JP6545525B2 - インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法、及び、インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法、及び、インクジェットプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法、及び、インクジェットプリンタに関する。
従来のインクジェットプリンタにおいて、ヘッドに設けられたノズルの目詰まり防止のために、ノズル面を保守部材でメンテナンスする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、ヘッドを封止してヘッドからインクを吸引するキャップ部材(保守部材)と、ヘッドのノズル開口面をワイピングするクリーニング部材とを備える。また、キャップ部材とクリーニング部材の一方または両方に、インク吸収材もしくはインク払拭部材が配設されている。これにより、この技術は、インク飛散を発生させるような現象を解消し、インクジェットプリンタ内部の広範囲の汚染、特に記録用紙(メディア)の汚染の問題を解決したものである。
特開2000−141691号公報
ところで、インクジェットプリンタにおいては、メディアの厚さに応じてヘッドのインクジェットプリンタにおけるプラテンに対する上下方向の位置、すなわち、高さを調節することがある。ヘッドの高さが調節された場合には、ヘッドの高さに応じて保守部材の高さを調節して、ノズル面が保守部材に対し確実に所望の高さに配置されるようにする必要がある。ところが、ヘッドの高さに応じてユーザが手動で保守部材の高さを調節すると、保守部材の高さの調節は、正確に調節することが困難で、調節には多大な手間と時間とを要する。また、メディアの厚さは様々であり、インクジェットプリンタに保守部材の高さを自動で調節をするための高さ調節手段を備えると、インクジェットプリンタは、大型化したり、高コスト化したりするおそれがある。このため、インクジェットプリンタを大型化せず、省スペース、低コストで保守部材の高さを調節することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、インクジェットプリンタを大型化させず、省スペースで保守部材の高さを調節することができるインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法、及び、インクジェットプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、上下方向に移動可能なヘッドのノズル面をメンテナンスする保守部材、および、前記保守部材を上下方向に移動させる第1高さ調節手段を有する保守用ユニットと、前記保守用ユニットを、上下方向に移動させる第2高さ調節手段と、を備え、前記第1高さ調節手段と前記第2高さ調節手段とのいずれか一方が前記ヘッドの移動に対応して前記保守部材を上下させるものであり、他方が前記保守部材を前記ノズル面に対し接近、離間させるものであることを特徴とする。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第1高さ調節手段によって、保守用ユニットの保守部材を上下方向に移動させることができる。また、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第1高さ調節手段と第2高さ調節手段とのいずれか一方によって、ヘッドの移動に対応して保守部材を上下動させ、かつ、他方によって保守部材をノズル面に対し接近、離間させるので、第1高さ調節手段と第2高さ調節手段とによる移動量を合計して保守部材が上下方向において所望の位置となればよく、第1高さ調節手段および第2高さ調節手段をそれぞれ小型化することができる。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、インクジェットプリンタを大型化させず、省スペースで保守部材の高さを調節することができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記第2高さ調節手段が前記保守用ユニットを上下方向に無段階で移動可能なものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第2高さ調節手段によって保守用ユニットを上下方向に無段階に移動することができる。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守部材の高さをより微細に調節することができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記第2高さ調節手段は、回転軸回りに回転自在に配設され、回転角度と変位量とが線形性を有するカムを有し、前記カムの前記回転軸回りにおける回転によって前記保守用ユニットが前記ノズル面に対して上下方向に移動されるものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第2高さ調節手段が回転角度と変位量とが線形性を有するカムを有する。インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第2高さ調節手段のカムの回転軸回りにおける回転によって保守用ユニットを上下方向に移動させることができる。このため、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、カムや回転軸の回転角度によって、保守用ユニット全体の上下方向の変位量である移動量を正確に調節することができる。これにより、保守用ユニット高さ調節システムは、第2高さ調節手段によって保守用ユニット全体の上下方向の移動量を正確に調節することが容易である。この結果、保守用ユニット高さ調節システムは、保守部材の高さを正確に調節することができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記カムは、前記保守用ユニットに下方から当接して配置され、平面視において多角形状を形成するように複数が配設されているものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第2高さ調節手段のカムが保守用ユニットに下方から当接して配置され、平面視において多角形状を形成するように複数が配設されている。このため、保守用ユニット高さ調節システムは、保守用ユニットをカム上に安定して配設することができる。これにより、保守用ユニット高さ調節システムは、例えば、保守用ユニットをカム上に保持するための保持手段などを別途備える必要がない。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、インクジェットプリンタを大型化させず、省スペースで保守部材の高さを調節することができる。また、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守部材の高さを正確に調節することができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記保守用ユニットと前記カムとが近接する方向に付勢する付勢手段、を備えるものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守用ユニットと第2高さ調節手段のカムとが近接する方向に付勢する付勢手段を備える。このため、インクジェットプリンタは、保守用ユニットを常時、カム側に付勢された状態でカム上に保持することができる。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守部材の高さを正確に調節することができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記保守部材に対して前記ノズル面を上下方向に移動させる第3高さ調節手段と、前記第3高さ調節手段による上下方向への移動量と前記第2高さ調節手段による上下方向への移動量とに基づいて、前記ノズル面と前記保守部材との上下方向の距離を制御する制御手段と、を備えるものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、制御手段によって、第3高さ調節手段による上下方向への移動量と第2高さ調節手段による上下方向への移動量とに基づいて、ノズル面と保守部材との上下方向の距離を制御することができる。