以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る口腔ケアサポートシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す口腔ケアサポートシステム1は、歯ブラシ用アタッチメント2(歯ブラシモジュール)と、無線端末装置3と、サーバ装置6とを備えている。無線端末装置3と、サーバ装置6とは、例えば携帯電話事業者が運営する無線基地局101と、例えばインターネットなどのネットワーク102とを介して通信可能にされている。
無線端末装置3は、例えば携帯型の無線通信端末装置であり、好ましくは、いわゆるスマートフォンやタブレット端末である。なお、無線端末装置3は、例えば携帯型パーソナルコンピュータ、眼鏡型やリストバンド型等のウェアラブル端末装置、あるいは携帯電話端末装置等の無線通信機能を有する端末装置であってもよい。また、無線端末装置3は、携帯型の端末装置に限らず、デスクトップパソコン等の固定型の無線通信端末装置であってもよい。
図2は、図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2及び無線端末装置3の外観の一例を示す説明図である。歯ブラシ用アタッチメント2は、防水構造の筐体201(筐体部)内に、後述するブラッシングセンサ部21a(センサ部)、バイタルセンサ部21b、無線通信部22、液晶表示器211(表示部)、発光ボタンスイッチ212,213,214(表示部)、ブザー216、制御部23、及び図略の電池等が収容されて構成されている。筐体201には、歯ブラシ4に筐体201を連結するための連結機構202が設けられている。歯ブラシ用アタッチメント2は、連結機構202によって、図3に示すように、歯ブラシ4に対して着脱可能に構成されている。
歯ブラシ4は、略棒状のハンドル部41の一端部に、毛束421が植設されたヘッド部42が設けられて構成されている。連結機構202は、ハンドル部41のヘッド部42とは反対側の端部411側を把持するように構成されている。連結機構202が端部411側を把持することにより、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2とが連結され、取り付けられる。歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に取り付けられると、ユーザの歯磨きに伴い歯ブラシ4と一体に動くようになっている。
歯ブラシ用アタッチメント2は、略平坦な底面203を有している。底面203は、歯ブラシ用アタッチメント2が歯ブラシ4に取り付けられた状態でハンドル部41の長尺方向に対して略垂直となる。従って、歯ブラシ4を立てて底面203をテーブルなどにおくことで、歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられた歯ブラシ4を立てて置くことができる。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシスタンドとして用いることができる。
歯ブラシ用アタッチメント2の動作用電源は、例えばボタン電池のような小型の一次電池を用いて交換可能にしてもよく、二次電池を内蔵して充電可能にしてもよい。歯ブラシ用アタッチメント2の動作用電源として二次電池を用いる場合、例えば図4に示すように、充電器5を底面203に取り付け可能とし、歯ブラシ4を立てた状態で例えば非接触充電方式で充電するようにしてもよい。
図5は、図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2の斜視図である。図6は、図5に示す歯ブラシ用アタッチメント2のVI−VI線断面図である。筐体201は、例えば樹脂材料で構成され、略円柱形状を有している。筐体201内の略中央部には、歯ブラシ4の端部411を受け入れるための筒状に形成された筒状部201aが配設されている。そして、筒状部201aと筐体201との間に挟まれた空間内に、回路ブロックが例えば樹脂モールドされて防水状態で収納されている。筐体201の側面には、液晶表示器211、及び発光ボタンスイッチ212,213,214が設けられている。底面203には、充電器5に形成された突起部と嵌合する位置決め用の孔や凹部等が形成されている。
筐体201の外周部は、底面203と反対側に筒状に延設されて、筒状の連結フレーム205が構成されている。連結フレーム205の内周部には、複数、例えば8個の弾性部材206が取り付けられている。弾性部材206は、例えばシリコンゴム、天然ゴム、合成ゴム等の弾性を有するエラストマから構成されている。連結フレーム205と弾性部材206とから、連結機構202が構成されている。複数の弾性部材206で取り囲まれた空間内に歯ブラシ4のハンドル部41の端部411を挿入することで、複数の弾性部材206でハンドル部41の端部411側が把持されて、筐体201とハンドル部41とが連結される。歯ブラシ4は、連結機構202の把持力に抗して歯ブラシ4を連結機構202から引き抜くことで、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2とを分離可能にされている。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に対して着脱可能にされている。
なお、歯ブラシ用アタッチメント2は、図5、図6に示す構造に限らず、歯ブラシ4の端部411に対して筐体201を着脱可能な種々の構造を採用することができる。
図7は、図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2、及び無線端末装置3の電気的構成の一例を示すブロック図である。歯ブラシ用アタッチメント2は、ブラッシングセンサ部21a(センサ部)、バイタルセンサ部21b、無線通信部22、液晶表示器211(表示部)、発光ボタンスイッチ212,213,214(表示部、操作部)、ブザー216(報知部)、及び制御部23を備えている。
ブラッシングセンサ部21aは、歯ブラシ4に関する所定の物理量を検出する。具体的には、ブラッシングセンサ部21aとして、加速度を物理量として検出する加速度センサを用いることができる。加速度センサとしては、三方向の加速度を検出する三軸加速度センサを好適に用いることができる。
歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に取り付けられた状態で歯ブラシ4と一体に動くので、ブラッシングセンサ部21aは、歯ブラシ4の動きに伴う加速度を、歯ブラシ4に関する物理量として検出する。
また、ブラッシングセンサ部21aは、地球の重力により生じる重力加速度を検出する。歯ブラシ用アタッチメント2は歯ブラシ4と一体に動くので、歯ブラシ4の姿勢変更に応じて歯ブラシ用アタッチメント2が姿勢変更し、ブラッシングセンサ部21aで検出される重力加速度の方向が変化する。従って、ブラッシングセンサ部21aで検出される重力加速度の方向から、歯ブラシ4の姿勢を検出することができる。以下、説明を簡略化するために、ブラッシングセンサ部21aで検出された重力加速度の方向に基づき歯ブラシの姿勢を検出することを、単に、ブラッシングセンサ部21aで歯ブラシの姿勢を検出する、と記載する。
