JP6545883B1 - ワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法 - Google Patents

ワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数異種の焼き入れ油を個々に使用しワークを焼き入れ処理する場合に、洗浄液が異なる焼き入れ油と混ざり合っていても、単一の蒸留器で常に、これら焼き入れ油から洗浄液のみを適切に分離することが可能な洗浄液の再生装置及び再生方法と、ワーク焼き入れ処理設備の改造方法を提供する。【解決手段】蒸気圧の異なるコールド油とホット油のうち、コールド油が洗浄液Cと混ざり合った混合液Mが導入される気密性の蒸留器13と、蒸留器から気体を吸引して当該蒸留器の内部圧力を減圧するための吸引ポンプ16と、吸引ポンプと蒸留器との間に設けられ、蒸留器に導入された混合液中のコールド油の蒸気圧に応じ、洗浄液のみを気化させるために、蒸留器の内部圧力を、洗浄液の蒸気圧よりも低く、当該コールド油の蒸気圧を上回る圧力に調節するための調圧バルブ18と、調圧バルブと蒸留器との間に設けられ、気化された洗浄液を液化する液化部19とを備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、複数異種の焼き入れ油(冷却用の油)を個々に使用してワークを焼き入れ処理する場合に、洗浄液が異なる焼き入れ油と混ざり合っていても、単一の蒸留器で常に、これら焼き入れ油から洗浄液のみを適切に分離することが可能なワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法に関する。
加熱したワークを冷却用油で冷却して焼き入れ処理し、その後、洗浄液でワークを洗浄して冷却用油を洗い落とすようにした焼き入れ設備について、特許文献1〜4が知られている。
特許文献1の「熱処理設備」は、加熱室において加熱された被処理物を、搬送ユニットにより冷却室に搬送させる熱処理設備において、搬送ユニットに、前記の加熱室及び冷却室との間で被処理物を受け渡しする受渡し室と、加熱室において加熱された被処理物を所定の温度で保温させる保温室とを設けるにあたり、この保温室を前記の受け渡し室に対して搬送ユニットの移動方向の少なくとも片側に連結させている。特許文献1には、走行レールに沿って移動される搬送ユニットで、被処理物を搬送し、焼き入れ処理等の熱処理を行うことが示されている。
特許文献2の「焼入れ方法及び焼入れ装置」は、焼入れ温度からワークの芯部がワークの芯部のMs点より高い第1の温度域まで第1の冷却速度で冷却する第1の冷却工程と、その後、前記第1の温度域より低い温度域において第1の冷却速度より小さい第2の冷却速度で冷却する第2の冷却工程と、を備え、焼入れ後にワークの表面がマルテンサイト組織となり、且つ、ワークの有効硬化層深さがワークを焼入れ温度から室温まで第2の冷却速度で冷却した場合よりも大きく、ワークを焼入れ温度から室温まで第1の冷却速度で冷却した場合と同じか又は小さく、且つ、ワークの芯部の硬度がワークを焼入れ温度から室温まで第2の冷却速度で冷却した場合と同等になるように、前記第1の冷却速度と前記第2の冷却速度とを制御するようにしている。特許文献2には、焼き入れ処理における冷却速度を変えるために、ホット油とコールド油の2種類の油を使い分けることが示されている。
特許文献3の「多目的雰囲気熱処理装置」は、加工ショップと熱処理装置を貫通するように搬送路を敷設し、この搬送路に沿って走行可能な無人搬送台車を設け、これら無人搬送台車は、外気から遮断され、内部が不活性ガスで置換可能な保持室を有し、立体倉庫用エレベータから受け取った被処理品の各処理セルへの受渡し等を行い、また各処理セルは、無人搬送台車に面する側にシール扉を有し、かつ背面、天井面および前面に配管、各種機器類を有する構造としている。特許文献3には、油脂の付着した被処理品を洗浄液で洗浄するセルを備えることが示されている。
特許文献4の「真空脱脂洗浄装置」は、真空脱脂洗浄装置本体は、それぞれ密閉された、両端に開閉扉を有する洗浄室と、洗浄室を取り囲む中空の洗浄液タンクと、を有し、いずれの開閉扉からもワークの搬入・搬出を可能とし、洗浄室内で、シャワー洗浄、浸漬洗浄、高温噴射洗浄及び真空乾燥を同一室内で行うようにしている。特許文献4には、ワークに付着した油脂類が浸漬洗浄用タンクに混入し浸漬洗浄に悪影響を及ぼさないように、浸漬洗浄の前に、ワークをシャワー洗浄することが示されている。
特開2015−206084号公報 特開2012−207239号公報 特開平6−174377号公報 特開2006−231272号公報
焼き入れ処理されたワークは、冷却用油で冷却され、その後、冷却用油を洗い流すために、洗浄液で洗浄される。洗浄液で洗浄を行うと、汚液として、洗浄液と冷却用油とが混ざり合った混合液が生じる。
洗浄液は高価であるため、洗浄液だけを混合液から再利用可能に分離して回収することが行われている。洗浄液と冷却用油とは、それらが気化する蒸気圧や気化温度に差があり、洗浄液は冷却用油に比べて蒸気圧が高く、気化温度が低い。この差を利用すれば、冷却用油を気化させずに、洗浄液だけを気化させて、これらが混ざり合った混合液中から、洗浄液のみを分離回収することができる。
