JP6548582B2 - 電力変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電力を異なる値の直流電力に変換する電力変換器に関する。
架線から直流電力を取り入れて動作する鉄道車両(電気車)には、一般的に、架線電圧の急変への対策として、補助電源装置への入力電力を安定化する直流−直流電力変換器(以下、電力変換器と称する)が搭載されている。このような電力変換器として、非特許文献1には、直並列連続切り替えチョッパ(SPCH:Serial−Parallel Continuously Regulated Chopper)が記載されている。
図8は、上述した直並列連続切り替えチョッパである電力変換器10aの構成を示す回路図である。
図8に示す電力変換器10aは、スイッチング素子101〜104と、コンデンサ105,107と、負荷106,108と、インダクタ109,110とを備える。
スイッチング素子101〜104はそれぞれ、オンオフ可能なIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子とダイオードとが逆並列接続されて構成される。
スイッチング素子101(第1のスイッチング素子)とスイッチング素子103(第3のスイッチング素子)とは直列に接続され、レグ113(第1のレグ)を構成する。スイッチング素子102(第2のスイッチング素子)とスイッチング素子104(第4のスイッチング素子)とは直列に接続され、レグ114(第2のレグ)を構成する。
レグ113には、コンデンサ105(第1のコンデンサ)と負荷106(第1の負荷)とが並列に接続される。また、レグ114には、コンデンサ107(第2のコンデンサ)と負荷108(第2の負荷)とが並列に接続される。負荷106,108はそれぞれ、例えば、コンデンサと抵抗とが並列に接続された抵抗負荷、インバータなどであるが、これらに限られるものではない。
スイッチング素子103のスイッチング素子101と接続されていない端と、スイッチング素子102とスイッチング素子104との接続点との間には、インダクタ109(第1のインダクタ)が接続される。また、スイッチング素子101とスイッチング素子103との接続点と、スイッチング素子104のスイッチング素子102と接続されていない端との間には、インダクタ110(第2のインダクタ)が接続される。
スイッチング素子101のスイッチング素子103と接続されていない端と、スイッチング素子102のスイッチング素子104と接続されていない端との間には、直流電源20が接続される。なお、直流電源20は、電力変換器10aが電気車に搭載される場合には、架線に相当する。
以下では、直流電源20の電源電圧をE、インダクタ109に流れる電流をIL1、インダクタ110に流れる電流をIL2、コンデンサ105の電圧をVC1、コンデンサ107の電圧をVC2、負荷106への出力負荷電流をIout1、負荷108への出力負荷電流をIout2と定義する。また、以下では、コンデンサ105のキャパシタンスをC1、コンデンサ107のキャパシタンスをC2、インダクタ109のインダクタンスをL1、インダクタ110のインダクタンスをL2と定義する。
1=L2=L、C1=C2=C、IL1=IL2=IL、VC1=VC2=VC、Iout1=Iout2=Ioutと設定すると、図8に示す電力変換器10aにおいては、以下の式(1)により決定される値D1,D2をそれぞれ、スイッチング素子101,102のデューティー比(通流率)を制御するデューティー指令値として、スイッチング素子101〜104のスイッチングが制御される。
Figure 0006548582
森 雄生、中村 将之、牧島 信吾、上園 恵一「直並列連続切替チョッパにおける不平衡出力時の動作および基本特性の実験検証」、平成26年電気学会産業応答部門大会、No.1−22,pp.I−127−I−130,2014年8月
鉄道車両用電源システムでは、高周波の電磁波ノイズによる影響(EMI(Electro−Magnetic Interference)影響)を低減するために、架線と電力変換器との間に、LCフィルタが設けられることが多い。
上述した非特許文献1においては、電力変換器10aが備えるインダクタおよびコンデンサによる共振を抑制する方法について提案されている。しかしながら、EMI影響の低減のためにLCフィルタを備えた電力変換器においては、LCフィルタによる共振と、電力変換器内のLC成分による共振という二重共振が発生することから、システムが複雑となり、EMI影響を低減しつつ、共振を抑制することが困難であった。非特許文献1においても、LCフィルタを備えた電力変換器EMI影響を低減しつつ、システムにおける共振を抑制する方法については検討されていない。
