JP6543030B2 - ギャッジアップ機能付きベッド及びそのようなベッドに使用するためのサブマットレス体 - Google Patents

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Description

本発明は、使用者である被介護者の上体が寄りかかることができるように被介護者が寝ているマットレス体を起き上がらせる(起立させる)ことのできるギャッジアップ機能付きベッド及びそのようなベッドに使用するためのサブマットレス体に関するものである。
従来から病人や老人のように体力が低下した被介護者がベッド上で上体を起こして例えば食事を取ったりする際の利便を考えて、寝た状態からその人の上体を起こすのを支援するためにギャッジアップ機能のついた介護用ベッドが用いられている。ギャッジアップ機能とは看護用語で、看護される人の姿勢を変えるための支援をする機能であって、マットレス体を部分的に押し上げることで被介護者の体の一部を持ち上げたり、逆に寝た状態に戻したりするような機能をいう。具体的には、手動あるいは電動による駆動機構によってマットレス体の下側に配置されたフレームの一部を起立させ、その際の押圧動作によって間接的にマットレス体を湾曲させて起き上がらせるようにするものである。
しかし、従来からこのようなギャッジアップ機能付きベッドの、特に上体を起こす動作を支援する際には次のような課題が生じていた。
図9(a)に示すように、フレーム上においてマットレス体が被介護者が横になれるように水平に配置された状態から、フレームを起立させて図9(b)に示すようにマットレス体が湾曲した場合を考えると、マットレス体の外側の面は伸張するが被介護者の体が接する側の面(以下、内側面とする)は、特に湾曲部分を中心に圧縮されることとなる。するとこの圧縮に伴って内側面に背中を接している被介護者においてその圧縮力によって背中は下方に押圧され、臀部は湾曲部方向に引き込まれるような力が作用することとなり、結果として被介護者の腹部が圧迫されてしまうという不具合が生じることとなる。このような圧迫は、従来では「背抜き」と称して介護する人が被介護者の背中に手を差し込んで押圧状態を緩和して腹部の圧迫状態を修正するようにするのが一般的であった。
特開2014−97281号公報
このようなことから、ギャッジアップ機能付きベッドにおけるマットレス体を湾曲させた際の上記の「背抜き」をする手間を解消するためにいくつかの先行技術が提案されている。例えば、特許文献1ではマットレスを上下二層とし、上側を薄手のマットレスとして下側のマットレスと一部を連結固定するというものである。このように構成すれば、上側のマットレスは下側のマットレスとの間で相対的にスライドするため、上記のような被介護者の腹部が圧迫されてしまう不具合が解消され、マットレスの十分な弾性も下側のマットレスで確保できるというものである。更にマットレスの起こしたり寝かしたりを繰り返しても両者は連結されているため上側のマットレスがずれてしまうことがないというものである。
しかし、特許文献1ではそのような上下二層のマットレスを用意しなければならない。もし連結せずに単に設置するだけでは上側のマットレスはギャッジアップ機能を使い続けるうちにずれてしまうことになる。しかし、従来から上下二層のマットレスを連結固定することの手間を省きたいという要請があった。また、被介護者の腹部が圧迫されないようにするためにわざわざ2枚の新しいマットレスを購入するのは無駄であり、そのため上側のマットレスだけを用意すればギャッジアップ機能付きベッドに備え付きの既存のマットレスに対して使用することが可能となるような技術の要請もあった。
本発明は、上記課題を解決するためのものである。その目的は、下側のマットレス体と上側のマットレス体とを連結しなくともギャッジアップ機能を動作させる際に上側のマットレス体が下側のマットレス体に対してずれにくくなるギャッジアップ機能付きベッド及びそのようなベッドに使用するためのサブマットレス体を提供することにある。
上記の目的を達成するための第1の手段として、ベッド用フレームと、同ベッド用フレームに搭載される床フレームと、同床フレーム上に配置されるベッド用のメインマットレス体と、同メインマットレス体の上層に同メインマットレス体と重ねて配置される前記メインマットレス体よりも薄手のサブマットレス体と、を備え、前記床フレームは駆動機構によって駆動されることで上方に向かって変位する部分を有する押動部を備え、前記押動部によって前記メインマットレス体の上半身側が押動されて起立させられるように構成され、前記サブマットレス体には前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側に上下方向の圧力によって上半身側よりも大きな摩擦を生じさせて前記メインマットレス体と前記サブマットレス体との間のずれを防止する摩擦手段を設けるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、駆動機構を駆動させて床フレームの押動部を変位させることでギャッジアップ機能が作動することとなり、メインマットレス体はその上半身が押動されて起立する。その際にメインマットレス体の上に配置されたサブマットレス体の上半身側もメインマットレス体の起立する部分によって押動され相対的にスライドしながらともに起立していく。これによって被介護者の腹部の圧迫が防止される。一方、サブマットレス体の下半身側には摩擦手段が設けられており、この領域には寝ている被介護者の体重がかかるため上下方向に特に大きな圧力がかかることとなる。そのため、摩擦手段による保持力が生じてずれにくくなりサブマットレス体はメインマットレス体の上で保持されることなる。
