び中位接続系統215のそれぞれは、流路を開閉する電動バルブVを含む。中位接続系統215及び下位接続系統214は、電動バルブVによる流路の開閉により、同じタイミング又は異なるタイミングで槽本体200から液体を流入させる。中位接続系統215の上流域は、図3において図示されていないが、二つの系統に分かれている。この二つの系統のうちの一方の系統は、槽本体200(胴部202)の中心線CLと直交する奥行き方向における該槽本体200(胴部202)の一方の側部(頂部)に接続され、二つの系統のうちの他方の系統が槽本体200(胴部202)の中心線CLと直交する奥行き方向における該槽本体200(胴部202)の他方の側部(頂部)に接続されている。
なお、本実施形態において、循環系統213は、第一系統213aと第二系統213bを含んでいるが、第一系統213aの電動バルブVが流路を閉じた状態においては、第一系統213aから槽本体200に高温液体が供給されることなく、槽本体200の高温液体が第二系統213bを介してタンク210に送られることになり、槽本体200内の液位が低くなる。従って、循環系統213の第二系統213bは、第一系統213aの流路が閉じられた状態において、槽本体200から液体を排出させる液体排出系統23としても機能する。
本実施形態の高温液体供給系統21は、第一配管系統211に加え、熱源であるボイラとタンク210とを繋ぐ配管系統(以下、第二配管系統という)216をさらに備える。第二配管系統216は、ボイラとタンク210とを繋ぐ系統ではあるが、本実施形態においては、循環系統213(第二系統213b)に設けられたスチームエジェクタEに繋がる系統でもある。
具体的には、第二配管系統216は、ボイラとタンク210を繋ぐ主系統216aと、ボイラとスチームエジェクタEとを繋ぐ副系統216bとを含む。本実施形態において、副系統216bの上流域は、主系統216aの上流域に合流している。すなわち、主系統216aのボイラに繋がる上流域は、副系統216bの上流域に兼用されている。これにより、第二配管系統216において、主系統216aを介してボイラからの蒸気をタンク210内に供給し、副系統216bを介してボイラの蒸気をスチームエジェクタEに供給するようになっている。
主系統216a及び副系統216bのそれぞれは、流路を開閉する電動バルブVを有し、電動バルブVによる流路の開閉によって、下流側への蒸気の供給と停止とを切り替えることができるようになっている。これにより、主系統216aを流通する蒸気がタンク210内に供給され、該タンク210内に供給された蒸気がタンク210内の液体を加熱して高温液体にする。また、副系統216bを流通する蒸気がスチームエジェクタEに供給され、スチームエジェクタEに供給された蒸気が循環系統213(第二系統213b)を流通する液体を加熱して該液体の温度低下を防止する。
低温液体供給系統22は、低温液体の供給源(本実施形態においては、水源)と槽本体200とを繋ぐ。本実施形態において、低温液体供給系統22は、水源から槽本体200に低温液体を供給する複数の系統220,221,222,223を含む。
より具体的には、低温液体供給系統22は、供給源と槽本体200とを繋ぐ第一低温液体供給系統220であって、低温液体を槽本体200の上位位置に供給する第一低温液体供給系統220と、供給源と槽本体200とを繋ぐ第二低温液体供給系統221であって、低温液体を槽本体200内の上部領域に供給する第二低温液体供給系統221と、供給源と槽本体200とを繋ぐ第三低温液体供給系統222であって、低温液体を槽本体200の中位位置に供給する第三低温液体供給系統222と、供給源と槽本体200とを繋ぐ第四低温液体供給系統223であって、低温液体を槽本体200の下位位置に供給する第四低温液体供給系統223とを含む。
第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222、及び第四低温液体供給系統223のそれぞれは、低温液体の流路を開閉する電動バルブVと、供給源から下流側(槽本体200)に向けて低温液体を送るための電動ポンプPとを含む。これにより、第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222、及び第四低温液体供給系統223のそれぞれは、電動バルブVによる流路の開閉に伴い、同じタイミング又は異なるタイミングで槽本体200に低温液体を供給するようになっている。
本実施形態において、第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222、及び第四低温液体供給系統223のそれぞれの上流域は、合流している。すなわち、第一低温液体供給系統220の上流域、第二低温液体供給系統221の上流域、第三低温液体供給系統222の上流域、及び第四低温液体供給系統223の上流域は、互いに兼用されている。この兼用された上流域(共通した系統の最上流)は、低温液体の供給源(水源)に繋がっている。これに伴い、兼用された上領域には、供給源から下流側(槽本体200)に向けて低温液体を送るための電動ポンプPが設けている。これにより、一台の電動ポンプPが、第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222、及び第四低温液体供給系統223のそれぞれの電動ポンプPとして兼用されている。
第一低温液体供給系統220は、槽本体200の上位位置から槽本体200内の下方(下位位置)に向けて低温液体を吐出するようになっている。これに対し、第二低温液体供給系統221は、槽本体200内の上部領域に低温液体を吐出するようになっている。本実施形態において、第二低温液体供給系統221の下流域は、図2に示す如く、槽本体200内の上部領域に配置された一対の吐出部221a,221aを有する。一対の吐出部221a,221aは、胴部202の中心線CLに沿った仮想面であって縦方向(上下方向)横方向に広がる仮想面を基準に対称的に配置されている。一対の吐出部221a,221aにおける低温液体の吐出方向は、相反する方向(当該一対の吐出部221a,221aの配置の基準とする仮想面から離れる方向)に設定されている。各吐出部221a,221aは、槽本体200内の上部領域を画定する胴部202の内面に概ね沿う方向に低温液体を吐出させる(図3の矢印参照)。すなわち、各吐出部221a,221aは、低温液体が槽本体200内の上部領域を画定する胴部202の内面に付着するように、低温液体を吐出させる。
