JP6546392B2 - 限界電流式ガスセンサ用電極およびその製造方法、限界電流式ガスセンサおよびその製造方法、およびセンサネットワークシステム - Google Patents

限界電流式ガスセンサ用電極およびその製造方法、限界電流式ガスセンサおよびその製造方法、およびセンサネットワークシステム Download PDF

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Description

本実施の形態は、限界電流式ガスセンサ用電極およびその製造方法、限界電流式ガスセンサおよびその製造方法、およびセンサネットワークシステムに関する。
従来、被測定ガス内における水蒸気の濃度を検出する湿度センサとして、抵抗変化型、容量変化型、ジルコニア(ZrO2)固体電解質型などが知られている。
高分子膜抵抗変化型は安価であり、デバイス化が容易であるという長所がある。一方で、低湿度領域での測定精度が低く、温度依存性が大きい、また、結露による溶出が素子劣化・破壊の原因になるという短所がある。
また、容量変化型はリニアリティが良く、相対湿度全領域で測定可能であり、温度依存性が小さいという長所がある。一方で、純水以外の水(水道水など)や、有機溶媒などの影響が大きいという短所がある。また、湿度0%RHにおける容量が数百pFあるのに対し、1%RH変化したときの容量変化が1pF以下であり、正確な湿度測定には定期的な校正が必要となる。一般的な事務環境で湿度測定の精度を求めない場合は、有効なデバイスである一方、高精度の湿度測定や結露、ガス曝露の可能性のある雰囲気(気象観測用途や風呂場)、100℃以上の高温になる雰囲気での使用は想定外である。耐久性を高くするには新規に高分子材料の開発が必要である。今後の研究開発が期待される一方、新規材料開発には時間・コストが必要である。
高温での湿度測定のために、ジルコニア固体電解質を用いた湿度センサが販売されている。ジルコニア固体電解質を用いた酸素センサは、自動車の燃焼効率向上やNOXの低減のために使用されており、材料としての耐久性は実績がある。ただ、ジルコニアを数百℃に上げて使用するため、消費電力が100Wと高く、さらに高温物体の取り扱いの難しいことから、市場は一部の産業用途に限られている。
そこで、近年ではジルコニア薄膜限界電流型が注目されている。この種の限界電流式酸素センサは、高信頼性でリニアリティが良いという長所がある。
米国特許第4487680号明細書 特開平5−312772号公報 特開2009−75011号公報 特開2006−317429号公報 特開2014−196995号公報
高橋英昭、佐治啓市、近藤春義、「薄膜限界電流式酸素センサ」豊田中央研究所R&D レビュー Vol.27 No.2(1992.6)
限界電流式ガスセンサにおいて、酸素ガスの多孔質電極からの過剰な取り込みにより、限界電流特性が劣化し、センサ感度を低下する。
本実施の形態は、良好な限界電流特性が得られ、検出感度の向上した限界電流式ガスセンサ用電極およびその製造方法、およびこの限界電流式ガスセンサ用電極を適用した限界電流式ガスセンサおよびその製造方法、およびセンサネットワークシステムを提供する。
本実施の形態の一態様によれば、金属粒子焼結層と、前記金属粒子焼結層に形成された微細ガス導入路とを有する緻密電極を備える限界電流式ガスセンサ用電極が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、固体電解質層に接触して、バインダに含有された金属粒子ペースト層を形成する工程と、大気中で第1温度において焼成し、前記バインダを除去する工程と、不活性ガス雰囲気中で第2温度において焼成し、金属粒子焼結層を形成する工程と、第3温度において大気を導入して、前記金属粒子焼結層中に微細ガス導入路を形成する工程とを有する限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法が提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、基板と、前記基板上に配置された多孔質電極と、前記多孔質電極上に配置された絶縁膜と、前記絶縁膜にパターニングされた開口部の前記多孔質電極上および前記開口部を取り囲む前記絶縁膜上に配置された固体電解質層と、前記固体電解質層上に、前記多孔質電極に対向し、前記基板に対して実質的に縦方向に配置され、金属粒子焼結層および前記金属粒子焼結層に形成された微細ガス導入路を備える緻密電極とを備える限界電流式ガスセンサが提供される。
本実施の形態の他の態様によれば、基板上に多孔質電極を形成する工程と、前記多孔質電極上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜をパターニングして開口部を形成する工程と、前記開口部の前記多孔質電極上および前記開口部を取り囲む前記絶縁膜上に固体電解質層を形成する工程と、前記固体電解質層上に、前記多孔質電極に対向し、前記基板に対して実質的に縦方向に、金属粒子焼結層および前記金属粒子焼結層に形成された微細ガス導入路を備える緻密電極を形成する工程とを有する限界電流式ガスセンサの製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の限界電流式ガスセンサを備えるセンサネットワークシステムが提供される。
本実施の形態によれば、良好な限界電流特性が得られ、検出感度の向上した限界電流式ガスセンサ用電極およびその製造方法、およびこの限界電流式ガスセンサ用電極を適用した限界電流式ガスセンサおよびその製造方法、およびセンサネットワークシステムを提供することができる。
(a)比較例1に係る限界電流式ガスセンサ用電極の模式的断面構造図、(b)比較例2に係る限界電流式ガスセンサ用電極の模式的断面構造図、(c)実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極の模式的断面構造図。 ポーラス白金の断面SEM写真例。 緻密白金の断面SEM写真例。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極を適用した限界電流式ガスセンサにおいて、温度を500℃とし、大気中および窒素中における電流電圧特性例。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法であって、(a)固体電解質層上に、カーボンナノチューブ(CNT:Carbon Nanotube)入り金属粒子ペースト層を印刷工程により形成する工程図、(b)大気中で500℃焼成により、バインダを除去する工程図、(c)不活性ガス雰囲気中で1100℃で金属粒子焼結層を形成する工程図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法であって、(a)降温途中(700℃)で大気を導入して、CNTを燃焼して、φ約0.1μmの微細ガス導入路を形成する工程図、(b)降温途中(700℃)で大気を導入して、CNTを燃焼して、φ約0.1μmの微細ガス導入路を形成する別の工程図。 比較例3に係る限界電流式ガスセンサであって、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)梁構造に形成されるセンサ部分の模式的断面構造図。 比較例4に係る限界電流式ガスセンサであって、MEMS梁構造に形成されるセンサ部分の模式的断面構造図。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサであって、MEMS梁構造に形成されるセンサ部分の模式的断面構造図、(b)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサのMEMS梁構造に形成されるセンサ部分の別の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサのセンサ部分の拡大された模式的平面パターン構成図。 図11のI−I線に沿う模式的断面構造図。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図13(a)のII−II線に沿う模式的断面構造図(その1)。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図14(a)のIII−III線に沿う模式的断面構造図(その2)。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図15(a)のIV−IV線に沿う模式的断面構造図(その3)。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図16(a)のV−V線に沿う模式的断面構造図(その4)。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図17(a)のVI−VI線に沿う模式的断面構造図(その5)。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図18(a)のVII−VII線に沿う模式的断面構造図(その6)。 (a)第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図、(b)図19(a)のVIII−VIII線に沿う模式的断面構造図(その7)。 第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的断面構造図(その8)。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの模式的平面パターン構成図。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図(その1)。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図(その2)。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図(その3)。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図(その4)。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図(その5)。 第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す模式的平面図(その6)。 (a)実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程(梁構造形成工程)を示す模式的断面構造図、(b)実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程(別の梁構造形成工程)を示す模式的断面構造図。 (a)実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの梁構造のレイアウト図(上面図)、(b)図29(a)のIX−IX線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを用いてガス濃度を検出する動作を示すフローチャート図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、ガス濃度検出動作におけるYSZ温度と時間との関係を示す模式図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの動作原理を説明する模式的断面構造図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、酸素イオン(O2-)のホッピング伝導を説明するエネルギーダイアグラム。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、電流―電圧特性の模式的説明図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、イオン伝導を説明する模式的断面図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを収容するパッケージの蓋を示す模式的鳥瞰構成図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを収容するパッケージの本体を示す模式的鳥瞰構成図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを示す模式的ブロック構成図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを搭載するセンサパッケージの模式的ブロック構成図。 実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを適用したセンサネットワークの模式的ブロック構成図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
(限界電流式ガスセンサ用電極:比較例)
比較例1に係る限界電流式ガスセンサ用電極の模式的断面構造は、図1(a)に示すように表される。比較例2に係る限界電流式ガスセンサ用電極の模式的断面構造は、図1(b)に示すように表される。
比較例1に係る限界電流式ガスセンサ用電極は、図1(a)に示すように、固体電解質層4Aと、固体電解質層4Aの上面に配置された多孔質電極5Rと、固体電解質層4Aの下面に配置された多孔質電極5Dとを備える。比較例1に係る限界電流式ガスセンサ用電極14Aでは、酸素ガス流入量を制御するために、固体電解質層4Aの上面に配置され、酸素ガスを絞るための多孔質電極5Rを備えている。しかしながら、多孔質電極5Rは、ポーラス構造を有するため、酸素ガスの流入量(ポア径)の制御が難しい。
比較例2に係る限界電流式ガスセンサ用電極は、図1(b)に示すように、固体電解質層4Aと、固体電解質層4Aの上面に配置された多孔質電極5PUと、多孔質電極5PU上に配置された多孔質絶縁膜若しくは多孔質絶縁基板6Pと、固体電解質層4Aの下面に配置された多孔質電極5Dとを備える。比較例2に係る限界電流式ガスセンサ用電極14Aでは、酸素ガス流入量を制御するために、固体電解質層4Aの上面に配置され、酸素ガスを絞るための多孔質絶縁膜若しくは多孔質絶縁基板6Pを備えている。しかしながら、多孔質絶縁膜若しくは多孔質絶縁基板6Pは、ポーラス構造を有するため、酸素ガスの流入量(ポア径)の制御が難しい。また、多孔質絶縁基板では、MEMS梁構造の採用が難しい。
(限界電流式ガスセンサ用電極:実施の形態)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の模式的断面構造は、図1(c)に示すように表される。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14は、図1(c)に示すように、金属粒子焼結層28と、金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26とを有する緻密電極5Uを備える。ここで、微細ガス導入路26は、金属粒子焼結層28に含有されるナノメートルスケールを有するナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子などの熱処理工程若しくは熱処理工程と組み合わせたエッチング処理工程によって形成可能である。ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子は、例えば、炭素(C)、酸化亜鉛(ZnO)などによって形成可能である。なお、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成される微細ガス導入路26については、限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法の説明において、図5・図6を参照して、説明する。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14は、図1(c)に示すように、固体電解質層4と、固体電解質層4に接触して配置された多孔質電極5Dとを備え、緻密電極5Uは、固体電解質層4の多孔質電極5Dに対向する面に接触して配置されている。
金属粒子焼結層28は、ナノワイヤを備えていても良い。ここで、ナノワイヤは、CNT若しくはZnOを備えていても良い。
また、金属粒子焼結層28は、カーボンナノチューブ若しくはカーボンナノ粒子を備え、微細ガス導入路26は、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、カーボンナノナノチューブ若しくはカーボンナノ粒子が燃焼されて形成されていても良い。
また、金属粒子焼結層28は、ZnOを備え、微細ガス導入路26は、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼後、ウェットエッチングによりZnOがエッチングされて形成されていても良い。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14は、微細ガス導入路26の形状によりガス透過量制御可能である。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14は、微細ガス導入路26の含有割合によりガス透過量制御可能である。
また、金属粒子焼結層28の金属粒子は、Pt、Ag、Pd、Au、若しくはRuのいずれかを備えていても良い。
また、金属粒子焼結層28は、金属粒子焼結層28中に閉じ込められて大気中での燃焼により、燃焼されないナノワイヤを備えていても良い。
ナノワイヤ若しくはナノ粒子は、直径が約0.1μm以下を備える。また、ナノワイヤの長さは、例えば、約10μm以下である。ナノワイヤを使用するメリットは、ナノワイヤの形状(径、長さ)により、ガス透過量制御可能であり、またナノワイヤの割合により、ガス透過量制御可能なことである。
(酸素ガス取り込み量制御実験)
固体電解質層4として、バルクYSZを使った、酸素ガス取り込み量制御実験を実施した。実験の目的は、酸素ガス取込量を減らすことである。
ポーラス白金の断面SEM写真例は、図2に示すように表され、緻密白金の断面SEM写真例は、図3に示すように表される。ポーラス白金の断面SEM写真例では、約数μmのポーラス(孔)が観測されている。一方、緻密白金の断面SEM写真例では、緻密にPtが形成されており、ポーラスは観測されていない。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14においては、図1(c)に示すように、固体電解質層4の上に緻密白金からなる緻密電極5Uが配置される一方、固体電解質層4の下面には、ポーラス白金からなる多孔質電極5Dが配置されている。
酸素(O2)ガスは、緻密白金からなる緻密電極5Uを適度に流量制御されて通過し、バルクYSZからなる固体電解質層4中をイオン電導によって、O2-イオンが通過し、ポーラス白金からなる多孔質電極5D中を酸素(O2)ガスが通過している。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14を適用した限界電流式ガスセンサにおいて、温度を500℃とし、大気中および窒素中における電流電圧特性例は、図4に示すように表される。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14を適用した限界電流式ガスセンサにおいては、図4に示すように、緻密電極5Uとして緻密白金を適用することによって、プラトー領域が広くなり、良好な限界電流電圧特性が得られている。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14を適用した限界電流式ガスセンサにおいては、図4に示すように、酸素濃度に応じて電流値が変化する特性が得られている。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいては、拡散律速にするために、酸素流入量を減らすことによって、酸素ガス導入量の低減化している。具体的には、限界電流式ガスセンサ用電極として微細ガス導入路を備える緻密電極を用いている。小さな孔径(約〜0.1μm)の微細ガス導入路26を有する緻密電極の膜で酸素流入量を絞ることができる。
(限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法であって、固体電解質層(YSZ)4上に、CNT22入り金属粒子ペースト層25を印刷工程により形成する工程は、図5(a)に示すように表され、大気中で500℃焼成により、バインダを除去する工程は、図5(b)に示すように表され、不活性ガス雰囲気中で1100℃で金属粒子焼結層28を形成する工程は、図5(c)に示すように表される。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法であって、降温途中(700℃)で大気を導入して、CNT22を燃焼して、φ約0.1μmの微細ガス導入路26を形成する工程は、図6(a)に示すように表され、降温途中(700℃)で大気を導入して、CNT22を燃焼して、φ約0.1μmの微細ガス導入路26を形成する別の工程は、図6(b)に示すように表される。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法は、固体電解質層4に接触して、バインダ24に含有された金属粒子ペースト層25を形成する工程と、大気中で第1温度において焼成し、バインダ24を除去する工程と、不活性ガス雰囲気中で第2温度において焼成し、金属粒子焼結層28を形成する工程と、第3温度において大気を導入して、金属粒子焼結層28中に微細ガス導入路26を形成する工程とを有する。
