JP6555405B2 - エアレスタイヤ - Google Patents

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本発明は、スポークの損傷を抑えて耐久性を向上させたエアレスタイヤに関する。
充填内圧によって荷重を支える空気入りタイヤでは、パンクの発生は構造上不可避である。このような問題を解決するため、近年、例えば図6に略示されるように、トレッドリングaとハブbとの間を、放射状に配列する複数のスポーク板部c1からなるスポークcによって連結させた構造のエアレスタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。なお図6はタイヤの荷重負荷状態が示される。
前記構造のタイヤでは、ハブbや車軸dが、車軸dの上方側に位置するスポーク板部c1により釣り下げるように保持される。従って、車軸dに荷重Fが負荷された場合、車軸dの上方側に位置するスポーク板部c1には引っ張り力が作用して伸びが発生するとともに、下方側に位置するスポーク板部c1には圧縮力が作用して曲げ変形が発生する。
そしてこの曲げ変形の繰り返しにより、スポーク板部c1が早期に損傷しエアレスタイヤの耐久性を低下させるという問題がある。特に、フレキシブルなスポーク板部c1と、変形の少ないハブb及びリングaとの連結部分は、曲げ変形時に応力が集中して歪みが大きくなる。そのため、この連結部分が弱所となってクラックなどの損傷を発生させることとなる。
特開2008−260514号公報
そこで本発明は、スポーク板部の厚さ分布を規定することを基本として、スポーク板部の曲げ変形時における応力を広く分散させることができ、スポーク板部の損傷を抑えて耐久性を向上させうるエアレスタイヤを提供することを課題としている。
本発明は、接地面を有する円筒状のトレッドリング、前記トレッドリングのタイヤ半径方向内側に配されかつ車軸に固定されるハブ、及び前記トレッドリングとハブとを連結する高分子材料からなるスポークを具えるエアレスタイヤであって、
前記スポークは、前記トレッドリングの内周面に接合されるトレッド側環状部と、前記ハブの外周面に接合されるハブ側環状部と、このハブ側環状部からトレッド側環状部までタイヤ半径方向にのびるスポーク板部とを一体に具えるとともに、
前記スポーク板部は、前記ハブ側環状部に接続する第1接続位置から厚さTを漸減しながらタイヤ半径方向外側にのびる第1厚さ漸減領域と、前記トレッド側環状部に接続する第2接続位置から厚さTを漸減しながらタイヤ半径方向内側にのびる第2厚さ漸減領域と、その間に配されかつ厚さTが最小値Tmin となる最小厚さ領域とを具え、
しかも前記第1厚さ漸減領域のタイヤ半径方向長さL1、及び前記第2厚さ漸減領域のタイヤ半径方向長さL2は、それぞれ、前記スポーク板部のタイヤ半径方向長さL0の0.05倍以上であることを特徴としている。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記スポーク板部の厚さTを、前記第1接続位置を原点とした該原点からのタイヤ半径方向距離xの関数T(x)としたとき、前記関数T(x)の1回微分関数T'(x)は次式(1)〜(4)を充足することが好ましい。
T'(0) =−∞ −−−(1)
T'(x1)=0 −−−(2)
T'(x2)=0 −−−(3)
T'(x3)=∞ −−−(4)
(式中、x1=L1、x2=L0−L2、x3=L0を意味する)
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記スポーク板部の厚さTを、前記第1接続位置を原点とした該原点からのタイヤ半径方向距離xの関数T(x)としたとき、前記関数T(x)の2回微分関数T”(x)は次式(5)、(6)を充足することが好ましい。
