JP6547096B1 - 波力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より大きな起電力を得ることができるとともに、容易に設置可能な波力発電装置を提供する。【解決手段】 波力発電装置1は、発電部2と、発電部2の少なくとも一部を覆うケーシング3と、ケーシング3の周囲に配置される周壁4と、周壁4の上端4aと発電部2とを連結する弾性体6と、周壁4の下端4bに取り付けられるフロート5と、を含む。ケーシング3は中空の球形であり、これを上下に貫通するように案内部材21が配置される。ケーシング3の中空内部にコイル25が保持されるとともに、案内部材21の上端21a及び下端21bはそれぞれケーシング3の外側に位置する。フロート5にはドーム部材8をさらに設ける。ドーム部材8は、フロート5の下面に向かって開口するとともに、上面に向かってその径が小さくなるようにしている。【選択図】図1

Description

この発明は、波の力を利用した波力発電装置に関し、特に永久磁石とコイルを用いて起電力を発生させる波力発電装置に関する。
従来、永久磁石とコイルを用いた波力発電装置は知られている。例えば特許文献1に記載した発電装置は、浮動体内に発電部を設けたものであって、浮動体が半没水状態になるように海底に係留される。波力発電装置は、浮動体の上下運動の振動を波に対して共振させ、浮動体の波による磁石側の振動で発電部のコイルに誘導起電力を発生させて発電するものである。特許文献2に記載した発電装置は、護岸から張り出した固定部材に固定されたコイル部と、コイル部の中空部に挿通されたシャフト部と、シャフト部の下端に接続されたフロートとを含む。フロートが波動によって上下動するとシャフト部が上下移動して電磁誘導によってコイル部に電流が流れ、電力を得ることができる。
特開2007−132336 特開2007−002778
従来の発電装置では、波の上下動のみによって発電する構成となっており、得られる電力には限界があった。また、海底や護岸に発電装置を固定しなければならず、固定するための機構や固定する作業が煩雑になってしまうという問題があった。
この発明は、より大きな起電力を得ることができるとともに、容易に設置可能な波力発電装置を提供することを課題とする。
この発明は、発電部と、前記発電部の少なくとも一部を覆うケーシングと、前記ケーシングの周囲に配置される周壁と、前記周壁の下端に取り付けられるフロートと、前記周壁の上端と前記発電部とを連結する弾性体とを含む波力発電装置であって、前記発電部は、非磁性体である筒状の案内部材と、永久磁石を有するとともに前記案内部材内を軸方向に移動可能な可動子と、前記案内部材の両端に位置するとともに対向する前記可動子と同じ極性を有するように配置された永久磁石を有する固定子と、前記案内部材の外側に巻回されたコイルとを備え、前記ケーシングは、前記軸方向及びこれに交差する交差方向に揺動可能であるとともに、この揺動によって前記周壁に衝突可能であることを特徴とする。
この発明によれば、波力によって軸方向のみならず交差方向にも揺動することによって可動子が往復運動し起電力を発生させることができ、さらにケーシングが周壁に衝突することによっても可動子が往復運動して起電力を発生させることができる。したがって、より大きな起電力を得ることができる。また、フロートによって装置を海に浮かせるだけでよいので、容易に設置可能である。
前記フロートは、環状を有し、その内側には下面に向かって開口するとともに前記発電部に向かって径が小さくなるドーム部材を設けることを特徴とする。
ドーム部材を設けることによって、周壁内部が浸水するのを防止するとともに、案内部材が下降した際にこれを規制することができる。
前記ケーシングは、中空の球形であり、前記可動子及び前記コイルは、前記ケーシング内に配置されることを特徴とする。
ケーシングが球形であるので、種々の角度で周壁に衝突することができる。また、ケーシングの中空に可動子及びコイルを保持することができ、これらが浸水するのを予防することができる。
この発明に係る波力発電装置によれば、波力による上下動だけでなく、これに交差する方向の動きも発電に用いることができ、より大きな起電力を得ることができる。また、海上に浮かせるだけでいいので、容易に設置可能な波力発電装置を提供することができる。
波力発電装置の斜視図。 図1の一部を切断した図。 案内部材の拡大断面図。
<波力発電装置1>
図1〜図3を参照すれば、波力発電装置1は、発電部2と、発電部2の少なくとも一部を覆うケーシング3と、ケーシング3の周囲に配置される周壁4と、周壁4の上端4aと発電部2とを連結する弾性体6と、周壁4の下端4bに取り付けられるフロート5と、を含む。
<発電部2>
特に図3を参照すれば、発電部2は、非磁性体である筒状の案内部材21と、永久磁石を有するとともに案内部材21内を軸方向に移動可能な可動子22と、案内部材21の両端に位置するとともに対向する可動子22に対して同じ極性を有するように配置された永久磁石を有する固定子23,24と、案内部材21の外側に巻回されたコイル25とを備える。この実施形態において、可動子22の図面上方にS極、下方にN極を配置する。固定子23において可動子22のS極と同じ極性であるS極を対向させ、固定子24において可動子22のN極と同じ極性であるN極を対向させる。可動子22は、静置状態においてコイル25の内側近傍に位置するように調整する。すなわち、可動子22と固定子23,24との磁力バランスによって可動子22がコイル25の内側近傍に位置するようにする。なお、固定子23,24の磁力は、可動子22が軸方向に移動可能な程度にする。固定子23,24の磁力が可動子22の軸方向の移動を過度に制限してしまうと、起電力が発生しないからである。
<ケーシング3>
