以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.電子マニュアルに関連する新しいサービス
本発明は、電子マニュアルに関連する新しいサービスを提供する。その新しいサービスは、少なくとも、以下に示す3つのサービスを含む。
(1)電子マニュアルの表示を最適化するサービス
(2)電子マニュアルへのアクセス権限を管理するサービス
(3)電子マニュアル上でコミュニケーションするサービス
以下、各サービスについて詳細に説明する。
2.電子マニュアルの表示を最適化するサービス
図1Aは、ユーザ端末およびサーバにおいて実行される処理のフローの一例を示す。この処理は、電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないことを可能にする処理の一例である。ここで、ユーザ端末とサーバとは、ネットワークを経由して通信することが可能なように構成されているものとする。
ステップS110:ユーザ端末において、電子マニュアルを特定する処理が実行される。ここで、電子マニュアルをどのようにして特定するのかは問わないものとする。例えば、ビーコン送信機から送信されたビーコン信号に含まれる情報によって電子マニュアルを特定するようにしてもよいし、ユーザが電子マニュアルを選択することによって電子マニュアルを特定するようにしてもよい。ユーザによる電子マニュアルの選択は、例えば、ユーザ端末に表示される電子マニュアルを示すアイコンをユーザが選択することによって行われてもよいし、ユーザ端末に表示される複数の電子マニュアルのリストの中から1つの電子マニュアルをユーザが選択することによって行われてもよい。
ステップS120:ユーザ端末において、特定された電子マニュアルを識別するための情報(例えば、電子マニュアルID)をサーバに送信する処理が実行される。ここで、サーバに送信するとは、サーバに直接的に送信するか間接的に送信するかを問わない。ステップS120の処理の結果、電子マニュアルIDがユーザ端末からサーバに送信されることになる。
ステップS130:サーバにおいて、電子マニュアルIDを受信する処理が実行される。
ステップS140:サーバにおいて、電子マニュアルIDに基づいて、電子マニュアルの構造化データを生成する処理が実行される。この処理の詳細については、図3を参照して後述する。ここで、電子マニュアルの構造化データとは、電子マニュアルの構造化された構成を示すデータをいう。ただし、電子マニュアルの構造化データは、静止画データまたは動画データを含んでいないものとする。その代わりに、電子マニュアルの構造化データは、静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を含む。このような場所を示す情報の一例は、URL(Uniform Resource Locator)であるがこれに限定されない。静止画データまたは動画データは、サーバに接続されているストレージ部(例えば、クラウド上の大容量のストレージ部)に格納されている。電子マニュアルの構造化データは、構造化ファイルの形式を有する。このような構造化ファイルの一例は、JSON(JavaScript Object Notation)ファイルまたはXML(Extensible Markup Language)ファイルまたはCSV(Comma−Separated Values)ファイルであるがこれらに限定されない。
なお、ステップS140において、一度、電子マニュアルIDに基づいて電子マニュアルの構造化データを生成した後には、その電子マニュアルの構造化データをサーバに接続されているデータベース部に格納しておくことにより、その都度、電子マニュアルIDに基づいて電子マニュアルの構造化データを生成しないようにすることも可能である。例えば、電子マニュアルIDに基づいて電子マニュアルの構造化データを生成する代わりに、データベース部に格納されている電子マニュアルの構造化データを読み出すようにすればよい。
ステップS150:サーバにおいて、電子マニュアルの構造化データをユーザ端末に送信する処理が実行される。ここで、ユーザ端末に送信するとは、ユーザ端末に直接的に送信するか間接的に送信するかを問わない。ステップS150の処理の結果、電子マニュアルの構造化データがサーバからユーザ端末に送信されることになる。
ステップS160:ユーザ端末において、電子マニュアルの構造化データを受信する処理が実行される。
ステップS170:ユーザ端末において、電子マニュアルの構造化データを電子マニュアルの表示データに変換する処理が実行される。電子マニュアルの構造化データと同様、電子マニュアルの表示データもまた、静止画データまたは動画データを含んでいない。その代わりに、電子マニュアルの表示データは、静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を含む。電子マニュアルの表示データは、ユーザ端末に表示されることが可能な表示ファイルの形式を有する。このような表示ファイルの一例は、HTML(HyperText Markup Language)ファイルであるがこれに限定されない。
ステップS180:ユーザ端末において、表示データをユーザ端末に表示する処理が実行される。この処理において、表示データに含まれる静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を参照して、サーバに接続されているストレージ部に格納されている静止画データまたは動画データへのアクセスが行われる。これにより、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末に表示することが可能になる。ただし、電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないものとする。このことは、例えば、静止画データまたは動画データをダウンロードしながら順次再生するストリーミング方式を用いて実現することが可能である。このように、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないようにすることにより、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データの盗用や改ざんといった著作権侵害のリスクを実質的になくすことが可能である。なお、オプションとして、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリ(例えば、キャッシュなどの一時的なメモリ)に格納することも可能である。
