JP6547751B2 - 積層体、積層体の製造方法 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6547751B2
JP6547751B2 JP2016540163A JP2016540163A JP6547751B2 JP 6547751 B2 JP6547751 B2 JP 6547751B2 JP 2016540163 A JP2016540163 A JP 2016540163A JP 2016540163 A JP2016540163 A JP 2016540163A JP 6547751 B2 JP6547751 B2 JP 6547751B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
containing layer
transparent
laminate
fine particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016540163A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016021444A1 (ja
Inventor
祐子 青山
祐子 青山
俊尚 山川
俊尚 山川
佐藤 潤
潤 佐藤
山内 豪
豪 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Publication of JPWO2016021444A1 publication Critical patent/JPWO2016021444A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6547751B2 publication Critical patent/JP6547751B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M3/00Printing processes to produce particular kinds of printed work, e.g. patterns
    • B41M3/14Security printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B42BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
    • B42DBOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
    • B42D25/00Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
    • B42D25/30Identification or security features, e.g. for preventing forgery
    • B42D25/36Identification or security features, e.g. for preventing forgery comprising special materials
    • B42D25/378Special inks
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B39/00Watch crystals; Fastening or sealing of crystals; Clock glasses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Description

本発明は、透明な積層体、積層体の製造方法に関する。
従来、紫外線照射等により視認可能になる光機能性微粒子を備える媒体があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−121170号公報
しかし、このような光機能性微粒子を有するインキは、通常の可視光下では、白濁している。このため、このようなインキを透明な媒体に塗布すると、媒体の透明性は、大きく低下してしまう。
そこで、本発明は、透明性が大きく低下せず、光機能性微粒子を備える積層体、積層体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
・第1の発明は、透明層(2)と、前記透明層の少なくとも一方の面に設けられ、透明樹脂と前記透明樹脂に分散され光機能性を発揮することにより判別可能になる光機能性微粒子とを有し、透明な微粒子含有層1)と、を備える積層体(10,210,310,310B,410,510,610,610B)である。
・第2の発明は、第1の発明の積層体において、前記微粒子含有層(1)の前記光機能性微粒子は、可視光下でこの積層体を観察した状態において、肉眼では視認できない程度に微細であること、を特徴とする積層体(10,210,310,310B,410,510,610,610B)である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明の積層体において、この積層体が備える全ての層は、可視光下では透明であり、前記微粒子含有層(1)の前記光機能性微粒子は、照射光の種類により光機能性を発揮すること、又は観察光の光学的な処理によって光機能性を発揮すること、を特徴とする積層体(10,210,310,310B,410,510,610,610B)である。
・第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の積層体において、前記透明層(2)の屈折率と、前記微粒子含有層(1)の屈折率とは、前記透明層及び前記微粒子含有層の界面が視認できない程度に等しいこと、を特徴とする積層体である。
・第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明の積層体において、前記微粒子含有層(1)は、前記透明層(2)の一部に積層されていること、を特徴とする積層体(210,310,310B,410,510,610,610B)である。
・第6の発明は、第5の発明の積層体において、前記透明層(2)は、凹部(6)が形成され、前記微粒子含有層は、前記凹部内に形成されていること、を特徴とする積層体(310,310B)ある。
・第7の発明は、第6の発明の積層体において、前記微粒子含有層(1)の表面と、前記透明層(2)の表面とは、同一面を形成すること、を特徴とする積層体(310,310B)である。
・第8の発明は、第6又は第7の発明の積層体において、前記凹部(6)内の前記微粒子含有層(1)と、前記透明層(2)とを覆うように積層された第二の微粒子含有層(7)を備えること、を特徴とする積層体(310B)である。