ところで、焼き入れ条件は種々様々であり、従って、ワークを冷却するための冷却用油も、特許文献2等に示されているように、焼き入れ条件に応じ、複数異種の冷却用油の中から、いずれか一種が選択されて用いられる。複数異種の冷却用油についても、それらの蒸気圧等には差がある。従って、洗浄液と冷却用油の蒸気圧等の差がどの程度であるかは、用いる冷却用油の種類によって相違する。
洗浄液との蒸気圧差が小さい高蒸気圧の冷却用油(以下、高蒸気圧油と称する)と、当該高蒸気圧油よりも洗浄液との蒸気圧差が大きい低蒸気圧の冷却用油(以下、低蒸気圧油と称する)とから生じる二種類の混合液を個別に、内部圧力が一定圧力に減圧される蒸留器に供給して、1台の蒸留器で各混合液それぞれから洗浄液を気化させて分離させる場合を考える。蒸留器に設定する一定圧力を、洗浄液の蒸気圧より低く、かつ高蒸気圧油に合わせてその蒸気圧を上回るようにすれば(図4中、A参照)、二種類のいずれの混合液であっても、洗浄液だけを気化させて混合液から分離することができる。
しかしながら、低蒸気圧油が混ざった混合液については、低蒸気圧油の蒸気圧と一定圧力の間にかなりの余裕があって、気化されずに残っている洗浄液を徹底的に気化できない。
このため、低蒸気圧油の場合には、洗浄液を効率良く分離して回収することができず、廃棄される混合液中に洗浄液が残ったままとなり、無駄が生じるという問題がある。
他方で、一定圧力を、低蒸気圧油の蒸気圧に合わせてその蒸気圧を上回るように、高蒸気圧油の蒸気圧よりも低く設定する(図4中、B参照)と、低蒸気圧油のときには洗浄液だけを効率よく分離できるが、高蒸気圧油が混ざった混合液の場合、洗浄液と一緒に、当該高蒸気圧油が気化してしまって、気化した洗浄液に混入して回収されることになり、洗浄液としては、不純物(冷却用油)が混入したものとなってしまう。
不純物が混入してしまうと、洗浄力が低下してしまうため、短期間で洗浄液を交換しなければならず、洗浄液の交換頻度が高まって、ランニングコストが高くなってしまうという問題があった。
折衷案として、一定圧力を、低蒸気圧油と高蒸気圧油の両者の蒸気圧の中間値に設定する(図4中、C参照)ことが考えられるが、洗浄液を高蒸気圧油から分離するときには、洗浄液も廃棄されて無駄が生じる問題、低蒸気圧油から分離するときには、洗浄液へ不純物が混入してしまう問題のいずれについても、明快かつ根本的に解決することはできない。
さらに、複数台の蒸留器を設置し、それぞれを複数異種の冷却用油の蒸気圧に個別に合わせることも考えられるが、設備コストが高くなってしまうと同時に、必要な設置スペースが広がってしまうという問題があった。
このような課題は、気化温度を利用して洗浄液を気化分離する場合も、複数異種の冷却用油で気化温度が個々に異なるため、蒸留器に設定する一定温度を気化温度の高い冷却用油に合わせたり、低い冷却用油に合わせるようにすると、事情は同様であった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、複数異種の焼き入れ油(冷却用の油)を個々に使用してワークを焼き入れ処理する場合に、洗浄液が異なる焼き入れ油と混ざり合っていても、単一の蒸留器で常に、これら焼き入れ油から洗浄液のみを適切に分離することが可能なワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備は、加熱室と焼き入れ室と洗浄室とを備えたワーク焼き入れ処理設備において、上記洗浄室の洗浄液の再生装置は、ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するために、蒸気圧の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液が導入される気密性の蒸留器と 該蒸留器から気体を吸引して当該蒸留器の内部圧力を減圧するための吸引ポンプと該吸引ポンプと上記蒸留器との間に設けられ、該蒸留器に導入された上記混合液中の上記焼き入れ油の蒸気圧に応じ、上記洗浄液のみを気化させるために、該蒸留器の内部圧力を、上記洗浄液の蒸気圧よりも低く、当該焼き入れ油の蒸気圧を上回る圧力に調節するための調圧バルブと該調圧バルブと上記蒸留器との間に設けられ、気化された上記洗浄液を液化する液化部と;ワークを焼き入れ処理した前記焼き入れ油の種類を検出して検出信号を出力する検出器とを備え、前記調圧バルブは、上記検出器から入力される上記検出信号に応じて、前記蒸留器の内部圧力を調節するように作動されることを特徴とする。
前記調圧バルブは、前記蒸留器の内部圧力を、前記混合液中の前記焼き入れ油の蒸気圧よりも0.5kPa〜3.0kPa上回る圧力値に調節することを特徴とする。
