JP6545547B2 - システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装材 - Google Patents

システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装材 Download PDF

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Description

本発明は、システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装材、当該包装材を袋状に成型してなる包装袋、及び当該包装袋にシステインプロテアーゼを含有する粉末組成物を封入してなる包装体に関する。
舌苔(ぜったい)は、食物残渣、剥離した口内粘膜細胞、唾液成分(タンパク質等)、細菌、細菌の代謝物などが舌表面に付着することにより形成されるものであり、口臭発生の原因とされている。
舌表面には舌乳頭と呼ばれる小さな突起(襞)が存在しており、舌苔は舌乳頭の隙間などに付着・堆積することにより形成されるため、歯磨きやうがいなどの日常の口腔ケアでは十分に除去することが困難である。そのため、舌苔の除去方法としては、例えば、舌ブラシなどの専用の除去具を用いて舌表面をブラッシングして舌苔を物理的に除去する方法や、舌苔を酵素により化学的に分解する方法などが知られている。
舌苔の分解能を有する酵素としてはプロテアーゼが知られており、具体的な形態としては、システインプロテアーゼなどの酵素を含むキャンディーやタブレットなどの食品が報告されている(特許文献1〜3)。
しかしながら、システインプロテアーゼは熱に弱く、夏期のような高温多湿状態における経時安定性に乏しく容易に失活してしまうこと、及び水溶液や水性ゲル等の水を含む組成物において酵素活性の経時安定性が悪いこと等が知られている。そのため、システインプロテアーゼを含む製品については、失活を防ぐために配合成分を工夫したり、保存環境を工夫したりする等の取り組みが必要とされている。
国際公開第03/090704号 国際公開第2007/026755号 国際公開第2007/105661号
これまでの研究により、本発明者らは、システインプロテアーゼによる舌苔除去を目的とする製品として、舌苔除去用ゲルを用時調製するための粉末組成物及びシステインプロテアーゼの酵素活性の経時安定性が高められた舌苔除去用粉末組成物を開発し、これらについて特許出願を行っている(特願2015−090703号及び特願2015−106416号、いずれも未公開)。
本発明者は、これらの粉末組成物を保存及び/又は流通させるべく、当該粉末組成物を封入する包装袋を検討していたところ、粉末組成物を包装袋に封入し、数回程度上下に振った後に粉末組成物を取り出し、当該粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性を測定すると、驚くべきことに、システインプロテアーゼの酵素活性が低下してしまうという問題が生じることを見出した。
なお、上記した現象の理由については必ずしも明らかではないが、本発明者らは、粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼが包装袋の内壁に吸着し、包装袋から取り出された粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの量が減少することにより、結果として、粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性が低下するのではないかと推察している。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、システインプロテアーゼを含む粉末組成物を包装袋に封入した後であっても、当該粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性の低下を抑制することができる包装材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、特定の積層構造を有する包装材を袋状に成型してなる包装袋を用いることにより、システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を封入した後であっても、当該粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性の低下を抑制することができることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づき、さらなる研究を重ねることにより本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、代表的には、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装材であって、
前記包装材が、シーラント層、メタロセンポリエチレン層、及びバリア層を有し、かつ
シーラント層とメタロセンポリエチレン層とが接触するように積層されており、
前記シーラント層がポリエチレン層又は無延伸ポリプロピレン層である、
包装材。
項2.
前記バリア層が、前記メタロセンポリエチレン層の外側に配置されている、上記項1に記載の包装材。
項3.
前記バリア層が透明蒸着ポリエチレンテレフタレート層である、上記項2に記載の包装材。
項4.
前記バリア層が金属箔層である、上記項2に記載の包装材。
項5.
さらに、基材層を有する、上記項4に記載の包装材。
項6.
前記基材層が、前記バリア層の外側に配置されている、上記項5に記載の包装材。
項7.
前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート層である、上記項6に記載の包装材。
項8.
上記項1〜7のいずれかに記載の包装材をシーラント層が最内層となるように袋状に成型されてなる、システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装袋。
項9.