このため、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、ユーザが手動でノズル面と保守部材との上下方向の距離を調節する必要がないので、保守部材の高さの調節を正確、かつ、容易に行うことができる。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守部材の高さを正確に調節することができる。これにより、保守部材は、いつでも適切にヘッドのノズル面をメンテナンスすることができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記制御手段は、前記第3高さ調節手段による上下方向への移動量に基づいて、前記第2高さ調節手段による上下方向への移動量を設定するものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、制御手段によって、第3高さ調節手段による上下方向への移動量に基づいて、第2高さ調節手段による上下方向への移動量を設定することができる。このため、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第3高さ調節手段によるノズル面の上下方向の移動量に連動して、第2高さ調節手段によって保守用ユニットを上下方向へ移動させることができる。これにより、ユーザが手動でノズル面と保守部材との上下方向の距離を調節する必要がないので、保守部材の高さの調節を正確、かつ、容易に行うことができる。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守部材の高さを正確に調節することができる。これにより、保守部材は、いつでも適切にヘッドのノズル面をメンテナンスすることができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムでは、前記第1高さ調節手段は、前記保守部材が、前記ノズル面に接近した接近位置と前記ノズル面から退避した退避位置とをスライドして取り得るように構成されているものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第1高さ調節手段が、保守部材がノズル面に接近した接近位置と保守部材がノズル面から退避した退避位置との間をスライドして取り得るものとすることができる。このため、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第1高さ調節手段が、迅速、かつ、正確に、保守部材を密着位置と退避位置との間を移動させることができる。また、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、第1高さ調節手段によって保守部材の上下方向の移動量を正確に調節することが容易である。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムは、保守部材の高さを正確に調節することができる。
本発明に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法は、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムを使用して、前記インクジェットプリンタの前記ヘッドの前記ノズル面に対し、前記ノズル面をメンテナンスする前記保守部材の高さを前記ノズル面に対して相対的に調節するインクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法であって、前記保守部材と前記ノズル面との距離を前記第1高さ調節手段によって調節する第1の工程と、前記保守部材と前記ノズル面との距離を前記第2高さ調節手段によって調節する第2の工程と、を備え、前記第1の工程によって調節された前記保守部材と前記ノズル面との距離を、さらに前記第2の工程によって調節することを特徴とする。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法は、第1の工程による保守部材とノズル面との距離の調節と、第2の工程による保守部材とノズル面との距離の調節とによって、保守部材とノズル面との距離の調節することができる。このため、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法は、第1の工程と第2の工程とによる調節によって保守部材がノズル面に対して所望の位置となればよく、第1の工程および第2の工程における調節量をそれぞれ小さくすることができる。
また、上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法では、第2の工程は、前記第1の工程によって調節された前記保守部材と前記ノズル面との距離よりも微細な距離の調節を行うものとすることができる。
上記インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法は、第2の工程における調節量を小さくすることができる。この結果、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法は、保守部材のノズル面に対する位置を正確に調節することができる。これにより、保守部材は、いつでも適切にヘッドのノズル面をメンテナンスすることができる。
本発明に係るインクジェットプリンタは、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムを備えたことを特徴とする。
上記インクジェットプリンタは、第1高さ調節手段によって、保守用ユニットの保守部材を上下方向に移動させることができる。また、インクジェットプリンタは、第2高さ調節手段によって、保守用ユニット全体を上下方向に移動させることができる。このように、インクジェットプリンタは、第1高さ調節手段による保守部材の上下方向への移動と、第2高さ調節手段による保守用ユニット全体の上下方向への移動とによって、保守部材を上下方向へ移動させることができる。このため、インクジェットプリンタは、第1高さ調節手段と第2高さ調節手段とによる移動量を合計して保守部材が上下方向において所望の位置となればよく、第1高さ調節手段および第2高さ調節手段をそれぞれ小型化することができる。この結果、インクジェットプリンタは、インクジェットプリンタを大型化させず、省スペースで保守部材の高さを調節することができる。
本発明に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム、インクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法、及び、インクジェットプリンタは、インクジェットプリンタを大型化させず、省スペースで保守部材の高さを調節することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を表す斜視図である。 図2は、実施形態に係るインクジェットプリンタの部分拡大図である。 図3は、実施形態に係るインクジェットプリンタのキャリッジの斜視図である。 図4は、実施形態に係るインクジェットプリンタのキャリッジ、第3高さ調節手段の斜視図である。 図5は、実施形態に係るインクジェットプリンタのキャリッジ、第3高さ調節手段の斜視図である。 図6は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第3高さ調節手段の部分拡大図であり、可動壁が下方に位置する状態を示す図である。 図7は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第3高さ調節手段の部分拡大図であり、可動壁が上方に位置する状態を示す図である。 図8は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守用ユニットの斜視図である。 図9は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守用ユニットの正面図である。 図10は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守用ユニットのベースプレートの斜視図である。 図11は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第2高さ調節手段の斜視図である。 図12は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第2高さ調節手段の部分拡大図であり、ベースプレートが下方に位置する状態を示す図である。 