本発明の目的は、上述した課題を解決し、EMI影響を低減しつつ、システムにおける共振を抑制することができる電力変換器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電力変換器は、第1のスイッチング素子と第3のスイッチング素子とを直列接続した第1のレグと、前記第1のレグと並列接続された第1のコンデンサおよび第1の負荷と、第2のスイッチング素子と第4のスイッチング素子とを直列接続した第2のレグと、前記第2のレグと並列接続された第2のコンデンサおよび第2の負荷と、前記第3のスイッチング素子の前記第1のスイッチング素子と接続されていない端と、前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子との接続点との間に接続された第1のインダクタと、前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子との接続点と、前記第4のスイッチング素子の前記第2のスイッチング素子と接続されていない端との間に接続された第2のインダクタと、前記第1のスイッチング素子の前記第3のスイッチング素子と接続されていない端と、前記第2のスイッチング素子の前記第4のスイッチング素子と接続されていない端とに接続された第3のコンデンサと、前記第1のスイッチング素子の前記第3のスイッチング素子と接続されていない端と一端が接続された第3のインダクタとを備え、前記第3のインダクタの他端と前記第2のスイッチング素子の前記第4のスイッチング素子と接続されていない端との間に直流電源が接続された電力変換器であって、前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された前記第1のコンデンサに流れる電流から高周波信号を取り除き、所定の値を乗算した信号を、前記第1の負荷に対する出力電圧指令に加算した第1の補正出力電圧指令と、前記電流検出部により検出された前記第2のコンデンサに流れる電流から高周波信号を取り除き、所定の値を乗算した信号を、前記第2の負荷に対する出力電圧指令に加算した第2の補正出力電圧指令とに基づき、前記第1から第4のスイッチング素子のスイッチングを制御する制御部と、を備える。
また、本発明に係る電力変換器において、前記制御部は、前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流の高周波成分を取り除く低域通過フィルタを備え、前記低域通過フィルタの遮断周波数は、前記第3のインダクタのインダクタンスをLfとし、前記第3のコンデンサのキャパシタンスをCfとし、前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタのインダクタンスをLとし、前記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサのキャパシタンスをCとし、前記第1のスイッチング素子を制御するデューティー指令値および前記第2のスイッチング素子を制御するデューティー指令値をDとし、sをラプラス演算子とした場合に、以下の式(1)において、分母をゼロとして根を算出して求められる前記電力変換器における最大共振周波数に基づき決定されることが望ましい。
Figure 0006548582
また、本発明に係る電力変換器において、前記制御部は、前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流から高周波成分が取り除かれた信号をK倍する乗算部を備え、前記第1の補正出力電圧指令および前記第2の補正出力電圧指令は、前記乗算部により前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流から高周波成分が取り除かれた信号がK倍された信号をそれぞれ、前記第1の補正出力電圧指令と、前記第2の補正出力電圧指令とに加算することで生成され、前記第3のインダクタのインダクタンスをLfとし、前記第3のコンデンサのキャパシタンスをCfとし、前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタのインダクタンスをLとし、前記第1のコンデンサおよび第2にコンデンサのキャパシタンスをCとし、前記第1のスイッチング素子を制御するデューティー指令値および前記第2のスイッチング素子を制御するデューティー指令値をDとし、Tを定数とし、共振減衰率をζとすると、以下の式(2)に従って、Kが決定されることが望ましい。