本発明にかかる洗浄液の再生方法は、上記ワーク焼き入れ処理設備に用いられ、ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するための洗浄液の再生方法であって、蒸気圧の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液から、該洗浄液の蒸気圧よりも低く、該焼き入れ油の蒸気圧を上回る圧力の下で、該洗浄液のみを気化させ、その後、気化された該洗浄液を液化する手順を、異種の上記焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液個々に、バッチ処理で実行することを特徴とする。
本発明にかかる洗浄液の再生方法は、上記ワーク焼き入れ処理設備に用いられ、ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するための洗浄液の再生方法であって、気化温度の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液から、該洗浄液の気化温度よりも高く、該焼き入れ油の気化温度を下回る温度の下で、該洗浄液のみを気化させ、その後、気化された該洗浄液のガスを液化する手順を、異種の上記焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液個々に、バッチ処理で実行することを特徴とする。
本発明にかかるワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法にあっては、複数異種の焼き入れ油(冷却用の油)を個々に使用してワークを焼き入れ処理する場合に、洗浄液が異なる焼き入れ油と混ざり合っていても、単一の蒸留器で常に、これら焼き入れ油から洗浄液のみを適切に分離することができる。
本発明に係るワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法が適用可能なワーク焼き入れ処理設備の一例を示す概略平面図である。 本発明に係るワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法の好適な一実施形態を示す構成図である。 洗浄液及び焼き入れ油の蒸気圧と気化温度の相関関係の一例を示すCox線図である。 本発明が解決しようとする課題を説明するための説明図である。
以下に、本発明にかかるワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。まず、本実施形態に係るワーク焼き入れ処理設備及びこれに備えられる洗浄設備の洗浄液の再生装置について説明する。
図1には、ワーク焼き入れ処理設備1の全体構成が示されている。焼き入れ処理されるワークWは、搬入用コンベア2で焼き入れ処理設備1へ搬入され、搬送レール3の一端側から、当該搬送レール3上を走行移動する搬送ユニット4に移載される。搬送ユニット4に移載されたワークWは、搬送レール3に沿って搬送され、当該搬送レール3の両側に配置された複数の加熱室5のいずれかに搬送ユニット4から搬入されて、加熱処理される。
加熱処理を終えたワークWは、加熱室5から焼き入れ室6に搬入されて、焼き入れ処理される。焼き入れ処理は、焼き入れ室6内で、ワークWを焼き入れ油Dに漬けることで行われる。
ワーク焼き入れ処理設備1については、加熱室5と焼き入れ室6が、図中、仮想線で示すように、隣り合わせで一体的に配置されて、搬送ユニット4を利用することなく、ワークWの加熱処理と焼き入れ処理とが連続して行われる。焼き入れ油は、ワークWの焼き入れ条件に従って、複数異種のものが用意される。
焼き入れ室6は、これら複数異種の焼き入れ油ごとに、専用の焼き入れ室として設けられ、3種類の焼き入れ油を使用する場合には、3つの焼き入れ室が、4種類の焼き入れ油を使用する場合には、4つの焼き入れ室が設けられる。本実施形態では、説明を簡略化するために、複数異種の焼き入れ油として、蒸気圧の低いホット油と、蒸気圧の高いコールド油が例示され、これら2種類の焼き入れ油に対応させて、焼き入れ処理設備1には2つの焼き入れ室6が設けられている。
これら複数異種の焼き入れ油は一般に、図3のCox線図に示すように、それぞれ蒸気圧Vc,Vhが個々に異なる。また、複数異種の焼き入れ油の蒸気圧Vc,Vhは共に、洗浄液Cの蒸気圧Vwよりも低い。そして、加熱処理が完了した各ワークWは、ホット油の焼き入れ室6及びコールド油の焼き入れ室6のいずれかで焼き入れ処理されるようになっている。以後、単に「焼き入れ油」というときは、ホット油とコールド油の双方を含む意味である。
焼き入れ処理を終えたワークWは、焼き入れ室6から再度搬送ユニット4に移載されて搬送レール3に沿って搬送され、焼き戻し室5aでの処理を経て、洗浄室7に搬入される。洗浄室7では、洗浄液CでワークWから焼き入れ油を洗い流す洗浄処理が行われる。洗浄処理は、焼き入れ油の種類を問わずに行われるため、洗浄室7は1つ設けられる。
洗浄処理を終えたワークWは、洗浄室7から再度搬送ユニット4に移載され、搬送レール3の他端側で、搬送ユニット4から搬出用コンベア8へ移載され、この搬出用コンベア8で焼き入れ処理設備1から搬出される。
洗浄液Cで焼き入れ油を洗い流した洗浄室7では、焼き入れ油と洗浄液Cとが混ざり合った混合液Mが生じる。図1及び図2に示すように、洗浄室7には、混合液Mから洗浄液Cのみを再利用可能に分離して回収するための洗浄液回収設備9が併設される。