また、金属粒子ペースト層25を形成する工程は、印刷工程を備えていても良い。
また、第1温度は、例えば約500℃であっても良い。
また、第2温度は、例えば約1100℃であっても良い。
また、第3温度は、例えば約700℃であっても良い。
また、バインダ24は、例えばエチルセルロース系若しくはアクリル系材料を備えていても良い。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法において、微細ガス導入路26を形成する工程は、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、CNT燃焼されて微細ガス導入路26を形成する工程を有していても良い。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法において、金属粒子焼結層28は、図5(c)に示すように、CNT22若しくはカーボンナノ粒子を備え、微細ガス導入路26を形成する工程は、図6(a)に示すように、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、CNT22若しくはカーボンナノ粒子が燃焼される工程を有していても良い。なお、図6(b)に示すように、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、一部のCNT22が燃焼されず、金属粒子焼結層28中に残存しても特性上は問題ない。
また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法において、金属粒子焼結層28は、ZnOを備え、微細ガス導入路26を形成する工程は、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼後、ウェットエッチングによりZnOがエッチングされる工程を有していても良い。
以下に、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極14の製造方法を詳述する。
(A)まず、図5(a)に示すように、固体電解質層4上に、バインダ24に金属粒子20とCNT22を含有した金属粒子ペースト層25を固体電解質層4上に塗布し、印刷工程によって形成する。金属粒子ペースト層25は、酸素ガス透過量を制御するための電極用ペーストである。CNT22は、直径が約0.1μm以下のナノワイヤである。バインダ24は、例えばエチルセルロース系若しくはアクリル系材料を備える。
(B)次に、図5(b)に示すように、大気中で例えば約500℃で熱処理し、バインダを除去する。
(C)次に、図5(c)に示すように、不活性ガス(N2)雰囲気中で例えば約1100℃で熱処理し、金属粒子焼結層28を形成する。この時、不活性ガス(N2)雰囲気中であるため、金属粒子焼結層28中にはCNT22が含まれている。
(D)次に、図6(a)に示すように、降温動作中に、例えば約700℃において、大気を導入することによって、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、CNT22を燃焼して、微細ガス導入路26を形成する。図6(b)に示すように、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、一部のCNT22が燃焼されず、金属粒子焼結層28中に残存しても特性上は問題ない。
以上の工程においては、雰囲気を調整して熱処理するだけで、上記の金属粒子焼結層28中に微細ガス導入路26を形成する制御が可能である。
ZnOナノワイヤなどの燃えないものを用いると、大気中熱処理後ウェットエッチングすることで同様の構造を形成可能であり、雰囲気制御は不要である。図6(b)に示すように、CNT22の燃え残りがあっても、導電性を保てるので問題ない。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法によれば、ジルコニア酸素・湿度センサ用電極を形成可能である。
(限界電流式ガスセンサ:MEMS梁構造)
(比較例)
比較例3に係る限界電流式ガスセンサ12Aであって、MEMS梁構造に形成されるセンサ部分の模式的断面構造は、図7に示すように表される。また、比較例4に係る限界電流式ガスセンサ12Aであって、MEMS梁構造に形成されるセンサ部分の模式的断面構造は、図8に示すように表される。
比較例3に係る限界電流式ガスセンサ12Aは、図7に示すように、MEMS梁構造の基板1と、基板1上に配置された多孔質電極5Dと、多孔質電極上に配置された固体電解質層4と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に配置された多孔質電極5PUと、多孔質電極5PU上に配置されかつデバイス全面を被覆する絶縁膜8Dとを備える。ここで、絶縁膜8Dは、ポーラス絶縁膜(Al23-SiO2)若しくは緻密絶縁膜(ガラスペースト)で形成される。多孔質電極5D・5PUは、孔径数μm程度のポーラスPtで形成され、固体電解質層4は、厚さ約15μmのYSZで形成される。MEMS梁構造の基板1の厚さは、約10μmのシリコン基板で形成される。
比較例3に係る限界電流式ガスセンサ12Aにおいては、図7に示すように、ポーラス絶縁膜(Al23、SiO2、Al23-SiO2)若しくは緻密絶縁膜(ガラスペースト)で形成される絶縁膜8Dによって、酸素ガスの導入量を絞る構造を備えるが、限界電流特性は、酸素ガスの多孔質電極5PUからの過剰な取り込みにより、限界電流特性が劣化し、センサ感度を低下する。
比較例4に係る限界電流式ガスセンサ12Aは、図8に示すように、MEMS梁構造の基板1と、基板1上に配置された多孔質電極5Dと、多孔質電極上に配置された固体電解質層4と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に配置された多孔質電極5PUと、多孔質電極5PU上に配置されかつデバイス全面を被覆する絶縁膜8Pと、絶縁膜8P上に配置された絶縁膜8Dとを備える。ここで、絶縁膜8Pは、ポーラス絶縁膜(Al23、SiO2、Al23-SiO2)で形成され、絶縁膜8Dは、緻密絶縁膜(ガラスペースト)で形成される。多孔質電極5D・5PUは、孔径数μm程度のポーラスPtで形成され、固体電解質層4は、厚さ約15μmのYSZで形成される。MEMS梁構造の基板1の厚さは、約10μmのシリコン基板で形成される。
比較例4に係る限界電流式ガスセンサ12Aにおいては、図8に示すように、ポーラス絶縁膜(Al23-SiO2)で形成される絶縁膜8Pの側面から酸素ガスを取り込む構造を備えるが、限界電流特性は、酸素ガスの多孔質電極5PUからの過剰な取り込みにより、限界電流特性が劣化し、センサ感度が低下する。
(限界電流式ガスセンサ:実施の形態)
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12であって、MEMS梁構造に形成されるセンサ部分の模式的断面構造は、図9(a)に示すように表される。また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12のMEMS梁構造に形成されるセンサ部分の別の模式的断面構造は、図9(b)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図9(a)に示すように、MEMS梁構造の基板1と、基板1上に配置された多孔質電極5Dと、多孔質電極5D上に配置された固体電解質層4と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に配置され、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26を備える緻密電極5Uとを備える。
別の第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図9(b)に示すように、MEMS梁構造の基板1と、基板1上に配置された多孔質電極5Dと、多孔質電極5D上に配置された絶縁膜8と、絶縁膜8にパターニングされた開口部7の多孔質電極5D上および開口部7を取り囲む絶縁膜8上に配置された固体電解質層4と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に配置され、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26を備える緻密電極5Uとを備える。
別の第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12においては、図9(b)に示すように、絶縁膜8は、固体電解質層4の端面と多孔質電極5Dとの間を非接触化し、酸素(O)イオンの固体電解質層4端面からの取り込みを抑制し、緻密電極5Uと多孔質電極5Dとの間の表面伝導電流成分を低減化可能である。
また、基板1上に配置された絶縁膜3を備え、多孔質電極5Dは、絶縁膜3上に配置されていても良い。
多孔質電極5Dは、孔径数μm程度のポーラスPtで形成され、厚さは、例えば、約1μm以上である。薄すぎるとPtが凝集して絶縁化するためである。
固体電解質層4は、厚さ約4μm以上のYSZで形成される。薄いと上下のPt電極間が導通してしまうためである。
MEMS梁構造の基板1の厚さは、約10μmのシリコン基板で形成される。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12においては、Pt電極自体をナノ構造に形成している。すなわち、CNTを混ぜたPtを焼結し、最後にCNTを焼き飛ばして微細ガス導入路を形成した金属粒子焼結層を緻密電極5Uとして適用する。CNTの代わりに、カーボンナノ粒子を適用しても良い。
緻密Ptで形成された緻密電極5Uの厚さは、例えば、約1μm以上である。薄すぎるとPtが凝集して絶縁化するためである。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいては、緻密電極により酸素ガスの取り込みを制御可能であるため、良好な限界電流特性が得られ、検出感度の向上した限界電流式ガスセンサを提供することができる。
金属粒子焼結層28は、CNT22若しくはカーボンナノ粒子を備え、微細ガス導入路26は、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼により、CNT22若しくはカーボンナノ粒子が燃焼されて形成されていても良い。