上記項8に記載の包装袋、及び
システインプロテアーゼを含有する粉末組成物
を含有し、かつ
前記粉末組成物が前記包装袋に封入されている、包装体。
本発明の包装材を袋状に成型してなる包装袋によれば、システインプロテアーゼを含む粉末組成物を封入した場合であっても、当該粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性の低下を抑制することができる。
シーラント層及びメタロセンポリエチレン層を有し、かつシーラント層とメタロセンポリエチレン層とが接触するように積層されている積層構造を示す図である。 シーラント層、メタロセンポリエチレン層、及びバリア層を有し、かつメタロセンポリエチレン層とバリア層との間に1又は複数の任意の層が介在していてもよい積層構造を示す図である。 シーラント層、メタロセンポリエチレン層、及びバリア層を有し、かつメタロセンポリエチレン層とバリア層とが接触するように積層されている積層構造を示す図である。 バリア層と基材層との間に1又は複数の任意の層が介在していてもよい積層構造を示す図である。 バリア層と基材層とが接触するように積層されている積層構造を示す図である。 基材層/メタロセンポリエチレン層/バリア層/メタロセンポリエチレン層/シーラント層の積層構造を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
包装材
本発明の包装材は、シーラント層、メタロセンポリエチレン層、及びバリア層を有する。
シーラント層は、本発明の包装材を袋状に成型した場合に最内層となる層であり、シーラント層同士が熱などにより溶着することにより内容物を密封することを目的とする層である。本発明の包装材におけるシーラント層は、ポリエチレン(PE)層又は無延伸ポリプロピレン(CPP)層である。ポリエチレン層としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)層、中密度ポリエチレン(MDPE)層、高密度ポリエチレン(HDPE)層、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層などが挙げられ、これらの中でも、低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン層がより好ましい。
シーラント層の厚さは、特に制限されないが、通常1〜200μm程度、好ましくは2〜100μm程度、より好ましくは10〜70μm程度である。
メタロセンポリエチレン層は、スーパーポリエチレン(SPE)層とも称される層であって、エチレンとα−オレフィンとをメタロセン触媒を用いて共重合することにより得られるエチレン−α−オレフィン共重合体層である。例えば、エチレンと1−ブテンとの共重合体、エチレンと1−ヘキセンとの共重合体、エチレンとオクテンとの共重合体などが挙げられる。また、インフレーション成型法とT−ダイ成型法の何れの製造方法で作られたメタロセンポリエチレンフィルムも使用することができる。なお、メタロセンポリエチレンは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に分類されるが、分子量分布やコモノマー分布において大きく相違することから、チーグラーナッタ触媒を用いて共重合することにより得られる、通常の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とは明確に区別されている。本発明においても、メタロセンポリエチレン層は、シーラント層におけるポリエチレン層と明確に区別されるものである。
メタロセンポリエチレン層の厚さは特に制限されないが、通常1〜200μm程度、好ましくは2〜100μm程度、より好ましくは5〜50μm程度である。
バリア層は、包装材の強度を向上させること、袋状に成型した場合に内部に湿気、酸素、光などが侵入するのを防止すること等を目的とする層である。バリア層としては、例えば、アルミニウム(AL)、ステンレス等の金属箔層、アルミニウム等の金属をフィルムに蒸着させた金属蒸着フィルム層、アルミナ等の金属酸化物、ケイ素酸化物等をフィルムに蒸着させた透明蒸着フィルム層、ポリ塩化ビニリデン層、バリア性ナイロン層、ポリ塩化ビニリデンコートポリエチレンテレフタレート層、ポリ塩化ビニリデンコート二軸延伸ポリプロピレン層などが挙げられる。金属、金属酸化物、ケイ酸酸化物等を蒸着させるフィルムとしては特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン(PE)などが挙げられる。金属蒸着フィルム層の具体例としては、アルミニウムを蒸着させた、蒸着ポリエチレンテレフタレート(蒸着PET)層、蒸着無延伸ポリプロピレン(蒸着CPP)層、蒸着二軸延伸ポリプロピレン(蒸着OPP)層、蒸着ポリエチレン(蒸着PE)層などが挙げられ、透明蒸着フィルム層の具体例としては、アルミナ、シリカ等を蒸着させた、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(透明蒸着PET)層、透明蒸着無延伸ポリプロピレン(透明蒸着CPP)層などが挙げられる。
