JP6546745B2 - 光変調素子および空間光変調器 - Google Patents

光変調素子および空間光変調器 Download PDF

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Description

本発明は、入射した光を磁気光学効果により光の位相や振幅等を空間的に変調して出射する空間光変調器の光変調素子、およびこの光変調素子を用いた空間光変調器に関する。
空間光変調器は、画素として光学素子(光変調素子)を用い、これをマトリクス状に2次元配列して光の位相や振幅等を空間的に変調するものであって、ディスプレイ技術や記録技術等の分野で広く利用されている。空間光変調器として、従来より液晶が用いられ、近年では画素(ピッチ)が数μm程度まで微細化されているが、さらに1μm以下の微細化かつ高速処理の可能性が期待される磁気光学材料を用いた磁気光学式空間光変調器の開発が進められている。
磁気光学式空間光変調器においては、磁性体に入射した光が透過または反射する際にその偏光の向きを変化(旋光)させて出射するファラデー効果(反射の場合はカー効果)を利用している。すなわち磁気光学式空間光変調器(以下、適宜、空間光変調器)は、画素毎にそれぞれの光変調素子の磁化方向を異なる2方向に駆動して、それぞれの磁化方向の光変調素子によって、偏光の向きの異なる2値の光に変調される。特に、入射面に垂直または垂直に近い角度で入射させた光を高い光変調度で変調することができることから、垂直磁気異方性材料が光変調素子に適用されている。このような光変調素子の磁化方向を変化させる方法として、光変調素子に磁界を印加する磁界印加方式(例えば、特許文献1)や、光変調素子に電流を供給することでスピンを注入するスピン注入方式(例えば、特許文献2〜4)がある。
特許文献1に記載された磁界印加方式の空間光変調器は、光変調素子が磁性ガーネット膜のような磁性膜で形成され、2次元配列した光変調素子に磁界を画素毎に印加するために、各光変調素子の周縁に沿って一周する向きに電流が流れる配線を設けている。この空間光変調器は、印加磁界により隣の画素の光変調素子が追随して磁化反転しないように、磁性膜(光変調素子)が画素毎に間隔を空けて分離されているために、1μm以下のピッチの微細な画素を形成することは困難である。また、この空間光変調器は、光変調素子の周縁に設けられた配線に供給された電流による合成磁界を利用するために、さらなる画素の微細化を行うと隣の画素へのクロストークが大きくなるという問題がある。
これに対して、スピン注入方式の空間光変調器は、光変調素子として、CPP−GMR(Current Perpendicular to the Plane Giant MagnetoResistance:垂直通電型巨大磁気抵抗効果)素子や、TMR(Tunnel MagnetoResistance:トンネル磁気抵抗効果)素子のような、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)のメモリセルの磁気抵抗効果素子として適用されるスピン注入磁化反転素子が搭載される。これらのスピン注入磁化反転素子は、非磁性膜(中間層)または絶縁膜(障壁層)を挟んだ2つの磁性膜からなる少なくとも3層の積層構造を有し、所定の電流密度(反転電流密度)以上の電流を膜面に垂直に供給することにより、磁性膜の一方が磁化自由層としてその磁化方向が180°変化(磁化反転)する。このように電流を供給されるために、スピン注入磁化反転素子は上下面に一対の電極が接続され、したがって、磁界印加方式の光変調素子のように電極を画素サイズに対して極度に細い配線として形成しなくてよく、配線幅による素子サイズの制約が少ない。
MRAMの磁気抵抗効果素子としては、CPP−GMR素子よりも磁気抵抗比(MR比)の高いTMR素子について特に研究されている。TMR素子は、障壁層の材料として、磁化反転に要する電流をいっそう低減できる酸化マグネシウム(MgO)が好適とされ、特に、2枚の磁性膜の少なくとも一方の障壁層との界面にCo−FeやCo−Fe−B等の磁性金属の薄膜を設けることで、スピン注入効率が向上し、反転電流密度が106A/cm2程度まで低減することが知られている。さらに、本発明者らは、前記磁性金属の薄膜に、磁気光学効果の高い垂直磁気異方性材料として知られているGd−Fe系合金を組み合わせて、光変調素子に好適なTMR素子を発明している(特許文献5参照)。また、Fe,Co−Fe,Co,Co−Fe−Bの磁性金属の薄膜を、MgO膜やHfO2等の絶縁膜と積層した磁気トンネル接合(MTJ)において、膜面垂直方向に電圧を印加することにより、磁性膜の面内磁気異方性が弱くなって、TMR素子がより低い電流密度で磁化反転し得ることが知られている(非特許文献1〜4参照)。また、絶縁膜上に形成したCo/Pt2層膜からなる垂直磁気異方性の磁性細線において、電圧印加によって磁壁移動速度が変化することが知られている(非特許文献5参照)。
特許第4596468号公報 特許第5001807号公報 特許第4939149号公報 特許第4939477号公報 特開2014−197671号公報
T. Maruyama, Y. Shiota, T. Nozaki, K. Ohta, N. Toda, M. Mizuguchi, A. A. Tulapurkar, T. Shinjo, M. Shiraishi, S. Mizukami, Y. Ando, Y. Suzuki, "Large voltage-induced magnetic anisotropy change in a few atomic layers of iron", Nature Nanotechnology 4, pp.158-161 (2009) Yoichi Shiota, Takuto Maruyama, Takayuki Nozaki, Teruya Shinjo, Masashi Shiraishi, Yoshishige Suzuki, "Voltage-Assisted Magnetization Switching in Ultrathin Fe80Co20 Alloy Layers", Applied Physics Express 2(6), 063001, June 2009 千葉 大地,他,"遷移金属強磁性体における磁性の電界制御",日本磁気学会研究会資料186巻,2012.11.02 J.G. Alzate, P. Khalili Amiri, P. Upadhyaya, S.S. Cherepov, J. Zhu, M. Lewis, R. Dorrance, J.A. Katine, J. Langer, K. Galatsis, D. Markovic, I. Krivorotov, K.L. Wang, "Voltage-Induced Switching of Nanoscale Magnetic Tunnel Junctions", Technical Digest of the IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM 2012), San Francisco, California, pp.29.5.1-29.5.4, December 2012 D. Chiba, M. Kawaguchi, S. Fukami, N. Ishiwata, K. Shimamura, K. Kobayashi, T. Ono, "Electric-field control of magnetic domain-wall velocity in ultrathin cobalt with perpendicular magnetization", Nature Communications 3, 888, 2012