また、金属粒子焼結層28は、ZnOを備え、微細ガス導入路26は、金属粒子焼結層28の大気中での燃焼後、ウェットエッチングによりZnOがエッチングされて形成されていても良い。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、微細ガス導入路26の形状によりガス透過量制御可能である。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、微細ガス導入路26の含有割合によりガス透過量制御可能である。
金属粒子焼結層28の金属粒子は、Pt、Ag、Pd、Au、若しくはRuのいずれかを備えていても良い。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12の模式的平面パターン構成は、図10に示すように表され、センサ部分の拡大された模式的平面パターン構成は、図11に示すように表され、図11のI−I線に沿う模式的断面構造は、図12に示すように表される。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図10〜図12に示すように、基板1と、基板1上に配置された多孔質電極5Dと、多孔質電極5D上に配置された絶縁膜8と、絶縁膜8にパターニングされた開口部7の多孔質電極5D上および開口部7を取り囲む絶縁膜8上に配置された固体電解質層4と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に配置され、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26とを備える緻密電極5Uとを備える。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図10に示すように、緻密電極5Uと多孔質電極5Dとの間に電圧を印加することにより被測定ガス内における所定のガス濃度を限界電流式で検出する検出回路18を備える。ここで、検出回路18は、限界電流に基づいて酸素濃度を検出することができる。また、検出回路18は、限界電流に基づいて水蒸気濃度を検出することができる。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図10〜図12に示すように、緻密電極5U上に配置された第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U)と、多孔質電極5D上に配置された第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D)と、固体電解質層4上に配置された第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)とを備えていても良い。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図10〜図12に示すように、平面視において、第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、緻密電極5U上に配置された第1反り抑制用多孔質絶縁膜10(5U)と、平面視において、第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、多孔質電極5D上に配置された第2反り抑制用多孔質絶縁膜10(5D)とを備えていても良い。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図10〜図12に示すように、両持梁構造のMEMS素子構造を基本構造として備える。詳細構造は後述するが、中央部にはセンサ部分が配置され、両持梁構造の梁部分には、センサ部分に接続された多孔質電極5Dと、緻密電極5Uが配置され、多孔質電極5D・緻密電極5U間には、検出回路18が接続されている。
中央部のセンサ部分には、センサ部分の加熱用のマイクロヒータ2が埋め込まれており、両持梁構造のMEMS素子構造を基本構造とすることによって、中央部のセンサ部分の熱容量を低減化し、センサ感度の向上を図っている。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12においては、基板1は、図12に示すように、マイクロヒータ2を備える。マイクロヒータ2は、基板1上部もしくは基板1下部に配置されていても良い。また、マイクロヒータ2は、図12に示すように、基板1内部に埋め込まれていても良い。マイクロヒータ2は、例えば、印刷により形成されたPtヒータ、またはポリシリコンヒータで形成可能である。また、基板1の表面には、ポリシリコンで形成されたマイクロヒータ2を含むシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜100が形成されていても良い(図29)。
多孔質電極5D・緻密電極5Uは、多孔質のPt電極で形成可能である。多孔質のPt電極は、印刷、蒸着もしくはスパッタにより形成可能である。多孔質電極5D・緻密電極5Uの厚さは、例えば、約0.5μm〜10μm程度である。
絶縁膜8は、Al23、Al23−SiO2、YSZ−SiO2、もしくはYSZ−Al23のいずれかで形成可能である。絶縁膜8は、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。絶縁膜8の厚さは、例えば、約1.0μm〜10μm程度である。ここで、YSZは、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ:Yttria-Stabilized Zirconia)膜である。
絶縁膜8を形成することによって、安定化ジルコニア(4)/Ptポーラス電極(5D)間の接触面積の安定化し、安定化ジルコニア(4)端面とPtポーラス電極(5D)の接触を無くし、また、Ptポーラス電極(5D)とPtポーラス電極(5U)間の表面伝導成分の除去することができる。
固体電解質層4は、YSZ、YSZ−SiO2、もしくはYSZ−Al23の少なくとも一つが含まれる安定化ジルコニア膜で形成可能である。固体電解質層4は、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。固体電解質層4の厚さは、例えば、約1.0μm〜10μm程度である。
応力緩和用低熱膨張膜6は、検出するガス量によって、膜密度を調整可能である。
また、応力緩和用低熱膨張膜6は、緻密膜、多孔質膜、もしくは緻密膜と多孔質膜の複合膜のいずれかで形成可能である。
また、応力緩和用低熱膨張膜6は、SiO2、Al23、YSZもしくはムライトの少なくとも一種類を含む材料で形成されていても良い。また、応力緩和用低熱膨張膜6は、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。応力緩和用低熱膨張膜6の厚さは、例えば、約1.0μm〜5.0μm程度である。
反り抑制用多孔質絶縁膜10は、SiO2、Al23、YSZもしくはムライトの少なくとも一種類を含む材料で形成されていても良い。また、反り抑制用多孔質絶縁膜10は、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。反り抑制用多孔質絶縁膜10の厚さは、例えば、約1.0μm〜5.0μm程度である。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12においては、基板1は、MEMS梁構造を備えていても良い。基板1は、厚さ10μm以下、望ましくは2μm以下のシリコン基板で形成可能である。MEMSを応用すれば、基板1の厚さを2μm以下にすることができるため、熱容量が小さくなり、マイクロヒータ2での消費電力を低減することが可能である。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図10〜図12に示すように、基板1に形成されたキャビティC(Cavity:空洞)上に両持ちの梁構造体として形成されている。梁構造体は、MEMSにより形成された厚さ10μm以下、望ましくは2μm以下の梁構造体である。
また、基板1上に配置された絶縁膜3を備え、多孔質電極5Dは、絶縁膜3上に配置されていても良い。
絶縁膜3は、Al23、Al23−SiO2、YSZ−SiO2、もしくはYSZ−Al23のいずれかが含まれる多孔質膜で形成可能である。絶縁膜3は、ガス取り込み膜として機能し、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。ここで、絶縁膜3の厚さは、例えば、約0〜10μm程度である。絶縁膜3は必ずしも備えていなくても良い。その場合には、多孔質のPt電極で形成可能な多孔質電極5Dをガス取り込み膜として利用することができる。
このような限界電流式ガスセンサは、MEMS以外の方法により製造されても良い。この場合のシリコン基板1の厚さは、例えば600μm程度である。
(製造方法)
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図13〜図17に示すように、基板1上に多孔質電極5Dを形成する工程と、多孔質電極5D上に絶縁膜8を形成する工程と、絶縁膜8をパターニングして開口部7を形成する工程と、開口部7の多孔質電極5D上および開口部7を取り囲む絶縁膜8上に固体電解質層4を形成する工程と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26とを備える緻密電極5Uを形成する工程とを有する。
ここで、絶縁膜8は、固体電解質層4の端面と多孔質電極5Dとの間を非接触化し、酸素(O)イオンの固体電解質層4端面からの取り込みを抑制し、緻密電極5Uと多孔質電極5Dとの間の表面伝導電流成分を低減化可能である。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図18に示すように、緻密電極5U上に第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U)を形成し、多孔質電極5D上に第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D)を形成し、固体電解質層4上に第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)を形成する工程を有する。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図19に示すように、平面視において、第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、緻密電極5U上に第1反り抑制用多孔質絶縁膜10(5U)を形成する工程と、平面視において、第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、多孔質電極5D上に第2反り抑制用多孔質絶縁膜10(5D)を形成する工程とを有する。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図20に示すように、基板1をエッチングして、基板1に形成されたキャビティ上に両持ちの梁構造体を形成する工程を有する。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、基板1もしくは基板1下部にマイクロヒータ2を形成する工程を有していても良い。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、基板1内部に埋め込まれたマイクロヒータ2を形成する工程を有していても良い。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、基板1上に絶縁膜3を形成する工程を有し、絶縁膜3上に多孔質電極5Dを形成しても良い。