バリア層の厚さは上記したバリア層の目的が達成される限りにおいて特に制限されないが、通常1〜100μm程度、好ましくは2〜70μm程度、より好ましくは2〜40μm程度である。
本発明の包装材では、上記したシーラント層とメタロセンポリエチレン層とが接触するように積層されている。ここで、本明細書において、「(A層とB層とが)接触するように積層されている」とは、A層上にB層が、又はB層上にA層が順次積層されており、A層とB層との間に任意の層が介在しないことを意味する。つまり、本発明の包装材では、図1に示すように、シーラント層とメタロセンポリエチレン層との間に任意の層が介在することなく、シーラント層及びメタロセンポリエチレン層が積層されている。
また、本発明の包装材では、バリア層は、シーラント層の外側ではなく、メタロセンポリエチレン層の外側に配置されていることが好ましい。ここで、本明細書において、「(A層がB層)の外側に配置されている」とは、A層がB層の上に積層されており、A層とB層との間に1又は複数の任意の層が介在していてもよいことを意味する。つまり、本発明の包装材では、バリア層は、メタロセンポリエチレン層の上に積層されていることが好ましい。また、この場合、図2に示すように、バリア層とメタロセンポリエチレン層との間に1又は複数の任意の層が介在して積層されていてもよいし、図3に示すように、バリア層とメタロセンポリエチレン層とが接触するように積層されていてもよい。これらの中では、バリア層とメタロセンポリエチレン層とが接触するように積層されていることがより好ましい。なお、接着剤の使用についてはバリア層とメタロセンポリエチレン層との間に介在し得る任意の層や製造方法の選択に応じて決定され、接着剤の使用の有無に関して、本願発明の効果への影響はない。また、バリア層とメタロセンポリエチレン層との間に介在し得る任意の層に用いることのできるものとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロンポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、セロファン、紙などが挙げられる。
なお、本明細書では、包装材の積層構造を「A層/B層/C層」などのように「/」を用いて表現する場合がある。当該表現では、包装材を袋状に成型した場合の最内層となる層を最右側に記載し、左にいくに従って最外層に近づいていく。例えば、上記の例示のように、「A層/B層/C層」と記載した場合には、A層が最外層、C層が最内層、B層がA層とC層との間に介在する層であることを示す。
即ち、本発明の包装材は、バリア層/1又は複数の任意の層/メタロセンポリエチレン層/シーラント層である積層構造でもよいし、バリア層/メタロセンポリエチレン層/シーラント層である積層構造でもよい。これらの中では、バリア層/メタロセンポリエチレン層/シーラント層である積層構造がより好ましく、このような積層構造としては、例えば、透明蒸着PET/SPE/CPP、AL/SPE/PEなどが挙げられる。
また、本発明の包装材におけるバリア層が金属箔層である場合、本発明の包装材は、バリア層の外層側にさらに単層、若しくは複数層で構成される基材層を有していてもよい。
基材層としては特に制限されないが、例えば、二軸延伸ポリエチレン(OPP)、延伸ナイロン(ONY)、紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)層などを例示することができる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート(PET)層が好ましい。
基材層の厚さは特に制限されないが、通常10〜100μm程度、好ましくは10〜60μm程度である。
本発明の包装材が基材層を有する場合、基材層は上記したバリア層の外側に積層されていることが好ましい。この場合、図4に示すように、基材層とバリア層との間に1又は複数の任意の層が介在して積層されていてもよいし、図5に示すように、基材層とバリア層とが接触するように積層されていてもよい。基材層とバリア層との間に介在し得る任意の層としては、低密度ポリエチレン層、中密度ポリエチレン層、高密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層、メタロセンポリエチレン層、ポリプロピレン層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層、ナイロンポリビニルアルコール層、エチレン−酢酸ビニル共重合体層、ポリアクリロニトリル層、ポリスチレン層、セロファン層などを例示することができる。
これらの中でも、図6に示す、基材層/メタロセンポリエチレン層/バリア層/メタロセンポリエチレン層/シーラント層である積層構造が好ましく、このような積層構造としては、例えば、PET/SPE/AL/SPE/PEなどが挙げられる。
本発明の包装材における上記した積層構造の形成方法、換言すると、本発明の包装材の製造方法としては、特に制限されず、例えば、押し出しラミネート法やポリサンドラミネート法などの公知の方法が挙げられる。
