以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、実施形態1におけるシステム100の概略図である。図1に示されるシステム100は、複合機10A、10B(以下、これらを総称して、「複合機10」と表記することがある。)と、携帯端末50とで構成されている。複合機10及び携帯端末50は、通信ネットワーク101を通じて通信可能に構成されている。通信ネットワーク101は、例えば、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
[複合機10]
複合機10は、図2(A)に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、FAX部13と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、装着部26と、CPU(Central Processing Unitの略)31と、記憶部32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。複合機10は、画像処理装置或いは画像出力装置の一例である。
[プリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13]
プリンタ部11は、画像データで示される画像を記録用紙に記録するプリント動作を実行する。記録用紙は、シート或いは被記録媒体の一例である。プリンタ部11の記録方式として、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ部12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。FAX部13は、FAXプロトコルに準拠した方式で画像データを送受信するFAX送信動作及びFAX受信動作を実行する。プリンタ部11、スキャナ部12、及びFAX部13は、動作部の一例である。
前述の複数の動作のうちのプリント動作及びFAX送信動作は、画像データを出力する出力動作の一例である。なお、複合機10が実行する出力動作はこれらに限定されない。出力動作の一例として、複合機10は、携帯端末50から取得した画像データを、装着部26に装着された可搬記憶媒体に記憶させるメディア保存動作を実行してもよい。出力動作の他の例として、複合機10は、FAX受信動作で受信した画像データで示される画像を表示させるために、当該画像データを携帯端末50に送信するFAXプレビュー動作を実行してもよい。また、前述の複数の動作のうちのスキャン動作及びFAX受信動作は、画像データを形成する形成動作の一例である。
また、複合機10は、複数の動作を組み合わせた複合動作を実行可能であってもよい。例えば、スキャン動作で生成した画像データをプリント動作で記録用紙に記録するコピー動作、スキャン動作で生成した画像データをFAX送信動作でFAX送信するスキャンFAX動作、FAX受信処理でFAX受信した画像データをプリント動作で記録用紙に記録するスキャンプリント動作は、複合動作の一例である。
複合機10A、10Bが実行可能な動作は異なっていてもよい。実施形態1において、複合機10Aはプリント動作、スキャン動作、FAX送信動作、FAX受信動作、FAXプレビュー動作、コピー動作を実行可能であり、複合機10Bはプリント動作、FAX送信動作、FAX受信動作を実行可能であるものとする。また、画像処理装置或いは画像出力装置は、複数の動作を実行可能なものに限定されず、単一の動作のみを実行可能であってもよい。
複合機10のMIB(Management Information Baseの略)には、例えば、当該複合機10を識別する装置IDと、当該複合機10が実行可能な動作を識別する動作IDとが定義されていてもよい。装置IDは装置識別情報の一例であり、動作IDは動作識別情報の一例である。実施形態1において、複合機10Aは装置ID“MFP−A”で識別され、複合機10Bは装置ID“MFP−B”で識別される。以下、MIBに登録された装置ID及び動作IDを、「装置情報」と表記することがある。
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを指定するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作部24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって指定可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列であって、操作部24の方向キーを押下することによってオブジェクトの1つがハイライト表示され、操作部24の決定ボタンを押下することによってハイライト表示されたオブジェクトが指定されてもよい。他の例として、操作部24がタッチパネルである場合のオブジェクトは表示部23に表示されたアイコン、ボタン、リンク等であって、タッチ位置に表示されたオブジェクトが指定されてもよい。
タッチパネルとして実現される操作部24は、表示部23の表示画面をタッチするユーザ操作を受け付ける。また、操作部24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示画面の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとしたx−y平面上の座標(x,y)として表現できる。タッチセンサには、静電容量方式、抵抗膜方式等の周知の方式を採用することができる。
なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。すなわち、タッチした入力媒体を所定時間内に表示画面から離間させるタップ操作、タッチした入力媒体を表示画面上で静止させるロングタッチ操作、タッチした入力媒体を表示画面上でスライドさせるスライド操作、表示画面上をスライドする入力媒体の加速度が閾値以上であるフリック操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに近づける向きにスライドさせるピンチイン操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに離れる向きにスライドさせるピンチアウト操作等は、タッチの一例である。
また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させることを、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。以下、表示部53に表示されたアイコンの位置のタップを、当該アイコンを指定するユーザ操作の一例として説明する。
[通信部25]
通信部25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて携帯端末50に各種情報を出力し、通信部25を通じて携帯端末50から各種データ又は各種情報を受信する。通信部25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(Wi−Fi Allianceの登録商標)を採用することができる。
[装着部26]
装着部26は、可搬記憶媒体が着脱されるインタフェースである。CPU31は、装着部26に装着された可搬記憶媒体からデータ又は情報を読み出し、或いは装着部26に装着された可搬記憶媒体にデータ又は情報を書き込むことができる。可搬記憶媒体の具体例は特に限定されないが、例えば、USBメモリ、SDカード、CD−ROM、DVD−ROM等であってもよい。
[CPU31]
CPU31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種情報、及び通信部25を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部32から取得して実行する。すなわち、CPU31及び記憶部32は、制御部の一例を構成する。
[記憶部32]
記憶部32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。プログラム記憶領域32Aには、OS(Operating Systemの略)34と、装置プログラム35とが格納される。なお、装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。データ記憶領域32Bには、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32“というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10“というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
なお、記憶部32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、CPU31によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU31を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU31がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、事象を判断し、判断結果に応じて動作する。しかしながら、本明細書では、判断することを省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムが条件Aに応じて、処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「プログラムは条件Aであるか否かを判断する。プログラムは、肯定判断であることに応じて、処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、データ等を特定し、取得し、抽出し、或いは選択する。プログラムがデータ等を特定するとは、例えば、複数のデータ等のうちから条件に合致するデータを特定し、当該データ等そのもの或いは当該データ等を識別するための情報を、予め定められた記憶領域に記憶させる処理を指す。データ等を識別するための情報とは、例えば、当該データ等を識別するための識別情報、当該データ等が記憶された配列のインデックス、当該データ等が記憶された記憶領域のポインタ等である。プログラムがデータ等を取得し、抽出し、或いは選択する処理も同様である。後述する携帯端末50についても同様である。
OS34は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13、表示部23、操作部24、通信部25、及び装着部26等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS34が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS34を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS34のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
データ記憶領域32Bは、図3(A)に示されるように、動作IDと、動作IDに対応付けられたSFL(Secure Function Lockの略)情報とを記憶している。以下、図3(A)に示される情報全体を「SFLリスト」と表記することがあり、SFLリストにおいて互いに対応付けられた動作ID及びSFL情報を「SFLレコード」と表記することがある。図3(A)は、複合機10AのSFLリストの例を示す。SFLリストは、複合動作のSFLレコードを含んでいなくてもよいし、複合動作を構成する複数の動作のSFLレコードと別に、当該複合動作のSFLレコードを含んでもよい。
動作IDは、複合機10が実行可能な動作に対応する。すなわち、SFLリストは、複合機10が実行可能な動作の数と同一のSFLレコードを含む。SFL情報は、対応する動作IDで示される動作が制限されているか否かを示すロック状態情報の一例である。SFL情報には、対応する動作が制限されていることを示す“ロック状態”と、対応する動作が制限されていないことを示す“非ロック状態”のいずれかが設定される。SFL情報は、対応する動作IDで示される動作が、複合機10において現時点でロック状態であるか、非ロック状態であるかを示す。
なお、“非ロック状態”とは、例えば、操作部24或いは通信部25を通じて動作実行指示を受け付けたことに応じて、当該動作が実行される状態を指す。一方、“ロック状態”とは、操作部24及び通信部25を通じて動作の実行指示を受け付けても、当該動作が実行されない状態を指す。または、“ロック状態”とは、操作部24及び通信部25の一方を通じて受け付けた実行指示に従って動作を実行し、操作部24及び通信部25の他方を通じて受け付けた実行指示に従って動作を実行しない状態でもよい。そして、複合機10の装置プログラム35は、各動作IDに対応付けられたSFL情報を変更するユーザ操作を、操作部24を通じて受け付けることができる。
一例として、プリント動作がロック状態である場合において、装置プログラム35は、プリント動作の実行指示を受け付けたことに応じて、プリント動作を実行せずに、プリント動作が実行できないことを示すエラー画面を表示部23に表示させてもよい。但し、ロック状態は、対応する動作が全く実行できない状態に限定されず、対応する動作の一部が実行できない状態でもよい。例えば、モノクロプリントが実行可能で、カラープリントが実行不能な状態は、プリント動作がロック状態であることの一例である。