Figure 0006548582
本発明に係る電力変換器によれば、EMI影響を低減しつつ、システムにおける共振を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る電力変換器の構成を示す回路図である。 図1に示す電流検出部の構成の一例を示す図である。 図1に示す制御部の構成を示す図である。 本発明を適用しない場合のIL/Iout伝達関数のボード線図である。 本発明を適用した場合のIL/Iout伝達関数のボード線図である。 本発明を適用しない場合のコンデンサ電圧Vcfを示す図である。 本発明を適用した場合のコンデンサ電圧Vcfを示す図である。 従来の電力変換器の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力変換器10の構成を示す図である。図1において、図8と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
図1に示す電力変換器10は、直流電力を異なる値の直流電力に変換するものであり、図8に示す電力変換器10aと比較して、コンデンサ115(第3のコンデンサ)、インダクタ116(第3のインダクタ)、電流検出部120および制御部130を追加した点が異なる。
コンデンサ115は、スイッチング素子101のスイッチング素子103と接続されていない端と、スイッチング素子102のスイッチング素子104と接続されていない端とに接続される。
インダクタ116は、一端がスイッチング素子101のスイッチング素子103と接続されていない端と接続され、他端が直流電源20と接続される。すなわち、インダクタ116は、直流電源20とスイッチング素子101のスイッチング素子103と接続されていない端との間に接続されている。
コンデンサ115およびインダクタ116は、LCフィルタ117を構成し、直流電源20(架線)からの入力電圧を平滑化するために設けられている。
コンデンサ115のキャパシタンスをCf、インダクタ116のインダクタンスをLf、コンデンサ115の電圧をVCf、インダクタ116に流れる電流をILfと定義すると、LCフィルタ117の共振周波数f1は式(2)より算出することができる。なお、式(2)において、sはラプラス演算子である。
Figure 0006548582
電流検出部120は、コンデンサ105へ流れ込む電流IC1およびコンデンサ107へ流れ込む電流IC2を検出し、検出結果を制御部130に出力する。電流検出部120による電流IC1および電流IC2の検出方法としては、電流センサを用いて直接、電流IC1および電流IC2を検出する方法と、コンデンサ105の電圧VC1およびコンデンサ107の電圧VC2を検出し、検出した電圧VC1および電圧VC2から電流IC1および電流IC2を検出(算出)する方法とがある。
制御部130は、電流検出部120により検出された電流IC1および電流IC2などに基づき、スイッチング素子101〜104それぞれを制御するPWM制御信号S1〜S4を、各スイッチング素子101〜104に出力する。
上述したように、LCフィルタ117を備えた電力変換器10においては、LCフィルタ117による共振と、電力変換器10内のLC成分(インダクタ109,110およびコンデンサ105,107)による共振という二重共振が発生する。以下では、LCフィルタ117を備えた電力変換器10における共振周波数(システム全体の共振周波数)の算出について説明する。
LCフィルタ117を備えない、図8に示す電力変換器10aの状態空間方程式は以下の式(3)となる。なお、式(3)において、Dはスイッチング素子101,102のデューティー比(通流率)を制御するデューティー指令値である。
Figure 0006548582
式(3)のILおよびVcそれぞれについての伝達関数は以下の式(4)、(5)となる。
Figure 0006548582
ここで、LCフィルタ117を備える電力変換器10の場合、LCフィルタ117のインダクタンス誘導電圧を引いて、式(4)は以下の式(6)となる。式(5)はそのままである。
Figure 0006548582
一方、LCフィルタ117の伝達関数は以下の式(7)、(8)となる。
Figure 0006548582
上述した式(5)〜式(8)を用いて、電力変換器10全体のシステムのIL/(E,Iout)伝達関数を算出すると、以下の式(9)となる。
Figure 0006548582
式(9)において、分母=0として根をとると、以下の式(10)となる。
Figure 0006548582