図13は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第2高さ調節手段の部分拡大図であり、ベースプレートが上方に位置する状態を示す図である。 図14は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムの概略構成を表すブロック図である。 図15は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムにおける情報処理を示すフロー図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を表す斜視図である。図2は、実施形態に係るインクジェットプリンタの部分拡大図である。図3は、実施形態に係るインクジェットプリンタのキャリッジの斜視図である。図4は、実施形態に係るインクジェットプリンタのキャリッジ、第3高さ調節手段の斜視図である。図5は、実施形態に係るインクジェットプリンタのキャリッジ、第3高さ調節手段の斜視図である。図6は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第3高さ調節手段の部分拡大図であり、可動壁が下方に位置する状態を示す図である。図7は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第3高さ調節手段の部分拡大図であり、可動壁が上方に位置する状態を示す図である。図8は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守用ユニットの斜視図である。図9は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守用ユニットの正面図である。図10は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守用ユニットのベースプレートの斜視図である。図11は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第2高さ調節手段の斜視図である。図12は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第2高さ調節手段の部分拡大図であり、ベースプレートが下方に位置する状態を示す図である。図13は、実施形態に係るインクジェットプリンタの第2高さ調節手段の部分拡大図であり、ベースプレートが上方に位置する状態を示す図である。図14は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムの概略構成を表すブロック図である。図15は、実施形態に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムにおける情報処理を示すフロー図である。
本実施形態に係るインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム(以下、単に「保守部材高さ調節システム」という)1は、縦型やフラットベッド型等、種々の形式のインクジェット印刷装置(以下、インクジェットプリンタという)100に適用され、インクジェットプリンタ100にインクを供給するものである。
以下では、便宜上、図1に示すように、互いに直交する3つの方向をそれぞれ鉛直方向(上下方向)、主走査方向および副走査方向と定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。鉛直方向は、インクジェットプリンタの高さ方向であり、主走査方向は、キャリッジの往復動する方向であり、副走査方向は主走査方向と直交する方向である。鉛直方向における下方は、重力が作用する方向である。なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。
インクジェットプリンタ100は、図1に示すように、主として、被プリント媒体である対象物にインクを吐出するノズルが設けられたノズル面(不図示)を備えた不図示のインクジェットヘッドと、保守部材高さ調節システム1とを備えている。ここで、対象物としては記録媒体(メディア)であり、メディアは、紙に限らず、板や布帛、構造体のような種々の物品であってよい。
プラテン101は、図2に示すように、メディアが載置される支持台である。より詳しくは、プラテン101は、搬送ローラ(不図示)によって搬送されたメディアを支持するものである。
操作部102(図2および図14参照)は、タッチ式の液晶パネル等で構成されている。操作部102は、ユーザによって操作されるものである。操作部102は、例えば、インクジェットヘッドのクリーニングを実行する旨が入力される。また、操作部102は、コントローラ50(図14参照)と電気的に接続されている。これにより、操作部102は、入力された制御信号をコントローラ50に出力する。
インクジェットヘッドは、メディアにインクを吐出するものである。インクジェットヘッドは、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)、ホワイト、および、その他の色にそれぞれ対応する複数のノズルを有する。なお、インクジェットヘッドは、単数でも複数でもよい。このインクジェットヘッドは、インクジェットプリンタ100の主走査方向に往復動する後述するキャリッジ110に配設される。インクジェットヘッドは、キャリッジ110に組み付けられたベースプレート111に組み付けられている。具体的に、インクを吐出するノズルが設けられたノズル面を有するインクジェットヘッドは、ベースプレート111を貫通する貫通孔126に嵌め込まれて、ノズル面がベースプレート111の下面からメディア側に僅かに露出するように保持されている。インクジェットヘッドは、キャリッジ110が主走査方向へ往復動すると、それに連動して主走査方向へ往復動する。このインクジェットヘッドの主走査方向への往復動は、後述するコントローラ50を介してヘッド制御部51(図14参照)によって制御される。
また、インクジェットヘッドは、メディアの厚さに応じてプラテン101に対する高さの調節が可能で、すなわち、上下方向に移動可能である。具体的には、インクジェットヘッドとメディアのプリント面との間の距離が一定となるように、インクジェットヘッドは、プラテン101に対する高さが調節される。例えば、メディアの厚さが大きい場合、インクジェットヘッドは、プラテン101に対して上方に高さを調節する。また、例えば、メディアの厚さが小さい場合、インクジェットヘッドは、プラテン101に対して下方に高さを調節する。
キャリッジ110は、インクジェットヘッドを保持するものである。キャリッジ110は、インクジェットプリンタ100の筐体に配設されている。キャリッジ110は、モータ等を用いた駆動機構であるヘッド移動機構115によって主走査方向に移動自在に配設されている。副走査方向への移動は、メディアの移動により行われる。キャリッジ110は、図3ないし図5に示すように、ベースプレート111と、側壁112と、可動壁113と、ヘッド移動機構115(図14参照)とを有している。
ベースプレート111は、インクジェットヘッドが組み付けられるものである。ベースプレート111は、平板で矩形状に形成されている。ベースプレート111は、長手方向が主走査方向と一致し、短手方向が副走査方向と一致している。ベースプレート111は、板厚方向に貫通する貫通孔126が形成されている。この貫通孔126は、このインクジェットプリンタ100におけるインクジェットヘッドの数と同数が形成されている。キャリッジ110は、貫通孔126にインクジェットヘッドを嵌め込んで、インクを吐出するノズルが設けられたノズル面が、ベースプレート111の下面より僅かにメディア側に突出するようにインクジェットヘッドを支持するものである。また、ベースプレート111は、後述する側壁112に対して鉛直方向に摺動自在に配設されている。また、ベースプレート111は、後述する可動壁113に連結されている。ベースプレート111は、後述する第3高さ調節手段120によって側壁112に対して高さ調節自在である。より詳しくは、ベースプレート111は、第3高さ調節手段120によって可動壁113の高さが調節されることで、可動壁113に追従して高さが調節される。このようにして、ベースプレート111の高さが調節されると、インクジェットヘッドは、高さが調節される。