洗浄室7には、天井部に、搬入されたワークWへ向けて洗浄液Cを噴霧するためのシャワー10が設けられる。洗浄室7の下部には、シャワー10から噴霧された洗浄液Cと洗浄液CでワークWから洗い落とされた焼き入れ油とが混ざり合った混合液Mが集められる。
シャワー10には、これに洗浄液Cを供給する洗浄液配管11が接続されると共に、洗浄室7の下部には、洗浄室7から混合液Mを排出する混合液配管12が接続される。混合液配管12には、混合液Mを一次的に貯留するための貯留タンク29が介設される。そして、洗浄室7と洗浄液回収設備9とは、これら洗浄液配管11及び混合液配管12で互いに接続される。
洗浄液回収設備9は、混合液配管12から混合液Mが導入される気密性の蒸留器13と、蒸留器13のほぼ下方部分を包囲して設けられ、蒸留器13内部の温度を安定させるための蓄熱槽14と、蒸留器13に、吸引用配管15を介して接続され、蒸留器13から気体を吸引して蒸留器13の内部圧力を減圧するための吸引ポンプ16と、吸引ポンプ16に接続され、吸引ポンプ16からの排気を排出する排気管17と、吸引ポンプ16と蒸留器13との間に位置させて吸引用配管15に介設され、蒸留器13の内部圧力を調節するための開度調整可能な調圧バルブ18と、調圧バルブ18と蒸留器13との間に位置させて吸引用配管15に介設された液化部としての液化器19と、液化器19に回収用配管20を介して接続された洗浄液タンク21と、洗浄液タンク21に洗浄液Cを補充するための、補充弁22を有する補充用配管23と、蒸留器13の下部に、油排出弁24を有する廃油配管25を介して接続され、蒸留器13の底部から排出される廃油Dを一時的に貯留する廃油タンク26と、廃油タンク26から廃油Dを排出するための、ドレンコック27を有するドレン管28とから構成される。
洗浄液タンク21には、これより洗浄室7のシャワー10へ洗浄液Cを供給するために、開閉弁36を備えた上記洗浄液配管11が接続される。洗浄液Cは、洗浄液タンク21内の上部空間を加圧することで、シャワー10へ送られる。洗浄室7を負圧とし、洗浄液Cを吸い込ませるようにしてもよい。洗浄室7から蒸留器13へ混合液Mを導入する混合液配管12には、洗浄室7から貯留タンク29への混合液Mの流量や貯留タンク29から蒸留器13への混合液Mの導入流量をコントロールするために、洗浄室7と貯留タンク29との間及び貯留タンク29と蒸留器13との間それぞれに、開閉弁30,31が設けられる。
蒸留器13は、吸引ポンプ16によって負圧に保たれているため、開閉弁31を開けることで、貯留タンク29に貯留された混合液Mは、蒸留器13へ吸引される。
また、洗浄液回収設備9には、調圧バルブ18の作動を制御して蒸留器13の内部圧力を調節するために、制御系32が設けられる。制御系32は、蒸留器13に設けられ、蒸留器13の内部圧力を検知して出力する圧力計33と、圧力計33及び調圧バルブ18と接続され、圧力計33から入力される蒸留器13の内部圧力が設定された圧力となるように、調圧バルブ18の開度を決定して当該調圧バルブ18に出力するコントローラ34とから構成される。
また、本実施形態にあっては、コントローラ34により、複数異種の焼き入れ油の蒸気圧に応じて調圧バルブ18の開度、すなわち蒸留器13の内部圧力を自動制御するために、ワークWを焼き入れ処理した焼き入れ油が複数異種のうちのいずれの種類であるかを検出して出力する検出器としてのセンサ35が備えられる。
例えば、ワークWには、当該ワークWを焼き入れ処理する焼き入れ油の種類が表示されたタグが設けられ、センサ35は、このタグを読み取るなどして、ワークWごとに焼き入れ油の種類を検出するようになっている。センサ35は、コントローラ34と接続され、センサ35で検出された焼き入れ油の種類がコントローラ34に入力されるようになっている。
コントローラ34は、複数異種の焼き入れ油のいずれか一種を含む混合液Mを蒸留器13で処理する際に、蒸留器13の内部圧力が、混合液Mに含まれる焼き入れ油の蒸気圧を僅かに上回る蒸気圧となるように、調圧バルブ18の開度によって、吸引用配管15に作用する吸引ポンプ16の吸引作用を調節するようになっている。
蒸留器13の内部には、混合液配管12から混合液Mが導入される。コールド油で焼き入れ処理したワークWを洗浄室7で洗浄したときには、コールド油だけを含む混合液Mが導入され、ホット油で焼き入れ処理したワークWを洗浄室7で洗浄したときには、ホット油だけを含む混合液Mが導入されるというように、ホット油とコールド油が混ざり合わないように、蒸留器13には、複数異種の焼き入れ油のいずれか一種の焼き入れ油だけが混ざり合った混合液Mが、バッチ処理で導入される。
言い換えれば、洗浄室7では、焼き入れ油の種別ごとに洗浄が行われ、その際の混合液Mが1バッチで、蒸留器13に導入される。
蒸留器13の内部には、混合液Mの気化、具体的には洗浄液Cのみを気化させて焼き入れ油からの分離を促進するために、混合液配管12から導入される混合液Mを受けるトレイ13aが設けられる。トレイ13aは、その上に受けた混合液Mが相当の滞留時間をかけて、広がりつつ流下していくように、大きな平面外形寸法で形成されると共に、スロープを形成するように傾斜して配置される。図示では、トレイ13aを3段設けた例が示されている。