図1Bは、ユーザ端末およびサーバにおいて実行される処理のフローの一例を示す。図1Bは、図1Aに示されるステップS170をユーザ端末側ではなくサーバ側で実行するようにしたものである。従って、図1Bにおいて、図1Aに示されるステップと同一のステップには同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
ステップS170’:サーバにおいて、電子マニュアルの構造化データを電子マニュアルの表示データに変換する処理が実行される。電子マニュアルの構造化データをどのようにして電子マニュアルの表示データに変換するかについては、図1Aに示されるステップS170と同一であるので、ここではその説明を省略する。
ステップS155:サーバにおいて、電子マニュアルの表示データをユーザ端末に送信する処理が実行される。ここで、ユーザ端末に送信するとは、ユーザ端末に直接的に送信するか間接的に送信するかを問わない。ステップS155の処理の結果、電子マニュアルの表示データがサーバからユーザ端末に送信されることになる。
ステップS165:ユーザ端末において、電子マニュアルの表示データを受信する処理が実行される。
図1Aに示される処理は、例えば、ユーザ端末にクライアントアプリケーションプログラムがインストールされている場合にそのクライアントアプリケーションプログラムを用いて電子マニュアルを表示する場合に用いられる。図1Bに示される処理は、例えば、ユーザ端末にブラウザが組み込まれている場合にそのブラウザを用いて電子マニュアルを表示する場合に用いられる。
このように、図1Aおよび図1Bに示される処理によれば、電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないことが可能である。これにより、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データの盗用や改ざんといった著作権侵害のリスクを実質的になくすことが可能である。このことが、電子マニュアルの表示を最適化するサービスの一例である。
図1Aに示される例では、ステップS170において構造化データを表示データに変換することによって、ユーザ端末において表示データが生成されるのに対し、図1Bに示される例では、ステップS165において表示データが受信されることによってユーザ端末において表示データが生成される。図1Aおよび図1Bに示される例は、表示データが生成される例を示しているにすぎないから、本発明はこれに限定されない。電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないように表示データが構成されている限り、表示データは、任意の態様で生成されることが可能である。例えば、表示データが、静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を含む場合には、ユーザ端末において、表示データに含まれる静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を参照して、サーバに接続されているストレージ部に格納されている静止画データまたは動画データにアクセスすることによって、電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないようにすることが可能である。
図2Aは、ユーザ端末およびサーバにおいて実行される処理のフローの一例を示す。この処理は、同一の電子マニュアルを複数の異なる表示形式でユーザ端末に表示することを可能にする処理の一例である。ここで、表示形式の一例は、「リスト表示形式」または「スライドショー表示形式」または「PDF表示形式」であるがこれらに限定されない。「リスト表示形式」とは、電子マニュアルの少なくとも1つの作業ステップを縦方向にリスト形式に並べて表示する形式である。「スライドショー表示形式」とは、電子マニュアルの少なくとも1つの作業ステップのそれぞれを1つずつスライドショーの形式で横方向に順次にスライドさせつつ表示する形式である。「PDF表示形式」とは、電子ファイルをPDFファイルの形式で表示する形式である。
ステップS210:ユーザ端末において、電子マニュアルを特定する処理が実行される。ここで、電子マニュアルをどのようにして特定するかについては、図1Aに示されるステップS110と同一であるので、ここではその説明を省略する。
ステップS220:ユーザ端末において、電子マニュアルの表示形式を特定する処理が実行される。ここで、電子マニュアルの表示形式をどのようにして特定するのかは問わないものとする。例えば、ユーザが電子マニュアルの表示形式を選択することによって電子マニュアルの表示形式を特定するようにしてもよいし、ユーザが電子マニュアルの表示形式を選択することなく、デフォルトの表示形式が予め決められていることによって電子マニュアルの表示形式を特定するようにしてもよい。ユーザによる電子マニュアルの表示形式の選択は、例えば、ユーザ端末に表示される電子マニュアルの中に示される表示形式領域(例えば、リスト表示形式領域またはスライドショー表示形式領域またはPDF表示形式領域)をユーザが選択することによって行われてもよい。
ステップS230:ユーザ端末において、特定された電子マニュアルを識別するための情報(例えば、電子マニュアルID)と特定された電子マニュアルの特定された表示形式を識別するための情報(例えば、表示形式ID)をサーバに送信する処理が実行される。ここで、サーバに送信するとは、サーバに直接的に送信するか間接的に送信するかを問わない。ステップS230の処理の結果、電子マニュアルIDと表示形式IDとがユーザ端末からサーバに送信されることになる。
ステップS240:サーバにおいて、電子マニュアルIDと表示形式IDとを受信する処理が実行される。
