以下、図面を参照しながら、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、適宜「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」)を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、各実施形態及び各変形例において説明する内容は、原則として、他の実施形態や他の変形例においても同様に適用することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石1と、傾斜磁場コイル2と、傾斜磁場電源3と、寝台4と、寝台制御部5と、送信コイル6と、送信部7と、受信コイル8と、受信部9と、シーケンス制御部10と、計算機20とを備える。なお、MRI装置100に、図1において点線の枠内に示す被検体P(例えば、人体)は含まれない。また、図1に示す構成は一例に過ぎない。例えば、シーケンス制御部10及び計算機20内の各部は、適宜統合若しくは分離して構成されてもよい。
静磁場磁石1は、中空の円筒形状(円筒の軸に直交する断面が楕円状となるものを含む)に形成された磁石であり、内部の空間に静磁場を発生する。静磁場磁石1は、例えば、永久磁石である。なお、静磁場磁石1は、超伝導磁石でもよい。静磁場磁石1が超伝導磁石である場合、MRI装置100は、図示しない静磁場電源を備え、この静磁場電源が、静磁場磁石1に電流を供給する。このとき、静磁場磁石1は、静磁場電源から電流の供給を受けて励磁する。また、静磁場電源は、MRI装置100とは別に備えられてもよい。
傾斜磁場コイル2は、中空の円筒形状(円筒の軸に直交する断面が楕円状となるものを含む)に形成されたコイルであり、静磁場磁石1の内側に配置される。傾斜磁場コイル2は、互いに直交するX、Y、及びZの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源3から個別に電流の供給を受けて、X、Y、及びZの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル2によって発生するX、Y、及びZの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Ge、及び読み出し用傾斜磁場Grである。傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2に電流を供給する。
寝台4は、被検体Pが載置される天板4aを備え、寝台制御部5による制御の下、天板4aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル2の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台4は、長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部5は、計算機20による制御の下、寝台4を駆動して天板4aを長手方向及び上下方向へ移動する。
送信コイル6は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、送信部7からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信部7は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル6に供給する。
受信コイル8は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、適宜「MR信号」)を受信する。受信コイル8は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信部9へ出力する。
なお、上述した送信コイル6及び受信コイル8は一例に過ぎない。送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、若しくは送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
受信部9は、受信コイル8から出力されるMR信号を検出し、検出したMR信号に基づいてMRデータを生成する。具体的には、受信部9は、受信コイル8から出力されるMR信号をデジタル変換することによってMRデータを生成する。また、受信部9は、生成したMRデータをシーケンス制御部10へ送信する。なお、受信部9は、静磁場磁石1や傾斜磁場コイル2等を備える架台装置側に備えられてもよい。
シーケンス制御部10は、計算機20から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源3、送信部7及び受信部9を駆動することによって、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信部7が送信コイル6に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信部9がMR信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御部10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
なお、シーケンス制御部10は、傾斜磁場電源3、送信部7及び受信部9を駆動して被検体Pを撮像した結果、受信部9からMRデータを受信すると、受信したMRデータを計算機20へ転送する。
計算機20は、MRI装置100の全体制御や、画像の生成等を行う。計算機20は、インタフェース部21と、画像生成部22と、記憶部23と、入力部24と、表示部25と、制御部26とを備える。
インタフェース部21は、シーケンス情報をシーケンス制御部10へ送信し、シーケンス制御部10からMRデータを受信する。また、インタフェース部21は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを記憶部23に格納する。記憶部23に格納されたMRデータは、制御部26によってk空間に配置される。この結果、記憶部23は、k空間データを記憶する。
画像生成部22は、k空間データを記憶部23から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、画像を生成する。
記憶部23は、インタフェース部21によって受信されたMRデータや、制御部26によってk空間に配置されたk空間データ、画像生成部22によって生成された画像データ等を記憶する。記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。
入力部24は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力部24は、例えば、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、キーボード等の入力デバイスである。表示部25は、制御部26による制御の下、各種GUI(Graphical User Interface)や、画像生成部22によって生成された画像等を表示する。表示部25は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
制御部26は、MRI装置100の全体制御を行い、撮像や画像の生成、画像の表示等を制御する。例えば、制御部26は、撮像条件の入力をGUI上で受け付け、受け付けた撮像条件に従ってシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部10へ送信する。例えば、制御部26は、ASIC、FPGA等の集積回路、CPU、MPU等の電子回路である。なお、制御部26は、後述するように、基準断面像の断面位置の変更を操作者に容易に行わせるための各部を備える。
ここで、第1の実施形態に係るMRI装置100による処理の概要を説明する。例えば、第1の実施形態では、1つの検査を行う際に、1つ以上のプロトコルが設定される。検査に対して設定されたプロトコルの集合(プロトコル群)が、検査プロトコルである。1つのプロトコルでは、例えば、1つのパルスシーケンスに応じた撮像が行われる。又は、1つのプロトコルでは、例えば、1つのパルスシーケンスに応じた撮像及び撮像データを用いた画像処理が行われる。
MRI装置100は、1つの検査プロトコルに含まれる1つ以上のプロトコルに従って各種の動作を行う。まず、イメージングスキャンにおける基準断面像の収集に先立ち、被検体によって異なる、対象部位(対象)の位置や角度等に応じた基準断面像の断面位置を設定する必要がある。そこで、例えば、MRI装置100は、マルチスライス像を収集する際の各種の撮像条件、及び、基準断面像の断面位置を検出する際の各種の条件等が定められたプロトコル(名称が「断面検出用プロトコル」であるプロトコル)に従って、マルチスライス像の収集及びマルチスライス像を用いた断面位置検出処理を行なう。なお、以下、名称が「断面検出用プロトコル」であるプロトコルのことを、単に、「断面検出用プロトコル」と称する。例えば、MRI装置100は、断面検出用プロトコルに従って、マルチスライス像を収集し、収集したマルチスライス像を記憶部23に格納する。そして、例えば、MRI装置100は、断面検出用プロトコルに従って、マルチスライス像から複数の基準断面像の断面位置を自動検出する。より詳細な例を挙げて説明すると、MRI装置100は、マルチスライス像から、対象部位に関する特徴部位を自動検出し、自動検出した特徴部位の位置を用いて断面位置を算出することにより、断面位置を自動検出する。例えば、MRI装置100は、14種類の基準断面像の断面位置を検出する。ここでいう14種類の断面像の断面位置とは、左室垂直長軸像、左室水平長軸像、左(右)室短軸像、左(右)室二腔長軸像、左(右)室三腔長軸像、左(右)室四腔長軸像、左(右)室流出路像、大動脈弁像、及び、肺動脈弁像のそれぞれの断面位置である。そして、例えば、MRI装置100は、自動検出した断面位置に基づいて複数の基準断面像を生成し、生成した複数の基準断面像が並んだ位置決め画面を表示する。このとき、MRI装置100は、基準断面像上に、対象部位に関する特徴部位の位置を示すマークや、この基準断面像の断面位置と他の基準断面像の断面位置とが交差する位置及び方向を示す交差線の位置及び方向を示すマークを表示する。ここで操作者は、位置決め画面上に表示された基準断面像を確認しながら、入力部24を操作して、特徴部位を示すマークの位置を変更することによって特徴部位の位置を変更させたり、交差線の位置及び方向を示すマークを変更することによって交差線の位置及び方向を変更させたりして、基準断面像の断面位置を変更することができる。このようにして、操作者は、位置決め画面上の基準断面像の確認及び変更を行うことができる。
