JP6544857B2 - メントール誘導体、その製造方法及びその用途 - Google Patents

メントール誘導体、その製造方法及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は新規メントール誘導体化合物、その製造方法、及びその用途に関する。
メントールは従来から様々な分野に使用されてきている。メントールは血管中枢に作用して、血管弛緩効果を示すことから、貼付剤の原料として、坑菌作用をも有することから、抗菌剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤、口腔用液体として利用されている。また、清涼作用があり、風邪を防いで、散熱、解熱の効果があることから、虫に噛まれた時のかゆみ症、関節炎や神経痛のような痛み、結核、胃腸障害治癒を目的とした医薬品、医薬部外品、食品組成物等に利用されている。さらに、種々の化粧料、入浴剤、毛髪洗浄剤、口腔用液体として、主として清涼感を得るために多くの需要を有している。これらは、主として内用(経口摂取用)、外皮、毛髪若しくは粘膜に適用される。したがって、メントールは水性組成物として提供されるのが一般的である。
しかし、メントールは水に難溶である。メントールに水溶性を付与する目的で、例えば、乳酸メンチル、メンチルグリセリルエーテル、酒石酸モノメントールエステル類などへと変換することが提案されている(特許文献1)。
特開2005−194243号公報
メントールの有用性を鑑みると、メントールが有する清涼感等を享受可能なまま、水溶性のさらなる向上を図ることが期待される。本発明は、水溶性にさらに優れるメントール誘導体及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の内容の本発明を完成した。
[1]下記一般式(1)又は(2)
Figure 0006544857
(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアシル基を表す。)で表されるメントール誘導体あるいはそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
[2]上記[1]のメントール誘導体あるいはそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含有する化粧料又は食品。
[3]メントールと下記一般式(3)
Figure 0006544857
(但し、R’は炭素数1〜6のアシル基を表す。)で表されるクエン酸無水物誘導体とをエステル化反応に供する工程を有する、上記一般式(1)又は(2)で表されるメントール誘導体あるいはそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の製造方法。
本発明によれば、従来よりも水溶性にさらに優れるメントール誘導体が得られ、本発明に係るメントール誘導体は、従来のメントールの用途に適用可能である。
本発明に係るメントール誘導体は上記一般式(1)又は(2)で表される化合物である。
一般式(1)又は(2)におけるRは、水素原子又は炭素数1〜6のアシル基を表す。Rが水素原子である場合は隣接の酸素原子とともに水酸基を構成し、Rがアシル基である場合は前記水酸基に対する保護基であると解釈することができる。炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、ピバロイル基などが挙げられる。
本発明に係るメントール誘導体は、遊離酸であってもよいし、アルカリ金属塩であってもよいし、アルカリ土類金属塩であってもよい。塩である場合には、分子中に存在する2つのカルボン酸の1価だけが塩を構成していてもよいし、2価の塩を構成していてもよい。塩と遊離酸との相互の変換は、酸処理や塩による処理などにより可能である(後述)。
本発明に係るメントール誘導体は、後述の実施例によって実証されるように、水に溶かして用いることで、メントールが有する清涼感などの効果を享受することができる。したがって、メントールが用いられる用途、例えば、医薬、化粧料や食品などに適用可能である。化粧料という概念には機能性皮膚化粧料が包含され、より具体的には、例えば、皮膚洗浄用の組成物などが挙げられる。
本発明の製造方法では、所定化学構造のクエン酸無水物誘導体とメントールとをエステル化反応に供することを主たる合成経路とする。
本発明の製造方法で用いるクエン酸無水物誘導体は、クエン酸無水物(citric acid anhydride)の水酸基をアシル基で保護してなる化合物である。具体的には、下記一般式(3)で表される。
Figure 0006544857
ここで、R’は炭素数1〜6のアシル基を表す。アシル基による保護は、公知のアシル化剤、例えば酸無水物や酸ハライドを用いることにより得られる。より具体的には、クエン酸に対してアシル化剤を作用させることにより、通常は、クエン酸の環化と水酸基の保護が1工程で行える。例えば、クエン酸に対して3〜5モル倍程度のアシル化剤を作用させることが好ましい。クエン酸無水物誘導体を得る際に、酸触媒を用いてもよく、そのような酸触媒としては、ルイス酸及びブレンステッド酸のいずれも使用可能である。具体的には、塩酸、硫酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸等の有機酸といったブレンステッド酸などが挙げられる。
クエン酸無水物誘導体を得る際の溶媒は特に限定は無く、例えば、炭化水素系溶媒、とりわけ、トルエン、ヘプタンなどが挙げられ、これらは混合して用いることもできる。