ステップS250:サーバにおいて、電子マニュアルIDおよび表示形式IDに基づいて、電子マニュアルの構造化データを生成する処理が実行される。この処理の詳細については、図4を参照して後述する。ここで、電子マニュアルの構造化データとは、電子マニュアルの構造化された構成を示すデータをいう。ただし、電子マニュアルの構造化データは、静止画データまたは動画データを含んでいないものとする。その代わりに、電子マニュアルの構造化データは、静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を含む。このような場所を示す情報の一例は、URL(Uniform Resource Locator)であるがこれに限定されない。静止画データまたは動画データは、サーバに接続されているストレージ部(例えば、クラウド上の大容量のストレージ部)に格納されている。電子マニュアルの構造化データは、構造化ファイルの形式を有する。このような構造化ファイルの一例は、JSON(JavaScript Object Notation)ファイルまたはXML(Extensible Markup Language)ファイルまたはCSV(Comma−Separated Values)ファイルであるがこれらに限定されない。
なお、ステップS250において、一度、電子マニュアルIDおよび表示形式に基づいて電子マニュアルの構造化データを生成した後には、その電子マニュアルの構造化データをサーバに接続されているデータベース部に格納しておくことにより、その都度、電子マニュアルIDおよび表示形式IDに基づいて電子マニュアルの構造化データを生成しないようにすることも可能である。例えば、電子マニュアルIDに基づいて電子マニュアルの構造化データを生成する代わりに、データベース部に格納されている電子マニュアルの構造化データを読み出すようにすればよい。
ステップS260:サーバにおいて、電子マニュアルの構造化データをユーザ端末に送信する処理が実行される。ここで、ユーザ端末に送信するとは、ユーザ端末に直接的に送信するか間接的に送信するかを問わない。ステップS260の処理の結果、電子マニュアルの構造化データがサーバからユーザ端末に送信されることになる。
ステップS270:ユーザ端末において、電子マニュアルの構造化データを受信する処理が実行される。
ステップS280:ユーザ端末において、電子マニュアルの構造化データを電子マニュアルの表示データに変換する処理が実行される。電子マニュアルの構造化データをどのようにして電子マニュアルの表示データに変換するかについては、図1Aに示されるステップS170と同一であるので、ここではその説明を省略する。
ステップS290:ユーザ端末において、表示データをユーザ端末に表示する処理が実行される。ここで、表示データをどのようにして表示するのかについては、図1Aに示されるステップS180と同一であるので、ここではその説明を省略する。
図2Bは、ユーザ端末およびサーバにおいて実行される処理のフローの一例を示す。図2Bは、図2Aに示されるステップS280をユーザ端末側ではなくサーバ側で実行するようにしたものである。従って、図2Bにおいて、図2Aに示されるステップと同一のステップには同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
ステップS280’:サーバにおいて、電子マニュアルの構造化データを電子マニュアルの表示データに変換する処理が実行される。電子マニュアルの構造化データをどのようにして電子マニュアルの表示データに変換するかについては、図2Aに示されるステップS280と同一であるので、ここではその説明を省略する。
ステップS265:サーバにおいて、電子マニュアルの表示データをユーザ端末に送信する処理が実行される。ここで、ユーザ端末に送信するとは、ユーザ端末に直接的に送信するか間接的に送信するかを問わない。ステップS265の処理の結果、電子マニュアルの表示データがサーバからユーザ端末に送信されることになる。
ステップS275:ユーザ端末において、電子マニュアルの表示データを受信する処理が実行される。
図2Aに示される処理は、例えば、ユーザ端末にクライアントアプリケーションプログラムがインストールされている場合にそのクライアントアプリケーションプログラムを用いて電子マニュアルを表示する場合に用いられる。図2Bに示される処理は、例えば、ユーザ端末にブラウザが組み込まれている場合にそのブラウザを用いて電子マニュアルを表示する場合に用いられる。
このように、図2Aおよび図2Bに示される処理によれば、電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないことが可能である。これにより、電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データの盗用や改ざんといった著作権侵害のリスクを実質的になくすことが可能である。これに加えて、図2Aおよび図2Bに示される処理によれば、同一の電子マニュアルを複数の異なる表示形式でユーザ端末に表示することが可能である。このこともまた、電子マニュアルの表示を最適化するサービスの一例である。
図2Aに示される例では、ステップS280において構造化データを表示データに変換することによって、ユーザ端末において表示データが生成されるのに対し、図2Bに示される例では、ステップS275において表示データが受信されることによってユーザ端末において表示データが生成される。図2Aおよび図2Bに示される例は、表示データが生成される例を示しているにすぎないから、本発明はこれに限定されない。電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないように表示データが構成されている限り、表示データは、任意の態様で生成されることが可能である。例えば、表示データが、静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を含む場合には、ユーザ端末において、表示データに含まれる静止画データの場所を示す情報または動画データの場所を示す情報を参照して、サーバに接続されているストレージ部に格納されている静止画データまたは動画データにアクセスすることによって、電子マニュアルをユーザ端末に表示した後に、その電子マニュアルに含まれる静止画データまたは動画データをユーザ端末のメモリに残さないようにすることが可能である。