トレイ13では、スロープにより、混合液配管12からの混合液Mがゆっくりと流下される。混合液Mは、スロープの上端側に流れ落ち、スロープを流下する間に当該混合液M中から洗浄液Cが気化され、スロープの下端側に達すると、当該下端側から蒸留器13の底部へ流れ落ちるようになっている。従って、主として、このトレイ13a上での滞留期間中に洗浄液Cが気化される。背景技術で説明したように、この滞留期間中に効率良く洗浄液Cを気化させることが望ましく、気化し得なかった洗浄液Cは、トレイ13aから流れ落ちてしまうことになる。
蒸留器13の底部に流れ落ちて集められる混合液Mは廃油Dとなり、閉じられていた油排出弁24が開放されることで、廃油配管25を介して廃油タンク26に集められ、廃油タンク26に集められた廃油Dは、閉じられていたドレンコック27が開放されることで、洗浄液回収設備9から排出される。
蒸留器13に導入される混合液Mの温度は、ホット油とコールド油とでは異なる。これに対し、蒸留器13の内部温度は、蓄熱槽14によっておおよそ一定に安定的に維持される。蓄熱槽14は、内部に熱媒油Fが充満されたタンクであり、蓄熱槽14内部には、熱媒油Fを加熱するヒータ14aが設けられ、間接加熱により蒸留器13の内部を温度調節する。
また、図示しないが、トレイ13aの下面に熱媒油の流路を設け、ヒータ14aで加熱した熱媒油をポンプで循環供給するようにしている。このようにすることで、洗浄液Cの気化を促進している。
また、蓄熱槽14には、その内部温度を測定する温度計14bが設けられ、蒸留器13の内部温度をおおよそ一定とするために、温度計14bで検出された温度に応じて、ヒータ14aが運転されあるいは停止される。
吸引ポンプ16は、蒸留器13の内部から気体を吸引して内部圧力を減圧し、これにより、蒸留器13の内部での混合液Mからの洗浄液Cの気化が行われる。そしてまた、吸引ポンプ16は、蒸留器13から、気化した洗浄液Cを吸引し、吸引された洗浄液Cの気化分は、吸引用配管15を介して、液化器19へ供給される。
液化器19には、気化して焼き入れ油から分離された洗浄液Cを液化するために液化器19の内部温度を下げるクーラ19aが設けられる。冷却によって気化状態から液化した洗浄液Cは、液化器19の底部に集められ、この液化器19の底部から、回収用配管20を介して洗浄液タンク21に送られて回収される。補充が必要な場合は、閉じられていた補充弁22を開くことで、洗浄液タンク21に、補充用配管23から新しい洗浄液Cが補充される。
調圧バルブ18は、液化器19と吸引ポンプ16との間に設けられ、基本的には、その開度調整により蒸留器13の内部圧力を一定に保持するもので、洗浄液Cのみを気化させる目的では、吸引ポンプ16の減圧作用による蒸留器13の内部圧力を、後述する第1圧力または第2圧力に切り替えかつ一定に調節するようになっている。
調圧バルブ18には、コントローラ34が接続され、蒸留器13の内部圧力がおおよそ一定圧力に維持されるように、圧力計33で検知されコントローラ34に入力された蒸留器13の内部圧力に応じて、その開度が制御される。
加えて、調圧バルブ18は、センサ35で検知された焼き入れ油の種類に応じた開度制御信号がコントローラ34から入力されることにより、蒸留器13の内部圧力を、コールド油に対応する第1圧力またはホット油に対応する第2圧力に切り替えて保持するように作動される。
調圧バルブ18は、開度が小さいときには、減圧作用が弱くなり、蒸留器13の内部圧力が比較的高く維持される一方で、開度を大きくすると、減圧作用が強められて、蒸留器13の内部圧力が低くなるようになっている。
そして、調圧バルブ18は、蒸気圧の高いコールド油が混ざり合った混合液Mが蒸留器13に導入されているときには、減圧作用が弱くなるように開度調整され、これにより蒸留器13の内部圧力がコールド油の蒸気圧Vcを僅かに上回る第1圧力に調整され、蒸気圧が低いホット油が混ざり合った混合液Mが蒸留器13に導入されているときには、減圧作用が強くなるように開度調整され、これにより蒸留器13の内部圧力が、コールド油の場合よりも低い、ホット油の蒸気圧Vhを僅かに上回る第2圧力に調整される。
すなわち、圧力計33及びセンサ35に接続されたコントローラ34は、蒸留器13に導入された混合液Mに含まれる焼き入れ油の種別ごとに、当該焼き入れ油個々の蒸気圧Vc,Vhに応じて、蒸留器13の内部圧力を第1圧力または第2圧力に保持するように、バッチ処理で調圧バルブ18を制御するようになっている。
コールド油またはホット油それぞれの場合に、各焼き入れ油の蒸気圧Vc,Vhを僅かに上回る第1圧力または第2圧力に調整することにより、洗浄液Cのみを素早く確実に気化させるようにしている。
ここで、「僅かに上回る」というのは、確実に洗浄液Cが蒸気化する焼き入れ油の蒸気化条件に近づけるという理由により、具体的には、焼き入れ油の蒸気化圧力よりも約0.5kPa〜3.0kPa程度上回っていることをいう。