本発明の包装材は、システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するために用いられる。つまり、本発明の包装材は、システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装材である。より具体的には、本発明の包装材は、後述するように袋状に成型し、包装袋として用いられる。本発明の包装材を袋状に成型した包装袋にシステインプロテアーゼを含有する粉末組成物を封入することにより、当該粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性の低下を抑制することができる。
本発明の包装袋は、上記した本発明の包装材を、シーラント層が最内層となるように、即ち、シーラント層が内容物と接触する層となるように、袋状に成型することにより得られる。袋状に成型する方法としては特に制限されず、例えば、四角形状の包装袋を成型する場合には、本発明の包装材2枚を互いのシーラント層が接触するように重ねあわせ、三辺に対してヒートシールを行うことにより開口部を有する袋状に成型することができる。その後、内容物を入れ、ヒートシールを行うことにより、内容物を包装袋に封入することができる。
本発明の包装袋に封入する内容物である粉末組成物は、システインプロテアーゼを含有し、かつ粉末形態である組成物であれば特に制限されない。システインプロテアーゼとしては、例えば、パパインファミリーのシステインプロテアーゼ、ショウガプロテアーゼ、オリザイン、及びカテプシン類などが挙げられる。なお、当該粉末組成物は、上記したシステインプロテアーゼを1種単独で含有していてもよいし、2種以上組み合わせて含有していてもよい。
また、当該粉末組成物は、システインプロテアーゼ以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、基剤(還元パラチノース、パラチノース、マルチトールなどの糖アルコール等)、増粘多糖類(例えば、キサンタンガム、グアーガム、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース等)、pH調整剤、着色料、矯味料、香料、湿気防止剤などが挙げられる。
システインプロテアーゼを含有する粉末組成物としては、例えば、本発明者らが特許出願を行った特願2015−090703号明細書及び特願2015−106416号明細書(いずれも未公開)に記載される組成物などが挙げられる。一例としては、パパイン等のシステインプロテアーゼ、還元パラチノース、キサンタンガム、湿気防止剤、着色料、pH調整剤などを含有する粉末組成物が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下では、システインプロテアーゼの代表例としてパパインを用いた。
下記表1に示す各種成分を下記表1に示す割合で混合して粉末組成物を調製した。
Figure 0006545547
次いで、下記表2に示す構成を有するサンプルNo.1〜11の包装材を縦60mm×横70mmの袋状に成型して包装袋を作製した。また、サンプルNo.11の包装袋は、サンプルNo.1の包装袋において最内層と最外層とが裏返しとなるようにして作製したものである。
なお、サンプルNo.1〜11の包装材はいずれも市販品であり、商品名は下記の通りである。
・サンプルNo.1及び11 :ラミジップAL(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.2 :ラミジップAL(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.3 :ユニパック(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.4 :ラミグリップVP(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.5 :ラミグリップOP(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.6 :ラミジップLZ(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.7 :ラミジップBY(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.8 :ユニパック(商品名、生産日本社製)
・サンプルNo.9 :吸湿保存バッグ(商品名、アズワン社製)
・サンプルNo.10 :カクケイCPP袋 (商品名、カクケイ社製)
また、下記表2の「包装袋の構成」欄では、包装材の積層構造及び各層の厚さを示している。例えば、「PET12/SPE15/AL7/SPE15/PE40」と示されたサンプルNo.1の包装材は、最内層がPE層であり、最外層がPET層であることを示している。また、各層を示す記号の右隣に付された数字は各層の厚さ(単位:μm)を示しており、「PE40」は、PE層が40μmであることを示している。