なお、ブラッシングセンサ部21aとして、加速度センサに加えて歯ブラシ4の回転角や角速度を検出するジャイロセンサを備えることが好ましく、さらに歯ブラシ4、特に毛束421に加わるブラッシング圧を検出する圧力センサを備えることがより好ましい。
歯ブラシ用アタッチメント2によれば、手動の歯ブラシ4に対して、連結機構202により歯ブラシ用アタッチメント2を取り付けることができる。歯ブラシ4に歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられると、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2の筐体201とが一体に動くので、ユーザが歯ブラシ4を用いて歯磨きを行うと、その歯磨き動作の動きが筐体201に収納されたブラッシングセンサ部21aに伝わる。従って、ブラッシングセンサ部21aにおいて、ユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。このようにして得られたユーザの歯磨き行動に関する情報を、無線通信部22によって外部に送信することができるので、ユーザが手動の歯ブラシ4を用いた場合であっても、ユーザの歯磨き行動に関する情報を外部で取得することができる。
バイタルセンサ部21bは、ユーザの血圧、血流、脈拍、手指温度、心電、血糖、血中飽和酸素濃度、発汗量等のバイタルデータ(生理的情報)を計測する。ユーザが、歯磨きする際に歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられた歯ブラシ4を手に持つと、図2に示すように、ユーザの手の一部が、歯ブラシ用アタッチメント2に触れる。このように、歯磨きの際に歯ブラシ用アタッチメント2に対してユーザの手が触れる位置に、バイタルセンサ部21bを配設することで、歯磨きする際のユーザのバイタルデータを検出することが可能となる。
無線通信部22は、例えばBluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)等の電磁波による無線通信回路や、赤外線通信、可視光通信等、種々の無線通信方式を用いることができる。無線通信部22は、無線端末装置3と無線通信を実行する。
液晶表示器211は、制御部23からの制御信号に応じた文字情報等を表示する。ブザー216は、制御部23からの制御信号に応じて報知音を出力する。
発光ボタンスイッチ212,213,214は、発光素子と押しボタンスイッチとが一体に構成された表示操作装置である。発光ボタンスイッチ212,213,214は、それぞれ、制御部23からの制御信号に応じて発光し、ユーザに押下されることによりオン信号を制御部23へ出力する。
制御部23は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、所定の制御プログラム等を記憶するフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性の記憶部、時間を計時するタイマ回路、RTC(Real Time Clock)、及びこれらの周辺回路等を備えたいわゆるマイクロコンピュータとして構成されている。
制御部23は、所定の制御プログラムを実行することにより、無線通信処理部231、表示処理部232、サービス指示受付部233、取消受付部234、及びセンサ情報処理部235として機能する。無線通信処理部231、表示処理部232、サービス指示受付部233、取消受付部234、及びセンサ情報処理部235の動作については後述する。
なお、歯ブラシモジュールの一例として、手動の歯ブラシ4に取り付けられる歯ブラシ用アタッチメント2を示したが、歯ブラシモジュールは、電動歯ブラシであってもよい。すなわち、歯ブラシモジュールは、図7に示す歯ブラシ用アタッチメント2の構成に対し、さらに歯ブラシを電動で駆動する電動機構を備え、これらの各構成が例えば筒状の筐体内に一体に収納された構成であってもよい。
無線端末装置3は、無線通信部31a,31b、タッチパネルディスプレイ32(表示部、操作部)、スピーカ33、カメラ35(撮像部)、及び制御部34を備えている。無線通信部31aは、無線通信部22と同じ無線通信方式により無線信号を送受信する無線通信回路であり、歯ブラシ用アタッチメント2との間で無線通信を実行する。無線通信部31bは、無線基地局101と無線通信を行うための無線通信回路である。無線通信部31bは、無線基地局101とネットワーク102とを介してサーバ装置6と通信可能にされている。
タッチパネルディスプレイ32は、例えば液晶表示装置と、その液晶表示装置の表示画面上をユーザがタッチした位置を検出するタッチパネルとが組み合わされて構成されている。タッチパネルディスプレイ32は、表示部及び操作部として機能する。なお、タッチパネルディスプレイ32の代わりに、例えば液晶表示装置等の表示部と、マウス等の操作部とを備えてもよい。
スピーカ33は、制御部34から出力された信号に応じて音を出力する。カメラ35は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて構成され、撮像部の一例に相当している。
制御部34は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、例えば所定の制御プログラムを記憶するフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性の記憶部、タイマ回路、RTC、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。制御部34は、例えば上述の制御プログラムを実行することにより、通信処理部341(送信処理部)、表示処理部342、サービス指示受付部343、取消受付部344、報知処理部345、読取処理部346、及び第二歯磨行動情報生成部347として機能する。また、上述の記憶部は、累積記憶部348として用いられる。上述の制御プログラムは、例えばネットワーク102を介してアプリ等としてダウンロードされる構成としてもよい。
通信処理部341、表示処理部342、サービス指示受付部343、取消受付部344、報知処理部345、読取処理部346、第二歯磨行動情報生成部347、及び累積記憶部348については後述する。
図8は、図1に示すサーバ装置6の電気的構成の一例を示すブロック図である。図1に示すサーバ装置6は、いわゆるコンピュータであり、制御部61、通信I/F部62、及び口腔ケアサポート情報記憶部63を備えている。通信I/F部62は、ネットワーク102を介して無線端末装置3と通信を実行するためのインターフェイス回路である。なお、通信I/F部62は、有線で通信を行うものに限られず、無線通信を行う無線通信回路であってもよい。また、通信I/F部62は、ネットワーク102を介さず、直接無線端末装置3と通信を実行する構成であってもよい。
歯ブラシ用アタッチメント2、無線端末装置3、及びサーバ装置6の相互間での通信は、無線通信部22、無線通信部31a,31b、及び通信I/F部62を介在して実行されるのであるが、記載を簡素化するため、以下、通信に関する説明において、無線通信部22、無線通信部31a,31b、及び通信I/F部62の記載を省略する。
