JP6545011B2 - 波形線材製造装置及び製造方法 - Google Patents

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この発明は、縦線材と横線材とを編んで形成される金網に用いる金網用の波形線材を製造する波形線材製造装置及び製造方法に関する。
波形線材である縦線材と横線材とを編んで形成したいわゆるクリンプ金網では、縦線材と横線材との交差部が、波形で互いに係合しているだけで緊密な係合ではないので、網目形状に自由度がある。したがって、例えば、クリンプ金網によるフェンスの場合、クリンプ金網の四角形の網目が平行四辺形の網目になるような面内変形をさせて、フェンス全体を平行四辺形に傾斜させることができ、傾斜地に設置する場合に極めて好都合である。
しかし、網目形状の自由度が大きいことは、網目形状が安定しないという問題や、クリンプ金網に面外変形(金網面と直交する方向の変形(金網面平面でなくなるような変形))が生じやすいという問題につながり、運搬や施工時の取り扱いがしにくいという問題にもなる。
特許文献1は、上記のような網目形状の自由度を必要な程度に確保しつつ、無用に変形しないようにしたクリンプ金網(メッシュパネル)で、縦線材と横線材との交差部にそれぞれ平坦面を形成して、縦線材と横線材とが互いに面接触によって係合する構成としており、これによりクリンプ金網の面外変形を抑制して形態安定性を向上させ、クリンプ金網の運搬、設置を容易にすることが可能になっている。また、縦線材又は横線材そのものが回転することによる交差部の係合状態解除が生じることを防止することができる。また、縦線材と横線材との交差部には適度の抵抗は存在するので、手で力を加えることで四角形の網目を平行四辺形に適度に変形させる調整が可能であり、傾斜地に設置する際に有効である。
なお、特許文献1では、平坦面を持つ波形線材(縦又は横線材)を形成する手段としてプレス成形を採用している。
クリンプ金網に用いられる波形線材(縦線材及び横線材)は、一般に素材線材を上下1対の歯車間に通して製造される。
特許文献2は、素材線材を上下の歯車間に通して、平坦部を有する波形線材を成形するものであるが、従来の単なる上下の歯車による波形線材の製造方法では、多角形線材や楕円線材等を成形する場合には捩れや倒れにより成形不可能であったものを、成形可能にしたというものである。
具体的には、上下の歯車の歯先頂部にそれぞれ凹溝を形成しその凹溝に素材線材を通して成形することで、さらには、歯底部に厚み方向のスリップ止め溝を持つ平らな部分を設けることで、捩れや倒れが発生しないようにするというものである。なお、特許文献2が成形しようする波形線材は、波形の凸部の凹面側にではなく波形の凸部の先端(凸部の凸面側)に平坦部を有する波形線材である。
また、特許文献2では、縦横とも波形線材ではなく、一方が波形線材(波形の金属線10)、他方が直線線材(連結棒26)であり、両者を編組してなる化粧金網に対象としている。
特開2014−159706 特公平6−81651
特許文献1では、波形線材の凸部の凹面側に平坦部を形成する手段がプレス成形であるが、回転するロールによりそのような平坦部を形成できれば、平坦部付きの波形線材をさらに能率的に製造することが可能と言えるので、回転するロールにより成形可能な手段が望まれる。
また、特許文献2は、波形線材に平坦部を形成するという点では一応参考になるが、波形線材の凸部の凹面側にではなく凸部の先端(凸部の凸面側)に平坦部を形成するものであるから、金網の面外変形を抑制するという本発明の課題に対しては有効でない。
なお、歯車による成形では、波形線材の凸部の凹面側にだけ平坦部を形成しようとしても、凸部の凸面側にも平坦部は形成されてしまうが、クリンプ金網を例えばフェンスに用いる場合等には、凸部の凸面側は平坦でない通常通りの凸形状が外観的に望まれる場合もあり、それに対応できない。また、通常の歯車の歯形では、歯先頂部で波形線材の凸部の凹面側に、金網の面外変形を適度に抑制するために有効な平坦部を形成すること自体が困難である。
また、素材線材を上下の歯車間に通して波形に成形すると同時に平坦部を形成する方法では、形状確定性が低く、精度よい形状を確保することができない。
また、歯先頂部に形成した凹溝に素材線材を通す構成としても、その拘束力は小さいので、捩れや倒れを十分防止できるとは言い難い。また、歯底部に厚み方向のスリップ止め溝を設けた構成は、摩擦による制御であり、やはり、捩れや倒れに有効であるとは言い難い。
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、上向き凸部と下向き凸部とが連続する波形線材を用いる金網における面外変形を有効に抑制することが可能な金網用の波形線材を提供することが可能であり、また、波形線材における凸部の凹面側に、金網の面外変形を適度に抑制するために有効な平坦部を形成することが可能であり、また、凸部の凸面側を潰すことなく凹面側にのみ平坦部を形成することが可能であり、また、形状確定性が高く精度よい波形形状を確保することができ、さらに、捩れや倒れを有効に防止することが可能な波形線材製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する請求項1の発明は、上下一対のロールと、前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構とを備え、
前記上下一対のロールは、いずれのロールもその外周面に、周方向に列状をなす、周方向に細長い複数の凹穴を有し、
前記凹穴の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴の周方向の中間における線材径程度の深さから周方向の両端に向かって次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状をなし、
前記凹穴の周方向の両端部に位置する、前記凹穴とロール外周面部との境界部分は、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部をなし、
前記凹穴の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状をなし、