図3に戻り、第四低温液体供給系統223の下流域は、二つの系統214,215に分かれている。この二つの系統214,215のうちの一方の系統214は、槽本体200の下位位置に繋がり、二つの系統214,215のうちの他方の系統215は、槽本体200の中位位置に繋がる。二つの系統214,215のうちの他方の系統215は、図3において図示されていないが、更に二つの系統に分かれている。二つの系統のうちの一方の系統は、その二つの系統のうちの一方が槽本体200(胴部202)の一方の側部に繋がり、その二つの系統のうちの他方が槽本体200(胴部202)の他方の側部に繋がる。
具体的に説明すると、本実施形態において、第四低温液体供給系統223の下流域は、循環系統213の第二系統213bの上流域に合流している。すなわち、循環系統213の第二系統213bの上流域の一部は、第四低温液体供給系統223の下流域を兼用している。これにより、第二系統213bにおける下位接続系統214が第四低温液体供給系統223の下流域における二つの系統214,215のうちの一方の系統214に兼用され、第二系統213bにおける中位接続系統215が第四低温液体供給系統223の下流域における二つの系統214,215のうちの他方の系統215に兼用されている。
液体排出系統23は、槽本体200に接続され、液体の排出先に向けて延びる。本実施形態においては、上述の如く、循環系統213の第二系統213bが液体排出系統23として機能する。すなわち、本実施形態に係る液体排出系統23は、液体の排出先であるタンク210に向けて延びる系統(以下、第一排出系統という)230を含む。また、液体排出系統23は、当該処理装置1の外部にある液体の排出先に向けて延びる系統(以下、第二排出系統という)231を含む。
第一排出系統230の上流域及び第二排出系統231の上流域は、合流している。第一排出系統230の上流域及び第二排出系統231の上流域は、互いに兼用されている。これに対し、第一排出系統230及び第二排出系統231の下流域は、それぞれの目的位置に位置する。すなわち、第一排出系統230及び第二排出系統231の槽本体200に接続される上流域は、互いに兼用されるが、第一排出系統230の下流域は、タンク210に向けて延び、第二排出系統231の下流域は、外部の排出先に向けて延びている。
第一排出系統230の上流域及び第二排出系統231の上流域のそれぞれは、二つの系統214,215に分かれている。この二つの系統214,215のうちの一方の系統214は、槽本体200の下位位置に繋がり、二つの系統のうちの他方の系統215は、槽本体200の中位位置に繋がる。二つの系統214,215のうちの他方の系統215は、図3において図示されていないが、更に二つの系統に分かれている。二つの系統のうちの一方の系統は、その二つの系統のうちの一方の系統が槽本体200(胴部202)の一方の側部に繋がり、その二つの系統のうちの他方の系統が槽本体200(胴部202)の他方の側部に繋がる。
本実施形態において、循環系統213の第二系統213bが液体排出系統23として機能するに伴い、循環系統213の第二系統213bの上流域は、第一排出系統230及び第二排出系統231の上流域を兼用している。これにより、第二系統213bにおける下位接続系統214が第一排出系統230及び第二排出系統231の上流域における二つの系統214,215のうちの一方の系統214に兼用され、第二系統213bにおける中位接続系統215が第一排出系統230及び第二排出系統231の上流域における二つの系統214,215のうちの他方の系統215に兼用されている。
第一排出系統230及び第二排出系統231のそれぞれは、流路を開閉する電動バルブVを含む。第一排出系統230及び第二排出系統231のそれぞれは、電動バルブVによる流路の開閉に伴い、同じタイミング又は異なるタイミングで槽本体200の液体を排出する。
本実施形態において、上述の如く、異なる系統を合流させることで、異なる系統の一部が他の系統の一部を兼用しているが、各系統に電動バルブVが設置されているため、この電動バルブVの切り替えにより、液体の流通経路が切り替わり、本来の目的の系統としてそれぞれ機能する。
図1に戻り、制御盤3は、各種スイッチ30…や表示部31等を備え、装置本体2の運転条件等を設定可能に構成される。これに伴い、制御盤3は、処理槽20に対する高温液体及び低温液体の供給を制御するとともに、処理槽20に対する高温液体及び低温液体の排出を制御する制御部32を備える。
制御部32は、高温液体供給系統21、低温液体供給系統22、及び液体排出系統23のそれぞれに含まれる電気機器(電動バルブVや電動ポンプP等)を制御する。すなわち、制御部32は、高温液体供給系統21、低温液体供給系統22、及び液体排出系統23のそれぞれにおける液体の流通状態を制御する。
具体的には、制御部32は、槽本体200内の処理対象物T…全体が浸積する第一液位になるまで、高温液体供給系統21(本実施形態においては、供給系統212)から槽本体200内に高温液体を供給させ、高温液体が第一液位になってから所定時間経過後に、槽本体200内の高温液体を液体排出系統23(本実施形態においては、第一排出系統230)から排出させつつ、液体排出系統23(第一排出系統230)から排出される高温液体の排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統22(本実施形態においては、第二低温液体供給系統221)から槽本体200内に低温液体を供給させ、槽本体200内の液位が槽本体200内の処理対象物T…よりも低い第二液位になると、液体排出系統23(第一排出系統230)からの液体の排出を停止させ、槽本体200内の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統22(本実施形態においては、第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222)から槽本体200内に低温液体を供給させる。なお、制御部32は、処理槽20の液位センサの検知結果を受け、槽本体200内の液位が如何なる位置(高さ)にあるかを認識している。
さらに、制御部32は、槽本体200の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体を供給させた後、槽本体200内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統23(本実施形態においては、第二排出系統231)から槽本体200内の液体を排出させることと、槽本体200内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統22(本実施形態においては、第一低温液体供給系統220、第三低温液体供給系統222)から槽本体200内に低温液体を供給させることとを、所定回数繰り返させる。