また、第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法において、マイクロヒータ2、絶縁膜3、多孔質電極5Dおよび緻密電極5U、絶縁膜8、固体電解質層4、応力緩和用低熱膨張膜6・6(5U)・6(5D)、および反り抑制用多孔質絶縁膜10・10(5U)・10(5D)は、印刷工程により形成可能である。
第1の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法について、図13〜図20を参照して説明する。
(a)まず、図13(a)・図13(b)に示すように、マイクロヒータ2を埋め込んだ基板1上に絶縁膜3を形成する。ここで、絶縁膜3は、多孔質膜であることから、ガスの通り道となる。なお、絶縁膜3の形成を省略しても良い。
(b)次に、図14(a)・図14(b)に示すように、絶縁膜3および基板1上に多孔質電極5Dを形成する。多孔質電極5Dは、例えば、ポーラスPt電極によって形成されるため、このポーラスPt電極中をガスが通るようにしても良い。
(c)次に、図15(a)・図15(b)に示すように、多孔質電極5D上に絶縁膜8を形成した後、絶縁膜8をパターニングして開口部7を形成する。ここで、絶縁膜8を形成することによって、安定化ジルコニア(4)/Ptポーラス電極(5D)間の接触面積の安定化し、安定化ジルコニア(4)端面とPtポーラス電極(5D)の接触を無くし、また、Ptポーラス電極(5D)とPtポーラス電極(5U)間の表面伝導成分の除去することができる。
(d)次に、図16(a)・図16(b)に示すように、開口部7の多孔質電極5U上および開口部7を取り囲む絶縁膜8上に固体電解質層4を形成する。固体電解質層4は、例えば、ここではYSZ(安定化ジルコニア)で形成される。
(e)次に、図17(a)・図17(b)に示すように、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に緻密電極5Uを形成する。緻密電極5Uは、図17(a)に示すように、絶縁膜8・絶縁膜3・基板1上にも延伸して形成される。緻密電極5Uは、例えば、ポーラスPt電極によって形成される。
(f)次に、図18(a)・図18(b)に示すように、緻密電極5U上に第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U)を形成し、多孔質電極5D上に第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D)を形成し、固体電解質層4上に第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)を形成する。応力緩和用低熱膨張膜6は、検出するガス量によって、膜密度を調整可能である。また、応力緩和用低熱膨張膜6は、緻密膜、多孔質膜、もしくは緻密膜と多孔質膜の複合膜のいずれかで形成可能である。また、応力緩和用低熱膨張膜6は、SiO2、Al23、YSZもしくはムライトの少なくとも一種類を含む材料で形成される。また、応力緩和用低熱膨張膜6は、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。応力緩和用低熱膨張膜6は、低熱膨張係数の絶縁膜であり、応力緩和用低熱膨張膜6を形成することによって、加熱時の応力を緩和することができる。
(g)次に、図19(a)・図19(b)に示すように、第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、緻密電極5U上に第1反り抑制用多孔質絶縁膜10(5U)を形成すると共に、第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、多孔質電極5D上に第2反り抑制用多孔質絶縁膜10(5D)を形成する。反り抑制用多孔質絶縁膜10は、SiO2、Al23、YSZもしくはムライトの少なくとも一種類を含む材料で形成される。また、反り抑制用多孔質絶縁膜10は、印刷工程若しくはスパッタリング工程により形成可能である。反り抑制用多孔質絶縁膜10を形成することによって、加熱時の梁構造の反りを小さくし、耐久性を向上することができる。
(h)次に、図20に示すように、基板1を矢印方向に裏面からエッチングする。結果として、図10〜図12に示すように、基板1に形成されたキャビティC上に両持ちの梁構造体が形成される。このよぅに、梁構造を形成することによって、センサ部分の熱容量を低減し、かつ熱伝導を低減することができる。結果として、加熱時の低消費電力化が可能である。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの模式的平面パターン構成は、図21に示すように表わされる。第1の実施の形態においては、図10に示すように、両持梁構造の4本のアームの内、片側2本のアームの一方のアームにのみ多孔質電極5D・多孔質電極 5Uを配置している。これに対して、第2の実施の形態においては、図21に示すように、両持梁構造の4本のアームの内、片側2本のアームの両方のアームに多孔質電極5D1・5D2・緻密電極 5U1・5U2を配置している。また、多孔質電極5D1・5D2は、互いに電気的に接続されている。同様に、緻密電極 5U1・5U2も互いに電気的に接続されている。
第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図21に示すように、基板1と、基板1上に配置された多孔質電極5D1・5D2と、多孔質電極5D1・5D2上に配置された絶縁膜8と、絶縁膜8にパターニングされた開口部7の多孔質電極5D1・5D2上および開口部7を取り囲む絶縁膜8上に配置された固体電解質層4と、固体電解質層4上に、多孔質電極5Dに対向し、基板1に対して実質的に縦方向に、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26を備える緻密電極U1・5U2とを備える。
ここで、絶縁膜8は、固体電解質層4の端面と多孔質電極5D1・5D2との間を非接触化し、酸素(O)イオンの固体電解質層4端面からの取り込みを抑制し、緻密電極5U1・5U2と多孔質電極5D1・5D2間の表面伝導電流成分を低減化可能である。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図21に示すように、緻密電極5U1・5U2と多孔質電極5D1・5D2との間に電圧を印加することにより被測定ガス内における所定のガス濃度を限界電流式で検出する検出回路18を備える。ここで、検出回路18は、限界電流に基づいて酸素濃度を検出することができる。また、検出回路18は、限界電流に基づいて水蒸気濃度を検出することができる。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図21に示すように、緻密電極5U1・5U2上に配置された第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U1)・6(5U2)と、多孔質電極5D1・5D2上に配置された第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D1)・6(5D2)と、固体電解質層4上に配置された第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)とを備えていても良い。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12は、図21に示すように、平面視において、第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U1)・6(5U2)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、緻密電極5U1・5U2上に配置された第1反り抑制用多孔質絶縁膜10(5U1)・10(5U2)と、平面視において、第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D1)・6(5D2)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、多孔質電極5D1・5D2上に配置された第2反り抑制用多孔質絶縁膜10(5D1)・10(5D2)とを備えていても良い。
また、基板1上に配置された絶縁膜3を備え、絶縁膜3上に多孔質電極5D1・5D2を配置しても良い。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
(製造方法)
第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図22〜図25に示すように、基板1上に多孔質電極5D1・5D2を形成する工程(図22)と、多孔質電極5D1・5D2上に絶縁膜8を形成する工程と、絶縁膜8をパターニングして開口部7を形成する工程(図23)と、開口部7の多孔質電極5D1・5D2上および開口部7を取り囲む絶縁膜8上に固体電解質層4を形成する工程(図24)と、固体電解質層4上に、多孔質電極5D1・5D2に対向し、基板1に対して実質的に縦方向に、金属粒子焼結層28および金属粒子焼結層28に形成された微細ガス導入路26を備える緻密電極5U・5U2を形成する工程(図25)とを有する。