側壁112は、ベースプレート111に対して垂直に立設されている。この側壁112は、インクジェットプリンタ100の筐体における高さが固定されている。すなわち、側壁112は、プラテン101に対する高さが固定されている。側壁112には、ベースプレート111および可動壁113が鉛直方向に摺動自在に配設されている。側壁112は、後述する第3高さ調節手段120の回転軸121を回転自在に支持する貫通孔(不図示)が形成されている。
可動壁113は、側壁112に対して鉛直方向に摺動自在に配設されている。可動壁113は、側壁112に対向して配設されている。可動壁113は、ベースプレート111に対して垂直に立設されている。より詳しくは、可動壁113は、ベースプレート111の副走査方向における一端側に連結され、上方に立設されている。可動壁113の上端部には、当接部113aが形成されている。当接部113aは、常時、後述する第3高さ調節手段120のカム122と当接するものである。当接部113aは、図6および図7に示すように、カム122のカム面122aと係合する大きさ、形状に形成されている。当接部113aは、後述する引張ばね125によって付勢されてカム122のカム面122aに押し当てられている。
第2可動壁114は、キャリッジ110内に組み付けられた他部材(不図示)を載置するものである。第2可動壁114は、後述する第3高さ調節手段120によって高さ調節自在に配設されている。より詳しくは、第2可動壁114は、第3高さ調節手段120によってベースプレート111の高さが調節されると連動して高さが調節されるので、第3高さ調節手段120によってプラテン101に対するキャリッジ110の高さが自在に調節可能に構成されている。
ヘッド移動機構115は、キャリッジ110を移動させる駆動力を供給するものである。より詳しくは、ヘッド移動機構115は、モータ等の動力源を有しており、コントローラ50からの制御信号によって作動し、駆動力を発生する。
第3高さ調節手段120は、インクジェットヘッドのプラテン101に対する高さを調節するものである。第3高さ調節手段120は、ベースプレート111と可動壁113と第2可動壁114とを鉛直方向に移動させるものである。第3高さ調節手段120は、図3ないし図5に示すように、回転軸121と、カム122と、ハンドル123と、伝達機構124と、引張ばね125とを備える。
回転軸121は、側壁112の上側に回転自在に軸支されている。回転軸121は、その軸線方向が主走査方向に一致している。回転軸121は、軸線方向の端部が側壁112から突出している。回転軸121の軸線方向の一端には、後述するハンドル123が配設されている。回転軸121は、ハンドル123によって回転操作される。また、回転軸121の軸線方向の他端には、後述する伝達機構124が配設されている。
カム122は、回転軸121の両端部に配設されている。カム122は、回転軸121が貫通している。カム122は、回転軸121の回転に連動して回転軸121を中心にして回転する。カム122は、偏心カムである。カム122は、回転角度と変位量とが線形性を有する。カム122は、回転角度にその変位量が比例する。また、カム122は、いずれも回転軸121に対して同じ姿勢となるように配設されている。すなわち、カム122によって下方から支持された可動壁113は、カム122が回転すると、その上面が水平を維持した状態で鉛直方向に移動する。これらにより、カム122は、回転角度によって容易に変位量を調節することができる。また、カム122は、可動壁113の当接部113aに下方から当接している。カム122は、回転することで可動壁113を鉛直方向に移動させる。これにより、ベースプレート111が鉛直方向に移動するので、インクジェットヘッドは、プラテン101に対する高さが調節される。なお、本実施形態では、カム122は、2つ設けられているが、本発明では、これに限らず、3つ以上設けられてもよい。
カム122は、図6および図7に示すように、可動壁113の当接部113aと当接して可動壁113を鉛直方向に移動させるカム面122aを外周面に設けている。カム122のカム面122aは、回転軸121と平行に形成された曲面で形成されている。カム面122aは、外径が大きな大径部122aAと、外径が大径部122aAよりも小さな小径部122aBとが滑らかに連続して一体化されている。本実施形態では、図7に示すように、大径部122aAに当接部113aが当接している場合、可動壁113は、鉛直方向の上側に位置している。また、図6に示すように、小径部122aBに当接部113aが当接している場合、可動壁113は、鉛直方向の下側に位置している。
また、カム122には、カム122の回転角度、回転数を検出する第1センサ122s(検出手段、図14参照)が設けられている。第1センサ122sは、検出したカム122の回転角度、回転数をコントローラ50に出力する。第1センサ122sによって検出されたカム122の回転角度、回転数に基づいて、インクジェットヘッドの上下方向の変位量、すなわち、高さの移動量(キャリッジ110の移動量)が算出される。
ハンドル123は、回転軸121の軸線方向の一端に配設されている。ハンドル123は、回転軸121を軸線回りに回転させるものである。ハンドル123は、ユーザによって手動で回転操作される。より詳しくは、ユーザは、メディアの厚さに応じてインクジェットヘッドのプラテン101に対する高さを調節する際に、このハンドル123を回転操作して、ベースプレート111が鉛直方向に移動して、インクジェットヘッドのプラテン101に対する高さを調節する。
伝達機構124は、回転軸121の回転をキャリッジ110の第2可動壁114に伝達するものである。より詳しくは、伝達機構124は、回転軸121の回転に追従して第2可動壁114を鉛直方向に移動させる機構を有する。これにより、第2可動壁114上に組み付けられた部材は、回転軸121が回転してインクジェットヘッドの高さが調節されると、それに追従して鉛直方向に移動される。
引張ばね125は、可動壁113の当接部113aをカム122のカム面122aに向かって付勢するものである。引張ばね125は、コイルばねで構成されている。引張ばね125は、一端が当接部113aに固定され、他端が側壁112の鉛直方向において中央部に固定されている。本実施形態では、引張ばね125は、2つ設けられているが、本発明では、これに限らず、3つ以上設けられてもよい。
キャッピングステーション130は、図2に示すように、インクジェットプリンタ100の主走査方向のメディアの印刷領域の外に配設されている。キャッピングステーション130には、図8および図9に示すように、主として、保守用ユニット10と、第2高さ調節手段40と、コントローラ50(図14参照)とを有する保守部材高さ調節システム1が配設されている。
保守用ユニット10は、保守部材20と、第1高さ調節手段30とを有する。保守用ユニット10は、後述する第2高さ調節手段40のベースプレート42上に配設されている。
保守部材20は、下方からインクジェットヘッドのノズル面を覆い、ノズルのインクが乾燥することを抑制するものである。保守部材20は、洗浄液が導入される。保守部材20は、後述する第1高さ調節手段30の延設壁部32に対して鉛直方向に移動自在に配設されている。保守部材20は、図8および図9に示すように、ベースプレート21と、壁部22と、ガイドピン22aと、ノズル面を覆うキャップ本体23とを備えている。
ベースプレート21は、平板で矩形状に形成されている。ベースプレート21は、長手方向が主走査方向と一致し、短手方向が副走査方向と一致している。ベースプレート21は、板厚方向に貫通した長孔21aが形成されている。長孔21aは、副走査方向に延在している。長孔21aは、このインクジェットプリンタ100におけるインクジェットヘッドの数と同数が形成されている。本実施形態において、長孔21aは、4つ形成されている。長孔21aには、その一部分を覆った状態で後述するキャップ本体23が組み付けられている。また、ベースプレート21は、延設壁部32に対して主走査方向において待機位置と反対側に引張ばね(不図示)によって付勢されている。さらに、ベースプレート21は、延設壁部32に対して退避位置に留まるように引張ばね(不図示)によって付勢されている。このようなベースプレート21は、後述する第1高さ調節手段30によって鉛直方向に移動して高さ調節自在である。
