JP6555592B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、作業車両に関する。
ホイールローダなどの作業車両では、掘削作業の際、走行駆動力が大きすぎると作業機負荷が過大となって作業機速度が低下したり、タイヤがスリップしてしまい、作業効率が悪化する。一方、走行駆動力が小さすぎると土砂等の掘削対象物にバケットが十分に貫入されず、掘削量が低下し、作業効率が悪化する。
特許文献1には、作業用油圧回路の負荷圧が所定値を超えると、油圧モータの押しのけ容積の最大値を、作業用油圧回路の最大負荷圧に対応した最小制限値まで減少させる作業車両の走行制御装置が記載されている。
特開2008−223858号公報
バケットを土砂等の掘削対象物に突っ込んだ後、アームを駆動して持ち上げる掘削作業においては、作業機の油圧シリンダに対して掘削対象物からの反力が作用し、アームを駆動する前に作業機負荷が過大になってしまう場合がある。このような場合、作業用油圧回路の負荷圧が所定値を超えてから走行駆動力を制限したとしても掘削の作業効率が向上しないおそれがある。
本発明の一態様による作業車両は、アーム及びバケットを有する作業機と、車速を検出する車速検出装置と、掘削時の前記車速の低下に応じて増加する走行駆動力を出力する走行駆動装置と前記走行駆動装置により前記走行駆動力を制御する制御装置と、を備えた作業車両において、前記制御装置は、予め定められた第1車速閾値と、予め定められた前記第1車速閾値よりも高い第2車速閾値とを記憶する記憶部を備え、前記車速検出装置で検出された車速が前記第2車速閾値よりも高いと判定され、前記第2車速閾値よりも高い車速から前記第1車速閾値以下に低下した場合に、掘削対象物へ突入してから前記作業機の動作を開始させるまでの所定時間の間、前記走行駆動力を制限する制限制御部を有することを特徴とする。
本発明によれば、掘削対象物に作業機を十分に貫入させるまでの過程で走行駆動力を制限し、作業機負荷が過大になることを防止し、掘削の作業効率を向上できる。
作業車両の一例であるホイールローダの側面図。 第1の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図。 走行負荷圧Ptとモータ押しのけ容積qmの関係を示す図。 第1の実施の形態に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図。 第1の実施の形態に係るコントローラによる駆動力制限制御の処理内容を示すフローチャート。 第1の実施の形態に係る作業車両の掘削作業における走行駆動力と車速の変化を示すタイムチャート。 第2の実施の形態に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図。 第2の実施の形態に係る作業車両の掘削作業における走行駆動力と車速の変化を示すタイムチャート。 第2の実施の形態の変形例に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図。 第3の実施の形態に係る作業車両の掘削作業における走行駆動力と車速の変化を示すタイムチャート。 ホイールローダが傾斜地において掘削作業をする様子を説明する図。 第4の実施の形態に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図。 第4の実施の形態に係るコントローラによる駆動力制限制御の処理内容を示すフローチャート。 (a)は、第4の実施の形態の変形例1に係る作業車両における傾斜角θの増加に応じて増加する補正値ΔAの特性を示す図、(b)は、第4の実施の形態の変形例3に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図。 車速の時間変化率αの演算について説明する図。 第5の実施の形態に係るコントローラによる駆動力制限制御の処理内容を示すフローチャート。 第6の実施の形態に係る作業車両の構成の一例を示す図。 モータ要求トルクマップ(モータ特性)および最大トルクマップを示す図。 第7の実施の形態に係る作業車両の概略構成を示す図。 第7の実施の形態の変形例1に係る作業車両の概略構成を示す図。 第7の実施の形態の変形例2に係る作業車両の概略構成を示す図。 その他の変形例に係る作業車両について説明する図。
以下、図面を参照して、本発明による作業車両の一実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、作業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダは、アーム111、バケット112、および、前側の車輪113(前輪)等を有する前部車体110と、運転室121、機械室122、および、後側の車輪113(後輪)等を有する後部車体120とで構成される。
アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(クラウドまたはダンプ)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。
作業機(作業装置)は、アーム111およびバケット112と、作業用油圧回路HC2(図2参照)に設けられるアームシリンダ117およびバケットシリンダ115とを含んで構成され、エンジン1により駆動される作業用油圧ポンプ4(図2参照)から吐出される圧油により駆動される。図示しないが、作業用油圧ポンプ4から吐出される圧油は、作業用油圧回路HC2に設けられる制御弁を介して、アームシリンダ117およびバケットシリンダ115へと供給される。運転室121内のアーム操作レバーおよびバケット操作レバーを操作することにより、作業用油圧回路HC2の制御弁が動作し、アームシリンダ117およびバケットシリンダ115へ作動油が適宜分配され、アーム111およびバケット112に所定の動作を行わせることができる。
図2は、第1の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図である。ホイールローダは、走行駆動力を出力する走行駆動装置を備えている。走行駆動装置は、走行用油圧回路HC1および動力伝達機構(不図示)を備えている。走行用油圧回路HC1は、エンジン1によって駆動される可変容量形の油圧ポンプ(以下、HSTポンプ2と記す)と、可変容量形の油圧モータ(以下、HSTモータ3と記す)とが、一対の主管路LA,LBによって閉回路接続されたHST(Hydro Static Transmission)回路により構成されている。HSTモータ3の回転は、トランスミッション(不図示)によって変速され、変速後の回転はプロペラシャフト(不図示)、アクスル(不図示)などの動力伝達機構を介して車輪113に伝達され、車輪113が回転することでホイールローダが走行する。
エンジン1により駆動されるチャージポンプ5から吐出される圧油は、前後進切換弁6を介して傾転シリンダ8に導かれる。前後進切換弁6は操作レバー6aにより操作され、図示のように前後進切換弁6が中立位置のときは、チャージポンプ5から吐出された圧油は絞り7および前後進切換弁6を介し、傾転シリンダ8の油室8a,8bにそれぞれ作用する。この状態では油室8a,8bに作用する圧力は互いに等しく、ピストン8cは中立位置にある。このため、HSTポンプ2の押しのけ容積qpは0となり、ポンプ吐出量Qは0となる。
前後進切換弁6がA側に切り換えられると、油室8a,8bにはそれぞれ絞り7の上流側圧力と下流側圧力が作用するため、傾転シリンダ8の油室8a,8bに圧力差が生じ、ピストン8cが図示右方向に変位する。これにより、HSTポンプ2のポンプ押しのけ容積qp(ポンプ傾転量)が増加し、HSTポンプ2から吐出された圧油が主管路LAを介してHSTモータ3に導かれ、HSTモータ3が正転し、車両が前進する。前後進切換弁6がB側に切り換えられると、傾転シリンダ8のピストン8cが図示左方向に変位し、HSTポンプ2から吐出された圧油が主管路LBを介してHSTモータ3に導かれ、HSTモータ3が逆転し、車両が後進する。なお、ポンプ押しのけ容積qpは、絞り7の前後差圧ΔPが所定値ΔP0以上になると増加し始め、前後差圧ΔPが大きいほど大きくなる。
アクセルペダル9には、アクセルペダル9の操作量を検出する操作量検出器9aが設けられ、操作量検出器9aからの信号はコントローラ10に入力される。コントローラ10は、操作量検出器9aで検出された操作量に基づいて目標エンジン回転速度Ntを演算し、エンジン制御部1aに目標エンジン回転速度Ntに相当する信号を出力する。エンジン制御部1aは、エンジン回転速度センサ1bで検出された実エンジン回転速度Naと、コントローラ10からの目標エンジン回転速度Ntとを比較して、実エンジン回転速度Naを目標エンジン回転速度Ntに近づけるために燃料噴射装置(不図示)を制御する。
チャージポンプ5から吐出された圧油の流量(吐出量)は、エンジン回転速度に比例し、絞り7の前後差圧ΔPはエンジン回転速度に比例する。このため、ポンプ押しのけ容積qpもエンジン回転速度に比例する。チャージポンプ5から吐出された圧油は、絞り7およびチェック弁11A,11Bを通過して主管路LA,LBに導かれ、HST回路(HC1)に補充される。絞り7の下流側圧力はチャージリリーフ弁12により制限され、主管路LA,LBの最高圧力はオーバーロードリリーフ弁13により制限される。
HSTモータ3の押しのけ容積qm(モータ傾転角)はレギュレータ14により制御される。レギュレータ14は電磁切換弁や電磁比例弁等を含む電気式レギュレータである。信号ライン14aを介して出力されるコントローラ10からの制御電流によりレギュレータ14を駆動することで、傾転制御レバー140を駆動し、押しのけ容積qmを変更する。モータ傾転制御部にはストッパ15が設けられ、傾転制御レバー140がストッパ15に当接し、モータ押しのけ容積qmの最小値が所定値qminに機械的に制限される。なお、レギュレータ14の非通電時には、ストッパ15に傾転制御レバー140が当接してモータ押しのけ容積qmは最小値qminに保持される。レギュレータ14に出力される制御電流が増加すると、モータ押しのけ容積qmが増加する。