前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構は、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転駆動させることを特徴とする波形線材製造装置。
請求項2の発明は、縦線材と横線材とを編んで形成される金網における縦又は横の各線材がいずれも、側面から見て上向き凸部と下向き凸部とが連続する波形形状をなし、前記上向き凸部と下向き凸部との境界近傍における両面に圧潰による窪み部を有し、かつ上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側が前記窪み部を含めて略平坦にされている金網用の波形線材を製造する波形線材製造装置であって、
上下一対のロールと、前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構とを備え、
前記上下一対のロールは、いずれのロールもその外周面に、周方向に等ピッチで列状をなす、周方向に細長い複数の凹穴を有し、
前記凹穴の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴の周方向の中間における線材径程度の深さから周方向の両端に向かって次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状をなし、
前記凹穴の周方向の両端部に位置する、凹穴とロール外周面部との境界部分は、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が、前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部をなし、
前記凹穴の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状をなし、
前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構は、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転駆動させるものであり、
素材線材を前記列状の凹穴位置に合わせて、回転する上下ロール間に送り込んだ時に、いずれか一方のロールの一つの凸形部と他方のロールの一つの凸形部に対向する凹穴及びその両側の2つの凸形部とで、前記素材線材を曲げ変形させ、かつ、凸部の反対側の凹面側を平坦に押し潰すと同時に前記両側の凸形部の肩部で前記素材線材を圧潰させて窪み部を形成して、前記素材線材から形成された前記波形線材の上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側に前記圧潰による窪み部を含めた略平坦部を形成することを特徴とする。
請求項は、請求項の波形線材製造装置において、前記凹穴の上から見た輪郭形状は、凹穴の周方向の中間部の幅方向両縁が互いに平行で、周方向の両端近傍で両端に向かって窄まって幅狭の弧状をなす両端縁につながるとともに、前記窄まっていく部分の中間に、凹穴の内側に膨らんだ膨らみ部を持つ形状をなしていることを特徴とする。
請求項4の発明は、縦線材と横線材とを編んで形成される金網における縦又は横の各線材がいずれも、側面から見て上向き凸部と下向き凸部とが連続する波形形状をなし、前記上向き凸部と下向き凸部との境界近傍における両面に圧潰による窪み部を有し、かつ上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側が前記窪み部を含めて略平坦にされている金網用の波形線材を製造する波形線材製造方法であって、
回転駆動される上下一対のロールを用い、
いずれのロールもその外周面に、周方向に等ピッチで列状をなす複数の、周方向に細長い凹穴を有し、
前記凹穴の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴の周方向の中間における線材径程度の深さから周方向の両端に向かって次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状をなし、
前記凹穴の周方向の両端部に位置する凹穴とロール外周面部との境界部分は、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が、前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部をなし、
前記凹穴の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状をなし、
前記上下のロールを、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で接近する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転させつつ、素材線材を前記列状の凹穴位置に合わせて、上下ロール間に送り込むことにより、
いずれか一方のロールの一つの凸形部と他方のロールの前記一つの凸形部に対向する凹穴及びその両側の2つの凸形部とで、前記素材線材を曲げ変形させ、かつ、凸部の反対側の凹面側を平坦に押し潰すと同時に前記両側の凸形部の肩部で前記素材線材を圧潰し窪み部を形成して、前記素材線材から形成された前記波形線材の上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側に前記圧潰による窪み部を含めた略平坦部を形成することを特徴とする。
本発明の波形線材製造装置は、上下一対のロール間に素材線材を通して波形線材を製造するものであり、前記上下のロールは、外周面に周方向に等ピッチで列状をなす、周方向に細長い複数の凹穴を有し、前記凹穴とロール外周面部との境界部分が、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部を形成するロールなので、そして、前記上下のロールを回転駆動させるロール回転駆動機構は、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転駆動するものなので、
波形線材における凸部の凹面側に、金網の面外変形を適度に抑制するために有効な略平坦部を形成することが可能である。
この場合、ロールの圧下調整(上下ロール間の隙間調整(隙間を狭くする調整))により、線材の凸部の凹面側を平坦に押し潰すことが可能であり、また、凸形部の肩部で窪み部を形成することができ、金網の面外変形抑制に有効な、窪み部を含めた略平坦部を形成することができる。