制御部61は、例えば所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、所定の制御プログラム等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶部、時間を計時するタイマ回路、RTC、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。
制御部61は、上述の制御プログラムを実行することにより、サービス提供部611、サービス情報送信部612、及び情報登録処理部614として機能する。また、上述の記憶部は、口腔ケアサポート情報記憶部63としても用いられる。サービス提供部611、サービス情報送信部612、情報登録処理部614、及び口腔ケアサポート情報記憶部63については後述する。
次に、このように構成された口腔ケアサポートシステム1の動作について説明する。まず、口腔ケアサポート情報の生成方法について説明する。図9は、口腔ケアサポート情報の生成方法を説明するためのフローチャートである。まず、ユーザが歯ブラシ用アタッチメント2の取り付けられた歯ブラシ4を握って歯磨きすると、歯ブラシ用アタッチメント2において、ブラッシングセンサ部21aによって、歯磨き行動に関する物理量、特に加速度が検出され、バイタルセンサ部21bによってユーザのバイタルデータが検出される(ステップS1)。
次に、センサ情報処理部235は、ブラッシングセンサ部21aによって検出された加速度が、予め設定された開始判定値を超えたとき、歯磨きが開始されたと判定し、ブラッシングセンサ部21aで検出された物理量を、第一歯磨行動情報として取得する。そして、無線通信処理部231は、その第一歯磨行動情報と、バイタルセンサ部21bによって検出されたバイタルデータとを無線端末装置3へ送信する(ステップS2)。
次に、無線端末装置3において、第二歯磨行動情報生成部347は、歯ブラシ用アタッチメント2から送信された第一歯磨行動情報から第二歯磨行動情報を生成する。通信処理部341は、第二歯磨行動情報とバイタルデータとをユーザ識別情報と共にサーバ装置6へ送信する(ステップS3)。
ユーザ識別情報は、ユーザを識別するための情報であり、例えば予め無線端末装置3の記憶部に記憶されていてもよく、例えばユーザが無線端末装置3に対してログイン操作を実行することによって、ログインしたユーザのユーザ識別情報が無線端末装置3の記憶部に記憶される構成としてもよい。
第二歯磨行動情報生成部347は、第一歯磨行動情報の解析結果から、例えば歯ブラシ4の姿勢、歯ブラシ4の動き(歯ブラシのブラシ部の移動距離、移動速度、移動経路等)、ブラッシング角度(歯ブラシのブラシ面の歯牙や歯茎に対する接触の角度)、ブラッシング回数、ブラッシング位置(歯ブラシフィラメントの接している歯の部位)、ブラッシング圧(歯ブラシのブラシ面から歯牙等に与える応力値とその変化)などのパラメータを含む歯磨き行動を表す情報を生成し、これを第二歯磨行動情報とする。
後述する歯磨ブラッシングトレーニングサービスのためには、第二歯磨行動情報には、ユーザが、口腔内のどの部分を、どのような歯ブラシの使い方で、具体的にどのような動かし方で(軌跡、速度)、どのくらいの強さで、どのくらいの時間ブラッシングしていたかを示す情報が含まれていることが好ましい。
第一歯磨行動情報に含まれるブラッシングセンサ部21aで検出された物理量から、歯磨き行動を表す情報の生成方法としては、種々の公知技術を用いることができ、例えば加速度から歯ブラシ4の姿勢、動作、ブラッシング位置を検出する方法としては特開2009−240759号公報に記載の方法を用いることができ、例えばジャイロセンサの検出値から歯ブラシ4の姿勢を検出する方法としては特開2009−240760号公報、特開2009−285416号公報、特開2009−291316号公報に記載の方法を用いることができ、例えば圧力センサによりブラッシング圧を検出する方法としては特開2005−152217号公報に記載された技術を用いることができ、例えばブラッシング位置を判定する方法としては、特表2011−524756号公報(WO2009/141489)、特許第4543663号公報、特開2009−240760号公報(US2011010876)、特開2011−139844号公報(US2012266397)等に記載の方法を用いることができる。
ブラッシングセンサ部21aで検出された実測データである第一歯磨行動情報は、データ量が大きい。そのため、第一歯磨行動情報をそのままサーバ装置6へ送信すると、通信費の増大、サーバ装置6の維持、更新費用の増大を招くおそれがある。そこで、無線端末装置3において、第二歯磨行動情報生成部347が、第一歯磨行動情報から第二歯磨行動情報を生成することでデータ量を圧縮してからサーバ装置6へ送信することによって、上述のような費用の増大が生じるおそれを低減できる。第一歯磨行動情報は、累積記憶部348に記憶する構成としてもよい。
なお、歯ブラシ用アタッチメント2のセンサ情報処理部235が、ブラッシングセンサ部21aで検出された物理量から、上述の歯磨き行動を表す情報を第一歯磨行動情報として生成する構成としてもよい。この場合、第二歯磨行動情報生成部347は、第一歯磨行動情報をそのまま第二歯磨行動情報としてもよい。
第二歯磨行動情報生成部347は、第一歯磨行動情報をそのまま第二歯磨行動情報としてもよく、第一歯磨行動情報から、上述した歯磨き行動を表す情報の生成方法により、歯ブラシ4の姿勢、移動方向、移動距離、回転角、ブラッシング回数、ブラッシング位置、ブラッシング圧などの歯磨き行動を表す情報を生成し、これを第二歯磨行動情報としてもよい。
また、第二歯磨行動情報生成部347は、第一歯磨行動情報の受信タイミングからタイマ回路でユーザの歯磨き時間を検出したり、第一歯磨行動情報の受信された日時や時刻をユーザが歯磨きを開始した歯磨き時刻としてRTCにより取得したりして、これらの情報を第二歯磨行動情報に含めてもよい。第二歯磨行動情報生成部347は、例えば、ブラッシングセンサ部21aで検出された歯磨きに伴う加速度を示すデータを含む第一歯磨行動情報が無線通信部31aで受信されたタイミングを歯磨きの開始タイミングとし、加速度がゼロの第一歯磨行動情報が無線通信部31aで受信されたタイミングを歯磨きの終了タイミングとすることで、歯磨きの開始から終了までの時間をタイマ回路で測定し、これを歯磨き時間(ブラッシング時間)としてもよい。
なお、歯磨き時間及び歯磨き時刻を、センサ情報処理部235が、歯ブラシ用アタッチメント2に設けられたタイマ回路及びRTCを用いて取得し、第一歯磨行動情報に含めるようにしてもよい。
次に、読取処理部346は、カメラ35で撮像されたユーザ属性シートの画像からユーザ属性情報を取得し、ユーザ識別情報と共にサーバ装置6へ送信する(ステップS4)。なお、ユーザ属性情報は、ユーザ属性シートから読み取られる例に限られず、例えばユーザがタッチパネルディスプレイ32を操作して入力した情報であってもよく、ユーザ属性シートからの読取とユーザの操作入力とを併用してもよい。