図3は、図1A、図1Bに示されるステップS140において実行される処理の手順の一例を示す。
ステップS310:サーバにおいて、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルが存在するか否かが判定される。このような判定は、例えば、電子マニュアルIDとサーバに接続されているデータベース部に格納されている電子マニュアルの階層化データのファミリーIDとが一致するか否かを判定することによって達成される。ここで、電子マニュアルの階層化データのファミリーIDについては、図5を参照して後述する。この判定結果が「Yes」である場合には、処理は、ステップS320に進む。この判定結果が「No」である場合には、処理は、終了する。処理の終了の際、エラーメッセージをユーザ端末に表示するようにしてもよい。
ステップS320:サーバにおいて、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルへのアクセス権が存在するか否かが判定される。このような判定は、例えば、この電子マニュアルを選択したユーザを識別するための情報(例えば、ユーザID)に対してこの電子マニュアルのアクセス権(閲覧権または編集権)が設定されているか否かを判定することによって達成される。ここで、ユーザIDは、例えば、マニュアルIDとともにユーザ端末からサーバに送信されることが可能である。この判定結果が「Yes」である場合には、処理は、ステップS330に進む。この判定結果が「No」である場合には、処理は、終了する。処理の終了の際、エラーメッセージをユーザ端末に表示するようにしてもよい。
ステップS330:サーバにおいて、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルの階層化データに基づいて、電子マニュアルの構造化データが生成される。このような電子マニュアルの構造化データの生成は、例えば、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルの階層化データをサーバに接続されているデータベース部から読み出し、その読み出された電子マニュアルの階層化データから電子マニュアルの構造化データを生成することによって達成される。なお、サーバにおいて、ユーザ端末がどのような端末であるかを示す端末情報(例えば、ユーザ端末がスマートフォンであるかパーソナルコンピュータ(PC)であるかを示す情報)を取得するようにして、このような端末情報にさらに応じて電子マニュアルの構造化データを生成するようにしてもよい。
図4は、図2A、図2Bに示されるステップS250において実行される処理の手順の一例を示す。
ステップS410:サーバにおいて、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルが存在するか否かが判定される。このステップS410は、図3に示されるステップS310と同様であるので、ここではその説明を省略する。
ステップS420:サーバにおいて、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルへのアクセス権を有しているか否かが判定される。このステップS420は、図3に示されるステップS320と同様であるので、ここではその説明を省略する。
ステップS430:サーバにおいて、電子マニュアルIDに対応する電子マニュアルの階層化データに基づいて、表示形式IDに応じて異なるように電子マニュアルの構造化データが生成される。この結果、同一の電子マニュアルの階層化データから生成される、リスト表示形式のための電子マニュアルの構造化データとスライドショー表示形式のための電子マニュアルの構造化データとは互いに異なることになる。
図5は、サーバに接続されているデータベース部に格納されている電子マニュアルの階層化データの一例を示す。
図5に示される例では、電子マニュアルの階層化データ500は、電子マニュアルを代表するファミリー(”family”)502に対して一意的に付与されたファミリーIDによって識別される。ここで、ファミリー(”family”)502は、電子マニュアル全体の更新情報、閲覧数、権限情報などを管理するために用いられる。
図5に示される例では、電子マニュアルの階層化データ500は、ファミリー(”family”)502の下位構造として、編集用のコンテンツデータ(”content(編集用)”)510と公開用のコンテンツデータ(”content(公開用)”)520とを有する。編集用のコンテンツデータ510は、電子マニュアルを編集するために用いられるデータである。公開用のコンテンツデータ520は、電子マニュアルを公開するために用いられるデータである。
電子マニュアルの階層化データ500は、編集用のコンテンツデータ510の下位構造として、電子マニュアルの表紙用の画像(”image”)510a、動画(”video”)510b、音声(”audio”)510c、リンク(”link”)510d、電子マニュアルの作業ステップ(”step”)510eとをさらに有する。ここで、リンク(”link”)510dについては、複数個のリンク(”link”)510dを定義することが可能であり、電子マニュアルの作業ステップ(”step”)510eについても、複数個の電子マニュアルの作業ステップ(”step”)510eを定義することが可能である。
電子マニュアルの階層化データ500は、電子マニュアルの作業ステップ(”step”)510eの下位構造として、電子マニュアルの作業ステップ用の画像(”image”)510sa、動画(”video”)510sb、音声(”audio”)510sc、リンク(”link”)510sdをさらに有する。
電子マニュアルの階層化データ500は、公開用のコンテンツデータ520の下位構造として、編集用のコンテンツデータ510の下位構造と同様の構造を有する。