・第9の発明は、第5の発明の積層体において、前記透明層(2)の表面は、平面であり、前記微粒子含有層(1)、前記透明層の平面の一部領域に積層され、前記透明層の平面のうち一部領域とは異なる領域に積層された第二の微粒子含有層(7)を備えること、を特徴とする積層体(410)である。
・第10の発明は、第1から第8のいずれかの発明の積層体において、この積層体が備える全ての層は、透明であり、全ての隣り合う層間において、屈折率差は、層間の界面が視認できない程度に等しいこと、を特徴とする積層体(10,210,310,310B,410,510,610,610B)である。
・第11の発明は、第8の発明の積層体(310B)の製造方法であって、前記透明層(2)に前記凹部(6)を形成する凹部形成工程と、前記凹部に、前記微粒子含有層(1)を形成する微粒子含有層形成工程と、前記透明層及び前記微粒子含有層を覆うように、前記第二の微粒子含有層(7)を形成する第二の微粒子含有層形成工程と、を備える積層体の製造方法である。
本発明によれば、透明性が大きく低下せず、光機能性微粒子を備える積層体、積層体の製造方法を提供できる。
第1実施形態の偽造防止媒体の構成を示す断面図である。 第2実施形態の偽造防止媒体の構成を示す断面図である。 第3実施形態の偽造防止媒体の構成を示す断面図である。 第4実施形態の偽造防止媒体の構成を示す断面図である。 第5実施形態の腕時計を示す図である。 第6実施形態のカードを示す図である。
(実施形態)
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
<1.偽造防止媒体10の構成>
図1は、第1実施形態の偽造防止媒体10の構成を示す断面図である。
図面では、厚み方向の構成を、適宜誇張して図示する。
偽造防止媒体10(積層体)は、微粒子含有層1、透明基材2(透明層)、ハードコート層3a、3b、反射防止膜4a、4bを備える。
ハードコート層3a、3bは、透明基材2の両面に形成されている。反射防止膜4a、4bは、ハードコート層3a、3bの外側面に形成されている。
ハードコート層3a、3bは、透明基材2を保護する保護層である。反射防止膜4a、4bは、反射を防止する層である。
微粒子含有層1は、透明樹脂と、この透明樹脂中に分散された微粒子(光機能性微粒子)とを備える。
偽造防止媒体10に紫外線を照射した状態(以下「紫外線照射状態」ともいう)において、この微粒子は、発光することにより、可視化する。つまり、この微粒子は、紫外線照射に応じて光機能性を発揮することにより、判別可能になる。
透明樹脂成分の光透過性は、可視光下において十分に透明であり、かつ、紫外線照射状態において微粒子の発光が観察可能であれば、特に限定されない。なお、透明樹脂の可視領域における全光線透過率は、透明樹脂を微粒子含有層1の厚みに形成した状態において、20%以上であることが好ましい。実施形態では、全光線透過率を、JISK7105に準拠して測定した値で表す。
透明樹脂成分は、上記光透過性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光硬化性樹脂成分、熱硬化性樹脂成分、熱可塑性樹脂成分のいずれも用いることができる。なかでも、光硬化性樹脂成分、熱硬化性樹脂成分等の硬化性樹脂成分が好ましく、特に光硬化性樹脂成分が好ましい。
透明樹脂成分として光硬化性樹脂成分を用いることにより、耐熱性の低い透明基材2に、微粒子含有インキを塗布することができる。このため、透明基材2の材料の選択肢を広げることができる。また、光硬化性インキは、硬化速度が速く、かつ、加工適性に優れている(例えば、耐摩擦性に優れているため加工しやすい等の性質を有する)ので、生産効率を向上できる。
微粒子は、蛍光性を有する。本実施形態では、微粒子として、量子ドットを含む。量子ドット(Quantumdot)は、半導体のナノメートルサイズの微粒子で、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、特異的な光学的、電気的性質を示し、半導体ナノ粒子(Semiconductor Nanoparticle)とも、半導体ナノ結晶(Semiconductor Nanocrystal)とも呼ばれるものである。本実施形態に用いられる量子ドットは、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。量子ドットは、例えば、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子と、ドーパントを有する半導体微粒子とがある。
量子ドットは、1種の半導体化合物からなるものであっても、2種以上の半導体化合物からなるものであってもよく、例えば、半導体化合物からなるコアと、このコアと異なる半導体化合物からなるシェルとを有するコアシェル型構造を有していてもよい。その代表例としては、CdSeからなるコアと、その周囲に設けられたZnSシェルと、さらにその周囲に設けられた保護材料(キャッピング材料と呼ばれることもある)とで構成されたものを例示できる。この量子ドットは、その粒径により発光色を異にするものである。例えば、コアがCdSeからのみ構成される量子ドットの場合、粒径が2.3nm、3.0nm、3.8nm、4.6nmのときの蛍光スペクトルのピーク波長は、528nm、570nm、592nm、637nmである。
量子ドットのコアとなる材料は、具体的には、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe及びHgTeのようなII−VI族半導体化合物、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InN、InAs、InP、InSb、TiN、TiP、TiAs及びTiSbのようなIII−V族半導体化合物、Si、Ge及びPbのようなIV族半導体、等の半導体化合物又は半導体を含有する半導体結晶を例示できる。また、量子ドットのコアとなる材料は、InGaPのような3元素以上を含んだ半導体化合物を含む半導体結晶を用いることもできる。
さらに、ドーパントを有する半導体微粒子からなる量子ドットとしては、上記半導体化合物に、Eu3+、Tb3+、Ag+、Cu+のような希土類金属のカチオン又は遷移金属のカチオンをドープしてなる半導体結晶を用いることもできる。
なかでも、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒径の制御性、蛍光量子収率の観点から、CdS、CdSe、CdTe、InP、InGaP等の半導体結晶が好適である。
コアシェル型の量子ドットを用いる場合に、シェルを構成する半導体としては、励起子がコアに閉じ込められるように、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いることができる。これにより、量子ドットは、発光効率を高めることができる。このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
