JP6556083B2 - 六価クロム回収用樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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Description
グラフト率(%)=((Wg−W0)/W0)×100
(但し、Wgはグラフト後の樹脂質量、W0はグラフト前の樹脂質量である。)
先ず、本実施の形態に係る六価クロム回収用樹脂について説明する。六価クロム回収用樹脂は、例えば六価クロムを含有する廃液中から六価クロムを高い回収率で回収することができる樹脂である。具体的に、この六価クロム回収用樹脂は、高分子基材の主鎖と、エポキシ系化合物モノマー由来のグラフト鎖とを含む。そして、このグラフト鎖には、ピリジン系誘導体が結合している。
主鎖は、高分子基材を含むものである。このように、主鎖として高分子基材を使用することにより、安価且つ環境負荷の低い六価クロム回収用樹脂とすることができる。
グラフト鎖は、エポキシ系化合物モノマーの重合により形成された高分子鎖であり、上述した主鎖である高分子基材に対して構成されるものである。このように、グラフト鎖をエポキシ系化合物由来の骨格とし、グラフト鎖が有するエポキシ基と、ピリジン系誘導体が有するアミノ基とが結合した構造を有している。
本実施の形態に係るクロム回収樹脂の製造方法は、ポリエチレン基材に電離性放射線を照射する電離性放射照射工程(I)と、電離性放射線を照射したポリエチレン基材にエポキシ系化合物をグラフト重合し、エポキシ基を有するグラフト鎖を形成するグラフト重合工程(II)と、エポキシ基に、アミノ基を有するピリジン系誘導体を付加するピリジン系誘導体付加工程(III)とを含む。
電離性放射線照射工程(I)は、ポリエチレン基材に電離性放射線を照射する工程である。このように、ポリエチレン基材に電離性放射線を照射することで、基材を活性化させ、基材にグラフト重合させるための反応活性点を生成させる。これにより、続くグラフト重合工程(II)において、基材に対してエポキシ基を有するモノマーをグラフト重合させることができる。
グラフト重合工程(II)は、電離性放射線を照射したポリエチレン基材にエポキシ系化合物をグラフト重合し、エポキシ基を有するグラフト鎖を形成する工程である。このようにして、後述のピリジン系誘導体付加工程(III)においてピリジン系誘導体を効率的に付加させることできるエポキシ基を有するグラフト鎖を形成する。
グラフト率(%)=((Wg−W0)/W0)×100 ・・・ (2)
(但し、Wgはグラフト後の樹脂質量、W0はグラフト前の樹脂質量である。)
ピリジン系誘導体付加工程(III)は、上述したグラフト重合工程で得られたグラフト鎖が有するエポキシ基に、アミノ基を有するピリジン系誘導体を付加する工程である。
実施例1、2及び比較例1〜3の六価クロム回収用樹脂をそれぞれ調製するとともに、グラフト率と官能基密度を測定した。
芯部がポリプロピレン、鞘部が低密度ポリエチレンからなる芯鞘構造のポリオレフィン不織布(シンワ株式会社製、スパンボンド不織布6550A−1A、目付量50g/m2)を2.08g量り取り、アルミ袋に封入後、このアルミ袋内を脱気して酸素を除去した後、加熱シールして袋口を閉じた。次に、コッククロフト・ワルトン型の電子線照射装置(株式会社NHVコーポレーション製)により120kGy照射し、電子線照射された不織布基材を得た。
不織布基材としてシンワ株式会社製のスパンボンド不織布(6520A−1A)(目付量20g/m2)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂試料を得た。
基材に対して電子線照射を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂試料を得た。
GMAによりグラフト鎖を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂試料を得た。モノマーが存在しないため、グラフト率は0%、官能基密度は0(mmol/g−adsorbent)であった。
グラフト鎖に4−アミノピリジンを付加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂試料を得た。
(グラフト率の算出)
ポリエチレン・ポリプロピレン製不織布基材のグラフト率、すなわち、不織布に対するグラフト重合されたGMAの量(質量百分率)は、以下の方法により求めた。
グラフト率(%)=((Wg−W0)/W0)×100 ・・・(2)
(但し、Wgはグラフト後の樹脂質量、W0はグラフト前の樹脂質量である。)
不織布樹脂(主鎖)の単位質量あたりに付加した4−アミノピリジンの物質量を、不織布基材の官能基密度と定義し、以下の方法で求めた。
官能基密度=(WA−Wg)/WA×1000/Mw ・・・(3)
(但し、Wgは4−アミノピリジン付加前の樹脂質量、WAは4−アミノピリジン付加後の樹脂質量、Mwは4−アミノピリジンの分子量である。)
100mlビーカーに、実施例1、2及び比較例1〜3の六価クロム回収用樹脂1.0g、pH8.0に調整したCr6+濃度1mg/lの二クロム酸カリウム水溶液を入れ、室温で1時間撹拌した後に、濾過により六価クロム回収用樹脂とCr6+濾液を分離した。ICP−AES分析により、回収されたCr6+濾液中の残存Cr6+濃度を測定し、それに基づきCr6+回収率を算出した。
Claims (9)
- 高分子基材に電離性放射線を照射する電離性放射照射工程と、
電離性放射線を照射した前記高分子基材にエポキシ系化合物をグラフト重合し、エポキシ基を有するグラフト鎖を形成するグラフト重合工程と、
前記エポキシ基に、アミノ基を有するピリジン系誘導体を付加するピリジン系誘導体付加工程と、を含む
六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 前記グラフト重合工程では、
エポキシ系化合物、水及び界面活性剤を混合してエマルジョン化して得られた溶液と、前記高分子基材とを混合することによってグラフト重合させる
請求項1に記載の六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である
請求項2に記載の六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 前記エポキシ系化合物が、グリシジルメタクリレートである
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 前記アミノ基が、第1級アミノ基である
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 前記ピリジン系誘導体が、4−アミノピリジンである
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 前記高分子基材が、ポリオレフィン系高分子基材である
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の六価クロム回収用樹脂の製造方法。 - 高分子基材の主鎖と、エポキシ系化合物モノマー由来のグラフト鎖とを含み、
前記グラフト鎖に、ピリジン系誘導体が結合している
六価クロム回収用樹脂。 - 下記一般式で表されるグラフト率が10%以上900%以下である、
請求項8に記載の六価クロム回収用樹脂。
グラフト率(%)=((Wg−W0)/W0)×100
(但し、Wgはグラフト後の樹脂質量、W0はグラフト前の樹脂質量である。)
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