編集用のコンテンツデータ510の下位にある電子マニュアルの作業ステップ(”step”)510eと公開用のコンテンツデータ520の下位にある電子マニュアルの作業ステップ(”step”)520eとを統括するファミリー(”family”)530が定義されている。ここで、ファミリー(”family”)530は、電子マニュアルの作業ステップの更新情報などを管理するために用いられる。
電子マニュアルの階層化データ500は、ファミリー(”family”)502の下位構造として、コメント(”comment”)540とグッジョブ(”good_job”)550とをさらに有する。コメント(”comment”)540は、この電子マニュアルに対するユーザからのコメントを収集するために用いられる。グッジョブ(”good_job”)550は、この電子マニュアルに対するユーザからのグッジョブを収集するために用いられる。ここで、コメント(”comment”)540については、複数個のコメント(”comment”)540を定義することが可能でありグッジョブ(”good_job”)550についても、複数個のグッジョブ(”good_job”)550を定義することが可能である。なお、ファミリー(”family”)530の下位構造として、複数個のコメント(”comment”)560を定義することも可能である。
このように、電子マニュアルの階層化データ500は、編集用のコンテンツデータと公開用のコンテンツデータとを常に2本立ての形式で有している。これにより、同一の電子マニュアルについて、公開用のコンテンツデータを公開しつつ、それと並行して編集用のコンテンツデータを編集することが可能である。さらに、同一の電子マニュアルについて、編集用のコンテンツデータと公開用のコンテンツデータとがばらばらになって散逸してしまうということを防止することが可能である。
なお、画像(”image”)510aおよび動画(”video”)510bは、それぞれ、静止画データの場所を示す情報および動画データの場所を示す情報を示す。このような場所を示す情報の一例は、URL(Uniform Resource Locator)であるがこれに限定されない。図5に示されるその他の画像、動画についても同様である。また、静止画または動画に関連するテキストデータは、静止画データまたは動画データに含まれているものとする。画像(”image”)520aおよび動画(”video”)520bについても、同様である。
図6Aは、(a)電子マニュアルの構造化データの一例および(b)電子マニュアルの表示データの一例を示す。図6Aに示される例では、電子マニュアルの表示データは、HTMLファイルの形式で記述されているがこれに限定されない。
図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データは、図3に示されるステップS330の「階層化データに基づく構造化データの生成」という処理に従って、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の公開用のコンテンツデータ520に基づいて生成されるものである。図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データは、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の編集用のコンテンツデータ510に基づいて生成されない。また、図6Aに示される(b)電子マニュアルの表示データは、図1Aに示されるステップS170の「構造化データから表示データへの変換」という処理および図1Bに示されるステップS170’の「構造化データから表示データへの変換」という処理に従って、図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データを変換することによって得られるものである。
図6Aに示される例では、3−1、3−2、3−1−1、3−1−2、3−1−3、3−1−4などの番号は、電子マニュアルを構成する構成要素の階層レベルを示す。すなわち、3−1、3−2などは、3の下位の階層レベルを示し、3−1−1、3−1−2、3−1−3、3−1−4などは、3−1の下位の階層レベルを示す。
なお、図6Aは、電子マニュアルを「リスト表示形式」で表示する場合における、(a)電子マニュアルの構造化データの一例および(b)電子マニュアルの表示データの一例を示したものでもある。すなわち、図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データは、図4に示されるステップS430の「階層化データに基づく、表示形式IDに応じて異なる構造化データの生成」という処理に従って、表示形式IDが「リスト表示形式」を示すものである場合に、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の公開用のコンテンツデータ520に基づいて生成されるものでもある。図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データは、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の編集用のコンテンツデータ510に基づいて生成されない。図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データおよび(b)電子マニュアルの表示データは、電子マニュアルの表示形式が指定されなかった場合(または電子マニュアルの表示形式がデフォルトの表示形式である場合)における、(a)電子マニュアルの構造化データの一例および(b)電子マニュアルの表示データの一例であるともいえる。
図6Bは、図6Aの(b)に示される電子マニュアルの表示データに基づいてユーザ端末に表示される画面の一例を示す。
図6Bに示される例では、3、3−1、3−2、3−1−1、3−1−2、3−1−3、3−1−4などの番号は、電子マニュアルを構成する構成要素の階層レベルを示す。すなわち、3−1、3−2などは、3の下位の階層レベルを示し、3−1−1、3−1−2、3−1−3、3−1−4などは、3−1の下位の階層レベルを示す。図6Bに示される例では、3−1−2に対応する電子マニュアルの表紙と、3−1−3に対応する電子マニュアルの2つの作業ステップとが縦方向にリスト形式に並べて表示されている。これが、「リスト表示形式」による電子マニュアルの表示の一例である。