T"(x)<0 (0≦x≦x1) −−−(5)
T"(x)>0 (x2≦x≦x3) −−−(6)
(式中、x1=L1、x2=L0−L2、x3=L0を意味する)
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記第1厚さ漸減領域は、そのタイヤ半径方向中央位置における厚さTa0.5が、前記最小値Tmin の1.05〜1.5倍、かつ前記第2厚さ漸減領域は、そのタイヤ半径方向中央位置における厚さTb0.5が、前記最小値Tmin の1.05〜1.5倍であることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記スポーク板部は、前記第1接続位置と第2接続位置との間に、タイヤ軸方向の巾Wが最小値Wmin となる最小巾領域を具えるとともに、前記最小値Wminは、前記第1接続位置における巾Waの0.5倍以上かつ1.0倍未満、又は前記第2接続位置における巾Wbの0.5倍以上かつ1.0倍未満であることが好ましい。
本発明に係る前記エアレスタイヤでは、前記スポークの複素弾性率E*は、1〜300MPaの範囲であることが好ましい。
本明細書において、複素弾性率E*は、粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用い、温度30℃において、周波数10Hz、初期歪10%、動歪2%、及び引張りモードの条件下で測定した値としている。
本発明では叙上の如く、スポーク板部は、ハブ側環状部に接続する第1接続位置から厚さTを漸減しながら半径方向外側にのびる第1厚さ漸減領域と、トレッド側環状部に接続する第2接続位置から厚さTを漸減しながら半径方向内側にのびる第2厚さ漸減領域と、その間に配される最小厚さ領域とを具える。そして、第1厚さ漸減領域及び第2厚さ漸減領域の半径方向長さL1、L2をスポーク板部の半径方向長さL0の0.05倍以上に設定している。
ここで、エアレスタイヤにおけるスポークの撓みは、例えば空気入りタイヤのサイドウォールにおける撓みに比して非常に大きい。そのため、例えばスポーク板部を一定厚さとし、ハブ側環状部及びトレッド側環状部との連結部分のみを円弧面にて連結しただけでは、応力の分散緩和が不十分であり、円弧面と一定厚さ部分との交点付近において損傷が発生する。
そこで本発明では、前記第1厚さ漸減領域及び第2厚さ漸減領域の長さL1、L2をスポーク板部の長さL0の0.05倍以上に規定し、厚さ漸減領域を広範囲に形成している。これにより、スポーク板部の曲げ変形時における応力を広く分散させることが可能となり、スポーク板部の損傷を抑制することができる。
本発明のエアレスタイヤの一実施形態を示す斜視図である。 エアレスタイヤのタイヤ軸方向の断面図である。 スポーク板部を示すタイヤ軸方向と直角方向の断面図である。 (A)、(B)は、第1厚さ漸減領域及び第2厚さ漸減領域を拡大して示すタイヤ軸方向と直角方向の断面図である。 スポーク板部の厚さの関数T(x)を例示するグラフである。 荷重負荷状態における従来のエアレスタイヤを概念的に示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1、2に示されるように、本実施形態のエアレスタイヤ1は、接地面Sを有する円筒状のトレッドリング2、前記トレッドリング2の半径方向内側に配されかつ車軸Jに固定されるハブ3、及び前記トレッドリング2とハブ3とを連結する高分子材料からなるスポーク4を具える。本例では、前記エアレスタイヤ1が乗用車用タイヤとして形成される場合が示される。
前記トレッドリング2は、空気入りタイヤにおけるトレッド部に相当する部位であり、接地面Sをなすトレッドゴム2Aと、その半径方向内側に配される補強コード層2Bとを具える。