量子ドットのサイズは、所望の波長の光が得られるように、量子ドットを構成する材料によって適宜制御すればよい。量子ドットは、粒径が小さくなるに従い、エネルギーバンドギャップが大きくなる。すなわち、結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は、青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトする。そのため、量子ドットの発光波長は、量子ドットのサイズを変化させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長全域にわたって、調節することができる。
一般的には、量子ドットの粒径(直径)は、0.5nm〜20nmの範囲内であることが好ましく、特に1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。
微粒子の色彩は、微粒子含有層1が全体として透明性を確保できれば、例えば、不透明、透明、半透明でもよい。
ここで、可視光下の観察では、量子ドットは、その粒径が小さくなる程、視認しにくくなる。
すなわち、微粒子含有層1中の含有量を一定とし、量子ドットの粒径を変化させた場合には、可視光下の観察では、微粒子含有層1は、量子ドットの粒径が小さい程、濁りが減少し、つまり、微粒子含有層1の透明性を高くすることができる。
実施形態では、量子ドットの粒径を、上記の大きさにすることにより、可視光下の観察において、微粒子含有層1は、透明に観察される。すなわち、肉眼で観察した状態において(つまり、可視光下で偽造防止媒体10を拡大鏡を用いずに、等倍で観察した状態において)、実施形態の量子ドットの粒径の大きさは、視認できない程度に微細である。
なお、紫外線照射状態において、量子ドットは、発光する。量子ドットがこのように発光した態様は、肉眼で視認可能である。
なお、量子ドットのサイズ分布が狭いほど、より鮮明な発光色を得ることができる。
また、量子ドットの形状は、特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。量子ドットの粒径は、粒子が球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
量子ドットの粒径、形状、分散状態等の情報は、透過型電子顕微鏡(TEM)により得ることができる。また、量子ドットの結晶構造、粒径は、X線結晶回折(XRD)により得ることができる。さらに、量子ドットの粒径、表面に関する情報は、紫外−可視(UV−Vis)吸収スペクトルによって、得ることができる。
微粒子含有層1の量子ドット(微粒子)の含有量は、発光によって視認可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、0.1質量%〜50質量%程度とすることができる。
透明基材2の透明性(光透過性)は、紫外線照射状態で微粒子含有層1の微粒子の発光が観察可能であれば特に限定されないが、可視領域における全光線透過率が50%以上であることが好ましい。透明基材2がこの程度の全光線透過率を有すれば、紫外線照射状態において、透明基材2を通して微粒子含有層1の微粒子の発光を視認可能である。
透明基材2は、一般的な樹脂基材、ガラス基材等を用いることができる。一般的な樹脂基材は、偽造防止媒体10の使用態様等に応じて適宜のものを採用することができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂基材を挙げることができる。
また、透明基材2の表面は、微粒子含有層1との密着性を向上させるために、易接着処理が施されていることが好ましい。易接着処理は、微粒子含有層1及び透明基材2を接着させることができれば特に限定されない。易接着処理は、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理等の物理的処理、あるいは、クロム酸、シランカップリング剤、プライマー剤等を使用した化学的処理を挙げることができる。なかでも、プライマー剤を用いた化学的処理が好ましい。プライマー剤は、透明基材2の製造時に処理される場合と、透明基材2の製造後に処理される場合とがある。いずれの場合も好適である。製造時にプライマー剤で処理された透明基材2は、市販されているものを用いることができる。プライマー剤は、上記微粒子含有インキと密着するものであればよい。
ハードコート層3a、3bは、偽造防止媒体10の使用態様等によっては、設けなくてもよい。また、ハードコート層3a、3bは、透明基材2の一方の面のみに、設けてもよい。
ハードコート層3a、3bは、透明基材2を保護することに加えて、微粒子含有層1を保護することができる。
ハードコート層3a、3bの光透過性は、偽造防止媒体10の透明度に影響を与えない程度であり、かつ、紫外線照射状態において微粒子含有層1の微粒子が観察可能であればよい。なお、ハードコート層3a、3bの光透過性は、可視領域における全光線透過率が20%以上であることが好ましく、なかでも60%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。
ハードコート層3a、3bの材料は、上記光透過性を満たし、かつ、微粒子含有層1を保護することができるものであればよく、例えば、光硬化性樹脂を用いることができる。
ハードコート層3a、3bの膜厚は、微粒子含有層1、透明基材2を保護することができればよく、例えば1μm〜100μm程度とすることができる。ハードコート層3a、3bの形成方法は、公知の方法を用いることができる。
反射防止膜4a、4bも、偽造防止媒体10の使用態様等によっては、設けなくてもよい。また、反射防止膜4a、4bは、透明基材2の一方の側のみに形成してもよく、また、本実施形態のように、透明基材2の両方の側に形成してもよい。
反射防止膜4a、4bは、偽造防止媒体10の表面反射を少なくして透過光を多くするとともに、反射による散乱光を除去することができる。
反射防止膜4a、4bは、例えば透明基材2よりも屈折率の小さい透明薄膜を採用してもよい。反射防止膜4a、4bは、ハードコート層3a、3bの表面に真空蒸着により形成することができる。反射防止膜4a、4bの材料は、例えば、MgF、SiO等を用いることができる。
<微粒子含有層の形成方法>
図1に示したように、透明基材2等の全面に微粒子含有層1を形成する場合は、微粒子を含有したインキである微粒子含有インキを公知の塗布方法により塗布し、固化すればよい。公知の塗布方法としては、例えば、ダイコート法、スピンコート法を採用することができる。
偽造防止媒体10の大きさ、形状によっては、複数の偽造防止媒体10に対して、微粒子含有層1を一括して形成することができる。
例えば、偽造防止媒体10が比較的小型のレンズ等である場合は、複数の偽造防止媒体10を平坦状に配置した大判に、微粒子含有インキを一括して塗布することができる。