また、波形の凸部の凸面側は凹穴の弧状の底面に沿って成形されるため、波形の凸部の凸面側は潰されずに、凹面側にのみ平坦部を形成することが可能である。したがって、例えばフェンスに用いる場合等で、凸部の凸面側は平坦でない通常通りの凸形状が外観的に望まれる場合では、それに対応できる。
また、通常の歯車の歯形では、歯先頂部で波形線材の凸部の凹面側に、金網の網目形状変形や面外変形を抑制するために有効な平坦部を形成すること自体が困難であるが、上記の通り、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で回転する上下ロール間に素材線材を通して成形するものなので、金網の網目形状変形や面外変形を抑制するために有効な平坦部を形成することが可能である。
また、上下のロールが互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で素材線材を成形するものであり、素材線材は、周方向に細長い溝状の凹穴内でがっちり掴まれた状態で成形され、送り出されるので、捩れや倒れを生じさせないで成形することができる。
前記の通り、素材線材は、周方向に細長い溝状の凹穴内でがっちり掴まれた状態で成形されるので、形状確定性が高く精度よい波形形状を確保することができる。
本発明の波形線材によれば、上向き凸部と下向き凸部との境界近傍における両面に圧潰による窪み部を有する態様で、上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側が略平坦にされているので、この波形線材による縦線材と横線材とを編んで形成したクリンプ金網では、網目形状の自由度を必要な程度に確保しつつ、網目形状が必要以上に変形することは防止される。
すなわち、上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの平坦部どうしの係合である縦線材と横線材との交差部は、互いに面接触によって係合するので、縦線材と横線材との交差部には適度の抵抗が存在し、縦線材と横線材との間がみだりに相対回転して網目形状が不安定になるということはなく、また、みだりに面外変形が生じることもない。したがって、金網の運搬その他の取り扱いが容易であり、また、この金網を用いたフェンス等の施工がしにくい問題は少ない。
一方で、手で力を加えることで四角形の網目を平行四辺形に変形させる調整は可能であり、フェンスに適用した場合は、傾斜地に設置する際に有効である。
しかし、平坦部の両端が圧潰による窪み部なので、この窪み部が段差となって、縦線材と横線材との相対回転の限界がある程度はっきりと決まり、金網が無用に角度の急な平行四辺形になってしまうことは防止される。
また、平坦部が両端に圧潰による窪み部を持つ平坦部なので、単に曲げ変形のみで平坦部を形成する場合と異なり、波形の波ピッチが短い場合でも、波ピッチ方向に長い平坦部を持たせることが可能であり、網目を所望の角度の平行四辺形に変形させるのに必要な程度の平坦部長さを持たせることができる。
本発明の一実施例の波形線材の側面図である 図1の波形線材における窪み部の形状の詳細を説明する要部拡大図である 上記波形線材を製造する波形線材製造装置の一実施例を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は上側のロールと上側の従動はすば歯車の部分の詳細説明図である。。 (イ)は図3(イ)のA−A断面図(但し、台部は断面とせず)、(ロ)は図3(ロ)のバックラッシュ防止機構の作用を説明する図である。 図3(ロ)のバックラッシュ防止機構の作用を説明する図であり、(イ)はバックラッシュがある状態、(ロ)はバックラッシュが解消された状態を示す。 図3の波形線材製造装置の要部であるロール部を波形線材製造時状態で示すもので、(イ)は側面図、(ロ)は正面図である。 図6における線材加工部分の拡大図である。 図7における線材を省いて示した図である。 図8における一つの凹穴の詳細を説明する図であり、(イ)は一つの凹穴を拡大して示した平面図(深さを等高線でしめしている)、(ロ)は(イ)のB−B断面に対応する、ロールの幅方向中央位置での縦断面図である。 上述の波形線材による縦線材と横線材とを編んで形成したフェンス用のクリンプ金網の一例を模式的に示した図である。 図10のクリンプ金網の一部の詳細を示した斜視図である。 図11のクリンプ金網における縦線材と横線材との交差部の1箇所を示したもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)における上側の波形線材は断面せずに示したC−C断面図である。 波形線材製造装置の立面図である。 波形線材製造装置の平面図である。 図14のC−C矢視で見た波形線材成形機の立面図である。 (イ)は図13の要部の詳細を拡大して示した図、(ロ)は(イ)の要部の拡大断面図である。 ステイを設けたクローズド構造の成形スタンドの作用を説明する図であり、(イ)は一般的なオープン構造の成形スタンド、(ロ)はクローズド構造の成形スタンドである。 波形線材成形機の上下ロールに線材を誘導する誘導ガイドの作用を説明する図である。
以下、本発明の波形線材、及び、この波形線材を製造する製造装置、及び製造方法を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例の波形線材の側面図、図2は図1の要部の拡大図である。この波形線材1は、円形の縦線材と横線材とを編んで形成される金網に用いる金網用の波形線材であり、図1に示すように、側面から見て上向き凸部2と下向き凸部3とが連続する波形形状をなし、前記上向き凸部2と下向き凸部3との境界近傍における上下の両面に圧潰による窪み部5を有し、かつ、上向き凸部2及び下向き凸部3のそれぞれの凹面2a、3aの側が前記窪み部5を含めて略平坦(略平坦部を6で示す)にされている。なお、上向き凸部2と下向き凸部3との区別は、実質上の区別ではなく説明上での区別であり、上下逆にして見ると逆になる。
なお、実施例の波形線材1は、径4.0mm、波ピッチ20mm、波深さ3.6〜3.7mmの鋼製波形線材である。
上記の波形線材1は、後述する波形線材製造装置の中核部である例えば図3、図4に示した波形線材成形機10により成形することができる。この波形線材成形機10は、図6に示すように、回転駆動される上下一対のロール11(11A、11B)を備えている。図7は図6の要部拡大図であり、素材線材1’が上下のロール11、11の後述する凹穴13により波形線材1に成形される状況を示している。ロールの外径は160mm、幅は40mmである。