他の例として、プリント動作がロック状態である場合において、装置プログラム35は、プリント動作の実行指示を受け付けたことに応じて、当該プリント動作の対象となる画像データをデータ記憶領域32Bに記憶させてもよい。そして、装置プログラム35は、PIN(Personal Identification Numberの略)の入力を操作部24を通じて受け付けたことに応じて、データ記憶領域32Bに記憶された画像データに対してプリンタ部11にプリント動作を実行させてもよい。このように、ロック状態は、ある動作を全てのユーザが複合機10に実行させることができないように制限された状態に限定されず、ある動作を一部のユーザ(例えば、PINを付与されたユーザ)のみが複合機10に実行させることができるように制限された状態でもよい。
他の例として、プリント動作が非ロック状態である場合において、装置プログラム35は、プリント動作の実行指示に対応するアイコンを表示部53に表示させてもよい。そして、装置プログラム35は、当該アイコンの選択を操作部24を通じて受け付けたことに応じて、プリンタ部11にプリント動作を実行させてもよい。一方、プリント動作がロック状態である場合において、装置プログラム35は、プリント動作の実行指示に対応するアイコンを表示部53に表示させなくてもよい。すなわち、“ロック状態”とは、対応する動作の実行指示を受け付けない状態であってもよい。
さらに他の例として、SFL情報は、複合機10のログイン状態或いは非ログイン状態と連動して変化してもよい。ログイン状態とは、例えば、アカウント情報が複合機10に入力されたことによって、当該アカウント情報が付与されたユーザに許可された動作のみが実行可能になる状態である。非ログイン状態とは、例えば、アカウント情報が複合機10に入力されておらず、アカウント情報が付与されたユーザ及び付与されていないユーザのいずれにも許可された動作のみが実行可能になる状態である。また、ログイン状態で実行が許可される動作は、入力されたアカウント情報によって異なっていてもよい。例えば、非ログイン状態ではプリント動作のみが許可され、一般アカウント情報を用いたログイン状態ではプリント動作及びFAX送信動作のみが許可され、管理者アカウント情報を用いたログイン状態では全ての動作が許可されてもよい。
そして、非ログイン状態のときのSFLリストは、プリント動作に対応するSFL情報が“非ロック状態”で、その他の動作に対応するSFL情報が“ロック状態”となってもよい。また、一般アカウント情報を用いたログイン状態のときのSFLリストは、プリント動作及びFAX送信動作に対応するSFL情報が“非ロック状態”で、その他の動作に対応するSFL情報が“ロック状態”となってもよい。すなわち、全てのユーザは、複合機10がログイン状態であるか非ログイン状態であるかに拘わらず、後述する動作指示プログラム65を通じて複合機10にプリント動作を実行させることができる。また、一般アカウント情報が付与されたユーザは、当該一般アカウント情報を入力して複合機10をログイン状態にすることによって、動作指示プログラム65を通じて複合機10にFAX送信動作を実行させることができる。
さらに、管理者アカウント情報を用いたログイン状態のときのSFLリストは、全ての動作に対応するSFL情報が“非ロック状態”となってもよい。すなわち、後述するエラー画面を見たユーザから問合せを受けた管理者は、管理者アカウントを入力して複合機10をログイン状態にすることによって、動作指示プログラム65を通じて複合機10に動作を実行させることを、当該ユーザに一時的に許可することができる。
また、データ記憶領域32Bは、図3(B)に示されるように、FAX特定情報と、FAX特定情報に対応付けられたFAXデータとを記憶することができる。以下、図3(B)に示される情報全体を「FAXリスト」と表記することがあり、FAXリストにおいて互いに対応付けられたFAX特定情報及びFAXデータを「FAXレコード」と表記することがある。すなわち、FAXリストは、複数のFAXレコードを含むことができる。図3(B)は、複合機10AのFAXリストの例を示す。
FAXデータは、複合機10AがFAX部13を通じて外部装置からFAX受信した画像データである。FAX特定情報は、複合機10AにFAXデータを個別に特定させるための情報である。FAX特定情報は、例えば、FAXデータを複合機10Aに識別させるためのデータ識別情報であるデータIDと、データIDによって識別されるFAXデータの受信日時と、データIDによって識別されるFAXデータの送信元を特定する送信元電話番号とを含む。
複合機10Aの装置プログラム35は、FAX受信動作を実行したことに応じて、FAXレコードをFAXリストに追加する。より詳細には、装置プログラム35は、FAX受信動作によって、FAX部13を通じて外部装置からFAXデータ及び送信元電話番号を受信する。また、装置プログラム35は、FAX受信動作を実行したことに応じて、FAXリスト内で一意なデータIDを生成すると共に、不図示のシステムクロックから受信日時を取得する。そして、装置プログラム35は、これらを含むFAXレコードをFAXリストに追加する。なお、FAX受信動作は、携帯端末50等からの指示によらず、複合機10Aが自動的に実行する。
なお、装置プログラム35は、OS34が提供するアクセスAPIを実行することによって、データ記憶領域32Bに記憶されたデータを読み出し、編集し、或いは削除することができる。アクセスAPIには、アクセスするデータを識別するためのデータIDが引数として指定される。データIDは、アクセスAPIにデータを指定するために用いられる形式の情報である。データIDは、例えば、ファイルパスやURIである。一方、データ記憶領域32Bに記憶されるデータの一部又は全部は、クラウドサーバ等の不図示の外部サーバに記憶されてもよい。すなわち、装置プログラム35は、通信部25を通じて外部サーバに各種データを送信し、通信部25を通じて外部サーバから各種データを受信してもよい。この場合のデータIDは、例えば、外部サーバからデータをダウンロードするためのURLの形式であってもよい。携帯端末50についても同様である。
[携帯端末50]
携帯端末50は、図2(B)に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU61と、記憶部62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれる表示部53、操作部54、通信部55、CPU61、記憶部62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、通信部25、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及び記憶部62は、制御部の一例である。
携帯端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット端末等である。より詳細には、携帯端末50の表示部53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、携帯端末50の操作部54は、表示部53の表示画面に重ねられたタッチパネルであるのが望ましい。
記憶部62のプログラム記憶領域62Aは、OS64と、動作指示プログラム65と、地図プログラム66とを記憶している。また、データ記憶領域62Bは、図3(C)に示される装置情報レコードを記憶することができる。さらに、データ記憶領域62Bには、データフォルダが設けられていてもよい。データフォルダには、例えば、写真データ、文書データ、プレゼンテーションデータ、表計算データ等が格納されていてもよい。
装置情報レコードは、図3(C)に示されるように、装置IDと、装置IDに対応付けられた動作情報とを含む。装置IDは、携帯端末50が通信可能な複数の複合機10A、10Bのうちの1つに対応する。動作情報は、対応する装置IDで識別される複合機10が実行可能な動作の動作IDを含む。装置情報レコードは、動作指示プログラム65が携帯端末50にインストールされる時点でデータ記憶領域62Bに記憶されておらず、後述するデバイス選択処理によってデータ記憶領域62Bに記憶される。
携帯端末50の表示部53は、図11〜図17に示されるように、共通表示領域80と、プログラム表示領域81とに区分される。共通表示領域80には、プログラム表示領域81の表示内容にかかわらず、OS64によってステータスバーが表示される。ステータスバーには、OS64によって各種情報が表示される。ステータスバーには、例えば、プログラム表示領域81に表示された画面のタイトル、携帯端末50のバッテリー残量を示すアイコン、通信部55の通信状態を示すアイコン、携帯端末50が外部サービスから受信したプッシュ通知を示すアイコン等が表示される。プログラム表示領域81には、フォアグラウンドで実行されているプログラムが生成した画面が表示される。
以下、「プログラムが表示部53に画面を表示させる」と記述したときは、プログラム画面がプログラム表示領域81に表示され、ステータスバーが共通表示領域80に表示されるものとする。プログラム画面とは、プログラムの指示によって、プログラム表示領域81に表示される画面のことである。但し、表示部53は、表示領域が共通表示領域80とプログラム表示領域81とに区分された部分画面モードと、表示領域の全てがプログラム表示領域81となる全画面モードとに切替可能であってもよい。
OS64は、例えば、Android(Google inc.の登録商標) OS、iOS(Cisco Systems,Inc.の登録商標)、Windows Phone(Microsoft Corporationの登録商標) Operating System等であってもよい。OS64は、携帯端末50にインストールされた複数のプログラムを並行して実行することができる。複数のプログラムは、例えば、時分割多重方式によって仮想的に並行して実行される。また、OS64は、並行して実行する複数のプログラムのうちの1つをフォアグラウンドで実行し、その他のプログラムをバックグラウンドで実行する。
フォアグラウンドは、例えば、当該プログラムの実行に拠るプログラム画面が表示部53の表示領域の大部分に表示されている状態である。「表示領域の大部分」とは、例えば、プログラム表示領域81を指してもよい。バックグラウンドは、例えば、当該プログラムと異なるプログラムの実行に拠るプログラム画面が表示部53の表示領域の大部分に表示されている状態である。すなわち、携帯端末50は、並行して実行する複数のプログラムのうち、フォアグラウンドで実行されているプログラムの実行に拠るプログラム画面のみを表示部53に表示させることができる。
動作指示プログラム65は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させるプログラムである。指定データは、ユーザによって指定された画像データを指す。指定動作は、ユーザによって指定された動作を指す。指定装置は、ユーザによって指定された複合機10を指す。動作指示プログラム65は、指定データ、指定動作、及び指定装置を指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付けることができる。また、動作指示プログラム65は、指定データID、指定動作ID、及び指定装置IDの少なくとも1つを、地図プログラム66から取得することができる。指定データIDは指定データを識別するための指定データ情報の一例であり、指定動作IDは指定動作を識別するための指定動作情報の一例であり、指定装置IDは指定装置を識別するための指定装置情報の一例である。
地図プログラム66は、指定データ、指定動作、及び指定装置の少なくとも1つを指定するユーザ操作を受け付け、指定データID、指定動作ID、及び指定装置IDの少なくとも1つを指定して動作指示プログラム65を起動する起動元プログラムの一例である。実施形態1に係る地図プログラム66は、地図画像の任意の領域をユーザに指定させ、指定された領域の地図画像を示す画像データを動作指示プログラム65に提供する。なお、起動元プログラムの具体例は地図プログラム66に限定されず、例えば、ユーザ操作に従って画像を編集し、編集した画像を示す画像データを動作指示プログラム65に引き渡すペイントプログラム等であってもよい。
地図プログラム66は、例えば、所謂プラグインとして動作指示プログラム65を起動する。より詳細には、地図プログラム66は、動作指示プログラム65を特定する情報、URI、及び指定情報を引数として、プラグインとしてアプリケーションを起動するためのプラグインAPIを実行することによって、動作指示プログラム65を起動させる。プラグインAPIで指定される引数は、例えば、Android OSで用いられるインテント形式の情報であってもよい。他の例として、地図プログラム66は、後述する明示的共有APIを実行することによって、動作指示プログラム65を起動する。明示的共有APIで指定される引数は、プラグインAPIと共通であってもよい。
OS64は、第1プログラムが指定した第2プログラムを起動し、且つ第1プログラムが指定した指定情報を第2プログラムに提供する共有機能を、携帯端末50にインストールされたプログラムに提供する。第1プログラムは、例えば、OS64が提供するAPI(以下、「共有API」と表記する。)を実行することによって、共有機能を利用することができる。より詳細には、第1プログラムは、第2プログラムのプログラムID及び指定情報を引数として、共有APIを実行する。図18を参照して、共有機能の詳細を説明する。
まず、共有元のアプリケーション41は、共有機能を実現するためのOS64の共有APIを実行する(S1)。暗黙的共有APIの実行には、少なくともURI(Uniform Resource Identifierの略)、タイプ、アクションが引数として求められる。引数は、例えば、インテント形式の情報であってもよい。共有元のアプリケーション41は、暗黙的共有APIの引数に他の情報を含めてもよい。URIは、共有データの所在を示す情報である。タイプは、共有データのデータ形式を示す情報である。アクションは、共有先のアプリケーションに実行させる共有データに対する処理の種類(例えば、閲覧、編集、送信、印刷等)を示す情報である。URI、タイプ、及びアクションは、共有元のアプリケーションから要求先のアプリケーションに提供される指定情報の一例である。