また、偽造防止媒体10が可撓性のある小型のフィルム状である場合は、複数の偽造防止媒体10が配置されたシート状の連帳を、ロール状に巻回された状態から引き出した状態にして、微粒子含有インキを一括して塗布することができる。
このように、大判、連帳等の状態で一括して微粒子含有層1を形成する場合には、微粒子含有インキの塗布は、ダイコート法により行うことが好ましい。一方、個々の偽造防止媒体10に微粒子含有層1を形成する場合には、塗布は、スピンコート法により行うことが好ましい。
<観察態様>
偽造防止体20の観察態様について説明する。
(可視光での観察)
前述したように、偽造防止媒体10の各層は、透明であるため、偽造防止媒体10全体は、透明である。これにより、観察者は、偽造防止媒体10を可視光下で観察すると、偽造防止媒体10の表面側(観察側)とは反対側である裏面側の空間を、偽造防止媒体10を透過して、視認できる。
なお、微粒子含有層1の微粒子は、十分に小さく、かつ、可視光下では発光しないため(又は発光した状態を確認できないため)、視認できない。
(紫外線照射状態での観察)
偽造防止媒体10の各層は、透明である。そのため、紫外線照射状態では、外部からの紫外線は、偽造防止媒体10の各層を通過することにより、微粒子含有層1の微粒子に到達する。微粒子含有層1の微粒子は、紫外線によって励起することにより発光する。微粒子の発光は、偽造防止媒体10の各層の透明であるため、偽造防止媒体10の外部から視認できる。
ここで、隣合う層(つまり、接触している2つの層)間の屈折率差は、偽造防止媒体10の透明性を保つため小さい方がよく、かつ、隣合う層間の界面を視認できない程度に小さい方がよい。
例えば、微粒子含有層1の屈折率と透明基材2の屈折率との差は、偽造防止媒体10の透明性を保つため小さい方がよく、かつ、微粒子含有層1と透明基材2との界面を視認できない程度に小さい方がよい。なお、微粒子含有層1の屈折率は、透明樹脂のみのものでもよいが、透明樹脂に微粒子を散在させた状態のものの方が好適である。後者の方が、微粒子含有層1の層全体の屈折率を、より正確に表すからである。
具体的には、微粒子含有層1と透明基材2との屈折率の差は、絶対値で0.01程度以下がよい。屈折率の差がこれより大きくなると、透明性が低下してしまうため、また、界面が目立ってしまうため、製品の美観を損ねてしまう可能性がある。その他の各層間の屈折率差についても同様である。
すなわち、全ての層の屈折率は、同等であることがよい。
以上説明したように、本実施形態の偽造防止媒体10は、透明な微粒子含有層1が透明基材2に形成されているので、一見では偽造防止対策が施されていることがわからない。そのため、偽造防止媒体10は、透明性を大きく損なうことなく、偽造防止対策を施すことが可能となる。
なお、図1の例では、微粒子含有層1の積層位置は、透明基材2とハードコート層3aの間である例を示すが、これに限定されない。微粒子含有層1は、例えば、反射防止膜4aの外面側、反射防止膜4aとハードコート層3aの間、透明基材2とハードコート層3bの間、ハードコート層3bと反射防止膜4bの間、反射防止膜4bの外面側のいずれかの箇所に形成されていてもよい。
また、図1の例では、微粒子含有層1は、透明基材2の一方の側のみに形成されているが、透明基材2の両方の側に形成するようにしてもよい。この場合、上側の微粒子含有層、下側の微粒子含有層をともに透明基材2に接するように配置すること等によって、両者を、透明基材2に対して対称になるように形成してもよい。また、上側の微粒子含有層を透明基材2に接するように配置し、かつ、下側の微粒子含有層をハードコート層3bと反射防止膜4bの間に配置すること等によって、両者を、透明基材2に対して対称になるように形成してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
また、透明基材2の一方側に各層を積層する例を示すが、透明基材2の両方の側にそれぞれ各層を積層してもよい。
図2は、第2実施形態の偽造防止媒体210の構成を示す断面図である。
図2(A)に示すように、本実施形態の偽造防止媒体210は、微粒子含有層1を、透明基材2の上面全面ではなく、透明基材2の平面である上面のパターン状の一部領域に形成した。
可視光下の観察では、偽造防止媒体210は、各層の屈折率を第1実施形態と同様に設定することにより、全体が透明であり、また、界面が目立たない。
紫外線照射状態では、偽造防止媒体210は、微粒子含有層1が形成されている部分が発光する。このため、紫外線照射状態の観察では、微粒子含有層1の配置パターンを視認できる。
偽造防止媒体210は、以下の工程に従って作製できる。
(1)微粒子含有インキをインクジェットプリンターにより透明基材2上に塗布することにより、微粒子含有層1を形成する。なお、微粒子含有インキの微粒子は、十分に微細である。このため、微粒子含有インキは、インクジェットプリンターによって、吐出可能である。
(2)微粒子含有層1に重ねて、保護層5を形成する。
保護層5の凸状に突き出た部分は、保護層5を形成するインクを一様に塗布した場合に、微粒子含有層1の厚さに応じて膨んだ部分である。
保護層5を形成する樹脂は、特に限定されないが、紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。この場合には、保護層5は、紫外線硬化型樹脂を主成分とするバインダを含むインキを塗布することにより、形成できる。
(3)図2(B)に示すように、保護層5の凸状の部分をスキージにより掻き取ることにより、保護層5の外面を平らにする。
偽造防止媒体210は、図2(B)に示す状態で、完成品としてもよいし、また、この状態に別の透明の層(例えば反射防止膜等)を積層することにより完成品としてもよい。
(4)図2(B)の状態では、保護層5は、微粒子含有層1を完全に覆っている。
図2(C)に示すように、偽造防止媒体210は、図2(B)の状態から、スキージによって保護層5を掻き取ることにより、厚みを調整してもよい。この結果、図2(C)に示すように微粒子含有層1が表出する。このため、紫外線照射状態では、発光した微粒子の視認性がよくなる。これにより、偽造防止媒体210は、偽造防止効果が高まる。
なお、図2(C)に示す状態では、微粒子含有層1と保護層5との境界線(つまり界面の端部)が外部に露出する。この場合でも、微粒子含有層1と保護層5との屈折率差を前述したように設定することにより、この境界線を目立たなくすることができる。
(第3実施形態)
以下の説明及び図面において、前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図3は、第3実施形態の偽造防止媒体310の構成を示す断面図である。
図3(A)、図3(B)に示すように、本実施形態の偽造防止媒体310は、透明基材2に形成された凹部6に、微粒子含有層1を形成した。
可視光下の観察では、偽造防止媒体310は、第1、第2実施形態と同様に、全体が透明に観察される。
紫外線照射状態の観察では、偽造防止媒体310は、第2実施形態と同様に、微粒子含有層1の配置パターンを視認できる。