図6(イ)、(ロ)に示すように、いずれのロール11もその外周面に、周方向に等ピッチで列状をなす、周方向に細長い複数の凹穴13を有している。
図8はロール11における線材を波形に成形する部分を明瞭に示すために、図7から線材1を除いて示した図である。
図9(イ)は一つの凹穴13の拡大した平面図、図9(ロ)はロールの幅方向中央位置での縦断面図であり、図9(イ)のB−B断面に対応する。
凹穴13の上から見た輪郭形状は、凹穴の周方向の中間部の幅方向両縁が互いに平行で、周方向の両端近傍で両端に向かって窄まって幅狭の弧状をなす両端縁につながるとともに、前記窄まっていく部分の中間に、凹穴の内側に膨らんだ膨らみ部(後述の内向き隆起部分)を持つ形状をなしている。
凹穴13の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴13の周方向の中間位置Cにおける、線材径より若干浅い深さhから周方向の両端に向かて次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状(大曲率半径の凹湾曲形状部を13aで示す)をなし、凹穴13の周方向両側の端部(E部分)に位置する、凹穴13とロール外周面部11aとの境界部分が、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面11aに滑らかに連続している。前記半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状の部分を凸湾曲形状部14と呼ぶ。
これにより隣接する凹穴13間のロール外周面部分11aが前記凸湾曲形状部14を両肩部とする凸形部15を形成している。前記凸湾曲形状部14を場合により凸形部15の肩部14と呼ぶ。
なお、上記では、凹穴13の周方向の両端部Eに位置する凸湾曲形状部(凸形部15の肩部)14を、凹穴13の幅方向中央位置における縦断面形状について説明したが、凹穴13の幅方向中央位置から幅方向両側の部分も含むものである。特に、凹穴13の幅方向中央位置の両側の内向き隆起部分14aは、線材に適切な形状の窪み部5を形成する上で重要な作用をする。
また、凹穴13の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状である。
実施例の凹穴13の寸法は、ロール円周方向の長さが約16.5mm、幅が約4.0mm、最も深い箇所で約3.7mmである。
波形線材成形機10の詳細を、図3(イ)、(ロ)を参照して説明すると、前記上下のロール11(11A、11B)は、左右のスタンドフレーム21で支持されたロールシャフト22(22A、22B)の中央に装着され、ロールシャフト22(22A、22B)の駆動源側(図3(イ)の左側)にはすば歯車23(23A、23B)が装着されている。24はスペーサである。
前記上下のロール11を回転駆動させるロール回転駆動機構16は、互いのロール外周面11aが接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロール11の凹穴13と他方のロール11の凸形部15とが正確に対向する態様で、両ロール11を回転駆動する。
実施例では、互いのロール外周面11a間の隙間を約0.3mm(線材径が約4.0mmの場合)に設定している。
下側のロールシャフト22Bが駆動軸であり、電動機25の回転動力が減速機26、チェーンカップリング27を介して、下側のロールシャフト(駆動軸)22Bに伝達され、駆動軸22Bに固定された駆動はすば歯車23B及び下ロール11Bが回転し、駆動はすば歯車23Bの回転が上側のロールシャフト22A(従動軸)に取り付けられた従動はすば歯車23Aに伝達されて、上ロール11Aが回転する。電動機25、減速機26、チェーンカップリング27、上下のロールシャフト22A、22B、はすば歯車23A、23B等は、ロール回転駆動機構16を構成する。
この実施例では、歯車伝達におけるバックラッシュを防止するために、例えば図3(ロ)に詳細を示すバックラッシュ防止機構30を採用している。実施例は平行移動式のバックラッシュ防止機構である。このバックラッシュ防止機構30における前記従動はすば歯車23Aは、従動軸22Aに固定された固定従動歯車23Aaと従動軸22Aに軸方向にのみ移動可能に取り付けられた可動従動歯車23Abとからなる。
前記可動従動歯車23Abは、頭付きボルト31の先端を固定従動歯車23Aaのねじ穴32にねじ込んで固定従動歯車23Aa側に取り付け、可動従動歯車23Abを頭付きボルト31の頭部で固定従動歯車23Aa側に付勢する圧縮バネ33を配置している。
バックラッシュが生じた時には可動従動歯車23Abが圧縮バネ33の力で自動的に軸方向にスライドして、バックラッシュを解消する。バックラッシュ解消作用について簡単に説明すると、図5(イ)、(ロ)において、gは駆動はすば歯車23Bの歯、gは固定従動歯車23Aaの歯、gは可動従動歯車23Abの歯を示す。
図5(イ)のように、固定従動歯車23Aaと可動従動歯車Abとの歯筋が揃った整合状態では駆動歯車23Bと従動歯車23A(固定従動歯車23Aa・可動従動歯車23Ab)との間にバックラッシュが生じている。この整合状態から可動従動歯車23Abが、当該可動従動歯車23Abを固定従動歯車23Aa側に常時付勢している圧縮バネ33の力で固定従動歯車23Aa側に平行移動して接近すると、図5(ロ)に示すように両歯車23Aa、23Abの歯筋が互いにずれる。両歯車23Aa、23Abの歯筋が互いにずれることで、二つの歯車23Aa、23Abからなる従動歯車23Aの歯としての噛合い接触点位置での歯厚が、実質的に駆動歯車23Bの噛合い接触点位置での溝幅Wまで広がった状態(噛み合い作用上は従動歯車23Aの歯形がバックラッシュ零で製作された場合と実質的に同じ状態)となり、バックラッシュが解消される。