トレッドゴム2Aとしては、接地に対する摩擦力、耐摩耗性に優れるゴム組成物が好適に採用しうる。又接地面Sには、ウエット性能を付与するために、トレッド溝(図示しない)が種々なパターン形状にて形成される。
補強コード層2Bは、本例では、半径方向外側のアウターブレーカ5と、半径方向内側のインナーブレーカ6とを含むとともに、その間に高弾性ゴムからなる剪断ゴム層7が配される。
前記アウターブレーカ5は、例えばスチールコード等の高弾性の補強コードを、タイヤ周方向に対して例えば5〜85°、好ましくは10〜35°の角度で傾斜配列させた複数枚、本例では2枚のアウタープライ5A、5Bから形成される。このアウターブレーカ5は、各補強コードがプライ間相互で交差するように、傾斜の向きを違えて重置される。また前記インナーブレーカ6は、例えばスチールコード等の高弾性の補強コードを、タイヤ周方向に螺旋状に巻回した1枚以上、本例では1枚のインナープライから形成される。
前記剪断ゴム層7は、複素弾性率E*が好ましくは70MPa以上、さらに好ましくは90MPa以上の高弾性ゴムから形成される。このような高弾性ゴムの両側を、アウターブレーカ5及びインナーブレーカ6により挟み込んだサンドウィッチ構造とすることにより、トレッドリング2の剛性を大幅に高めることができ、タイヤの転動性能を高く確保することが可能になる。
前記ハブ3は、タイヤホイールに相当するもので、本例では、車軸Jに固定される円盤状のディスク部3Aと、このディスク部3Aの半径方向外端部に一体に形成される円筒状のスポーク取付け部3Bとを具える。前記ディスク部3Aの中央には、車軸Jの前端部Jaが挿通するハブ孔3A1が形成される。又ハブ孔3A1の周囲には、車軸側に配されるボルト部Jbをナット止めするための複数のボルト挿通孔3A2が設けられる。このようなハブ3としては、タイヤホイールと同様、例えば、スチール、アルミ合金、マグネシウム合金等の金属材料によって形成されるのが好ましい。
次に、前記スポーク4は、高分子材料による注型成形により、トレッドリング2及びハブ3と一体成形される。高分子材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が採用しうるが、安全性の観点から、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂などが好適であり、特にウレタン系樹脂は弾性特性に優れるため、より好適に採用しうる。
前記スポーク4は、トレッドリング2の内周面に接着剤等を介して接合されるトレッド側環状部8と、前ハブ3の外周面に接着剤等を介して接合されるハブ側環状部9と、ハブ側環状部9からトレッド側環状部8までタイヤ半径方向にのびる複数枚のスポーク板部10とを一体に具える。図1では、トレッド側環状部8及びハブ側環状部9が省略して描かれている。
図3に拡大して示されるように、スポーク板部10は、ハブ側環状部9とは第1接続位置Paにて接続し、かつトレッド側環状部8とは第2接続位置Pbにて接続する。前記第1接続位置Pa及び第2接続位置Pbは、タイヤ軸心から放射線状にのびる基準線N上に位置する。
本例では、スポーク板部10が、タイヤの無負荷状態においてS字状に湾曲する場合が示される。即ち、本例のスポーク板部10は、タイヤ周方向一方側に凸となる円弧状のスポーク湾曲部10Lと、タイヤ周方向他方側に凸となる円弧状のスポーク湾曲部10RとからなるS字状に形成される。この場合、S字に沿ったスポーク板部10の曲線長さLSは、スポーク板部10のタイヤ半径方向長さL0(基準線Nに沿った直線長さ)の好ましくは0.5〜7.0%増し、より好ましくは1.0〜5.0%増しである。これにより、スポーク板部10の座屈変形を防止し曲げ変形を円滑に行わせることができる。なお要求により、スポーク板部10を、基準線Nに沿って直線状に形成することもできる。