一方、共有先のアプリケーションの候補となるアプリケーション42、43、44、・・・は、処理可能な共有データのデータ形式と実行可能な処理の種類とを、OS64に対して予め宣言している。そこで、OS64は、アプリケーション42、43、44、・・・のうちから、タイプで示されるデータ形式の共有データに対してアクションで示される処理を実行可能なアプリケーションを特定(S2)し、特定したアプリケーションの一覧を表示部53に表示させる(S3)。そして、OS64は、一覧表示されたアプリケーションのうちの1つを指定するユーザ操作を操作部54を通じて受付可能な状態で待機する(S4)。
次に、OS64は、一覧表示されたアプリケーションのうちの1つを指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S4)、URI、タイプ、及びアクションを引数として当該アプリケーションを起動する(S5)。以下の実施形態において、地図プログラム66が図18のアプリケーション41に相当し、動作指示プログラム65が図18のアプリケーション42〜44の1つに相当する。
なお、ステップS2〜S5の処理は、共有元のアプリケーションによって実行されてもよい。この場合の共有元のアプリケーションは、ステップS2において、タイプで示されるデータ形式の共有データに対して、アクションで示される処理を実行可能なアプリケーションを特定する情報をOS64から取得する。そして、共有元のアプリケーションは、ステップS5において、OS64から取得したアプリケーションを特定する情報、URI、タイプ、及びアクションを引数として明示的共有APIを実行することによって、ユーザ操作によって指定されたアプリケーションを起動させることができる。共有元のアプリケーション41は、明示的共有APIの引数に他の情報を含めてもよい。
または、共有元のアプリケーションは、共有機能の利用をユーザに指示されたことに応じて、予め定められたアプリケーションを特定する情報、URI、タイプ、及びアクションを引数として明示的共有APIを実行することによって、予め定められた共有先のアプリケーションを起動させてもよい。実施形態1では、例えば、共有元のアプリケーションである地図プログラム66に、予め定められた共有先のアプリケーションとして動作指示プログラム65が設定されていればよい。より詳細には、地図プログラム66が起動時に参照する設定ファイル、或いは地図プログラム66のソースコードに、動作指示プログラム65を特定する情報が記述されていればよい。
[システム100の動作]
図4〜図9を参照して、実施形態1に係るシステム100の動作を説明する。実施形態1に係るシステム100は、指定データ、指定動作、及び指定装置を指定するユーザ操作を携帯端末50で受け付け、指定データに対する指定動作を指定装置である複合機10に実行させる。
まず、携帯端末50のOS64は、メニュー画面を表示部53に表示させ、ステータスバーを共通表示領域80に表示させる。図11(A)はメニュー画面の一例である。図11(A)に示されるメニュー画面は、複数のプログラムアイコン111、112、113、114、115を含む。プログラムアイコン111〜115は、携帯端末50にインストールされたプログラムに対応する。例えば、プログラムアイコン114は動作指示プログラム65に対応し、プログラムアイコン115は地図プログラム66に対応する。
そして、OS64は、プログラムアイコン111〜115の1つの指定を操作部54を通じて受け付ける。OS64は、プログラムアイコン114の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、動作指示プログラム65を起動させて、当該動作指示プログラム65をフォアグラウンドで実行する。プログラムアイコン114の指定は、動作指示プログラム65の起動を指示するユーザ操作の一例である。
携帯端末50の動作指示プログラム65は、プログラムアイコン114の指定を操作部54を通じてOS64が受け付けたことに起因してOS64から起動されたことに応じて、標準起動処理を実行する。動作指示プログラム65は、標準起動処理において、指定データ、指定動作、及び指定装置の少なくとも1つを指定するユーザ操作を受け付けるための各種画面を表示し、当該画面を通じてユーザ操作を受け付ける。そして、動作指示プログラム65は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させる。図4を参照して、標準起動処理の詳細を説明する。
[標準起動処理]
まず、動作指示プログラム65は、装置情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されているか否かを判断する(S11)。そして、動作指示プログラム65は、装置情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されていると判断したことに応じて(S11:Yes)、当該装置情報レコードをデータ記憶領域62Bから読み出す。また、動作指示プログラム65は、装置情報レコードに含まれる装置ID“MFP−A”を、指定装置IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。
次に、動作指示プログラム65は、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてSFL要求情報を送信する(S12)。SFL要求情報は、SFL情報の送信を要求するロック状態要求情報の一例である。SFL要求情報は、動作IDを含む。ステップS12で送信されるSFL要求情報は、装置情報レコードに含まれる動作IDの1つを含む。ステップS12の処理は、状態要求処理の一例である。
また図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からSFL要求情報を受信する。次に、装置プログラム35は、受信したSFL要求情報に含まれる動作IDに対応するSFL情報を、SFLリストから読み出す。そして、装置プログラム35は、読み出したSFL情報を通信部25を通じて携帯端末50に送信する。SFL情報は、ロック状態情報の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、通信部55を通じて複合機10AからSFL情報を受信する(S13:Yes)。また、動作指示プログラム65は、後述する各処理で用いるために、受信したSFL情報をデータ記憶領域62Bに一時記憶させてもよい。次に、動作指示プログラム65は、受信したSFL情報に基づいて、メイン画面に含めるアイコンの表示態様を決定する(S14〜S17)。動作指示プログラム65は、ステップS12〜S17の処理を、全てのアイコンの表示態様を決定するまで繰り返し実行する。一方、動作指示プログラム65は、装置情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されていないと判断したことに応じて(S11:No)、ステップS12〜S18の処理をスキップして、ステップS19以降の処理を実行する。ステップS13の処理は状態受信処理の一例であり、ステップS14〜S17の処理は第1決定処理の一例である。
なお、動作指示プログラム65は、メイン画面を表示している間、定期的にS12〜S18と同等の処理をバックグラウンドで実行し、メイン画面に表示されているアイコンの表示態様を決定している。そして、動作指示プログラム65は、バックグラウンドで全ての動作アイコンの表示態様を決定したと判断した場合(S18:Yes)、メイン画面に表示されているアイコンを、新たに決定した表示態様での表示に切り替える。
ここで、ステップS12〜S18の処理を、より具体的に説明する。動作指示プログラム65は、ステップS12において、動作ID“プリント”を含むSFL要求情報、動作ID“スキャン”を含むSFL要求情報、動作ID“FAX送信”を含むSFL要求情報、及び動作ID“FAXプレビュー”を含むSFL要求情報を、任意の順序で複合機10Aに送信する。また、動作指示プログラム65は、繰り返し実行するステップS13において、動作ID“プリント”に対応するSFL情報、動作ID“スキャン”に対応するSFL情報、動作ID“FAX送信”に対応するSFL情報、及び動作ID“FAXプレビュー”に対応するSFL情報を、複合機10Aから受信する。
次に、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”に対応するSFL情報が非ロック状態を示すことに応じて(S14:No)、プリント動作の動作アイコン121に鍵画像126を付加しない(S15)。一方、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S14:Yes)、プリント動作の動作アイコン121に鍵画像126を付加する(S16)。スキャン動作の動作アイコン122についても同様である。
また、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”及び動作ID“スキャン”の両方に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S14:No)、コピー動作の動作アイコン123に鍵画像126を付加しない(S15)。一方、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”及び動作ID“スキャン”の少なくとも一方に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S14:Yes)、コピー動作の動作アイコン123に鍵画像126を付加する(S16)。プリント動作は第1動作の一例であり、スキャン動作は第2動作の一例である。
また、動作指示プログラム65は、動作ID“FAX送信”及び動作ID“FAXプレビュー”の少なくとも一方に対応するSFL情報が非ロック状態を示すことに応じて(S14:No)、FAX動作の動作アイコン124に鍵画像126を付加しない(S15)。一方、動作指示プログラム65は、動作ID“FAX送信”及び動作ID“FAXプレビュー”の両方に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S14:Yes)、FAX動作の動作アイコン124に鍵画像126を付加する(S16)。FAX送信動作は、第3動作の一例である。FAXプレビュー動作は、FAX送信動作と同一の動作部によって実行可能な第4動作の一例である。
また図示は省略するが、動作指示プログラム65は、動作アイコン124に鍵画像126を付加しない場合において、複合機10Aに記憶されたFAXレコードの数を示す数字画像127を動作アイコン124に付加してもよい。複合機10Aに記憶されたFAXレコードの数は、FAX部13がFAX受信した画像データの数、すなわち、FAX部13の動作実績を示す実績情報の一例である。数字画像127は、実績情報で示される動作実績を示す画像の一例である。
より詳細には、動作指示プログラム65は、通信部55を通じて複合機10Aに問合せ情報を送信し、FAXレコードの数を示すレコード数情報を問合せ情報の応答として通信部55を通じて複合機10Aから受信する。問合せ情報は、FAXレコードの数を問い合わせる実績要求情報の一例である。問合せ情報は、例えば、動作ID“FAX受信”を含む。そして、動作指示プログラム65は、レコード数情報で示される数に対応する数字画像127を、動作アイコン124に付加する。
なお、実績情報で示される動作実績は、FAXレコードの数に限定されず、例えば、所定の時間内に新たな画像データをFAX受信したか否か、プリント動作によって画像が記録された記録用紙の枚数、プリンタ部11で使用するインク或いはトナーの残量等であってもよい。すなわち、動作実績を示す画像は、動作アイコン124に限定されず、他の動作オブジェクトに付加されてもよい。
さらに、動作指示プログラム65は、標準起動処理で最初に実行される第1決定処理において、SFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を受信できなかったことに応じて(S13:No)、当該SFL情報に対応する動作の動作アイコンに鍵画像126を付加しない(S17)。動作アイコン123、124については、当該動作アイコン123、124に対応する複数のSFL情報のうちの少なくとも1つが受信できなかったことに応じて(S13:No)、当該動作アイコン123、124に鍵画像126を付加しない(S17)。
すなわち、図3(A)に示されるSFL情報を受信した動作指示プログラム65は、図11(B)に示されるように、動作アイコン121、124に鍵画像126を付加せず、動作アイコン122、123に鍵画像126を付加する。また、動作指示プログラム65は、動作アイコン124に数字画像127を付加する。鍵画像126が付加された動作アイコン(以下、「鍵付アイコン」と表記することがある。)の表示態様は第1態様の一例であり、鍵画像126が付加されていない動作アイコン(以下、「鍵なしアイコン」と表記することがある。)の表示態様は第2態様の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、メイン画面を表示部53に表示させる(S19)。図11(B)は、メイン画面の一例である。メイン画面は、標準起動処理において表示部53に最初に表示される画面である。なお、「最初に表示される画面」には、例えば、メーカのロゴを表示する所謂スプラッシュ画面、或いは規約への同意を求める画面等は含まれないものとする。そして、動作指示プログラム65は、メイン画面に含まれるアイコンを指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける(S20、S21)。ステップS19の処理は第1表示処理の一例であり、ステップS20、S21の処理は受付処理の一例である。