図7Aは、(a)電子マニュアルの構造化データの一例および(b)電子マニュアルの表示データの一例を示す。図7Aは、電子マニュアルを「スライドショー表示形式」で表示する場合における、(a)電子マニュアルの構造化データの一例および(b)電子マニュアルの表示データの一例を示したものである。図7Aに示される例では、電子マニュアルの表示データは、HTMLファイルの形式で記述されているがこれに限定されない。
図7Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データは、図4に示されるステップS430の「階層化データに基づく、表示形式IDに応じて異なる構造化データの生成」という処理に従って、表示形式IDが「スライドショー表示形式」を示すものである場合に、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の公開用のコンテンツデータ520に基づいて生成されるものである。図7Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データは、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の編集用のコンテンツデータ510に基づいて生成されない。図6Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データと図7Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データとを対比すると、両者が互いに異なっていることが分かる。これは、電子マニュアルの同一の階層化データから、互いに異なる表示形式IDに従って互いに異なるように電子マニュアルの構造化データが生成された結果である。また、図7Aに示される(b)電子マニュアルの表示データは、図2Aに示されるステップS280の「構造化データから表示データへの変換」という処理および図2Bに示されるステップS280’の「構造化データから表示データへの変換」という処理に従って、図7Aに示される(a)電子マニュアルの構造化データを変換することによって得られるものである。
図7Aに示される例では、ページ送りまたはページ戻りをするたびにページを再描画するためのプログラム(例えば、スクリプト)が呼び出される。このようなスクリプトは、電子マニュアルの構造化データとともに、電子マニュアルの階層化データに基づいて生成される。このようなスクリプトは、例えば、Javascript(登録商標)で記述されることが可能である。なお、電子マニュアルの表紙および電子マニュアルの少なくとも1つの作業ステップのそれぞれがスライドショーを構成する各ページに割り当てられる。
図7Bは、図7Aの(b)に示される電子マニュアルの表示データに基づいてユーザ端末に表示される画面の一例を示す。
図7Bに示される例では、電子マニュアルの表紙を示すページが表示されている。図7Aに示される「ページ送り」ボタン700がユーザによって操作されると、電子マニュアルの表紙を示すページが横方向にスライドして、電子マニュアルの次のページ(すなわち、電子マニュアルの1番目の作業ステップを示すページ)が表示される。電子マニュアルの1番目の作業ステップを示すページが表示されている状態では、「ページ送り」ボタン700に加えて、「ページ戻り」ボタンも表示されることになる。電子マニュアルの1番目の作業ステップを示すページが表示されている状態で、「ページ送り」ボタン700がユーザによって操作されると、電子マニュアルの次のページ(すなわち、電子マニュアルの2番目の作業ステップを示すページ)が表示される。電子マニュアルの1番目の作業ステップを示すページが表示されている状態で、「ページ戻り」ボタンがユーザによって操作されると、電子マニュアルの前のページ(すなわち、電子マニュアルの表紙を示すページ)が表示される。このようにして、スライドショーを構成するページを順次スライドさせることによって電子マニュアルを閲覧することが可能である。これが、「スライドショー表示形式」による電子マニュアルの表示の一例である。
なお、電子マニュアルを「PDF表示形式」で表示する場合には、図2A、図2Bに示される処理は適用されない。その代わりに、サーバにおいて、電子マニュアルの静止画データまたは動画データやCSSなどを合わせた形でPDFファイルを作成し、そのPDFファイルをサーバからユーザ端末に送信し、ユーザ端末において、そのPDFファイルを表示することによって、電子マニュアルを「PDF表示形式」で表示することが可能である。
3.電子マニュアルへのアクセス権限を管理するサービス
図8は、電子マニュアルへのアクセス権限を管理するための概念を示す。
(1)「グループ」という概念
「グループ」の中には、「フォルダ(内部共有)」と「フォルダ(公開)」とが含まれている。「グループ」は、電子マニュアルのユーザを管理する一番大きな単位であり、通常は1グループ1企業である。
(2)「フォルダ」という概念
「フォルダ」は、電子マニュアルを入れる入れ物である。「フォルダ」には、「フォルダ(内部共有)」と「フォルダ(公開)」という2種類のフォルダが存在する。「フォルダ(内部共有)」にアサインされたユーザのみが「フォルダ(内部共有)」内の電子マニュアルの閲覧を許可される。これに対し、誰でも(「グループ」内の人間であるか「グループ」外の人間であるかにかかわらず)「フォルダ(公開)」内の電子マニュアルを閲覧することが可能である。なお、「フォルダ」を「ルーム」ということもある。
(3)ユーザの権限
「フォルダ(内部共有)」にアサインされたユーザには、メンバーとゲストという2種類のユーザが存在する。メンバーには、電子マニュアルの編集権を有するメンバーと電子マニュアルの編集権を有していないメンバーが存在する。電子マニュアルの編集権を有していないメンバーに電子マニュアルの編集権を付与することは可能である。ゲストは、電子マニュアルの編集権を有しておらず、電子マニュアルの編集権を付与することもできない。メンバーおよびゲストの両方が、電子マニュアルの閲覧権を有している。
(4)電子マニュアルの編集権