次に、本実施形態に係る洗浄液の回収方法について説明する。焼き入れ油と洗浄液Cとが混ざり合った混合液Mから洗浄液Cのみを分離して回収する処理は、異なる種類の焼き入れ油で洗浄処理がなされ得る各ワークW1つ1つごとに、これを1バッチとしてバッチ処理される。
また、1バッチの処理とは、洗浄室7でワークWの洗浄を開始した時点から、ワークWの洗浄を終了した後、全ての混合液Mが当該洗浄室7から排出され、さらに貯留タンク29も空となり、貯留タンク29から蒸留器13への混合液Mの導入が途絶え、さらに、蒸留器13でのトレイ13aを利用した洗浄液Cの気化による焼き入れ油からの分離が済み、気化した全ての洗浄液Cが液化器19で液化されて、洗浄液タンク21への洗浄液Cの回収が完了した時点までの期間をいう。
すなわち、洗浄室7から洗浄液回収設備9にわたる一連の装置に、異なる焼き入れ油が全く存在しない状態で、洗浄液Cの気化・回収処理が実施される。また、同じ焼き入れ油で焼き入れ処理された複数のワークWが順次連続して洗浄室7で洗浄される場合には、洗浄室7で1つのワークWを1回洗浄する度に洗浄液Cの気化・回収処理を実施しなくてもよく、これら連続する同じ焼き入れ油の洗浄処理で生じた混合液Mを貯留タンク29に貯めるようにして、これを1バッチとして、気化・回収処理しても良い。
焼き入れ処理されて搬送ユニット4から洗浄室7に搬入されたワークWを洗浄室7で洗浄する際、当該ワークWが複数異種の焼き入れ油のうち、いずれの焼き入れ油によって焼き入れ処理されたか、具体的にはコールド油であるかホット油であるかが、センサ35によるワークWのタグの読み取りによって検知され、コントローラ34に入力される。
吸引ポンプ16の起動と共に、コントローラ34により、調圧バルブ18は、蒸留器13の内部圧力が、焼き入れ油の種別に応じた、例えばコールド油の蒸気圧Vcに応じた第1圧力(蒸気圧Vcを僅かに上回る圧力)で一定に保持される開度に調節される。以下、コールド油の場合を例にとって説明する。
洗浄室7では、ワークWに付着したコールド油の洗浄が開始される。洗浄開始から洗浄終了までにわたる間、継続的にコールド油と洗浄液Cとが混ざり合った混合液Mが発生し、混合液Mは、洗浄室7の下部に集められ溜まっていく。
このように、ワークWを焼き入れ処理したコールド油が当該ワークWを洗浄する洗浄液Cと混ざり合った混合液Mから、洗浄液Cだけを再利用可能に分離するに際し、洗浄室7の混合液Mは、混合液配管12を流れる流量が開閉弁30,31でコントロールされて、貯留タンク29に一時的に貯留されながら、この貯留タンク29を経て、蒸留器13に順次供給される。
蓄熱槽14によっておおよそ一定の温度に維持される蒸留器13の内部圧力は、継続的に圧力計3で検知され、吸引ポンプ16が気体を吸引することによる減圧作用の下、コントローラ34により調圧バルブ18の開度が制御されて、コールド油の蒸気圧Vcを僅かに上回る第1圧力に調整維持される。
この第1圧力下で、トレイ13aに導入されて広がりつつスロープを流下する混合液Mから、コールド油の気化が生じることなく、洗浄液Cのみが気化され、コールド油から洗浄液Cが分離される。コールド油から分離され気化された洗浄液Cは、吸引ポンプ16による吸引作用で、吸引用配管15に流通し、液化器19に達する。洗浄液Cは、液化器19で液化され、洗浄液タンク21に回収される。
洗浄液Cの液化・回収は、ワークWの洗浄が終了した後、洗浄室7の底部に溜まっている混合液Mの全量が、貯留タンク29を経て蒸留器13で全て処理され、さらに気化された洗浄液Cが全て液化器19で液化されて洗浄液タンク21に回収されるまで行われる。
ワークWを焼き入れ処理したコールド油を含む混合液Mから洗浄液Cの分離回収が完了した後、次いで、ホット油で焼き入れ処理したワークWが洗浄室7に搬入されるときには、コールド油の場合と同様に、センサ35からの焼き入れ油の種別の検出信号がコントローラ34に入力され、コントローラ34は、蒸留器13の内部圧力が、ホット油の蒸気圧Vhを僅かに上回る第2圧力で一定に保持されるように、調圧バルブ18の開度を調節する。
コールド油と異なるホット油を処理する際には、洗浄室7から蒸留器13にわたる間には、コールド油を含む混合液Mは空となっていて、ホット油と洗浄液Cとが混ざり合った混合液Mだけが流通される。
ホット油を含む混合液Mが蒸留器13に導入されると、ホット油の蒸気圧Vhを僅かに上回る第2圧力下で、トレイ13aに導入された混合液Mから、ホット油の気化が生じることなく、洗浄液Cのみが気化されてホット油から分離され、気化された洗浄液Cは、コールド油の場合と同様にして、洗浄液タンク21に回収される。
ホット油及びコールド油いずれの場合であっても、洗浄液タンク21には、洗浄液Cのみが回収され、この洗浄液Cは、その後の洗浄処理に再利用される。
本実施形態に係るワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法にあっては、吸引ポンプ16で蒸留器13の内部圧力を減圧する際に、調圧バルブ18により、当該蒸留器13の内部圧力を、バッチ処理で蒸留器13に導入される、混合液Mに混合されているコールド油もしくはホット油の蒸気圧Vc,Vh個々に応じ、その蒸気圧を僅かに上回る第1または第2圧力に調整維持することにより、洗浄液Cの蒸気圧Vwよりも、できるだけ低い圧力で気化できるので、いずれの焼き入れ油の場合であっても、洗浄液Cだけを素早く確実に気化させて焼き入れ油から分離でき、単一の蒸留器13で常に、洗浄液Cを適切に回収して再利用することができる。