本発明の製造方法では、クエン酸無水物誘導体と、メントールとをエステル化反応に供する。メントールは、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノールであり、この化合物は種々の立体異性体が知られている。本発明では、その立体構造(配置)については特に限定されない。入手の容易性、コストの観点から、好ましくはL−メントールである。
エステル化反応は、通常、溶媒中で、必要に応じて酸又は塩基の共存下で行われる。例として、上記R’がアセチル基(Ac)であり、ナトリウム塩存在下で反応させる場合のスキームを下記に記載する。
Figure 0006544857
メントール(M)とクエン酸無水物誘導体(3A)との反応により、メントールの水酸基と、クエン酸無水物誘導体の酸無水物のカルボニル基の片方とが脱水反応をするとともにクエン酸無水物誘導体が開環する。反応するカルボニル基に応じて、上記(4A)と(5A)の化学構造をもつメントール誘導体が生成し、通常は両者の混合物が得られる。この反応では、1molのメントールに対して、1〜2mol程度のクエン酸無水物誘導体の使用が好ましい。
この反応で用いてもよい酸触媒としては、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸等のプロトン酸;又は、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸といった通常のエステル化反応に用いられるような酸が挙げられる。用いてもよい塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド類;又は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類といった通常のエステル化反応に用いられるような塩基が挙げられる。
この反応で使用する溶媒は、原料を溶解し、且つ、反応を妨げないものであれば特に限定されない。具体例として、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;又は、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、ジクロロエタン、プロピルクロライド、ブチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
この反応で用いる溶媒量は特に制限されない。反応温度は、通常、0℃以上、好ましくは15℃以上、より好ましくは40℃以上である。不純物の副生を抑制する観点から、通常150℃以下、好ましくは120℃以下である。
反応時間は、基質、反応温度及び試剤の添加量等に依存するので一概に規定できないが、一般には0.1〜20時間で反応は完結する。このとき、逐次、反応混合物のサンプルを採取して、薄層クロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィー等により分析して、反応の進行状況を確認することができる。
このようにして得られるメントール誘導体は、水酸基のための保護基を有している。この保護基は、クエン酸無水物誘導体の一般式(3)におけるR’基に由来するものである。この保護基を有したメントール誘導体は、本発明に係るメントール誘導体の一形態である。後述する方法で、脱保護することにより水酸基を有するメントール誘導体を得ることもできる。
上記のエステル化反応では、例えば、上記一般式(1)及び(2)のように(具体例は上記化学式(4A)及び(5A))、脱水縮合する個所が異なる化合物の混合物が得られる。混合物から所望の化合物を分離する方法は特に限定は無い。一例として、ODS(octadecylsilyl)を充填剤に使用したカラムクロマトグラフィーを行うことにより、それぞれ分離、精製することができる。
最終的に脱保護によってアシル基を除去する場合、上述の分離は、脱保護に先立って行ってもよいし、まず、脱保護を行ってから分離を行ってもよい。
上記一般式(1)又は(2)におけるメントール誘導体について、遊離酸、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩との変換は公知の方法を適宜参照することができる。遊離酸を得る場合、通常、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を液体媒体に溶解又は懸濁し、これを酸性化することが挙げられる。この場合の液体媒体としては、水;MTBE(メチル第三ブチルエ−テル)、ジ−n−ブチルエ−テル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジエチルエーテル等の脂肪族エ−テル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル又は酢酸の3−メトキシブチルエステル等の脂肪族カルボン酸のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、メチルイソプロピルケトン、3−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン(2−ヘキサノン)または3−ヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;又は、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、ジクロロエタン、プロピルクロライド、ブチルクロライド等のハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。遊離酸を得るために用いる酸は、鉱酸、特に非酸化性鉱酸又は十分な酸度を有する有機酸が挙げられ、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸及び/又はヨウ化水素酸、ギ酸、ハロゲン化又は非ハロゲン化酢酸、脂肪族又は芳香族スルホン酸などが挙げられる。これらの酸は単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