コントローラ10は、CPU,ROM,RAM,その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。コントローラ10は、有効/無効モード設定部10aと制限制御部10bを機能的に有している。
コントローラ10には、車速センサ26が接続されている。車速センサ26は、車両の走行速度(車速)Vに相当する情報を検出し、検出信号をコントローラ10に出力する。車速センサ26は、たとえば、HSTモータ3に接続されるトランスミッション(不図示)の出力軸の回転速度を検出する回転速度検出装置により構成できる。
コントローラ10には、高圧選択弁16で選択された高圧側の主管路LA,LBの圧力(走行負荷圧Pt)を検出する走行負荷圧センサ21からの信号と、モードスイッチ23からの信号がそれぞれ入力される。モードスイッチ23は、オペレータにより、走行位置および作業位置のいずれかの操作位置が選択されるスイッチであり、選択された操作位置に対応する操作信号をコントローラ10に出力する。
有効/無効モード設定部10aは、以下の有効個別条件1および有効個別条件2が成立しているか否かを判定する。有効/無効モード設定部10aは、有効個別条件1および有効個別条件2のいずれもが満たされた場合、有効条件が成立したと判定し、有効モードを設定する。有効/無効モード設定部10aは、有効個別条件1および有効個別条件2のいずれかが成立していない場合、有効条件は成立していないと判定し、無効モードを設定する。
(有効個別条件1)車速センサ26で検出された車速Vが有効判定用の閾値Vb1以上である
(有効個別条件2)モードスイッチ23が作業位置に操作されている
制限制御部10bは、走行負荷圧センサ21で検出された走行負荷圧Ptに応じてモータ押しのけ容積qmを制御する。図3は、走行負荷圧Ptとモータ押しのけ容積qmの関係を示す図である。コントローラ10の記憶装置には、非制限特性C0と、制限特性C1がルックアップテーブル形式で記憶されている。非制限特性C0は、走行負荷圧Ptが所定値Pt0未満のとき、モータ押しのけ容積qmが最小値qminとなる特性である。非制限特性C0は、走行負荷圧Ptが所定値Pt0から所定値Pt1にかけて上昇することに応じて、モータ押しのけ容積が最小値qminから最大値qmaxまで直線的に増加し、走行負荷圧Ptが所定値Pt1よりも大きくなるとモータ押しのけ容積が最大値qmaxとなる特性である。
制限特性C1は、走行負荷圧Ptにかかわらず、モータ押しのけ容積qmが最小値qminとなる特性である。
制限制御部10bは、以下の制限個別条件1および制限個別条件2が成立しているか否かを判定する。制限制御部10bは、制限個別条件1および制限個別条件2のいずれもが満たされた場合、制限条件が成立したと判定し、制限モードを設定する。制限制御部10bは、制限個別条件1および制限個別条件2のいずれかが成立していない場合、制限条件は成立していないと判定し、非制限モードを設定する。
(制限個別条件1)有効モードが設定されている
(制限個別条件2)車速センサ26で検出された車速Vが制限開始判定用の閾値Va1以下である
制限開始判定用の閾値Va1は、土砂等の掘削対象物へバケット112を突入させた直後の車速に相当し、予め実験等に基づき決定される。制限開始判定用の閾値Va1には、たとえば、4km/h程度の値が、予めコントローラ10の記憶装置に記憶されている。なお、上述した有効判定用の閾値Vb1は、制限開始判定用の閾値Va1よりも高い車速であり(Vb1>Va1)、後述する最大走行駆動力Aが制限値と非制限値との間でハンチングすることを防止するために予め実験等に基づき決定される。有効判定用の閾値Vb1には、たとえば、5km/h程度の値が、予めコントローラ10の記憶装置に記憶されている。
非制限モードが設定されると、制限制御部10bは、非制限特性C0のテーブルを参照し、走行負荷圧センサ21で検出された走行負荷圧Ptに基づいて、モータ押しのけ容積qmを演算する。
制限モードが設定されると、制限制御部10bは、制限特性C1に基づいて、モータ押しのけ容積qmを制御する。本実施の形態では、制限特性C1は一定値(最小値qmin)であるので、制限モードが設定されている間は、走行負荷圧Ptにかかわらず、モータ押しのけ容積qmが最小値qminに設定される。
制限制御部10bは、制限モードを時間閾値T0だけ維持する。時間閾値T0は、予めコントローラ10の記憶装置に記憶されている。時間閾値T0は、車速Vが制限開始判定用の閾値Va1から0となる(停止する)まで、すなわちホイールローダが土砂等の掘削対象物へ突入してから作業機の動作を開始させるまでの時間に相当し、実験等により予め任意の時間が設定されている。時間閾値T0には、たとえば、0.4秒程度の値が設定される。
制限制御部10bは、制限モードが設定されると、内蔵するタイマにより時間の計測を開始する。タイマによる計測時間Tが時間閾値T0以上になると、すなわち制限モードが設定されてから所定時間(T0)が経過すると、制限制御部10bは制限モードから非制限モードにモードを切り換え、走行駆動力の制限制御を解除する。
走行負荷圧Ptとモータ押しのけ容積qmとの積は、HSTモータ3の出力トルクに相当する。HSTモータ3の回転速度は、「ポンプの吐出量Q×モータ容積効率/モータ押しのけ容積qm」で表される。車両の走行速度(車速)は、モータ回転速度に比例する。したがって、走行負荷圧Ptが大きくモータ押しのけ容積qmが大きいと、車両は低速高トルクで走行することができ、走行負荷圧Ptが小さくモータ押しのけ容積qmが小さいと、車両は高速低トルクで走行することができる。
図4は、アクセルペダル9を最大に踏み込み操作したとき、つまり目標エンジン回転速度を最高速度に指令した場合の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図である。図4では、非制限モードが設定されたときの特性f0を実線で示し、制限モードが設定されたときの特性f1を破線で示している。図4に示す走行性能曲線(特性f0)によれば、車速Vの増加に伴い出力可能な最大走行駆動力A(最大牽引力)が減少する。
制限モードが設定されると、モータ押しのけ容積qmは走行負荷圧Ptの大きさにかかわらず最小値qminに保持される。このようにモータ押しのけ容積qmが最小値qminに保持されると、特性f1に示すように最大走行駆動力Aが特性f0に比べて減少する。たとえば、車速Vが0の場合、特性f0では最大走行駆動力がA0であるのに対し、特性f1では最大走行駆動力がA1である(A1<A0)。なお、特性f0の最大走行駆動力Aと特性f1の最大走行駆動力Aの差は、最大走行駆動力の制限量に相当する。
本実施の形態では、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲で、最大走行駆動力AがA1(一定値)となるように、最大走行駆動力Aが制限される。制限モードが設定された後、所定時間(T0)が経過し、非制限モードに移行すると、走行性能も特性f1から特性f0に移行する。このため、車速Vが0以上かつVa1以下の範囲で制限モードから非制限モードに移行すると、出力可能な最大走行駆動力が増加することになる。
図5は、第1の実施の形態に係るコントローラ10による駆動力制限制御の処理内容を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、たとえば、図示しないイグニッションスイッチのオンにより開始され、図示しない初期設定が行われた後、繰り返し実行される。初期設定では、非制限モードが設定される。なお、図示しないが、コントローラ10は、車速センサ26で検出される車速の情報、モードスイッチ23の操作位置の情報などの各種情報を繰り返し取得している。
ステップS110において、コントローラ10は、車速センサ26で検出された車速Vが有効判定用の閾値Vb1以上であるか否かを判定する。ステップS110で肯定判定されるとステップS120へ進み、ステップS110で否定判定されると、コントローラ10は無効モードを設定してステップS180へ進む。
ステップS120において、コントローラ10は、モードスイッチ23の操作位置が作業位置であるか否かを判定する。ステップS120で肯定判定、すなわちモードスイッチ23が作業位置に操作されていると判定されると、コントローラ10は有効モードを設定してステップS130へ進む。ステップS120で否定判定、すなわちモードスイッチ23が走行位置に操作されていると判定されると、コントローラ10は無効モードを設定してステップS180へ進む。
ステップS130において、コントローラ10は、車速センサ26で検出された車速Vが制限開始判定用の閾値Va1以下であるか否かを判定する。ステップS130で肯定判定されるとステップS160へ進み、ステップS130で否定判定されるとステップS120へ戻る。
ステップS160において、コントローラ10は、制限モードを設定し、タイマのカウントを開始してステップS170へ進む。ステップS170において、コントローラ10は、タイマで計測された時間Tが時間閾値T0以上であるか否かを判定する。タイマによる計測は、計測時間Tが予めコントローラ10の記憶装置に記憶された時間閾値T0(一定値)を経過するまで行われる。コントローラ10は、ステップS170の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されるとステップS180へ進む。
ステップS180において、コントローラ10は、非制限モードを設定し、タイマをリセットして図5のフローチャートに示す処理を終了し、次の制御周期で、再びステップS110からステップS180までの処理が実行される。