スピン注入磁化反転素子は、その平面視サイズが小さいほど、磁化反転電流を低減することができ、また、平面視サイズが一辺300nm程度以下でないと好適に動作(スピン注入磁化反転)し難い。しかし、光変調素子は、入射光の波長にもよるが、回折限界のために各辺が300nm以上であることが好ましく、開口率を高くするために画素に対して小さ過ぎないことが好ましい。そのため、スピン注入方式の空間光変調器は、入射光の波長や画素サイズによっては、1画素あたり2個以上のスピン注入磁化反転素子を一対の電極に並列に接続して搭載することになり、製造時に、画素サイズに対して高い加工精度を要し、生産性に劣る。
また、磁気光学式空間光変調器の光変調素子は、その磁化方向が磁化容易軸に沿った2方向、すなわち垂直磁気異方性であれば上向きおよび下向きに限定されるため、液晶と異なり、2値の光にしか変調することができない。したがって、磁気光学式空間光変調器において階調表示をするためには、複数の光変調素子を1画素に備えて個別に駆動する必要があり(特許文献2,3参照)、多階調化すると、1画素あたりの光変調素子の個数が多くなるので、画素の微細化が困難である。
また、空間光変調器、特に動画を表示するものは、大容量のデータで構成される1つの画像を高速で表示することが要求され、さらに近年は、例えばスーパーハイビジョン(超高精細度テレビジョン、Ultra High Definition Television)のような大容量のデータを数十〜数百Gbpsの超高速で処理することが要求されている。そのため、多数の光変調素子のそれぞれに、さらに好ましくは複数個同時に電流を供給する必要があり、スピン注入方式の空間光変調器においては、スピン注入磁化反転素子(光変調素子)の1個の反転電流が低減されても、消費電流の低減が不十分である。さらに、光変調素子に適用するスピン注入磁化反転素子においては、保磁力の確保だけでなく光変調度を大きくするために、磁化自由層をある程度厚く設けることが好ましく、その結果、MRAMの磁気抵抗効果素子用よりも反転電流密度が高くなり、反転電流の低減に限界がある。
本発明は前記問題点に鑑み創案されたもので、画素に好適な大きさで電気的に駆動することができ、1個で階調表示が可能な光変調素子、およびこのような光変調素子を備えていても消費電流の増大が抑制された磁気光学式空間光変調器を提供することを課題とする。
非特許文献1〜5に記載されているように、電圧印加による磁気異方性(磁化容易軸)の変化は印加を停止すると元に戻る。そのため、この現象をMRAMの磁気抵抗効果素子に利用する場合は、従来と同様に電流供給によって磁化反転させる必要があり、電圧印加は反転電流低減のために補助的に行われることになる。これに対して、空間光変調器においては、その画素(光変調素子)が表示中に所望の磁化方向であればよいので、電圧印加のみで駆動することができる。そして、スピン注入磁化反転が、電流密度が閾値(反転電流密度)に到達したほぼ瞬間に急激に起こるのに対し、電圧印加による磁気異方性の変化は、印加する電圧が大きくなるにしたがい、膜面方向(面内方向)から垂直方向へと徐々に変化する。したがって、液晶と同様に、印加電圧の制御により、1個の光変調素子で階調表示が可能といえる。
本発明に係る光変調素子は、垂直磁気異方性を有する磁性層、絶縁膜、および前記磁性層と前記絶縁膜との界面に垂直に電圧を印加する一対の電極を備え、前記磁性層が、少なくとも前記絶縁膜との界面に、Co,Fe,Co−Fe,Co−Fe−Bから選択される磁性金属膜を備えるものである。この光変調素子は、前記一対の電極から電圧が印加されているときに、前記磁性層の磁化方向が非垂直方向に変化し、入射した光の偏光方向を、前記電圧が所定の大きさで印加されているときに変化させずに出射し、電圧が印加されていないときに所定の角度で変化させて出射することを特徴とする。さらに、本発明に係る光変調素子は、入射した光の偏光方向を、電圧が印加されていないときに最大の角度で変化させて出射し、印加されている電圧が大きいほど小さな角度で変化させて出射することができる。
また、本発明に係る光変調素子は、磁性層が面内磁気異方性を有するものであってもよく、前記一対の電極から電圧が印加されているときに、前記磁性層の磁化方向が非面内方向に変化し、入射した光の偏光方向を、前記電圧が印加されているときに変化させて出射し、電圧が印加されていないときに変化させずに出射することを特徴とする。さらに、本発明に係る光変調素子は、印加されている電圧が大きいほど、入射した光の偏光方向を大きな角度で変化させて出射することができる。
かかる構成により、光変調素子は平面視サイズが大きくても電気的手段で駆動し、また、2値の光だけでなく、その中間の1以上の光に変調することができる。
本発明に係る空間光変調器は、前記光変調素子を2次元配列して備え、前記光変調素子に電圧を印加する一対の電極をさらに備える。
かかる構成により、空間光変調器は、光変調素子の平面視サイズを大きくしても、好適に動作し、また、消費電流の増大が抑制される。また、1画素に1個の光変調素子を備えて、階調表示が可能である。
本発明に係る光変調素子によれば、平面視サイズを大きくして開口率の高い画素を形成することができる。本発明に係る空間光変調器によれば、開口率の高い画素を多数備えても、高速で低消費電流の空間光変調器が得られ、また、画素を大型化することなく階調表示が可能になる。
光変調素子の構成を説明する模式図であり、(a)は本発明の一実施形態に係る光変調素子の断面図、(b)はその変形例である。 本発明の第1実施形態に係る光変調素子の模式図で、磁化方向の変化および光変調動作を説明する図である。 本発明に係る空間光変調器の等価回路図である。 本発明に係る空間光変調器の構造を説明する模式図である。 本発明の第2実施形態に係る光変調素子の模式図で、磁化方向の変化および光変調動作を説明する図である。 本発明に係る光変調素子を模擬した実施例のサンプルの垂直磁気異方性の保磁力の印加電圧依存性のグラフである。 本発明に係る光変調素子を模擬した実施例のサンプルの抵抗を外部磁界依存性で表した磁化曲線であり、(a)は+100mV、(b)は+200mV、(c)は−50mV、をそれぞれ外部から印加したときの抵抗である。
本発明に係る光変調素子および空間光変調器を実現するための形態について図を参照して説明する。