壁部22は、ベースプレート21の副走査方向における両端部から上方に立設されている。壁部22は、副走査方向に間隔を空けて対向して一対が配設されている。ガイドピン22aは、壁部22から副走査方向に突設されている。ガイドピン22aは、軸線方向が副走査方向に一致した円柱状に形成されている。ガイドピン22aは、壁部22において主走査方向に間隔を空けて2つ配設されている。ガイドピン22aは、一対の壁部22にそれぞれ配設されている。このようなガイドピン22aは、後述する第1高さ調節手段30のスライド孔33に挿入されて、スライド孔33に沿ってスライドする。ガイドピン22aがスライド孔33に挿入されていることにより、ベースプレート21は、延設壁部32に対してスライドかつ鉛直方向に移動可能に支持されている。
キャップ本体23は、インクジェットヘッドのノズル面を覆うものである。キャップ本体23は、インクジェットヘッドのノズル面に対応した形状、大きさに形成されている。キャップ本体23においてノズル面を覆う対向面23aにはノズル面を保護するため柔軟性、吸湿性を有する保護シート(フェルトなど不織布シート)に覆われている。
第1高さ調節手段30は、保守部材20の高さを調節するものである。より詳しくは、第1高さ調節手段30は、保守部材20を上方向に移動させてノズル面に密着させ、保守部材20を下方向に移動させてノズル面に対して下方に退避させるものである。第1高さ調節手段30は、壁部31と、延設壁部32と、スライド孔33とを備える。第1高さ調節手段30は、後述する第2高さ調節手段40のベースプレート42上に配設されている。
壁部31は、平板で矩形状に形成されている。壁部31は、長手方向が主走査方向と一致し、短手方向が鉛直方向と一致している。壁部31は、副走査方向に間隔を空けて対向して一対が配設されている。一対の壁部31間には、ベースプレート21が配設されている。
延設壁部32は、壁部31の上端部において主走査方向の両端部からそれぞれ上方に延設されている。すなわち、延設壁部32は、壁部31の上端部において主走査方向に間隔を空けて2つ配設されている。延設壁部32は、矩形状に形成されている。延設壁部32は、長手方向が主走査方向と一致し、短手方向が鉛直方向と一致している。延設壁部32は、キャップ位置(密着位置)においてインクジェットヘッドの外壁面に当接可能である。ここで、キャップ位置とは、キャップ本体23がインクジェットヘッドに対して各々密着した位置のことである。また、退避位置とは、キャップ本体23がインクジェットヘッドから離間した位置のことである。
スライド孔33は、延設壁部32を板厚方向に貫通して形成されている。スライド孔33は、主走査方向に沿って進むにつれて鉛直方向に傾斜して形成された長孔である。スライド孔33は、下直線部33aと、上直線部33bと、下直線部33aと上直線部33bとを滑らかに連結する傾斜部33cとを有する。下直線部33aは、延設壁部32において主走査方向の一端側、かつ、延設壁部32の下側に形成されている。下直線部33aは、鉛直方向の高さが一定である。上直線部33bは、延設壁部32において主走査方向の他端側、かつ、延設壁部32の上側に形成されている。上直線部33bは、鉛直方向の高さが下直線部33aより高く、一定である。傾斜部33cは、延設壁部32の主走査方向において下直線部33aと上直線部33bとの間に位置している。傾斜部33cは、下直線部33aと上直線部33bとを連結して鉛直方向に傾斜している。
このように構成された第1高さ調節手段30は、キャリッジ110の待機位置への移動にともなって、保守部材20を搭載したベースプレート21を引張ばねの付勢力に抗して延設壁部32に対してスライドさせる。これにより、キャップ本体23は、インクジェットヘッドから離間した退避位置とインクジェットヘッドに対して各々密着するキャップ位置との間を移動する。この動作は、スライドにより行われるため、保守部材20の大幅な高さ調節を迅速に行うことが出来る。また、常に一定した高さ調節を行うことが出来る。ここで、待機位置とは、キャリッジ110がキャッピングステーション130の直上にある位置のことである。
このような保守用ユニット10において、ガイドピン22aは、保守部材20が退避位置に位置しているとき、下直線部33aに係止するようになっている。また、ガイドピン22aは、保守部材20がキャップ位置に位置しているとき、上直線部33bに係止するようになっている。また、スライド孔33は、保守部材20が退避位置からキャップ位置、または、キャップ位置から退避位置に移動するとき、傾斜部33cに沿ってスライドするようになっている。こうして、ベースプレート21の両側壁に突設されたガイドピン22aがスライド孔33に貫通して延設壁部32と係止したままこのベースプレート21がスライドすることで、保守部材20は、退避位置とキャップ位置との間を移動する。
第2高さ調節手段40は、保守用ユニット10のキャリッジ110に対する高さを無段階に調節するものである。第2高さ調節手段40は、図8ないし図11に示すように、支持フレーム41と、ベースプレート42と、回転軸43,44と、カム45と、ハンドル46と、伝達機構47と、アクチュエータ48(駆動手段、図14参照)と、引張ばね49(付勢手段)とを備えている。
支持フレーム41は、図8ないし図11に示すように、板材をL字型に加工して形成されている。支持フレーム41は、水平壁部41aと、水平壁部41aから鉛直方向に立設した側壁部41bとを有する。支持フレーム41は、副走査方向に延在している。支持フレーム41は、主走査方向に間隔を空けて対向して一対が配設されている。一対の支持フレーム41間には、ベースプレート42が配設されている。支持フレーム41は、後述する回転軸43,44を回転自在に支持する貫通孔(不図示)が形成されている。支持フレーム41は、インクジェットプリンタ100の筐体に配設されている。支持フレーム41は、プラテン101に対して鉛直方向の位置が固定されている。
ベースプレート42は、保守用ユニット10が搭載されるものである。ベースプレート42は、後述するカム45によって支持フレーム41に対して鉛直方向に移動自在に配設されている。このベースプレート42は、平板で矩形状に形成されている。ベースプレート42は、長手方向が主走査方向と一致し、短手方向が副走査方向と一致している。ベースプレート42は、板厚方向に貫通した貫通孔42a(図10参照)が形成されている。貫通孔42aの上方には、保守用ユニット10が組み付けられている。ベースプレート42の下側には、カム45と当接する当接部42bが形成されている。当接部42bは、カム45と当接するものである。当接部42bは、図12および図13に示すように、カム45のカム面45aと係合する大きさ、形状に形成されている。
回転軸43は、支持フレーム41の側壁部41bに回転自在に軸支されている。回転軸43は、その軸線方向が主走査方向に一致している。回転軸43は、端部が側壁部41bから突出している。回転軸43の軸線方向の一端には、後述するハンドル46が配設されている。回転軸43は、ハンドル46によって回転操作される。また、回転軸43の軸線方向の他端には、後述する伝達機構47が配設されている。
回転軸44は、回転軸43と同様に構成されている。回転軸44は、回転軸43と副走査方向に間隔を空けて配設されている。回転軸44の軸線方向の他端には、後述する伝達機構47が配設されている。これにより、回転軸44は、回転軸43の回転に連動して回転操作される。
カム45は、図11に示すように、回転軸43,44の両端部に配設されている。カム45は、回転軸43,44が貫通している。カム45は、回転軸43,44の回転に連動して回転軸43,44を中心にして回転する。カム45は、偏心カムである。カム45は、回転角度と変位量とが線形性を有するので、無段階で高さ調節が可能とされている。カム45は、回転角度と変位量とが比例する。また、カム45は、いずれも回転軸43,44に対して同じ姿勢となるように配設されている。すなわち、カム45によって下方から支持されたベースプレート42は、カム45が回転すると、その上面が水平を維持した状態で鉛直方向に移動する。これらにより、カム45は、回転角度によって容易に変位量を調節することができる。カム45は、図12および図13に示すように、ベースプレート42の当接部42bに下方から当接している。カム45は、回転することでベースプレート42を鉛直方向に移動させるので、第1高さ調節手段よりも微細な高さ調節が可能である。これにより、ベースプレート42が鉛直方向に移動するので、保守用ユニット10は、高さが調節される。なお、本実施形態では、カム45は、各回転軸43,44に2つずつ設けられているが、本発明では、これに限らず、各回転軸43,44に3つ以上設けられてもよい。