このように、本実施の形態に係るコントローラ10は、車速Vが予め定めた制限開始判定用の閾値Va1以下に低下してから時間閾値T0の間、最大走行駆動力を制限する。これにより、掘削作業において、ホイールローダの自重による慣性力および走行駆動力の合成力と、掘起力(作業機を上昇させる力)とのバランスの適正化を図ることができる。
図6は、掘削作業における走行駆動力と車速の変化を示すタイムチャートである。図6において、最大走行駆動力Aを制限した場合の走行駆動力の挙動を破線で示し、最大走行駆動力Aを制限しない場合の走行駆動力の挙動を実線で示している。
走行駆動力を制限する場合について説明する。オペレータは、予めモードスイッチ23を作業位置に操作しておく。オペレータは、アクセルペダル9やステアリングホイールを操作して、ホイールローダを土砂等の掘削対象物に向けて前進走行させる。オペレータは、有効判定用の閾値Vb1以上の車速Vでホイールローダを掘削対象物に突入させる(時点t0参照)。
ホイールローダが掘削対象物に突入し、掘削対象物からの反力により車速Vが減速して制限開始判定用の閾値Va1以下になると、制限モードが設定され、走行駆動力(牽引力)が制限される。最大走行駆動力Aの制限は、制限モードが設定された時点t1から時間閾値T0経過後の時点t2まで継続される(時点t1〜時点t2参照)。
オペレータは、アクセルペダル9を踏み込みつつ、バケット112およびアーム111を操作して、前進させて走行駆動力を発生させながら土砂等を掘削して、対象物をバケット112に積み込む。本実施の形態によれば、掘削対象物への突入直後から走行駆動力が制限されているので、アーム111を上昇させ、掘起力を発生させたときに、ホイールローダの自重による慣性力および走行駆動力の合成力(水平方向の力)と、掘起力(鉛直方向の力)との合成力を適正な方向、大きさにすることができる。これにより、掘削性を向上することができる。
車速Vが制限開始判定用の閾値Va1以下に低下してから時間閾値T0が経過すると、非制限モードが設定され、走行駆動力の制限が解除される。このため、時点t2から走行駆動力が上昇する。
走行駆動力を制限しない場合を比較例として説明する。たとえば、モードスイッチ23が走行位置に操作されている状態でホイールローダを掘削対象物に突入させた場合、車速VがVa1以下に低下しても最大走行駆動力Aは制限されない。このため、バケット112が掘削対象物に貫入し、貫入量が増加するにつれて走行駆動力が上昇する(時点t1〜時点t2参照)。
比較例では、本実施の形態に比べて、掘削対象物への突入直後から走行駆動力が大きく上昇する。走行駆動力が高い状態で、バケット112およびアーム111を駆動させると、作業機負荷が過大となり、作業機の動作速度が低下したり、作業機の動作が停止したり、車輪113がスリップしたりしてしまうおそれがある。作業機の動作速度の低下や車輪113のスリップが発生すると、作業効率が低下する。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施の形態に係るホイールローダは、走行駆動力を出力する走行駆動装置、および作業機を備えた作業車両である。ホイールローダのコントローラ10は、車速センサ26で検出された車速Vが予め定めた制限開始判定用の閾値Va1以下に低下してから所定時間(T0)の間、最大走行駆動力を制限する。制限モードが設定された場合、非制限モードが設定されたときに比べて最大走行駆動力を制限することにより、掘削対象物に作業機を十分に貫入させるまでの過程で走行駆動力を制限し、作業機負荷が過大になることを防止することができる。その結果、掘削突入時における車体の慣性力および走行駆動力の合成力と掘起力とのバランスの適正化を図ることができ、掘削の作業効率を向上することができる。
(2)走行駆動力の制限が開始されてから所定時間(T0)が経過した後は、走行駆動力の制限が解除される。このため、登坂走行時などに制限条件が成立し、走行駆動力の制限制御が実行された場合であっても、所定時間(T0(たとえば、0.4秒程度))が経過した後、制限が解除されるので、登坂走行に支障をきたすことはない。
また、掘削作業では、バケット112を掘削対象物に突入させてから車両が停止しない場合もある。仮に、車両の停止を検出したことをもって走行駆動力の制限制御を解除することとした場合、掘削作業の間、走行駆動力の制限が解除されない状態が継続し、作業効率が低下してしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態では、所定時間(T0)を経過した後は、走行駆動力の制限が解除されるので、掘削作業の間、走行駆動力が制限される状態が継続してしまうことを防止できる。
(3)コントローラ10の有効/無効モード設定部10aは、車速センサ26で検出された車速Vが予め定めた制限開始判定用の閾値Va1以下に低下してから所定時間(T0)の間、最大走行駆動力Aを制限することを無効にする無効モードを設定する。本実施の形態では、モードスイッチ23の操作位置を加味して有効モードまたは無効モードが設定される。これにより、オペレータは、作業内容に応じて、最大走行駆動力Aを制限しない無効モードを設定することができる。
(4)コントローラ10は、車速センサ26で検出された車速Vが、制限開始判定用の閾値Va1よりも高い有効判定用の閾値Vb1よりも高いか否かを判定し、車速Vが有効判定用の閾値Vb1よりも高い状態から制限開始判定用の閾値Va1以下に低下した場合に、所定時間(T0)の間、最大走行駆動力Aを制限する。制限開始判定用の閾値Va1よりも高い有効判定用の閾値Vb1以上となることを有効個別条件としたので、最大走行駆動力Aが制限値と非制限値との間でハンチングすることを防止できる。
(5)ホイールローダは、可変容量形の油圧ポンプ(HSTポンプ2)と可変容量形の油圧モータ(HSTモータ3)とを閉回路接続して形成されたHST回路を有する走行駆動装置を備えている。HST回路を備えるホイールローダでは、掘削作業において、掘削対象物からの反力により車速が低下すると、車速の低下に応じて走行駆動力が連続的かつ速やかに増加し、車両の自重による慣性力と走行駆動力の合成力が過大になりやすい傾向がある。このため、本実施の形態によれば、掘削対象物への突入直後から走行駆動力を制限することで得られる効果が、トルクコンバータを介してエンジン出力をトランスミッションに伝達させる、いわゆるトルコン駆動形式の作業車両に比べて大きく表れる。
−第1の実施の形態の変形例−
第1の実施の形態では、コントローラ10の記憶装置に記憶されている制限特性C1を参照し、HSTモータ3の押しのけ容積qm(モータ傾転角)を低下させることで、最大走行駆動力Aを制限する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、走行負荷圧Pt(すなわち、HSTモータ3の駆動圧力)を低下させることで、最大走行駆動力Aを制限してもよい。また、HSTモータ3の押しのけ容積qmおよび走行負荷圧Ptの双方を低下させることで、最大走行駆動力Aを制限してもよい。なお、走行負荷圧Ptは、HST回路に可変リリーフ弁を設け、コントローラ10が可変リリーフ弁のソレノイドに制御信号(励磁電流)を出力することで、調整することができる。
コントローラ10の記憶装置に、車速Vに応じた最大走行駆動力Aの特性のテーブル(図4参照)を記憶させておき、コントローラ10が、検出された車速Vにおける最大走行駆動力Aを超えないように、HSTモータ3の押しのけ容積qmや走行負荷圧Ptを制御してもよい。
−第2の実施の形態−
図7および図8を参照して第2の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。第2の実施の形態に係るホイールローダは、第1の実施の形態と同様の構成を有している(図2参照)。
図7は、第2の実施の形態に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図であり、図8は、第2の実施の形態に係る作業車両の掘削作業における走行駆動力と車速の変化を示すタイムチャートである。
第1の実施の形態では、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲で、最大走行駆動力AがA1(一定値)となるように最大走行駆動力Aを制限した(図4参照)。これに対して、第2の実施の形態では、コントローラ10の制限制御部10bは、図7に示す特性f2にしたがって、最大走行駆動力Aを制限する。最大走行駆動力Aの制限は、HSTモータ3の押しのけ容積qmおよびHSTモータ3の圧力の一方または双方を低下させることで実現できる。
制限制御部10bは、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲で、車速Vが低下するにしたがって最大走行駆動力Aが直線的に増加する。換言すれば、制限制御部10bは、車速Vが低下するにしたがって、最大走行駆動力Aを制限する制限量を、第1の実施の形態に比べて小さくする。なお、車速Vが0のとき、最大走行駆動力AはA1よりも大きくA0よりも小さいA2となる(A0>A2>A1)。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作業効果を得ることができる。
(6)制限モードが設定されている場合、コントローラ10の制限制御部10bは、車速センサ26で検出された車速Vが低下するにしたがって最大走行駆動力Aを増加させるように、最大走行駆動力を制限する。ホイールローダの慣性力は、車速Vが低下するほど低下する。このため、図8に示すように、車速Vの低下、すなわち慣性力の低下に応じて最大走行駆動力を徐々に増加させることで、さらに車両の自重による慣性力および走行駆動力の合成力と、掘起力のバランスの適正化を図ることができる。
−第2の実施の形態の変形例−