偽造防止媒体310は、以下の工程に従って作製できる。
(1)公知のエッチングやレーザー刻印等で、透明基材2の平面に凹部を形成する(凹部形成工程)。凹部は、例えば溝状である。図3(A)は、透明基材2上に2つの凹部6を形成した例である。凹部6の深さは、特に限定されないが、例えば、40μm〜60μmとすることができる。
(2)凹部6が形成されたら、インクジェットプリンターにより、微粒子含有インキを、凹部6に収まるように塗布する。微粒子含有インキの塗布は、凹部6のパターンデータを用いて行う。凹部6のパターンデータは、上記(1)のエッチングやレーザー刻印のためのデータを用いることができる。
このようにして、図3(B)に示すように、透明基材2の凹部6内に微粒子含有層1を形成できる(微粒子含有層形成工程)。微粒子含有層1の厚みは、凹部6の深さと同一にするとよい。これにより、微粒子含有層1の表面と透明基材2の表面とが、同一面を形成できる。
なお、微粒子含有インキの塗布は、インクジェットプリンターを用いずに、ダイコート法、スピンコート法等の公知の塗布方法により行ってもよい。この場合には、微粒子含有インキを透明基材2の全面に塗布後に、微粒子含有インキの表面をスキージで掻き取る。これにより、微粒子含有層1の表面と透明基材2の表面とが、同一面を形成できる。
また、微粒子含有インキの塗布は、パッド印刷により行ってもよい。パッド印刷は、例えば、偽造防止媒体310がガラス陶器や比較的大きめの宝石である場合に、好適である。
インクジェット印刷を用いる場合、可変情報、絵柄等を、微粒子含有層1(凹部6)の平面形状とすることができる。また、パッド印刷を用いる場合、絵柄等を、微粒子含有層1の平面形状とすることができる。
偽造防止媒体310は、図3(B)に示す状態で、完成品としてもよいし、また、この状態に別の透明の層(例えば反射防止膜等)を積層することにより完成品としてもよい。
なお、図3(C)に示す状態では、微粒子含有層1と透明基材2との境界線が外部に露出する。この場合でも、微粒子含有層1と透明基材2との屈折率差を前述したように設定することにより、この境界線を目立たなくすることができる。
(偽造防止媒体310B)
図3(C)は、第3実施形態のその他の形態である偽造防止媒体310Bを示す断面図である。
偽造防止媒体310Bは、透明基材2の凹部6内に設けられた微粒子含有層1と、透明基材2及び微粒子含有層1を一体で覆う第二の微粒子含有層7とを備える。
凹部6に対応する部分には、2層の微粒子含有層1,7が積層される。
可視光下の観察では、第二の微粒子含有層7を含む層間の屈折率差を、第1実施形態と同様に設定することにより、全体が透明に観察される。また、透明基材2と微粒子含有層7との境界線も目立たない。
さらに、第二の微粒子含有層7は、透明基材2及び微粒子含有層1を一体で覆うので、これらの境界線が露出しない。このため、境界線は、ぼかされるので、一層目立たない。これにより、偽造防止媒体310Bの見栄えが向上する。
微粒子含有層1の組成と第二の微粒子含有層7の組成とは、異なるものであってもよいし、同一であってもよい。なお、両者の組成が同一とは、両者の組成が近い形態を含む概念である。第二の微粒子含有層7の厚みは、微粒子含有層1の厚みと同等か、又はより厚くすることが好ましい。
例えば、両者の組成を同一とし、かつ、両者の厚みを同一にすると、上側から観察した状態では、凹部6の真上の領域(2つの微粒子含有層1,7が積層されている部分)に存在する微粒子の量は、凹部6以外の部分(第二の微粒子含有層7のみが積層されている部分)の2倍になる。
可視光下の観察では、微粒子含有層1の微粒子、第二の微粒子含有層7の微粒子は、視認することができない。このため、偽造防止媒体310B全体が、透明に観察される。
紫外線照射状態の観察では、微粒子含有層1の微粒子、第二の微粒子含有層7の微粒子は、発光する。このため、紫外線照射状態の観察では、微粒子含有層1、第二の微粒子含有層7の発光が、観察される。
ここで、凹部6に対応する部分は、2層の微粒子含有層1,7が積層されているので、紫外線照射状態では、第二の微粒子含有層7のみが積層されている部分よりも、明るく発光する。このように、これら2つの部分の発光態様は、異なる。このため、微粒子含有層1の領域を識別することができるので、微粒子含有層1の配置パターンを視認できる。
偽造防止媒体310Bは、図3(B)の微粒子含有層1を形成後に第二の微粒子含有層7を積層することにより作製してもよい。つまり、透明基材2及び微粒子含有層1を覆うように、第二の微粒子含有層7を形成する(第二の微粒子含有層形成工程)。
図3(B)の状態から第二の微粒子含有層7を積層する場合には、微粒子含有インキを、ダイコート法、スピンコート法等の公知の塗布方法により、形成するようにしてもよい。また、塗布方法は、微粒子含有インキをスプレー塗布してもよい。
又は、微粒子含有層1と第二の微粒子含有層7の組成が同一である場合には、偽造防止媒体310Bは、図3(A)の透明基材2に対して、微粒子含有層1及び第二の微粒子含有層7を一体で形成することにより作製してもよい。
この場合には、微粒子含有インキをスプレー塗布することにより、微粒子含有層1及び第二の微粒子含有層7を形成するとよい。スプレー塗布には、微粒子含有インキを噴霧する自動スプレーノズルを用いることができる。
なお、偽造防止媒体310Bも、上記偽造防止媒体310と同様に、さらに、別の透明の層を積層してもよい。
以上説明したように、本実施形態の偽造防止媒体310、310Bは、凹部6に微粒子含有層1を設けるので、微粒子含有層1を確実に定着させることができる。また、微粒子含有層1は、透明基材2から突出しないので、偽造防止媒体310、310Bの表面が基材の表面が平滑になる。このため、微粒子含有層が剥離しにくい。
(第4実施形態)
第4実施形態の説明及び図面において、前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図4は、第4実施形態の偽造防止媒体410の構成を示す断面図である。
偽造防止媒体410は、第2実施形態の偽造防止媒体210の構成に対して、保護層5(図2参照)の代わりに、第3実施形態と同様な第二の微粒子含有層7(図3参照)を積層したものである。
偽造防止媒体410の製造方法は、第2実施形態と同様である。このため、微粒子含有層1は、例えばインクジェットプリンターによって、透明層2の平面の一部領域に、容易に形成できる。
但し、第二の微粒子含有層7は、第3実施形態と同様に、ダイコート法、スピンコート、スプレー塗布等により形成できる。これにより、第二の微粒子含有層7は、透明層2の平面のうち一部領域(微粒子含有層1が積層された領域)とは異なる領域に積層される。
各層間の屈折率差は、前述した実施形態と同様に、全ての層間において小さい。このため、可視光下の観察では、偽造防止媒体10は、透明性を保つことができ、かつ、層間の界面を視認できない。また、図4(C)の状態では、表面に露出した境界線が目立たない。