本発明に係る光変調素子は、空間光変調器の画素として用いられて、入射した光を反射して異なる偏光成分に変調して、または変調せずに出射する。画素とは、空間光変調器による表示の最小単位での情報(明(highlight)/暗(shadow))を表示する手段を指し、さらに、明と暗の間の1以上の中間調(mid-tone)を含んでもよい。
〔第1実施形態:光変調素子〕
本発明の第1実施形態に係る光変調素子1は、図1(a)に示すように、MgO膜21からなる絶縁層2と垂直磁気異方性の磁性層3を積層し、その上下に、一対の電極である上部電極6と下部電極5(以下、適宜、電極5,6)を接続して備える。光変調素子1はさらに必要に応じて、当該光変調素子1の製造工程におけるダメージから磁性層3を保護するために、磁性層3の上に保護膜42を、下部電極6への密着性を得るために、絶縁層2の下に下地膜41を、それぞれ備える。すなわち光変調素子1は、TMR素子から磁化固定層を除いた積層構造を有するといえ、磁性層3は磁化自由層に相当する。光変調素子1は、磁性層3を含む保護膜42〜下地膜41の積層構造部分が同じ平面視形状で形成され、その一辺の長さを光変調のために少なくとも入射光の回折限界(波長の1/2程度)以上とし、画素サイズ(ピッチ)に応じた大きさの所望の形状に設計することができる。
(磁性層)
本実施形態に係る光変調素子1において、磁性層3は、絶縁層2上に設けられ、垂直磁気異方性を示す。磁性層3は、絶縁層2との界面に、Co,Fe,Co−Fe,Co−Fe−Bから選択される磁性金属膜31を備え、特にCoまたはCoを含有するCo−Fe,Co−Fe−Bを適用することが好ましい。これらの磁性金属膜31は単独で面内磁気異方性を示すため、磁性層3は、全体で垂直磁気異方性を示すように、磁性金属膜に垂直磁気異方性材料からなる層を積層して備える。このような材料として、垂直磁気異方性を有するスピン注入磁化反転素子(TMR素子、CPP−GMR素子)に適用される公知の磁性材料を適用することができ、特に、磁気光学効果の高いGdFe層(Gd−Feからなる層)33を適用することが好ましい。具体的には、磁性層3は、下(絶縁層2側)から、Co−FeまたはCo−Fe−Bからなる磁性金属膜31、Gd膜32、GdFe層33の3層構造を有することが特に好ましい。
FeやCoは、電圧を印加されると絶縁層2との界面で電荷が蓄積されて、3d軌道の電子占有状態が変化することにより、磁化容易軸が膜面方向よりも垂直方向で安定するようになるとされる(非特許文献1,2)。本実施形態においては、磁性層3が、このような磁性金属膜31に垂直磁気異方性のGdFe層33がGd膜32を挟んで積層されて形成されているため、磁気的に結合して全体で垂直磁気異方性を示すが、電圧が印加されると、磁性金属膜31の磁気異方性の強さが変化することにより、磁性層3全体が面内磁気異方性を示すようになると推測される。
磁性金属膜31において電圧印加により電子占有状態が変化するのは、絶縁層2との界面の1原子分の領域と考えられることから、1原子分を大きく超える厚さの膜になると、元の磁気異方性が優勢となって、変化が表れ難い。さらに、Co−FeまたはCo−Fe−Bからなる磁性金属膜31は、厚さが0.3nmを超えると、GdFe層33を含めた磁性層3全体が垂直磁気異方性を示さない。一方、磁化方向を有効に示すために、磁性金属膜31は厚さを0.1nm以上とすることが好ましい。したがって、磁性金属膜31は、厚さを0.1〜0.3nmの範囲とすることが好ましい。
GdFe層33は、磁性層3の主たる要素であり、垂直磁気異方性を有する磁性材料である遷移金属(TM)と希土類金属(RE)との合金(RE−TM合金)の一種であるが、垂直磁気異方性が比較的弱いGd−Fe合金で形成される。Gd−Fe合金は、磁気光学効果が特に高く、光変調素子において磁化方向を変化させる層として好適である。GdFe層33は、厚いほど磁気光学効果が高くなるが、一方で過剰に厚膜化されると垂直磁気異方性を示し難くなるため、一般的なTMR素子の磁化自由層と同様に、厚さを1〜20nmの範囲とすることが好ましく、10nm以下がより好ましい。
Gd−Fe合金においては、遷移金属であるFeが一方向(+z方向とする)の磁気モーメントを示すのに対し、希土類金属であるGdは、この一方向の逆方向(−z方向)の磁気モーメントを示す。RE−TM合金はフェリ磁性体の一種であり、例えばスピン注入磁化反転素子の磁性層として適用する場合には、通常、例えばTb−Fe−Co合金については、TM,REのそれぞれの磁気モーメントが相殺される組成(補償組成)に対して僅かにREが多い組成として、当該RE−TM合金全体として飽和磁化の小さい−z方向の磁気モーメントとして、容易に垂直磁気異方性を示すようにし、かつ必要な保磁力を確保している。一方、Gd−Fe合金については、このような補償組成付近では、他のRE−TM合金と比較して保磁力が小さいことから、Feの含有率を高くして、全体として+z方向の磁気モーメントを示すようにする。
ここで、Gd−Fe合金は、Co−FeやCo−Fe−Bと組み合わされると、垂直磁気異方性を示さず、Co−Fe等と同じ面内磁気異方性を示すようになる。これは、Co−Fe等のFeによって、Gd−Fe合金におけるFeの反磁界成分の影響が強くなることによると考えられる。そこで、磁性層3は、磁性金属膜31とGdFe層33の間に、Gd膜32をさらに備えることで、磁性金属膜31によるFeの影響を相殺し、GdFe層33(磁性層3)が垂直磁気異方性を示すようにする。
Gd膜32は、磁性金属膜31とGdFe層33の間に設けられ、磁性金属膜31中のFeのGdFe層33への影響を相殺して、GdFe層33が本来の垂直磁気異方性を示すようにする。Gd膜32は、GdFe層33や磁性金属膜31の厚さに応じて、GdFe層33が垂直磁気異方性を示すように、厚さを設定される。具体的には、Gd膜32は、厚さを0.1nm以上とすることが好ましく、Gd原子1個分(0.18nm)相当の0.2nm以上とすることがより好ましく、また、2nm以下とすることが好ましい。言い換えると、磁性層3は、磁性金属膜31との界面でGd−richとなるGd−Fe合金の層を備える。
(絶縁層)
絶縁層2は、磁性層3(磁性金属膜31)において当該絶縁層2との界面に電荷を蓄積させるために設けられる。絶縁層2は、TMR素子の障壁層に適用されるMgO,Al23,HfO2を適用することができ、本実施形態に係る光変調素子1においては、MgO膜21で形成される。特に、絶縁層2(MgO膜21)は、(001)面配向のMgOとすることが好ましい。絶縁層2は、TMR素子の障壁層と同様に厚さを0.1nm以上とすることが好ましく、1nm以上とすることがより好ましい。一方、絶縁層2は、光変調素子1に必要な電圧が印加される範囲で厚く形成されてもよい。ただし、後記するように、光変調素子1を搭載した空間光変調器の構成によっては、電圧印加時に電流が流れるため、この場合には、絶縁層2は、薄く形成して抵抗を抑えることが好ましく、厚さを3nm未満とし、TMR素子の障壁層と同様に厚さを2nm以下とすることが好ましい。あるいは、省電力化のために光変調素子1が電流を流さないように構成されてもよく、この場合は、絶縁層2は、厚さを3nm以上とする。