また、通信処理部341は、第二歯磨行動情報とバイタルデータとを逐次サーバ装置6へ送信する例に限らない。例えば、通信処理部341は、第二歯磨行動情報とバイタルデータとを累積的に累積記憶部348に記憶させておき、所定のタイミング、あるいは定期的に、累積記憶部348に累積記憶された第二歯磨行動情報とバイタルデータとをサーバ装置6へ送信する構成としてもよい。
ユーザ属性情報は、個々のユーザに関する情報である。例えば、ユーザの性別、年齢、使用中の口腔ケア商品及びその商品の使用頻度、利用を希望する口腔ケア関連サービスとその具体的内容、対価精算に必要な諸情報、ユーザ識別情報、及びユーザの口腔ケアに対する考え方などを示す情報である。
対価精算に必要な諸情報とは、後述する「商品購入サービス」の実行に必要とされる情報であり、例えばカテゴリー、購入商品(商品名、容量等)、対価決済方法(クレジット、代引き、コンビニ決済等)、商品現物の入手方法(宅配サービス、移動式店舗の活用、希望する小売店のネットスーパー等の商品配送システムの活用等)などである。
ユーザ属性情報は、ユーザがその情報を無線端末装置3に入力する必要がある。しかしながら、例えば無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32を操作して、上述の様なユーザ属性情報を入力するのは操作が煩雑である。そこで、上述の様なユーザ属性情報の各項目を、チェックボックスで選択できるように予め、紙などのシート状の記録媒体に印刷したものをユーザ属性シートとして準備しておく。
ユーザは、このユーザ属性シートのチェックボックスにチェックを記入し、その記入済みのユーザ属性シートを無線端末装置3のカメラ35で撮影させる。読取処理部346は、このようにして得られたユーザ属性シートの画像から、チェックボックスの記入内容を読み取り、そのチェックボックスの記入に応じたユーザ属性情報を取得する。このようにすることで、ユーザの利便性が向上する。ユーザ属性シートは、サービスを提供する事業者が予め作成し、例えばサーバ装置6等のWebサーバからユーザがその電子データをダウンロード可能とし、ユーザが電子データを用いてユーザ属性シートをプリントアウトしてもよく、事業者が、ユーザ属性シートをユーザへ郵送するようにしてもよい。
ユーザ属性シートから読み取られるユーザ属性情報の具体例としては、下記の項目が挙げられる。
・性別 ・年齢 ・身長、体重 又はBMI値(Body mass Index)
・義歯/インプラントの有無及び該当する口腔部位、装着年数
・使用している歯磨き、歯ブラシ以外の口腔ケア商品、及びそれぞれの使用頻度
・口腔に関する悩み
例 ・口臭 虫歯になりやすい ・歯がしみやすい
・口がねばつく ・口中が乾燥しやすい
・食べ物を飲み込み難い ・歯茎から血が出やすい
・歯茎の色が悪い ・歯並びが悪い ・歯面の色が悪い
・歯と歯の間の隙間が気になる
・口腔衛生に対する意識、考え方、実態
・過去1年以内に歯科検診を受けたことがある
・過去1年以内に歯石除去を受けたことがある
・歯ブラシ以外の清掃具を使っている/使ってもよいと考えている
・歯磨き以外の口腔ケア商品を使っている/使ってもよいと考えている
・ブラッシング指導を受けたことがある
・ライフスタイル
・喫煙している・・・頻度:1日1箱以上/1日1本〜1箱未満/それ以下
・甘い物をよく食べる
・果汁入り飲料や糖分が入っている清涼飲料水をほぼ毎日飲んでいる
・よく噛んで食事するよう心がけている
・お酒を飲む/飲まない
1日の量:ビール大瓶1本/日本酒1合以下/以上。
次に、サーバ装置6では、情報登録処理部614は、無線端末装置3から送られてきた第二歯磨行動情報、バイタルデータ、及びユーザ属性情報を、ユーザ識別情報と対応付けて口腔ケアサポート情報として口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶させる(ステップS5)。以上、ステップS1〜S5のようにして、各ユーザの識別情報と対応付けられた口腔ケアサポート情報が生成され、口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶される。
さらに、口腔ケアサポート情報記憶部63には、第二歯磨行動情報やユーザ属性情報を解析するための解析方法を示す解析方法情報や、ユーザに提供するための各種情報が、予め口腔ケアサポート情報に含まれるように記憶されている。例えば、口腔ケアサポート情報として、ユーザ属性情報及び第二歯磨行動情報に加えて、口腔ケアに関する疫学情報、事業者の口腔ケアポリシー、外部のシステム(他のサーバ装置)と連動するために必要なアクセス情報等、サービスを実行するために必要な各種情報が予め記憶されている。その他、マーケティング情報や医療機関情報等、口腔ケアの関連情報を、口腔ケアサポート情報に含んで記憶していてもよい。
次に、口腔ケアサポートシステム1のサービス実行時の動作について説明する。図10は、口腔ケアサポートシステム1のサービス実行時の動作の一例を示すフローチャートである。まず、サーバ装置6において、サービス情報送信部612は、サービス提供部611により提供されるサービスに関するサービス情報を無線端末装置3へ送信する(ステップS11)。
サービス提供部611は、例えば、「情報提供サービス」、「商品購入告知サービス」、「商品購入サービス」、「歯磨きブラッシングトレーニングサービス」(歯磨きサポートサービス)、「健康管理サービス」、及び「見守りサービス」を実行可能とされている。サービス情報としては、例えば上記サービスの名称を表すタイトル情報を用いることができる。なお、サービス情報に含まれるサービスは、必ずしもサービス提供部611により提供可能なサービスをすべて含む必要はなく、例えばユーザがユーザ属性シートを用いるなどして予め希望するサービスの情報をユーザ属性情報に含ませておいてもよい。そして、サービス情報送信部612は、ユーザ属性情報に設定されたサービスの情報のみを、サービス情報として送信してもよい。
なお、「情報提供サービス」は、口腔ケアサポートシステム1を運営する事業者等が、サーバ装置6に対して指示することにより実行されてもよく、その提供する情報も、これら事業者等が、ユーザへの提供を所望する情報であってもよい。
次に、無線端末装置3では、表示処理部342がサービス情報に基づいて案内表示をタッチパネルディスプレイ32に表示すると共に、報知処理部345が、ユーザに情報受信を報知するべく情報受信を示す情報を、歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する報知処理を実行する(ステップS12)。なお、報知処理部345は、例えばスピーカ33から報知音を出力することによってユーザに情報受信を報知する報知処理を実行するようにしてもよい。また、報知処理部345は、サービス提供部611によるサービスの提供が完了した場合に報知処理を実行するようにしてもよい。
図11は、タッチパネルディスプレイ32に表示される案内表示の一例である案内画面G1の画面図である。図11に示すように、案内画面G1には、「情報提供サービス」、「商品購入告知サービス」、「商品購入サービス」、「歯磨きブラッシングトレーニングサービス」、「健康管理サービス」、及び「見守りサービス」の各サービスの名称が、タッチ操作可能なボタンB11〜B16として表示されている。ボタンB11〜B16の横には、それぞれに対応する取消ボタンB21〜B26が表示されている。