微粒子含有層1の組成と、第二の微粒子含有層7の組成とは、異なる。このため、紫外線照射状態において、微粒子含有層1、第二の微粒子含有層7の発光態様(例えば、輝度、色彩等)とは、異なる。このため、観察者は、第二の微粒子含有層7の配置パターンを視認できる。
微粒子含有層1の組成、第二の微粒子含有層7の組成は、屈折率差が同様であり、かつ、両者の発光態様が異なれば、いずれの形態でもよい。
例えば、両者間において、微粒子の含有率を変えてもよい。この場合において、両者の透明樹脂を共通にしても屈折率差が小さい場合には、この透明樹脂を両者に用いることができる。一方、両者の透明樹脂を共通にすると屈折率差が大きくなってしまう場合には、屈折率差が小さくなるように、両者で異なる透明樹脂を選択すればよい。
以上説明したように、偽造防止媒体410は、2つの微粒子含有層1,7の発光態様が異なるので、第3実施形態と同様に微粒子含有層1の配置パターンを視認できる。また、偽造防止媒体410は、容易に製造できる。
(第5実施形態)
第5実施形態は、前述した実施形態の偽造防止媒体を備える腕時計である。
図5は、第5実施形態の腕時計520を示す図である。
図5(A)は、腕時計520の全体の外観図、図5(B)は、腕時計520の一部を構成する透明な風防510を示している。
風防510は、偽造防止媒体である。風防510は、腕時計520の一部を構成している。風防510の透明基材の材質は、透明な材質であれば特に限定されないが、ガラス、プラスチック、サファイヤクリスタル等を用いることができる。
図5(A)に示すように、風防510は、文字盤を保護するために、文字盤を覆う位置に装着される。風防510は、所定の透明性を有している。このため、文字盤は、風防510を通して視認可能である。
図5(B)に示すように風防510には、微粒子含有層1が形成されている。
微粒子含有層1は、図2に示したように、風防510の透明基材の平らな表面上に形成することもできるし、図3に示したように、風防510の透明基材の凹部に形成することもできる。
図5(B)の例では、微粒子含有層1の平面形状は、「No.123456」、「made in XXXX」という文字パターンとなっており、製造番号、製造国を表現している。
風防510は、可視光下では、透明である。可視光下では、文字盤の視認性は、ほとんど低下しない。
一方、紫外線照射状態では、微粒子含有層1に含有された微粒子が発光する。これにより、紫外線照射状態では、風防510は、図5(B)に示したような文字パターンが認識可能となる。
なお、腕時計520の真贋を判定する場合には、腕時計520に紫外線を照射することにより、微粒子含有層1の文字パターンの有無を確認すればよい。
以上説明したように、本実施形態の腕時計520(製品)は、凹部等を風防510(偽造防止媒体)に直接加工し、微粒子含有層1を形成できる。これにより、実施形態の風防510は、製品の偽造防止効果を向上でき、ブランドプロテクションの効果を向上できる。
ここで、ブランドプロテクションを目的として、実施形態とは異なる形態として、製品に取り付けられるラベルやタグ等の媒体がある。このラベル等の媒体は、例えば、色調が変化するパール光沢インキ、ルーペで拡大すると確認できるマイクロ文字、独特な立体感があるホログラム等を備える。しかし、このラベル等の媒体は、製品に対して、例えば、後加工によって取り付けることができる。そのため、このラベル等の媒体は、取り換え可能な場合もあるため、偽造防止効果が実施形態よりも劣る。
(第6実施形態)
第6実施形態の説明及び図面において、前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
第6実施形態は、前述した実施形態の偽造防止媒体を備えるカード620である。
図6は、第6実施形態のカード620を示す図である。
図6(A)は、カード620を上面側(厚さ方向の上側)から見た図である。
図6(B)は、図6(A)のB−B断面図である。
カード620は、例えば、クレジットカードとして使用されたり、パスポート等に丁合される。
図6(A)に示すように、微粒子含有層1の配置パターンは、窓部621内で視認することができる。配置パターンの形状は、カード620の識別番号622である。
図6(B)に示すように、カード620は、偽造防止媒体610、印刷層607a,607bを備える積層体である。
各層間は、熱プレス等によって、接着される。接着力を向上するために、各層間には、シルク印刷等を設けてもよい。
偽造防止媒体610は、第3実施形態の偽造防止媒体310(図3(B)参照)の上面、下面に対して、保護層5a,5bを積層した形態である。なお、偽造防止媒体610は、偽造防止媒体310以外の形態も適宜用いることができる。
印刷層607a,607bは、保護層5a,5bの上面、下面に積層されている。印刷層607a,607bは、例えば、オフセット印刷等によって、設けられる。印刷層607a,607bは、保護層5a,5bに直接印刷されたものでも、熱転写によって保護層5a,5bに転写されたものでもよい。なお、印刷層607a,607bは、光の隠蔽力を向上するために、白色等の印刷層を備えていてもよい。
図6(A)に示すように、印刷層607a,607bは、窓部621以外の部分を形成する。つまり、窓部621は、印刷層607a,607bの内側の領域である。印刷層607a,607bは、例えば、カード名、絵柄、背景等が印刷されている。
可視光下では、窓部621は、透明に観察される。印刷層607a,607bの部分は、印刷層607a,607bの印刷内容を視認できる。また、印刷層607a,607bの部分は、印刷層607a,607bによってカード内部が隠蔽される。
一方、紫外線照射状態では、窓部621内において、微粒子含有層1の微粒子が発光している態様が観察される。これにより、観察者は、識別番号622を読み取ることができる。また、印刷層607a,607bの部分は、可視光下と同様に、印刷層607a,607bによってカード内部が隠蔽される。
以上説明したように、本実施形態のカード620は、紫外線照射状態においてのみ、識別番号622を読み取り可能になるので、偽造防止効果を向上できる。
また、カード620の窓部621は、可視光下で透明であり、紫外線照射状態でパターンが発光する。これにより、カード620は、面白い態様にすることができるし、また、デザイン性を向上できる。
図6(C)は、第6実施形態のその他の形態のカード620Bを示す断面図である。
図示は省略するが、カード620Bの偽造防止媒体610Bは、上側から見た状態で、窓部621と同様な外形である。
カード620Bは、厚さ調整層608を備える。
厚さ調整層608は、偽造防止媒体610Bを囲うように配置されている。
図示は省略するが、上側から見た状態で、厚さ調整層608の外形と、印刷層607a,607bの外形とは、同様である。
厚さ調整層608の厚さは、カード化した状態で、カード620Bの上面、下面に、大きな凹凸ができない程度であればよい。このため、厚さ調整層608の厚さと、偽造防止媒体610Bの厚さとは、同等であるとよい。