ここで、絶縁膜8は、固体電解質層4の端面と多孔質電極5D1・5D2との間を非接触化し、酸素(O)イオンの固体電解質層4端面からの取り込みを抑制し、緻密電極5U・5U2と多孔質電極5D1・5D2との間の表面伝導電流成分を低減化可能である。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図26に示すように、緻密電極5U・5U2上に第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U1)・6(5U2)を形成し、多孔質電極5D1・5D2上に第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D1)・6(5D2)を形成し、固体電解質層4上に第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)を形成する工程を有する。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図27に示すように、平面視において、第1応力緩和用低熱膨張膜6(5U1)・6(5U2)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、緻密電極5U・5U2上に第1反り抑制用多孔質絶縁膜10(5U1)・10(5U2)を形成する工程と、平面視において、第2応力緩和用低熱膨張膜6(5D1)・6(5D2)と第3応力緩和用低熱膨張膜6(4)との間に跨って、多孔質電極5D1・5D2上に第2反り抑制用多孔質絶縁膜10(5D1)・10(5D2)を形成する工程とを有する。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図21に示すように、基板1をエッチングして、基板1に形成されたキャビティ上に両持ちの梁構造体を形成する工程を有する。
また、第2の実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法は、図21に示すように、基板1上に絶縁膜3を形成する工程を有し、絶縁膜3上に多孔質電極5D1・5D2を形成しても良い。
第2の実施の形態においては、図21に示すように、両持梁構造の4本のアームの内、片側2本のアームの両方のアームに多孔質電極5D1・5D2・緻密電極 5U1・5U2を配置している構造のみが第1の実施の形態と異なるため、各部の詳細な製造工程は、第1の実施の形態と同様である。
以下、第1の実施の形態、第2の実施の形態に共通する説明は、単に実施の形態と記載する。
(梁構造)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程(梁構造形成工程)を示す模式的断面構造は、図28(a)に示すように表わされ、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程(別の梁構造形成工程)は、図28(b)に示すように表わされる。
MEMS構造を有する梁構造には、図28(a)に示すように、空洞Cを基板1の底部に開放構造に形成する開放型構造と、図28(b)に示すように、空洞Cを基板1の内部に形成する船型構造が可能である。いずれも例えばシリコン基板の異方性エッチングなどを適用可能である。図28(a)・図28(b)においては、いずれも薄層化された基板1部分には、マイクロヒータ2が形成されているが図示は省略する。また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの縦型センサ構造は、デバイス加熱部200によって表わされている。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサの梁構造のレイアウト図(上面図)は、図29(a)に示すように表わされ、図29(a)のIX−IX線に沿う模式的断面構造は、図29(b)に示すように表わされる。
図29においては、基板1として(100)面を有するシリコン基板を使用し、異方性エッチングにより、デバイス加熱部200の底部には、底面が(100)面、側面が(111)面のキャビティCが形成されている。
この基板1の表面には、ポリシリコンで形成されたマイクロヒータを含むシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜100が形成されている。デバイス加熱部200の面積は、例えば、約0.1mm2である。
図29(a)・図29(b)に示す構造例では、縦型センサ構造のデバイス加熱部200の底部には、マイクロヒータを含む積層膜100が形成されており、基板1は除去されている。すなわち、第1の実施の形態および第2実施の形態において、薄層化された基板1を除去し、マイクロヒータを含む積層膜100のみが形成されていても良い。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサのマイクロヒータ2は、以下のプロセスフローにより形成することができる。
まず、シリコン基板1上に3um−PSG(Phosphorus Silicon Glass)膜を形成し、SiNを形成し、SiNパターニングを行う(高濃度にドープする部分はSiN除去)。次に、ポリシリコンを形成し、例えば約1000℃程度の熱処理により、ポリシリコンへ燐Pを拡散して高濃度ドープポリシリコンにする。SiNがある部分は低濃度ドープポリシリコンにする。更に、縦型センサ構造を形成し、BHF(5:1)でPSGエッチチングして梁構造を形成する。
以上のように、実施の形態によれば、キャビティC上に梁構造のマイクロヒータ2を容易に形成することができる。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、マイクロヒータ2は、図29(a)・図29(b)の積層膜100部分に配置されている。以下のプロセスフローによりマイクロヒータ2を形成するようにしても良い。
まず、Si(100)基板1上にSiO2/SiN/SiO2の多層絶縁膜である積層膜100を形成し、その上にPtヒータ(マイクロヒータ2)を形成する。次に、マイクロヒータ2の上にデバイス加熱部200を形成する。更に、TMAH溶液を用いてシリコン基板1を異方性エッチングすることによりキャビティCを形成する。
以上のように、実施の形態によれば、キャビティC上に梁構造のマイクロヒータ2を容易に形成することができる。
(動作原理)
―ガス濃度を検出する動作―
限界電流式ガスセンサの原理は次の通りである。まず、ジルコニア固体電解質を数百度に加熱し、ジルコニア固体電解質に電圧を印加すると、触媒電極でイオン化した酸素イオンが、固体電解質の一方の側から他の側へ伝導する。このとき、小孔や多孔質などを利用して電解質に吸入する酸素ガス量を制限すると、電圧を増加しても電流が一定値になる飽和現象が現れる。この電流は限界電流と呼ばれ、周囲の酸素濃度に比例する。そのため、一定の電圧を印加すれば、流れる電流値から酸素濃度を検出することができる。印加する電圧を切り替えれば、同様の原理で水蒸気の濃度を検出することも可能である。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12を用いてガス濃度を検出する動作を示すフローチャートは、図30に示すように表される。また、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、ガス濃度検出動作におけるYSZ温度と時間との関係は、模式的に図31に示すように表され、動作原理を説明する模式的断面構造は、図32に示すように表される。
固体電解質層4を、マイクロヒータ2によって、数百℃、例えば500℃程度に加熟し、緻密電極(陰極)5U・多孔質電極(陽極)5D間に電圧を印加して電流Iを流すと、図32に示すように、緻密電極(陰極)5Uでは、O2+4e-⇔2O2−の電気化学反応によって固体電解質層4中へ酸素イオンの注入が起こる。一方、多孔質電極(陽極)5Dでは、2O2−⇔O2+4e-の反応によって酸素ガスの放出が生じる。
固体電解質層4中において、酸素イオン(O2-)は、ホッピング伝導に基づいて伝播される。ここで、酸素イオン(O2-)のホッピング伝導を説明するエネルギーダイアグラムは、図33に示すように模式的に表される。固体電解質層4に電界EXが印加されるとその効果によって、伝導体の底は、−eEXだけ傾くことになる。その分だけ、酸素イオン(O2-)の伝導障壁高さが低下するため、熱励起と共に酸素イオン(O2-)のホッピング伝導が実施される。
固体電解質層4に吸入する酸素ガス量を制限すると、電圧を増加しても電流が一定値になる飽和現象が現れる。実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、電流―電圧特性における限界電流は、図34に示すように模式的に表される。すなわち、図34において、期間T2で現れる電流が酸素ガスに対する限界電流を表し、期間T3で現れる電流が水蒸気に対する限界電流IWを表す。この限界電流IO・IWは、周囲の酸素濃度・水蒸気濃度に比例するため、限界電流IO・IWの値と酸素濃度・水蒸気濃度の値とを予め対応付けて検出回路8に登録しておく。このようにすれば、限界電流IO・IWの値を測定することにより、それに対応する酸素濃度・水蒸気濃度を検出することができる。また、緻密電極(陰極)5U・多孔質電極5D間に印加する電圧を切り替えれば、酸素濃度だけでなく水蒸気濃度を検出することも可能である。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ12を用いてガス濃度を検出する動作を、図30および図31を参照して説明する。図31において、Tonはヒータオン期間、Toffはヒータオフ期間に相当する。ヒータオン期間Tonに投入される加熱電力は、例えば、約5mWである。
(a)まず、マイクロヒータ2を用いて、室温から測定温度(例えば500℃)までセンサを加熱する(図30:ステップS1→S2:NO→S1→・・・)。図31に示すように、例えば、時刻t=0〜t=0.1秒の間にYSZ温度Tは、0℃〜約500℃まで上昇する。
(b)測定温度に達したら(図30:ステップS2:YES)、安定するまで一定時間待機する(図30:ステップS3)。図31に示すように、例えば、時刻t=0.1秒〜t=0.3秒の待機期間TWにYSZ温度Tは、約500℃に保持される。
(c)次に、緻密電極5U・多孔質電極5D間に電圧を印加する(図30:ステップS4)。図31に示すように、例えば、時刻t=0.3秒〜t=0.5秒の測定期間TMにYSZ温度Tは、約500℃に保持される。
(d)次に、限界電流の値を測定し、その限界電流に対応するガス濃度を検出する(ステップS5)。
(e)次に、マイクロヒータ2をオフにして、センサを冷却する。図31に示すように、例えば、時刻t=0.5秒〜にYSZ温度Tは、約500℃から室温まで冷却される。
以上に説明した温度サイクルは、例えば、約1分間に1回程度のサイクルで加熱・待機・測定・冷却を繰り返しても良い。
(電気化学反応)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおいて、イオン伝導を説明する模式的断面構造は、図35に示すように表される。
図34・図35を参照して、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサにおける電気化学反応について説明する。