案内画面G1は、例えば無線端末装置3の電源をオンして立ち上がった直後の初期画面や、着信を待ち受けるための待ち受け画面等、ユーザが操作しなくてもタッチパネルディスプレイ32に表示されている画面に表示される。これにより、ユーザは、ボタンB11〜B16をタッチするだけの1回の簡便な操作でサービスの選択と実行指示とを行うことが可能にされている。
一方、歯ブラシ用アタッチメント2は、情報受信を示す情報を受信した場合、ブザー216によって報知音を出力させてユーザに、無線端末装置3で情報が受信されたことを報知する(ステップS13)。なお、報知部の一例としてブザー216を示したが、報知部は、例えば振動を生じるバイブレータであってもよい。
報知音を聞いたユーザは、無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32に表示されている案内画面G1を確認し、ボタンB11〜B16のうち、自分の所望するサービスに対応するボタンをタッチする。そうすると、無線端末装置3のサービス指示受付部343は、タッチされたボタンに対応するサービスの実行指示を受け付けて、その実行指示をサーバ装置6へ送信する(ステップS14)。
ここで、ユーザは、例えばタッチするべきボタンを間違えた場合等、実行指示を取り消したい場合がある。このような場合、ユーザは、実行指示を取り消したいサービスに対応する取り消しボタンを1回タッチするだけで、取消受付部344によって、取消指示が受け付けられ、その取消指示がサーバ装置6へ送信される(ステップS15)。
これにより、ユーザは、取り消しボタンをタッチするだけの1回の簡便な操作でサービスを取り消すことができる。
次に、サーバ装置6では、サービス提供部611は、サービス指示受付部343で実行指示が受け付けられてから取消待時間twが経過するまでの間に取消受付部344によって取消指示が受け付けられなかった場合、すなわち無線端末装置3から送信された実行指示がサーバ装置6で受信されてから取消待時間twが経過するまでの間に取消指示がサーバ装置6で受信されなかった場合、その実行指示に応じたサービスを提供する(ステップS16)。
取消待時間twは、例えば1分〜1時間程度の時間が予め設定されていてもよく、ユーザが任意の時間を設定可能にされていてもよい。
ところで、サービス提供部611によって提供されるサービスは、サーバ装置6の記憶部に記憶させるプログラムを追加、書き換えすることによって、自由に追加、変更することができる。従って、ユーザに対する口腔ケアのサポート内容を増大させることが容易である。これにより、一回の操作でサービスの実行や取り消しを指示できるという簡便な操作性を維持しつつ、ユーザに対する口腔ケアのサポート内容を増大させることが容易な口腔ケアサポートシステムを提供することができる。
次に、サービス提供部611によって提供されるサービス内容の詳細について説明する。サービスは、口腔ケアサポートシステム1のみで実行可能であってもよく、他のシステム、例えば通信販売業者、卸売業者、製造業者、運送業者、金融業者等、他の事業者が運用するサーバ装置との協働により実行されるサービスであってもよい。
まず、「情報提供サービス」について説明する。「情報提供サービス」は、口腔ケア関連の技術情報、及びユーザに推奨する商品関連の情報を、ユーザに提供するサービスである。
「情報提供サービス」において提供される情報には、例えば、「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」、「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」(ユーザの口腔ケアの改善に関する情報)、「推奨商品情報」、「提供できるサービスの内容紹介情報」、「口腔ケア啓蒙情報」(一般の口腔ケアに関する情報)、及びサーバ装置6を運営する事業者からの企業ポリシー、ブランド、商品、サービス、物品の提供などの「広告宣伝」に関連する情報等がある。
「情報提供サービス」を実行する場合、例えば、「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」、「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」、「推奨商品情報」、「提供できるサービスの内容紹介情報」、「口腔ケア啓蒙情報」、及び「広告宣伝」の各タイトル情報が、サービス情報として用いられて図10に示すステップS11〜S16が実行され、図11に示す案内画面G1において、ボタンB11〜B16として「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」、「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」、「推奨商品情報」、「提供できるサービスの内容紹介情報」、「口腔ケア啓蒙情報」、及び「広告宣伝」の各タイトル情報が表示される。
そして、サービス提供部611によって、タッチされたボタンに対応する情報を提供又は提案するサービス、すなわちその情報又はその提案の具体的内容をタッチパネルディスプレイ32に表示させるサービスが実行される。
次に、「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」、「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」、「推奨商品情報」、「提供できるサービスの内容紹介情報」、「口腔ケア啓蒙情報」、及び「広告宣伝」の具体的内容、すなわちユーザ宛情報の一例について説明する。
「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」は、サービス提供部611によって、口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶されている口腔ケアサポート情報、すなわち第二歯磨行動情報、ユーザ属性情報、解析方法情報、及びユーザ提供用の各種情報等に基づき生成される。すなわち、サービス提供部611は、「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」を実行する場合、第二歯磨行動情報及びユーザ属性情報に基づき、解析方法情報で示される解析方法によって、ユーザの口腔衛生状態の現状を推定し、その推定結果を示す情報を「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」として無線端末装置3へ送信してタッチパネルディスプレイ32に表示させる。サービス提供部611は、その推定結果が、治療を必要とするものである場合、参考情報としてその推定結果をタッチパネルディスプレイ32に表示させ、医師の診断を提案するようにしてもよい。
「ユーザの口腔衛生状態」の推定方法の一例は、以下のようなものである。推定は、疫学情報等の一般情報をベースに、ユーザ属性情報や第二歯磨行動情報等のユーザ固有の情報を加味して行うことができる。一般情報としては、年齢、性別を尺度にした場合の各クラスターで発生する口腔トラブルや生理的変化の情報、公的調査、歯科医師会、8020推進財団等が実施する調査、民間団体が行う口腔に関する意識、行動、悩みなどの疾患以外の調査や報告を活用することができる。