最終的に脱保護によってアシル基を除去し、かつ、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩から遊離酸を得る場合、アシル基の除去と、上述の遊離酸の取得とは、その順序を問わない。
アシル基を除去する場合(脱保護)、換言すると、上記一般式(1)又は(2)においてRが水素原子であるメントール誘導体を得る場合、一般的な水酸基の脱保護反応(脱アシル化反応)に従い実施することができる。具体的には、通常、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化リチウム等の無機塩基若しくはトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン等の有機塩基を用いて脱アシル化を行うことができる。
脱保護反応における反応溶媒としては、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等)、アミド系溶媒(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール等)、水といった極性溶媒又はこれらの混合溶媒が好適に用いられる。反応温度としては、通常0℃から溶媒の沸点までの範囲を任意に採用することができる。反応時間は基質、反応温度及び試剤の添加量等に応じて適宜設定することができ、例えば、0.1〜20時間程度が挙げられる。反応中、逐次、反応混合物のサンプルを採取して、薄層クロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィー等により分析して、反応の進行状況を確認してもよい。
以下に実施例を挙げることによって本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれら実施例に限定されるわけではない。
この実施例では、まず、(1)クエン酸無水物誘導体を製造し、(2)得られたクエン酸無水物誘導体とメントールとを反応させることで目的のメントール誘導体を含む混合物を得た。以下の記載において、特に言及の無い限り、「部」は「質量部」を意味する。
(1)クエン酸無水物誘導体の合成方法
窒素雰囲気下の4つ口フラスコに、トルエン150部と、クエン酸33部と、無水酢酸56部とを加え、室温で30分攪拌して反応液を得た。前記クエン酸1molに対する無水酢酸の量は2.5molである。この反応液に95%硫酸2.5部を滴下した。その後、80℃で2時間攪拌した。次に、この反応液にヘプタン70部と、トルエン60部とを加えた後、0℃に冷却した。1時間、0℃に保った後、反応液をろ過して固形物を分取した。得られた固形物をヘプタン50部、トルエン200部を用いて洗浄した。この固形物を50℃で6時間減圧乾燥することで、下記一般式(3)で表されるクエン酸無水物誘導体(但し、R’はアセチル基である。)16部を得た。
Figure 0006544857
1H−NMR(300MHz,D2O):δ2.11(2H,s,OCCHC)、2.16(3H,s,OCOMe2)、3.22(2H,s,CHCOOH)。
13C−NMR(300MHz,D2O):δ20.01(OCOMe)、39.22(CHCOO)、40.28(CHCOOH)、61.99(COCOMe)、166.1(OCOCH)、170.0(OCOC)、172.5(OCOMe)、173.5(COOH)。
(2−1)メントール誘導体(R=アシル基)の合成方法
窒素雰囲気下の4つ口フラスコに、トルエン200部と、L−メントール16部と、上記で得られたクエン酸無水物誘導体16部と、を加えて4時間攪拌還流しして反応液を得た。前記メントール1molに対するクエン酸無水物誘導体の量は1.5molである。この反応液を25℃に冷却した後、8質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液260部を反応液に添加し、室温で1時間攪拌した。その後、反応液をろ過して、固形物を分取した。該固形物をトルエン100部で2回洗浄し、酢酸エチル100で1回洗浄した後、50℃で乾燥させることで、粉末29部を得た。この合成は下記反応式にて表現することができる。得られた粉末は、下記化学式(4A)及び(5A)で表されるナトリウム塩の混合物である。
Figure 0006544857
(2−2)メントール誘導体(R=水素原子)の合成方法
上記化学式(4A)及び(5A)で表されるナトリウム塩の混合物(粉末)と、メタノール360部と、炭酸カリウム12部と、上記粉末29部とを、窒素雰囲気下の4つ口フラスコに加え、室温で3時間攪拌した。反応後、減圧加熱してメタノールを留去させた。残りの反応液をろ過して、得られた粉末を酢酸エチル100部で2回洗浄した。この合成は下記反応式にて表現することができる。得られた粉末は、下記化学式(1A)及び(2A)で表されるナトリウム塩の混合物である。
Figure 0006544857
充填剤にWakosil 40C18(和光純薬(株)製)、溶出液にアセトニトリル:水=50:50(pH3.0)を用いカラムクロマトグラフィーにて上記得られた混合物を分離し、フラクションを回収することで化学式(1A)及び(2A)で表されるナトリウム塩をそれぞれ得た。
分離された一方の化合物は、下記化学式(1A)にて表される。
Figure 0006544857