次いで、上記で調製した粉末組成物2gをそれぞれサンプルNo.1〜11の包装袋に入れ、密封した後、包装袋を上下に10回振った。その後、食品添加物公定書第8版「成分規格・保存規格」の「パパイン」の項(523〜524頁)に記載の「酵素活性測定法」に準じてパパインの酵素活性を測定した。具体的には以下のようにしてパパインの酵素活性を測定した。
L−システイン塩酸塩8.75gを水約800mlに加えて溶かし、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム2.23gを加えて溶解した後、1mol/L水酸化ナトリウム溶液でpH4.5に調整し、水を加えて1000mlとし、希釈液を調製した。次いで、サンプルNo.1〜11の包装袋から粉末組成物0.500gを正確に秤量し、上記で調製した希釈液を加えて溶解し、試料溶液50mlをそれぞれ調製した。
カゼイン試液(pH8.0)5mlを正確に量り、試験管に入れ、約37℃で10分間加温した後、上記で調製した試料溶液1mlを加え、直ちに振り混ぜ、混合溶液とした。次いで、当該混合溶液を約37℃で10分間反応させた後、トリクロロ酢酸試液5mlを加えて振り混ぜ、約37℃で30分間放置し、定量分析用ろ紙(5種C)を用いてろ過した。最初の3mlを除いたろ液につき、水を対照とし、波長275nmにおける吸光度(A)を測定した。また、別途、試料溶液1mlにトリクロロ酢酸試液5mlを加えてよく振り混ぜた後、さらにカゼイン試液(pH8.0)5mlを加えてよく振り混ぜ、約37℃で30分間放置し、上記と同様にしてろ過及び吸光度(A)の測定を行った。また、0.1mol/L塩酸を用いて、その1ml中にチロシン50.0μgを含むチロシン標準液を作製し、水を対照として、波長275nmの吸光度(A)を測定した。さらに、0.1mol/L塩酸について、水を対照とし、波長275nmにおける吸光度(AS0)を測定した。
上記で測定した各吸光度から、下記式(1)により、酵素活性(unit/g)を測定した。
Figure 0006545547
包装袋に入れる前に上記と同様にして算出した粉末組成物の酵素活性値を基準(100%)として、上記で算出した各酵素活性値から酵素活性の残存率をそれぞれ算出した。そして、得られた酵素活性の残存率について、酵素活性の残存率が95%以上であったものを「優れている(○印)」、90%以上95%未満であったものを「可(△印)」、90%未満であったものを「不可(×印)」という基準に基づいて評価を行った。酵素活性の残存率及び評価結果を下記表2の「残存率」欄及び「評価結果」欄にそれぞれ示す。
Figure 0006545547
上記表2から明らかなように、サンプルNo.1、2及び4の包装材を用いた場合には、酵素活性の残存率がいずれも95%以上という高い値を示すことが確認された。サンプルNo.1、2及び4と、サンプルNo.3及び5〜11との比較から、シーラント層、メタロセンポリエチレン層、及びバリア層を有しており、最内層がPE層又はCPP層であり、かつ最内層とSPE層とが接触して積層されている積層構造を有する包装材を用いた場合にのみ、粉末組成物に含まれるシステインプロテアーゼの酵素活性の低下を抑制することができることが分かった。

Claims (9)

  1. システインプロテアーゼを含有する粉末組成物を包装するための包装袋であって、
    前記包装袋は包装材から成型されてなり、
    前記包装材が、シーラント層、メタロセンポリエチレン層、及びバリア層を有し、かつ
    シーラント層とメタロセンポリエチレン層とが接触するように積層されており、
    前記シーラント層がポリエチレン層又は無延伸ポリプロピレン層であ
    前記包装材をシーラント層が最内層となるように袋状に成型されてなる、
    包装
  2. 前記バリア層が、前記メタロセンポリエチレン層の外側に配置されている、請求項1に記載の包装
  3. 前記バリア層が透明蒸着ポリエチレンテレフタレート層である、請求項2に記載の包装
  4. 前記バリア層が金属箔層である、請求項2に記載の包装
  5. さらに、基材層を有する、請求項4に記載の包装
  6. 前記基材層が、前記バリア層の外側に配置されている、請求項5に記載の包装
  7. 前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート層である、請求項6に記載の包装
  8. 前記包装材の積層構造が、基材層/メタロセンポリエチレン層/バリア層/メタロセンポリエチレン層/シーラント層である、請求項1、2、4〜7に記載のいずれか1項に記載の包装袋。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の包装袋、及び
    システインプロテアーゼを含有する粉末組成物
    を含有し、かつ
    前記粉末組成物が前記包装袋に封入されている、包装体。
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