なお、イメージングスキャンとは、例えば、主に診断に用いられる画像を収集するための撮像(「本撮像」等とも呼ばれる)であり、準備スキャンとは、例えば、典型的にはこのイメージングスキャンに先行して行われる撮像(「準備撮像」等とも呼ばれる)である。
また、1つの検査プロトコルには、例えば、イメージングスキャンを実行する際の撮影条件等が定められたプロトコルが少なくとも1つ以上含まれている。すなわち、1つの検査において、少なくとも1つ以上のイメージングスキャンが実行される。以下、対象部位が「心臓」である場合を例に挙げて説明するが、対象部位は「心臓」に限られない。心臓の左室系の心機能の検査においては、一例として、左室短軸像を収集するためのイメージングスキャン、左室二腔長軸像を収集するためのイメージングスキャン、左室三腔長軸像を収集するためのイメージングスキャン、左室四腔長軸像を収集するためのイメージングスキャンが実行される。また、例えば、心臓の右室系の検査においては、一例として、右室短軸像を収集するためのイメージングスキャン、右室二腔長軸像を収集するためのイメージングスキャン、右室三腔長軸像を収集するためのイメージングスキャン、右室四腔長軸像を収集するためのイメージングスキャンが実行される。すなわち、ある検査においてイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類は、その検査の目的に応じたものである。ここで、検査の目的に応じて、その目的を達成するために実施される検査の種類が異なることから、ある検査においてイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類は、その検査の種類に応じたものであるといえる。
なお、マルチスライス像とは、2Dシーケンスによって収集された複数のスライス像からなるデータである。マルチスライス像は、3次元データの一例である。なお、マルチスライス像に代えて、3Dシーケンスによって収集されたボリュームデータを用いることもできる。なお、ここでいう2Dシーケンスは、スライス方向に沿った1つ又は複数の位置について、位相エンコード方向及びリードアウト方向にエンコードを行うことで、2次元の断面画像を収集するパルスシーケンスである。また、3Dシーケンスは、位相エンコード方向及びリードアウト方向だけでなく、スライス方向にもエンコードを行うことで、3次元のボリュームデータを収集するパルスシーケンスである。また、上記2Dシーケンス、3Dシーケンスはリードアウト方向を様々な角度で収集するラジアルスキャンシーケンスでもよい。
そして、MRI装置100は、マルチスライス像から、自動検出した複数の断面位置に対応する複数の種類の基準断面像を生成する。例えば、MRI装置100は、上述の14種類の基準断面像を生成する。
ここで、ほとんどの検査において、医師や診療放射線技師等の操作者が位置決め画面上で観察する基準断面像(観察対象の基準断面像)の種類の数は、たかだか数種類である場合が多い。よって、ある検査において、基準断面像の位置決めのために、生成した全ての種類の基準断面像を表示部25に表示した場合には、検査との関係性が低いと考えられる観察対象でない基準断面像も表示されてしまい、検査との関係性が高いと考えられる観察対象の基準断面像と観察対象でない基準断面像とが混在して表示される。このため、操作者が、観察対象の基準断面像を観察することが困難となる場合がある。この場合には、操作者が、基準断面像の位置決めを容易に行うことができないことがある。
そこで、本実施形態に係るMRI装置100は、生成した基準断面像のうち、実施中の検査の種類に応じた種類の基準断面像が表示されるようなレイアウトの作成を支援する。そして、本実施形態に係るMRI装置100は、作成されたレイアウトを用いて、生成した基準断面像のうち、実施中の検査の種類に応じた種類の基準断面像を表示部25に表示させる。これにより、表示される基準断面像が観察対象の基準断面像に絞られる。このため、MRI装置100によれば、実施中の検査において観察対象の基準断面像を操作者に容易に観察させることができる。よって、MRI装置100によれば、基準断面像の位置決めを操作者に容易に行わせることができる。
そして、MRI装置100は、表示部25に表示された複数の基準断面像の断面位置の位置決めが完了すると、位置決めが完了された断面位置でのイメージングスキャンを実行する。
次に、本実施形態に係る制御部26の機能構成の一例について説明する。図2は、第1の実施形態に係る制御部26の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図2の例に示すように、制御部26は、受付部26aと、検出部26bと、表示制御部26cと、変更部26dとを備える。また、記憶部23は、レイアウトテーブル23aを記憶する。
受付部26aは、基準断面像の種類、サイズ及び配置を受け付け、受け付けた基準断面像の種類、サイズ及び配置を記憶部23に格納する。例えば、受付部26aは、基準断面像のサイズ、基準断面像の種類の組合せ、及び、基準断面像の配置を受け付ける画面を表示部25に表示させる。なお、基準断面像のサイズとは、例えば、基準断面像が表示される表示領域のサイズのことを指す。そして、受付部26aは、表示部25に表示された画面を介して基準断面像のサイズ、基準断面像の種類の組合せ、及び、基準断面像の配置を示すレイアウト情報を受け付ける。すなわち、レイアウト情報は、レイアウト(基準断面像のサイズ、基準断面像の種類の組合せ、及び、基準断面像の配置)が定義された情報である。そして、受付部26aは、受け付けたレイアウト情報をレイアウトテーブル23aに登録する。なお、レイアウトテーブル23aには、受付部26aにより複数のレイアウト情報が登録される。従って、レイアウトテーブル23aには、位置決め画面上に表示される基準断面像のレイアウトが定義されたレイアウト情報が複数登録される。レイアウトテーブル23aについては後述する。
検出部26bは、収集済みのデータ、例えば、マルチスライス像から、複数の断面位置を検出する。例えば、検出部26bは、準備スキャンにおいて収集され記憶部23に格納されたマルチスライス像を記憶部23から取得し、取得したマルチスライス像から、複数の種類の基準断面像の断面位置を自動検出する。例えば、検出部26bは、上述の14種類の断面像の断面位置を検出する。そして、検出部26bは、自動検出した複数の断面位置を記憶部23に格納する。
表示制御部26cは、複数の断面位置に基づき生成された複数の基準断面像の全て若しくは一部を、複数のレイアウト情報の中の少なくとも1つのレイアウト情報に従って、位置決め画面上に表示する。
表示制御部26cの一態様について説明する。表示制御部26cは、複数の断面位置に対応する複数の種類の基準断面像を生成する。例えば、表示制御部26cは、まず、マルチスライス像及び複数の断面位置を記憶部23から取得し、取得したマルチスライス像から、MPR(Multi-Planar Reconstruction)処理により、取得した複数の断面位置のそれぞれに対応する複数の種類の基準断面像のそれぞれを生成する。
そして、表示制御部26cは、複数の種類の基準断面像のうち、検査の種類に応じた種類の基準断面像を表示部25に表示させる。このとき、表示制御部26cは、基準断面像上に、心臓に関する特徴部位を示すマークや、この基準断面像の断面位置と他の基準断面像の断面位置との交差する交差線の位置及び方向を示すマークを表示させる。ここで操作者は、上述したように、入力部24を操作して、特徴部位を示すマークの位置を変更したり、交差線の位置及び方向を変更することによって、基準断面像の断面位置を変更することができる。
変更部26dは、ある基準断面像において、操作者により特徴部位の位置や交差線の位置及び方向が変更された場合には、変更後の特徴部位の位置や交差線の位置及び方向を用いて関連する基準断面像の断面位置を算出する。そして、変更部26bは、算出した断面位置を記憶部23に格納する。そして、変更部26dは、算出した断面位置に対応する基準断面像を生成し、断面位置が変更される前の基準断面像を、断面位置が変更された後の新たに生成した基準断面像に表示を更新する。例えば、変更部26dは、まず、マルチスライス像を記憶部23から取得する。そして、変更部26dは、マルチスライス像から、MPR処理により、算出した断面位置に対応する基準断面像を生成し、断面位置が変更される前の基準断面像を、断面位置が変更された後の新たに生成した基準断面像に表示を更新する。
本実施形態では、検査が実施されるタイミングとは関係なく、レイアウト情報が登録される。例えば、検査が実施されるよりも前に、事前に、レイアウト情報が登録される。そこで、本実施形態に係るMRI装置100が実行する、レイアウト情報を登録する処理の流れについて説明する。図3は、第1の実施形態に係るMRI装置100が実行する処理の流れの一例を示す図である。
まず、受付部26aは、レイアウト情報の登録を受け付ける画面(受付画面)を表示部25に表示させる(ステップS1)。図4は、第1の実施形態に係るレイアウト情報を受け付ける画面30の一例を示す図である。図4の例に示すように、受付部26aは、画面30を表示部25に表示させる。画面30は、領域31〜33、及び、ボタン34〜37を含む。領域31には、レイアウト名の一覧が表示される。領域32は、レイアウトが作成される領域である。領域33は、基準断面像の相関図33aが表示される領域である。ボタン34は、「新規」と表記されたボタンである。ボタン35は、「編集」と表記されたボタンである。ボタン36は、「削除」と表記されたボタンである。ボタン37は、「保存」と表記されたボタンである。
ここで、基準断面像の相関図33aについて説明する。相関図33aは、手動で基準断面像を設定する場合の一般的な手順の一例を示す。
図4の例に示す相関図33aは、マルチスライス像である5枚の体軸横断面像(axial)と、1枚の左室垂直長軸像(LVLA)、1枚の左室水平長軸像(LHLA)、5枚の左室短軸像(LSA)、1枚の左室二腔長軸像(L2ch)、1枚の左室三腔長軸像(L3ch)、1枚の左室四腔長軸像(L4ch)、5枚の右室短軸像(RSA)、1枚の右室二腔長軸像(R2ch)、1枚の右室三腔長軸像(R3ch)、1枚の右室四腔長軸像(R4ch)、1枚の左室流出路像(LVOT)、1枚の右室流出路像(RVOT)、1枚の大動脈弁像(AV)、1枚の肺動脈弁像(PV)を含む。