本発明では、波形線材の上向き凸部の凹面側と下向き凸部の凹面側のそれぞれの平坦部が互いに平行な平坦面となることが重要であり、そのためには、波形線材に形成する窪み部の形状が、線材の波形と直交する方向(すなわち波形状が表われずに直線に見える向き)から見て左右対称となることが重要であるが、バックラッシュにより上下ロール11(11A、11B)の相対回転角度に僅かにでもずれが生じると、一方の凹穴13と他方の凸形部15との位置関係がずれて、線材に形成される窪み部5の形状が不均一になり、左右対称にならない。また、上下ロール11の一方の凹穴13と他方の凸形部15との位置関係がずれると、通過する線材に捩れや倒れが生じることにもつながり、このことからも、窪み部5の形状が不均一になる可能性がある。
したがって、実施例のように、単にはすば歯車を用いるというだけでなく、バックラッシュ防止機構を持つはすば歯車伝達機構を採用していることに、大きな意義がある。
なお、上下ロール11A、11Bの直径は、はすば歯車23A、23Bのピッチ円直径と同寸法にしている。
符号29は、素材線材を上下ロール11間に案内するガイド部材であり、線材の径より僅かに大の内径の管状のガイド部材である。
上記の波形線材成形機10で波形線材を成形する場合、素材線材をガイド部材29に通して、上下ロール11の間に挿入する。最初は線材の先端を、上下ロール11の直下手前の一方の凹穴13に導いてから上下ロール11を回転駆動するとよい。
線材は図7に示すように、凸形部15で凹穴13側に押し込まれて湾曲成形されるが、ロール直下を通過する際に、凸形部15の平坦に近いロール外周面部11aで若干押し潰されて、線材の上向き又は下向き凸部2、3のそれぞれ凹面2a、3a側に略平坦部6を形成される同時に、ロール11の凸形部15の肩部14で窪み部5が形成される。凸形部15の肩部14は線材に大きく食い込むように圧潰して窪み部5を形成するので、圧延と同様な塑性変形による窪み部5が形成される。
なお、本発明における波形線材成形が、前記のようにロール11の凸形部15の肩部14による圧潰を伴う曲げで波形形状を得るいわば圧潰・曲げ成形であって、従来の歯車による単なる曲げ変形である波形線材成形とは基本的に異なるものであることは、実施例の波形線材成形機10で実際に波形線材を成形した際の成形荷重の面からも言える。すなわち、実施例の波形線材成形機10における上下ロール11を歯車に置き換えて、同じ素材線材を歯車成形した場合の成形荷重が350〜450kgであったのに対して、実施例の上下ロール11で波形線材成形をした場合の成形荷重は1800〜1900kgで、極めて大であり、全く異質の加工方法である。
図10は上述の波形線材による縦線材1aと横線材1bとを編んで形成したフェンス用の長方形のクリンプ金網(クリンプ金網パネル)40の一例を模式的に示した図、図11は図10のクリンプ金網40の一部の詳細を示した斜視図である。
縦線材1aと横線材1bとの基本的な配列は、横方向に間隔をあけて配される縦線材1aの波形は半ピッチだけずれて、交互に山(上向き凸部2)と谷(下向き凸部3)がくる配列であり、縦方向に間隔をあけて配される横線材1bの波形も半ピッチだけずれて、交互に山(上向き凸部2)と谷(下向き凸部3)がくる配列であり、両者の山2と谷3とが係合する。図示例のクリンプ金網40では、横線材1bについてはすべて、1本の縦線材1aを2本1組の横線材1bで挟む態様で編まれている。縦線材1aについてはパネル両端部のみ、1本の横線材1bを2本1組の縦線材1aで挟む態様で編まれている。このように、1本の線材を2本1組の線材で挟む編み方により、網目形状が安定し、クリンプ金網に面外変形が生じにくくなっている。
上述の波形線材1によれば、上向き凸部2と下向き凸部3との境界近傍における両面に圧潰による窪み部5を有する態様で、上向き凸部2及び下向き凸部3のそれぞれの凹面2a、3a側が略平坦(略平坦部6)にされているので、この波形線材1による縦線材と横線材とを編んで形成したクリンプ金網では、網目形状の自由度を必要な程度に確保しつつ、網目形状が必要以上に変形することは防止される。
すなわち、図12は、上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの平坦部どうしの係合である縦線材と横線材との交差部を説明するもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のC−C断面図に相当する図である。この図12では、下側の波形線材には符号に「’」を付けて示す。(ロ)図で上側の波形線材1は断面とせずに示している。
上側の波形線材1と下側の波形線材1’は互いに面接触によって係合するので、縦線材と横線材との交差部には適度の抵抗が存在し、縦線材と横線材との間がみだりに相対回転して網目形状が不安定になるということはなく、また、みだりに面外変形が生じることもない。したがって、金網の運搬その他の取り扱いが容易であり、また、この金網を用いたフェンス等の施工がしにくい問題は少ない。
一方で、手で力を加えることで四角形の網目を平行四辺形に変形させる調整は可能であり、フェンスに適用した場合は、傾斜地に設置する際に有効である。
しかし、平坦部の両端が圧潰による窪み部5なので、この窪み部5が段差となって、縦線材と横線材との相対回転の限界がある程度はっきりと決まり、金網が無用に角度の急な平行四辺形になってしまうことは防止される。
また、平坦部6が両端に圧潰による窪み部5を持つ平坦部なので、単に曲げ変形のみで平坦部を形成する場合と異なり、波形の波ピッチが短い場合でも、波ピッチ方向に長い平坦部を持たせることが可能であり、網目を所望の角度の平行四辺形に変形させるのに必要な程度の平坦部長さ(図2の平坦部6の長さL)を持たせることができる。
波形線材を製造する波形線材製造装置全体についての実施例を図13〜図18に示す。
この波形線材製造装置41は、図13〜図15に示すように、線材供給装置42と、直線矯正機(入側レベラー)43と、
波形線材成形機46と、出側レベラー装置47と、切断機48と、取出しテーブル49とを有する。50は波形線材製造装置41の主要部のベース、51は前記ベース50上に設置した波形線材成形機46のベースである。
前記波形線材成形機46は、その基本構造は図3〜図6で説明した波形線材成形機10と共通する。すなわち、回転駆動される上下一対のロール11(11A、11B)、およびロールシャフト22(22A、22B)は共通し、ロールシャフト22(22A、22B)の駆動源側(図15の左側)にはすば歯車23(23A、23B)が装着されている点も共通する。24はスペーサである。