式(10)から得られる4つの複素解は共役複素数であるため、式(10)より電力変換器10全体の共振周波数として2つの共振周波数を求めることができる。なお、式(10)において、共振周波数は、Dの増加に伴って、小さくなるものとした。
したがって、コンデンサ105,107,115のキャパシタンス、インダクタ109,110,116のインダクタンス、デューティー指令値D1,D2などを設定することで、電力変換器10全体の共振周波数を算出することができる。
次に、電流検出部120の構成について説明する。なお、以下では、電流検出部120は、コンデンサ105,107の電圧VC1,VC2からから電流IC1,IC2を検出(算出)するものとする。
図2は、電流検出部120の構成を示す図である。
図2に示す電流検出部120は、遅延部(Z-1)121,122と、減算器123,124と、演算部125,126とを備える。
電流検出部120には、所定の周期で、コンデンサ105,107の電圧VC1,VC2の検出結果が入力される。
遅延部121は、コンデンサ105の電圧VC1の検出結果が入力され、入力された電圧VC1の検出結果を1周期分だけ遅延させて、減算器123に出力する。遅延部122は、コンデンサ107の電圧VC2の検出結果が入力され、入力された電圧VC2の検出結果を1周期分だけ遅延させて、減算器124に出力する。
減算器123は、今回の周期における電圧VC1から遅延部121より出力された電圧VC1(1周期前の電圧VC1)を減算して得られる差分ΔVC1を演算部125に出力する。減算器124は、今回の周期における電圧VC2から遅延部122より出力された電圧VC2(1周期前の電圧VC2)を減算して得られる差分ΔVC2を演算部126に出力する。
演算部125は、以下の式(11)に基づき、コンデンサ105に流れる電流IC1を算出する。すなわち、演算部125は、減算器123から出力された差分ΔVC1にC1を乗算し、その乗算値をスイッチング素子101〜104のPWM制御におけるキャリア周期TPWMで除算することで電流IC1を算出する。
Figure 0006548582
また、演算部126は、以下の式(12)に基づき、コンデンサ107に流れる電流IC2を算出する。すなわち、減算器124から出力された差分ΔVC2にC2を乗算し、その乗算値をスイッチング素子101〜104のPWM制御におけるキャリア周期TPWMで除算することで電流IC2を算出する。
Figure 0006548582
演算部125,126はそれぞれ、算出した電流IC1,IC2を制御部130に出力する。
なお、上述したように、電流検出部120は、電流センサを用いて直接、電流IC1,IC2を検出してもよい。
次に、制御部130の構成について、図3を参照して説明する。
図3に示す制御部130は、低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)131,132と、比例部133,134(乗算部)と、加算器135,136と、演算部137と、制御信号発生器138とを備える。
制御部130には、コンデンサ105,107に流れる電流IC1,IC2の検出結果が電流検出部120から入力される。また、制御部130には、負荷106に対する出力電圧を指示する出力電圧指令VC1_REFと、負荷108に対する出力電圧を指示する出力電圧指令VC2_REFと、直流電源20の電圧Eとが入力される。
LPF131は、電流IC1が入力され、電流IC1から高周波数成分を取り除いた信号LPF[IC1]を生成し、比例部133に出力する。LPF132は、電流IC2が入力され、電流IC2から高周波数成分を取り除いた信号LPF[IC2]を生成し、比例部134に出力する。
比例部133は、LPF131から出力された信号LPF[IC1]をK倍(K<1)した信号VVR1を加算器135に出力する。比例部134は、LPF132から出力された信号LPF[IC2]をK倍した信号VVR2を加算器136に出力する。
加算器135は、出力電圧指令VC1_REFが入力され、入力された出力電圧指令VC1_REFと比例部133から出力された信号VVR1とを加算して補正出力電圧指令VC1_REF’(第1の補正出力電圧指令)を生成し、生成した補正出力電圧指令VC1_REF’を演算部137に出力する。
加算器136は、出力電圧指令VC2_REFが入力され、入力された出力電圧指令VC2_REFと比例部134から出力された信号VVR2とを加算して補正出力電圧指令VC2_REF’(第2の補正出力電圧指令)を生成し、生成した補正出力電圧指令VC2_REF’を演算部137に出力する。