相関図33aは、5枚の体軸横断面像のうち1枚の体軸横断面像から左室垂直長軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、左室垂直長軸像から左室水平長軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、左室水平長軸像から5枚の左室短軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、5枚の左室短軸像のうちの1枚の左室短軸像から左室三腔長軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、5枚の左室短軸像のうちの他の1枚の左室短軸像から左室四腔長軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、5枚の左室短軸像のうちの更に他の1枚の左室短軸像から左室二腔長軸像の断面位置を設定することを示す。
また、相関図33aは、左室四腔長軸像から右室二腔長軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、右室二腔長軸像から5枚の右室短軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、5枚の右室短軸像のうち1枚の右室短軸像から右室三腔長軸像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、5枚の右室短軸像のうち他の1枚の右室短軸像から右室四腔長軸像の断面位置を設定することを示す。
また、相関図33aは、左室三腔長軸像から左室流出路像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、左室流出路像から大動脈弁像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、右室三腔長軸像から右室流出路像の断面位置を設定することを示す。また、相関図33aは、右室流出路像から肺動脈弁像の断面位置を設定することを示す。
また、相関図33aは、表示される基準断面像が観察対象の基準断面像に絞られるようなレイアウト作成を操作者に容易に行わせるために、検査の種類ごとのグループに、基準断面像が分けられている。図4の例では、相関図33aは、心臓の左室の基準断面像を観察対象とする検査(心臓の左室系の検査)「左室系断面」のグループに、心臓の左室の基準断面像が含まれることを示す。また、相関図33aは、心臓の右室の基準断面像を観察対象とする検査(心臓の右室系の検査)「右室系断面」のグループに、心臓の右室の基準断面像が含まれることを示す。また、弁付近の血流の流速測定や弁自身の動きの様子を確認するための検査などであって、弁などを含む基準断面像を観察対象とする検査「心臓弁関連断面」のグループに、弁などを含む基準断面像が含まれることを示す。
図4の例において、操作者は、入力部24を操作して、新規のレイアウト情報の登録、登録済みのレイアウト情報の編集、登録済みのレイアウト情報の削除を行うことができる。
ここでは、新規のレイアウト情報の登録を操作者が行う場合について説明する。例えば、新規のレイアウト情報の登録を行う場合には、操作者は、入力部24を操作して、ボタン34を押下する。ボタン34が押下されると、受付部26aは、領域31に、レイアウト名の入力が可能なテキストボックスを表示させる。すると、操作者は、入力部24を操作して、このテキストボックスに、レイアウト名を入力する。例えば、操作者は、テキストボックスに、「右室系心機能解析用」を入力する。
そして、操作者は、基準断面像の相関図33aが示す関係を参照して、入力部24のマウスを用いて、基準断面像の相関図33aの中からいずれかの基準断面像を領域32にドラッグアンドドロップして配置する。これにより、受付部26aは、レイアウト情報によって定義される基準断面像の種類、サイズ及び配置のうち、種類及び配置を受け付ける。なお、操作者は、入力部24のマウスを用いて、相関図33aの中から複数の基準断面像を選択して、一度に複数の基準断面像を領域32にドラッグアンドドロップして配置することもできる。また、操作者は、相関図33aに記載されたグループ(例えば、検査「左室系断面」のグループなど)を選択することによって、選択したグループに含まれる全ての基準断面像を領域32に配置することもできる。
ここで、例えば、心臓の右室系の検査において、位置決め画面上に、左から右にかけて、右室二腔長軸像(R2ch)、右室短軸像(RSA)、右室四腔長軸像(R4ch)、右室三腔長軸像(R3ch)が表示されるようなレイアウトを操作者が作成する場合について想定する。この場合には、操作者は、図5の例に示すように、各基準断面像を配置する。すなわち、操作者は、図5の例に示すように、相関図33aが示す「右室系断面」のグループに分けられた基準断面像やその基準断面像の設定手順を確認しながら、相関図33aの中から右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像、右室三腔長軸像をドラッグアンドドロップして、左から右にかけて、右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像、右室三腔長軸像を領域32に配置する。
領域32に右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像、右室三腔長軸像が配置されると、受付部26aは、基準断面像の種類として、右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像、右室三腔長軸像を受け付ける。ここで、操作者は、これらの基準断面像を領域32に配置する際に、これらの基準断面像が位置決め画面上で左から右にかけて所望の位置に配置されるように、位置決め画面上における所望の位置と対応する領域32上の位置に、これらの基準断面像を配置する。すると、受付部26aは、基準断面像の配置として、領域32上の右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像、右室三腔長軸像のそれぞれの位置を受け付ける。上述したように、MRI装置100は、心臓の右室系の検査における観察対象の基準断面像(「右室系断面」のグループに分けられた基準断面像)を操作者に提示するので、心臓の右室系の検査における観察対象の基準断面像が表示されるようなレイアウトの作成を操作者に容易に行わせることができる。更に、MRI装置100は、心臓の右室系の検査における観察対象の基準断面像の手動による設定手順を操作者に提示するので、心臓の右室系の検査における観察対象の基準断面像と、手動で基準断面像を設定する場合において、その基準断面像の1つ前に設定される基準断面像とが表示されるようなレイアウトの作成を操作者に容易に行わせることができる。また、例えば、観察対象の基準断面像と手動設定手順が近い基準断面像を、観察対象でない場合であっても位置決め画面上で合わせて表示することは、観察対象の基準断面像の位置の確認に効果的である。相関図33aからレイアウトを作成するシステムは、そのため、このような実用的なレイアウトの作成の支援としても有効である。
そして、操作者は、基準断面像のサイズを変更する場合には、入力部24を操作して、領域32に配置した基準断面像のサイズを変更する。このようにして受付部26aは、レイアウト情報によって定義される基準断面像のサイズを受け付ける。
そして、受付部26aは、操作者によってボタン37が押下されたか否かを判定する(ステップS2)。ボタン37が押下されていないと判定した場合(ステップS2;No)には、受付部26aは、再び、ステップS2の判定処理を行う。
一方、ボタン37が押下されたと判定した場合(ステップS2;Yes)には、受付部26aは、レイアウト情報を登録する。例えば、図5の例において、ボタン37が押下された場合には、受付部26aは、右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像及び右室三腔長軸像の4種類、並びに、この4種類の基準断面像のサイズ及び配置を示すレイアウト情報を、入力したレイアウト名「右室系心機能解析用」に対応付けて、レイアウトテーブル23aに登録する(ステップS3)。
ここで、レイアウトテーブル23aのデータ構造について説明する。レイアウトテーブル23aは、「レイアウト名」及び「レイアウト情報」の各項目を有する。レイアウトテーブル23aの1つのレコードには、1つのレイアウトに関する各種情報が登録される。「レイアウト名」の項目には、レイアウト名が受付部26aにより登録される。「レイアウト情報」の項目には、レイアウト情報が受付部26aにより登録される。
ここで、先の図5の例において、ボタン37が押下された場合について説明する。この場合には、受付部26aは、「レイアウト名」の項目に「右室系心機能解析用」、「レイアウト情報」の項目に右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像及び右室三腔長軸像の4種類、及び、この4種類の基準断面像のサイズ及び配置を示すレイアウト情報が登録されたレコードをレイアウトテーブル23aに新たに追加する。上述したような方法で、新規のレイアウト情報の登録が行われる。
ここで、登録済みのレイアウト情報の編集を操作者が行う場合について説明する。この場合には、操作者は、入力部24を操作して、領域31に表示されたレイアウト名の一覧の中から、編集を行うレイアウト情報のレイアウト名を選択する。レイアウト名が選択されると、受付部26aは、レイアウトテーブル23aを参照し、選択されたレイアウト名が「レイアウト名」の項目に登録されたレコードを特定する。そして、受付部26aは、特定したレコードの「レイアウト情報」の項目に登録されたレイアウト情報を取得する。
そして、受付部26aは、取得したレイアウト情報が示すレイアウト(基準断面像のサイズ、種類の組合せ、及び、配置)を領域32に表示させる。レイアウトが表示された状態で、操作者によりボタン35が押下されると、受付部26aは、表示されたレイアウトを操作者により編集可能な状態に変更する。そして、操作者は、入力部24を操作して、領域32に表示された基準断面像のサイズを変更したり、種類の組み合わせを変更したり、配置を変更したりしてレイアウトを編集し、編集が完了したらボタン37を押下する。ボタン37が押下されると、受付部26aは、編集後のレイアウトが示すレイアウト情報で、レイアウトテーブル23aに登録された編集前のレイアウトが示すレイアウト情報を更新する。上述したような方法で、登録済みのレイアウト情報の編集が行われる。