図9を参照して第2の実施の形態の変形例に係る作業車両について説明する。図9は、第2の実施の形態の変形例に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図である。第2の実施の形態では、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲において、車速Vが低下するにしたがって直線的に最大走行駆動力Aが増加する例について説明した。これに対して、第2の実施の形態の変形例では、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲において、車速Vが低下するにしたがってステップ状(階段状)に最大走行駆動力Aが増加する。このような第2の実施の形態の変形例によれば、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
−第3の実施の形態−
図10を参照して、第3の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第2の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。第3の実施の形態に係るホイールローダは、第2の実施の形態と同様の構成を有している(図2参照)。図10は、第3の実施の形態に係る作業車両の掘削作業における走行駆動力と車速の変化を示すタイムチャートである。なお、図10に示す破線は、第2の実施の形態の作業車両の走行駆動力の挙動を示している。
図2に示すように、コントローラ10には、作業負荷圧センサ25が接続されている。作業負荷圧センサ25は、作業用油圧ポンプ4の吐出圧(作業負荷圧)を検出し、検出信号をコントローラ10に出力する。
第3の実施の形態に係るホイールローダは、作業負荷圧センサ25で検出された作業用油圧回路HC2の負荷圧が予め定めた圧力閾値を超えると、最大走行駆動力Aを制限する。これにより、ホイールローダが土砂等の掘削対象物へ突入してから作業機の動作を開始させるまでの掘削進入期間だけでなく、作業機の動作を開始してからの掘削動作期間においても走行駆動力が高くなりすぎることを抑制し、走行駆動力と掘起力のバランスの適正化を図ることができる。この結果、掘削作業全体の作業効率の向上を図ることができる。
−第4の実施の形態−
図11から図13を参照して第4の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第2の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。第4の実施の形態に係るホイールローダは、第2の実施の形態と同様の構成を有している(図2参照)。図2に示すように、コントローラ10には、傾斜角センサ27が接続されている。傾斜角センサ27は、たとえば周知の振り子式の対地角センサであり、ホイールローダの傾斜角θを検出し、検出信号をコントローラ10に出力する。
第4の実施の形態では、コントローラ10の制限制御部10bは、傾斜角θが予め定められた角度閾値θ1以上になったか否かを判定する。図11は、ホイールローダが傾斜地において掘削作業をする様子を説明する図である。なお、傾斜角θとは、ホイールローダが左右方向の軸を中心に傾いたときの水平面からの傾き角度、すなわちピッチ角度である。
図12は、第4の実施の形態に係る作業車両の車速Vと最大走行駆動力Aの関係を示す走行性能線図である。第2の実施の形態では、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲で、車速Vが低下するにしたがって最大走行駆動力Aが徐々に増加し、車速Vが0のときに最大走行駆動力AがA2となるように最大走行駆動力Aを制限した。
第4の実施の形態では、制限制御部10bは、傾斜角センサ27で検出された傾斜角θが角度閾値θ1未満の場合、第1制限モードを設定し、第2の実施の形態で説明した特性f2にしたがって最大走行駆動力Aを制限する。制限制御部10bは、傾斜角センサ27で検出された傾斜角θが角度閾値θ1以上の場合、第2制限モードを設定し、特性f4にしたがって最大走行駆動力Aを制限する。
特性f4は、図示するように、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲において、特性f2の最大走行駆動力Aに予め定められた補正値ΔAが加算された値である。なお、最大走行駆動力Aの上限値は、特性f0で定められている。このため、特性f2の最大走行駆動力Aに補正値ΔAを加算した値(補正後の最大走行駆動力A)が、特性f0で定められる最大走行駆動力A(上限値)を超える場合は、この上限値に設定される。補正値ΔAは、傾斜角θの傾斜地をのぼるために必要な走行駆動力に相当し、コントローラ10の記憶装置に予め記憶されている。
特性f4は、最大走行駆動力Aが制限される車速Vの範囲が、0以上かつ制限開始判定用の閾値Va4以下の範囲となる。制限開始判定用の閾値Va4は、制限開始判定用の閾値Va1よりも低い(Va4<Va1)。特性f4は、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va4以下の範囲において、車速Vの低下にしたがって、最大走行駆動力Aが直線的に増加し、車速Vが0のときに最大走行駆動力AがA4となる特性である。A0,A4,A2の大小関係は、A0>A4>A2である。
図13は、第4の実施の形態に係るコントローラ10による駆動力制限制御の処理内容を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す処理は、イグニッションスイッチがオンされることにより開始され、図示しない初期設定が実行された後、所定の制御周期毎にステップS110以降の処理が繰り返し実行される。なお、図示しないが、コントローラ10は、車速センサ26で検出される車速の情報、モードスイッチ23の操作位置の情報、傾斜角センサ27で検出される傾斜角の情報などの各種情報を繰り返し取得している。
図13のフローチャートは、図5のステップS130とステップS170の間に、ステップS440,460,465の処理を追加したものである。ステップS130において、コントローラ10により車速Vが制限開始判定用の閾値Va1以下であると判定されると、ステップS440へ進み、ステップS440において、コントローラ10は、傾斜角センサ27で検出された傾斜角θが角度閾値θ1以上であるか否かを判定する。ステップS440で否定判定されるとステップS460へ進み、ステップS440で肯定判定されるとステップS465へ進む。
ステップS460において、コントローラ10は、第1制限モードを設定し、タイマカウントを開始してステップS170へ進む。第1制限モードでは、特性f2にしたがって走行駆動力が制限される。
ステップS465において、コントローラ10は、第2制限モードを設定し、タイマカウントを開始してステップS170へ進む。第2制限モードでは、特性f2よりも制限量が小さい特性f4にしたがって走行駆動力が制限される。
なお、走行駆動力の制限時間は、第1制限モードと第2制限モードの場合で同じである(ステップS170参照)。
このような第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を得ることができる。
(7)ホイールローダが傾斜地で掘削作業を行う際、ホイールローダの傾斜角θが大きいときに走行駆動力を大きく制限してしまうと、バケット112が掘削対象物へ十分に貫入されず、掘削量が低下してしまうおそれがある。本実施の形態では、コントローラ10は、傾斜角センサ27で検出されたホイールローダの傾斜角θに基づいて、制限する最大走行駆動力Aを設定する。これにより、傾斜地で掘削作業を行う場合に走行駆動力が低下し過ぎることを防止し、慣性力および走行駆動力の合成力と、掘起力のバランスの適正化を図ることができる。
−第4の実施の形態の変形例1−
図14(a)を参照して第4の実施の形態の変形例1に係る作業車両について説明する。図14(a)は、第4の実施の形態の変形例1に係る作業車両における傾斜角θの増加に応じて増加する補正値ΔAの特性を示す図である。第4の実施の形態では、補正値ΔAが一定値である例について説明した。これに対して、本変形例では、補正値ΔAが傾斜角θに応じて変化する。図14(a)に示すように、コントローラ10の記憶装置には、傾斜角θの増加にしたがって直線比例で増加する補正値ΔAの特性がルックアップテーブル形式で記憶されている。
制限制御部10bは、図14(a)に示す補正値ΔAの特性のテーブルを参照し、傾斜角センサ27で検出された傾斜角θに基づいて、補正値ΔAを演算する。制限制御部10bは、補正値ΔAを特性f2に基づいて設定された最大走行駆動力Aに加算して、補正後の最大走行駆動力Aを得る。なお、補正後の最大走行駆動力Aは、特性f0で定められる最大走行駆動力A(上限値)を超える場合、この上限値に設定される。
このような変形例によれば、傾斜角θに応じて、より適切な走行駆動力の制限を行うことができる。
−第4の実施の形態の変形例2−
傾斜角θが角度閾値θ1未満のときには制限開始判定用の閾値としてVa1を選択し、傾斜角θが角度閾値θ1以上のときには制限開始判定用の閾値としてVa4を選択する処理を行ってもよい。この場合、ステップS440が実行された後、制限開始判定用の閾値の選択処理が実行され、その後、ステップS130と同様に車速Vが閾値(Va1またはVa4)以下であるか否かが判定される。
制限制御部10bは、傾斜角θが角度閾値θ1未満であり、かつ、車速Vが制限開始判定用の閾値Va1以下である場合、第1制限モードを設定する。第1制限モードでは、予め定められた特性f2にしたがって最大走行駆動力Aが制限される。制限制御部10bは、傾斜角θが角度閾値θ1以上であり、かつ、車速Vが制限開始判定用の閾値Va4以下である場合、第2制限モードを設定する。第2制限モードでは、予め定められた特性f4にしたがって最大走行駆動力Aが制限される。