演算部137は、加算器135から出力された補正出力電圧指令VC1_REF’と、加算器136から出力された補正出力電圧指令VC2_REF’と、直流電源20の電圧Eとに基づき、デューティー指令値D1,D2を算出する。具体的には、演算部137は、以下の式(13)に基づきデューティー指令値D1を算出し、式(14)に基づきデューティー指令値D2を算出する。
Figure 0006548582
演算部137は、算出したデューティー指令値D1,D2を制御信号発生器138に出力する。
制御信号発生器138は、演算部137から出力されたデューティー指令値D1,D2とキャリア信号(三角波キャリア信号)とを比較して、スイッチング素子101〜104を制御するためのPWM制御信号S1〜S4を生成し、各スイッチング素子101〜104に出力する。
このように、制御部130は、電流IC1から高周波信号を取り除き、所定の値Kを乗算した信号VVR1を出力電圧指令VC1_REFに加算した補正出力電圧指令VC1_REF’と、電流IC2から高周波信号を取り除き、所定の値(K)を乗算した信号VVR2を出力電圧指令VC2_REFに加算した補正出力電圧指令VC2_REF’とに基づき、スイッチング素子101〜104のスイッチングを制御する。
電流IC1,IC2から高周波信号を取り除くことで、高周波成分によるEMI影響を低減することができる。また、所定の値Kを乗算することで、共振成分を抑制することができる。したがって、出力電圧指令VC1_REF,VC2_REFに信号VVR1,VVR2を加算した補正出力電圧指令VC1_REF’,VC2_REF’に基づき、スイッチング素子101〜104のスイッチングを制御することで、EMI影響を低減しつつ、システム(LCフィルタ117を備えた電力変換器10)における共振を抑制することができる。
次に、LPF131,132の遮断周波数について説明する。
上述したように、式(10)に基づき、システム(電力変換器10)全体における共振周波数として、2つの共振周波数が求められる。本実施形態においては、LPF131,132の遮断周波数は、式(10)に基づき算出される共振周波数のうち、最大の共振周波数FMAXよりも大きくする。すなわち、LPF131,132の伝達関数LPFは、以下の式(15)、式(16)に基づき設定することができる。
Figure 0006548582
式(10)において、C,Cf,L,Lfなどの値を設定すれば、共振周波数FMAXを求めることができる。したがって、式(15)における係数Tは定数として扱うことができる。
LPF131,132の遮断周波数を高くし過ぎると、高周波帯域でのノイズを悪化させてしまうことがある。本実施形態のように、式(15)、(16)を用いてLPF131,132を設計することで、共振を抑制しつつ、高周波帯域でのノイズの悪化も抑制することができる。
次に、Kの値について説明する。
上述したLPF131,132による高周波成分の除去、および、比例部133,134によるK倍処理を考慮すると、式(6)は式(17)のようになる。
Figure 0006548582
式(17),(5),(7),(8)を用いて、IL/(E,Iout)伝達関数を求めると、以下の式(18)となる。
Figure 0006548582
式(18)において、sの3次以上の項は小さいため、ゼロと近似することができる。ここで、一般的な二次の伝達関数は、式(19)に示される。なお、式(19)において、ζは共振減衰率を示し、ωnは角周波数を示す。
Figure 0006548582
式(18)においてsの3次以上の項をゼロと近似した近似式と式(19)との比較により、Kは以下の式(20)で求めることができる。
Figure 0006548582
式(20)より、C,Cf,L,Lfなどの値を設定すればKの値を求めることができる。式(20)により求められるKの値を用いることで、Kの値を大きくするほど、共振を素早く抑制することができるが、高周波帯域での伝達関数のゲイン特性が悪くなってしまう。そのため、一般には、Kの値は、0.1Ω〜0.9Ω程度とすることが望ましい。
本発明による効果を、具体例を用いて説明する。
以下では、D=0.1、L=0.003H、C=0.001F、Lf=0.003H、E=600V、VC_REF=500Vであるとする。
図4は、本発明を適用しない場合(T=0、K=0)とした場合の、式(9)に示すIL/IOUT伝達関数のボード線図である。
本発明を適用しない場合、図4に示すように、183.2Hzと50.6Hzにおけるゲインが無限大となり、共振が抑制できていないことが分かる。