次に、登録済みのレイアウト情報の削除を操作者が行う場合について説明する。この場合には、操作者は、入力部24を操作して、領域31に表示されたレイアウト名の一覧の中から、削除を行うレイアウト情報のレイアウト名を選択する。レイアウト名が選択されると、受付部26aは、レイアウトテーブル23aを参照し、選択されたレイアウト名が「レイアウト名」の項目に登録されたレコードを特定する。そして、受付部26aは、特定したレコードの「レイアウト情報」の項目に登録されたレイアウト情報を取得する。
そして、受付部26aは、取得したレイアウト情報が示すレイアウトを領域32に表示させる。レイアウトが表示された状態で、操作者によりボタン36が押下されると、受付部26aは、先に特定したレコードを、レイアウトテーブル23aから削除する。上述したような方法で、登録済みのレイアウト情報の削除が行われる。
以上、新規のレイアウト情報の登録、登録済みのレイアウト情報の編集、登録済みのレイアウト情報の削除の各種の処理の一例について説明した。
ここで、本実施形態では、断面検出用プロトコルには、その断面検出用プロトコルが属する検査プロトコルの検査の種類を操作者が考慮して、どのレイアウト情報に従って基準断面像を検出したり表示したりするかを、操作者が予め設定しておく。そして、レイアウト情報が設定された断面検出用プロトコルは、検査プロトコルの一部として、記憶部23に保存される。例えば、断面検出用プロトコルには、その断面検出用プロトコルが属する検査プロトコルの検査との関係性が高いと考えられる観察対象の基準断面像が表示され、観察対象でない基準断面像が表示されないようなレイアウトを示すレイアウト情報が設定される。
例えば、心臓の右室を検査する目的のプロトコル群の総称である「右室系検査」に属する断面検出用プロトコルに対して、レイアウト名が「右室心機能解析用」であるレイアウト情報が設定される。
次に、検査を実施する場合のMRI装置100が実行する処理の流れについて説明する。図6は、第1の実施形態における検査を実施する場合の処理手順を示すフローチャートである。ここで、断面検出用プロトコルが、上述の14種類の基準断面像の断面位置を検出することが定められたプロトコルである場合を想定するが、断面検出用プロトコルが、このプロトコルに設定されたレイアウト情報が示す種類の基準断面像の断面位置を検出し、レイアウト情報が示す種類の基準断面像を生成することが定められたプロトコルであってもよい。この場合には、検出する断面位置の数や生成する基準断面像の数を少なくすることができ、処理量が削減される。
図6の例に示すように、受付部26aは、実施対象の検査に対する検査プロトコルの設定を受け付ける(ステップS10)。
実施対象の検査に対して検査プロトコルの設定を受け付ける場合について説明する。まず、受付部26aは、検査プロトコルの設定を受け付ける画面を表示部25に表示させる。図7は、第1の実施形態に係るステップS10で表示される画面40の一例を示す図である。例えば、ステップS10において、受付部26aは、画面40を表示部25に表示させる。画面40は、領域41〜44、及び、ボタン45を含む。
領域41には、撮像部位毎の選択を受け付ける人体模型図が表示される。領域42には、領域41において選択された撮像部位に対して予め設定されている撮像用のプロトコルの一群(プロトコル群)の総称の一覧が表示される。領域43には、領域42において選択された総称に対して予め設定されているプロトコル群に含まれるプロトコルの名称の一覧が表示される。なお、領域43には、プロトコルの名称に加えて、各種の撮像条件も表示される。領域44には、実施対象の検査に対して設定された検査プロトコルに含まれるプロトコルの名称が表示される。この表示画面40上で、操作者は、例えば、階層構造に従って、領域41、領域42、領域43の順に選択することで、ある検査において実行すべき所望のプロトコルを設定する。
例えば、操作者が、入力部24を操作して、領域41上で「心臓」に対応する矩形を選択すると、受付部26aは、「心臓」の撮像用のプロトコル群の総称の一覧を領域42に表示させる。続いて、操作者が、入力部24を操作して、領域42上で、心臓の右室を検査する目的のプロトコル群の総称である「右室系検査」を選択すると、受付部26aは、「右室系検査」が示すプロトコル群に含まれるプロトコルの名称及び撮像条件の一覧を、領域43に表示させる。図7の例では、受付部26aは、「Locator」、「Map」、「Shimming」、「断面検出用プロトコル」、「R2ch−cine」、「RSA−cine」、「R4ch−cine」、「R3ch−cine」を領域43に表示させる。
ここで、「Locator」は、ロケーター像を収集する際の各種の撮像条件が定義されたプロトコルの名称である。また、「Map」は、複数ある受信コイル8のそれぞれの感度を示す感度マップを収集する際の各種の撮像条件が定義されたプロトコルの名称である。また、「Shimming」は、シミング(静磁場分布補正や中心周波数設定)の際の各種の撮像条件が定義されたプロトコルの名称である。「R2ch−cine」は、右室二腔長軸像のシネ撮像を行う各種の撮像条件などが定められたプロトコルの名称である。「RSA−cine」は、右室短軸像のシネ撮像を行う各種の撮像条件などが定められたプロトコルの名称である。「R4ch−cine」は、右室四腔長軸像のシネ撮像を行う各種の撮像条件などが定められたプロトコルの名称である。「R3ch−cine」は、右室三腔長軸像のシネ撮像を行う各種の撮像条件などが定められたプロトコルの名称である。以下の説明では、名称が「Locator」であるプロトコル、名称が「Map」であるプロトコル、名称が「Shimming」であるプロトコル、名称が「R2ch−cine」であるプロトコル、名称が「RSA−cine」であるプロトコル、名称が「R4ch−cine」であるプロトコル、名称が「R3ch−cine」であるプロトコルを、それぞれ、単に、「Locator」、「Map」、「Shimming」、「R2ch−cine」、「RSA−cine」、「R4ch−cine」、「R3ch−cine」と称する。
そして、操作者が、入力部24を操作して、領域43に表示されたプロトコルの名称の一覧の中から、実施対象の検査に対して設定するプロトコルの名称を1つ以上選択し、ボタン45を押下する。なお、ここでは、領域43に表示されたプロトコルの名称が全て選択された上でボタン45が押下された場合について説明する。ボタン45が押下されると、受付部26aは、選択された全てのプロトコルの名称を領域44に表示するとともに、選択された名称が示す全てのプロトコルを検査プロトコルとして設定する。上述したような方法で、ステップS10において、実施対象の検査に対して検査プロトコルの設定が受け付けられる。なお、操作者が、領域42に表示されたプロトコル群の総称のうち、いずれかの総称が選択された状態でボタン45を押下すると、受付部26aは、領域44に表示された全てのプロトコルの名称を領域44に表示するとともに、選択された名称が示す全てのプロトコルを検査プロトコルとして設定してもよい。
ここで、設定された検査プロトコルのそれぞれのプロトコルは、順番に取り出されて、取り出されたプロトコルに従った各種のデータ収集を行う撮像や画像処理が行われる。例えば、図7の例で設定された検査プロトコルにおいては、まず、「Locator」が取り出され、取り出された「Locator」に従って、ロケーター像が収集されると、次に、「Map」が取り出され、取り出された「Map」に従って、複数ある受信コイル8のそれぞれの感度の差が収集される。以降も同様に、「Shimming」、「断面検出用プロトコル」、「R2ch−cine」、「RSA−cine」、「R4ch−cine」、「R3ch−cine」が順番に取り出されて、取り出されたプロトコルに従って各種の撮像や画像処理などが行われる。なお、本実施形態において、各種のデータ収集を行う撮像や画像処理などが行われていないプロトコルのことを「未収集のプロトコル」と称する。
図6の説明に戻り、シーケンス制御部10は、設定された検査プロトコルに含まれるプロトコルの中に、未収集のプロトコルがあるか否かを判定する(ステップS11)。これにより、検査を終了するか否かが判定される。未収集のプロトコルがあると判定した場合、すなわち、検査を終了しないと判定した場合(ステップS11;Yes)には、シーケンス制御部10は、未収集のプロトコルのうち、順番が最も小さいプロトコルを1つ取り出し、取り出したプロトコルに従って撮像を行う(ステップS12)。
ここで、取り出したプロトコルが、断面検出用プロトコルである場合について説明する。この場合には、ステップS12において、シーケンス制御部10及び画像生成部22は、マルチスライス像を収集するように、以下で説明する各種の処理を実行する。本実施形態において、マルチスライス像は、例えば、複数の体軸横断面像である。また、マルチスライス像は、心臓を含む。シーケンス制御部10は、心電(ECG:Electro Cardio Gram)同期を行いながら、例えば、収集のタイミングを拡張期に限定し、息止め下でマルチスライス像のMRデータが収集されるように、傾斜磁場電源3、送信部7及び受信部9を駆動する。そして、シーケンス制御部10は、収集したMRデータをインタフェース部21を介して画像生成部22に送信する。画像生成部22は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを用いてマルチスライス像を生成し、生成したマルチスライス像を記憶部23に格納する。なお、マルチスライス像は、複数の矢状断面像や冠状断面像であってもよい。また、シーケンス制御部10は、マルチスライス像のMRデータの収集に、例えば、2D FFE(Fast Field Echo)や、2D SSFP(Steady-State Free Precession)等を用いる。
また、取り出したプロトコルがイメージングスキャンを実行する際の撮影条件等が定められたプロトコルである場合について説明する。この場合には、ステップS12において、シーケンス制御部10は、取り出したプロトコルに従って、傾斜磁場電源3、送信部7及び受信部9を駆動して、位置決めされた断面位置を用いて、イメージングスキャンを実行する。なお、シーケンス制御部10がイメージングスキャンを実行した結果得られたMRデータをインタフェース部21を介して画像生成部22に送信する。画像生成部22は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを用いて基準断面像を生成し、生成した基準断面像を記憶部23に格納する。
そして、シーケンス制御部10は、取り出したプロトコルが、断面検出用プロトコルであるか否かを判定する(ステップS13)。取り出したプロトコルが、断面検出用プロトコルでないと判定した場合(ステップS13;No)には、シーケンス制御部10は、ステップS11に戻る。