ここに「起立」とは本発明では寝た状態から上方に起き上がることを広くいうものであって、起き上がる角度は浅くとも大きく垂直に近い高さでもここでは起立の概念である。
「駆動機構」とは電気的な駆動源によって動作される機械的構造であっても、手動によるものであってもよい。
「床フレーム」とはメインマットレス体が直接的あるいは間接的に載置されて支持されるフレーム体であって、例えば複数の分割部が連結された形態とされて、駆動機構によって駆動されるることで個々の分割部が変位するような形態が挙げられる。例えばそのような分割部の一部が押動部としてメインマットレス体を上方に押動することでメインマットレス体の起立が実現できる。
「マットレス体」は外袋に収納されていてもされていなくともよい。
「上半身」「下半身」については、本発明では被介護者がサブマットレス体に寝た際の頭側を上側と、足が側を下側として、概ね腰付近を境界としてそれよりも上側を上半身側とし、それより下側を下半身というものとする。例えば臀部が位置する部分は下半身である。そのため、被介護者の上体が起きて臀部の荷重がかかる部分はすでに下半身側ということができる。
また、第2の手段として、前記摩擦手段は前記サブマットレス体における前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側であって、幅方向の左右側方位置に配設された一対の帯状体であり、前記帯状体は前記メインマットレス体と前記床フレームの間に挿入されることである。
これは摩擦手段をより限定したものである。このような構成であれば、上下のマットレス体同士の接触に加えて、メインマットレス体と床フレームに挟まれた帯状体も上下方向の圧力を受けることになって、サブマットレス体の保持力が増すことになる。
ここに「帯状体」とは、例えば布のように可撓性のある素材で構成された長さに対して十分な幅を有する部材である。なるべく接触面が多い方がよいが、左右が重ならないことが段差ができずによい。
また、第3の手段として、前記帯状体は前記サブマットレス体が前記メインマットレス体が起立させられる際の屈曲基部に隣接した位置に配設されることをその要旨とする。
このように構成すると、マットレスが起立した際に被介護者の体重が最もかかる付近(臀部から腿にかけての領域)に帯状体が配設されることとなり、サブマットレス体がよりしっかりとメインマットレスの上で保持されることとなる。
また、第4の手段として、一対の前記帯状体の先端は連結されて環状体とされており、前記環状体によって前記メインマットレス体が包囲されていることをその要旨とする。
このような構成とすれば、帯状体が環状であるためメインマットレス体と床フレームの間で押圧されて保持される面積が増えるためサブマットレス体の保持力がより増すことになる。また、帯状体が環状であるため、帯状体がずれてベッドの左右脇方向に垂れ下がってしまうことも防止できる。
また、第5の手段として、前記環状体は前記サブマットレス体の下半身側の端部に面して配置され、前記環状体の下端部と前記サブマットレス体の下半身側の前記端部間は連結体によって連結されていることをことをその要旨とする。
このような構成とすれば、環状体と連結体によってサブマットレス体の周囲と下端方向が包囲されることとなり、メインマットレス体を保持するための収容部が構成されることとなる。これによってサブマットレス体のメインマットレス体に対する頭部方向(上半身方向)へのずれを防止することができる。ここに「連結体」とは帯状体と同じく布のような可撓性のある素材でもよく、例えば硬質のプラスチックフレームのような素材でもよい。要は環状体の自由な広がりを規制するものであればよい。
また、第6の手段として、前記帯状体の表裏少なくとも一方の面は前記サブマットレス体の裏面よりも摩擦係数が大きな摩擦力付与面とされていることをその要旨とする。
帯状体を有する場合にこのような摩擦力付与面をその帯状体に形成することで、帯状体がメインマットレス体と床フレームの間で帯状体に強い摩擦力が生じることとなり、サブマットレス体がよりしっかりとメインマットレスの上で保持されることとなる。