−第4の実施の形態の変形例3−
図14(b)を参照して第4の実施の形態の変形例3について説明する。第4の実施の形態では、傾斜角θが角度閾値θ1以上の場合に走行駆動力の制限が開始される車速(Va4)が、傾斜角θが角度閾値θ1未満の場合に走行駆動力の制限が開始される車速(Va1)に比べて小さい例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
図14(b)に示すように、制限が開始される車速は、傾斜角θにかかわらずVa1となるように特性f4Bを設定してもよい。特性f4Bは、車速Vが0以上かつ制限開始判定用の閾値Va1以下の範囲において、車速Vの低下にしたがって、最大走行駆動力AがA1からA4にかけて直線的に増加する特性である。このように、コントローラ10は、傾斜角センサ27で検出された車両の傾斜角θに基づいて、制限する最大走行駆動力Aを設定することができる。なお、A4はA0よりも小さくA2よりも大きい最大走行駆動力である。
−第4の実施の形態の変形例4−
第4の実施の形態では、第1制限モードが設定された場合と、第2制限モードが設定された場合とで、走行駆動力の制限が継続される時間(T0)が同じである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。傾斜角θが大きい場合、傾斜角θが小さい場合に比べて、掘削対象物への突入後の減速度が大きいため(すなわち車両が早く止まるため)、第1制限モードが設定された場合の時間閾値T0Aに比べて、第2制限モードが設定された場合の時間閾値T0Bを短くしてもよい(T0B<T0A)。傾斜角θが大きい場合に、制限する時間を短くすることで、傾斜角θに応じて、より適切に走行駆動力と掘起力のバランスを適正なものとすることができる。
−第5の実施の形態−
図15および図16を参照して第5の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第4の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。第5の実施の形態に係るホイールローダは、第4の実施の形態と同様の構成を有している(図2参照)。
コントローラ10の制限制御部10bは、車速Vの時間変化率(加速度および減速度)を演算する。図15は、車速の時間変化率αの演算について説明する図である。制限制御部10bは、所定の制御周期毎に検出された車速Vに基づいて、所定の制御周期間の車速Vの変化、たとえば現制御周期の車速Vと1制御周期前の車速Vの差分dvを1制御周期に対応する時間dtで除することで車速Vの時間変化率α(=dv/dt)を演算する。
車速の時間変化率が負の値である場合、車速の時間変化率は「減速度」を表している。車速の時間変化率が正の値である場合、車速の時間変化率は「加速度」を表している。制限制御部10bは、作業車両が減速している際、車速の時間変化率αが予め定められた変化率閾値α1未満であるか否かを判定する。すなわち、制限制御部10bは、減速度|α|が予め定められた減速度|α1|よりも大きくなったか否かを判定する。重く硬い土砂(掘削対象物)にバケット112を貫入させる場合、軽く軟らかい土砂(掘削対象物)にバケット112を貫入させる場合に比べて車速の時間変化率α(α<0)が小さくなる、すなわち減速度|α|が大きくなる。変化率閾値α1は、負の値であり(α1<0)、予めコントローラ10の記憶装置に記憶されている。
車速の時間変化率αが変化率閾値α1未満である場合、制限制御部10bは、時間閾値に第1時間閾値T1を設定する。車速の時間変化率αが変化率閾値α1以上である場合、制限制御部10bは、時間閾値に第2時間閾値T2を設定する。土砂等の掘削対象物が重く、硬いほど、ホイールローダの減速度は大きくなり、ホイールローダが停止するまでの時間が短くなる。そこで、減速度が大きい場合に設定される第1時間閾値T1と、減速度が小さい場合に設定される第2時間閾値T2の大小関係は、T1<T2とすることが好ましい。
図16は、第5の実施の形態に係るコントローラ10による駆動力制限制御の処理内容を示すフローチャートである。図16のフローチャートに示す処理は、イグニッションスイッチがオンされることにより開始され、図示しない初期設定が実行された後、所定の制御周期毎にステップS110以降の処理が繰り返し実行される。なお、図示しないが、コントローラ10は、車速センサ26で検出される車速の情報、モードスイッチ23の操作位置の情報、傾斜角センサ27で検出される傾斜角の情報などの各種情報を繰り返し取得している。さらに、コントローラ10は、制御周期毎に取得される車速Vと、制御周期に対応する時間に基づいて車速の時間変化率αを演算し、記憶装置に記憶させておく。なお、時間変化率αは、数制御周期〜数十制御周期の平均値として演算してもよい。
図16のフローチャートは、図13のステップS460,465,170を削除し、ステップS440とステップS180の間に、ステップS550,555,561,563,566,569,571,573,576,579の処理を追加したものである。ステップS440において、コントローラ10により傾斜角θが角度閾値θ1未満であると判定されるとステップS550へ進み、ステップS550において、コントローラ10は、車速の時間変化率αが変化率閾値α1未満であるか否かを判定する。ステップS550で肯定判定されると、すなわち減速度|α|が予め定めた減速度|α1|よりも大きいと判定されるとステップS561へ進む。ステップS550で否定判定されると、すなわち減速度|α|が予め定めた減速度|α1|よりも小さいと判定されるとステップS563へ進む。
ステップS561において、コントローラ10は、第1制限モードを設定するとともに時間閾値として第1時間閾値T1を設定し、タイマカウントを開始してステップS571へ進む。
ステップS571において、コントローラ10は、タイマで計測された時間Tが第1時間閾値T1以上であるか否かを判定する。コントローラ10は、ステップS571の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されるとステップS180へ進む。
ステップS563において、コントローラ10は、第1制限モードを設定するとともに時間閾値として第2時間閾値T2を設定し、タイマカウントを開始してステップS573へ進む。
ステップS573において、コントローラ10は、タイマで計測された時間Tが第2時間閾値T2以上であるか否かを判定する。コントローラ10は、ステップS573の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されるとステップS180へ進む。
ステップS440において、コントローラ10により傾斜角θが角度閾値θ1以上であると判定されるとステップS555へ進み、ステップS555において、コントローラ10は、ステップS550と同様、車速の時間変化率αが変化率閾値α1未満であるか否かを判定する。ステップS555で肯定判定されるとステップS566へ進み、ステップS555で否定判定されるとステップS569へ進む。
ステップS566において、コントローラ10は、第2制限モードを設定するとともに時間閾値として第1時間閾値T1を設定し、タイマカウントを開始してステップS576へ進む。
ステップS576において、コントローラ10は、タイマで計測された時間Tが第1時間閾値T1以上であるか否かを判定する。コントローラ10は、ステップS576の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されるとステップS180へ進む。
ステップS569において、コントローラ10は、第2制限モードを設定するとともに時間閾値として第2時間閾値T2を設定し、タイマカウントを開始してステップS579へ進む。
ステップS579において、コントローラ10は、タイマで計測された時間Tが第2時間閾値T2以上であるか否かを判定する。コントローラ10は、ステップS579の処理を肯定判定されるまで繰り返し実行し、肯定判定されるとステップS180へ進む。
このような第5の実施の形態によれば、第4の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を得ることができる。
(8)ホイールローダの車速の時間変化率(減速度)を演算し、演算された車速の時間変化率(減速度)に基づいて、走行駆動力を制限する時間閾値(T1またはT2)を設定するようにした。減速度が大きい場合、減速度が小さい場合に比べて掘削対象物への突入から停止までの時間が短い。そのため、通常通りの制限時間の長さだと、突入後の掘削作業にまで制限が差しかかり、支障をきたす可能性がある。そのため、制限する時間を短くすることで、土砂等の掘削対象物の重さや硬さの違いによる掘削対象物への突入から停止までの時間の違いに応じて、より適切な掘削を行うことができる。
−第5の実施の形態の変形例1−
制限制御部10bは、車速の時間変化率αが変化率閾値α1未満である場合と、車速の時間変化率αが変化率閾値α1以上である場合とで、異なる走行性能特性にしたがって走行駆動力を制限してもよい。たとえば、車速の時間変化率αが変化率閾値α1未満である場合(減速度が大きい場合)、車速の時間変化率αが変化率閾値α1以上である場合(減速度が小さい場合)に比べて、最大走行駆動力が大きくなるように、すなわち制限量が小さくなるように最大走行駆動力を制限する。これにより、土砂等の掘削対象物の重さや硬さに応じて、掘削性の向上を図ることができる。
−第5の実施の形態の変形例2−
車速の時間変化率αが変化率閾値α1未満である場合(減速度が大きい場合)、車速の時間変化率αが変化率閾値α1以上である場合(減速度が小さい場合)に設定される制限開始用の車速閾値よりも高い制限開始用の車速閾値を設定してもよい。減速度が大きい場合に車速の急峻な低下に対しても、高い車速閾値を設定することで制限の有効時間を適切に確保することができ、掘削性を向上することができる。