次に、前記スポーク板部10の厚さTが下記のように規定される。スポーク板部10は、第1接続位置Paから厚さTを漸減しながらタイヤ半径方向外側にのびる第1厚さ漸減領域Yaと、第2接続位置Pbから厚さTを漸減しながらタイヤ半径方向内側にのびる第2厚さ漸減領域Ybと、その間に配されかつ厚さTが最小値Tmin となる最小厚さ領域Ymとを具える。なお最小厚さ領域Ymでは、厚さは一定である。前記第1接続位置Paでの厚さTaと第2接続位置Pbでの厚さTbとは、本例では互いに等しく、それぞれ厚さTの最大値を構成している。しかし厚さTa、Tbのうちの一方が大であってもよく、この場合一方が最大値、他方が極大値を構成する。
また第1厚さ漸減領域Yaのタイヤ半径方向長さL1、及び前記第2厚さ漸減領域Ybのタイヤ半径方向長さL2は、それぞれ、スポーク板部10の前記タイヤ半径方向長さL0の0.05倍以上としている。
ここで、エアレスタイヤ1におけるスポーク4の撓みは、例えば空気入りタイヤのサイドウォールにおける撓みに比して非常に大きい。そのため、例えばスポーク板部10を一定厚さとし、ハブ側環状部9及びトレッド側環状部8との連結部分のみを円弧面にて連結しただけでは、応力の分散緩和が不十分であり、円弧面と一定厚さ部分との交点付近において損傷が発生する。そこで本発明では、前記第1厚さ漸減領域Ya及び第2厚さ漸減領域Ybの各長さL1、L2を、それぞれスポーク板部10全体の長さL0の0.05倍以上に設定している。これにより曲げ変形時の応力を広く分散させることができスポーク板部10の損傷を抑制しうる。前記長さL1、L2は、長さL0の0.07倍以上、さらには0.1倍以上が好ましい。なお前記長さL1、L2の上限は特に規制されないが、長すぎると不必要な重量増加を招く。また一方が長過ぎると他方が短か過ぎとなり、曲げ変形形状がアンバランスとなって応力の分散緩和に悪影響を与える。従って、前記長さL1、L2の上限は長さL0の0.6倍以下であり、また前記長さの比L1/L2は2/3〜3/2の範囲が好ましい。
また前記厚さTを、第1接続位置Paを原点とした該原点からのタイヤ半径方向距離xの関数T(x)としたとき、前記関数T(x)の1回微分関数T'(x)、即ち関数T(x)を1回微分した一次導関数T'(x)が、次式(1)〜(4)を充足することが好ましい。なお式中、x1=L1、x2=L0−L2、x3=L0を意味する。
T'(0) =−∞ −−−(1)
T'(x1)=0 −−−(2)
T'(x2)=0 −−−(3)
T'(x3)=∞ −−−(4)
図5にスポーク板部10の厚さの関数T(x)の一例を示す。式(1)、(4)においては、x=0における関数T(x)の接線、及びx=x3における関数T(x)の接線が、それぞれ、図5においては垂直となり、ハブ側環状部9およびトレッド側環状部8と滑らかに接することを意味する。また式(2)、(3)においては、x=x1における関数T(x)の接線、及びx=x2における関数T(x)の接線が、それぞれ、図5においては水平となり、最小厚さ領域Ymと滑らかに接することを意味する。即ち、ハブ側環状部9と、第1厚さ漸減領域Yaと、最小厚さ領域Ymと、第2厚さ漸減領域Ybと、トレッド側環状部8とが屈曲点を有することなく滑らかに連なることを意味する。
また前記関数T(x)の2回微分関数T”(x)、即ち関数T(x)を2回微分した二次導関数T”が、次式(5)、(6)を充足することも好ましい。
T"(x)<0 (0≦x≦x1) −−−(5)
T"(x)>0 (x2≦x≦x3) −−−(6)
式(5)が意味する所は、第1厚さ漸減領域Yaにおいて、xが0からx1に向かって厚さTが減少するが、その減少の割合が一定ではなく、xが0からx1に向かって減少の割合が徐々に小さくなることである。また、式(6)が意味する所は、第2厚さ漸減領域Ybにおいては、xがx2からx3に向かって厚さTが増加するが、その増加の割合が一定ではなく、xがx2からx3に向かって増加の割合が徐々に大きくなることである。これにより、応力の分散緩和効果を高めることができる。