一方、取り出したプロトコルが、断面検出用プロトコルであると判定した場合(ステップS13;Yes)には、検出部26bは、上述の14種類の基準断面像のそれぞれの断面位置を検出(自動検出)する(ステップS14)。断面位置について説明する。断面位置とは、例えば、3次元画像空間における平面を表す位置を意味し、複数のパラメータにより表現される。以下の説明では、これらのパラメータを「位置パラメータ」と表記する。位置パラメータは、以下の(1)式、(2)式に示すように、例えば、中心座標点oと、直交する2本の単位ベクトルu、vとで表現される。
断面位置の検出とは、この位置パラメータo、u、vを求めることである。検出部26bは、検出した基準断面像毎の位置パラメータを記憶部23に格納する。なお、位置パラメータは、上述した表現方法に限定されず、例えば、3次元画像空間ではなく、MRI装置100の磁場中心や寝台の長手方向等を基準に定められる3次元装置空間で表現してもよいし、中心座標点及び直交する2本の単位ベクトルではなく、3つの座標点で表現してもよい。即ち、断面位置が幾何学的に、一意に定まる表現方法であればよい。
例えば、検出部26bは、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁、左(右)室心尖、左(右)室流出路、左(右)室前壁等、心臓の特徴部位の周辺画像パターンのテンプレートを用いて、マルチスライス像とのテンプレートマッチングを行うことでマルチスライス像内における特徴部位の位置を自動検出し、検出した特徴部位に基づいて、各基準断面像の位置パラメータを算出する。ここで、上述したようなテンプレートは、テンプレートマッチングを実行するよりも前に予め生成されているものとする。例えば、基準断面像の1つである左室四腔長軸像の断面位置は、僧帽弁の位置m、三尖弁の位置t、左室心尖の位置aの3点を通る平面である。すなわち、左室四腔長軸像の断面位置は、僧帽弁の位置m、三尖弁の位置t、左室心尖の位置aの3点の位置によって定義される。ここで、僧帽弁の位置m、三尖弁の位置t、左室心尖の位置aを以下の式(3)で表すと、左室四腔長軸像の断面位置を示す位置パラメータo、u、vは、以下の式(4)で表すことができる。
なお、式(4)において、「(t−m)×v」は、ベクトル(t−m)とベクトルvとの外積を意味し、「((t−m)×v)×v」は、ベクトル((t−m)×v)とベクトルvとの外積を意味する。
また、基準断面像の断面位置の検出は、テンプレートマッチングに限定されるものではない。例えば、検出部26bは、心臓の特徴部位の周辺画像パターンから、機械学習により識別器を予め構築しておき、この識別器を用いて、マルチスライス像内における特徴部位の位置を自動検出してもよい。また、検出部26bは、入力部24を介して、操作者による心臓の特徴部位の位置の入力を受け付けることで、基準断面像の断面位置を検出することもできる。もっとも、この作業は非常に煩雑で時間がかかるため、通常、各基準断面像の検出位置を自動で検出する手法の方が好ましい。本実施形態では、例えば、断面位置が検出される基準断面像の数よりも、観察対象の基準断面像の数が少なくなるような場合があり、このような場合に、レイアウト情報を用いて観察対象の基準断面像のみを表示させることで、断面像の位置決めを操作者に容易に行わせることが可能になる。
次に、表示制御部26cは、マルチスライス像を記憶部23から取得し、MPR処理により、マルチスライス像から、検出された複数の断面位置のそれぞれに対応する基準断面像を生成する。例えば、表示制御部26cは、14種類の基準断面像を生成する(ステップS15)。
そして、表示制御部26cは、断面検出用プロトコルに設定されたレイアウト情報が示すレイアウトに応じて基準断面像を表示部25に表示させる(ステップS16)。
そして、表示制御部26cは、ステップS15で生成した複数の基準断面像のうち、ステップS12で取り出された断面検出用プロトコルに設定されたレイアウト情報が示す種類の基準断面像を、このレイアウト情報が示すサイズで、このレイアウト情報が示す配置で配置した位置決め画面を生成し、生成した位置決め画面を表示部25に表示させる。なお、表示制御部26cは、特徴部位や交差線等を示すマークが重畳された基準断面像を基準断面像上に表示させる。
図8は、第1の実施形態に係る表示制御部26cにより表示部25に表示される位置決め画面の一例を示す図である。例えば、表示制御部26cは、図8の例に示すように、表示部25の表示領域において、左から右にかけて、右室二腔長軸像、右室短軸像、右室四腔長軸像、右室三腔長軸像が並んだ位置決め画面90を表示部25に表示させる。これにより、例えば、観察対象でない基準断面像が表示されず、観察対象である基準断面像が表示されるため、検査との関係性が高いと考えられる観察対象である基準断面像を操作者に容易に観察させることができる。よって、基準断面像の位置決めを操作者に容易に行わせることができる。
次に、変更部26dは、操作者から入力部24を介して基準断面像の断面位置の位置決めが完了したことを示す通知(位置決め完了通知)を受け付けたかを判定する(ステップS17)。位置決め完了通知を受け付けていないと判定した場合(ステップS17;No)には、変更部26dは、次の処理を行う。例えば、変更部26dは、操作者が入力部24を介して特徴部位の位置を変更すると、位置が変更された特徴部位の位置が用いられて断面位置が定義される基準断面像について、変更後の特徴部位の位置を用いて、新たに断面位置を算出する(ステップS18)。なお、ステップS18では、変更部26dは、交差線の位置や方向が変更された場合にも、同様の処理を行って、新たに断面位置を算出する。
例えば、変更部26dは、特徴部位の位置の変更が行われた基準断面像上での変更後の特徴部位の2次元位置から、3次元画像空間における3次元位置を算出する。そして、変更部26dは、位置が変更された特徴部位の位置が用いられて断面位置が定義される他の基準断面像について、算出済みの3次元位置に基づいて上述の式(4)と同様の式を用いて、変更後の位置パラメータを算出することにより、変更後の断面位置を算出する。
次に、変更部26dは、ステップS12で収集されたマルチスライス像、及び、変更後の断面位置を用いて、変更後の断面位置に対応する基準断面像を生成し、生成した基準断面像を表示部25に表示させる。そして、変更部26dは、ステップS17に戻る。
また、変更部26dは、位置決め完了通知を受け付けたと判定した場合(ステップS17;Yes)には、変更部26dは、記憶部23に記憶された変更前の断面位置を変更後の断面位置で更新し、ステップS11に戻る。
また、未収集のプロトコルがないと判定した場合、すなわち、検査を終了すると判定した場合(ステップS11;No)には、シーケンス制御部10は、検査を終了する。
以上、第1の実施形態に係るMRI装置100について説明した。MRI装置100によれば、上述したように、基準断面像の位置決めを操作者に容易に行わせることができる。
なお、第1の実施形態において、検査プロトコルを設定する際に、断面検出用プロトコルに設定されているレイアウト情報を変更することもできる。この場合について図9を参照して説明する。図9は、第1の実施形態に係るプロトコルに対して対応付けられるレイアウトを変更する場合の一例を説明するための図である。例えば、先の図6に示すステップS10において、操作者が入力部24のマウスを操作して、領域44に表示された名称「断面検出用プロトコル」上にカーソル(図示せず)を合わせた状態で右クリックすると、図9の例に示すように、受付部26aは、レイアウトテーブル23aに登録された全てのレイアウト名の一覧を表示させる。なお、図9の例では、断面検出用プロトコルに対して、現在、レイアウト名が「右室系心機能解析用」であるレイアウト情報が設定されていることが示されている。
そして、操作者が、入力部24を操作して、例えば、レイアウト名「左室系心機能解析用」を選択すると、受付部26aは、領域44に表示された断面検出用プロトコルに設定されているレイアウト情報を、レイアウト名が「左室系心機能解析用」であるレイアウト情報に変更して記憶部23に保存する。上述したように、検査プロトコルを設定する際に、断面検出用プロトコルに設定されているレイアウト情報が変更可能なので、例えば、検査を行う直前であっても、断面検出用プロトコルに設定されているレイアウト情報を操作者に容易に変更させることができる。
なお、ステップS10において、受付部26aが、レイアウトテーブル23aに登録された全てのレイアウト名の一覧を表示させる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されない。例えば、操作者ごとに、レイアウトテーブル23aにレイアウト名及びレイアウト情報が登録され、ステップS10において、受付部26aが、ログイン中の操作者が登録したレイアウト名を全て取得し、取得したレイアウト名の一覧を表示させてもよい。ここで、例えば、操作者が、自身が登録したレイアウト情報以外の他のレイアウト情報を選択する可能性は低いと考えられる。これは、他のレイアウト情報が示すレイアウトは、他者の好みであるかもしれないが、操作者自身の好みではない可能性が高いからである。従って、上述したように、ログイン中の操作者が登録したレイアウト情報のレイアウト名のみを、ログイン中の操作者に提示することで、そもそも選択する可能性が低いレイアウト名を提示してしまうような事態の発生を抑制することができる。
また、操作者ごとに、レイアウトテーブル23aにレイアウト名及びレイアウト情報が登録されるとともに、更に、レイアウトテーブル23aに、「選択フラグ」の項目を設けてもよい。この場合には、検査プロトコルを設定する際に、操作者が選択させたいレイアウト情報が「レイアウト情報」の項目に登録されているレコードの「選択フラグ」の項目には、操作者により「1」が登録されている。また、操作者が選択させたいレイアウト情報以外のレイアウト情報が「レイアウト情報」の項目に登録されているレコードの「選択フラグ」の項目には、操作者により「0」が登録されている。そして、ステップS10において、受付部26aは、ログイン中の操作者が登録したレイアウト名のうち、「選択フラグ」の項目に「1」が登録されたレコードの「レイアウト名」の項目に登録されたレイアウト名を全て取得し、取得したレイアウト名の一覧を表示させてもよい。例えば、操作者が、登録したものの好みではなかったレイアウト情報に対しては「選択フラグ」の項目に「0」を登録し、好みのレイアウト情報に対しては「選択フラグ」の項目に「1」を登録することで、ログイン中の操作者が登録したレイアウト情報のうち、操作者が好みのレイアウト情報のレイアウト名を選択させることができるので、更に、選択する可能性が低いレイアウト名を提示してしまうような事態の発生を抑制することができる。また、例えば、登録したものの、使用頻度の低いレイアウトや、まだ検討レベルのレイアウトを選択肢から表示させなくすることで、選択する可能性が低いレイアウト名を提示してしまうような事態の発生を抑制することができる。また、例えば、操作者ごとに選択フラグを用意することは、操作者好みのレイアウト名のみを提示することができるため有用である。