また、制御部32は、槽本体200内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統23(本実施形態においては、第二排出系統231)から槽本体200内の液体を排出させることと、槽本体200内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体を供給させることとを所定回数繰り返させた後、液体排出系統23(本実施形態においては、第二排出系統231)から槽本体200内の全ての液体を排出させることと、槽本体200内の液位が第一液位になるまで低温液体供給系統22(本実施形態においては、第四低温液体供給系統223)から槽本体200内に低温液体を供給させることとを、少なくとも一回ずつさせる。
これにより、本実施形態に係る処理装置1は、制御部32の各系統に対する制御によって、以下の運転方法を実現し、処理対象物T…に対する加熱処理及び冷却処理を行う。
具体的に説明する。まず、図4(a)に示す如く、処理槽20の槽本体200内に処理対象物T…が収容される。この状態において、槽本体200は、密閉状態にされる。そして、図4(b)に示す如く、処理対象物T…を収容した槽本体200に対して高温液体供給系統21から高温液体HWが供給される。本実施形態においては、高温液体供給系統21の供給系統212(第二系統213b)の下位接続系統214から槽本体200の下位位置に高温液体HWが供給される。これに伴い、槽本体200内の液位Lが上昇し、図4(c)に示す如く、槽本体200内の液位Lが処理対象物T…全体を浸積させる第一液位L1になると、高温液体供給系統21(供給系統212)からの高温液体HWの供給が停止し、処理対象物T…が高温液体HWに所定時間浸積される。これにより、処理対象物T…は、加熱処理される。
本実施形態において、槽本体200内の高温液体HWが一定又は略一定の温度で維持するように、循環系統213によって高温液体HWが槽本体200とタンク210との間で循環される。本実施形態においては、図5(a)に示す如く、循環系統213の第一系統213aによってタンク210内の高温液体HWが槽本体200内に供給されるのに併せ、循環系統213の第二系統213bによって、槽本体200内の高温液体HWがタンク210に送られる。
なお、本実施形態において、第一系統213aの下流端は、第二系統213bの中位接続系統215の上流端と合流(合致)している。そのため、槽本体200から高温液体HWを排出させる場合、第一系統213aの下流域における二系統のうちの何れか一方の系統と合致する中位接続系統215の上流域における二系統のうちの何れか一方の系統から槽本体200の高温液体HWを排出するとともに、下位接続系統214から槽本体200の高温液体HWを排出し、中位接続系統215の上流域における二系統のうちの何れか他方の系統と合致する第一系統213aの下流域における二系統のうちの何れか他方の系統から槽本体200に高温液体HWを吐出させる。
また、第一系統213aにおける高温液体HWを吐出させる系統と、中位接続系統215における高温液体HWを排出させる系統とは、適宜切り替えられる。すなわち、胴部202の一方の側部から高温液体HWを供給するとともに胴部の他方の側部から高温液体HWを排出する状態と、胴部202の他方の側部から高温液体HWを供給するとともに胴部の一方の側部から高温液体HWを排出する状態とに切り替える。これにより、高温液体HWが槽本体200内で撹拌されつつ循環する。
そして、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過すると(本実施形態においては、第一液位L1になってから高温液体HWの必要時間循環されると)、図5(b)に示す如く、液体排出系統23から槽本体200内の高温液体HWが排出される。本実施形態において、循環系統213の第一系統213aの流路が閉じられ、循環系統213の第二系統213bが第一排出系統230にされ、槽本体200内の高温液体HWがタンク210に戻される。このとき、槽本体200の下位位置(下位接続系統214)から槽本体200内の高温液体HWが排出される。
また、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、槽本体200に接続された低温液体供給系統22から低温液体CWを槽本体200に供給する。本実施形態においては、低温液体供給系統22のおける第二低温液体供給系統221から槽本体200に低温液体CWが供給される。この際、吐出部221a,221aから吐出された低温液体CWは、槽本体200(胴部202)の内面に付着しつつ(内面を伝って)下方に落ちる。これにより、槽本体200(胴部202)が低温液体CWによって直接冷やされることになるが、初期に段階においては、槽本体200内にある高温液体HWが供給される低温液体CWよりも多い(熱量が多い)ため、槽本体200が急冷されることがない。
そして、第二低温液体供給系統221による低温液体CWの供給量は、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ないため、徐々に槽本体200内の液位Lが下降する。このとき、槽本体200内にあった高温液体HWが排出されつつ、低温液体CWが高温液体HWと混ざることになるため、槽本体200内の液体W(低温液体CWと高温液体HWの混ざった液体W)の温度が低下する。そして、図5(c)に示す如く、槽本体200内の液位Lが処理対象物T…よりも低い第二液位L2になると、液体排出系統23(第一排出系統230)からの液体Wの排出を停止させる。
そして、図6(a)に示す如く、槽本体200内の液位Lが第一液位L1になるまで、低温液体供給系統22から槽本体200に低温液体CWを供給する。本実施形態においては、液体排出系統23(第一排出系統230)からの液体Wの排出を停止させた状態において、第二低温液体供給系統221からの低温液体CWの供給を継続させる。
本実施形態においては、槽本体200内の液位Lが上昇し、処理対象物T…の一部が液体Wに浸積する液位Lになると、図6(b)に示す如く、第一低温液体供給系統220及び第三低温液体供給系統222からも槽本体200に低温液体CWを供給させる。本実施形態においては、槽本体200内の液位Lを上昇させるために、低温液体供給系統22(第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222)から槽本体200に低温液体CWを供給しつつ、低温液体供給系統22からの低温液体CWの供給量(第一低温液体供給系統220、第二低温液体供給系統221、第三低温液体供給系統222の総供給量)よりも少ない排出量で槽本体200内の液体Wを液体排出系統23(下位接続系統214)から排出する。本実施形態においては、第一排出系統230(循環系統213の第二系統213b)から槽本体200内の液体が排出される。これに伴い、槽本体200内の液体Wは、タンク210に送られる。そして、図6(c)に示す如く、槽本体200内の液位Lが処理対象物T…全体の浸積する第一液位L1になると、低温液体供給系統22からの低温液体CWの供給を停止する。