(下地膜)
下地膜41は、絶縁層2の下に設けて下部電極6への密着性を付与するために設けられ、非磁性金属材料の中で、Ru,Taを適用することが好ましい。下地膜41は、厚さが1nm未満であると連続した(ピンホールのない)膜を形成し難く、一方、10nmを超えて厚くしても、密着性がそれ以上には向上しないので、厚さ1〜10nmとすることが好ましい。
(保護膜)
保護膜42は、光変調素子1の製造工程において、レジスト形成時の現像液の含浸や磁性層3のGdFe層の酸化等のダメージから磁性層3を保護するために、磁性層3の上に設けられる。保護膜42は、Ru,Ta,Cu,Pt,Au等の非磁性金属材料からなる単層膜、またはCu/Ta,Cu/Ru等の異なる金属材料からなる金属膜を2層以上積層した積層膜から構成される。保護膜42は、下地膜41と同様に、厚さが1nm未満であると連続した膜を形成し難いため、保護膜として十分な効果が得られず、一方、10nmを超えて厚くしても、GdFe層を保護する効果がそれ以上には向上せず、また、光変調素子1の上方からの入射光の透過光量を減衰させる。したがって、保護膜42は、厚さを1〜10nmとすることが好ましい。
(電極)
上部電極6および下部電極5は、絶縁層2と磁性層3の界面に垂直に電圧を印加するために設けられる。本実施形態においては、電極5,6は、絶縁層2および磁性層3を含む保護膜42〜下地膜41の積層構造部分を、上下から挟むように設けられ、この積層構造部分の平面視形状と同じまたはそれよりも大きく形成される。さらに、電極5,6は、光変調素子1を2次元配列した空間光変調器においては、当該空間光変調器における配線として、配列の一方向に延設されたストライプ状に形成されてもよい(図示省略)。
下部電極5は、Cu,Al,Au,Ag,Ta,Cr等の金属やその合金のような一般的な金属電極材料で形成され、また、前記金属や合金の2種類以上を積層してもよい。そして、スパッタリング法等の公知の方法により成膜、フォトリソグラフィ、およびエッチングまたはリフトオフ法等により光変調素子1に対応した形状に加工される。
上部電極6は、光が透過するように透明電極材料で構成される。透明電極材料は、例えば、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)、インジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO2)、酸化アンチモン−酸化スズ系(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム(In23)等の公知の透明電極材料からなる。特に、比抵抗と成膜の容易さとの点からIZOが最も好ましい。これらの透明電極材料は、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等の公知の方法により成膜される。
上部電極6は、光変調素子1との間に下地として金属膜を設けてもよく、特に、抵抗を低減するために好ましい(図示省略)。透明電極の下地を構成する金属膜としては、例えば、Au,Ru,Ta、またはそれらの金属の2種以上からなる合金等を用いることができ、これらの金属はスパッタリング法等の公知の方法により成膜される。そして、金属膜とその上の層すなわち透明電極との密着性をよくして接触抵抗をさらに低減するため、金属膜は、透明電極材料と連続的に真空処理室にて成膜されることが好ましい。金属膜の厚さは、保護膜42と同様に、1nm未満であると連続した(ピンホールのない)膜を形成し難く、一方、10nmを超えると光の透過量を低下させるので、1〜10nmが好ましい。
(変形例)
本発明に係る光変調素子は、絶縁層が異なる絶縁材料で2層以上に形成されてもよい。例えば、図1(b)に示すように、光変調素子1は、磁性層3との界面側(上)のMgO膜21と絶縁膜22とを積層した絶縁層2Aを備える。特に、光変調素子1が電流を流さない構成である場合に、高屈折率材料からなる絶縁膜22を十分な厚さで備えて、磁性層3の下面と下部電極5の上面との間で光を多重反射させ、磁性層3によるカー回転角を累積させて光変調度を大きくすることができる。さらに、光変調素子1は、電流を流さない構成である場合に、磁性層3の両面に絶縁層を備えてもよい(図示せず)。また、光変調素子1は、磁性層3と絶縁層2,2Aとの積層順を入れ替えて、磁性層3が下地膜41を介して下部電極5に接続されてもよい(図示せず)。この場合、絶縁層2Aの絶縁膜22は、上部電極6の透明電極材料よりも屈折率の高い材料を適用して、絶縁膜22内で光を多重反射させることが好ましい。また、下部電極5にも上部電極6と同様に透明電極材料を適用して、光を多重反射させることができ、例えば、反射膜として金属電極材料の層を下側に設けた2層構造とする(図示せず)。また、図1においては、光変調素子1は上下に電極6,5を備えているが、磁性層3と絶縁層2,2Aとの界面に垂直に電圧を印加することができればこれに限られない。したがって、例えば、磁性層3に接続する電極(図1においては上部電極6)は、磁性層3の側面に接続してもよい(図示せず)。
また、磁性層3として、Co膜にPt膜またはPd膜を積層した2層膜を適用することもできる。垂直磁気異方性材料として、Co膜とPt膜等とを交互に繰り返し積層した多層膜が知られているが、本実施形態においては、2層膜とすることで、電圧印加により磁化方向を変化させる。この場合、絶縁層2,2A(MgO膜21)側にCo膜を設ける。Co膜は前記した通り、厚膜化すると電圧印加の効果が低下するため、1原子から2、3原子相当の厚さである0.1〜0.5nmが好ましい。Pt膜、Pd膜も厚膜化すると、Co膜の磁気異方性の影響が低下するため、0.1〜1.0nmが好ましい。
〔光変調素子の動作〕
第1実施形態に係る光変調素子1の磁性層3の磁化方向の変化を、図2を参照して説明する。図2においては、3個の光変調素子1,1,1を横一列に並べて示し、また、下地膜41および保護膜42は図示を省略する。磁性層3は垂直磁気異方性であるので、予め外部磁界を印加して、磁化方向を所定の向き(ここでは上向き)に設定する。
図2の左端の光変調素子1は、電源に接続されておらず、また磁界を印加されていない状態であり、したがって、磁性層3はその保磁力により上向きの磁化方向を示す。このような光変調素子1に、同図の中央の光変調素子1のように、下部電極5を電源の「+」に、磁性層3に接続する上部電極6を「−」にして、電圧VLを印加する。すると、磁性層3(磁性金属膜31)において、絶縁層2との界面近傍に負(−)の電荷が蓄積され、電圧が大きくなるにしたがい磁性層3の磁化方向が膜面方向へ徐々に傾き、さらに同図の右端の光変調素子1のように、印加電圧が所定値以上の電圧VHになると、磁性層3の磁化方向が膜面方向(図中、左向きで表す)になる。