電子マニュアルの編集権を有している者は、「フォルダ(内部共有)」にアサインされたユーザのうち電子マニュアルの編集権が付与されたメンバーのみである。複数のメンバーに同一の電子マニュアルの編集権を付与することも可能である。
なお、電子マニュアルの編集は、ユーザ端末を用いて行うことが可能である。具体的には、電子マニュアルの編集権を有するユーザのユーザ端末に電子マニュアル編集用の画面(例えば、図5に示される電子マニュアルの階層データを表示した画面)を表示し、その画面において個々のデータを編集できるようにすればよい。編集により変更されたデータは、サーバに送信される。サーバは、変更されたデータを、サーバに接続されているストレージ部やデータベース部の内容に適切な形で反映させるようにすればよい。ユーザ端末を使用するユーザが編集権を有しているか否かの判定は、例えば、そのユーザ端末にログインするときにユーザが使用したユーザIDやユーザ端末の端末IDを判定することによって行うことが可能である。
なお、上述した「グループ」、「フォルダ(内部共有)」、「フォルダ(公開)」、「電子マニュアルの編集権」、「電子マニュアルの閲覧権」などの概念は、例えば、サーバに接続されているデータベース部において実装されることが可能である。電子マニュアルの編集権は、例えば、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の編集用のコンテンツデータ510に対するアクセスを制限することによって設定されることが可能である。さらに、電子マニュアルの閲覧権は、例えば、図5に示される電子マニュアルの階層化データ500の公開用のコンテンツデータ520に対するアクセスを制限することによって設定されることが可能である。
4.電子マニュアル上でコミュニケーションするサービス
以下、図9A〜図9Cを参照して、電子マニュアル上でコミュニケーションするサービスを説明する。
図9Aは、電子マニュアルの閲覧者が電子マニュアルの作成者に「グッジョブ!」を送信することを可能にするサービスの概要を示す。このサービスは、電子マニュアル上でコミュニケーションするサービスの一例である。
電子マニュアルの閲覧者は、ユーザ端末に表示される電子マニュアルに対して「グッジョブ!」というメッセージを入力する。ここで、「グッジョブ!」というメッセージの表現の形式は問わない。例えば、「グッジョブ!」というメッセージは、テキストであってもよいし図形であってもよいし音声であってもよい。このような「グッジョブ!」というメッセージの入力は、例えば、ユーザ端末に表示される電子マニュアル上の所定の領域(例えば、「グッジョブ!」ボタン)を電子マニュアルの閲覧者が選択することによって達成される。その結果、電子マニュアルの閲覧者が使用するユーザ端末から入力された「グッジョブ!」というメッセージがネットワークを経由してサーバに送信される。サーバは、「グッジョブ!」というメッセージを受信すると、それをサーバに接続されているデータベース部に格納する。その後、サーバは、「貴方の電子マニュアルがグッジョブ!されました」というメッセージをネットワークを経由して電子マニュアルの作成者が使用するユーザ端末に送信する。ここで、電子マニュアルの作成者を識別するための情報(例えば、作成者ID)は、電子マニュアルに含まれているか、電子マニュアルに関連付けられた情報に含まれているものとする。
なお、サーバは、「グッジョブ!」というメッセージをデータベース部に格納する前に、「グッジョブ!」というメッセージを送信したユーザ(電子マニュアルの閲覧者)が「グッジョブ!」というメッセージを送信する権限を有しているか否かを判定し、その権限を有していると判定された場合にのみ、「グッジョブ!」というメッセージをデータベース部に格納するようにしてもよい。
図9Bは、電子マニュアルの閲覧者が電子マニュアルの作成者にコメントを送信することを可能にするサービスの概要を示す。このサービスは、電子マニュアル上でコミュニケーションするサービスの他の一例である。
電子マニュアルの閲覧者は、ユーザ端末に表示される電子マニュアルに対してコメント(例えば、「コメント:XXを直した方がいいですよ」というコメント)を入力する。このようなコメントの入力は、例えば、ユーザ端末に表示される電子マニュアル上の所定の領域(例えば、コメント入力領域)に電子マニュアルの閲覧者がテキストを入力することによって達成される。その結果、電子マニュアルの閲覧者が使用するユーザ端末から入力されたコメントがネットワークを経由してサーバに送信される。サーバは、コメントを受信すると、それをサーバに接続されているデータベース部に格納する。その後、サーバは、「貴方の電子マニュアルに○○○とコメントされました」というメッセージをネットワークを経由して電子マニュアルの作成者が使用するユーザ端末に送信する。ここで、電子マニュアルの作成者を識別するための情報(例えば、作成者ID)は、電子マニュアルに含まれているか、電子マニュアルに関連付けられた情報に含まれているものとする。
なお、サーバは、コメントをデータベース部に格納する前に、コメントを送信したユーザ(電子マニュアルの閲覧者)がコメントを送信する権限を有しているか否かを判定し、その権限を有していると判定された場合にのみ、コメントをデータベース部に格納するようにしてもよい。
図9Cは、電子マニュアルの作成者が電子マニュアルの閲覧者に電子マニュアルの更新通知を送信することを可能にするサービスの概要を示す。このサービスは、電子マニュアル上でコミュニケーションするサービスの他の一例である。
電子マニュアルの作成者は、ユーザ端末を用いて、サーバに接続されているデータベース部に格納されている電子マニュアルを更新する。さらに、電子マニュアルの作成者は、ユーザ端末を用いて、電子マニュアルが更新された旨の通知(電子マニュアルの更新通知)をネットワークを経由してサーバに送信する。サーバは、電子マニュアルの更新通知を受信すると、「電子マニュアルが更新されました」というメッセージをネットワークを経由して電子マニュアルの閲覧者(複数)が使用するユーザ端末(複数)に送信する。ここで、電子マニュアルの閲覧者(複数)を識別するための情報(例えば、閲覧者ID(複数))は、電子マニュアルに含まれているか、電子マニュアルに関連付けられた情報に含まれているものとする。