(a)YSZ4を、マイクロヒータ2によって、例えば500℃程度に加熟し、陰極5U・陽極5D間に電圧Vを印加して電流Iを流すと、図34の期間T1において、電流は増加し、限界電流IOに到達する。図34の期間T1においては、O2+4e-⇔2O2−の電気化学反応によって、YSZ4中において、酸素イオンO2−が拡散する。この時、酸素ガスO2のフロー量の方が酸素イオンO2−が拡散する量よりも大きい。
(b)限界電流IOが保持される図34の期間T2においては、酸素ガス分子の電気分解反応が実施され、図35に示すように、陰極5UとYSZ4界面では、O2+4e-⇔2O2−の電気化学反応によってYSZ4中へ酸素イオンO2−の注入が起こる。一方、5DとYSZ4界面では、2O2−⇔O2+4e-の反応によって酸素ガスO2の放出が生じる。
(c)YSZ4の温度Tを、例えば500℃程度に保持し、さらに電圧Vを増加すると、電流Iは増加し、図34の期間T3において、限界電流IWに到達する。
(d)限界電流IWが保持される図34の期間T3においては、吸着酸素ガスOadの電気分解反応と水蒸気(H2O)の電気分解反応が実施される。ここで、図35に示すように、陰極5UとYSZ4界面では、O2+4e-⇔2O2−の電気化学反応によってYSZ4中へ酸素イオンO2−の注入が起こる。また、H2O+2e-⇔H2+O2−の電気化学反応によって水素の放出が生じる。すなわち、水蒸気(H2O)が電気分解されて、酸素イオンO2−が固体電解質層4内をホッピング伝導により移動していく。
一方、陽極5DとYSZ4界面では、吸着酸素ガスOadの電気分解により、2O2−⇔O2+4e-の反応によって酸素ガスO2の放出が生じる。同様に、水蒸気(H2O)の電気分解により、2O2−⇔O2+4e-の反応によって酸素ガスO2の放出が生じる。
(e)YSZ4の温度Tを、例えば500℃程度に保持し、さらに電圧Vを増加すると、電流Iは増加し、図34の期間T4において、吸着酸素ガスOadの電気分解反応と水蒸気(H2O)の電気分解反応が実施される。さらに、YSZ4の電気分解が始まる。
ここで、図35に示すように、陰極5UとYSZ4界面では、O2+4e-⇔2O2−の電気化学反応によってYSZ4中へ酸素イオンO2−の注入が起こる。また、H2O+2e-⇔H2+O2−の電気化学反応によって水素の放出が生じる。すなわち、水蒸気(H2O)が電気分解されて、酸素イオンO2−がホッピング伝導により固体電解質層4内を移動していく。
一方、陽極5DとYSZ4界面では、吸着酸素ガスOadの電気分解により、2O2−⇔O2+4e-の反応によって酸素ガスO2の放出が生じる。同様に、水蒸気(H2O)の電気分解により、2O2−⇔O2+4e-の反応によって酸素ガスO2の放出が生じる。
さらにYSZ4の電気分解によって、酸素空孔濃度は次式OO X⇔1/2・O2(g)+VO ..+2eに基づき、雰囲気酸素分圧との平衡にも依存する。この式は、電子的伝導率は、固体と平衡する酸素分圧に依存し、高温では、生成系のエントロピーがより大きいことから高温では、反応が右に偏るので、温度にも依存することを示している。
(パッケージ)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを収容するパッケージの蓋131を示す模式的鳥瞰構成は、図36に示すように表される。図36に示すように、パッケージの蓋131には、ガスは通過可能であるが異物は通さない多数の貫通穴132が形成されている。パッケージの蓋131には、メタルメッシュ、小孔開きメタル、ポーラスセラミックなどを適用可能である。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを収容するパッケージの本体141を示す模式的鳥瞰構成は、図37に示すように表される。図37に示すように、パッケージの本体141には、複数の端子を備えた限界電流式ガスセンサのチップ142が収容され、複数のボンディングワイヤ143により電気的に接続されている。パッケージの本体141の上部に蓋131を被せ、半田によりプリント基板101などに実装する。
(エナジーハーベスタ電源を用いたセンサノードの構成例)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ(センサノード)は、図38に示すように、センサ類151と、無線モジュール152と、マイコン153と、エナジーハーベスタ電源154と、蓄電素子155とを備える。センサ類151の構成は、実施の形態で説明した通りである。無線モジュール152は、無線信号を送受信するRF回路などを備えたモジュールである。マイコン153は、エナジーハーベスタ電源154のマネジメント機能を備え、エナジーハーベスタ電源154からの電力をセンサ類151に投入する。このとき、マイコン153は、センサ類151における消費電力を省電力化するヒータ電力プロファイルに基づいて電力を投入しても良い。例えば、相対的に大きな電力である第1の電力を第1の期間T1だけ投入した後、相対的に小さな電力である第2の電力を第2の期間T2だけ投入しても良い。また、第2の期間T2にデータを読み取り、第2の期間T2が経過した後、第3の期間T3だけ電力の投入を停止しても良い。エナジーハーベスタ電源154は、太陽光や照明光、機械の発する振動、熱などのエネルギーを採取し、電力を得る。蓄電素子155は、電力を蓄電することが可能なリチウムイオン蓄電素子などである。
以下、このようなセンサノードの動作について説明する。まず、図38中の(1)に示すように、エナジーハーベスタ電源154からの電力がマイコン153に供給される。これにより、マイコン153は、図38中の(2)に示すように、エナジーハーベスタ電源154からの電圧を昇圧する。次に、図38中の(3)に示すように、蓄電素子155の電圧を読み取った後、図38中の(4)・(5)に示すように、蓄電素子155への電力供給や、蓄電素子155からの電力引き出しを行う。次に、図38中の(6)に示すように、ヒータ電力プロファイルに基づいてセンサ類151に電力を投入し、図38中の(7)に示すように、センサ抵抗値およびPt抵抗値などのデータを読み取る。次に、図38中の(8)に示すように、無線モジュール152に電力を供給し、図38中の(9)に示すように、センサ抵抗値およびPt抵抗値などのデータを無線モジュール152に送る。最後に、図38中の(10)に示すように、無線モジュール152によってセンサ抵抗値およびPt抵抗値などのデータが無線送信される。
(センサパッケージ:ブロック構成)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを搭載するセンサパッケージ96の模式的ブロック構成は、図39に示すように表される。
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを搭載するセンサパッケージ96は、図39に示すように、温度センサ用のサーミスタ部90と、湿度・酸素センサ用のYSZセンサ部92と、サーミスタ部90・YSZセンサ部92からのアナログ情報SA2・SA1を受信し、またサーミスタ部90・YSZセンサ部92への制御信号S2・S1を供給するAD/DA変換部94と、外部からのディジタル入出力信号DI・DOとを備える。
サーミスタ部90は、例えば、NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、セラミックPTC、ポリマーPTC、CTRサーミスタなどを適用可能である。YSZセンサ部92には、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを適用可能である。YSZセンサ部92においては、絶対湿度(Absolute Humidity)や相対湿度(RH:Relative Humidity)も測定可能であるが、特に相対湿度(RH)の検出では、温度が基準になるため、サーミスタ部90で検出した温度情報が必要となる。
(センサネットワーク)
実施の形態に係る限界電流式ガスセンサを適用したセンサネットワークシステムの模式的ブロック構成は、図40に示すように表される。図40に示すように、センサネットワークとは、多数のセンサを相互に接続したネットワークである。すでに、工場、医療/ヘルスケア、交通、建設、農業、環境管理など、様々な分野でセンサネットワークを利用した新しい取り組みが始まっている。これらの分野では、耐久性の高いセンサを使用することが望まれるため、実施の形態に係る限界電流式ガスセンサ(例えば、湿度センサ)を適用するのが望ましい。このような湿度センサは、ジルコニアを使用しているため、耐久性に優れている。そのため、信頼性の高いセンサネットワークを提供することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、表面伝導電流成分を低減化し、かつ低電力消費の限界電流式ガスセンサおよびその製造方法、およびセンサネットワークシステムを提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本実施の形態はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。例えば、ジルコニアに代えてNASICON(Na Super Ionic Conductor)を固体電解質層4に用いれば、二酸化炭素の濃度を検出することが可能である。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサは、酸素センサや湿度センサに適用することができる。また、このようなセンサは、自動車の排ガス用やセンサネットワーク用に応用することができる。
1…基板
2…マイクロヒータ
3、8…絶縁膜
4、4A…固体電解質層(安定化ジルコニア)
5U…緻密電極(陰極)
5R、5PU…多孔質電極(陰極)
5D、5PD…多孔質電極(陽極)
6P…多孔質膜絶縁膜(多孔質絶縁基板)
6、6(5U)、6(5D)…応力緩和用低熱膨張膜(緻密膜、多孔質膜)
7…開口部
10、10(5U)、10(5D)…反り抑制用多孔質絶縁膜
12、12A…限界電流式ガスセンサ
14、14A…限界電流式ガスセンサ用電極
18…検出回路
20…金属粒子(Pt粒子)
22…カーボンナノチューブ(CNT)
24…バインダ
26…微細ガス導入路
28…金属粒子焼結層(Pt焼結層)
90…サーミスタ部
92…YSZセンサ部(限界電流式ガスセンサ)
94…AD/DA変換部
96…センサパッケージ
100…積層膜
131…パッケージの蓋
132…貫通穴
141…パッケージの本体
142…限界電流式ガスセンサのチップ
143…ボンディングワイヤ
151…センサ類
152…無線モジュール
153…マイコン
154…エナジーハーベスタ電源
200…デバイス加熱部
B…梁構造体
C…キャビティ
S…表面伝導電流