光変調素子1は、電圧VL,VHの印加を停止すると、図2の左端の光変調素子1のように、磁性層3の磁化方向が元の上向きに戻る。このように、光変調素子1は、電圧を一方向に印加した状態と停止した状態とで、磁性層3の磁化方向が膜面方向と垂直方向とに変化し、さらに、磁化方向が膜面方向に到達するまでは、電圧が大きくなるにしたがい磁化方向の変化(回転角)が大きくなる。すなわち本発明に係る光変調素子1は、スピン注入磁化反転素子と同様に電気的に磁化方向を変化させることができ、さらにその変化量を制御することができ、また、極性を入れ替える必要がない。なお、印加電圧の極性は、磁性層3の材料等、光変調素子1の構成によって決定されると考えられる。また、光変調素子1(磁性層3)のこのような磁化方向(磁気異方性)の変化は平面視形状(面積)に依存しないため、所望のサイズに形成された光変調素子1で駆動させることができる。また、光変調素子1は、電圧が印加されていれば、電流が流れていなくても磁性層3の磁化方向が変化するため、絶縁層2を厚膜化して電流(トンネル電流)が流れない構成にすることで、省電力化することができる。
なお、光変調素子1の駆動に要する印加電圧は、光変調素子1の抵抗、すなわち主に絶縁層2の厚さによって設定される。磁性層3の上下面間の電位差が100mV未満で磁化方向を変化させることができるとされるため(非特許文献1)、電極5,6から印加する電圧は、主に絶縁層2(2A)の抵抗に比例し、厚さや材料によって0.1V程度から200Vもの値に設定される。光変調素子1が電流の流れる態様、すなわち絶縁層2が薄い場合は、絶縁層2が絶縁破壊されないように、絶縁層2の厚さに応じて電圧の大きさを設定する。一方、絶縁層2が厚い場合は、印加電圧が極めて大きくても、厚い絶縁層2により光変調素子1に電流が流れないので、特に省電力化の効果が高い。
次に、第1実施形態に係る光変調素子の光変調動作を、図2を参照して説明する。図2においては、3個並べた光変調素子1,1,1の上方の出射光の経路上に、出射側偏光子PFoが配置される。さらに、光変調素子1,1,1の上方に、入射光L0を生成するための、光源、ビーム拡大器、レンズ、および入射側偏光子が配置される(図示省略)。入射側偏光子および出射側偏光子PFoは、それぞれ偏光板等であり、特定の偏光成分の光を遮光する。
光源から照射されたレーザー光は、ビーム拡大器およびレンズを経由して平行光となり、さらに入射側偏光子を透過して1つの偏光成分の光からなる入射光L0になって、上方から略垂直(入射角≒0°)に光変調素子1,1,1に入射する。それぞれの光変調素子1に入射した入射光L0は、上部電極6を透過して磁性層3で反射して出射光L1,L2,L3となり、再び上部電極6を透過して出射側偏光子PFoに到達する。なお、図2においては、入射光と出射光の経路を識別し易くするため、入射光の入射角を傾斜させて示す。
図2の左端の光変調素子1は、磁性層3の磁化方向が上向きすなわち垂直方向であるため、この光変調素子1からの出射光L1は、極カー効果により、入射光L0に対して偏光面の回転角(旋光角)が最大のθkMAX(≦90°)になる。これに対して、同図の右端の電圧VHが印加されている光変調素子1は、磁性層3の磁化方向が膜面方向で、入射光に対して略垂直であるため、この光変調素子1からの出射光L3は、磁気光学効果がほとんど得られず、入射光L0と同一の偏光成分の光である。また、同図の中央の電圧VL(<VH)が印加されている光変調素子1は、磁性層3の磁化方向が垂直方向と膜面方向の中間の傾斜した向きを示している。そのため、この光変調素子1からの出射光L2は、入射光L0に対して旋光するものの、旋光角θkが左側に示す光変調素子1からの出射光L1における最大角θkMAXよりも小さい(0°<θk<θkMAX)。
出射側偏光子PFoは、入射光L0に対して偏光の向きがθkMAX回転した光を遮光するように配置されている。そのため、図2の左端の、電圧が印加されていない光変調素子1からの出射光L1は出射側偏光子PFoで完全に遮光され、この光変調素子1からなる画素は暗く(黒く)表示される。これに対して、同図の中央および右端の、電圧が印加されている光変調素子1,1からの出射光L2,L3は、出射側偏光子PFoを透過する。特に、右端の光変調素子1からの出射光L3は、出射側偏光子PFoが遮光する光(=出射光L1)に対して偏光面の角度の差が最大であるため、出射側偏光子PFoを透過する光量が最大となり、この光変調素子1からなる画素が最も明るく(白く)表示される。一方、中央の光変調素子1からの出射光L2は、偏光面の角度の差が出射光L3よりも小さいため、出射光L3よりも多くの光が出射側偏光子PFoに遮光され、この光変調素子1からなる画素は、やや明るく(中間調に)表示される。
このように、光変調素子1毎に電圧を印加するかしないかにより、画素毎に明/暗(白/黒)の表示を切り分けることができ、さらにその電圧の大きさを異なるものとすることにより、中間調を表示することができ、そして、電圧を印加、停止し、大きさを変えることで、表示を切り換えることができる。中間調については、磁性層3の磁化方向の傾きの程度(角度)によって明るさ(光量)が異なるので、印加電圧の大きさを制御することにより、所望の明るさに表示することができる。
なお、図2においては、光変調素子1,1,1への入射光L0の経路を避けて、出射側偏光子PFoが配置され、出射光L1,L2,L3の経路を避けて、図示しない光源や入射側偏光子等が配置される。ただし、本実施形態においては、出射側偏光子PFoを最も多く透過させる出射光L3は、入射側偏光子を透過した入射光L0と同一偏光成分の光であるので、入射側偏光子については、出射光L1,L2,L3の経路上にも配置されてよい。また、出射側偏光子PFoの配置(向き)を変えて、電圧が印加されていない光変調素子1の方を最も明るく(白く)表示させることもできる。
前記したように、図2においては、入射光L0と出射光L1,L2,L3との経路が異なるように入射光L0の入射角を傾斜させているが、入射角が大きいほど極カー効果が低下してコントラストが低下するため、30°以内とすることが好ましく、膜面に垂直に入射、すなわち入射角を0°にすることが最も好ましい。入射角を0°にする場合は、入射光と出射光の経路が一致するため、例えば入射側偏光子と光変調素子1との間にハーフミラーを配置して、出射光のみを側方へ反射させてもよく、反射させた先に出射側偏光子PFoを配置する(図示せず)。
〔空間光変調器〕
本発明に係る光変調素子は、膜面方向に2次元配列して反射型の空間光変調器を構成する。本発明に係る光変調素子1は、スピン注入磁化反転素子の磁化自由層と異なり、磁性層3の磁化方向を非垂直(膜面方向)に保持することができない。そこで、本発明に係る光変調素子1を備える空間光変調器は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)やDRAMのように、画素(光変調素子1)毎にコンデンサ(キャパシタ)を備えて、1フレーム分の時間(1/60秒間)、継続して光変調素子1に所定の電圧が印加されるように構成する。具体的には、本発明に係る空間光変調器10は、図3に示すように、光変調素子1(図中、抵抗器で表す)のそれぞれにコンデンサ72が並列に接続され、光変調素子1およびコンデンサ72にさらにトランジスタ71のドレインが接続され、このトランジスタ71のソースおよびゲートに、互いに直交するデータ線DLおよびゲート線GL(ワード線)が接続される。光変調素子1の上部電極6とデータ線DLとから所定の大きさの電圧を、ゲート線GLにより選択的に光変調素子1とコンデンサ72とに印加することができる。すなわち、空間光変調器10は、TFT−LCD等と同様に、アクティブマトリックス方式である。なお、図3においては、簡潔に、2列×2行の4画素分を示す。