メイン画面は、指定装置が実行可能な動作のうち、予め定められた動作に対応する動作アイコンを含む。実施形態1のメイン画面は、例えば図11(B)に示されるように、プリント動作に対応する動作アイコン121と、スキャン動作に対応する動作アイコン122と、コピー動作に対応する動作アイコン123と、FAX送信動作及びFAXプレビュー動作の両方(以下、これらを総称して、「FAX動作」と表記する。)に対応する動作アイコン124とを含む。動作アイコン123は複合オブジェクトの一例であり、動作アイコン124は包含オブジェクトの一例である。
図11(B)に示されるメイン画面は、第1決定処理で表示態様が決定された動作アイコン121〜124と、ステータスアイコン125と、装置アイコン128とを含む。ステータスアイコン125は、指定装置の状態を示すステータス画面を表示させる指示に対応する。ステータス画面の詳細については、説明を省略する。装置アイコン128は、指定装置を切り替える指示に対応する切替オブジェクトの一例である。また、装置アイコン128には、現時点における指定装置ID“MFP−A”が記述されている。
一方、動作指示プログラム65は、装置情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されていないと判断したことに応じて(S11:No)、操作部54を通じて指定不能な動作アイコン121〜124と、指定装置が指定されていないことを示す“未選択”の文字が記述された装置アイコン128とを含むメイン画面を、表示部53に表示させてもよい。すなわち、ステップS12〜S18の処理が実行される前のメイン画面においては、装置アイコン128のみが指定可能であってもよい。
次に、動作指示プログラム65は、装置アイコン128の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S20:Yes&S21:装置アイコン)、デバイス選択処理を実行する(S22)。デバイス選択処理は、ユーザに指定装置を指定させる処理である。図5を参照して、デバイス選択処理の詳細を説明する。
[デバイス選択処理]
まず、動作指示プログラム65は、通信部55を通じて通信可能な複数の複合機10を検索する(S31)。具体的には、動作指示プログラム65は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocolの略)を用いて、MIBに記憶された装置情報の送信を要求する送信要求情報を、通信部55を通じて通信ネットワーク102にブロードキャストする。次に、動作指示プログラム65は、送信要求情報の応答として複合機10が送信した装置情報を、通信部55を通じて複合機10から受信する。実施形態1では、複合機10A、10Bが特定されたものとする。ステップS31の処理は、通信可能な複合機10を特定する特定処理の一例である。なお、通信可能な複数の複合機10の検索は、周知の他の方法で行ってもよい。
次に、動作指示プログラム65は、指定動作IDが既にデータ記憶領域62Bに一時記憶されているか否かを判断する(S32)。換言すれば、動作指示プログラム65は、動作指示プログラム65へのユーザ操作によって、或いは地図プログラム66によって指定動作が既に指定されているか否かを判断する(S32)。そして、動作指示プログラム65は、指定動作IDが既に一時記憶されていると判断したことに応じて(S32:Yes)、ステップS33〜S38の処理を実行する。ステップS33〜S38、S42、S43の処理の詳細は、図10のステップS132の説明において後述する。一方、動作指示プログラム65は、指定動作IDが未だ一時記憶されていないと判断したことに応じて(S32:No)、ステップS33〜S38の処理をスキップして、ステップS39以降の処理を実行する。
次に、動作指示プログラム65は、デバイス選択画面を表示部53に表示させる(S39)。図12(A)は、デバイス選択画面の一例である。図12(A)に示されるデバイス選択画面は、デバイスアイコン131、132を含む。デバイスアイコン131、132は、ステップS31で特定した複合機10A、10Bに対応する。また、デバイスアイコン131、132には、対応する複合機10A、10Bの装置IDが記述されている。さらに、ステップS33〜S38の処理が実行されない場合のデバイスアイコン131、132は、鍵なしアイコンである。そして、動作指示プログラム65は、デバイス選択画面に含まれるアイコンの指定を操作部54を通じて受け付ける(S40)。ステップS39の処理は第5表示処理の一例であり、ステップS40の処理は受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、例えばデバイスアイコン132の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S40:Yes)、ステップS31で複合機10Bから受信した装置情報を、装置情報レコードとしてデータ記憶領域62Bに記憶させると共に、当該デバイスアイコン132に対応する複合機10Bの装置ID“MFP−B”を、指定装置IDに決定する(S41)。すなわち、動作指示プログラム65は、装置ID“MFP−B”を、指定装置IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。デバイスアイコンを指定するユーザ操作は、指定装置を指定するユーザ操作の一例である。なお、指定装置ID及び装置情報レコードが既に記憶されている場合、動作指示プログラム65は、新たな指定装置ID及び新たな装置情報レコードで、既に記憶されている指定装置ID及び装置情報レコードを上書きする。ステップS41の処理は、切替処理の一例である。
図4に戻って、動作指示プログラム65は、新たな装置情報レコードを用いて、ステップS12〜S19の処理を再び実行する。また、動作指示プログラム65は、メイン画面を表示させてから所定の時間を経過するまでに操作部54を通じてユーザ操作を受け付けなかった場合にも(S20:No)、ステップS12〜S19の処理を再び実行する。なお、「処理を再び実行する」とは、例えば、1回目に実行した処理と、2回目に実行した処理とが完全に同一であることに限定されない。例えば、1回目に実行したステップS12〜S19の処理と、2回目以降に実行したステップS12〜S19の処理とで、各処理に用いるパラメータ(例えば、装置情報レコード)が異なっていてもよいし、異なるプログラムモジュールや関数が実行されてもよい。
なお、新たな指定装置である複合機10Bはスキャン動作及びコピー動作を実行できないので、動作指示プログラム65は、ステップS19で新たに表示部53に表示させるメイン画面において、動作アイコン122、123を非表示にする。すなわち、メイン画面は、指定装置が実行可能な動作に対応する動作アイコンのみを含む。そして、この場合の動作指示プログラム65は、ステップS13〜S18において、動作アイコン122、123の表示態様を決定する必要がない。
また、動作指示プログラム65は、標準起動処理でN(Nは2以上の整数)回目以降に実行される第1決定処理において、SFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を受信できなかったことに応じて(S13:No)、当該SFL情報に対応する動作の動作アイコンの表示態様を、(N−1)回目の第1決定処理で決定した表示態様に決定する(S17)。例えば、1回目の第1決定処理で動作アイコン122に鍵画像126を付加した場合、動作指示プログラム65は、2回目の第1決定処理において、装置ID“スキャン”に対応するSFL情報を受信できなかったことに応じて(S13:No)、動作アイコン122に鍵画像126を付加する。
次に、動作指示プログラム65は、メイン画面に含まれる動作アイコン121〜124の1つの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S20:Yes&S21:動作アイコン)、指定されたアイコンが鍵なしアイコンか否かを判断する(S23)。そして、動作指示プログラム65は、鍵なしアイコンが指定されたと判断したことに応じて(S23:Yes)、指定された動作アイコンに対応する動作IDを指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させ、且つ指定された動作アイコンに対応する処理を実行する(S24)。動作アイコンを指定するユーザ操作は、指定動作を指定するユーザ操作の一例である。
一例として、動作指示プログラム65は、例えば、鍵画像126が付加されていない動作アイコン121の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S21:動作アイコン&S23:Yes)、動作ID“プリント”を指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させ、実行準備処理の一例であるプリント処理を実行する。他の例として、動作指示プログラム65は、例えば、鍵画像126が付加されていない動作アイコン124の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S21:動作アイコン&S23:Yes)、図7に示されるFAX処理を実行する。
一方、動作指示プログラム65は、鍵付アイコンが指定されたと判断したことに応じて(S23:No)、エラー画面135を表示部53に表示させる(S25)。すなわち、動作指示プログラム65は、例えば、鍵画像126が付加された動作アイコン122、123の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S21:動作アイコン&S23:No)、エラー画面を表示部53に表示させる(S25)。ステップS25の処理は、第6表示処理の一例である。
図12(B)は、動作アイコン122が指定された場合のエラー画面135の一例である。図12(B)に示されるエラー画面135は、直前に表示されていたメイン画面上に重ねられたポップアップ画面である。図12(B)に示されるエラー画面135は、「管理者によってスキャン動作がロックされています。管理者までご確認下さい。」とのメッセージと、[OK]アイコン136とを含む。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、メイン画面を表示部53に再び表示させる(S19)。すなわち、メッセージを見たユーザは、スキャン動作を非ロック状態にするように管理者に連絡すると共に、[OK]アイコン136をタップして、メイン画面を再び表示させることができる。
[プリント処理]
図6に示されるプリント処理は、プリント動作に対応する実行準備処理である。実行準備処理は、指定動作を指定装置に実行させるための準備をする処理である。実行準備処理は、例えば、指定データの指定を受け付ける処理、指定動作の実行条件の指定を受け付ける処理、指定動作の実行結果のイメージを確認させる処理等を含む。指定動作の実行条件とは、例えば、プリント動作によって画像が記録される記録用紙の部数、スキャン動作における読取解像度、FAX送信動作におけるFAX送信先の外部装置を特定するFAX番号等を含む。図6を参照して、プリント処理の詳細を説明する。
まず、動作指示プログラム65は、データ選択画面を表示部53に表示させる(S51)。図13(A)は、データ選択画面の一例である。図13(A)に示されるデータ選択画面は、複数のデータアイコン141、142、143を含む。データアイコン141〜143は、例えば、データフォルダに格納された各種データに対応する。そして、動作指示プログラム65は、データ選択画面に含まれるアイコンの指定を、操作部54を通じて受け付ける(S52)。ステップS52の処理は、受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、例えばデータアイコン141の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S52:Yes)、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。すなわち、動作指示プログラム65は、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”のデータIDを、指定データIDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。データアイコンを指定するユーザ操作は、指定データを指定するユーザ操作の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S53)。図13(B)は、プレビュー画面の一例である。図13(B)に示されるプレビュー画面は、プレビュー画像145と、プリントアイコン146とを含む。プレビュー画像145は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させた結果を示す画像である。実施形態1に係るプレビュー画像145は、データ“写真.JPEG”で示される画像を記録用紙に記録したイメージを示す。プリントアイコン146は、指定動作の実行指示に対応する実行指示オブジェクトの一例である。すなわち、プリントアイコン146は、指定データに対するプリント動作を指定装置に実行させる指示に対応する。また、動作指示プログラム65は、プレビュー画面に含まれるアイコンの指定を、操作部54を通じて受け付ける(S54)。ステップS53の処理は第3表示処理の一例であり、ステップS54の処理は受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、プリントアイコン146の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S54:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてSFL要求情報を送信する(S55)。ステップS55で送信されるSFL要求情報は、指定動作ID“プリント”を含む。換言すれば、ステップS55で送信されるSFL要求情報は、指定された実行指示オブジェクトに対応する動作の動作IDを含む。そして、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”に対応するSFL情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する(S56:Yes)。ステップS55の処理は状態要求処理の一例であり、ステップS56の処理は状態受信処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、ステップS56で受信したSFL情報がロック状態及び非ロック状態のどちらを示すかを判断する(S57)。ステップS57の処理は、判断処理の一例である。そして、動作指示プログラム65は、SFL情報が非ロック状態を示すと判断したことに応じて(S57:No)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S58)。プリント指示情報は、指定データに対するプリント動作を実行させるための情報である。プリント指示情報は、例えば、指定データと、指定動作ID“プリント”とを含む。または、指定データが外部サーバに記憶されている場合のプリント情報は、指定データに代えて、URL形式の指定データIDを含んでもよい。ステップS58の処理は、実行指示処理の一例である。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からプリント指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、受信したプリント指示情報に従ったプリント動作をプリンタ部11に実行させる。すなわち、プリンタ部11は、プリント指示情報に含まれるデータ“写真.JPEG”で示される写真を記録用紙に記録する。また、プリント指示情報に指定データIDが含まれる場合のプリンタ部11は、当該指定データIDで識別される指定データを通信部25を通じて外部サーバから受信し、当該指定データに対するプリント動作を実行する。