−第6の実施の形態−
図17および図18を参照して第6の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。
第1〜第5の実施の形態では、可変容量形の油圧ポンプ(HSTポンプ2)と可変容量形の油圧モータ(HSTモータ3)とを閉回路接続して形成されたHST回路を有する走行駆動装置を備えた作業車両について説明した。これに対して、第6の実施の形態では、走行用の電動モータ(FM,RM)を備える走行駆動装置を備えている。電動モータにより走行駆動力を出力する場合にも、掘削時における車速の低下に応じて走行駆動力が連続的かつ速やかに増加するため、車両の自重による慣性力と走行駆動力の合成力が過大になりやすい傾向がある。このため、上述した実施の形態と同様、走行駆動力を制限することで、掘削性の向上を図ることができる。
図17は、第6の実施の形態に係る作業車両の構成の一例を示す図である。ホイールローダは、コントローラ610と、エンジン1と、エンジン制御部1aと、作業用油圧回路HC2と、走行駆動装置600Dとを備えている。
走行駆動装置600Dは、アクスル660F,660Rと、デファレンシャル装置670F,670Rと、プロペラシャフト664と、走行電動装置600Eと、を含んで構成される。
走行電動装置600Eは、モータ/ジェネレータ605と、M/Gインバータ625と、ステータ603sおよびロータ603rを有するフロントモータ603と、フロントインバータ623と、ステータ604sおよびロータ604rを有するリアモータ604と、リアインバータ624と、蓄電素子(たとえば、キャパシタ)607と、コンバータ627とを含んで構成される。
フロントモータ603のロータ603rおよびリアモータ604のロータ604rは、両端のそれぞれに自在継手673,674を有するプロペラシャフト664を介して接続されている。プロペラシャフト664の一端の第1自在継手674にリアモータ604のロータ604rのロータシャフト665が接続され、プロペラシャフト664の他端の第2自在継手673にフロントモータ603のロータ603rのロータシャフト663が接続されている。これにより、フロントモータ603のロータ603rとリアモータ604のロータ604rとは、プロペラシャフト664および一対の自在継手673,674により連結され、一体的に回転する。
一対の前輪(前側の車輪113)は、それぞれ、前輪側アクスル660Fに連結されている。前輪側アクスル660Fは、デファレンシャル装置670Fに接続され、デファレンシャル装置670Fは一対の自在継手からなる連結部672を介してフロントモータ603のロータシャフト663に連結されている。一対の後輪(後側の車輪113)は、それぞれ、後輪側アクスル660Rに連結されている。後輪側アクスル660Rは、デファレンシャル装置670Rに接続され、デファレンシャル装置670Rは、一対の自在継手からなる連結部675を介してリアモータ604のロータシャフト665に連結されている。
モータ/ジェネレータ605は、エンジン1の出力軸に連結され、エンジン1により駆動されて3相交流電力を発生する発電機として機能する。この3相交流電力は、M/Gインバータ625により直流電力に変換されてフロントインバータ623およびリアインバータ624に供給される。なお、充電率が所定値まで低下している場合には、M/Gインバータ625により変換された直流電力はコンバータ627を介して蓄電素子607にも供給され、蓄電素子607が充電される。
M/Gインバータ625、フロントインバータ623およびリアインバータ624は、直流電力を交流電力に、または、交流電力を直流電力に変換する電力変換装置である。M/Gインバータ625、フロントインバータ623およびリアインバータ624は、コンバータ627を介して蓄電素子607に接続されている。コンバータ627は、蓄電素子607の充放電電圧を昇圧または降圧する。
蓄電素子607は、ある程度の電気的仕事(たとえば数10kW、数秒程度の仕事)で発生する電力を蓄電し、所望の時期に蓄電された電荷を放電することが可能な電気二重層キャパシタである。蓄電素子607は、フロントインバータ623およびリアインバータ624やM/Gインバータ625で変換された直流電力により充電される。
M/Gインバータ625で変換された直流電力、および/または、蓄電素子607から出力された直流電力は、フロントインバータ623およびリアインバータ624により3相交流電力に変換される。フロントモータ603およびリアモータ604は、それぞれフロントインバータ623およびリアインバータ624で変換された3相交流電力により駆動されて回転トルクを発生する。フロントモータ603およびリアモータ604で発生した回転トルクは、デファレンシャル装置670F,670Rおよびアクスル660F,660Rを介して、前側および後側の車輪113に伝達される。
一方、回生制動の運転時には、車輪113から伝達される回転トルクによりフロントモータ603およびリアモータ604が回転して、3相交流電力が発生する。フロントモータ603およびリアモータ604で発生した3相交流電力は、それぞれフロントインバータ623およびリアインバータ624により直流電力に変換され、コンバータ627を介して蓄電素子607に供給され、蓄電素子607はフロントインバータ623およびリアインバータ624で変換された直流電力により充電される。
コントローラ610は、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されている。コントローラ610は、ホイールローダの走行系および油圧作業系を含むシステム全体の制御を行っており、システム全体が最高のパフォーマンスを発揮するように各部を制御する。
コントローラ610には、前後進切換スイッチ651、アクセルペダルセンサ652、車速センサ653、ブレーキペダルセンサ654、エンジン回転速度センサ650、ならびに、モータ回転速度センサ659からの信号がそれぞれ入力される。
前後進切換スイッチ651は、車両の前進/後進を指令する前後進スイッチ信号をコントローラ610に出力する。アクセルペダルセンサ652は、アクセルペダル(不図示)のペダル操作量を検出してアクセル信号をコントローラ610に出力する。車速センサ653はホイールローダの車両走行速度(車速)を検出して、車速信号をコントローラ610に出力する。ブレーキペダルセンサ654は、ブレーキペダル(不図示)のペダル操作量を検出してブレーキ信号をコントローラ610に出力する。
エンジン回転速度センサ650はエンジン1の実回転速度を検出して、実回転速度信号をコントローラ610に出力する。モータ回転速度センサ659はフロントモータ603およびリアモータ604の回転速度を検出して、モータ回転速度信号をコントローラ610に出力する。なお、モータ回転速度センサ659および車速センサ653のうち、いずれかを省略してもよい。たとえば、車速センサ653を省略し、モータ回転速度センサ659により検出されたモータ回転速度に基づいて車速を演算してもよい。
コントローラ610は、アクセルペダル(不図示)のペダル操作量を含む車両情報に応じた要求トルクを演算し、フロントモータ603およびリアモータ604が要求トルクを出力するように、エンジン1、フロントインバータ623およびリアインバータ624を制御する。
コントローラ610は、要求トルクに基づいてフロントモータ603およびリアモータ604に必要な発電量を演算する。コントローラ610は、モータ/ジェネレータ605で所定の発電量を得るための目標エンジン回転速度を演算し、演算した目標エンジン回転速度に基づいてエンジン駆動制御信号をエンジン制御部1aに出力するとともに、モータ/ジェネレータ605で発電した3相交流電力を直流電力に変換するための駆動信号をM/Gインバータ625に出力する。
エンジン制御部1aは、エンジン回転速度センサ650で検出されたエンジン1の実エンジン回転速度Naと、コントローラ610からの目標エンジン回転速度Ntとを比較して、エンジン1の実エンジン回転速度Naを目標エンジン回転速度Ntに近づけるために燃料噴射装置(不図示)を制御する。
コントローラ610は、蓄電素子607の充電状態(SOC:State Of Charge)が所定の下限値を下回らないように、かつ、所定の上限値を上回らないように、車両の運転状況、すなわち車速情報やアクセルペダルのペダル操作量、充電率等に応じて、エンジン1、M/Gインバータ625、フロントインバータ623およびリアインバータ624、コンバータ627等を制御する。
コントローラ610は、フロントモータ603およびリアモータ604に要求されるトルクであるモータ要求トルクを演算する。図18(a)は、モータ要求トルクマップ(モータ特性)を示す図である。モータ要求トルクマップは、フロントモータ603のトルクカーブ(特性M2)と、リアモータ604のトルクカーブ(特性M1)を表すマップである。
図18(a)に示すように、フロントモータ603とリアモータ604とでは特性が異なっている。フロントモータ603は、低速域で大きなトルクを出すことはできないが高速回転まで駆動可能な特性を有する高速型モータ(特性M2)であり、リアモータ604は、高速回転までトルクを出すことはできないが、低速域で大きなトルクを出すことが可能な低速型モータ(特性M1)である。フロントモータ603とリアモータ604とでは、高効率で駆動できる動作領域が異なるため、車両に要求される動力性能の広い範囲で高効率な電動機駆動が可能となる。
特性M1および特性M2のそれぞれは、モータ要求トルクが、アクセル信号に比例しつつリアモータ604およびフロントモータ603の回転速度に反比例するように設定されており、コントローラ610内の記憶装置に記憶されている。