なお第1厚さ漸減領域Ya、及び第2厚さ漸減領域Ybの輪郭形状は、単一円弧ではなく、第1厚さ漸減領域Yaでは、第1接続位置Paからタイヤ半径方向外側に向かって曲率半径が漸増し、第2厚さ漸減領域Ybでは、第2接続位置Pbからタイヤ半径方向内側に向かって曲率半径が漸増している。
図4(A)、(B)に示すように、スポーク板部10においては、第1厚さ漸減領域Yaのタイヤ半径方向中央位置Q1における厚さTa0.5が、前記最小値Tmin の1.05〜1.5倍であるのが好ましい。また第2厚さ漸減領域Ybのタイヤ半径方向中央位置Q2における厚さTb0.5が、前記最小値Tmin の1.05〜1.5倍であることが好ましい。前記中央位置Q1とは、第1厚さ漸減領域Yaの両端(x=0、x=x1)から等距離れた位置を意味する。また前記中央位置Q2とは、第2厚さ漸減領域Ybの両端(x=x2、x=x3)から等距離れた位置を意味する。前記厚さTa0.5、Tb0.5が、それぞれ最小値Tmin の1.05倍未満の場合、最小厚さ領域Ymとの剛性差が少なすぎ、応力の分散緩和効果が不十分となってクラックが発生しやすい傾向となる。逆に、厚さTa0.5、Tb0.5が、それぞれ最小値Tmin の1.5倍を越えると、不必要な重量増加を招き、転がり抵抗に不利となる。
スポーク板部10では、軽量化を図るために、図2に示すように、第1接続位置Paと第2接続位置Pbとの間に、タイヤ軸方向の巾Wが最小値Wmin となる最小巾領域Kを設けることができる。特に最小巾領域Kは、最小厚さ領域Ym内に形成するのが好ましい。この場合、前記最小値Wmin は、第1接続位置Paにおける巾Waの0.5倍以上かつ1.0倍未満、又は第2接続位置Pbにおける巾Wbの0.5倍以上かつ1.0倍未満であることが更に好ましい。最小値Wmin が巾Wa又はWbの0.5倍未満の場合、最小巾領域Kにおける引っ張り強度が小さくなりすぎ、スポーク板部10の荷重支持能力を低下させる。なお、最小巾領域Kを形成せずに、スポーク板部10を一定巾で形成することもできる。
なおスポーク4では、弾性が低すぎると、スポーク4の荷重支持能力を低下させるとともに、荷重負荷時の撓み量が大きくなる。その結果、スポーク板部10の曲げ変形量が増し耐久性に不利となる。逆に弾性が高すぎると、材料が脆くなる傾向となり耐久性に不利となる。このような観点からスポーク4の複素弾性率Eは1〜300MPaの範囲が好ましく、さらには5〜100MPaの範囲が更に好ましい。
なお各スポーク板部10は、タイヤ軸方向線に対して平行に配されても良いが、タイヤ軸方向線に対して傾斜させることが、乗り心地性能や振動特性を高める上で好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1、2の基本構造を有するエアレスタイヤ(タイヤサイズ145/70R12に相当するタイヤ)が、表1の仕様に基づいて試作され、タイヤの耐久性、タイヤの質量、転がり抵抗性がそれぞれテストされた。なお比較例1では、スポーク板部とトレッド側環状部、及びスポーク板部とハブ側環状部とが、それぞれ漸減領域を有することなく接続された場合を示し、比較例2では小円弧状の漸減領域にて接続されている場合が示される。
各タイヤともスポークとしてウレタン系樹脂が用いられた。表1の記載以外は実質的に同仕様であり、トレッドリングの共通仕様は以下の通りである。
<外側補強コード層>
・プライ数:2枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:+21度/−21度
<内側補強コード層>
・プライ数:1枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:0度(螺旋巻き)