洗浄液Cのみが分離・回収されるので、洗浄液Cの洗浄力低下が抑えられ、繰り返し再利用される洗浄液Cの使用期間を延ばすことができ、洗浄液Cの交換にかかるコストやメンテナンス時間も少なくすることができる。
また、調圧バルブ18の開度制御により、洗浄液Cを気化させることができるので、確実に洗浄液Cだけを混合液から分離することができる。このように確実に洗浄液Cを分離できるので、蒸留器13の廃油配管25から、未分離の洗浄液Cが排出されることを抑制して、高価な洗浄液Cが無駄に捨てられることを防止できる。
圧力計33で検知された蒸留器13の内部圧力をコントローラ34に入力し、コントローラ34で調圧バルブ18の開度を制御するようにしたので、確実に洗浄液Cのみを気化させることができる。
センサ35で検出された焼き入れ油の種別をコントローラ34に入力し、このコントローラ34により、複数異種の焼き入れ油それぞれの蒸気圧に対応させて調圧バルブ18の開度を制御するようにしたので、単一の蒸留器13で、異なる蒸気圧の焼き入れ油から洗浄液Cだけを的確に分離することができる。
上記実施形態では、センサ35を用いて調圧バルブ18の開度を自動制御するようにしたが、これに代えて、焼き入れ油の種別に応じて、手動で調圧バルブ18の開度を変えるようにしても良い。
次に、上記実施形態に係るワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備及び洗浄液の再生方法の変形例を説明する。図3に示すように、洗浄液や各種の焼き入れ油は、いずれかの所定温度において、蒸気圧に高低の差があるだけでなく、いずれか所定の蒸気圧において、気化温度に高低の差がある(洗浄液Cの気化温度:Tw,コールド油の気化温度:Tc,ホット油の気化温度:Th)ことは周知である。
変形例では、気化温度の高低差に着目して、蒸留器13に設けられている蓄熱槽14を温度調節手段として用い、蒸留器13に導入された混合液M中の焼き入れ油の気化温度に応じバッチ処理で、洗浄液Cのみを気化させるために、蓄熱槽14の温度調節により、蒸留器13の内部温度を、洗浄液Cの気化温度よりも高く当該焼き入れ油の気化温度を僅かに下回る温度に調節するようにしてもよい。この場合には、温度計14bが圧力計33に代替され、また、調圧バルブ18は不要である。
その際、蒸留器13の内部温度を、焼き入れ油が気化しない、その気化温度を僅かに下回る温度とし、洗浄液Cの気化温度よりもできるだけ高い温度にすることで、活発に洗浄液Cだけを素早く確実に気化させることができ、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、「僅かに下回る」というのは、確実に洗浄液Cが蒸気化する焼き入れ油の蒸気化条件に近づけるという理由により、具体的には、焼き入れ油の蒸気化温度よりも約5℃〜15℃程度下回っていることをいう。
この変形例であっても、センサ35により焼き入れ油の種別を検出し、当該種別に応じて蓄熱槽14の温度を自動制御で設定変更するようにしても良い。
ただし、蒸留器13の内部温度が変化するには、しばらく時間を要するのに対し、内部圧力の変化は、調圧バルブ18の開度変更だけで瞬時に行え、作業時間を短縮できる。
上記実施形態に係るワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備は、既存のワーク焼き入れ処理設備に備えるようにして当該設備を改造するようにしてもよい。
この場合、例えば、既存のワーク焼き入れ処理設備が洗浄室7と、蒸留器13と、液化器19と、吸引ポンプ16を備えていれば、改造にあたっては、図2に示すように、蒸気圧制御の場合には、少なくとも蒸留器13の内部圧力を調節する調圧バルブ18を増設して、この調圧バルブ18の開度調整により、蒸留器13の内部圧力が所望の圧力に調節できるように構成すればよい。
また、気化温度制御の場合には、少なくとも蒸留器13の内部温度を調節する温度調節手段(蓄熱槽14)を増設して、この温度調節手段により、蒸留器13の内部温度が所望の温度に調節できるように構成すればよい。
既存のワーク焼き入れ処理設備を改造するにあたっても、きわめて簡単かつ容易に改造することができる。そしてまた、この改造方法により、上記実施形態と同様の作用効果を確保することができる。
1 ワーク焼き入れ処理設備
2 搬入用コンベア
3 搬送レール
4 搬送ユニット
5 加熱室
5a 焼き戻し室
6 焼き入れ室
7 洗浄室
8 搬出用コンベア
9 洗浄液回収設備
10 シャワー
11 洗浄液配管
12 混合液配管
13 蒸留器
13a トレイ
14 蓄熱槽
14a ヒータ
14b 温度計
15 吸引用配管
16 吸引ポンプ
17 排気管
18 調圧バルブ
19 液化器
19a クーラ
20 回収用配管
21 洗浄液タンク
22 補充弁
23 補充用配管
24 油排出弁
25 廃油配管
26 廃油タンク