ケーシング3は中空の球形であり、これを上下に貫通するように案内部材21が配置される。案内部材21の外側と、ケーシング3とは水密に固定される。ケーシング3の中空内部にコイル25が保持されるとともに、案内部材21の上端21a及び下端21bはそれぞれケーシング3の外側に位置する。案内部材21の上端21aには固定子23が設けられ、下端21bには固定子24が設けられるから、これら固定子23,24はケーシング3の中空外部に位置する。
<弾性体6>
案内部材21の上端21aは、弾性体6によって周壁4の上端4aに連結される。この実施形態において周壁4の上端4aには補助フロート7をさらに設け、補助フロート7に弾性体6を取り付ける。周壁4および補助フロート7は環状を有し、より具体的には円形のドーナツ形状である。弾性体6は補助フロート7の中心を通るように点対称の位置にその両端が固定される。弾性体6としては紐状のゴムを用いることができるとともに、この実施形態では4本用いている。これら複数の弾性体6が交差した点に案内部材21の上端21aを取り付ける。
上記のように案内部材21に弾性体6を取り付けることによって、案内部材21及びこれに取り付けられたケーシング3が軸方向及びこれに交差する方向に自在に揺動可能となる。また、波力発電装置1全体が波等によって揺れると、その揺れが弾性体6を介して案内部材21に伝達され、案内部材21及びケーシング3も揺動する。ケーシング3は周壁4に接触可能なように、その大きさが決定されるとともに、周壁4との離間寸法も決定されている。したがって、ケーシング3が揺動することによって周壁4に衝突し、衝突によってさらに案内部材21及びケーシング3が揺動する。
案内部材21が揺動することによって、その内部に保持された可動子22が軸方向に移動する。可動子22が軸方向に移動し、コイル25内を往復運動することによって起電力が誘発される。この発明によれば、ケーシング3が周壁4に衝突することによって、これがない場合よりも可動子22の往復運動を増大させることができ、より大きな起電力を誘発することができる。
<ドーム部材8>
フロート5にはドーム部材8をさらに設ける。フロート5は環状であり、この実施形態では円形のドーナツ形状としている。ドーム部材8は、フロート5の下面に向かって開口するとともに、上面に向かってその径が小さくなるようにしている。すなわち、お椀をひっくり返したような形状をしている。このようなドーム部材8を設けることによって、周壁4内部が浸水するのを防止するとともに、案内部材21が下降した際にこれを規制することができるようにしている。すなわち、案内部材21は弾性体6によって周壁4に連結されているから、大きな波が発生した際には案内部材21の揺動も大きくなる。この時案内部材21の下端4bをドーム部材8に衝突させることによって、案内部材21を上方に反発移動させることができ、その内部の可動子22をより激しく往復運動させることができ、起電力を増大させることができる。
ドーム部材8は、フロートの上面に向かってその径が小さくなるようにしているから、ドーム部材8内部に侵入した波のエネルギーは上面に行くにしたがって大きくなり、より一層波力発電装置1を振動させることができる。
この実施形態における波力発電装置1は、フロート5によって海洋に浮かせるだけでよいので、装置を海底や護岸に固定するための特別な装置が不要である。また、固定しないので持ち運びが可能で、設置場所を容易に変更することができる。さらに、海洋に浮かせることによって、装置1には横揺れだけでなく波による縦揺れも発電部2に伝達することができ、より効率的に発電することができる。
波力発電装置1の周壁4は、連続的な壁でもよいし、間欠的な柵のような形状でもよい。間欠的な形状にした場合には、これら周壁4の間を風が吹き抜けることができ、風によってもケーシング3を揺動することができ、起電力を発生させることができる。この実施形態において、周壁4は、上端4aから下端4bに向かってその周長が大きくなるようにしているが、これに限定されるものではない。
発電部2は、ひとつであっても2以上の複数であってもよい。複数の発電部2を設ける場合、複数の案内部材21が交差するように配置することもできる。このように配置することで、上下の縦揺れだけでなく、種々の方向の揺れによってより効率的に起電力を発生させることができる。
1 波力発電装置
2 発電部
3 ケーシング
4 周壁
4a 上端
4b 下端
5 フロート
6 弾性体
7 補助フロート
8 ドーム部材
21 案内部材
21a 上端
21b 下端
22 可動子
23 固定子
24 固定子
25 コイル

Claims (3)

  1. 発電部と、前記発電部の少なくとも一部を覆うケーシングと、前記ケーシングの周囲に配置される周壁と、前記周壁の下端に取り付けられるフロートと、前記周壁の上端と前記発電部とを連結する弾性体とを含む波力発電装置であって、
    前記発電部は、非磁性体である筒状の案内部材と、永久磁石を有するとともに前記案内部材内を軸方向に移動可能な可動子と、前記案内部材の両端に位置するとともに対向する前記可動子と同じ極性を有するように配置された永久磁石を有する固定子と、前記案内部材の外側に巻回されたコイルとを備え、
    前記ケーシングは、前記軸方向及びこれに交差する交差方向に揺動可能であるとともに、この揺動によって前記周壁に衝突可能であることを特徴とする波力発電装置。
  2. 前記フロートは、環状を有し、その内側には下面に向かって開口するとともに前記発電部に向かって径が小さくなるドーム部材を設けることを特徴とする請求項1記載の波力発電装置。
  3. 前記ケーシングは、中空の球形であり、
    前記可動子及び前記コイルは、前記ケーシング内に配置されることを特徴とする請求項1記載の波力発電装置。
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