上述の公的調査としては、例えば、厚生労働省の患者調査結果、厚生労働省の歯科疾患実態調査、及び国勢調査結果、等がある。例えば厚生労働省の患者調査結果からは、う蝕と歯肉及び歯周疾患の年齢、性別毎の疾患患者数が判る。国税調査結果からは、厚生労働省の患者調査結果における各クラスターの母数(人口)が判るので、厚生労働省の患者調査結果と国勢調査結果とから、各クラスター毎の疾患患者率が判る。さらに、厚生労働省の歯科疾患実態調査においては、年齢、性別に加え、居住地域毎にクラスターが分けられており、口腔疾患だけでなく補綴の状況や各歯牙部位毎の残歯数の情報が入手できる。
これらの情報を駆使すると、年齢、性別、居住地域のクラスター毎に疾患の罹患率、喪失する歯とその部位の実態、口腔に関する悩みが判別できる。ユーザ属性情報については、年齢、性別、居住地域だけでなく、口腔に関する悩みの情報を少なくとも活用する。ユーザの口腔状態は、一般情報のクラスターデータとユーザの口腔に関する悩みの情報とから主として推定する。顕在化している状況をユーザから直接入手できる場合は、その内容を重視して推定する。解析の結果、疾患を罹患しているにも拘わらず治療していない場合は、医療機関の受診を提案する。また、ユーザに対して、近い将来(数年〜10年程度)に発生し得る口腔関連のトラブル発生のリスクを、上記解析の結果から、ユーザ別に算出し、ユーザに提供することもできる。
次に、サービス提供部611が、第二歯磨行動情報に基づき、ユーザの歯磨き行動を解析する解析方法の一例について、説明する。第二歯磨行動情報の解析方法としては、例えば、単回(通常は直近)の情報と標準値とを比較する方法があり、解析結果としては、清掃度合いの点数又はランク付け、改善ポイントの指摘、過去のブラッシング結果との対比による改善点若しくは悪化点、ブラッシングテクニックの最近の傾向(例えば少しずつ改善する傾向にある、改善されていない、悪化する傾向にある、等)などが挙げられる。また、清掃部位毎に改善ポイントを最適なブラッシング方法と対比することで、ユーザのブラッシング方法が部位毎に適当か不適当かを判定してもよい。
第二歯磨行動情報の解析方法について、さらに詳細に説明すると、例えば下記のような解析方法を用いることが出来る。例えば、一般に推奨されるブラッシング行動を表す各種パラメータについて、標準値を設定し、その標準値と測定値である第二歯磨行動情報との対比により、解析を実行する。標準値は、例えば模範となるブラッシング指導者の歯磨行動情報から統計的手段を用いて設定される。標準値と測定値との対比は、最適値だけでなく許容範囲や最適値との差を点数付けする。例えば標準偏差等の分布度合いを表す値を用いて、測定値を100〜0点(最適値は100)に点数付けする。あるいはこれらの点数に基づき、例えば80点以上をランクA、79〜70点をランクB、69〜60点をランクC、59点以下をランクDというように、ランク付けしてもよい。
清掃部位は、例えば右側第一大臼歯1本だけでもその臼歯上面、頬側、下側の少なくとも三箇所となり、少なくとも歯の本数の三倍の清掃箇所が存在する。そのため、各清掃部位毎の解析結果をそのまま用いたのでは、煩雑となり、かえってユーザのブラッシング行動を把握することが困難になる。そこで、各部位毎の解析結果を全体的に総括し、その総括結果を、ユーザに提供するサービスに活用することが好ましい。
なお、標準値作成に際しては、ブラッシングは人間の行動であるから、同一人における複数回のデータだけでなく、被験者も複数人設定して得られた母集団に対して統計解析することが望ましい。また、許容できるブラッシング方法が複数存在する清掃部位については、ブラッシング方法毎に標準値等を定める。測定データからは歯ブラシの動き方や歯牙等へのブラシ面の当て方が明確にできるので、該当するブラッシング方法を判別した上で採用する標準値を選定し、解析する。さらに、測定値から明確となったブラッシング方法が、定められた標準値のいずれのブラッシング方法とも異なる場合については、そのブラッシングを継続することで発生し得るリスク(例えば、歯牙、特に象牙質の損傷、歯茎の損傷、磨き残しによるう蝕リスクや歯周病リスク等)から別途評価基準を定め判断する。
次に、「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」は、ユーザの歯磨ブラッシングを改善するための情報である。具体的には、「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」には、ユーザによる歯のブラッシングの現状を考慮した場合に最適と推察できる、下記(1)〜(6)の情報や提案内容が含まれる。
(1)ユーザの口腔ケアに適した歯ブラシの提案。(2)ユーザの口腔ケアに適した食生活やライフスタイルについての提案(食品表品の提案も含む)。(3)歯石除去、フッ素塗布、定期歯科検診、ブラッシング指導等の提案。(4)医療機関の紹介。(5)口腔衛生の向上を目的とした会員制クラブへの入会紹介。(6)推奨する口腔ケアの提案。
「(6)推奨する口腔ケアの提案」には、歯磨きする時期、回数、歯間清掃具の併用、その歯間清掃具の種類等が含まれる。具体的には、サービス提供部611は、例えば口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶されている口腔ケアサポート情報を参照し、そのユーザの第二歯磨行動情報から清掃不良の部位を判別し、その判別結果に対応して予め設定された歯間清掃具の選択ルールに基づいて、例えば歯間が清掃不良であった場合は歯間ブラシ、奥歯の裏側などの磨きにくい位置の清掃不良ではシングルタフトブラシなど、清掃不良部位の清掃に適した清掃具を提案する。
サービス提供部611は、他の情報(1)〜(5)についても、例えば上述の「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」を取得し、その推定結果から得られる現状の口腔衛生状態に基づいて、予め設定された選択ルールに従って、そのユーザに提供するべき情報を選択又は生成する。
「ユーザに適した口腔ケア方法を示す情報」の提供サービスの好ましい実施態様は、以下のようなものである。すなわち、サービス提供部611は、上述の「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」を取得し、そのユーザ毎の推定結果から得られる現状の口腔衛生状態及び将来のリスクの情報に基づき、提供すべき情報の選定を行う。例えば、疾患の罹患率は若年層ではう蝕が多く、高齢者ではう蝕に加えて歯周疾患の罹患や歯牙の喪失が生じる。
各疾患についてはその発生部位も統計的な観点で推測できることから、ただ単に「歯をよく磨きましょう」という助言ではなく、ユーザ毎に「第1大臼歯と第2大臼歯の歯間部と第3大臼歯の奥を意識して清掃しましょう。歯間部の清掃には普通の歯ブラシだけでは十分に清掃できないので、シングルタフトブラシタイプの清掃具を併用することをお勧めします。」とか、「歯周疾患のリスクがあるので歯間ブラシタイプの清掃具を使用することをお勧めします。」等、より具体的な内容の助言をユーザ毎にすることができる。