また、動作指示プログラム65は、SFL情報がロック状態を示すと判断したことに応じて(S57:Yes)、或いはSFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を受信できなかったことに応じて(S56:No)、エラー画面を表示部53に表示させる(S59)。ステップS59の処理は、ステップS25の処理と同様であってもよい。但し、ステップS59で表示されるエラー画面は、図12(B)に示されるメッセージの「スキャン動作」が「プリント動作」に置換されていてもよい。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、プレビュー画面を表示部53に再び表示させる(S53)。ステップS59の処理は、第6表示処理の一例である。
[FAX処理]
図7に示されるFAX処理は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン124の指定を、操作部54を通じて受け付けたことに応じて実行される。図7を参照して、FAX処理の詳細を説明する。
まず、動作指示プログラム65は、指定装置である複合機10Aから受信したSFL情報に基づいて、動作選択画面に含めるアイコンの表示態様を決定する(S61〜S64)。動作選択画面は、動作アイコン124に対応付けられた動作の動作アイコンを含む。実施形態1に係る動作選択画面は、例えば図14(A)に示されるように、FAX送信動作に対応する動作アイコン148と、FAXプレビュー動作に対応する動作アイコン149とを含む。また、動作指示プログラム65は、ステップS61〜S64において、ステップS12で送信したSFL要求情報の応答として受信したSFL情報を用いてもよいし、FAX処理で新たにSFL要求情報を送信してもよい。
次に、動作指示プログラム65は、動作ID“FAX送信”に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S61:Yes&S62:Yes)、動作アイコン148に鍵画像126を付加する(S63)。一方、動作指示プログラム65は、動作ID“FAX送信”に対応するSFL情報が非ロック状態を示すことに応じて(S61:Yes&S62:No)、或いは動作ID“FAX送信”に対応するSFL情報が受信できなかったことに応じて(S61:No)、動作アイコン148に鍵画像126を付加しない(S64)。同様に、FAXプレビュー動作の動作アイコン149の表示態様は、動作ID“FAXプレビュー”に対応するSFL情報に基づいて決定される。ステップS61〜S64の処理は、第2決定処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、動作選択画面を表示部53に表示させる(S66)。図14(A)は、動作選択画面の一例である。図14(A)に示される動作選択画面は、第2決定処理で表示態様が決定された動作アイコン148、149を含む。図14(B)は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン148、149を含む動作選択画面の例を示している。そして、動作指示プログラム65は、動作選択画面に含まれるアイコンを指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける(S67、S68)。ステップS66の処理は第2表示処理の一例であり、ステップS67、S68の処理は受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン148の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S67:Yes&S69:FAX送信アイコン)、動作ID“FAX送信”を指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させ、且つ実行準備処理の一例であるFAX送信処理を実行する(S70)。また、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン149の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S67:Yes&S69:FAXプレビューアイコン)、動作ID“FAXプレビュー”を指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させ、実行準備処理の一例であるFAXプレビュー処理を実行する(S71)。
一方、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加された動作アイコン148、149の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S67:No)、エラー画面を表示部53に表示させる(S68)。ステップS68の処理は、ステップS25の処理と同様であってもよい。但し、ステップS68で表示されるエラー画面は、図12(B)に示されるメッセージの「スキャン動作」が「FAX送信動作」或いは「FAXプレビュー動作」に置換されていてもよい。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、動作選択画面を表示部53に再び表示させる(S66)。ステップS68の処理は、第6表示処理の一例である。
[FAX送信処理]
図8に示されるFAX送信処理は、FAX送信動作に対応する実行準備処理である。すなわち、FAX送信処理は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン148の指定を、操作部54を通じて受け付けたことに応じて実行される。図8を参照して、FAX送信処理の詳細を説明する。
まず、動作指示プログラム65は、指定装置である複合機10Aから受信したSFL情報に基づいて、FAX送信画面に含めるアイコンの表示態様を決定する(S81〜S84)。FAX送信画面は、指定装置にFAX送信させるFAXデータの取得元に対応する取得元アイコン151、152を含む。実施形態1に係るFAX送信画面は、例えば図14(B)に示されるように、スキャナ部12からFAXデータを取得することに対応する取得元アイコン151と、データ記憶領域62BからFAXデータを取得することに対応する取得元アイコン152とを含む。また、動作指示プログラム65は、ステップS81〜S84において、ステップS12で送信したSFL要求情報の応答として受信したSFL情報を用いてもよいし、FAX処理で新たにSFL要求情報を送信してもよい。
次に、動作指示プログラム65は、動作ID“スキャン”に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S81:Yes&S82:Yes)、取得元アイコン151に鍵画像126を付加する(S83)。一方、動作指示プログラム65は、動作ID“スキャン”に対応するSFL情報が非ロック状態を示すことに応じて(S81:Yes&S82:No)、或いは動作ID“スキャン”に対応するSFL情報が受信できなかったことに応じて(S81:No)、取得元アイコン151に鍵画像126を付加しない(S84)。一方、取得元アイコン152には、鍵画像126が付加されない。ステップS81〜S84の処理は、第3決定処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、FAX送信画面を表示部53に表示させる(S85)。図14(B)は、FAX送信画面の一例である。図14(B)に示されるFAX送信画面は、第3決定処理で表示態様が決定された取得元アイコン151と、取得元アイコン152とを含む。取得元アイコン151、152は、実行指示アイコンの一例である。図14(B)は、鍵画像126が付加された取得元アイコン151を含むFAX送信画面の例を示している。なお、FAX送信画面は、インターネット上のストレージサーバに記憶された画像データを取得する指示に対応する取得元アイコン等をさらに含んでもよい。そして、動作指示プログラム65は、FAX送信画面に含まれるアイコンを指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける(S86、S87)。ステップS85の処理は第3表示処理の一例であり、ステップS86、S87の処理は受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加されていない取得元アイコン151の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S86:スキャンアイコン&S87:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S88)。FAX指示情報は、指定データに対するFAX送信動作を実行させるための情報である。ステップS88の処理は、実行指示処理の一例である。
ステップS88で送信されるFAX指示情報は、動作ID“FAX送信”と、スキャン動作の実行を指示するスキャン指示情報とを含む。すなわち、ステップS88で送信されるFAX指示情報は、スキャナ部12にスキャン動作を実行させ、当該スキャン動作で生成された画像データを指定データとするFAX送信動作をFAX部13に実行させるための情報である。また図示は省略するが、動作指示プログラム65は、FAX送信先の外部装置を識別するための送信先情報(例えば、FAX番号)を指定するユーザ操作を操作部54を通じて受け付け、当該送信先情報をFAX指示情報に含める。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、FAX指示情報に含まれるスキャン指示情報に従って、スキャナ部12にスキャン動作を実行させる。スキャナ部12は、不図示のコンタクトガラス或いはADF(Auto Document Feederの略)にセットされた原稿に記録された画像を読み取って、当該画像を示す画像データを生成する。また、装置プログラム35は、スキャナ部12によるスキャン動作によって生成された画像データに対するFAX送信動作を、FAX部13に実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれる送信先情報で識別される外部装置に対して、スキャン動作によって生成された画像データをFAX送信する。
また、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加された取得元アイコン151の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S86:スキャンアイコン&S87:No)、エラー画面を表示部53に表示させる(S89)。ステップS89の処理は、ステップS25の処理と同様であってもよい。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、FAX送信画面を表示部53に再び表示させる(S85)。ステップS89の処理は、第6表示処理の一例である。
さらに、動作指示プログラム65は、取得元アイコン152の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S86:ローカルアイコン)、例えば図13(A)に示されるデータ選択画面を表示部53に表示させる(S90)。そして、動作指示プログラム65は、データ選択画面に含まれるアイコンの指定を、操作部54を通じて受け付ける(S91)。ステップS91の処理は、受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、例えばデータアイコン141の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S91:Yes)、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”を指定データに決定する。すなわち、動作指示プログラム65は、データアイコン141に対応するデータ“写真.JPEG”のデータIDを、指定データIDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。