図5は、本発明において、K=0.5Ωとした場合の、式(18)に示すIL/IOUT伝達関数のボード線図である。なお、図5においては、LPF131,132による高周波成分の除去を行わない場合(破線)と、LPF131,132による高周波成分の除去を行う場合(実線)とを示している。
LPF131,132による高周波成分の除去を行わない場合、すなわち、T=0とした場合、図5に示すように、共振は抑制することができているが、高周波領域でのゲインが悪化している。
一方、LPF131,132による高周波成分の除去を行う場合、式(18)において、D=0とすると、最大共振周波数FMAXは199.6Hzとなるため、LPF131,132の遮断周波数は318Hzとした(すなわち、T=0.0005とした)。
この場合、図5に示すように、共振を抑制することができるとともに、2kHz以上の高周波領域でのゲインの悪化も抑制することができた。
図6は、本発明を適用しない場合のコンデンサ115の電圧VCfを示す図である。なお、図6においては、100kWの定電力負荷状態であるとする。
本発明を適用しない場合、図6に示すように、振幅が小さく、周波数が高い共振61と、振幅が大きく、周波数が低い共振62という2つの共振が同時に発生しており、これらの共振が減衰していないことが分かる。
一方、本発明を適用した場合、図7に示すように、時間の経過とともに共振が抑制されていることが分かる。
このように本実施形態によれば、電力変換器10は、スイッチング素子101とスイッチング素子103とを直列接続したレグ113と、レグ113と並列接続されたコンデンサ105および負荷106と、スイッチング素子102とスイッチング素子104とを直列接続したレグ114と、レグ114と並列接続されたコンデンサ107および負荷108と、スイッチング素子103のスイッチング素子101と接続されていない端と、スイッチング素子102とスイッチング素子104との接続点との間に接続されたインダクタ109と、スイッチング素子101とスイッチング素子103との接続点と、スイッチング素子104のスイッチング素子102と接続されていない端との間に接続されたインダクタ110と、スイッチング素子101のスイッチング素子103と接続されていない端と、スイッチング素子102のスイッチング素子104と接続されていない端とに接続されたコンデンサ115と、スイッチング素子101のスイッチング素子103と接続されていない端と一端が接続されたインダクタ116とを備え、インダクタ116の他端とスイッチング素子102のスイッチング素子104と接続されていない端との間に直流電源が接続されている。そして、電力変換器10は、コンデンサ105,106に流れる電流IC1,IC2を検出する電流検出部120と、電流検出部120により検出された電流IC1から高周波信号を取り除き、所定の値Kを乗算した信号VVR1を、レグ113の出力電圧指令VC1_REFに加算した補正出力電圧指令VC1_REF’と、電流検出部120により検出され電流IC2から高周波信号を取り除き、所定の値Kを乗算した信号VVR2を、レグ114の出力電圧指令VC1_REFに加算した補正出力電圧指令VC1_REF’とに基づき、スイッチング素子101〜104のスイッチングを制御する制御部130とを備える。
電流IC1,IC2から高周波信号を取り除くことで、高周波成分によるEMI影響を低減することができる。また、所定の値Kを乗算することで、共振成分を抑制することができる。したがって、出力電圧指令VC1_REF,VC2_REFに信号VVR1,VVR2を加算した補正出力電圧指令VC1_REF’,VC2_REF’に基づき、スイッチング素子101〜104のスイッチングを制御することで、EMI影響を低減しつつ、システム(LCフィルタ117を備えた電力変換器10)における共振を抑制することができる。
本発明を図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各ブロックなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数のブロックを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
10 電力変換器
20 直流電源
101,102,103,104 スイッチング素子
105,106,115 コンデンサ
106,108 負荷
109,110,116 インダクタ
113,114 レグ
120 電流検出部
121,122 遅延部
123,124 減算器
125,126 演算部
130 制御部
131,132 LPF
133,134 比例部
135,136 加算器
137 演算部
138 制御信号発生器

Claims (3)