そして、図7(a)に示す如く、槽本体200の液位Lが第一液位L1よりも低く且つ第二液位L2よりも高い第三液位L3になるまで槽本体200内の液体Wを液体排出系統23から排出する。本実施形態では、第一排出系統230(下位接続系統214)から槽本体200内の液体Wを排出させる。これに伴い、槽本体200内の液体Wは、タンク210に送られる。
そして、図7(b)に示す如く、槽本体200内の液位Lが第三液位L3になると、低温液体供給系統22から槽本体200に対して低温液体CWを供給する。本実施形態においては、第一低温液体供給系統220及び第三低温液体供給系統222から槽本体200に対して低温液体CWを供給する。そして、このように槽本体200内の液位Lが第三液位L3になるまで槽本体200内の液体Wを排出すること(図7(a))、及び第三液位L3から第一液位L1になるように槽本体200に低温液体CWを供給すること(図7(b))が、所定回数繰り返され、処理対象物T…が冷却される。すなわち、槽本体200内の高温液体HWの一部が低温液体CWに繰り返し置き換えられることで、槽本体200内の液体Wの温度を低下させ、これによって、処理対象物T…の一次冷却をおこなう。
本実施形態においては、図7(c)に示す如く、槽本体200内の液位Lが第一液位L1になると、槽本体200内(液体W(低温液体CW))の温度を均一化させるために、槽本体200内の液体W(低温液体CW)を撹拌する。
具体的には、第三低温液体供給系統222の下流側における二つの系統のうちの何れか一方の系統(胴部202の奥行き方向の両側にある側部の何れか一方の側部に接続された系統)から低温液体CWを供給するとともに、液体排出系統23の第一排出系統230の中位接続系統215の上流域にある二つの系統のうちの何れか一方の系統(胴部202の奥行き方向の両側にある側部の何れか他方の側部(低温液体CWの供給される側部とは反対側の側部)に接続された系統)から槽本体200内の液体W(低温液体CW)を排出する。すなわち、槽本体200の胴部202の何れか一方の側部から低温液体CWを供給しつつ、槽本体200の胴部202の何れか他方の側部から低温液体CWを排出する。本実施形態において、系統の切り替えにより、低温液体CWを吐出させる位置と、液体(低温液体CW)を排出する位置とが適宜入れ替わる(切り替えられる)ようにしている。なお、この場合においても、槽本体200内の液体W(低温液体CW)は、液体排出系統23(第一排出系統230)を介してタンク210に送られる。
そして、処理対象物T…の一次冷却が完了すると、図8(a)に示す如く、槽本体200内の液体Wが完全に排出される。本実施形態では、第二排出系統231(下位接続系統214)から槽本体200内の液体Wを完全に排出させる。
そして、槽本体200の液体Wが完全に無くなると、図8(b)に示す如く、槽本体200内の液位Lが第一液位L1になるまる槽本体200に低温液体CWが供給される。本実施形態では、第四低温液体供給系統223(下位接続系統214)によって低温液体CWが供給される。
このように、槽本体200内の液体Wを完全に排出すること、及び完全に液体Wを排出した槽本体200内に液位Lが第一液位L1になるように低温液体CWを供給することが、少なくとも1回行われることで、処理対象物T…に対する二次冷却が行われる。そして、図8(c)に示す如く、二次冷却後に液体排出系統23(本実施形態においては、第二排出系統231の下位接続系統214)から槽本体200内の液体Wが完全に排出されることで、一連の処理が完了する。
以上のように、本実施形態に係る処理装置1は、処理対象物T…を収容可能な槽本体200及び槽本体200の下部に固定された脚部201を含む処理槽20と、処理槽20の槽本体200に接続され、槽本体200に高温液体HWを供給する高温液体供給系統21と、処理槽20の槽本体200に接続され、槽本体200に低温液体CWを供給する低温液体供給系統22と、処理槽20の槽本体200の下部に接続され、槽本体200内の液体Wを排出する液体排出系統23と、槽本体200に対する液体W(高温液体HW、低温液体CW)の供給及び排出を制御する制御部32とを備え、制御部32は、槽本体200内の処理対象物T…全体が浸積する第一液位L1になるまで、高温液体供給系統21から槽本体200内に高温液体HWを供給させ、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過後に、槽本体200内の高温液体HWを液体排出系統23から排出させつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させ、槽本体200内の液位Lが槽本体200内の処理対象物T…よりも低い第二液位L2になると、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、槽本体200内の液位Lが第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させる。
このように、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過すると、槽本体200内の処理対象物T…は必要時間高温な雰囲気に曝されるため、処理対象物T…に対して必要な加熱処理がされる。そして、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過すると、高温液体HWを貯留する槽本体200も高温状態になっているが、本実施形態における処理装置1の制御部32は、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過後に、第一液位L1にある高温液体HWを液体排出系統23から排出させつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統22から低温液体CWを槽本体200に供給させるため、槽本体200の高温液体HWが供給される低温液体CWに熱が奪われつつ排出される。すなわち、低温液体CWの供給に伴い、槽本体200内の高温液体HWは、温度を低下させつつ液体排出系統23から排出される。これにより、槽本体200の温度についても高温液体HWの温度低下に追従するように低下する。