そして、動作指示プログラム65は、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S92)。ステップS92で送信されるFAX指示情報は、指定データ或いは指定データIDと、動作ID“FAX送信”と、送信先情報とを含む。すなわち、ステップS92で送信されるFAX指示情報は、指定データに対するFAX送信動作の実行を指示するための情報である。ステップS92の処理は、実行指示処理の一例である。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、FAX指示情報に従って、FAX部13にFAX送信動作を実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれる送信先情報で識別される外部装置に対して、FAX指示情報に含まれる指定データ、或いはFAX指示情報に含まれる指定データIDで識別される指定データをFAX送信する。
なお、動作指示プログラム65は、ステップS88、S92の直前において、ステップS55〜S57に相当する処理を実行してもよい。すなわち、動作指示プログラム65は、動作ID“FAX送信”を含むSFL要求情報を、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信する。次に、動作指示プログラム65は、動作ID“FAX送信”に対応するSFL情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する。さらに、動作指示プログラム65は、複合機10Aから受信したSFL情報がロック状態及び非ロック状態のどちらを示すかを判断する。
そして、動作指示プログラム65は、SFL情報が非ロック状態を示すと判断したことに応じて、通信部55を通じて複合機10AにFAX指示情報を送信する(S88、S92)。一方、動作指示プログラム65は、SFL情報がロック状態を示すと判断したことに応じて、或いはSFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を受信できなかったことに応じて、エラー画面を表示部53に表示させる。ここで表示されるエラー画面は、図12(B)に示されるメッセージの「スキャン動作」が「FAX送信動作」に置換されていてもよい。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、FAX送信画面を表示部53に再び表示させる。
[FAXプレビュー処理]
図9に示されるFAXプレビュー処理は、FAXプレビュー動作に対応する実行準備処理である。すなわち、FAXプレビュー処理は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン149の指定を、操作部54を通じて受け付けたことに応じて実行される。図9を参照して、FAXプレビュー処理の詳細を説明する。
まず、動作指示プログラム65は、複合機10Aに記憶されているFAXリストに含まれる複数のFAX特定情報を、指定装置である複合機10Aから通信部55を通じて受信する(S101)。より詳細には、動作指示プログラム65は、FAX特定情報の送信を要求する送信要求情報を、通信部55を通じて複合機10Aに送信する。次に、動作指示プログラム65は、送信要求情報の応答として送信されたFAX特定情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する。そして、動作指示プログラム65は、受信したFAX特定情報をデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。
次に、動作指示プログラム65は、FAX選択画面を表示部53に表示させる(S102)。図15(A)は、FAX選択画面の一例である。図15(A)に示されるFAX選択画面は、複数のFAXアイコン155、156を含む。FAXアイコン155、156は、FAXプレビュー処理に対応する実行指示オブジェクトの一例である。FAXアイコン155、156は、ステップS101で受信した複数のFAX特定情報それぞれに対応する。また、FAXアイコン155、156には、対応するFAX特定情報に含まれる受信日時及び送信元電話番号が記述されている。そして、動作指示プログラム65は、FAX選択画面に含まれるアイコンの指定を、操作部54を通じて受け付ける(S103)。ステップS102の処理は第3表示処理の一例であり、ステップS103の処理は受付処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、例えばFAXアイコン155の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S103:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信指示情報を送信する(S104)。送信指示情報は、FAXアイコン155に対応するFAX特定情報で特定されるFAXデータ1の送信を指示する実行指示情報の一例である。送信指示情報は、例えば、動作ID“FAXプレビュー”と、FAXアイコン155に対応するFAX特定情報に含まれるデータID“001”とを含む。ステップS104の処理は、実行指示処理の一例である。
一方、図示は省略するが、複合機10の装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50から送信指示情報を受信する。そして、装置プログラム35は、送信指示情報に含まれるデータID“001”で識別されるFAXデータ1をFAXリストから読み出し、通信部25を通じて携帯端末50にFAXデータ1を送信する。
なお、動作指示プログラム65は、ステップS102の直前において、ステップS55〜S57に相当する処理を実行してもよい。すなわち、動作指示プログラム65は、動作ID“FAXプレビュー”を含むSFL要求情報を、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信する。次に、動作指示プログラム65は、動作ID“FAXプレビュー”に対応するSFL情報を、通信部55を通じて複合機10Aから受信する。さらに、動作指示プログラム65は、複合機10Aから受信したSFL情報がロック状態及び非ロック状態のどちらを示すかを判断する。
そして、動作指示プログラム65は、SFL情報が非ロック状態を示すと判断したことに応じて、通信部55を通じて複合機10Aに送信指示情報を送信する(S104)。一方、動作指示プログラム65は、SFL情報がロック状態を示すと判断したことに応じて、或いはSFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を受信できなかったことに応じて、エラー画面を表示部53に表示させる。ここで表示されるエラー画面は、図12(B)に示されるメッセージの「スキャン動作」が「FAXプレビュー動作」に置換されていてもよい。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、FAX選択画面を表示部53に再び表示させる。
次に、動作指示プログラム65は、通信部55を通じて複合機10AからFAXデータ1を受信する(S105:Yes)。次に、動作指示プログラム65は、指定装置である複合機10Aから受信したSFL情報に基づいて、FAXプレビュー画面に含めるアイコンの表示態様を決定する(S106〜S109)。FAXプレビュー画面は、ステップS105で受信したFAXデータの取り扱いに対応する動作アイコン161、162を含む。実施形態1に係るFAXプレビュー画面は、例えば図15(B)に示されるように、FAXプレビュー処理を終了する指示に対応する動作アイコン161と、ステップS105で受信したFAXデータに対するプリント動作を指定装置に実行させる指示に対応する動作アイコン162とを含む。ステップS105の処理はデータ受信処理の一例であり、ステップS106〜S109の処理は第4決定処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S106:Yes&S107:Yes)、動作アイコン162に鍵画像126を付加する(S108)。一方、動作指示プログラム65は、動作ID“プリント”に対応するSFL情報が非ロック状態を示すことに応じて(S106:Yes&S107:No)、或いは動作ID“プリント”に対応するSFL情報が受信できなかったことに応じて(S106:No)、動作アイコン161に鍵画像126を付加しない(S109)。一方、動作アイコン161には、鍵画像126が付加されない。
次に、動作指示プログラム65は、FAXプレビュー画面を表示部53に表示させる(S110)。図15(B)は、FAXプレビュー画面の一例である。図15(B)に示されるFAXプレビュー画面は、FAX画像160と、動作アイコン161と、第4決定処理で表示態様が決定された動作アイコン162とを含む。そして、動作指示プログラム65は、FAXプレビュー画面に含まれるアイコンを指定するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける(S111、S112)。ステップS110の処理は第4表示処理の一例であり、ステップS111、112の処理は受付処理の一例である。
FAX画像160は、ステップS105で受信したFAXデータ1で示される画像である。また、FAX画像160に含まれるFAXヘッダには、例えば、対応するFAX特定情報に含まれる受信日時及び送信元電話番号等が含まれる。また、図15(B)は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン162を含むFAXプレビュー画面の例を示している。動作アイコン162は、プリント指示オブジェクトの一例である。
次に、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加されていない動作アイコン162の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S111:プリントアイコン&S112:Yes)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S113)。プリント指示情報は、例えば、動作ID“プリント”と、指定データであるFAXデータ1或いはFAXデータ1を識別する指定データIDとを含む。ステップS113の処理及びプリント指示情報を受信した複合機10Aの処理は、ステップS58と同様であってもよい。また、動作指示プログラム65は、動作アイコン161の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S111:OKアイコン)、ステップS112、S113の処理をスキップして、FAXプレビュー処理を終了する。
一方、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加された動作アイコン162の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S111:プリントアイコン&S112:No)、エラー画面を表示部53に表示させる(S114)。ステップS114の処理は、ステップS25の処理と同様であってもよい。但し、ステップS114で表示されるエラー画面は、図12(B)に示されるメッセージの「スキャン動作」が「プリント動作」に置換されていてもよい。そして、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、FAXプレビュー画面を表示部53に再び表示させる(S110)。ステップS110の処理は、第6表示処理の一例である。
[実施形態1の作用効果]
近年、複合機10の多機能化に伴って、複合機10に動作を実行させるためにユーザが指定すべき情報の数が増加している。一方、表示画面の小さい携帯端末50において、1つの画面を通じて多数の情報をユーザに指定させることは、操作性を著しく低下させる可能性がある。そこで、実施形態1に係る動作指示プログラム65によれば、階層化された複数の画面に対するユーザ操作をユーザに実行させることによって、指定データ、指定動作、及び指定装置の指定を順番に受け付けることができる。
上記のような事情のもとで、実施形態1によれば、SFL情報がロック状態であるか非ロック状態であるかに応じて、メイン画面、動作選択画面、FAX送信画面、及びFAXプレビュー画面に含められるアイコンの表示態様が変更される。これにより、当該アイコンに対応する動作の実行が指定装置において制限されているか否かを、各画面でユーザに認識させることができる。また、鍵画像126が付加されたアイコンが指定されたことに応じてエラー画面が表示されるので、指定したアイコンに対応する動作が指定装置において制限されていることを、ユーザに明確に認識させることができる。
また、実施形態1によれば、プリント動作及びスキャン動作それぞれに対応する動作アイコン121、122のみならず、プリント動作及びスキャン動作を組み合わせた複合動作に対応する動作アイコン123の表示態様がSFL情報に基づいて決定される。これにより、複数の動作それぞれが制限されているか否かをユーザに認識させることができるだけでなく、複合動作の実行にも各動作の状態が影響を及ぼしていることをユーザに認識させることができる。
また、実施形態1によれば、多数のアイコンを1つの画面に含めないように、同一の動作部によって実行可能な動作を包含する動作アイコン124がメイン画面に含められ、動作アイコン124によって包含されるFAX送信動作及びFAXプレビュー動作に対応する動作アイコン148、149が動作選択画面に含められる。そして、動作選択画面に含まれる動作アイコン148、149に対応する動作の全てがロック状態である場合に、鍵画像126が付加された動作アイコン124がメイン画面に含められる。このように、ユーザが所望する動作を階層的に選択させることができるプログラムにおいて、メイン画面上の動作アイコン124の表示態様によって、当該動作アイコン124に対応する複数の動作の実行が制限されているか否かをユーザに推定させることができる。なお、表示画面のサイズが比較的小さい携帯端末50において、特に有利な効果を奏すると言える。