このような構成の空間光変調器10においては、トランジスタ71をONからOFFに切り替えた時から、コンデンサ72から放電されて光変調素子1に印加される電圧が時間の経過に伴い減衰するので、1フレーム分の時間が経過した時に印加される電圧が所定値以上であるように、電源の出力電圧を設定する。また、コンデンサ72は抵抗値が光変調素子1よりも低く設計されることが好ましく、充電時(トランジスタ71:ON)にコンデンサ72へ大電流を供給されて短時間で充電し、放電時(トランジスタ71:OFF)には、コンデンサ72に直列に接続された高抵抗の光変調素子1により、小さな電流で長時間放電される。また、データ線DL毎に電圧の大きさを変えて印加する、あるいは電圧の異なる複数のデータ線DLとそれぞれに切り替えて光変調素子1を接続させるトランジスタ71を設けることにより、画素毎に階調表示することができる。
本発明に係る空間光変調器10は、一例として、図4に示すように、DRAMのメモリセルのように、表層にトランジスタ71およびコンデンサ72を形成された基板70上に、光変調素子1を形成してなる。トランジスタ71はMOSFETであり、ソース7sがX方向に延設されて電源の正極(図示省略)に接続するデータ線DL(正極配線)に接続され、ゲート7gがY方向に延設されたゲート線GL(図示省略)に接続されている。コンデンサ72は、トランジスタ71のドレイン7dの一部(蓄積電極)に、誘電体層(図示省略)を挟んでPoly−Si膜(プレート電極7p)を積層してなる。光変調素子1は、光変調素子1毎に形成された下部電極5でトランジスタ71のドレイン7dに接続され、トランジスタ71を経由して電源の正極に接続する。一方、上部電極6は、空間光変調器10において一体の全面電極(負極配線)としてすべての光変調素子1で共有され、コンデンサ72のプレート電極7pと共に電源の負極(図示省略)に接続される。なお、図4において、X方向に並んだ2個の光変調素子1,1のそれぞれと接続するトランジスタ71,71は、1つのソース7sを共有する。また、図4は、空間光変調器10の2列×2行の4画素分の簡略化した外観図であり、図4の空白部分には絶縁層が設けられている。コンデンサ72は、図4においてはプレーナ(平面)型を適用されているが、DRAMと同様に、スタック型やトレンチ型を適用して、画素サイズに対して容量を大きくすることができる。
あるいは、本発明に係る空間光変調器は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのように、インパルス型の表示方式としてもよい。インパルス型の表示方式の空間光変調器は、2次元配列された画素から1列ずつ明滅させて表示する。そのため、空間光変調器において、上部電極6と下部電極5が、平面視で互いに直交するストライプ状に延設される(図示省略)。例えば、上部電極6の1本に接続する1列のみから任意の光変調素子1を、それぞれに接続(対向)する下部電極5と前記1本の上部電極6とから電圧を印加することにより、印加している間だけ明るく表示させる。そして、他の列に切り替えて同様に表示する。このような空間光変調器においては、一対の上部電極6と下部電極5から直接に、間に設けられた光変調素子1に電圧を印加することができるので、光変調素子1が電流を流さなくてもよく、絶縁層2(2A)を厚く形成して、省電力化することができる。また、下部電極5を、上部電極6と同様に透明電極材料で形成して、透過型の空間光変調器を構成することもできる。
(空間光変調器の消費電力)
本発明に係る空間光変調器において、光変調素子を駆動したときの消費電力と光変調素子の面積との相関を、スピン注入方式の空間光変調器と比較する。
光変調素子1は、その抵抗値をRで表すと、外部から電圧Vを印加して光変調素子1を駆動したときの消費電力Pは、光変調素子1に流れる電流I(=V/R)と電圧Vとの積(V×I)である。なお、ここでは、光変調素子1は、電流が流れるように厚さ3nm未満の絶縁層2を備えるものとする。光変調素子1について、厚さ等の層構造を変えずに、面積(磁性層3の面積)Sを大きくしたとき、光変調素子1の駆動(磁性層3の磁化方向の垂直方向から膜面方向への変化)に要する電圧Vは変化せず、抵抗値Rが面積Sに反比例して低下することにより、電流Iのみが光変調素子1の面積Sに比例して大きくなる。すなわち、消費電力Pは光変調素子1の面積Sに比例する。
スピン注入方式の空間光変調器の光変調素子(スピン注入磁化反転素子)は、反転電流Ic以上の電流を外部から供給されることによって磁化反転する。反転電流Icの電流密度(反転電流密度Jc)がスピン注入磁化反転素子の層構造(材料、膜厚等)によって決定され、面積Sにかからわず一定であれば、反転電流Icは、Ic=S×Jcより、面積Sに比例して大きくなる。
ところが、スピン注入磁化反転素子の反転電流密度Jcは、下式(1)で表すように、磁化自由層の体積vおよび反転電流Icのパルス幅(電流供給時間)tpに依存する(R. H. Koch, J. A. Katine, J. Z. Sun, “Time-Resolved Reversal of Spin-Transfer Switching in a Nanomagnet”, Physical Review Letters, Vol.92, 088302, February 2004)。なお、式中の臨界反転電流密度Jc0および磁気異方性定数Kuは、スピン注入磁化反転素子の材料等で決定され、Kuv=E(E:磁気異方性エネルギー)である。また、kB:ボルツマン定数、T:絶対温度、t0:臨界反転におけるパルス幅(通常、1〜10ns)である。
c=Jc0×[1−(kBT/Kuv)×ln(tp/t0)] ・・・(1)
磁化自由層について、体積vは、厚さが一定のとき面積Sに比例する。したがって、式(1)より、反転電流密度Jcは、面積Sの逆数1/Sに比例して低減し、すなわち、面積Sが大きくなるにしたがい大きくなる。なお、式(1)より、反転電流Icのパルス幅tpが長いほど反転電流密度Jcが低減されるが、ln(tp/t0)はe(≒2.718)に収束するので、その効果は限定的である。そして、スピン注入磁化反転素子の反転電流Icは、さらに面積Sと反転電流密度Jcとの積であるので、面積Sに対して単に比例するよりも大きく依存し、したがって、消費電力Pcも同様に、面積Sに対して大きく依存する。