また、口腔に関する悩みに対してその解消方法を提案する。各提案は、提案する時点で最も重要な項目だけに止め、出来る限りシンプルな提案内容とすることが好ましい。その理由は、対処が1アクションであればユーザが実行し易いという点や事業者にとっては、少しずつ情報を提供することにより、ユーザが常に新鮮な印象を以て提供情報に接することができ、かつネタ切れになり難いメリットがある。
上記(2)の食生活についての提案についても、上述の「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」により得られたユーザ毎の推定結果を活用することが好ましい。例えば、幼児〜児童期や中高年においては、咀嚼力を鍛えることが歯の健康や全身の健康の向上に寄与し得るため、咀嚼を必要とする食材を使用したメニューや非う蝕糖を用いたグミ等の嗜好品を、推奨理由と合わせて提案することが好ましい。サービス提供部611は、ユーザの口腔ケアの実態から、改善すべき項目があれば提案する。
「推奨商品情報」は、上述の「(6)推奨する口腔ケアの提案」における歯間清掃具の種類等の提案と同様であるのでその説明を省略する。
「提供できるサービスの内容紹介情報」は、サービス提供部611が実行可能な、情報提供サービス、商品購入告知サービス、商品購入サービス、歯磨きブラッシングトレーニングサービス、健康管理サービス、及び見守りサービス等のサービスについて、その詳細な内容をユーザに説明するための情報である。
「口腔ケア啓蒙情報」は、口腔ケアを啓蒙するための情報であり、例えば下記(1)〜(3)の情報を含んでいる。具体的には、(1)最新の口腔ケア研究成果の紹介、(2)歯科医師会の推奨するイベントに関する情報の提供、(3)フィールド調査結果の紹介、を含んでいる。
歯科医師会の推奨するイベントとしては、例えば、「歯と口の健康習慣(6月4日〜6月10日)」、「いい歯の日(11月8日)」、「全国歯科保健大会」などがある。
「広告宣伝」は、事業者の企業ポリシー、ブランド、商品、サービス、物品の提供など、事業者の意思により選定された、広告宣伝に関する情報である。サービス提供部611は、例えば、口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶されている口腔ケアサポート情報及びユーザ属性情報に基づいて、各ユーザが興味を持ちそうな情報やユーザ属性情報に合わせて興味を生じさせる工夫を施した情報で構成された企画情報、販促キャンペーンの告知、企業PR、ブランドポリシー、商品の技術的特徴、口腔ケアに関する企業のイベント紹介、口腔衛生の向上を目的とした会員制クラブの紹介、といった情報を取得し、ユーザ宛情報として送信する。
具体的には、サービス提供部611は、ユーザ属性情報、特にユーザの年齢、性別、居住地域を加味して、ユーザへ提供する「広告宣伝」に係る情報の選定を行うことが好ましい。単なる広告にならないように、ユーザがメリットを享受できる内容や興味を引く内容の情報を選定することが好ましい。広告アピールとしては、個々の商品の紹介でもよいが、「ブランドや商品シリーズの特徴、訴求点」や「ポイントとなる原料や素材の説明」等を、「ユーザの口腔衛生状態の現状に関する情報」と関連させて提供することが好ましい。
なお、サービス提供部611は、ユーザ属性情報に基づいて、例えばユーザのバイオリズム、星座占い、四柱推命などの占いサービスや、その他ユーザの嗜好に適合した情報提供を行うようにしてもよい。
次に、「商品購入告知サービス」について説明する。「商品購入告知サービス」は、歯ブラシ4、及び歯ブラシ用アタッチメント2の消耗品(例えば電池)について、交換時期が近いことをユーザに告知するサービスである。
「商品購入告知サービス」を実行する場合、サービス提供部611は、例えば歯ブラシ用アタッチメント2については、歯ブラシ用アタッチメント2の出力データに関する情報を無線端末装置3から受信し、その出力データから交換時期を判断する。そして、サービス提供部611は、交換時期になったと判断した場合、歯ブラシ用アタッチメント2の電池を交換すべき旨の情報を無線端末装置3へ送信し、タッチパネルディスプレイ32に表示させる。
また、例えば歯ブラシ4については、サービス提供部611は、例えば第二歯磨行動情報に含まれるユーザの歯磨き時間を積算し、その歯磨き時間の累積時間が予め設定された判定時間以上になった場合に、歯ブラシ4を交換すべき旨の情報を無線端末装置3へ送信し、タッチパネルディスプレイ32に表示させる。歯ブラシ4の交換時期の判断には、ユーザによる歯ブラシの購入情報を加味してもよい。
なお、「商品購入告知サービス」は、サーバ装置6ではなく無線端末装置3で実行する構成としてもよい。
次に、「商品購入サービス」について説明する。「商品購入サービス」は、ユーザに対して口腔ケア商品の購入を案内し、ユーザが1回の簡便な操作で商品を購入出来るようにするサービスである。
「商品購入サービス」を実行する場合、サービス提供部611は、上述の「(6)推奨する口腔ケアの提案」と同様の方法により、そのユーザの歯磨き行動に適した口腔ケア商品を選択する。そしてサービス提供部611は、その選択された口腔ケア商品の名称、ブランド名、型式等を示す商品情報を、図10に示すステップS11においてサービス情報として送信することにより、図11に示す案内画面G1において、ボタンB11〜B16として、その商品情報を表示させる。
サービス提供部611は、ユーザが「商品購入サービス」で商品を購入した場合、その購入商品を示す情報をそのユーザの識別情報と対応付けて口腔ケアサポート情報記憶部63の口腔ケアサポート情報に記憶させる。そして、そのユーザが再び「商品購入サービス」を利用した際、サービス提供部611は、直近にそのユーザが購入した商品の情報を商品情報に含ませてサービス情報として送信する。
また、ユーザが予め購入したい商品の情報を設定し、口腔ケアサポート情報記憶部63の口腔ケアサポート情報に含ませて記憶させる構成としてもよい。この場合、そのユーザが「商品購入サービス」を利用した際、サービス提供部611は、ユーザが予め記憶させた商品の情報を商品情報に含ませてサービス情報として送信する。
なお、商品情報には、サービス提供部611によって選択された商品、直近にそのユーザが購入した商品、及びユーザが設定した商品のうち少なくとも一つが含まれていればよい。
ユーザは、案内画面G1において、購入したい口腔ケア商品に対応するボタンBをタッチする一回の操作を行うだけで、ステップS14で、その口腔ケア商品を購入する実行指示が送信され、ステップS15においてサービス提供部611によって、その口腔ケア商品の発注処理が実行される。商品の発注は、例えば外部の他の事業者が運営するサーバ装置に対して実行されてもよい。
これにより、ユーザは、タッチパネルディスプレイ32を一回タッチするだけの一回の簡便な操作で、自分の歯磨き行動に適した、又は自分の所望する口腔ケア商品を購入することが出来る。
なお、ステップS12において、報知処理部345が情報受信を示す情報を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する代わりに、通信処理部341がサービス情報を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信してもよい。そして、サービス情報を受信した歯ブラシ用アタッチメント2では、サービス情報を液晶表示器211に表示させ、発光ボタンスイッチ212,213,214のいずれかが押下される一回の操作が行われた場合に、その押下された発光ボタンスイッチに対応する商品の購入を実行する実行指示が、歯ブラシ用アタッチメント2から無線端末装置3を介してサーバ装置6へ送信されてもよい。