カム45は、ベースプレート42の当接部42bと当接してベースプレート42を鉛直方向に移動させるカム面45aを外周面に設けている。カム45のカム面45aは、回転軸43,44と平行に形成された曲面で形成されている。カム面45aは、外径が大きな大径部45aAと、外径が大径部45aAよりも小さな小径部45aBとが滑らかに連続して一体化されている。本実施形態では、図13に示すように、大径部45aAにベースプレート42の当接部42bが当接している場合、ベースプレート42は、鉛直方向の上側に位置している。また、図12に示すように、小径部45aBにベースプレート42の当接部42bが当接している場合、ベースプレート42は、鉛直方向の下側に位置している。
また、カム45には、カム45の回転角度、回転数を検出する第2センサ45s(図14参照)が設けられている。第2センサ45sは、検出したカム45の回転角度、回転数をコントローラ50に出力する。
ハンドル46は、回転軸43の一端部に配設されている。ハンドル46は、回転軸43を軸線回りに回転させるものである。ハンドル46は、ユーザによって手動で回転操作される。なお、本実施形態において、通常、後述するアクチュエータ48によって回転軸43が回転されるようになっており、ハンドル46は、ユーザが手動で回転軸43を回転操作したい場合に限って使用される。
伝達機構47は、回転軸43の回転を回転軸44に伝達するものである。すなわち、伝達機構47は、回転軸43の回転に連動して回転軸44を回転させるものである。
アクチュエータ48は、回転軸43,44を回転するための駆動力を供給するものである。より詳しくは、アクチュエータ48は、モータ等の動力源を有しており、コントローラ50からの制御信号によって作動し、駆動力を発生する。このアクチュエータ48は、回転軸43を回転する。回転軸43が回転することで、回転軸44は、伝達機構47を介して回転する。
引張ばね49は、図9および図11に示すように、ベースプレート42の当接部42bをカム45のカム面45aに向かって付勢するものである。引張ばね49は、コイルばねで構成されている。引張ばね49は、一端がベースプレート42の当接部42b側に固定され、他端が支持フレーム41の水平壁部41aに固定されている。本実施形態では、引張ばね49は、4つ設けられているが、本発明では、これに限らず、5つ以上設けられてもよい。
コントローラ50は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、以下のプロセスを実行するプログラムを格納したメモリを備える。また、インクジェットプリンタ100の各装置の駆動と停止を制御する駆動回路等も含まれる。なお、コントローラ50における演算処理を行うプログラムは、インクジェットプリンタ100に接続可能な記憶手段、外部のコンピュータ(インターネット空間で構築されるリソース形態を含む)等に格納されている場合がある。下記プロセス等の全ての制御は、この制御プロセスを実行するプログラムに基づいてコントローラ50により行われる。コントローラ50は、図14に示すように、操作部102、第1センサ122s、第2センサ45s、ヘッド移動機構115、および、アクチュエータ48が電気的に接続されている。コントローラ50は、ヘッド移動機構115やアクチュエータ48のドライバ回路が含まれる。また、コントローラ50は、ヘッド制御部51と、高さ調節制御部52とを有する。
ヘッド制御部51は、ユーザによってインクジェットヘッドのクリーニングを実行する制御信号が操作部102を介して入力されたと判定すると、ヘッド移動機構115を駆動してインクジェットヘッドをキャッピングステーション130に移動させる制御を行う機能を有するプログラム、タスクである。具体的に、ヘッド制御部51は、ヘッド移動機構115に対して制御信号を出力してキャリッジ110を移動させる制御を行う。ヘッド制御部51は、インクジェットプリンタ100が起動されている間、常時、操作部102からの入力を待機する。
高さ調節制御部52は、インクジェットヘッドのプラテン101に対する高さが調節されたと判定すると、第2高さ調節手段40を駆動して保守用ユニット10の高さを調節する制御を行う機能を有するプログラム、タスクである。高さ調節制御部52は、インクジェットプリンタ100が起動されている間、常時、第1センサ122sからの入力を待機する。
高さ調節制御部52は、具体的に、図15のフローに基づいた処理を行う。高さ調節制御部52は、インクジェットヘッドの高さが調節されたか否かを判定する(ステップS1)。具体的に、高さ調節制御部52は、第1センサ122sからカム122の回転角度、回転数が変化したことを検出したか否かを判定する。高さ調節制御部52は、検出していないと判定している場合(「NO」の場合)は、ステップS1において検出するまで待機する。高さ調節制御部52は、検出したと判定した場合(「YES」の場合)、アクチュエータ48に対して制御信号を出力して第2高さ調節手段40を駆動する制御を行う(ステップS2)。高さ調節制御部52は、第1センサ122sによって検出されたカム122の回転角度、回転数に基づいて算出されたインクジェットヘッドの上下方向の変位量、すなわち、高さの移動量を算出し、算出した移動量に基づいて保守用ユニット10が第2高さ調節手段40によって移動するようにアクチュエータ48を制御する。
例えば、ステップS2において、高さ調節制御部52は、インクジェットヘッドの移動量と保守用ユニット10の移動量が同量となるようにアクチュエータ48を制御する。これにより、保守用ユニット10の移動量がインクジェットヘッドの移動量と同量になるように、ベースプレート42は、高さが調節される。
また、例えば、ステップS2において、高さ調節制御部52は、第2高さ調節手段40による保守用ユニット10の移動量と第1高さ調節手段30による保守部材20の移動量との合計が、インクジェットヘッドの移動量となるようにアクチュエータ48を制御してもよい。この場合、第1高さ調節手段30のスライド孔33の全長が余裕をもって形成されており、ガイドピン22aは、傾斜部33cの途中で停止することも許容されるものとする。具体的には、高さ調節制御部52は、インクジェットヘッドの移動量より保守用ユニット10の移動量が小さくなるようにアクチュエータ48を制御してもよい。この場合、第1高さ調節手段30による保守部材20の移動量は、その分大きくなる。また、具体的には、高さ調節制御部52は、インクジェットヘッドの移動量より保守用ユニット10の移動量が大きくなるようにアクチュエータ48を制御してもよい。この場合、第1高さ調節手段30による保守部材20の移動量は、その分小さくなる。このようにして、第2高さ調節手段40による保守用ユニット10の移動量と第1高さ調節手段30による保守部材20の移動量との合計が、インクジェットヘッドの移動量となるようにアクチュエータ48が制御される。これにより、保守用ユニット10の移動量がインクジェットヘッドの移動量と同量になるように、高さが調節される。このようにして、いずれの場合も、第2高さ調節手段40による保守用ユニット10の移動量と第1高さ調節手段30による保守部材20の移動量との合計がインクジェットヘッドの移動量となるように、アクチュエータ48は、制御される。
次に、保守部材高さ調節システム1を用いたインクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法(以下、単に「保守部材高さ調節方法」という)を説明する。
まず、メディアの厚さに応じてインクジェットヘッドのプラテン101に対する高さを調節する場合について説明する。
ユーザは、第3高さ調節手段120のハンドル123を回転操作する。そして、回転軸121が回転するとカム122が回転して、可動壁113は、鉛直方向に移動する。これに連動して、ベースプレート111が鉛直方向に移動して、インクジェットヘッドは、プラテン101に対する高さが調節される。このとき、カム122の回転角度、回転数が第1センサ122sによって検出されて、コントローラ50に出力される。
そして、コントローラ50は、高さ調節制御部52が第1センサ122sから出力されたカム122の回転角度、回転数に基づいてインクジェットヘッドのプラテン101に対する高さが調節されたと判定すると、アクチュエータ48に対して制御信号を出力する。アクチュエータ48は、第2高さ調節手段40を駆動して保守用ユニット10の高さを調節する。ここでは、保守用ユニット10の移動量がインクジェットヘッドの移動量と同量になるように、ベースプレート42は、高さ調節制御部52によって高さが調節されるものとする。