つまり、コントローラ610には、アクセルペダルセンサ652から入力されるアクセル信号の増減に応じてフロントモータ603およびリアモータ604のそれぞれの出力が増減するようアクセル信号とフロントモータ603およびリアモータ604の出力の関係が設定されている。コントローラ610は、アクセル信号に応じたトルクカーブを決定し、そのトルクカーブにそのときのフロントモータ603およびリアモータ604の回転速度を参照し、モータ要求トルクを決定する。フロントモータ603とリアモータ604のそれぞれの要求トルクを決定し、このトルクに基づいて周知の方法によりモータ駆動信号を生成し、モータ駆動信号をフロントインバータ623およびリアインバータ624に出力する。
コントローラ610は、操作指令に相当するアクセル信号、ブレーキ信号、前後進スイッチ信号、ならびに現在の車両走行速度(車速)等が入力されると、これらの情報に基づいて、車両から要求される要求トルクを演算する。この要求トルクは、リアモータ604のモータ要求トルク、および、フロントモータ603のモータ要求トルクの合計となっている。
コントローラ610の記憶装置には、リアモータ604およびフロントモータ603の効率データテーブルが記憶されており、コントローラ610は、その効率データテーブルに基づいて、要求トルクに対し最高の電動機効率となるようにトルクの分配を決定する。コントローラ610は、リアインバータ624、および、フロントインバータ623のそれぞれが有する制御装置(不図示)に対し、トルク指令として出力する際には、ハイブリッドシステムおよび車両の制限事項に基づくトルク制限処理を施して、RMトルク指令、FMトルク指令を出力する。リアインバータ624およびフロントインバータ623は、RMトルク指令、FMトルク指令に基づいて、リアモータ604およびフロントモータ603のそれぞれの電機子巻線(固定子巻線)に3相交流電力を供給し、ロータ603r,604rを回転させて車両の走行動作を行う。
本実施の形態では、コントローラ610は、第1の実施の形態で説明したモード設定部10aおよび制限制御部10bとしての機能を有しており、制限条件が成立した場合に制限モードを設定し、制限条件が成立していない場合に非制限モードに設定する。図18(b)は、最大トルクマップを示す図であり、非制限モードが設定されているときの最大トルク特性と、制限モードが設定されているときの最大トルク特性M1L,M2Lを示している。コントローラ610の記憶装置には、トルク制限用の最大トルク特性M1Lのテーブルが記憶されている。制限モードが設定されているときには、たとえば、アクセルペダルが最大に踏み込まれたとしてもリアモータ604のモータ要求トルクが特性M1Lに制限される。同様に、コントローラ610の記憶装置には、トルク制限用の最大トルク特性M2Lのテーブルが記憶されている。制限モードが設定されているときには、たとえば、アクセルペダルが最大に踏み込まれたとしてもフロントモータ603のモータ要求トルクが特性M2Lにより制限される。
非制限モードが設定されると、コントローラ610は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた特性M1および特性M2にしたがって、リアモータ604およびフロントモータ603のそれぞれの要求トルクを決定する(図18(a)参照)。制限モードが設定されると、コントローラ610は、特性M1に基づいて演算されたリアモータ604の要求トルクが特性M1Lで設定される最大トルク(上限値)を超える場合には、その上限値に設定される(図18(b)参照)。同様に、制限モードが設定されると、コントローラ610は、特性M2に基づいて演算されたフロントモータ603の要求トルクが特性M2Lで設定される最大トルク(上限値)を超える場合には、その上限値に設定される(図18(b)参照)。
このような第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
−第7の実施の形態−
図19を参照して第7の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。なお、図19では、HST回路における高圧選択弁16、チェック弁11A,11B、オーバーロードリリーフ弁13等の図示は省略している。
第7の実施の形態に係る作業車両は、HMT(Hydro-Mechanical Transmission:油圧−機械式変速装置)703Aと、プロペラシャフト704と、デファレンシャル装置705と、アクスル706と、を有する走行駆動装置730を備えている。
エンジン1の出力軸は、HMT703Aに連結されている。図19は、第7の実施の形態に係る作業車両の概略構成を示す図である。HMT703Aは、HST回路(走行用油圧回路HC1)と、機械伝動部732とを備え、エンジン1の駆動力をHSTと機械伝動部732へパラレルに伝達する。エンジン1の出力軸の回転はHMT703Aで変速される。変速後の回転は、プロペラシャフト704、デファレンシャル装置705、アクスル706を介して車輪113に伝達されて、ホイールローダが走行する。
HMT703Aは、前進用の油圧クラッチ(以下、前進クラッチ718と記す)と、後進用の油圧クラッチ(後進クラッチ719と記す)を有するクラッチ装置716を備えている。前進クラッチ718および後進クラッチ719は、トランスミッション制御装置(不図示)を介して供給される圧油の圧力(クラッチ圧)が増加すると係合(接続)動作を行い、クラッチ圧が減少すると解放(切断)動作を行う。
エンジン1の出力軸は、クラッチシャフト722に連結されている。前進クラッチ718が係合状態の場合、後進クラッチ719は解放状態であり、クラッチシャフト722は前進クラッチ718と一体に回転し、ホイールローダを前進方向に走行させる。後進クラッチ719が係合状態の場合、前進クラッチ718は解放状態であり、クラッチシャフト722は後進クラッチ719と一体に回転し、ホイールローダを後進方向に走行させる。
クラッチシャフト722の回転力は、ギアを介して入力軸723に伝達される。入力軸723には、遊星歯車機構740Aのサンギア747が固定されている。サンギア747の外周には、複数のプラネタリギア748が歯合されている。各プラネタリギア748は、遊星キャリア749に軸支され、遊星キャリア749は出力軸750に固定されている。出力軸750は、上述のプロペラシャフト704に接続されている。プラネタリギア群の外周にはリングギア741が歯合され、リングギア741の外周にポンプ入力ギア742が歯合されている。ポンプ入力ギア742は、走行用の油圧ポンプ(HSTポンプ2)の回転軸に固定されている。HSTポンプ2には、走行用の油圧モータ(HSTモータ3)が閉回路接続されている。HSTモータ3の回転軸には、モータ出力ギア754が固定されており、モータ出力ギア754が出力軸750のギア743Aに歯合されている。
HSTポンプ2は、傾転角に応じて押しのけ容積が変更される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型の油圧ポンプである。押しのけ容積はレギュレータ2rにより制御される。図示しないが、レギュレータ2rは傾転シリンダと、コントローラ710からの前後進切換信号に応じて切り換わる前後進切換弁とを有する。傾転シリンダには、前後進切換弁を介して制御圧力が供給され、制御圧力に応じて押しのけ容積が制御されるとともに、前後進切換弁の切換に応じて傾転シリンダの動作方向が制御され、HSTポンプ2の傾転方向が制御される。
HSTモータ3は、傾転角に応じて押しのけ容積が変更される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型の油圧モータである。コントローラ710から図示しないモータ用のレギュレータ3rに制御信号が出力されることで、HSTモータ3の押しのけ容積(モータ容量)が制御される。コントローラ710は、エンジンストールが発生することを防止するために、目標エンジン回転速度Ntに対して、実エンジン回転速度Naが低く、その差が大きい場合、その差が小さい場合に比べて押しのけ容積を小さく制御する。
このように、本実施の形態では、入力分割型のHMT703Aを採用している。入力分割型のHMT703Aでは、遊星歯車機構740Aに連結したHSTポンプ2と油圧回路により接続されたHSTモータ3を、変速装置の出力軸750と回転比一定で連結する構成とされている。エンジン1の出力トルクは、遊星歯車機構740Aを経由して、HSTと機械伝動部742にパラレルに伝達され、車輪113が駆動される。
このようなHMT703Aを備えた作業車両においても、HSTモータ3の押しのけ容積qmや走行負荷圧Ptを制御して、掘削作業における掘削対象物への突入直後に最大走行駆動力Aを制限することで、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
−第7の実施の形態の変形例1−
上述した実施の形態では、入力分割型のHMT703A(図19参照)を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。入力分割型のHMT703Aに代えて、図20に示すように、出力分割型のHMT703Bを採用してもよい。なお、図20では、走行駆動装置について図示し、作業用油圧回路HC2の図示は省略している。出力分割型のHMT703Bでは、遊星歯車機構740Bに連結したHSTモータ3と油圧回路により接続されたHSTポンプ2を、変速装置の入力軸723と回転比一定で連結する構成とされている。本変形例では、エンジン1の出力トルクがHSTと機械伝動部732にパラレルに伝達され、遊星歯車機構740Bを経由して、車輪113が駆動される。