厚さ調整層608は、カード620Bの基材でもよい。また、偽造防止媒体610Bが十分に薄い場合には、厚さ調整層608は、シルク印刷等によって設けてもよい。
厚さ調整層608の色彩は、限定されない。厚さ調整層608は、印刷層607a,607bによって、隠蔽されるからである。
以上説明したように、カード620Bは、カード620Bを備えるので、カード外形よりも小さい偽造防止媒体610Bを収容できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)実施形態において、微粒子含有層に含まれる微粒子は、量子ドットである例を示したが、これに限定されない。微粒子は、蛍光性があれば、量子ドット以外でもよい。
(2)実施形態において、偽造防止媒体は、腕時計、カード等に設けられる例を示したが、これに限定されない。偽造防止媒体は、透明な部品を備える製品であれば、様々な種類の製品に適用することが可能である。
偽造防止媒体は、透明であることに意味がある製品(例えば、宝石、ガラス製品、眼鏡レンズ等)や、製品の一部に設けると、好適である。なお、偽造防止媒体は、眼鏡等の光学レンズに用いる場合でも、層間の屈折率差を小さくすることにより、レンズの光学的機能を大きく損なうことはない。
(3)実施形態において、積層体は、主に偽造防止を目的とした偽造防止媒体である例を示したが、これに限定されない。積層体は、偽造防止を目的としない媒体であってもよい。積層体は、例えば、品番等が微粒子含有層の文字パターンで記録された、透明な部品であってもよい。この場合には、部品は、通常の可視光下の使用時には透明であり、例えば、部品交換等の場合に、紫外線を照射されることにより、その品番等を視認できる。
(4)実施形態において、微粒子は、紫外線を照射されことにより、可視化する例を示したが、これに限定されない。
例えば、微粒子は、紫外線以外の光を照射されことにより、可視化するものでもよい。
また、微粒子は、紫外線等の特定の光を照射するのではなく、観察光(つまり反射光)を光学的処理することにより、判別可能となるものでもよい。例えば、微粒子は、赤外線に反応する(つまり赤外線をよく反射する)ものであり、微粒子の観察光の光学的処理(例えば、光学フィルタを通した観察、画像処理、フィルム露光等)に応じて光機能性を発揮してもよい。この場合には、偽造防止媒体は、可視光では透明であり、一方、赤外線スコープ等を用いることにより微粒子含有層の配置パターンを判別できる。
1…微粒子含有層
2…透明基材
3a、3b…ハードコート層
4a、4b…反射防止膜
5,5a、5b…保護層
6…凹部
7…第二の微粒子含有層
10,210,310,310B,410,610,610B…偽造防止媒体
510…風防

Claims (11)

  1. 透明層と、
    前記透明層の少なくとも一方の面に設けられ、透明樹脂と、前記透明樹脂に分散され光機能性を発揮することにより判別可能になる光機能性微粒子とを有し、透明な微粒子含有層と、を備え、
    前記光機能性微粒子は、量子ドットであり、
    前記透明層は、一部に凹部が形成され、
    前記微粒子含有層は、前記凹部内に形成されており、
    前記透明層及び前記微粒子含有層よりも上側に積層され、上隠蔽層を有する上保護層と、
    前記透明層及び前記微粒子含有層よりも下側に積層され、下隠蔽層を有する下保護層と、
    この積層体の上面を見たときに、前記上保護層の前記上隠蔽層と、前記下保護層の前記下隠蔽層とが設けられていない部分である窓部とを備え、
    前記微粒子含有層の前記光機能性微粒子は、前記窓部の内側で観察可能なこと、
    を特徴とする積層体。
  2. 請求項1に記載の積層体において、
    前記透明層の屈折率と、前記微粒子含有層の屈折率とは、前記透明層及び前記微粒子含有層の界面が視認できない程度に等しいこと、
    を特徴とする積層体。
  3. 請求項1,のいずれかに記載の積層体において、
    前記微粒子含有層の前記光機能性微粒子は、可視光下でこの積層体を観察した状態において、肉眼では視認できない程度に微細であること、
    を特徴とする積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体において、
    この積層体が備える全ての層は、可視光下では透明であり、
    前記微粒子含有層の前記光機能性微粒子は、照射光の種類により光機能性を発揮すること、又は観察光の光学的な処理によって光機能性を発揮すること、
    を特徴とする積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体において、
    前記微粒子含有層の表面と、前記透明層の表面とは、同一面を形成すること、
    を特徴とする積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体において、
    前記凹部内の前記微粒子含有層と、前記透明層とを覆うように積層された第二の微粒子含有層を備えること、
    を特徴とする積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体において、
    前記透明層及び前記微粒子含有層の直上に積層された透明な層である直上透明層を備え、
    この積層体が備える全ての層は、透明であり、
    全ての隣り合う層間において、屈折率差は、層間の界面が視認できない程度に等しいこと、
    を特徴とする積層体。
  8. 請求項に記載の積層体において、
    この積層体の上面を見たときに前記微粒子含有層を囲うように配置され、前記微粒子含有層の厚さと同等の厚さを有する厚さ調整層を備え、
    前記上保護層は、前記微粒子含有層及び前記厚さ調整層の上側に積層され、
    前記下保護層は、前記微粒子含有層及び前記厚さ調整層の下側に積層されていること、
    を特徴とする積層体。
  9. 請求項又は請求項に記載の積層体において、
    前記凹部は、識別情報を示すパターン状に配置されていること、
    を特徴とする積層体。
  10. 請求項1,8,9のいずかに記載の積層体において、
    この積層体は、カードであること、
    を特徴とする積層体。
  11. 請求項に記載の積層体の製造方法であって、
    前記透明層に前記凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部に、前記微粒子含有層を形成する微粒子含有層形成工程と、
    前記透明層及び前記微粒子含有層を覆うように、前記第二の微粒子含有層を形成する第二の微粒子含有層形成工程と、
    を備える積層体の製造方法。
JP2016540163A 2014-08-06 2015-07-28 積層体、積層体の製造方法 Active JP6547751B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160060 2014-08-06