<剪断ゴム層>
・複素弾性率E*:90MPa
・厚さ:4mm
(1)耐久性能:
ドラム試験機を用い、試供タイヤを、荷重(3kN)、速度(100km/h)の条件にてドラム上を走行させ、タイヤに故障が発生するまでの走行距離(km)を表示した。数値が大きい方が耐久性能に優れている。
(2)質量:
タイヤの質量を、比較例1を基準として比較した。マイナス(−)表示は、比較例1よりも軽量であることを示す。単位はgである。
(3)転がり抵抗性:
転がり抵抗試験機を用い、荷重(1kN)、速度(40km/h)の条件にて測定した転がり抵抗計数(転がり抵抗/荷重×104)を、比較例1を100とする指数で表示した。数値の小さい方が良好である。
Figure 0006555405
Figure 0006555405
表に示すように、実施例は、スポークの損傷が抑えられ耐久性が向上しているのが確認できる。
1 エアレスタイヤ
2 トレッドリング
3 ハブ
4 スポーク
8 トレッド側環状部
9 ハブ側環状部
10 スポーク板部
K 最小巾領域
Pa 第1接続位置
Pb 第2接続位置
S 接地面
Ya 第1厚さ漸減領域
Yb 第2厚さ漸減領域
Ym 最小厚さ領域

Claims (5)

  1. 接地面を有する円筒状のトレッドリング、前記トレッドリングのタイヤ半径方向内側に配されかつ車軸に固定されるハブ、及び前記トレッドリングとハブとを連結する高分子材料からなるスポークを具えるエアレスタイヤであって、
    前記スポークは、前記トレッドリングの内周面に接合されるトレッド側環状部と、前記ハブの外周面に接合されるハブ側環状部と、このハブ側環状部からトレッド側環状部までタイヤ半径方向にのびるスポーク板部とを一体に具えるとともに、
    前記スポーク板部は、前記ハブ側環状部に接続する第1接続位置から厚さTを漸減しながらタイヤ半径方向外側にのびる第1厚さ漸減領域と、前記トレッド側環状部に接続する第2接続位置から厚さTを漸減しながらタイヤ半径方向内側にのびる第2厚さ漸減領域と、その間に配されかつ厚さTが最小値Tmin となる最小厚さ領域とを具え、
    しかも前記第1厚さ漸減領域のタイヤ半径方向長さL1、及び前記第2厚さ漸減領域のタイヤ半径方向長さL2は、それぞれ、前記スポーク板部のタイヤ半径方向長さL0の0.05倍以上であり、
    前記スポーク板部は、タイヤ周方向一方側に凸となる円弧状のスポーク湾曲部と、タイヤ周方向他方側に凸となる円弧状のスポーク湾曲部とからなるS字状に形成されることを特徴とするエアレスタイヤ。
  2. 前記スポーク板部の曲線長さLSは、前記スポーク板部のタイヤ半径方向長さL0の0.5〜7.0%増しであることを特徴とする請求項1記載のエアレスタイヤ。
  3. 前記第1厚さ漸減領域及び前記第2厚さ漸減領域は、それぞれ、タイヤ周方向において非対称であることを特徴とする請求項1又は2記載のエアレスタイヤ。
  4. 前記第1厚さ漸減領域は、そのタイヤ半径方向中央位置における厚さTa0.5が、前記最小値Tmin の1.05〜1.5倍、かつ前記第2厚さ漸減領域は、そのタイヤ半径方向中央位置における厚さTb0.5が、前記最小値Tmin の1.05〜1.5倍であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエアレスタイヤ。
  5. 前記第1厚さ漸減領域は、厚さT方向の中心線が、前記第1接続位置からタイヤ半径方向に対して傾斜してのび、かつ前記第2厚さ漸減領域は、厚さT方向の中心線が、前記第2接続位置からタイヤ半径方向に対して傾斜してのびることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアレスタイヤ。
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