Claims (41)

  1. 金属粒子焼結層と、
    前記金属粒子焼結層に形成された微細ガス導入路と
    を有する緻密電極を備えることを特徴とする限界電流式ガスセンサ用電極。
  2. 固体電解質層と、
    前記固体電解質層に接触して配置された多孔質電極と
    を備え、前記緻密電極は、前記固体電解質層の前記多孔質電極に対向する面に接触して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  3. 前記金属粒子焼結層は、ナノワイヤを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  4. 前記ナノワイヤは、カーボンナノチューブ若しくはZnOを備えることを特徴とする請求項3に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  5. 前記金属粒子焼結層は、カーボンナノチューブ若しくはカーボンナノ粒子を備え、
    前記微細ガス導入路は、前記金属粒子焼結層の大気中での燃焼により、前記カーボンナノチューブ若しくは前記カーボンナノ粒子が燃焼されて形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  6. 前記金属粒子焼結層は、ZnOを備え、
    前記微細ガス導入路は、前記金属粒子焼結層の大気中での燃焼後、ウェットエッチングにより前記ZnOがエッチングされて形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  7. 前記微細ガス導入路の形状によりガス透過量制御可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  8. 前記微細ガス導入路の含有割合によりガス透過量制御可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  9. 前記金属粒子焼結層の金属粒子は、Pt、Ag、Pd、Au、若しくはRuのいずれかを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極。
  10. 固体電解質層に接触して、バインダに含有された金属粒子ペースト層を形成する工程と、
    大気中で第1温度において焼成し、前記バインダを除去する工程と、
    不活性ガス雰囲気中で第2温度において焼成し、金属粒子焼結層を形成する工程と、
    第3温度において大気を導入して、前記金属粒子焼結層中に微細ガス導入路を形成する工程と
    を有することを特徴とする限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  11. 前記金属粒子ペースト層を形成する工程は、印刷工程を備えることを特徴とする請求項10に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  12. 前記第1温度は、500℃であることを特徴とする請求項10または11に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  13. 前記第2温度は、1100℃であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  14. 前記第3温度は、700℃であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  15. 前記バインダは、エチルセルロース系若しくはアクリル系材料を備えることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  16. 前記金属粒子焼結層は、カーボンナノチューブ若しくはカーボンナノ粒子を備え、
    前記微細ガス導入路を形成する工程は、前記金属粒子焼結層の大気中での燃焼により、前記カーボンナノチューブ若しくは前記カーボンナノ粒子が燃焼される工程を有することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  17. 前記金属粒子焼結層は、ZnOを備え、
    前記微細ガス導入路を形成する工程は、前記金属粒子焼結層の大気中での燃焼後、ウェットエッチングにより前記ZnOがエッチングされる工程を有することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ用電極の製造方法。
  18. 基板と、
    前記基板上に配置された多孔質電極と、
    前記多孔質電極上に配置された絶縁膜と、
    前記絶縁膜にパターニングされた開口部の前記多孔質電極上および前記開口部を取り囲む前記絶縁膜上に配置された固体電解質層と、
    前記固体電解質層上に、前記多孔質電極に対向し、前記基板に対して実質的に縦方向に配置され、金属粒子焼結層および前記金属粒子焼結層に形成された微細ガス導入路を備える緻密電極と
    を備えることを特徴とする限界電流式ガスセンサ。
  19. 前記金属粒子焼結層は、カーボンナノチューブ若しくはカーボンナノ粒子を備え、
    前記微細ガス導入路は、前記金属粒子焼結層の大気中での燃焼により、前記カーボンナノチューブ若しくは前記カーボンナノ粒子が燃焼されて形成されたことを特徴とする請求項18に記載の限界電流式ガスセンサ。
  20. 前記金属粒子焼結層は、ZnOを備え、
    前記微細ガス導入路は、前記金属粒子焼結層の大気中での燃焼後、ウェットエッチングにより前記ZnOがエッチングされて形成されたことを特徴とする請求項18に記載の限界電流式ガスセンサ。
  21. 前記微細ガス導入路の形状によりガス透過量制御可能であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  22. 前記微細ガス導入路の含有割合によりガス透過量制御可能であることを特徴とする請求項18〜21のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  23. 前記金属粒子焼結層の金属粒子は、Pt、Ag、Pd、Au、若しくはRuのいずれかを備えることを特徴とする請求項18〜22のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  24. 前記緻密電極と前記多孔質電極との間に電圧を印加することにより被測定ガス内における所定のガス濃度を限界電流式で検出する検出回路を備えることを特徴とする請求項18〜23のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  25. 前記基板は、マイクロヒータを備えることを特徴とする請求項18〜24のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  26. 前記マイクロヒータは、前記基板上部もしくは基板下部に配置されることを特徴とする請求項25に記載の限界電流式ガスセンサ。
  27. 前記マイクロヒータは、前記基板内部に埋め込まれたことを特徴とする請求項25に記載の限界電流式ガスセンサ。
  28. 前記マイクロヒータは、印刷により形成されたPtヒータ、若しくはポリシリコンヒータを備えることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  29. 前記多孔質電極は、印刷、蒸着もしくはスパッタにより形成されたポーラスPt電極を備え、前記緻密電極は、Pt粒子焼結層を備えることを特徴とする請求項18〜28いずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  30. 前記絶縁膜は、Al23、Al23−SiO2、YSZ−SiO2、もしくはYSZ−Al23のいずれかを備えることを特徴とする請求項18〜29いずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  31. 前記固体電解質層は、YSZ、YSZ−SiO2、もしくはYSZ−Al23の少なくとも一つが含まれる安定化ジルコニア膜であることを特徴とする請求項18〜30のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  32. 前記検出回路は、限界電流に基づいて酸素濃度を検出することを特徴とする請求項24に記載の限界電流式ガスセンサ。
  33. 前記検出回路は、限界電流に基づいて水蒸気濃度を検出することを特徴とする請求項24に記載の限界電流式ガスセンサ。
  34. 前記基板は、MEMS梁構造を備えることを特徴とする請求項18〜33のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  35. 前記基板に形成されたキャビティ上に両持ちの梁構造体として形成されていることを特徴とする請求項18〜34のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  36. 前記梁構造体は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜を備えることを特徴とする請求項35に記載の限界電流式ガスセンサ。
  37. 基板上に多孔質電極を形成する工程と、
    前記多孔質電極上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜をパターニングして開口部を形成する工程と、
    前記開口部の前記多孔質電極上および前記開口部を取り囲む前記絶縁膜上に固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層上に、前記多孔質電極に対向し、前記基板に対して実質的に縦方向に、金属粒子焼結層および前記金属粒子焼結層に形成された微細ガス導入路を備える緻密電極を形成する工程と
    を有することを特徴とする限界電流式ガスセンサの製造方法。
  38. 前記基板をエッチングして、前記基板に形成されたキャビティ上に両持ちの梁構造体を形成する工程を有することを特徴とする請求項37に記載の限界電流式ガスセンサの製造方法。
  39. 前記基板上部もしくは基板下部にマイクロヒータを形成する工程を有することを特徴とする請求項37または38に記載の限界電流式ガスセンサの製造方法。
  40. 前記基板内部に埋め込まれたマイクロヒータを形成する工程を有することを特徴とする請求項37または38に記載の限界電流式ガスセンサの製造方法。
  41. 請求項18〜36のいずれか1項に記載の限界電流式ガスセンサを備えることを特徴とするセンサネットワークシステム。
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