このようにして、ユーザによってインクジェットヘッドのプラテン101に対する高さが調節されると、コントローラ50の高さ調節制御部52によって保守用ユニット10の高さが自動で調節される。例えば、メディアの厚さが小さい場合、インクジェットヘッドのプラテン101に対する高さは小さくなり、逆にメディアの厚さが大きい場合、インクジェットヘッドのプラテン101に対する高さは大きくなる。メディアの厚さが小さい場合には、第1高さ調節手段30のみによりキャップ位置に到達させることが出来るが、メディアの厚さが大きくなった場合、インクジェットヘッドのプラテン101からの高さが大きくなるため、第1高さ調節手段30だけではキャップ位置に到達させることが出来ず、キャップ本体23が密着できなくなる。そこで不足分を第2高さ調節手段40で補充することで、メディアの厚さに関わらず適切なキャップ位置に保守部材20を配置することが出来る。例えば、最も薄いメディア(薄紙)に対応するインクジェットヘッドのプラテン101からの高さに対応して、第1高さ調節手段30のみにより適切な高さに調節可能な高さに保守部材20の高さを設定し、メディアの厚みに応じて第2高さ調節手段30を調節するようにしても良い。更に、メディアの厚みに応じてインクジェットヘッドのプラテン101からの高さを調節するのは第3高さ調節手段50であることから、最も薄いメディアに対し第1高さ調節手段30のみで対応可能に設定すると共に、第2高さ調節手段40と第3高さ調節手段50とを連動(例えば、第3高さ調節手段50によりインクジェットヘッドを1mm高くした場合、高さ調節制御部52により第2高さ調節手段40による保守用ユニット10の高さを1mm高く調節する等)させて、高い精度で保守部材10の高さ調節を行うようにしても良い。
つぎに、インクジェットヘッドのクリーニングを実行する場合について説明する。
ユーザは、操作部102を操作してインクジェットヘッドのクリーニングを実行する旨を入力する。そして、操作部102は、コントローラ50に対してインクジェットヘッドのクリーニングを実行する旨の制御信号を出力する。ヘッド制御部51は、ヘッド移動機構115に対して制御信号を出力する。ヘッド移動機構115は、駆動されてキャリッジ110を待機位置に移動する。キャリッジ110の待機位置までの移動時には、ベースプレート21は、延設壁部32に対して主走査方向において待機位置と反対側に引張ばねによって引っ張られている。このとき、ガイドピン22aは、スライド孔33の下直線部33aの孔端部に位置している。よって、ベースプレート21は、延設壁部32の下側に位置している。また、保守部材20は、退避位置に位置している。
そして、キャリッジ110が待機位置に到達すると、キャリッジ110の移動方向前端部(不図示)とベースプレート21の係止部(不図示)とが係止する。そして、キャリッジ110の走査に連動して、ベースプレート21は、引張ばねの付勢力に抗して主走査方向へスライドする。このとき、ベースプレート21は、ガイドピン22aがスライド孔33に沿って下直線部33aから傾斜部33cを通過して上直線部33bの孔端部までスライドする。このようにして、ベースプレート21は、延設壁部32の上側に位置する。また、保守部材20は、キャップ位置に移動してノズル面に密着する。
以上で説明した実施形態に係る保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタによれば、第1高さ調節手段30によって、保守用ユニット10の保守部材20を上方向に移動させてノズル面に密着させ、保守部材20を下方向に移動させてノズル面に対して下方に退避させることができる。また、保守部材高さ調節システム1は、第2高さ調節手段40によって、保守用ユニット10全体を鉛直方向に移動させることができる。このように、保守部材高さ調節システム1は、第1高さ調節手段30による保守部材20の鉛直方向への移動と、第2高さ調節手段40による保守用ユニット10全体の鉛直方向への移動とによって、保守部材20を鉛直方向へ移動させることができる。このため、保守部材高さ調節システム1は、第1高さ調節手段30と第2高さ調節手段40とによる移動量を合計して保守部材20が鉛直方向において所望の位置となればよく、第1高さ調節手段30および第2高さ調節手段40をそれぞれ小型化することができる。この結果、保守部材高さ調節システム1は、インクジェットプリンタ100を大型化させず、省スペースで保守部材20の高さを調節することができる。
より詳しくは、例えば、第1高さ調節手段30のスライド孔33を長く形成しなくても、第2高さ調節手段40によって保守用ユニット10全体を鉛直方向に移動させることで、保守部材20を鉛直方向へ移動させることができる。このため、第1高さ調節手段30の大型化を回避することで、インクジェットプリンタ100の大型化を回避することができる。また、迅速に大幅な高さ調節を行うことが出来る第1高さ調節手段30と、微細な高さ調節を行うことが出来る第2高さ調節手段40との組み合わせにより、保守部材20を高い精度で迅速に所望の高さに調節して配置することが出来る。
しかも、上記保守部材高さ調節方法は、第1の工程による保守部材20とノズル面との距離の調節と、第2の工程による保守部材20とノズル面との距離の調節とによって、保守部材20とノズル面との距離の調節することができる。このため、保守部材高さ調節方法は、第1の工程と第2の工程とによる調節によって保守部材20がノズル面に対して所望の位置となればよく、第1の工程および第2の工程における調節量をそれぞれ小さくすることができる。
また、上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタは、第2高さ調節手段40によって保守用ユニット10を鉛直方向に無段階に移動することができる。この結果、保守部材高さ調節システム1は、保守部材20の高さをより微細に調節することができる。
また、上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタによれば、第2高さ調節手段40が回転角度と変位量とが線形性を有するカム45を有する。保守部材高さ調節システム1は、第2高さ調節手段40のカム45の回転軸43,44回りにおける回転によって保守用ユニット10を鉛直方向に移動させることができる。このため、保守部材高さ調節システム1は、カム45や回転軸43,44の回転角度によって、保守用ユニット10全体の鉛直方向の変位量である移動量を正確に調節することができる。これにより、保守部材高さ調節システム1は、第2高さ調節手段40によって保守用ユニット10全体の鉛直方向の移動量を正確に調節することが容易である。この結果、保守部材高さ調節システム1は、保守用部材20の高さを正確に調節することができる。
また、上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタによれば、第2高さ調節手段40のカム45が保守用ユニット10に下方から当接して配置され、平面視において多角形状(本実施形態においては、四角形状)を形成するように複数が配設されている。このため、保守部材高さ調節システム1は、保守用ユニット10をカム45上に安定して配設することができる。これにより、保守部材高さ調節システム1は、例えば、保守用ユニット10をカム45上に保持するための保持手段などを別途備える必要がない。この結果、保守部材高さ調節システム1は、インクジェットプリンタ100を大型化させず、省スペースで保守用部材20の高さを調節することができる。また、保守部材高さ調節システム1は、保守用部材20の高さを正確に調節することができる。
また、上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタによれば、保守用ユニット10と第2高さ調節手段40のカム45とが近接する方向に付勢する引張ばね49を備える。このため、インクジェットプリンタ100は、保守用ユニット10を常時、カム45側に付勢された状態でカム45上に保持することができる。この結果、保守部材高さ調節システム1は、保守部材20の高さを正確に調節することができる。
上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタは、コントローラ50によって、第3高さ調節手段120による鉛直方向への移動量と第2高さ調節手段40による鉛直方向への移動量とに基づいて、ノズル面と保守部材20との鉛直方向の距離を制御することができる。このため、保守部材高さ調節システム1は、ユーザが手動でノズル面と保守部材20との鉛直方向の距離を調節する必要がないので、保守部材20の高さの調節を正確、かつ、容易に行うことができる。この結果、保守部材高さ調節システム1は、保守部材20の高さを正確に調節することができる。これにより、保守部材20は、いつでも適切にインクジェットヘッドのノズル面をメンテナンスすることができる。