また、実施形態1によれば、多数のアイコンを1つの画面に含めないように、FAX送信動作に対応する動作アイコン148が上位画面に含められ、FAX送信の対象となる画像データの取得元に対応する取得元アイコン151、152が下位画面に含められる。このように、ユーザが所望する動作を階層的に選択させることができるプログラムにおいて、画像データの取得元の1つであるスキャン動作に対応する取得元アイコン151の表示態様によって、スキャン動作で生成した画像データをFAX送信する動作の実行が制限されているか否かをユーザに認識させることができる。なお、表示画面のサイズが比較的小さい携帯端末50において、特に有利な効果を奏すると言える。
また、実施形態1によれば、デバイス選択処理が実行されたことに応じて、ステップS12以降の処理が再び実行されるので、新たな指定装置において各動作が制限されているか否かをユーザに認識させることができる。また、実施形態1によれば、メイン画面を表示中の未操作時間が所定の時間に達したことに応じて、ステップS12以降の処理が再び実行されるので、指定装置における設定変更をメイン画面に反映させることができる。
なお、実施形態1では、所定のタイミング(S20:No/S22の後)でSFL要求情報を再び送信することによって、複合機10におけるSFL情報の更新をメイン画面に反映させる例を説明したが、更新されたSFL情報を受信する方法はこれに限定されない。例えば、SFL要求情報は、SFL情報が更新されたタイミングで当該SFL情報を送信することを、複合機10に要求するものであってもよい。そして、動作指示プログラム65は、メイン画面の表示中に通信部55を通じて複合機10からSFL情報を受信したことに応じて、ステップS14〜S19の処理を再び実行してもよい。
また、実施形態1によれば、1回目の第1決定処理でSFL情報が受信できなければ、対応する動作アイコンに鍵画像126を付加しない。また、2回目以降の第1決定処理でSFL情報が受信できなければ、対応する動作アイコンの表示態様を、直近の第1決定処理で決定した表示態様に決定する。これにより、例えば、通信ネットワーク102が一時的にビジー状態である場合、或いは指定装置の電源がOFFされている場合等に、当該指定装置において各動作が制限されているかのような印象を、ユーザに与えることを抑制できる。
さらに、実施形態1によれば、ステップS58、S88、S92、S104の直前に、指定動作に対応するSFL情報を再び確認するので、例えば、携帯端末50の操作中に指定動作がロックされたか否かを適切に把握することができる。また、動作指示プログラム65は、メイン画面(S19)の場合と同様に、プレビュー画面(S53)、動作選択画面(S66)、FAX送信画面(S85)、FAX選択画面(S102)、或いはFAXプレビュー画面(S110)を表示させてから所定の時間を経過するまでに操作部54を通じてユーザ操作を受け付けなかった場合に、SFL要求情報を指定装置に送信してもよい。そして、動作指示プログラム65は、指定装置から受信したSFL情報に基づいて表示中の画面に含まれるアイコンの表示態様を決定し、新たに決定した表示態様のアイコンを含む画面を再び表示させてもよい。
なお、実施形態1では、鍵付アイコンを第1態様の一例とし、鍵なしアイコンを第2態様の一例としたが、表示態様の具体例はこれに限定されない。例えば、鍵画像126に代えて「ロック」の文字列をアイコンに付加してもよい。また、第1態様及び第2態様の具体例は、画面によって異なっていてもよい。例えば、メイン画面では鍵画像126が付加され、動作選択画面では「ロック」の文字列が付加されてもよい。
また、実施形態1では、SFL要求情報に動作IDを含めることによって、当該動作IDに対応するSFL情報を複合機10から受信する例を説明した。しかしながら、SFL情報を受信する方法はこれに限定されない。例えば、SFL要求情報は、複合機10が記憶している全てのSFLレコード、すなわち、SFLリストの送信を要求するものであってもよい。そして、動作指示プログラム65は、複合機10から受信したSFLリストのうち、所望の動作IDに対応するSFL情報に基づいて、アイコンの表示態様を決定する等の処理を実行してもよい。
[実施形態2]
近年、データの指定方法は多様化しており、それぞれに適したインタフェースの開発が求められている。例えば、地図画像の中から所望の領域を抽出するためのインタフェースと、CD−ROM等の表面に印刷する画像を編集させるインタフェースとは、大きく異なる。そこで、特定の指定方法に特化した指定インタフェースを有する複数のプログラムが開発される傾向にある。
一方、複合機10に出力動作を実行させるための処理は、当該複合機10のメーカ或いは機種によって大きく異なる場合がある。そのため、当該処理の実行のためには、各複合機10に適したプログラムの開発が必要になる。しかしながら、特定の指定方法に最適な指定インタフェースを有する複数のプログラムを開発したうえに、複合機10に出力動作を実行させるための最適な処理を各プログラムにさらに実装することは、極めて困難である。特に、仕様の異なる複数の複合機10に出力動作を実行させようとすると、各複合機10に最適な処理の実装負担によって、指定インタフェースの実装にも影響を与える可能性が高まってしまう。
そこで、図10を参照して、実施形態2に係るシステム100の動作を説明する。なお、実施形態1と共通する処理の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。実施形態2に係る動作指示プログラム65は、起動元プログラムの一例である地図プログラム66にから起動される点において、OS64から起動される実施形態1と相違する。
[データ指定処理]
まず、OS64は、図11(A)に示されるメニュー画面に含まれるプログラムアイコン115の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図プログラム66を起動させ、当該地図プログラム66をフォアグラウンドで実行する。携帯端末50の地図プログラム66は、プログラムアイコン115の指定を操作部54を通じてOS64が受け付けたことに起因してOS64から起動されたことに応じて、地図画像データを取得する。地図プログラム66は、例えば、GPS(Global Positioning Systemの略)から取得した携帯端末50の現在位置を含む地図画像データを、通信部55を通じて不図示のサーバから取得する。具体的には、地図プログラム66は、通信部55を通じて地図画像データをサーバに要求し、サーバから返信された地図画像データを通信部55を通じて受信する。
次に、地図プログラム66は、地図指定画面を表示部53に表示させる。地図指定画面は、サーバから取得した地図画像データで示される地図画像と、[プレビュー]アイコンとを含む。そして、地図プログラム66は、地図指定画面に対するユーザ操作を、操作部54を通じて受け付ける。そして、地図プログラム66は、地図画像の位置におけるユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図指定画面に表示させる地図画像を変更する。地図プログラム66は、変更後の地図画像を示す地図画像データをサーバから取得する。地図指定画面に表示される地図画像は、例えば、スライド操作に追従してスライドされ、ピンチイン操作に追従して縮小され、ピンチアウト操作に追従して拡大される。
また、地図プログラム66は、[プレビュー]アイコンの指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図指定画面に表示されている地図画像を示す地図画像データを、指定データとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。そして、地図プログラム66は、プログラムID、指定データID、及び指定動作IDを引数として、動作指定プログラム65を起動するためのAPIを実行する。ここで実行されるAPIは、プラグインとして動作指示プログラム65を起動するためのAPIであってもよいし、明示的共有APIであってもよい。
また、実施形態2に係る地図プログラム66が指定するAPIの引数には、例えば、動作指定プログラム65のプログラムIDと、データ記憶領域62Bに一時記憶させた地図画像データを識別するための指定データIDと、指定動作ID“プリント”とが指定される。但し、指定動作IDは、動作ID“FAX送信”、“FAXプレビュー”等の他の出力動作であってもよいし、APIの引数から省略されてもよい。これにより、OS64は、地図プログラム66をバックグラウンドで実行し、動作指示プログラム65をフォアグラウンドで実行する。
[外部起動処理]
図10に示される外部起動処理は、地図プログラム66へのユーザ操作に起因して地図プログラム66から起動された動作指示プログラム65によって実行される処理である。[プレビュー]アイコンの指定は、動作指示プログラム65を起動させることを指示する地図プログラム66へのユーザ操作の一例である。図10を参照して、外部起動処理の詳細を説明する。なお、実施形態2において、外部起動処理の実行時点における装置情報レコードは、装置ID“MFP−B”と、動作情報“プリント”、“FAX送信”、“FAX受信”を含むものとする。
まず、動作指示プログラム65は、地図プログラム66が実行したAPIの引数に指定された指定データID及び指定動作IDを取得する(S121)。そして、動作指示プログラム65は、取得した指定データID及び指定動作IDを、データ記憶領域62Bに一時記憶させる。指定データIDは、地図プログラム66が操作部54を通じて指定を受け付けた画像データである第1指定データを識別するための情報である。指定動作IDは、複合機10が実行可能な複数の出力動作のうち、第1指定データに対して実行すべき出力動作である第1指定動作を識別するための情報である。なお、指定動作IDは、APIの引数に含まれておらず、動作指示プログラム65に予め設定されていてもよい。ステップS121の処理は、取得処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、装置情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されているか否かを判断する(S122)。次に、動作指示プログラム65は、装置情報レコードが記憶されていると判断したことに応じて(S122:Yes)、指定装置である複合機10Bに通信部55を通じてSFL要求情報を送信する(S123)。ステップS123で送信されるSFL要求情報は、指定動作ID“プリント”を含む。そして、動作指示プログラム65は、指定動作ID“プリント”に対応するSFL情報を、通信部55を通じて複合機10Bから受信する(S124:Yes)。ステップS123の処理は状態要求処理の一例であり、ステップS124の処理は状態受信処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、指定動作ID“プリント”に対応するSFL情報がロック状態及び非ロック状態のどちらを示すかを判断する(S125)。動作指示プログラム65は、ステップS124で受信したSFL情報がロック状態を示すと判断したことに応じて(S125:Yes)、後述するプレビュー画面に先立って、エラー画面を表示部53に表示させる(S126)。ステップS126の処理は、ステップS25の処理と同様であってもよい。但し、ステップS126で表示されるエラー画面は、図12(B)に示されるメッセージの「スキャン動作」が「プリント動作」に置換されていてもよい。ステップS125の処理は判断処理の一例であり、ステップS126の処理は報知処理の一例である。
また、動作指示プログラム65は、後述するプレビュー画面に含まれるプリントアイコン167の表示態様を、操作部54を通じて指定不能な態様に決定する(S127)。一方、動作指示プログラム65は、ステップS124で受信したSFL情報が非ロック状態を示すと判断したことに応じて(S125:No)、或いはSFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を受信できなかったことに応じて(S124:No)、プレビュー画面に含まれるプリントアイコン167の表示態様を、操作部54を通じて指定可能な態様に決定する(S128)。
次に、動作指示プログラム65は、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S129)。すなわち、実施形態2に係るプレビュー画面は、ステップS125の判断の結果に拘わらず表示される。図16(A)は、プレビュー画面の一例である。図16(A)に示されるプレビュー画面は、プレビュー画像165と、装置アイコン166と、ステップS127、S128で決定された表示態様のプリントアイコン167とを含む。そして、動作指示プログラム65は、プレビュー画面に含まれるアイコンの指定を、操作部54を通じて受け付ける(S130)。ステップS129の処理は第1表示処理、ステップS130の処理は受付処理の一例である。
プレビュー画像165は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させた結果を示す画像である。装置アイコン166は、指定装置を切り替える指示に対応する切替オブジェクトの一例である。プリントアイコン167は、指定装置に指定動作を実行させる指示に対応する第1出力指示オブジェクトの一例である。なお、図16(A)は、指定不能なプリントアイコン167の一例として、グレーアウトされたプリントアイコン167を含むプレビュー画面の例を示している。