27 ドレンコック
28 ドレン管
29 貯留タンク
30,31 開閉弁
32 制御系
33 圧力計
34 コントローラ
35 センサ
36 開閉弁
C 洗浄液
D 廃油
F 熱媒油
M 混合液
Tc コールド油の気化温度
Th ホット油の気化温度
Tw 洗浄液の気化温度
Vc コールド油の蒸気圧
Vh ホット油の蒸気圧
Vw 洗浄液の蒸気圧
W ワーク

Claims (5)

  1. 加熱室と焼き入れ室と洗浄室とを備えたワーク焼き入れ処理設備において、
    上記洗浄室の洗浄液の再生装置は、
    ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するために、
    蒸気圧の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液が導入される気密性の蒸留器と、
    該蒸留器から気体を吸引して当該蒸留器の内部圧力を減圧するための吸引ポンプと、
    該吸引ポンプと上記蒸留器との間に設けられ、該蒸留器に導入された上記混合液中の上記焼き入れ油の蒸気圧に応じ、上記洗浄液のみを気化させるために、該蒸留器の内部圧力を、上記洗浄液の蒸気圧よりも低く、当該焼き入れ油の蒸気圧を上回る圧力に調節するための調圧バルブと、
    該調圧バルブと上記蒸留器との間に設けられ、気化された上記洗浄液を液化する液化部と、
    ワークを焼き入れ処理した前記焼き入れ油の種類を検出して検出信号を出力する検出器とを備え、
    前記調圧バルブは、上記検出器から入力される上記検出信号に応じて、前記蒸留器の内部圧力を調節するように作動されることを特徴とするワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備。
  2. 前記調圧バルブは、前記蒸留器の内部圧力を、前記混合液中の前記焼き入れ油の蒸気圧よりも0.5kPa〜3.0kPa上回る圧力値に調節することを特徴とする請求項1に記載のワークの焼き入れ処理設備における洗浄設備。
  3. 前記請求項1または2に記載のワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備に用いられ、ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するための洗浄液の再生方法であって、
    蒸気圧の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液から、該洗浄液の蒸気圧よりも低く、該焼き入れ油の蒸気圧を上回る圧力の下で、該洗浄液のみを気化させ、その後、気化された該洗浄液を液化する手順を、異種の上記焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液個々に、バッチ処理で実行することを特徴とする洗浄液の再生方法
  4. 加熱室と焼き入れ室と洗浄室とを備えたワーク焼き入れ処理設備において、
    上記洗浄室の洗浄液の再生装置は、
    ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するために、
    気化温度の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液が導入される気密性の蒸留器と、
    該蒸留器から気体を吸引するための吸引ポンプと、
    上記蒸留器に設けられ、該蒸留器に導入された上記混合液中の上記焼き入れ油の気化温度に応じ、上記洗浄液のみを気化させるために、該蒸留器の内部温度を、上記洗浄液の気化温度よりも高く、当該焼き入れ油の気化温度を下回る温度に調節するための温度調節手段と、
    上記蒸留器と上記吸引ポンプとの間に設けられ、気化された上記洗浄液を液化する液化部と、
    ワークを焼き入れ処理した前記焼き入れ油の種類を検出して検出信号を出力する検出器とを備え、
    前記温度調節手段は、上記検出器から入力される上記検出信号に応じて、前記蒸留器の内部温度を調節するように作動されることを特徴とするワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備。
  5. 前記請求項4に記載のワーク焼き入れ処理設備における洗浄設備に用いられ、ワークを焼き入れ処理した焼き入れ油が当該ワークを洗浄する洗浄液と混ざり合った混合液から、該洗浄液を再利用可能に分離するための洗浄液の再生方法であって、
    気化温度の異なる複数異種の上記焼き入れ油のうち、ワークを焼き入れ処理したいずれか一種の該焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液から、該洗浄液の気化温度よりも高く、該焼き入れ油の気化温度を下回る温度の下で、該洗浄液のみを気化させ、その後、気化された該洗浄液のガスを液化する手順を、異種の上記焼き入れ油が上記洗浄液と混ざり合った上記混合液個々に、バッチ処理で実行することを特徴とする洗浄液の再生方法
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