また、駆動源としてインバーター制御可能な減速機付きモーター25’を使用している点を除けば、その回転動力がチェーンカップリング27を介して、下側のロールシャフト(駆動軸)22Bに伝達され、駆動軸22Bに固定された駆動はすば歯車23B及び下ロール11Bが回転し、駆動はすば歯車23Bの回転が上側のロールシャフト22A(従動軸)に取り付けられた従動はすば歯車23Aに伝達されて、上ロール11Aが回転するというロール回転駆動機構は基本的に共通する。
また、図3(ロ)に詳細を示したバックラッシュ防止機構30と同様に、従動軸22Aに固定された固定従動歯車23Aaと従動軸22Aに軸方向にのみ移動可能に取り付けられた可動従動歯車23Abとからなるバックラッシュ防止機構30を採用している点も共通する。
板材を対象とし、かつ外周面に凹みのないロールで、かつ単なる横曲げ加工すなわち幅方向の折り曲げ加工をする従来のロール成形と、本発明のように、線材を対象とし、かつ外周面に凹みのあるロールで、かつ圧潰を伴う曲げ加工すなわち圧潰・曲げ加工で、かつ縦曲げ加工すなわち長手方向の曲げ加工をする波形線材成形とでは、ロールで成形するという共通点があっても、以下に述べるように種々の点で極めて大きな違いがある。本発明における波形線材成形機46は、その大きな違いに対応して、以下のような種々の独特の機構、構造を採用している。
第1に、成形スタンドは振動を防止する振動防止構造としている。
図7の通り、上下のロール11A、11Bは、それぞれの凸形部15、15が交互に線材1を反対側のロール11B、11Aの凹穴13、13に押し込む態様で波形に成形するので、板材の折り曲げ成形をするロール成形と異なり、成形荷重が一定でなく脈動する成形荷重となる。
このため、図17(イ)のように左右のスタンドフレーム21が独立しているオープン構造の一般的な成形スタンド54の場合、左右のスタンドフレーム21が成形荷重Pにより破線で示すように変形する態様で振動する。
そこで本発明では、図17(ロ)にも模式的に示すよう、上下のロール11(11A、11B)を支持する左右のスタンドフレーム21のスタンドキャップ52、52間をステイ53で連結したクローズド構造の成形スタンド55としている。このクローズド構造により、スタンドフレーム21の振動を大幅に抑制できる。
振動防止のためにさらに、図16に示すように、上チョック58の上面とスタンドキャップ52の下面との間に圧縮ばね64を配置している。
前述した脈動する成形荷重は、直接には上下のロールシャフト11Aを上下に振動させ、特に上ロールシャフト11Aを支持する上チョック58上下に振動させるが、上チョック58とスタンドキャップ52との間に配置された圧縮ばね64は、この振動を吸収する作用をし、振動がスタンドキャップ52に伝達されることを効果的に抑制する。
前記ステイ53によるクローズド構造と圧縮ばね64とで成形スタンド55の振動防止が有効に図られる。
第2に、ミル剛性を強化している。
本発明では、素材の線材1を単に曲げ成形するものではなく、前述の通り線材に大きく食い込むように圧潰して圧延と同様な塑性変形による窪み部5を形成する圧潰・曲げ成形であり、ロールに作用する荷重が著しく大なので、ミル剛性(成形スタンドの剛性)を大にする必要がある。また、線材を外周面に凹みのある上下ロール間に通して縦曲げする本発明の波形線材成形方法では、上下ロールの相互位置関係が極めて精度よく保たれていないと、精度よい波形形状が得られない。
前述した通り、成形スタンドを左右のスタンドフレーム21のスタンドキャップ52、52間をステイ53で連結してクローズド構造としたが、このクローズド構造によりミル剛性が強化され、成形荷重による成形スタンド55のひずみが抑制される。これにより、上下ロールの相互位置関係が精度よく保たれ、成形スタンド55のひずみで精度よい波形形状が得られなくなる問題を回避している。
なお、ロールシャフト径は当然、成形荷重に対応させて大径としている。
第3に、図15に示すように、上下のロール11A、11Bの横に、それぞれの外周面の凸部と凹部とで噛み合う上下のサポートロール57A、57Bを配置している。ラジアル荷重だけでなくスラスト荷重も受けるチョック58の内部のベアリングが摩耗してロールシャフトが左右にずれることがあるが、そのような場合に、凸部と凹部とで噛み合う前記上下のサポートロール57A、57Bは互いに左右にずれることはないので、上下のロール11A、11Bが互いに左右にずれて線材の成形精度が低下することを防止する。
なお、通常、上下のベアリングが同時に同程度に摩耗することは少ないので、サポートロール57A、57Bはベアリング摩耗の少ない方のロールシャフト(22A又は22B)で位置決めされることになり、したがって、ロールシャフト22が左右にずれることを防止し、したがって、上下ロール11A、11Bが左右にずれることを防止して、線材の成形精度が低下することを防止する。
第4に、上下ロールの圧下設定手段(ないし圧下調整手段)として、図13、図16に示すように、上下のチョック58間にブロック60を配置している。そして、上チョック58に連結部61を介して連結された圧下スクリュウ62で、上チョック58を前記ブロック60に当たるまで下降させることで、前記ブロック60により規定される所定の圧下量(上下ロール間の隙間)が設定されるようにしている。上下ロール間の隙間(上下ロールの外周面間の隙間)は、線材径が4mmの第1実施例の場合は前述の0.3mmが適切である。
前記連結部61は、圧下スクリュー62の下端に固定された拡径体61aと、この拡径体61aを収容する上チョック58側の保持部61bとからなる。
上チョック58とスタンドキャップ52との間に配置された前述の圧縮ばね64は、ブロック60による圧下設定手段(ないし圧下調整手段)においても重要な作用をする。
板材を対象としかつ外周面に凹みのないロールでかつ単なる折り曲げ加工の成形をする従来のロール成形機では、ロール圧下調整を、上下ロール間の隙間にすきまゲージを差し込む形で、圧下調整を行っているが、前記連結部61における前記拡径体61aの厚み寸法と保持部61bの内部高さ寸法との間には、図16(ロ)に要部を拡大して示すように、僅かであるが隙間cは避けられず、このため、回転のみ可能にスタンドキャップ52に取り付けられた調整ナット65を回して圧下スクリュー62を下降させ、上チョック58をその下面が前記ブロック60に当たるまで下げたとしても、線材成形時の成形荷重の変動で上チョック58が、仮に各部を完全剛体とみても前記僅かな隙間寸法c分だけは上下動する。しかし、前記圧縮ばね64は、上チョック58の前記浮き上がりをばね力で防止するので、圧下量が隙間寸法cだけ変化してしまうことを防止し、圧下量を精度よく保つことができる。