従って、槽本体200内の液位Lが槽本体200内の処理対象物T…よりも低い第二液位L2になると、槽本体200の温度が低下した状態になるため、槽本体200に低温液体CWが供給されても槽本体200が急冷されることがなく、処理槽20の損傷が抑えられる。また、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることで、処理対象物T…が低温液体CWによって十分に冷却される。
特に、本実施形態のように処理対象物T…が食品を容器に収容したレトルトパック等である場合、液体排出系統23からの液体W(高温液体HW)の排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体CWを供給させる前段において、槽本体200の温度が低下している(槽本体200が冷却されている)ため、槽本体200内にある全ての処理対象物T…に対して均一な処理(殺菌、調理処理)が可能である。
具体的に説明すると、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体CWを供給させる前段において、槽本体200の温度が低下している(槽本体200が冷却されている)ため、槽本体200内の温度状態が均衡のとれた状態(場所によって温度差の大きな領域が無くなっているか少なくなっている状態)になる。これに伴い、槽本体200内に収容された処理対象物T…全体においても、温度差の大きなものが無くなっているか少なくなっている。これにより、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体CWを供給させることで、槽本体200内に収容された処理対象物T…全体が均衡のとれた温度状態で冷却される。これにより、槽本体200内にある処理対象物T…に対して均一な処理がなされる。この点、発明者が処理後の槽本体200内にあった複数の処理対象物T…のF値(殺菌効率等の指標値)を測定したところ、それらのF値にバラつきがないことを確認している。
また、本実施形態において、低温液体供給系統22は、処理槽20の槽本体200内の上部領域に低温液体CWを供給する液体供給系統(第二低温液体供給系統)221を含み、制御部32は、槽本体200内の高温液体HWを液体排出系統23から排出させつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させる際、前記液体供給系統(第二低温液体供給系統)221から槽本体200に低温液体CWを供給させるため、応力の影響の受けにくい槽本体200の上部(上位位置を含む領域)が低温液体CWによって冷やされる。すなわち、槽本体200と脚部201とは強固に接続されるため、この2つの部材の接続部分において、急激な温度変化が加わると、熱収縮に伴う残留応力の関係で割れ等が生じる虞があるが、槽本体200と脚部201との連結部分は、槽本体200の下部にあるため、槽本体200の上部領域に低温液体CWが供給され、その付近の槽本体200が冷却されても、槽本体200を損傷させることがない。また、槽本体200の上部(上位位置を含む領域)が冷却されることにより、液位Lが低くなる過程において、槽本体200の上部の熱(温度)が下部側の領域に影響を与えることが抑制される。これにより、槽本体200が上部側から下部側に向けて徐々に冷却される上に、槽本体200が十分に冷却される。従って、槽本体200に低温液体CWが供給されても槽本体200が急冷されることが十分に防止される。
また、本実施形態において、制御部32は、槽本体200の液位Lが第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させた後、槽本体200内の液位Lが第一液位L1よりも低く且つ第二液位L2よりも高い第三液位L3になるまで液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出させることと、槽本体200内の液位Lが第三液位L3から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させることとを、所定回数繰り返させるため、槽本体200内の液体Wの一部が新規な低温液体CWに繰り返し置き換えられる。
これにより、処理対象物T…の温度が高い場合であっても、槽本体200内の液体Wの温度を低下させることができ、結果的に処理対象物T…が適正に冷却される。すなわち、処理対象物T…の温度が高い場合、その処理対象物T…の熱の影響で処理槽20内に供給された低温液体CWの温度が高くなるため、処理対象物T…に対する冷却効果が低くなる。しかし、上述の如く、槽本体200内の液体Wの一部が新規な低温液体CWに繰り返し置き換えられることで、槽本体200内の液体Wの温度が低下するため、処理対象物T…の温度も低下する。よって、処理対象物T…の冷却処理が効率的になされる。
また、制御部32は、槽本体200内の液位Lが第一液位L1よりも低く且つ第二液位L2よりも高い第三液位L3になるまで液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出させることと、槽本体200内の液位Lが第三液位L3から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させることとを所定回数繰り返させた後、液体排出系統23から槽本体200内の全ての液体Wを排出させることと、槽本体200内の液位Lが第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給させることとを、少なくとも一回ずつさせるため、槽本体200内にある処理対象物T…の全てが均等に冷却される。すなわち、上記構成によれば、槽本体200内の液体W全体が新規な低温液体CWに置き換えるため、槽本体200内にある全ての処理対象物T…が均等に冷却される。
また、処理装置1の運転方法は、処理対象物T…を収容可能な槽本体200及び槽本体200の下部に固定された脚部201を含む処理槽20の槽本体200内の処理対象物T…全体が浸積する第一液位L1になるまで、槽本体200に接続された高温液体供給系統21から槽本体200内に高温液体HWを供給することと、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過後に、槽本体200の下部に接続された液体排出系統23から槽本体200内の高温液体HWを排出しつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、槽本体200に接続された低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給することと、槽本体200内の液位Lが槽本体200内の処理対象物T…よりも低い第二液位L2になったときに、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止し、槽本体200内の液位Lが第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給することとを含む。