また、第1の実施形態において、表示制御部26cは、ステップS16において、レイアウト情報が示す種類の基準断面像を特徴付ける特徴部位や交差線は表示させ、それ以外の特徴部位や交差線は表示させないように制御してもよい。ある基準断面像と、この基準断面像の断面位置を定義するために用いられる特徴部位や交差線との組合せは、既知の関係である。そこで、例えば、表示制御部26cは、この組合せを予め記憶しておき、レイアウト情報に従って位置決め画面を表示させる際にこの組合せを参照することで、特徴部位や交差線の表示・非表示を制御することができる。例えば、上述した「右室系心機能解析用」の場合、「左室心尖」や「左室流出路」などの特徴部位は、レイアウト情報に含まれる基準断面像の断面位置の定義に用いられないため、表示されない。このように、基準断面像の種類に関連のある特徴部位や交差線を示すマークのみを表示することで、ユーザに冗長な情報を提示しないことは重要である。
なお、上述では、既知の関係に基づいて表示・非表示を制御する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、表示制御部26cは、どの特徴部位や交差線を表示させるか、あるいは表示させないかの設定を、ユーザから受け付けても良い。
また、第1の実施形態では、ステップS1において、ユーザが相関図33aが示す複数の基準断面像の中から、いずれかの基準断面像をドラッグアンドドロップして領域32に配置する場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、領域31に表示されるレイアウト名の一覧の中からレイアウト名が選択されると、受付部26aは、基準断面像の種類の一覧を、ユーザが選択することができる状態で表示部25に表示させてもよい。この場合において、ユーザにより基準断面像の種類が選択されると、受付部26aは、ユーザにより選択された種類の基準断面像を、所定のサイズで領域32に左から順に配置する。
また、第1の実施形態において、ステップS1で表示された画面30において、受付部26aは、ユーザによって領域32に基準断面像が配置された場合に、他の基準断面像を配置することを促すメッセージを表示部25に表示させることもできる。例えば、右室三腔長軸像が領域32に配置された場合には、相関図33aで近い右室短軸像上での断面位置の確認が容易なため、受付部26aは、右室短軸像を配置することを促すメッセージ「RSAを配置することが好ましいです。」を領域32付近に表示させる。このように、手動で基準断面像を設定する場合に用いる基準断面像をメッセージによりピンポイントで操作者に提示するので、ある基準断面像と、その基準断面像の1つ前に設定される基準断面像とが表示されるようなレイアウトの作成を操作者に容易に行わせることができる。また、受付部26aは、領域32に基準断面像が配置された場合には、相関図33aが示す複数の基準断面のうち、配置された基準断面像の1つ前に設定される基準断面像をハイライト表示したりして、この基準断面像を強調表示することもできる。なお、第1の実施形態においては、相関図33aとして、手動で基準断面像を設定する場合の一般的な手順の一例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。相関図33aは、任意の方針に基づいて作成されたものでも良い。例えば、相関図33aは、ある基準断面像と、その基準断面像の断面位置を確認し易い他の基準断面像との関係性が表現されたものでも良い。
また、第1の実施形態において、断面検出用プロトコルに1つのレイアウト情報が設定される場合について説明したが、実施形態はこれに限定されない。例えば、断面検出用プロトコルに複数のレイアウト情報が設定されてもよい。ここで、断面検出用プロトコルに、N(Nは2以上の自然数)個のレイアウト情報が設定された場合について説明する。この場合には、ステップS16において、表示制御部26cは、位置決め画面がN個に分割された場合のそれぞれの領域において、対応するレイアウト情報が示すレイアウトに従って基準断面像を表示させる。すなわち、表示制御部26cは、検出部26dにより検出された断面位置に対応する基準断面像の中から、N個のレイアウト情報のそれぞれが示すレイアウトに従った基準断面像を位置決め画面上に表示させることができる。これにより、例えば、1つの検査において複数の目的がある場合に、複数の目的のそれぞれに応じたレイアウト情報を断面検出用プロトコルに設定しておくことで、複数の目的に対応した基準断面像を表示することができる。
(第2の実施形態)
なお、上述した第1の実施形態に係るMRI装置100では、操作者が、手動で、検査の種類ごとに、断面検出用プロトコルにレイアウト情報を設定する場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、MRI装置が、自動的に、検査の種類に応じたレイアウト情報を生成することもできる。そこで、このような実施形態を第2の実施形態として説明する。
第2の実施形態に係るMRI装置では、第1の実施形態において図3に示すレイアウト情報を登録する処理を実行しない。また、第2の実施形態に係るMRI装置では、第1の実施形態に係るステップS16の処理に代えて、自動的にレイアウト情報を生成するための各種の処理(例えば、後述のステップS30〜S40の各種の処理)が実行される。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
検査を実施する場合の第2の実施形態に係るMRI装置が実行する処理の流れについて説明する。図10は、第2の実施形態における検査を実施する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図10の例に示すように、ステップS10〜S15、S17〜19の各処理は、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。図11及び図12は、第2の実施形態に係る検査プロトコルの一例を示す図である。例えば、ステップS10において、図11の例に示す検査プロトコル50や図12の例に示す検査プロトコル60が設定される。
検査プロトコル50は、1番目のプロトコル(断面検出用プロトコル)51、名称が「LSA−cine」である2番目のプロトコル52、名称が「L2ch−cine」である3番目のプロトコル53、4番目のプロトコル(「RSA−cine」)54、及び、5番目のプロトコル(「R2ch−cine」)55を含む。これらのプロトコル51〜55のうち、プロトコル51、54、55に規定されている内容は、上述したとおりである。「LSA−cine」は、左室短軸像のシネ撮像を行う各種の撮像条件などが定められたプロトコルの名称である。「L2ch−cine」は、左室二腔長軸像のシネ撮像を行う各種の撮像条件などが定められたプロトコルの名称である。以下の説明では、名称が「LSA−cine」であるプロトコル、名称が「L2ch−cine」であるプロトコルを、それぞれ、単に、「LSA−cine」、「L2ch−cine」と称する。
また、検査プロトコル60は、名称が「左室系断面検出用プロトコル」である1番目のプロトコル61、2番目のプロトコル(「LSA−cine」)62、3番目のプロトコル(「L2ch−cine」)63、名称が「右室系断面検出用プロトコル」である4番目のプロトコル64、5番目のプロトコル(「RSA−cine」)65、及び、6番目のプロトコル(「R2ch−cine」)66を含む。これらのプロトコル61〜66のうち、プロトコル62、63、65、66に規定されている内容は、上述したとおりである。プロトコル61は、マルチスライス像を収集する際の各種の撮像条件や、マルチスライス像を用いた7種類の基準断面像の断面位置を検出する際の各種の条件が定められているプロトコルである。ここでいう7種類の基準断面像とは、例えば、種類が、左室垂直長軸像、左室水平長軸像、左室短軸像、左室二腔長軸像、左室三腔長軸像、左室四腔長軸像、及び、左室流出路像である7つの基準断面像である。また、プロトコル64は、マルチスライス像を収集する際の各種の撮像条件や、マルチスライス像を用いた5種類の基準断面像の断面位置を検出する際の各種の条件が定められているプロトコルである。ここでいう5種類の基準断面像とは、例えば、種類が、右室短軸像、右室二腔長軸像、右室三腔長軸像、右室四腔長軸像、及び、右室流出路像である5つの基準断面像である。
本実施形態では、プロトコル61及びプロトコル64は、「断面検出用プロトコル」と同等に扱われる。例えば、シーケンス制御部10は、ステップS12において、プロトコル61又はプロトコル64が取り出された場合には、ステップS13において、取り出したプロトコル61又はプロトコル64が、断面検出用プロトコルであると判定される。
そして、本実施形態では、ステップS30において、表示制御部26cは、ステップS10で設定された検査プロトコルにおいて、ステップS12で取り出されたプロトコルよりも後の順番のプロトコルの中に、断面検出用プロトコルがあるか否かを判定する(ステップS30)。
例えば、表示制御部26cは、ステップS10で検査プロトコル50が設定され、ステップS12でプロトコル51が取り出された場合には、プロトコル51よりも後の順番のプロトコル52〜55の中に、断面検出用プロトコルがないと判定する。また、表示制御部26cは、ステップS10で検査プロトコル60が設定され、ステップS12でプロトコル61が取り出された場合には、プロトコル61よりも後の順番のプロトコル62〜65の中に、断面検出用プロトコルとしてプロトコル64があると判定する。
断面検出用プロトコルがあると判定した場合(ステップS30;Yes)には、表示制御部26cは、ステップS12で取り出されたプロトコルの次の順番のプロトコルから、ステップS30であると判定した断面検出用プロトコルの1つ前のプロトコルまでのプロトコルを取得する(ステップS31)。
そして、表示制御部26cは、取得したプロトコルに従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類を特定する(ステップS32)。そして、表示制御部26cは、記憶部23に記憶された相関図33aを参照し、手動で基準断面像を設定する場合において、ステップS32で種類を特定した基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類を特定する(ステップS33)。なお、ステップS33の処理を省略することもできる。