1H−NMR(300MHz,D2O):δ0.74(3H,d,CHMe:メントール環の側鎖Me)、0.89及び0.92(2×3H,2×d,CHMe2:メントール環の側鎖i−Pr)、1.05(3H,m,CHMe:メントール環のメチンおよびメチレン)、1.45(2H,m,−CH2−:メントール環のメチレン)、1.71(2H,m,−CH2−:メントール環のメチレン)、1.92(2H,m,CHCHCMe2:メントール環のメチン及びCHCHCMe2)、2.47(2H,m,CHCOONa)、2.62(2H,m,CHCOOCH)、4.50(1H,dt,COOCH)。
13C−NMR(300MHz,D2O):δ16.10(CHMe:メントール環の側鎖Me)、20.56(CHMe2:メントール環の側鎖i−Pr)、21.91,23.45及び26.18(メントール環のメチレン)、31.53(CHCHCMe2)、34.25(CHMe:メントール環のメチン)、40.69(CHCHCMe2:メントール環のメチン)、44.02及び45.70(CH2COOCH及びCHCOONa)、75.00及び76.77(COH及びCOOCH)、173.0、177.8及び180.1(3×CO)。
分離された他方の化合物は、下記化学式(2A)にて表される。
Figure 0006544857
1H−NMR(300MHz,D2O):δ0.75(3H,d,CHMe:メントール環の側鎖Me)、0.88及び0.92(2×3H,2×d,CHMe2:メントール環の側鎖i−Pr)、1.05(3H,m,CHMe:メントール環のメチンおよびメチレン)、1.45(2H,m,−CH2−:メントール環のメチレン)、1.71(2H,m,−CH2−:メントール環のメチレン)、1.92(2H,m,CHCHCMe2:メントール環のメチン及びCHCHCMe2)、2.47及び2.50(2×2H,2×m,2×CHCOONa)、4.51(1H,dt,COOCH)。
13C−NMR(300MHz,D2O):δ16.01(CHMe:メントール環の側鎖Me)、20.55(CHMe2:メントール環の側鎖i−Pr)、21.81,23.28及び25.90(メントール環のメチレン)、31.39(CHCHCMe2)、34.03(CHMe:メントール環のメチン)、40.50(CHCHCMe2:メントール環のメチン)、45.11及び45.70(2×CHCOONa)、74.03及び75.02(COH及びCOOCH)、173.0、174.1及び177.0(3×CO)。
これらの化合物について以下の評価を行った。
実施例1は上記化学式(1A)で表される化合物の粉末である。
実施例2は上記化学式(2A)で表される化合物の粉末である。
実施例3は上記化学式(1A)で表される化合物(90質量%)及び上記化学式(2A)で表される化合物(10質量%)の混合粉末である。
比較例1は下記化学式(6A)で表される化合物の粉末である。この化合物は上述の特許文献1に開示される化合物の一つである。
比較例2は下記化学式(6B)で表される化合物の粉末である。
比較例3は下記化学式(6C)で表される化合物の粉末である。
Figure 0006544857
Figure 0006544857
Figure 0006544857
各メントール誘導体について25℃時の飽和溶液を作製し水に対する溶解度を測定した。結果は以下のとおりである。

溶解度(g/L)
実施例1 24.5
実施例2 20.6
実施例3 24.0
比較例1 12.1
比較例2 0.9
比較例3 1.8
各メントール誘導体について清涼剤としてとしての評価を行った。エタノール:水=50:50の溶液に各メントール誘導体を5質量%溶解させた溶液を調製した。
これらの溶液を気温25℃にて、成人10人(男性5人、女性5人)の前腕部の5cmの領域に10mlの量で塗布し、自然乾燥させた。塗布後、清涼感が発現されたと感じられる時点から、清涼感が消失したと感じられるまでの時間(清涼感の維持時間)を測定し、その測定時間の平均値を清涼感の指標とした。その清涼感の維持時間の平均値が長いほど清涼感の持続性に優れることを意味する。

清涼感の維持時間(分)
実施例1 140
実施例2 130
実施例3 140
比較例1 90
比較例2 80
比較例3 20
上記のとおり、実施例においては水溶性に優れ、かつ、清涼感の維持時間にも優れていた。このことから、本発明の化合物は、メントールにおける各種効果をより効果的に発揮することが把握される。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)又は(2)
    Figure 0006544857
    (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアシル基を表す。)で表されるメントール誘導体あるいはそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
  2. 請求項1記載のメントール誘導体あるいはそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含有する化粧料又は食品。
  3. メントールと下記一般式(3)
    Figure 0006544857
    (但し、R’は炭素数1〜6のアシル基を表す。)で表されるクエン酸無水物誘導体とをエステル化反応に供する工程を有する、下記一般式(1)又は(2)
    Figure 0006544857
    (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアシル基を表す。)で表されるメントール誘導体あるいはそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の製造方法。
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