このように、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過すると、槽本体200内の処理対象物T…は必要時間高温な雰囲気に曝されるため、処理対象物T…に対して必要な加熱処理がされる。そして、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過すると、高温液体HWを貯留する槽本体200も高温状態になっているが、本実施形態における処理装置1の制御部32は、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過後に、第一液位L1にある高温液体HWを液体排出系統23から排出させつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統22から低温液体CWを槽本体200に供給させるため、槽本体200の高温液体HWが供給される低温液体CWに熱が奪われつつ排出される。すなわち、低温液体CWの供給に伴い、槽本体200内の高温液体HWは、温度を低下させつつ液体排出系統23から排出される。これにより、槽本体200の温度についても高温液体HWの温度低下に追従するように低下する。
従って、槽本体200内の液位Lが槽本体200内の処理対象物T…よりも低い第二液位L2になると、槽本体200の温度が十分に低下した状態になるため、槽本体200に低温液体CWが供給されても槽本体200が急冷されることがなく、処理槽20(特に槽本体200)が大きく熱収縮を起こすことが防止される。これにより、処理槽20に大きな応力が作用しないため、処理槽20の損傷が抑えられる。
また、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることで、処理対象物T…が低温液体CWによって十分に冷却される。
特に、本実施形態のように処理対象物T…が食品を容器に収容したレトルトパック等である場合、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させる前段において、槽本体200の温度が低下している(槽本体200が冷却されている)ため、槽本体200内にある全ての処理対象物T…に対して均一な処理(殺菌、調理処理)が可能である。
具体的に説明すると、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させる前段において、槽本体200の温度が低下している(槽本体200が冷却されている)ため、槽本体200内の温度状態が均衡のとれた状態(場所によって温度差の大きな領域が無くなっているか少なくなっている状態)になる。従って、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止させ、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることで、槽本体200内に収容された処理対象物T…全体が均衡のとれた温度状態で冷却される。これにより、槽本体200内にある処理対象物T…に対して均一な処理がなされる。この点、発明者が処理後の槽本体200内にあった複数の処理対象物T…のF値(殺菌効率等の指標値)を測定したところ、それらのF値にバラつきがないことを確認している。
また、処理装置1の運転方法において、低温液体供給系統22は、処理槽20の槽本体200内の上部領域に低温液体CWを供給する液体供給系統(第二低温液体供給系統)221を含み、槽本体200の下部に接続された液体排出系統23から槽本体200内の高温液体HWを排出しつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、槽本体200に接続された低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給する際、液体供給系統(第二低温液体供給系統)221から槽本体200内に低温液体CWを供給するため、応力の影響の受けにくい槽本体200の上部(上位位置を含む領域)が低温液体CWによって冷やされる。すなわち、槽本体200と脚部201とは強固に接続されるため、この2つの部材の接続部分において、急激な温度変化が加わると、熱収縮に伴う応力(例えば、残留応力)の影響で割れ等が生じる虞があるが、槽本体200と脚部201との連結部分は、槽本体200の下部にあるため、槽本体200の上部領域に低温液体CWが供給され、その付近の槽本体200が冷却されても槽本体200を損傷させることがない。また、槽本体200の上部が冷却されることにより、液位Lが低くなる過程において、槽本体200の上部の熱(温度)が下部側の領域に影響を与えることが抑制される。これにより、槽本体200が上部側から下部側に向けて徐々に冷却される上に、槽本体200が十分に冷却される。従って、槽本体200に低温液体CWが供給されても槽本体200が急冷されることが十分に防止される。
本実施形態に係る処理装置1の運転方法において、槽本体200の液位Lが第二液位L2から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給した後、槽本体200内の液位Lが第一液位L1よりも低く且つ第二液位L2よりも高い第三液位L3になるまで液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出することと、槽本体200内の液位Lが第三液位L3から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給することとを所定回数繰り返すことを含んでいるため、槽本体200内の液体Wの一部が新規な低温液体CWに繰り返し置き換えられる。
これにより、処理対象物T…の温度が高い場合であっても、槽本体200内の液体Wの温度を低下させることができ、結果的に処理対象物T…が適正に冷却される。すなわち、処理対象物T…の温度が高い場合、その処理対象物T…の熱の影響で処理槽20内に供給された低温液体CWの温度が高くなるため、処理対象物T…に対する冷却効果が低くなる。しかし、上述の如く、槽本体200内の液体Wの一部が新規な低温液体CWに繰り返し置き換えられることで、槽本体200内の液体Wの温度が低下するため、処理対象物T…の温度も低下する。よって、処理対象物T…の冷却処理が効率的になされる。