前記線材供給装置42は、図13に示すように、ベース71と、このベース71に横置きされる線材コイル1の位置を保持する保持枠72と、ポスト73の上部に設けられて、線材コイル1から上に引き出された線材1を直線矯正機43側に案内する案内リール74とを持つ。
この線材供給装置42は、極めて簡単かつ安価な構造で線材を円滑に送り出すことができる。
前記直線矯正機43は、縦矯正機44と横矯正機45とからなり、巻き癖の向きが一定しない状態で送り込まれる線材1の反り、曲り、捩れを矯正して直線状にする。
前記縦矯正機44は、縦ベース80側面に上下に千鳥に配置された無駆動の5つ(下側3つ、上側2つ)のロール81からなり、上側のロール81を上下移動調整可能にして、線材の縦方向の巻き癖を矯正する。入側に入口がラッパ状をなす線材ガイド82を設けている。
前記横矯正機45は、水平ベース84に左右に千鳥に配置された5つのロール85からなり、線材の横方向の巻き癖を矯正する。
前記波形線材成形機46の成形スタンド55の入側に、線材1を上下ロール11(11A、11B)間に誘導する誘導ガイド87を配置している。この誘導ガイド87は、図18に示すように、ロール11側のラッパ状ガイド部87aと反対側の円穴ガイド部87bとからなる。
線材が上下ロール11で噛み込まれる際、線材1に上下ロール11の凸形部15が交互に当たることで線材1が上下に遥動するが、線材1が遥動すると上下ロール11による波形線材の成形加工が円滑に行われないので、この遥動を極力抑制するために、この誘導ガイド87を設けている。
この場合、誘導ガイド87を全体が単なる円筒穴のガイドとすると、搖動により線材1が円穴ガイド部87bの入口のカド部に当たってキズが入ってしまうので、このキズ発生を防ぐために、送られる線材1の出側(ロール11側)を前記の通りラッパ状にしている。
一般に、送られる長尺材を中空のガイド部材で案内する場合、線材が中空のガイド部材に入る側(入口側)をラッパ状にするが、本発明の誘導ガイド87では、これとは逆に、上記の通り線材が中空のガイド部材(誘導ガイド87)から出ていく側(出口側)をラッパ状にする。
なお、図18における直線矯正機43の各ロール81、85は、実際の配置としてでなく模式的に示している。直線矯正機43の各ロール81、85は成形ロール11が線材成形時に線材1を駆動する駆動力(線材に対して引張力として作用)に対するブレーキ力(矢印)としても作用し、成形ロール11と直線矯正機43との間の線材1に張力が発生する。成形ロール11による線材成形のためには、線材11に対するブレーキ力が必要であり、直線矯正機43によるブレーキ力で成形ロール11による線材成形が適切に行われる。
前記出側レベラー装置47は、成形された波形線材の反り(上下方向の曲り)を矯正するものであり、固定の1つの下レベラ−ロール90と上下に調整可能な2つの上レベラーロール90とからなり、上下のレベラーロール90が波形線材1の全体としての上下端面(上向き凸部2の上端面と下向き凸部3の下端面)に接触する態様で、波形線材1の反りを矯正する。
前記切断機48は、鋏式シングルカットであり、成形品(成形線材)を停止させて所定の長さに切断する。切断機48の前に成形品を案内するガイド91を設けている。
なお、図示は省略したが、成形品を正確な所定長さに切断するために、波形線材成形機46の下ロールシャフト22Bの回転数(ないし回転角)を検出して成形品の送り出し長さを検出するロータリーエンコーダを設けている。
上記の波形線材製造装置41において、線材1の先端を波形線材成形機46に導いて上下ロール11A、11B間に噛み込ませた後は、減速機付きモーター25’を駆動させると、上下ロール11A、11Bにより波形線材が成形され、出側レベラー47で反り(縦の反り)を矯正され、切断機48により、ロータリーエンコーダで計測された所定長さに切断され、取出しテーブル49上を送りだされる。
定常運転状態では、上下ロール11A、11Bによる駆動力で線材供給装置42から線材が供給される。すなわち、線材供給装置42のベース71上に置かれた線材コイル1から繰り出される線材1は、案内リール74で案内されて、直線矯正機43の縦矯正機44で縦の巻き癖が矯正され、横矯正機45で横の巻き癖が矯正されて直線状になり、誘導ガイド87で波形線材成形機46の上下ロール11A、11B間に誘導され、上下ロール11A、11Bにより、実施例1で詳細に述べた通りに波形線材が成形される。
上述の説明では、縦線材及び横線材がいずれも波形線材であるクリンプ金網に用いる場合について説明したが、引用文献2のように、一方のみが波形線材で他方は直線状の線材(金属棒)ある金網における波形線材として使用することもできる。
1 波形線材(又は線材自体)
線材コイル
2 (波形線材の)上向き凸部
2a (上向き凸部の反対側の)凹面2a
3 (波形線材の)下向き凸部
3a (下向き凸部の反対側の)凹面3a
5 窪み部
6 略平坦部
10 波形線材成形機
11(11A、11B) ロール
11A 上ロール
11B 下ロール
11a ロール外周面(部)
13 凹穴
14 凸湾曲形状部(凸形部の肩部)
14a 内向き隆起部分
15 凸形部
16 回転駆動機構
21 スタンドフレーム
22(22A、22B) ロールシャフト
23 はすば歯車
23A (可動の)従動はすば歯車
23B 駆動はすば歯車
29 ガイド部材
30 バックラッシュ防止機構
E (凹穴の)周方向両側の端部
40 クリンプ金網(クリンプ金網パネル)
41 波形線材製造装置
42 線材供給装置、
43 直線矯正機(入側レベラー)、
44 縦矯正機
45 横矯正機
46 波形線材成形機、
47 出側レベラー装置、
48 切断機、
49 取出しテーブル
52 スタンドキャップ
53 ステイ
55 成形スタンド
57(57A、57B) サポートロール
60 圧下設定用のブロック
61 連結部
61a 拡径体
61b 保持部
62 圧下スクリュー
64 圧縮ばね
71 ベース
72 保持枠
73 支柱
74 案内リール
80 縦ベース
81 (縦矯正機の)ロ−ル
82 線材ガイド
84 水平ベース
85 (入側レベラーの)ロ−ル
87 誘導ガイド
87a ラッパ状ガイド部
87b 円穴ガイド部
90 レベラ−ロール

Claims (4)

  1. 上下一対のロールと、前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構とを備え、