  1. 第1のスイッチング素子と第3のスイッチング素子とを直列接続した第1のレグと、
    前記第1のレグと並列接続された第1のコンデンサおよび第1の負荷と、
    第2のスイッチング素子と第4のスイッチング素子とを直列接続した第2のレグと、
    前記第2のレグと並列接続された第2のコンデンサおよび第2の負荷と、
    前記第3のスイッチング素子の前記第1のスイッチング素子と接続されていない端と、前記第2のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子との接続点との間に接続された第1のインダクタと、
    前記第1のスイッチング素子と前記第3のスイッチング素子との接続点と、前記第4のスイッチング素子の前記第2のスイッチング素子と接続されていない端との間に接続された第2のインダクタと、
    前記第1のスイッチング素子の前記第3のスイッチング素子と接続されていない端と、前記第2のスイッチング素子の前記第4のスイッチング素子と接続されていない端とに接続された第3のコンデンサと、
    前記第1のスイッチング素子の前記第3のスイッチング素子と接続されていない端と一端が接続された第3のインダクタとを備え、
    前記第3のインダクタの他端と前記第2のスイッチング素子の前記第4のスイッチング素子と接続されていない端との間に直流電源が接続された電力変換器であって、
    前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部により検出された前記第1のコンデンサに流れる電流から高周波信号を取り除き、所定の値を乗算した信号を、前記第1の負荷に対する出力電圧指令に加算した第1の補正出力電圧指令と、前記電流検出部により検出された前記第2のコンデンサに流れる電流から高周波信号を取り除き、所定の値を乗算した信号を、前記第2の負荷に対する出力電圧指令に加算した第2の補正出力電圧指令とに基づき、前記第1から第4のスイッチング素子のスイッチングを制御する制御部と、を備えることを特徴とする電力変換器。
  2. 請求項1に記載の電力変換器において、
    前記制御部は、前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流の高周波成分を取り除く低域通過フィルタを備え、
    前記低域通過フィルタの遮断周波数は、前記第3のインダクタのインダクタンスをLfとし、前記第3のコンデンサのキャパシタンスをCfとし、前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタのインダクタンスをLとし、前記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサのキャパシタンスをCとし、前記第1のスイッチング素子を制御するデューティー指令値および前記第2のスイッチング素子を制御するデューティー指令値をDとし、sをラプラス演算子とした場合に、以下の式(1)において、分母をゼロとして根を算出して求められる前記電力変換器における最大共振周波数に基づき決定されることを特徴とする電力変換器。
    Figure 0006548582
  3. 請求項1または2に記載の電力変換器において、
    前記制御部は、前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流から高周波成分が取り除かれた信号をK倍する乗算部を備え、
    前記第1の補正出力電圧指令および前記第2の補正出力電圧指令は、前記乗算部により前記第1のコンデンサに流れる電流および前記第2のコンデンサに流れる電流から高周波成分が取り除かれた信号がK倍された信号をそれぞれ、前記第1の補正出力電圧指令と、前記第2の補正出力電圧指令とに加算することで生成され、
    前記第3のインダクタのインダクタンスをLfとし、前記第3のコンデンサのキャパシタンスをCfとし、前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタのインダクタンスをLとし、前記第1のコンデンサおよび第2にコンデンサのキャパシタンスをCとし、前記第1のスイッチング素子を制御するデューティー指令値および前記第2のスイッチング素子を制御するデューティー指令値をDとし、Tを定数とし、共振減衰率をζとすると、以下の式(2)に従って、Kが決定されることを特徴とする電力変換器。
    Figure 0006548582


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