また、槽本体200内の液位Lが第一液位L1よりも低く且つ第二液位L2よりも高い第三液位L3になるまで液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出することと、槽本体200内の液位Lが第三液位L3から第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給することとを所定回数繰り返した後、液体排出系統23から槽本体200内の全ての液体Wを排出することと、槽本体200内の液位Lが第一液位L1になるまで低温液体供給系統22から槽本体200内に低温液体CWを供給することとを、少なくとも一回ずつするため、槽本体200内にある処理対象物T…の全てが均等に冷却される。すなわち、上記構成によれば、槽本体200内の液体W全体が新規な低温液体CWに置き換えるため、槽本体200内にある全ての処理対象物T…が均等に冷却される。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、食品を容器に収容したレトルトパックを処理対象物T…としたが、これに限定されない。処理対象物T…は、高温液体HWに浸積されることで加熱処理されるものであればよい。すなわち、処理装置1は、処理対象物T…に対する殺菌・調理を目的としたものに限定さない。従って、上記実施形態においては、高温液体HWとして熱水が使用され、低温液体CWとして水が使用されたが、高温液体HW及び低温液体CWの種類は、処理対象物T…の処理に応じて適宜選択されればよい。
上記実施形態において、高温液体供給系統21の複数系統が部分的に兼用されたり、低温液体供給系統22の複数系統が部分的に兼用されたり、高温液体供給系統21の系統と低温液体供給系統22の系統とが部分的に兼用されたりしたが、これに限定されない。例えば、液体Wを流通させる流路を構成する複数の系統は、それぞれ独立した系統であっても勿論よい。
上記実施形態において、処理対象物T…を加熱処理するに際し、槽本体200内の高温液体HWが一定又は略一定の温度で維持するように、循環系統213によって高温液体HWを槽本体200とタンク210との間で循環させたが、これに限定されない。すなわち、槽本体200内の高温液体HWは、処理対象物T…に対する加熱処理に必要な温度又は温度範囲で維持できればよく、また、この温度又は温度範囲で維持する方法(手段)として高温液体HWを循環させる方法(手段)以外の方法(手段)が採用されてもよい。例えば、槽本体200内にヒータ等の熱源を設置し、該熱源による加熱により、槽本体200内の高温液体Hが処理対象物T…に対する加熱処理に必要な温度又は温度範囲で維持するようにしてもよい。但し、この場合においても、処理対象物T…が高温液体HWに所定時間(加熱処理に必要な時間)浸積されることは勿論である。
上記実施形態において、第二低温液体供給系統221から低温液体CWを供給した後に、第二低温液体供給系統221及び第一低温液体供給系統220から低温液体CWを供給したが、これに限定されない。例えば、第一低温液体供給系統220から低温液体CWを供給することなく、第二低温液体供給系統221のみから低温液体CWを供給し続けてもよい。また、第二低温液体供給系統221からの低温液体CWの供給に換え、第一低温液体供給系統220から低温液体CWを供給するよういしてもよい。但し、槽本体200の冷却効率を考えれば、槽本体200の上部領域に低温液体CWを供給する第二低温液体供給系統221から低温液体CWを供給することが好ましいことは勿論である。
上記実施形態において、槽本体200内の液位Lが第三液位L3になるまで、液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出させることと、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることとを、所定回数繰り返した後、液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出することと、液体Wの排出後に槽本体200の液位Lが第一液位L1になるように低温液体供給系統22から槽本体200に低温液体CWを供給することとを一回ずつしたがこれに限定されない。例えば、本体内の液位Lが第三液位L3になるまで、液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出させることと、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることとを、所定回数繰り返すことで処理を完了してもよい。
上記実施形態において、槽本体200内の液位Lが第三液位L3になるまで、液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出させることと、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることとを、所定回数繰り返しが、これに限定されない。例えば、高温液体供給系統21から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して処理対象物T…全体を浸積させる第一液位L1まで高温液体HWを供給し、高温液体HWが第一液位L1になってから所定時間経過後に、第一液位L1にある高温液体HWを液体排出系統23から排出しつつ、液体排出系統23から排出される高温液体HWの排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統22から低温液体CWを槽本体200に供給し、槽本体200内の液位Lが槽本体200内の処理対象物T…よりも低い第二液位L2になると、液体排出系統23からの液体Wの排出を停止し、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給して処理を完了してもよい。
すなわち、本体内の液位Lが第三液位L3になるまで、液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出させることと、低温液体供給系統22から処理対象物T…を収容した槽本体200に対して第一液位L1まで低温液体CWを供給させることとを、所定回数繰り返すこと(一次冷却)や、所定回数繰り返した後、液体排出系統23から槽本体200内の液体Wを排出することと、液体Wの排出後に槽本体200の液位Lが第一液位L1になるように低温液体供給系統22から槽本体200に低温液体CWを供給することとを少なくとも一回ずつすること(二次冷却)は、処理対象物T…やその処理に応じて適宜行えばよい。