JP2014160060 2014-08-06
PCT/JP2015/071361 WO2016021444A1 (ja) 2014-08-06 2015-07-28 積層体、積層体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016021444A1 JPWO2016021444A1 (ja) 2017-05-25
JP6547751B2 true JP6547751B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=55263715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016540163A Active JP6547751B2 (ja) 2014-08-06 2015-07-28 積層体、積層体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6547751B2 (ja)
WO (1) WO2016021444A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018155381A1 (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 アダマンド並木精密宝石株式会社 部品及びその部品が備えられた腕時計、宝飾品、バッグ、装身具、タグ、ファスナー

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH690067A5 (de) * 1995-08-10 2000-04-14 Ovd Kinegram Ag Verfahren zur Herstellung teilmetallisierter Gitterstrukturen.
JPH1170359A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Trinity Ind Corp ディスプレイ用フィルム
CN101501537B (zh) * 2006-08-09 2012-12-12 日本发条株式会社 识别介质、识别介质的制造方法、物品和识别介质的识别方法
JP5168200B2 (ja) * 2009-03-12 2013-03-21 大日本印刷株式会社 色彩可変機能付き真偽判定体
CN104780709B (zh) * 2009-09-03 2021-07-27 应用材料公司 用于印刷电子组件的印刷方法及相关控制装置
JP2011201026A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toppan Printing Co Ltd 積層表示体
JP5630067B2 (ja) * 2010-04-22 2014-11-26 凸版印刷株式会社 偽造防止媒体、偽造防止転写箔、偽造防止用紙及び真贋判定方法
JP5928680B2 (ja) * 2011-08-05 2016-06-01 大日本印刷株式会社 偽造防止印刷物及びその製造方法
JP5915833B2 (ja) * 2011-08-23 2016-05-11 大日本印刷株式会社 色彩可変印刷物
US9611403B2 (en) * 2012-05-17 2017-04-04 Xerox Corporation Fluorescent security enabled ink for digital offset printing applications
JP2014127140A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Dainippon Printing Co Ltd 情報記録物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016021444A1 (ja) 2016-02-11
JPWO2016021444A1 (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107848322B (zh) 防伪元件、用于制造防伪元件的方法和具有防伪元件的数据载体
JP5589939B2 (ja) 微粒子、粒子群、偽造防止用インク、偽造防止用トナー、偽造防止用シートおよび偽造防止媒体
US9789726B2 (en) Optically variable areal pattern
CN107000463B (zh) 安全元件、用于制造安全元件的方法和配有安全元件的数据载体
WO2012077489A1 (ja) タガント粒子群、ならびにそれを有する偽造防止用インク、偽造防止用トナー、偽造防止用シートおよび偽造防止媒体
JP5707909B2 (ja) 微粒子の製造方法
JP5870506B2 (ja) 偽造防止用シートおよび偽造防止媒体
CN109922969A (zh) 有价文件
EP3648967B1 (en) Optical structures providing dichroic effects
JP2004177636A (ja) 偽造防止転写箔、偽造防止シール、及び、偽造防止媒体ならびにその製造方法
JP6547751B2 (ja) 積層体、積層体の製造方法
JP2004223975A (ja) 偽造防止媒体、情報表示媒体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、及び、それらの製造方法
JP2007136982A (ja) 偽造防止情報記録媒体と転写箔
JP5630067B2 (ja) 偽造防止媒体、偽造防止転写箔、偽造防止用紙及び真贋判定方法
JP5163039B2 (ja) 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止枚葉体、並びにその真偽判定方法
JP2004117636A (ja) 偽造防止転写箔、偽造防止ステッカー、並びに偽造防止媒体とその製造方法
JP2007108206A (ja) 磁気転写シート及び磁気記録媒体
JP2011231151A (ja) セキュリティインキ
KR20050110622A (ko) 투명 재귀반사재
JP2013193758A (ja) シュリンクキャップとそれを用いた容器
JP4967566B2 (ja) 転写シート
CN113272685A (zh) 包含有机层的多层制品
JP7009789B2 (ja) 光学素子および個人認証媒体
JP6451328B2 (ja) 転写箔、画像保持体、冊子、および、カード
JP4967567B2 (ja) 転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6547751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150