    前記上下一対のロールは、いずれのロールもその外周面に、周方向に列状をなす、周方向に細長い複数の凹穴を有し、
    前記凹穴の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴の周方向の中間における線材径程度の深さから周方向の両端に向かって次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状をなし、
    前記凹穴の周方向の両端部に位置する、前記凹穴とロール外周面部との境界部分は、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部をなし、
    前記凹穴の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状をなし、
    前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構は、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転駆動させることを特徴とする波形線材製造装置。
  2. 縦線材と横線材とを編んで形成される金網における縦又は横の各線材がいずれも、
    側面から見て上向き凸部と下向き凸部とが連続する波形形状をなし、前記上向き凸部と下向き凸部との境界近傍における両面に圧潰による窪み部を有し、かつ上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側が前記窪み部を含めて略平坦にされている金網用の波形線材を製造する波形線材製造装置であって、
    上下一対のロールと、前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構とを備え、
    前記上下一対のロールは、いずれのロールもその外周面に、周方向に等ピッチで列状をなす、周方向に細長い複数の凹穴を有し、
    前記凹穴の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴の周方向の中間における線材径程度の深さから周方向の両端に向かって次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状をなし、
    前記凹穴の周方向の両端部に位置する、凹穴とロール外周面部との境界部分は、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が、前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部をなし、
    前記凹穴の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状をなし、
    前記上下のロールを回転駆動させる回転駆動機構は、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で近接する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転駆動させるものであり、
    素材線材を前記列状の凹穴位置に合わせて、回転する上下ロール間に送り込んだ時に、いずれか一方のロールの一つの凸形部と他方のロールの一つの凸形部に対向する凹穴及びその両側の2つの凸形部とで、前記素材線材を曲げ変形させ、かつ、凸部の反対側の凹面側を平坦に押し潰すと同時に前記両側の凸形部の肩部で前記素材線材を圧潰させて窪み部を形成して、前記素材線材から形成された前記波形線材の上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側に前記圧潰による窪み部を含めた略平坦部を形成することを特徴とする波形線材製造装置。
  3. 前記凹穴の上から見た輪郭形状は、凹穴の周方向の中間部の幅方向両縁が互いに平行で、周方向の両端近傍で両端に向かって窄まって幅狭の弧状をなす両端縁につながるとともに、前記窄まっていく部分の中間に、凹穴の内側に膨らんだ膨らみ部を持つ形状をなしていることを特徴とする請求項記載の波形線材製造装置。
  4. 縦線材と横線材とを編んで形成される金網における縦又は横の各線材がいずれも、 側面から見て上向き凸部と下向き凸部とが連続する波形形状をなし、前記上向き凸部と下向き凸部との境界近傍における両面に圧潰による窪み部を有し、かつ上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側が前記窪み部を含めて略平坦にされている金網用の波形線材を製造する波形線材製造方法であって、
    回転駆動される上下一対のロールを用い、
    いずれのロールもその外周面に、周方向に等ピッチで列状をなす複数の、周方向に細長い凹穴を有し、
    前記凹穴の幅方向中央位置における縦断面形状は、凹穴の周方向の中間における線材径程度の深さから周方向の両端に向かって次第に浅くなる大曲率半径の凹湾曲形状をなし、
    前記凹穴の周方向の両端部に位置する凹穴とロール外周面部との境界部分は、半径方向外方に凸の小曲率半径の凸湾曲形状をなしてロール外周面に滑らかに連続して、隣接する凹穴間のロール外周面部分が、前記凸湾曲形状の部分を両肩部とする凸形部をなし、
    前記凹穴の横断面形状は、幅方向中央位置で最も深く幅方向両端に向かって浅くなる断面形状をなし、
    前記上下のロールを、互いのロール外周面が接触又は小さな隙間で接近する状態で、かつ、いずれか一方のロールの凹穴と他方のロールの凸形部とが対向する態様で、両ロールを回転させつつ、素材線材を前記列状の凹穴位置に合わせて、上下ロール間に送り込むことにより、
    いずれか一方のロールの一つの凸形部と他方のロールの前記一つの凸形部に対向する凹穴及びその両側の2つの凸形部とで、前記素材線材を曲げ変形させ、かつ、凸部の反対側の凹面側を平坦に押し潰すと同時に前記両側の凸形部の肩部で前記素材線材を圧潰し窪み部を形成して、前記素材線材から形成された前記波形線材の上向き凸部及び下向き凸部のそれぞれの凹面側に前記圧潰による窪み部を含めた略平坦部を形成することを特徴とする波形線材製造方法。
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