次に、動作指示プログラム65は、装置アイコン166の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S130:装置アイコン)、デバイス選択処理を実行する(S132)。図5を参照して、実施形態1で説明したデバイス選択処理との相違点を中心に、実施形態2に係るデバイス選択処理を説明する。実施形態2に係る動作指示プログラム65は、指定動作ID“プリント”がデータ記憶領域62Bに一時記憶されていると判断(S32:Yes)し、ステップS33〜S38の処理を実行する点において、実施形態1と相違する。
まず、実施形態2に係る動作指示プログラム65は、ステップS31において、指定動作IDと、複合機10から受信した動作情報に含まれる動作IDとを比較する。そして、動作指示プログラム65は、動作情報に指定動作IDが含まれる複合機10を特定する。なお、動作情報は、複合機10のモデルを示すモデル情報であってもよい。この場合の動作指示プログラム65は、モデル情報と、モデル情報に対応する動作IDとの対応関係を示す対応情報にアクセスし、受信したモデル情報に対応する動作IDを取得する。すなわち、対応情報は、モデル情報で示されるモデルの複合機10が実行可能な動作を示す情報でもある。なお、対応情報は、携帯端末50に記憶されていてもよいし、不図示のクラウドサーバに記憶されていてもよい。
他の例として、送信要求情報は、指定動作IDを含んでもよい。複合機10の装置プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50から送信要求情報を受信し、送信要求情報に含まれる指定動作IDがMIBに記憶されているか否かを判断してもよい。そして、装置プログラム35は、指定動作IDがMIBに記憶されていると判断したことに応じて、通信部25を通じて携帯端末50に装置IDを送信してもよい。一方、装置プログラム35は、指定動作IDがMIBに記憶されていないと判断したことに応じて、携帯端末50に装置IDを送信しない。そして、携帯端末50の動作指示プログラム65は、通信部55を通じて受信した装置IDで示される複合機10を特定してもよい。
次に、動作指示プログラム65は、指定装置ID“プリント”を含むSFL要求情報を、通信部55を通じて複合機10に送信する(S33)。次に、動作指示プログラム65は、通信部55を通じて複合機10からSFL情報を受信する(S34:Yes)。次に、動作指示プログラム65は、複合機10から受信したSFL情報に基づいて、当該複合機10に対応するデバイスアイコン131の表示態様を決定する(S35〜S37)。そして、動作指示プログラム65は、特定処理で特定した複数の複合機10A、10Bそれぞれに対して、ステップS33〜S37の処理を実行する。ステップS33の処理は状態要求処理の一例であり、ステップS34の処理は状態受信処理の一例であり、ステップS35〜S37の処理は第1決定処理の一例である。
すなわち、動作指示プログラム65は、複合機10Aから受信した動作ID“プリント”に対応するSFL情報がロック状態を示すことに応じて(S35:Yes)、複合機10Aに対応するデバイスアイコン131に鍵画像126を付加する(S36)。一方、動作指示プログラム65は、複合機10Aから受信した動作ID“プリント”に対応するSFL情報が非ロック状態を示すことに応じて(S35:No)、或いはSFL要求情報を送信してから所定の時間が経過してもSFL情報を複合機10Aから受信できなかったことに応じて(S34:No)、複合機10Aに対応するデバイスアイコン131に鍵画像126を付加しない(S37)。同様に、複合機10Bのデバイスアイコン132の表示態様は、複合機10Bから受信した動作ID“プリント”に対応するSFL情報に基づいて決定される。
次に、動作指示プログラム65は、第1決定処理で決定された表示態様のデバイスアイコン131、132を含むデバイス選択画面を表示部53に表示させる(S39)。図16(B)は、鍵画像126が付加されていないデバイスアイコン131と、鍵画像126が付加されたデバイスアイコン132とを含むデバイス選択画面の例を示している。実施形態2に係るデバイス選択画面は、例えば図16(B)に示されるように、鍵画像126が付加されたデバイスアイコン132を含む可能性がある点において、実施形態1と相違する。実施形態2におけるステップS39の処理は、第2表示処理の一例である。
次に、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加されたデバイスアイコン132の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S40:No)、エラー画面を表示部53に表示させる(S42)。図17(A)は、図16(B)のデバイスアイコン132が指定された場合のエラー画面170の一例である。そして、動作指示プログラム65は、エラー画面170に含まれるアイコンの指定を、操作部54を通じて受け付ける(S43)。ステップS42の処理は第3表示処理の一例であり、ステップS43の処理は受付処理の一例である。
図17(A)に示されるエラー画面170は、直前に表示されていたデバイス選択画面上に重ねられたポップアップ画面である。図17(A)に示されるエラー画面170は、「管理者によってプリント動作がロックされています。管理者までご確認下さい。」とのメッセージと、[OK]アイコン171と、[再選択]アイコン172を含む。[OK]アイコン171は、エラー画面170を通じた報知の内容を確認したことに対応する確認オブジェクトの一例である。[再選択]アイコン172は、デバイスアイコン131、132を再指定する指示に対応する再指定オブジェクトの一例である。
すなわち、動作指示プログラム65は、[OK]アイコン136の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S43:OKアイコン)、指定装置を変更することなくデバイス選択処理を終了し、プレビュー画面を表示部53に再び表示させる(S129)。一方、動作指示プログラム65は、[再選択]アイコン172の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S43:再選択アイコン)、デバイス選択画面を表示部53に再び表示させる(S39)。
一方、動作指示プログラム65は、鍵画像126が付加されていないデバイスアイコン131の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S40:Yes)、切替処理(S41)を実行してデバイス選択処理を終了し、ステップS123以降の処理を再び実行する。実施形態2に係るデバイス選択処理では指定動作を実行可能な複合機10Aのみが選択可能なので、動作指示プログラム65は、ステップS132の後に実行するステップS129において、図17(B)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる。図17(B)に示されるプレビュー画面は、新たな指定装置である複合機10Aの装置ID“MFP−A”が記述された装置アイコン166と、指定可能な態様のプリントアイコン167とを含む。
次に、動作指示プログラム65は、指定可能な態様のプリントアイコン167の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S130:プリントアイコン)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてプリント指示情報を送信する(S131)。ステップS131の処理及びプリント指示情報を受信した複合機10Aの処理は、ステップS58と同様であってもよい。ステップS131の処理は、第1出力指示処理の一例である。一方、動作指示プログラム65は、指定不能な態様のプリントアイコン167の指定を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、エラー画面を表示部53に表示させてもよいし、何もしなくてもよい。
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、携帯端末50のユーザによる地図プログラム66への操作に起因して、地図プログラム66から動作指示プログラム65が起動される。そして、動作指示プログラム65は、外部起動処理において、指定装置において指定動作がロック状態であるかどうか判断し、ロック状態であればその旨を携帯端末50のユーザに対して報知する。これにより、指定動作を実行できないことをユーザに認識させることができる。特に、指定動作がロック状態であるか否かを地図プログラム66がユーザに報知しない場合、ユーザは、指定データを指定するなど、地図プログラム66の操作をしている間に、指定動作がロック状態であるか否かを知ることができない。
ここで実施形態2によれば、指定装置において指定動作が非ロック状態であれば、携帯端末50のユーザは、指定動作の実行を指定装置に指示するための操作をすることができる。一方、指定装置において指定動作がロック状態であれば、携帯端末50のユーザは、ロック状態が原因で指定データに対する指定動作が実行できないことを、携帯端末50からの報知によって認識することができる。
また、実施形態2のデバイス選択処理によれば、通信可能な複数の複合機10のうち、指定動作の実行が制限されている複合機10Bと、指定動作の実行が制限されていない複合機10Aとをユーザに認識させることができる。その結果、指定装置の実行が制限されていない複合機10Aを、新たな指定装置とすることを促すことができる。
また、実施形態2によれば、鍵画像126が付加されたデバイスアイコン132が指定されたことに応じてエラー画面が表示される。これにより、指定した複合機10において指定動作の実行が制限されていることをユーザに認識させることができる。また、当該エラー画面には[OK]アイコン171及び[再選択アイコン172]が含まれるので、指定装置の切り替えをキャンセルしてプレビュー画面に戻るか、指定装置を再選択するためにデバイス選択画面に戻るかを、ユーザに選択させることができる。
また、動作指示プログラム65は、地図プログラム66へのユーザ操作に起因せずに携帯端末50のOS64から起動された場合と、地図プログラム66へのユーザ操作に起因して地図プログラム66から起動された場合とで挙動が異なる。より詳細には、OS64から起動された場合の動作指示プログラム65は、複数の出力動作のうちユーザが所望する出力動作をユーザに指定させるために、図11(B)に示されるメイン画面を表示する。このとき、携帯端末50のユーザは、複数の出力動作それぞれについて、ロック状態か非ロック状態であるかを認識した上で出力動作を指定できる。一方、地図プログラム66から動作指示プログラム65が起動された場合、携帯端末50のユーザは、指定動作が非ロック状態であれば当該動作の実行を指示できるし、指定動作がロック状態であればその旨を認識することができる。
また、実施形態1、2において、プレビュー画面の表示に関する処理は、以下の点で相違する。まず、ステップS53で表示されるプレビュー画面と、ステップS129で表示されるプレビュー画面とは、装置アイコン166の有無において相違し、その他の点において共通する。すなわち、動作指示プログラム65は、標準起動処理で表示させるプレビュー画面に装置アイコン166を含めず、外部起動処理で表示させるプレビュー画面に装置アイコン166を含める。
また、動作指示プログラム65は、標準起動処理において、鍵画像126が付加されていない動作アイコン121が指定されたことに応じて(S33:Yes)、プレビュー画面を表示部53に表示させ(S51)、鍵画像126が付加された動作アイコン121が指定されたことに応じて(S33:No)、プレビュー画面を表示部53に表示させない。すなわち、標準起動処理におけるプレビュー画面は、指定動作IDに対応するSFL情報が非ロック状態を示す場合にのみ表示され得る。
これに対して、動作指示プログラム65は、外部起動処理において、指定動作IDに対応するSFL情報が非ロック状態を示すか否かに拘わらず、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S129)。その代わり、動作指示プログラム65は、外部起動処理において、指定動作IDに対応するSFL情報が非ロック状態であることを、エラー画面(S126)及びプリントアイコン167のグレーアウト(S127)によって報知する。
そこで、実施形態2では、ステップS52で決定された指定データを第2指定データとし、ステップS121で取得した指定データIDで識別される第1指定データと区別する。また、実施形態1で動作アイコン121が指定されたことに応じて決定された動作を第2指定動作とし、ステップS121で取得した指定動作IDで識別される第1指定動作と区別する。また、ステップS53で表示されるプリントアイコン146を第2出力指示オブジェクトとし、第1出力指示オブジェクトであるプリントアイコン167と区別する。また、ステップS58で出力する出力指示情報を第2出力指示情報とし、ステップS131で送信する出力指示情報を第1出力指示情報と区別する。さらに、実施形態2では、図4のステップS14〜S17を第2決定処理とし、図4のステップS19を第4表示処理とし、図6のステップS53を第5表示処理とし、図6のステップS58を第2出力処理として、実施形態2の他の処理と区別するものとする。
また、上記の実施形態の複合機10及び携帯端末50において、記憶部32、62のプログラム記憶領域32A、62Aに記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
さらに、本発明は、複合機10及び携帯端末50として実現できるだけでなく、複合機10及び携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク101を通じて複合機10及び携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。