このように、本発明に係る空間光変調器は、光変調素子1の1個あたりの消費電力が面積(磁性層3の面積)Sに単に比例するのみで、全体では面積Sと画素数との積に比例し、スピン注入方式の空間光変調器のように、光変調素子の1個の面積が大きいと消費電力がより大きくなるということがない。したがって、本発明に係る空間光変調器は、光変調素子の大型化が容易で、画素の開口率を高くすることができる。
以上のように、第1実施形態に係る光変調素子によれば、平面視形状にかかわらず電気的に磁化方向を変化させることができ、さらに2値の光だけでなく中間の1以上の光に変調することができるので、1個で階調表示することができる。したがって、このような光変調素子を配列することにより、画素サイズが適度に微細化され、さらに1画素に1個の光変調素子を備えて階調表示することができる空間光変調器が得られる。
〔第2実施形態〕
本発明に係る光変調素子は、面内磁気異方性の磁性層を適用することもできる。すなわち、本発明の第2実施形態に係る光変調素子1A(図5参照)は、図1(a)に示す第1実施形態に係る光変調素子1の磁性層3に代えて、面内磁気異方性の磁性層3Aを備える。磁性層3Aは、磁性層3の磁性金属膜31と同じCo,Fe,Co−Fe,Co−Fe−Bを適用することができ、厚さは1原子〜2、3原子相当の0.3〜0.5nmが好ましい。絶縁層2等のその他の構成は、光変調素子1と同様であり、2層構造の絶縁層2A(図1(b)参照)を備えてもよい。なお、図5においては、図2と同様に、下地膜41および保護膜42を省略する。
〔光変調素子の動作〕
第2実施形態に係る光変調素子1Aの磁性層3Aの磁化方向の変化を、図5を参照して説明する。図5においては、第1実施形態(図2参照)と同様、3個の光変調素子1A,1A,1Aを横一列に並べて示す。磁性層3Aは面内磁気異方性であるので、予め外部磁界を印加して、磁化方向を所定の向き(ここでは右向き)に設定する。
図5の左端の光変調素子1Aは、電源に接続されておらず、また磁界を印加されていない状態であり、したがって、磁性層3Aはその保磁力により右向きの磁化方向を示す。このような光変調素子1Aに、同図の中央の光変調素子1Aのように、下部電極5を「+」に、磁性層3Aに接続する上部電極6を「−」にして、電圧VLを印加する。すると、磁性層3A(磁性金属膜31)において、絶縁層2との界面近傍に負(−)の電荷が蓄積され、電圧が大きくなるにしたがい磁性層3Aの磁化方向が垂直方向(下向き)へ徐々に傾き、さらに同図の右端の光変調素子1Aのように、印加電圧が所定値以上の電圧VHになると、磁性層3Aの磁化方向が垂直方向(下向き)になる。
光変調素子1Aは、電圧VL,VHの印加を停止すると、図5の左端の光変調素子1Aのように、磁性層3Aの磁化方向が元の右向きに戻る。このように、光変調素子1Aは、電圧を一方向に印加した状態と停止した状態とで、磁性層3Aの磁化方向が垂直方向と膜面方向とに変化し、さらに、磁化方向が垂直方向に到達するまでは、電圧が大きくなるにしたがい磁化方向の変化(回転角)が大きくなる。したがって、本実施形態に係る光変調素子1Aは、面内磁気異方性の磁性層3Aを備えても、第1実施形態と同様に、電気的に磁化方向を変化させることができ、さらにその変化量を制御することができ、また、極性を入れ替える必要がない。電極5,6から光変調素子1Aに印加する電圧は、第1実施形態と同様に、主に絶縁層2の厚さによって設定される。
次に、第2実施形態に係る光変調素子の光変調動作を、図5を参照して説明する。図5においては、3個並べた光変調素子1A,1A,1Aの上方の出射光の経路上に、出射側偏光子PFoAが配置される。さらに、光変調素子1A,1A,1Aの上方に、入射光L0を生成するための、光源、ビーム拡大器、レンズ、および入射側偏光子が配置される(図示省略)。入射側偏光子および出射側偏光子PFoAは、第1実施形態(図2参照)と同様に、それぞれ特定の偏光成分の光を遮光する偏光板である。
図5においては、第1実施形態と同様に、1つの偏光成分の光からなる入射光L0が、上方から略垂直(入射角≒0°)に光変調素子1A,1A,1Aに入射する。それぞれの光変調素子1Aに入射した光は、上部電極6を透過して磁性層3Aで反射して出射光L1,L2,L3となり、再び上部電極6を透過して出射側偏光子PFoAに到達する。
図5の左端の光変調素子1Aは、磁性層3Aの磁化方向が右向きすなわち膜面方向で、入射光に対して略垂直であるため、この光変調素子1Aからの出射光L1は、磁気光学効果がほとんど得られず、入射光L0と同一の偏光成分の光である。これに対して、同図の右端の電圧VHが印加されている光変調素子1Aは、磁性層3Aの磁化方向が下向きすなわち垂直方向であるため、この光変調素子1Aからの出射光L3は、極カー効果により、入射光L0に対して偏光面の回転角(旋光角)が最大のθkMAX(≦90°)になる。また、同図の中央の電圧VL(<VH)が印加されている光変調素子1Aは、磁性層3Aの磁化方向が垂直方向と膜面方向の中間の傾斜した向きを示している。そのため、この光変調素子1Aからの出射光L2は、入射光L0に対して旋光するものの、旋光角θkが右端の光変調素子1Aからの出射光L3における最大角θkMAXよりも小さい(0°<θk<θkMAX)。
出射側偏光子PFoAは、入射光L0と同一の偏光成分の光を遮光するように、入射側偏光子に対してクロスニコル配置されている。そのため、図5の左端の光変調素子1Aからの出射光L1は偏光子PFoAで完全に遮光され、この光変調素子1Aからなる画素は暗く(黒く)表示される。これに対して、同図の中央および右端の、電圧が印加されている光変調素子1A,1Aからの出射光L2,L3は、出射側偏光子PFoAを透過する。特に、右端の光変調素子1Aからの出射光L3は、出射側偏光子PFoAが遮光する光(=入射光L0、出射光L1)に対して偏光面の角度の差が最大であるため、出射側偏光子PFoAを透過する光量が最大となり、この光変調素子1Aからなる画素が最も明るく(白く)表示される。一方、中央の光変調素子1Aからの出射光L2は、偏光面の角度の差が出射光L3よりも小さいため、出射光L3よりも多くの光が出射側偏光子PFoAに遮光され、この光変調素子1Aからなる画素は、やや明るく(中間調に)表示される。
このように、面内磁気異方性の磁性層3Aを備える光変調素子1Aについても、第1実施形態に係る光変調素子1と同様に、垂直または略垂直に光を入射して光変調させることができ、また、中間調を表示することができる。
〔空間光変調器〕
第2実施形態に係る光変調素子1Aは、第1実施形態に係る光変調素子1と同様に、2次元配列して空間光変調器を構成する(図3、図4参照)。配線(電極)の形状やコンデンサ等の接続の仕様、および駆動方法は第1実施形態にて説明した通りである。
以上のように、第2実施形態に係る光変調素子によれば、第1実施形態に係る光変調素子と同様に、所望の平面視サイズに形成することができ、また、1個で階調表示することができる。したがって、このような光変調素子を配列することにより、画素サイズが適度に微細化され、さらに1画素に1個の光変調素子を備えて階調表示することができる空間光変調器が得られる。