液晶表示器211の表示と発光ボタンスイッチ212,213,214との対応は、例えば1,2,3の番号を付してサービス情報を液晶表示器211に表示させ、発光ボタンスイッチ212,213,214の近傍に1,2,3の番号を記載しておき、サービス情報の番号に対応する番号の発光ボタンスイッチを押下することで、その対応する商品が購入されるようにすることができる。
これにより、ユーザは、無線端末装置3を操作しなくても、歯ブラシ用アタッチメント2の1回の操作で口腔ケア商品を購入することができる。
次に、「歯磨きブラッシングトレーニングサービス」について説明する。「歯磨きブラッシングトレーニングサービス」は、サービス提供部611が、歯磨きの頻度、清掃部位の偏り(癖)、ブラッシング圧、ブラッシング時間、ブラッシング方法(テクニック)等の項目について、現状のランク等により清掃達成度を算出し、その達成度を無線端末装置3へ送信してタッチパネルディスプレイ32に表示させ、さらに例えば最も改善すべき項目について、具体的な改善方法を示す情報を無線端末装置3へ送信してタッチパネルディスプレイ32に表示させるサービスである。
清掃達成度の算出方法としては、上述の第二歯磨行動情報の解析方法によるランク付けや点数付けを用いることができる。「歯磨きブラッシングトレーニングサービス」によりタッチパネルディスプレイ32に表示される情報は、例えば以下のようなものである。
「[XXX様の歯磨きカルテ]
・現時点での歯磨きポイント(ランキング)・・・70点(ランクB)
ポイントアップ(ランクアップ)のためのアドバイス
・歯の裏側を磨く時間が少ないので、よく磨くように心がけましょう。
・歯ブラシを大きく動かしすぎることがあります。毛先が動く程度で十分です。詳しくは、右動画アイコン1をタッチして、動画をご覧ください。・・・[動画アイコン1]
・歯ブラシの使い方について、確認してみましょう。詳しくは、右動画アイコン2をタッチして、動画で確認してください。・・・[動画アイコン2]
・次のグラフアイコンをタッチすると、最近の歯磨きポイント(ランキング)の状況を示すグラフが表示されます。・・・[グラフアイコン] 」
以上のような表示メッセージは、例えば第二歯磨行動情報を解析することにより得られることが想定される種々の解析結果に対応づけて、予め口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶されている。
次に、「健康管理サービス」について説明する。「健康管理サービス」は、例えば血圧や血糖値など、毎日決まった時間に継続的に測定する必要があるバイタルデータを、日常の歯磨き時に自動的に測定し、無線端末装置3又はサーバ装置6にそのデータを蓄積し、管理するサービスである。
上述の通り、ユーザのバイタルデータは、歯ブラシ4が取り付けられた歯ブラシ用アタッチメント2を手に持って歯磨きをする都度、歯ブラシ用アタッチメント2によって測定され、サーバ装置6の口腔ケアサポート情報記憶部63に口腔ケアサポート情報として記憶される。
「健康管理サービス」を実行する場合、サービス提供部611は、例えば下記のような管理を実行する。サービス提供部611は、口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶されたバイタルデータを、例えばRTCで得られた日付情報に基づき、週単位、又は月単位で履歴レポートとして無線端末装置3へ送信し、タッチパネルディスプレイ32で表示させる。また、サービス提供部611は、履歴レポートの送信に付随して健康指導のメッセージを送信したり、バイタルデータに異常値が生じた場合、あるいはその異常値が所定期間継続した場合にユーザに警告するための警告情報を送信したりすることで、タッチパネルディスプレイ32に健康指導メッセージや警告を表示させる。
サービス提供部611は、例えば脈拍データや発汗量のデータ等から心理状態の推定を行ったり、歯磨き行動や口腔ケア商品使用によるメンタル面での変動を把握したりすることができる。また、サービス提供部611は、血圧、血流、心電データ、飽和酸素濃度、血糖等のデータを蓄積し、その変動を監視することで、ユーザの健康管理関連の各種解析を実行してもよい。サービス提供部611は、これらの推定、把握、解析の結果を無線端末装置3へ送信し、タッチパネルディスプレイ32で表示させてもよい。
その他、サービス提供部611は、バイタルデータの解析結果に基づいて、心理状態の推測結果やアドバイス、あるいは医療機関への受診の助言や医療機関の紹介などの情報を、無線端末装置3へ送信してタッチパネルディスプレイ32で表示させてもよい。
次に、「見守りサービス」について説明する。「見守りサービス」は、ユーザの歯磨き行動から、ユーザの行動パターンの異常を検出し、異常が生じた場合に予め設定された連絡先やセキュリティサービスを提供する業者に異常を連絡するサービスである。「見守りサービス」は、一度「見守りサービス」を示すボタンB16がタッチされて実行が開始されると、継続的に実行され続ける。
近年、高齢化社会の進展や高齢者の一人暮らしが増加しており、高齢者や一人暮らしの人等の安否を日々確認することの重要性が高まっている。一方、歯磨きは、一般的には、日常習慣的に行われる習慣行動であり、一般的なユーザは、毎日少なくとも1回は歯磨きを行う。しかしながら、ユーザの心身の健康が損なわれると、歯磨きが行われなくなる。そこで、上述したように、第二歯磨行動情報生成部347が歯磨き時刻を第二歯磨行動情報に含めるようにしておく。これにより、各ユーザの歯磨き行動の頻度や時間帯を解析可能な情報が、ユーザ毎に口腔ケアサポート情報記憶部63に累積記憶される。
「見守りサービス」を実行する場合、サービス提供部611は、例えば口腔ケアサポート情報記憶部63に記憶された第二歯磨行動情報に基づいて、ユーザの日々の歯磨き時刻を取得し、この歯磨き時刻から、ユーザ毎の日常の歯磨き頻度や歯磨きする時間帯を生活パターン情報として取得する。サービス提供部611は、この生活パターン情報を基準として、日々の第二歯磨行動情報の異常を判定し、異常と判定された場合に予め設定された連絡先やセキュリティサービスを提供する業者へ、異常発生を示す安否異常情報を送信する。サービス提供部611は、第二歯磨行動情報が異常と判定された場合、安否異常情報を送信する他、ユーザの現状を把握するための処理や、必要とされる処理を実行するようにしてもよい。
ユーザの安否確認を行う方法としては、従来、ユーザの住居に人感センサなどを設置してユーザの動きを検知することが行われているが、人感センサは高価である。一方、口腔ケアサポートシステム1によれば、上述の様な口腔ケアをサポートするためのシステムを用いて、人感センサなど安否確認のための装置を別途設けることなく安否確認を行うことが出来るので、安否確認のためのコストを低減することが出来る。また、歯磨き行動は、毎朝行われることが多いので、「見守りサービス」によれば、朝、すなわち1日の早い時間帯に安否の異常を検出することが可能となり、ユーザの安否の異常を早期発見することが容易となる。