上記実施形態においては、制御部32が各系統における流路を制御することで、処理装置1の運転方法を自動的に行ったが、これに限定されない。処理装置1の運転方法は、例えば、各系統のバルブを手動で操作することで、実現するようにしてもよい。
1…処理装置(高温液体式処理装置)、2…装置本体、3…制御盤、20…処理槽、21…高温液体供給系統、22…低温液体供給系統、23…液体排出系統、30…スイッチ、31…表示部、32…制御部、200…槽本体、201…脚部、202…胴部、203…閉塞部、210…タンク、211…第一配管系統、212…供給系統、213…循環系統、213a…第一系統、213b…第二系統、214…下位接続系統、215…中位接続系統、216…第二配管系統、216a…主系統、216b…副系統、220…第一低温液体供給系統、221…第二低温液体供給系統(液体供給系統)、222…第三低温液体供給系統、223…第四低温液体供給系統、230…第一排出系統、231…第二排出系統、E…スチームエジェクタ、L…液位、L1…第一液位、L2…第二液位、L3…第三液位、T…処理対象物、P…電動ポンプ、V…電動バルブ、HW…高温液体、CW…低温液体、W…液体

Claims (8)

  1. 処理対象物を収容可能な槽本体及び槽本体の下部に固定された脚部を含む処理槽と、処理槽の槽本体に接続され、槽本体に熱水を供給する高温液体供給系統と、処理槽の槽本体に接続され、槽本体にを供給する低温液体供給系統と、処理槽の槽本体の下部に接続され、槽本体内の液体を排出する液体排出系統と、槽本体に対する液体の供給及び排出を制御する制御部とを備え、制御部は、槽本体内の処理対象物全体が浸積する第一液位になるまで、高温液体供給系統から槽本体内に熱水を供給させ、熱水が第一液位になってから所定時間経過後に、槽本体内の熱水を液体排出系統から排出させつつ、液体排出系統から排出される熱水の排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統から槽本体内にを供給させ、槽本体内の液位が槽本体内の処理対象物よりも低い第二液位になると、液体排出系統からの液体の排出を停止させ、槽本体内の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給させることを特徴とする高温液体式加熱処理装置。
  2. 低温液体供給系統は、処理槽の槽本体内の上部領域にを供給する液体供給系統を含み、制御部は、槽本体内の熱水を液体排出系統から排出させつつ、液体排出系統から排出される熱水の排出量よりも少ない供給量で、低温液体供給系統から槽本体内にを供給させる際、前記液体供給系統から槽本体内にを供給させる請求項1に記載の高温液体式加熱処理装置。
  3. 制御部は、槽本体の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給させた後、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出させることと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給させることとを、所定回数繰り返させる請求項1又は2に記載の高温液体式加熱処理装置。
  4. 制御部は、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出させることと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給させることとを所定回数繰り返させた後、液体排出系統から槽本体内の全ての液体を排出させることと、槽本体内の液位が第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給させることとを少なくとも一回ずつさせる請求項3に記載の加熱処理装置。
  5. 処理対象物を収容可能な槽本体及び槽本体の下部に固定された脚部を含む処理槽の槽本体内の処理対象物全体が浸積する第一液位になるまで、槽本体に接続された高温液体供給系統から槽本体内に熱水を供給することと、熱水が第一液位になってから所定時間経過後に、槽本体の下部に接続された液体排出系統から槽本体内の熱水を排出しつつ、液体排出系統から排出される熱水の排出量よりも少ない供給量で、槽本体に接続された低温液体供給系統から槽本体内にを供給することと、槽本体内の液位が槽本体内の処理対象物よりも低い第二液位になったときに、液体排出系統からの液体の排出を停止し、槽本体内の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給することとを含むことを特徴とする高温液体式加熱処理装置の運転方法。
  6. 低温液体供給系統は、処理槽の槽本体内の上部領域にを供給する液体供給系統を含み、槽本体の下部に接続された液体排出系統から槽本体内の熱水を排出しつつ、液体排出系統から排出される熱水の排出量よりも少ない供給量で、槽本体に接続された低温液体供給系統から槽本体内にを供給する際、前記液体供給系統から槽本体内にを供給する請求項5に記載の高温液体式加熱処理装置の運転方法。
  7. 槽本体の液位が第二液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給した後、槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出することと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給することとを所定回数繰り返すことを含んでいる請求項5又は6に記載の高温液体式加熱処理装置の運転方法。
  8. 槽本体内の液位が第一液位よりも低く且つ第二液位よりも高い第三液位になるまで液体排出系統から槽本体内の液体を排出することと、槽本体内の液位が第三液位から第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給することとを所定回数繰り返した後、液体排出系統から槽本体内の全ての液体を排出することと、槽本体内の液位が第一液位になるまで低温液体供給系統から槽本体内にを供給することとを少なくとも一回ずつすることを含む請求項7に記載の高温液体式加熱処理装置の運転方法。
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