なお、サーバは、電子マニュアルを更新する前に、ユーザ(電子マニュアルの作成者)が電子マニュアルを更新する権限を有しているか否かを判定し、その権限を有していると判定された場合にのみ、電子マニュアルの更新を行うようにしてもよい。
5.システムの構成
図10は、電子マニュアルに関連する新しいサービスを実現するためのシステム1000の構成の一例を示す。
図10に示される例では、システム1000は、サーバ1010と、インターネット1020を経由してサーバ1010と通信可能な複数のユーザ端末1030と、サーバ1010に接続されているデータベース部1040と、サーバ1010に接続されているストレージ部1050とを備えている。
データベース部1040には、例えば、電子マニュアルの階層化データ(図5)が格納されている。ストレージ部1050には、例えば、電子マニュアルの静止画データまたは動画データが格納されている。データベース部1040またはストレージ部1050は、サーバ1030に内蔵されていてもよいし、サーバ1030の外部に設けられていてもよい。なお、データベース部1040またはストレージ部1050は、サーバ1030に接続されていれば足り、無線接続であるか有線接続であるかを問わない。ストレージ部1050は、例えば、クラウド上の大容量のストレージ部であってもよい。
サーバ1010は、電子マニュアルに関連するサービスを提供するシステムを管理する管理者が運営・管理する情報処理装置である。サーバ1010は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータであって、サーバとしての一般的なハードウェア構成を有している。図10に示される例では、サーバ1010は、通信部1010a、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含む制御部1010b、データ記憶部1010cを有している。サーバ1010のハードウェア構成はその機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
サーバ1010には、オペレーションシステム(OS)等の基本プログラムの他、電子マニュアルに関連するサービスを提供するために必要な各種ソフトウェアがインストールされている。サーバ1010にインストールされるソフトウェアは、例えば、データベースサーバ、Webサーバ、FTPサーバ等にインストールされているソフトウェアである。サーバ1010の制御部1010bは、プログラムまたはデータを処理することにより、サーバ1010の動作を制御する。
データ記憶部1010cには、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。データ記憶部1010cには、例えば、図1A、図1B、図2A、図2B、図3、図4に示されるサーバ側の処理を実現するためのプログラムが格納されている。制御部1010bは、データ記憶部1010cに格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、サーバ1010をシステム1000の一部を構成する装置として機能させることが可能である。
ユーザ端末1030は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、スマートウォッチ端末等の携帯無線端末であることが好ましい。図10に示される例では、ユーザ端末1030は、携帯電話回線網や公衆無線LANを経由してデータ通信を行う無線通信部1030aと、1つ以上のCPUを含む制御部1030bと、データ記憶部1030cと、カーソルキー等の入力部1030d、タッチパネルディスプレイ等の入力部兼表示部1030eとを有している。ただし、ユーザ端末1030は、携帯無線端末に限定されず、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
ユーザ端末1030には、OS等の基本プログラムの他、電子マニュアルに関連するサービスを提供するために必要なアプリケーションプログラム(クライアントアプリケーションプログラム)がインストールされている。あるいは、ユーザ端末1030は、Webブラウザの組み込みプログラムまたは追加プログラムを利用することが可能である。この場合、ユーザ端末1030は、アプリケーションプログラムをインストールすることなくWebブラウザ上でサービスを利用することが可能である。
データ記憶部1030cには、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。例えば、図1A、図1B、図2A、図2Bに示されるユーザ端末側の処理を実現するためのプログラムが格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてデータ記憶部1030cに格納するかは問わない。例えば、プログラムは、データ記憶部1030cにプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット1020などのネットワークを経由してダウンロードされることによってデータ記憶部1030cにインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してデータ記憶部1030cにインストールされるようにしてもよい。制御部1010bは、データ記憶部1030cに格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、ユーザ端末1030をシステム1000の一部を構成する装置として機能させることが可能である。
なお、図10に示される例では、サーバ1010とユーザ端末1030とは、インターネット1020を経由して互いに接続されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。サーバ1010とユーザ端末1030とをインターネット1020以外の任意のタイプのネットワークを経由して接続するようにしてもよい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。