そして、表示制御部26cは、ステップS32及びステップS33で特定した種類が示す基準断面像が、所定のサイズで左から右に並べられたレイアウトを示すレイアウト情報を生成する(ステップS34)。
そして、表示制御部26cは、ステップS15で生成した複数の種類の基準断面像のうち、ステップS34で生成したレイアウト情報が示す種類の基準断面像を、このレイアウト情報が示すサイズ及び配置で表示部25に表示させる(ステップS35)。そして、表示制御部26cは、ステップS20へ進む。
例えば、ステップS30において、断面検出用プロトコルとしてプロトコル64があると判定した場合には、表示制御部26cは、ステップS31において、プロトコル62からプロトコル63までの各プロトコルを取得する。そして、表示制御部26cは、ステップS32において、プロトコル62に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「左室短軸像」、及び、プロトコル63に従って実行されるイメージングスキャンで撮像される基準断面の種類「左室二腔長軸像」を特定する。そして、表示制御部26cは、ステップS33において、相関図33aを参照し、種類が「左室短軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「左室水平長軸像」を特定するとともに、種類が「左室二腔長軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「左室短軸像」を特定する。そして、表示制御部26cは、ステップS34において、種類が「左室短軸像」、「左室二腔長軸像」、「左室水平長軸像」である複数の基準断面像が、所定のサイズで左から右に並べられたレイアウトを示すレイアウト情報を生成する。図13は、第2の実施形態に係る表示部25に表示される位置決め画面91の一例を示す図である。そして、表示制御部26cは、ステップS35において、図13の例に示すように、上述の7種類の基準断面像のうち、ステップS34で生成したレイアウト情報が示す種類の基準断面像(種類が「左室短軸像」、「左室二腔長軸像」、及び、「左室水平長軸像」である複数の基準断面像)を、このレイアウト情報が示す所定のサイズ及び配置で表示部25に表示させる。
なお、ステップS34において、表示制御部26cは、ある基準断面像と、手動で基準断面像を設定する場合において、その基準断面像の1つ前に設定される基準断面像とを並べて、この2つの基準断面像が対応することが操作者が把握可能なようなレイアウトを示すレイアウト情報を生成することができる。ここで、「ある基準断面像」を「子」と表現し、「ある基準断面像の1つ前に設定される基準断面像」を「親」と表現することができる。また、このような「ある基準断面像」と「ある基準断面像の1つ前に設定される基準断面像」との関係を「親子関係」と表現することができる。すなわち、ステップS34において、表示制御部26cは、「親子関係」にある2つの基準断面像が並べて配置されたレイアウト情報を生成することができる。
図14は、第2の実施形態に係る表示部25に表示される位置決め画面92の一例を示す図である。例えば、ステップS32において、「左室短軸像」及び「左室二腔長軸像」の種類が特定され、ステップS33において、種類が「左室短軸像」である基準断面像を「子」とした場合の「親」である基準断面像の種類「左室水平長軸像」、及び、種類が「左室二腔長軸像」である基準断面像を「子」とした場合の「親」である基準断面像の種類「左室短軸像」が特定された場合について説明する。
この場合には、表示制御部26cは、図14の例に示すように、ステップS32において特定された、種類が「左室短軸像」である基準断面像92aと、この基準断面像92aを「子」とした場合の「親」である、種類が「左室水平長軸像」である基準断面像92bとが対応するように上下に配置されるとともに、ステップS32において特定された、種類が「左室二腔長軸像」である基準断面像92cと、この基準断面像92cを「子」とした場合の「親」である、種類が「左室二腔長軸像」である基準断面像92dとが対応するように上下に配置され、かつ、「親」である基準断面像92b及び基準断面像92dのサイズよりも、「子」である基準断面像92a及び基準断面像92cのサイズが大きいようなレイアウトを示すレイアウト情報を生成する。ここで、「親」の基準断面像よりも「子」の基準断面像のサイズが大きいのは、「親」の基準断面像は、あくまでも参照用の基準断面像であり、「子」の基準断面像は、観察対象の重要な基準断面像であるからである。そして、表示制御部26cは、ステップS35において、ステップS34で生成したレイアウト情報に従って、図14の例に示すように、基準断面像92a〜92dを位置決め画面92上に表示する。このように、観察対象の基準断面像と手動設定手順が近い基準断面像を、観察対象でない場合であっても位置決め画面上で合わせて表示することは、観察対象の基準断面像の位置の確認に効果的である。なお、図14の例では、「親」の基準断面像よりも「子」の基準断面像のサイズが大きい例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば反対に、「子」の基準断面像よりも「親」の基準断面像のサイズが大きくてもよい。「親」の基準断面像は、観察対象として重要な基準断面像である「子」の基準断面像の断面位置を設定する際に参照されるものである。したがって、「親」の基準断面像上で特徴部位や交差線の位置の微調整を細やかに実施するという観点においては、「子」の基準断面像よりも「親」の基準断面像のサイズが大きい方が便利である。
図10の説明に戻る。一方、断面検出用プロトコルがないと判定した場合(ステップS30;No)には、表示制御部26cは、ステップS12で取り出されたプロトコルよりも後の順番のプロトコルを全て取得する(ステップS36)。
そして、表示制御部26cは、取得したプロトコルに従って生成される基準断面像の種類を特定する(ステップS37)。
そして、表示制御部26cは、相関図33aを参照し、手動で基準断面像を設定する場合において、ステップS37で種類を特定した基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類を特定する(ステップS38)。なお、ステップS38の処理を省略することもできる。
そして、表示制御部26cは、ステップS37及びステップS38で特定した種類が示す基準断面像が、所定のサイズで左から右に並べられたレイアウトを示すレイアウト情報を生成する(ステップS39)。
そして、表示制御部26cは、ステップS15で生成した複数の種類の基準断面像のうち、ステップS39で生成したレイアウト情報が示す種類の基準断面像を、このレイアウト情報が示すサイズ及び配置で表示部25に表示させる(ステップS40)。そして、表示制御部26cは、ステップS20へ進む。
例えば、ステップS10で検査プロトコル50が設定された場合には、表示制御部26cは、ステップS30において、断面検出用プロトコルがないと判定する。そして、表示制御部26cは、ステップS36において、プロトコル51よりも後の順番のプロトコル52〜55を取得する。そして、表示制御部26cは、ステップS37において、プロトコル52に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「左室短軸像」、プロトコル53に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「左室二腔長軸像」、プロトコル54に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「右室短軸像」、及び、プロトコル55に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「右室二腔長軸像」を特定する。
そして、表示制御部26cは、ステップS38において、相関図33aを参照し、種類が「左室短軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「左室水平長軸像」を特定する。また、表示制御部26cは、ステップS38において、種類が「左室二腔長軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「左室短軸像」を特定する。また、表示制御部26cは、ステップS38において、種類が「右室短軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「右室二腔長軸像」を特定する。また、表示制御部26cは、ステップS38において、種類が「右室二腔長軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「左室四腔長軸像」を特定する。
そして、表示制御部26cは、ステップS39において、種類が、「左室二腔長軸像」、「左室短軸像」、「右室短軸像」、「右室二腔長軸像」、「左室水平長軸像」、及び、「左室四腔長軸像」である複数の基準断面像が、所定のサイズで左から右に並べられたレイアウトを示すレイアウト情報を生成する。図15は、第2の実施形態に係る表示部25に表示される位置決め画面93の一例を示す図である。そして、表示制御部26cは、ステップS40において、図14の例に示すように、ステップS15で生成した14種類の基準断面像のうち、ステップS39で生成したレイアウト情報が示す種類の基準断面像(種類が、「左室二腔長軸像」、「左室短軸像」、「右室短軸像」、「右室二腔長軸像」、「左室水平長軸像」、及び、「左室四腔長軸像」である複数の基準断面像)を、このレイアウト情報が示す所定のサイズ及び配置で位置決め画像93上に表示させる。