以上、本発明の光変調素子および空間光変調器を実施するための各実施形態について述べてきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
本発明の効果を確認するために、本発明に係る光変調素子のサンプルを作製した。サンプルは、Co−Feからなる膜(磁性金属膜)およびGd−Feからなる層を備えた垂直磁気異方性の磁性層(図1(a)参照)における磁化方向の変化を、抵抗の測定によって確認するために、前記磁性層を磁化自由層、絶縁層を障壁層とするTMR素子を模擬した。詳しくは、熱酸化Si基板に、表1に示すように、Cu膜で下部電極を形成した上に、下地膜から保護膜までの材料を下から順にイオンビームスパッタリング法にて連続して成膜して積層し、さらにその上にCu膜で上部電極を形成し、フォトリソグラフィで0.5μm×0.5μmの矩形に加工してサンプルとした。なお、GdFe層(Gd−Feからなる層)の組成は、Gd:20at%、Fe:80at%とした。
Figure 0006546745
作製したサンプルに、初期化磁界+5kOeを印加して、磁化固定層および磁性層(磁化自由層)の磁化方向を上向きに揃えた。そして、上下電極から定電圧を印加し、初期化磁界と反対方向の磁界H(<0)をその大きさ(絶対値)を漸増させながら印加して、電流値の変化を観察することにより、磁性層の磁化方向が下向きに反転して上下電極間の抵抗が変化(上昇)する磁界Hを測定し、保磁力Hcとした。同様の測定を、印加する定電圧の大きさ(絶対値)および向き(+,−)を変化させて行った。なお、定電圧の大きさ(絶対値)は、絶縁層(MgO膜)が絶縁破壊しない360mVまでとした。保磁力Hcの印加電圧依存性のグラフを図6に示す。なお、本実施例において、印加電圧は、下部電極が「+」、上部電極が「−」において、正の値で表す。
また、磁気異方性の変化を磁化曲線で観察した。前記のサンプルと同じ表1に示す構造で、観察し易くするために、保磁力が面積に依存して小さくなるように、5μm×5μmの大型の矩形に加工してサンプルを作製した。このサンプルに、前記と同様に初期化して、磁化固定層および磁性層(磁化自由層)の磁化方向を上向きに揃えた。そして、定電圧を印加しながら、前記と同様に磁界H(<0)をその絶対値を漸増させながら印加した後、さらに反対方向の磁界H(>0)を印加し、抵抗値を測定した。抵抗値の変化を磁化曲線として、図7(a)に定電圧+100mV(下部電極が「+」)、図7(b)に定電圧+200mV(下部電極が「+」)、図7(c)に定電圧−50mV(上部電極が「+」)のときの磁化曲線を示す。
下部電極を「+」として、すなわち磁性層の側を「−」にして電圧を印加すると、図6に示すように、印加電圧を大きくするほど、保磁力Hcが減少した。ここで、図7(a)、(b)に示すように、印加電圧が大きいほど、磁界の漸増に伴い、抵抗値の変化が緩やかになり、かつ変化量が小さくなった。これは、磁性層の保磁力Hcが低下したというよりも、磁性層の垂直磁気異方性が弱くなって面内磁気異方性の傾向を示していることを表す。すなわち、図6および図7(a)、(b)より、印加電圧を大きくするにしたがい、磁性層が垂直磁気異方性から面内磁気異方性に徐々に変化することが確認された。
一方、上部電極を「+」として、すなわち磁性層の側を「+」にして電圧を印加すると、図6に示すように、−200mVまでは保磁力Hcが増大し、さらに印加電圧(絶対値)を大きくすると減少に転じた。また、図7(c)に示すように、−50mVの電圧を印加しながら磁界を印加したときは、抵抗値が急峻に変化し、垂直磁気異方性の磁性層がその保磁力に応じて磁化反転したことを示す。このように磁性層の側を「+」にして電圧を印加したとき、保磁力Hcが増大するのは、磁性層(磁性金属膜)の垂直磁気異方性が増強されるためと推測される。また、図6に示すように、印加電圧が−200mVを超える(絶対値で200mV超)と保磁力Hcが減少に転じたのは、大きな電圧が印加されてジュール熱が発生し、熱による影響を受け易いGdFe層の保磁力が低下したことによると推測される。磁性層の側を「−」にした場合に、+200mVを超えると保磁力Hcの減少が急峻になるのも同様である。
以上のことから、本発明に係る光変調素子は、極性を固定して電圧を印加することにより、磁性層の磁化方向を垂直方向から膜面方向に変化させることができることが確認された。さらに、0.5μm×0.5μmという、スピン注入方式では磁化反転し難い大きなサンプルに対して、電圧の印加が有効であることが確認された。したがって、本発明に係る光変調素子は、大型化、すなわち画素の開口率の向上が容易である。
10 空間光変調器
1,1A 光変調素子
2,2A 絶縁層(絶縁膜)
21 MgO膜
3,3A 磁性層
31 磁性金属膜
5 下部電極(電極)
6 上部電極(電極)

Claims (7)

  1. 垂直磁気異方性を有する磁性層、絶縁膜、および前記磁性層と前記絶縁膜との界面に垂直に電圧を印加する一対の電極を備え、
    前記磁性層は、少なくとも前記絶縁膜との界面に、Co,Fe,Co−Fe,Co−Fe−Bから選択される磁性金属膜を備え、前記一対の電極から電圧が印加されているときに、磁化方向が非垂直方向に変化し、
    入射した光の偏光方向を、前記電圧が所定の大きさで印加されているときに変化させずに出射し、電圧が印加されていないときに所定の角度で変化させて出射することを特徴とする光変調素子。
  2. 入射した光の偏光方向を、電圧が印加されていないときに最大の角度で変化させて出射し、印加されている電圧が大きいほど小さな角度で変化させて出射することを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
  3. 面内磁気異方性を有する磁性層、絶縁膜、および前記磁性層と前記絶縁膜との界面に垂直に電圧を印加する一対の電極を備え、
    前記磁性層は、少なくとも前記絶縁膜との界面に、Co,Fe,Co−Fe,Co−Fe−Bから選択される磁性金属膜を備え、前記一対の電極から電圧が印加されているときに、磁化方向が非面内方向に変化し、
    入射した光の偏光方向を、前記電圧が印加されているときに変化させて出射し、電圧が印加されていないときに変化させずに出射することを特徴とする光変調素子。
  4. 印加されている電圧が大きいほど、入射した光の偏光方向を大きな角度で変化させて出射することを特徴とする請求項3に記載の光変調素子。
  5. 前記磁性層が、Gd−Feからなる層を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光変調素子。
  6. 前記絶縁膜が、少なくとも前記磁性層との界面に、MgO膜を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光変調素子。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光変調素子を2次元配列して備える空間光変調器。
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