図20に示すように、出力分割型のHMT703Bでは、入力軸723の回転力は、入力軸723のギア743Bおよびポンプ入力ギア742を介してHSTに伝達される。また、入力軸723には、遊星歯車機構740Bのサンギア747が固定されている。サンギア747の外周には、複数のプラネタリギア748が歯合されている。各プラネタリギア748は、遊星キャリア749に軸支され、遊星キャリア749は出力軸750に固定されている。出力軸750は、上述のプロペラシャフト704に接続されている。プラネタリギア群の外周にはリングギア741が歯合され、リングギア741の外周にモータ出力ギア754が歯合されている。モータ出力ギア754はHSTモータ3の回転軸に固定されている。
−第7の実施の形態の変形例2−
図19や図20に示すHMT703A,703Bに代えて、EMT(Electro-Mechanical Transmission:電気−機械式変速装置)703Cを備えたホイールローダに本発明を適用してもよい。この場合、HSTポンプ2に代えて発電機840が設けられ、HSTモータ3に代えて電動モータ850が設けられる。
本変形例では、図21に示すように、エンジン1の出力トルクを、遊星歯車機構740Aを経由して、発電機840と電動モータ850による電動トルク伝達と、機械伝動部732による機械的なダイレクト駆動のトルク伝達とにパラレルに伝達することにより、車輪113を駆動する。または、図示しないが、エンジン1の出力トルクを発電機840と電動モータ850による電動トルク伝達と、機械伝動部732による機械的なダイレクト駆動のトルク伝達とにパラレルに伝達し、遊星歯車機構を経由して車輪113を駆動する構成としてもよい。
EMT703Cでは、制限条件が設定されると、コントローラ(不図示)により電動モータ850のモータ要求トルクの最大値が制限され、走行駆動力と掘起力のバランスの適正化が図られる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、作業車両の傾斜角θや作業車両の車速の時間変化率αに基づいて、時間閾値を設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図22(a)に示すように、任意の時間閾値を設定するための時間入力装置901を設けてもよい。時間入力装置901は、ダイヤル式の入力操作装置としてもよいし、複数の操作位置(たとえば重掘削操作位置および軽掘削操作位置)のいずれかを選択する入力操作装置としてもよい。コントローラ10の制限制御部10bは、時間入力装置901からの信号に基づいて時間閾値を設定する。これにより、土砂等の掘削対象物の重さや硬さ、あるいは地面の傾斜、路面の状況に応じて、オペレータが任意で時間閾値を設定することができる。
(変形例2)
上述した実施の形態では、作業車両の傾斜角θや作業車両の車速の時間変化率αに基づいて、最大走行駆動力Aの大きさ、すなわち最大走行駆動力の制限量を設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図22(b)に示すように、任意の最大走行駆動力の特性を設定するための制限入力装置902を設けてもよい。制限入力装置902は、ダイヤル式の入力操作装置としてもよいし、複数の操作位置(たとえば重掘削操作位置および軽掘削操作位置)のいずれかを選択する入力操作装置としてもよい。コントローラ10の制限制御部10bは、制限入力装置902からの信号に基づいて最大走行駆動力Aの特性を設定する。これにより、土砂等の掘削対象物の重さや硬さ、あるいは地面の傾斜、路面の状況に応じて、オペレータが任意で制限後の最大走行駆動力を設定することができる。
(変形例3)
上述した実施の形態では、作業車両の傾斜角θや作業車両の車速の時間変化率αに基づいて、車速閾値を設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図22(c)に示すように、任意の車速閾値を設定するための車速閾値入力装置903を設けてもよい。車速閾値入力装置903は、ダイヤル式の入力操作装置としてもよいし、複数の操作位置(たとえば重掘削操作位置および軽掘削操作位置)のいずれかを選択する入力操作装置としてもよい。コントローラ10の制限制御部10bは、車速閾値入力装置903からの信号に基づいて車速閾値を設定する。これにより、土砂等の掘削対象物の重さや硬さ、あるいは地面の傾斜、路面の状況に応じて、オペレータが任意で車速閾値を設定することができる。
(変形例4)
上述した実施の形態では、コントローラ10が、車速センサ26で検出された車速Vが、有効判定用の閾値Vb1よりも高いか否かを判定し、車速Vが有効判定用の閾値Vb1よりも高い状態から制限開始判定用の閾値Va1,Va4以下に低下した場合に、所定時間の間、最大走行駆動力を制限する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。コントローラ10は、車速Vが制限開始判定用の閾値Va1よりも高くなったときに、有効モードを設定してもよい。なお、第1の実施の形態で説明したように、車速Vが有効判定用の閾値Vb1よりも高くなったときに、有効モードを設定することで、制限制御と非制限制御との間でのハンチングを防止できるため、好適である。
(変形例5)
上述した実施の形態では、コントローラ10は、モードスイッチ23の操作位置を加味して、有効モード/無効モードを設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。コントローラ10は、有効個別条件1が成立した場合には有効モードを設定し、有効個別条件1が成立していない場合には無効モードを設定するようにしてもよい。この場合、モードスイッチ23を省略することができる。
(変形例6)
上述した実施の形態では、作業車両の一例としてホイールローダを例に説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば、ホイールショベル、テレハンドラー等の種々の作業車両に本発明を適用できる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1 エンジン、2 HSTポンプ、3 HSTモータ、4 作業用油圧ポンプ、10 コントローラ(制御装置)、10a 有効/無効モード設定部(モード設定部)、10b 制限制御部、23 モードスイッチ、26 車速センサ(車速検出装置)、27 傾斜角センサ(傾斜角検出装置)、111 アーム、112 バケット、115 バケットシリンダ、117 アームシリンダ、600D 走行駆動装置、610 コントローラ(制御装置)、653 車速センサ(車速検出装置)、710 コントローラ(制御装置)、730 走行駆動装置、840 発電機、850 電動モータ、901 時間入力装置、902 制限入力装置、903 車速閾値入力装置、A 最大走行駆動力、C0 非制限特性、C1 制限特性、T0,T0A,T0B,T1,T2 時間閾値(所定時間)、Va1,Va4 制限開始判定用の閾値(第1車速閾値)、Vb1 有効判定用の閾値(第2車速閾値)

Claims (8)

  1. アーム及びバケットを有する作業機と、
    車速を検出する車速検出装置と、
    掘削時の前記車速の低下に応じて増加する走行駆動力を出力する走行駆動装置と
    前記走行駆動装置により前記走行駆動力を制御する制御装置と、を備えた作業車両において、
    前記制御装置は、
    予め定められた第1車速閾値と、予め定められた前記第1車速閾値よりも高い第2車速閾値とを記憶する記憶部を備え、
    前記車速検出装置で検出された車速が前記第2車速閾値よりも高いと判定され、前記第2車速閾値よりも高い車速から前記第1車速閾値以下に低下した場合に、掘削対象物へ突入してから前記作業機の動作を開始させるまでの所定時間の間、前記走行駆動力を制限する制限制御部を有することを特徴とする作業車両。
  2. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置の制限制御部は、時間入力装置からの信号に基づいて前記所定時間を設定することを特徴とする作業車両。
  3. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置の制限制御部は、制限入力装置からの信号に基づいて前記走行駆動力の制限量を設定することを特徴とする作業車両。
  4. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置の制限制御部は、前記車速検出装置で検出された車速が低下するにしたがって前記走行駆動力を増加させるように、前記走行駆動力を制限することを特徴とする作業車両。
  5. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置の制限制御部は、車速閾値入力装置からの信号に基づいて前記第1車速閾値を設定することを特徴とする作業車両。
  6. 請求項1に記載の作業車両において、
    作業車両の傾斜角を検出する傾斜角検出装置を備え、
    前記制御装置は、前記傾斜角検出装置で検出された作業車両の傾斜角に基づいて、少なくとも、制限する前記走行駆動力、前記第1車速閾値、および前記所定時間のうちのいずれかを設定することを特徴とする作業車両。
  7. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、作業車両の車速の時間変化率を演算し、演算された車速の時間変化率に基づいて、少なくとも、制限する前記走行駆動力、前記第1車速閾値、および前記所定時間のうちのいずれかを設定することを特徴とする作業車両。
  8. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記車速検出装置で検出された車速が予め定めた第1車速閾値以下に低下してから所定時間の間、前記走行駆動力を制限することを無効にするモードを設定するモード設定部を有することを特徴とする作業車両。
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