上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタは、コントローラ50によって、第3高さ調節手段120による鉛直方向への移動量に基づいて、第2高さ調節手段40による鉛直方向への移動量を設定することができる。このため、保守部材高さ調節システム1は、第3高さ調節手段120によるノズル面の鉛直方向の移動量に連動して、第2高さ調節手段40によって保守用ユニット10を鉛直方向へ移動させることができる。
より詳しくは、保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタは、コントローラ50によって、第1センサ122sが検出したキャリッジ110の移動量に基づいて、アクチュエータ48に対して第2高さ調節手段40を駆動する制御を行うことができる。このため、保守部材高さ調節システム1は、インクジェットヘッドを支持したキャリッジ110の鉛直方向の移動量が変化すると、自動で第2高さ調節手段40が保守用ユニット10全体を鉛直方向へ移動させることができる。このように、保守部材高さ調節システム1は、ユーザが手動で保守部材20の高さを調節する必要がないので、保守部材20の高さの調節を正確、かつ、容易に行うことができる。この結果、保守部材高さ調節システム1は、保守部材20の高さを正確に調節することができる。これにより、保守部材20は、いつでも適切にインクジェットヘッドのノズル面をメンテナンスすることができる。
また、上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタは、例えば、厚さの異なる多種のメディアを扱うインクジェットプリンタであっても、メディアの種々の厚さに合わせて、適切に保守部材20の高さを調節することができる。
また、上記保守部材高さ調節システム1、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタによれば、第1高さ調節手段30が、保守部材20を、保守部材20がノズル面に密着した密着位置と保守部材20がノズル面から退避した退避位置との間を直線状にスライドさせることができる。このため、保守部材高さ調節システム1は、第1高さ調節手段30が、迅速、かつ、正確に、保守部材20を密着位置と退避位置との間を移動させることができる。また、保守部材高さ調節システム1は、第1高さ調節手段30によって保守部材20の鉛直方向の移動量を正確に調節することが容易である。この結果、保守部材高さ調節システム1は、保守部材20の高さを正確に調節することができる。
さらに、上記保守部材高さ調節方法は、第2の工程における調節量を小さくすることができる。この結果、保守部材高さ調節方法は、保守部材20のノズル面に対する位置を正確に調節することができる。これにより、保守部材20は、いつでも適切にヘッドのノズル面をメンテナンスすることができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る保守部材高さ調節システム、保守部材高さ調節方法、および、インクジェットプリンタは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、スライド孔33は、下直線部33aと上直線部33bと傾斜部33cとを有するものとして説明したが、これに限定されるものではない。
また、インクジェットヘッドの高さ調節は、ユーザが操作部102を操作して高さの調節量を入力すると、コントローラ50によって入力値に基づいて第3高さ調節手段120を駆動してインクジェットヘッドの高さが調節されるようにしてもよい。この場合、第3高さ調節手段120は、コントローラ50からの制御信号に基づいて駆動し、回転軸121を駆動するアクチュエータを有する。
1 保守部材高さ調節システム
10 保守用ユニット
20 保守部材
21 ベースプレート
23 キャップ本体
30 第1高さ調節手段
31 側壁
33 スライド孔
40 第2高さ調節手段
42 ベースプレート
45 カム
45s 第1センサ
48 アクチュエータ(駆動手段)
49 引張ばね(付勢手段)
50 コントローラ
52 高さ調節制御部
100 インクジェットプリンタ
110 キャリッジ
115 ヘッド移動機構
120 第3高さ調節手段
122s 第1センサ(検出手段)

Claims (9)

  1. 上下方向に移動可能なインクジェットヘッドのノズル面をメンテナンスする保守部材、および、前記保守部材を上下方向に移動させる第1高さ調節手段を有する保守用ユニットと、
    前記保守用ユニットを、上下方向に移動させる第2高さ調節手段と、
    を備え、
    前記第1高さ調節手段と前記第2高さ調節手段とのいずれか一方が前記インクジェットヘッドの上下方向の移動に対応して前記保守部材を上下させるものであり、他方が前記保守部材を前記ノズル面に対し接近、離間させるものであり、
    前記第2高さ調節手段は、回転軸回りに回転自在に配設され、回転角度と変位量とが線形性を有するカムを有し、前記カムの前記回転軸回りにおける回転によって前記保守用ユニットが前記ノズル面に対して上下方向に移動される、
    インクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム。
  2. 前記カムは、前記保守用ユニットに下方から当接して配置され、平面視において多角形状を形成するように複数が配設されている、
    請求項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム。
  3. 前記保守用ユニットと前記カムとが近接する方向に付勢する付勢手段、
    を備える請求項またはに記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム。
  4. 前記保守部材に対して前記ノズル面を上下方向に移動させる第3高さ調節手段と、
    前記第3高さ調節手段による上下方向への移動量と前記第2高さ調節手段による上下方向への移動量とに基づいて、前記ノズル面と前記保守部材との上下方向の距離を制御する制御手段と、
    を備える請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム。
  5. 前記制御手段は、前記第3高さ調節手段による上下方向への移動量に基づいて、前記第2高さ調節手段による上下方向への移動量を設定する、
    請求項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム。
  6. 前記第1高さ調節手段は、前記保守部材が、前記ノズル面に接近した接近位置と前記ノズル面から退避した退避位置とをスライドして取り得るように構成されている、
    請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システム。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムを使用して、前記インクジェットプリンタの前記インクジェットヘッドの前記ノズル面に対し、前記ノズル面をメンテナンスする前記保守部材の高さを前記ノズル面に対して相対的に調節するインクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法であって、
    前記保守部材と前記ノズル面との距離を前記第1高さ調節手段によって調節する第1の工程と、
    前記保守部材と前記ノズル面との距離を前記第2高さ調節手段によって調節する第2の工程と、
    を備え、
    前記第1の工程によって調節された前記保守部材と前記ノズル面との距離を、さらに前記第2の工程によって調節することを特徴とするインクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法。
  8. 前記第2の工程は、前記第1の工程によって調節された前記保守部材と前記ノズル面との距離よりも微細な距離の調節を行うものである、
    請求項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節方法。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェットプリンタの保守部材高さ調節システムを備えたインクジェットプリンタ。
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