ここで、ステップS12でプロトコル64が取り出された場合について説明する。この場合には、表示制御部26cは、ステップS30において、断面検出用プロトコルがないと判定する。そして、表示制御部26cは、ステップS36において、プロトコル64よりも後の順番のプロトコル65、66を取得する。そして、表示制御部26cは、ステップS37において、プロトコル65に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「右室短軸像」、及び、プロトコル66に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面の種類「右室二腔長軸像」を特定する。そして、表示制御部26cは、ステップS38において、相関図33aを参照し、種類が「右室短軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「右室二腔長軸像」を特定する。また、表示制御部26cは、ステップS38において、種類が「右室二腔長軸像」である基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類「左室四腔長軸像」を特定する。そして、表示制御部26cは、ステップS39において、種類が「右室短軸像」及び「右室二腔長軸像」(「左室四腔長軸像」を除く)である複数の基準断面像が、所定のサイズで左から右に並べられたレイアウトを示すレイアウト情報を生成する。図16は、第2の実施形態に係る表示部25に表示される位置決め画面94の一例を示す図である。そして、表示制御部26cは、ステップS40において、図16の例に示すように、5種類の基準断面像のうち、ステップS39で生成したレイアウト情報が示す種類の基準断面像(種類が「右室短軸像」及び「右室二腔長軸像」である複数の基準断面像)を、レイアウト情報が示す所定のサイズ及び配置で位置決め画面94上に表示させる。
なお、表示制御部26cは、ステップS35及びS40の少なくとも一方において、位置決め画面を表示させる前に、基準断面像のレイアウトを簡易に操作者に確認させる手段を提供することもできる。例えば、表示制御部26cは、基準断面像が並べられたサムネールを表示部25に表示させることもできる。この場合、操作者は、サムネールを確認して、基準断面像のレイアウトが好みのレイアウトでなかった場合には、入力部24を操作して、レイアウト情報の編集を受け付ける上述の受付画面を表示部25に表示させる指示を入力する。受付部26aは、このような指示が入力されると、受付画面を表示部25に表示させる。これにより、操作者は、受付画面上でレイアウト情報の編集を行うことができる。
また、表示制御部26cは、ステップS35及びS40の少なくとも一方において、位置決め画面を表示させた後に、受付画面を表示部25に表示させる指示を受け付けることもできる。これにより、操作者は、位置決め画面上の基準断面像のレイアウトが好みのレイアウトでない場合には、受付画面を表示させる指示を入力して、表示された受付画面上でレイアウト情報を編集することができる。
以上、第2の実施形態に係るMRI装置について説明した。第2の実施形態に係るMRI装置は、自動的に、イメージングスキャンで収集される種類の基準断面像が、所定のサイズで左から右にかけて並んだレイアウトを示すレイアウト情報を生成し、生成したレイアウト情報に従って基準断面像を表示部25に表示させる。従って、第2の実施形態に係るMRI装置によれば、観察対象でない基準断面像が表示されないので、基準断面像の位置決めを行う際に、ユーザの負担を減らすことができる。よって、第2の実施形態に係るMRI装置によれば、基準断面像の位置決めを更に容易にユーザに行わせることができる。
(第2の実施形態の第1の変形例)
なお、第2の実施形態では、MRI装置が、設定された検査プロトコルにおいて、ある断面検出用プロトコルの次のプロトコル以降の全てのプロトコル、又は、ある断面検出用プロトコルの次のプロトコルから、次の断面検出用プロトコルの1つ前のプロトコルまでのプロトコルに従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類を特定する場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、既にイメージングスキャンが行われたプロトコルについては、イメージングスキャンで基準断面像が収集済みであるため、このプロトコルに従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像を位置決めのために表示させる必要がない場合もある。そこで、MRI装置は、イメージングスキャンが実行されたプロトコルにおいて収集された種類の基準断面像については、表示させないようにすることもできる。
すなわち、MRI装置が、設定された検査プロトコルにおいて、ある断面検出用プロトコルの次のプロトコル以降の全てのプロトコル、又は、ある断面検出用プロトコルの次のプロトコルから、次の断面検出用プロトコルの1つ前のプロトコルまでのプロトコルのうち、既にイメージングスキャンが行われたプロトコルを除いたプロトコルに従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類を特定することもできる。そこで、このような実施形態を第2の実施形態の第1の変形例として説明する。
図17は、第2の実施形態の第1の変形例に係る検査プロトコル70の変更前後の一例を示す図である。例えば、図17の例に示すように、変更前の検査プロトコル70は、1番目のプロトコル(断面検出用プロトコル)71、2番目のプロトコル(「LSA−cine」)72、及び、3番目のプロトコル(「L2ch−cine」)73を含む。
ここで、第1の変形例に係るMRI装置が、変更前の検査プロトコル70に含まれる全てのプロトコル71〜73に従って各種の処理を実行した後に、ユーザにより検査プロトコル70に、新たに、4番目のプロトコル(「RSA−cine」)74、及び、5番目のプロトコル(「R2ch−cine」)75が追加される変更が行われ、その後、再び検査プロトコル70が実行される場合について説明する。
この場合に、MRI装置は、変更後の検査プロトコル70に含まれる各プロトコル71〜75に従って各種の処理を行う。例えば、第1の変形例に係るMRI装置の表示制御部26cは、プロトコル71に従って処理を行う際に、プロトコル72〜75のうち、イメージングスキャン済みのプロトコル71、72を除いたプロトコル74、75に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類を特定する。そして、表示制御部26cは、相関図33aを参照し、種類を特定した基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類を特定する。そして、表示制御部26cは、特定した種類が示す基準断面像が、所定のサイズで左から右にかけて並んだレイアウトを示すレイアウト情報を生成する。そして、表示制御部26cは、ステップS15で生成した複数の基準断面像のうち、レイアウト情報が示す種類の基準断面像を、レイアウト情報が示すサイズ及び配置で表示させる。
このように、表示制御部26cは、未実行のイメージングスキャンで収集される種類の基準断面像を表示部25に表示させる。従って、第2の実施形態の第1の変形例に係るMRI装置によれば、イメージングスキャン済みのプロトコル71、72に従って収集される基準断面像のような、基準断面像の位置決めに不要な場合がある基準断面像が表示部25に表示されなくなる。よって、第2の実施形態の第1の変形例に係るMRI装置によれば、基準断面像の位置決めをユーザに、より一層容易に行わせることができる。
(第2の実施形態の第2の変形例)
ここで、MRI装置が、あるプロトコルに従ってイメージングスキャンを実行して、このイメージングスキャンの実行が完了してから、次のプロトコルに従ってイメージングスキャンを実行するまでの間において、ユーザから入力部24を介して、断面検出用プロトコルに従って処理を行う指示を受け付けた場合について説明する。すなわち、検査プロトコルに含まれる複数のプロトコルのうちいずれか2つのプロトコルの間に、断面検出用プロトコルが設定された場合について説明する。この場合には、MRI装置は、受け付けた指示に基づいて、設定された断面検出用プロトコルに従って処理を行う。そこで、このような実施形態を第2の実施形態の第2の変形例として説明する。
図18は、第2の実施形態の第2の変形例に係る検査プロトコル80の一例を示す図である。図18の例に示すように、検査プロトコル80は、1番目のプロトコル(断面検出用プロトコル)81、2番目のプロトコル(「LSA−cine」)82、3番目のプロトコル(「L2ch−cine」)83、4番目のプロトコル(「RSA−cine」)84、及び、5番目のプロトコル(「R2ch−cine」)85を含む。
第2の変形例に係るMRI装置は、検査を行う場合には、検査プロトコル80に含まれる各プロトコル81〜84に従って各種の処理を行う。ここで、ユーザから入力部24を介して、プロトコル84に従った処理の実行が完了した後且つプロトコル85に従って処理の実行が開始される前に、断面検出用プロトコル86に従って処理を実行する指示が入力された場合について説明する。なお、このような指示によって、プロトコル84とプロトコル85との間に、断面検出用プロトコル86が設定される。
この場合には、表示制御部26cは、プロトコル84に従った処理の実行が完了した後且つプロトコル85に従って処理を実行する前に、断面検出用プロトコル86に従って処理を行う。ここでは、表示制御部26cは、既に14種類の断面位置が検出されているため、新たに、14種類の断面位置を検出しない。そして、表示制御部26cは、既に検出された断面位置を用いて、第2の実施形態又は第1の変形例と同様の処理を行う。例えば、表示制御部26cは、プロトコル85に従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像の種類を特定する。そして、表示制御部26cは、相関図33aを参照し、種類を特定した基準断面像の1つ前に設定される基準断面像の種類を特定する。そして、表示制御部26cは、特定した種類が示す基準断面像が、所定のサイズで左から右にかけて並んだレイアウトを示すレイアウト情報を生成する。そして、表示制御部26cは、生成した複数の基準断面像のうち、レイアウト情報が示す種類の基準断面像を、レイアウト情報が示すサイズ及び配置で表示させる。すなわち、表示制御部26cは、プロトコル84とプロトコル85との間に設定された断面検出用プロトコル86の次に設定されたプロトコル85以降のプロトコルに従って実行されるイメージングスキャンにより収集される種類の基準断面像を位置決め画面上に表示させる。
従って、第2の実施形態の第2の変形例に係るMRI装置によれば、これから処理が行われるプロトコルに従って実行されるイメージングスキャンで収集される基準断面像のみ位置決め画面上に表示される。よって、第2の実施形態の第2の変形例に係るMRI装置によれば、基準断面像の位置決めをユーザに、より一層容易に行わせることができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置によれば、基準断面像の位置決めをユーザに容易に行わせることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。