また、第7の手段として、前記摩擦手段は前記サブマットレス体における前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側であって、前記サブマットレス体の下半身側の端部に配設された第2の帯状体であり、前記第2の帯状体は前記メインマットレス体と前記床フレームの間に挿入されることをその要旨とする。
これは摩擦手段をより限定したものである。このような構成であれば、上下のマットレス体の面での接触に加えて、上下のマットレス体に挟まれた帯状体も上下方向の圧力を受けることになって、サブマットレス体の保持力が増すことになる。特にサブマットレス体のメインマットレス体に対する頭部方向(上半身方向)へのずれを防止することができる。
また、第8の手段として、前記第2の帯状体の表裏少なくとも一方の面は前記サブマットレス体の裏面よりも摩擦係数が大きな摩擦力付与面とされていることをその要旨とする。
上記第6の手段と同様、帯状体を有する場合にこのような摩擦力付与面をその帯状体に形成することで、帯状体がメインマットレス体と床フレームの間で帯状体に強い摩擦力が生じることとなり、サブマットレス体がよりしっかりとメインマットレスの上で保持されることとなる。
また、第9の手段として、前記摩擦手段は前記サブマットレス体における前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側であって、前記第2のマットレスの裏面に形成された摩擦力付与面であり、前記摩擦力付与面は上半身側よりも摩擦係数が大きいことをその要旨とする。
このような構成であれば、被介護者が寝ている状態であっても上体を起こしている状態であっても、常に被介護者の体重による荷重が付与される下半身の領域に大きな摩擦を付与することになるためサブマットレス体はメインマットレス体に対してずれにくくサブマットレス体のメインマットレス体に対する保持力が増すことになる。
また、第10の手段として、前記摩擦力付与面は微細粗面のゴム素材から構成されていることをその要旨とする。
このような構成であれば、摩擦力付与面の接触面積が格段に増加するため摩擦力付与面の摩擦力は大きくなって保持力が増加することとなる。
また、第11の手段として、ベッド用フレームと、同ベッド用フレームに搭載される床フレームと、同床フレーム上に配置されるメインマットレス体と、を備え、前記床フレームは駆動手段によって駆動されて少なくとも上半身側が起立される部分を有し、前記床フレームは駆動機構によって駆動されることで上方に向かって変位する部分を有する押動部を備え、前記押動部によって前記メインマットレス体の上半身側が押動されて起立させられるように構成されたギャッジアップ機能付きベッドに使用される前記メインマットレス体の上層に前記メインマットレス体に重ねて配置される前記メインマットレス体よりも薄手のサブマットレス体であって、前記サブマットレス体には前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側に上下方向の圧力によって上半身側よりも大きな摩擦を生じさせて前記メインマットレス体と前記サブマットレス体との間のずれを防止するための摩擦手段を設けるようにしたことをその要旨とする。
このようなサブマットレス体を使用することで、ギャッジアップ機能付きベッドにおいては駆動機構を駆動させて床フレームの押動部を変位させることでギャッジアップ機能が作動することとなり、メインマットレス体はその上半身が押動されて起立する。その際にメインマットレス体の上に配置されたサブマットレス体の上半身側もメインマットレス体の起立する部分によって相対的にスライドしながらともに起立していく。これによって被介護者の腹部の圧迫が防止される。一方、サブマットレス体の下半身側には摩擦手段が設けられており、この領域には寝ている被介護者の体重がかかるため上下方向に特に大きな圧力がかかることとなる。そのため、摩擦手段による保持力が生じてサブマットレス体はメインマットレス体の上でしっかりと保持されることなる。
本発明によれば、メインマットレス体の上半身側を起立させたり、寝かせたりを繰り返す際に、メインマットレス体に対してサブマットレス体を連結しなくともサブマットレス体がメインマットレス体上でずれにくくなってしっかりと保持されることなる。
実施の形態1のギャッジアップ機能付きベッドに使用する上部マットレスの裏面側から見た斜視図。 実施の形態1の上部マットレスを下部マットレス上にセットした状態の斜視図。 実施の形態1の上部マットレスをセットしたギャッジアップ機能付きベッドに被介護者が寝ている状態の説明図。 図3の状態からギャッジアップ機能を作動させて被介護者の上体を起こした状態の説明図。 実施の形態2のギャッジアップ機能付きベッドに使用する上部マットレスの裏面側から見た斜視図。 (a)は実施の形態2の上部マットレスをを下部マットレス上にセットし、そこに被介護者が寝ている状態の説明図、(b)は(a)の状態からギャッジアップ機能を作動させて被介護者の上体を起こした状態の説明図。 実施の形態3のギャッジアップ機能付きベッドに使用する上部マットレスの裏面側から見た斜視図。 (a)は実施の形態3の上部マットレスをを下部マットレス上にセットし、そこに被介護者が寝ている状態の説明図、(b)は(a)の状態からギャッジアップ機能を作動させて被介護者の上体を起こした状態の説明図。 (a)及び(b)は従来の課題を説明する説明図。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1のギャッジアップ機能付きベッド及び同ベッド上に敷かれるサブマットレス体について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、サブマットレス体としての上部マットレス1は、扁平な直方体形状の外形とされている。本実施の形態1では縦(長手方向)1910mm、横830mm、高さ(厚み)50mmとされている。上部マットレス1はマットレス2と袋体3と3枚のフラップ4、5から構成されている。マットレス2は上部マットレス1の外形とほぼ同形状(つまり袋体3のないだけの状態)の直方体形状の発泡ウレタンからなる弾性体である。袋体3はパーツを立体的に縫製して構成された可撓性のあるプラスチック素材の布体である。袋体3は滑り性のよい底面3aがナイロン製とされ、それ以外の5面が底面3aに比べて相対的に滑り性のよくないウレタン加工を施したポリエステル製とされている。マットレス2は袋体3の下半身側の端部の底面3a側の出隅に沿って形成されたファスナー6から袋体3内部に出し入れ可能に収納されている。
3枚のフラップ4、5のうち、幅方向の左右両端の底面3a側の出隅に沿って2枚の(つまり一対の)同形状のフラップ4が縫製によって連結されている。本実施の形態1では両フラップ4は長さ550mm、幅360mmとされ、上部マットレス1の長手方向において頭部側端部から955mm、足部側端部から595mmの間に配置されている。つまり、上部マットレス1の長手方向中央位置から下半身方向に配置されている。3枚のフラップ4、5のうち、足部側端部の底面3a側の出隅に沿って1枚のフラップ5が縫製によって連結されている。本実施の形態1ではフラップ5は長さ550mm、幅600mmとされ、左右方向において均等となる中央位置に配置されている。3枚のフラップ4、5の裏面全面には微細粗面の表面を有する合成ゴム製の摩擦力付与面としてのゴム面7が貼着されている。ゴム面7は摩擦係数が非常に大きく、そのため底面3aは後述するように下部マットレス15と接する場合にフラップ4、5はゴム面7と接することから下部マットレス15に対して底面3aはフラップ4、5よりも相対的に滑り性が非常によいものとなる。
次にこのように構成される上部マットレス1が敷かれるギャッジアップ機能付きベッド(以下、ギャッジアップベッドと称する)10について説明する。
図3及び図4の模式図に示すように、ギャッジアップベッド10はベッド用フレーム11によって支持されている。ベッド用フレーム11は架台11aと架台11aに支持された前後のボード11bを備えている。架台11a上には床フレーム12が配設されている。床フレーム12は複数(本実施の形態1では4つ)に分割された分割フレーム12aを連結プレート12bで連結した構成である。架台11a上には床フレーム12と交差するように駆動機構13が配設されている。本実施の形態1では駆動機構13はブラックボックス化して示す。実際には駆動機構13は例えば電動式の油圧シリンダ装置によって駆動されるリンク機構による駆動伝達機構が床フレーム12の分割フレーム12aとの間で形成されている。
床フレーム12の上にはメインマットレス体としての下部マットレス15が載置されている。上部マットレス1は、扁平な直方体形状の外形とされている。本実施の形態1では縦(長手方向)1910mm、横830mm、高さ(厚み)150mmとされている。つまり、上部マットレス1と平面形状は一致する。下部マットレス15は図示しないマットレスと袋体16から構成されている。図示しないマットレスは直方体形状の発泡ウレタンからなる弾性体である。袋体16はパーツを立体的に縫製して構成された可撓性のあるプラスチック素材の布体である。
このようなギャッジアップベッド10の下部マットレス15の上に上部マットレス1を配置する。図2に示すように、上部マットレス1の底面3aが下部マットレス15の上面に接するように配置する。そして、フラップ4、5を下部マットレス15の下面に巻回させるようにする。実際にはフラップ4、5を下部マットレス15と床フレーム12の間に差し込むようにする。フラップ4、5の裏面のゴム面7が下部マットレス15の側面から裏面にかけて当接することとなる。この時左右のフラップ4は先端同士が若干離間する程度に隙間が形成される。同時にフラップ4、5は下部マットレス15と床フレーム12にも挟まれることとなる。
このようなセット状態で、図3に示すように、被介助者が上部マットレス1に寝ているものとする。そして、被介護者がベッド上で上体を起こす必要がある場合には、駆動機構13を駆動させ図4のように床フレーム12の最も頭部側の分割フレーム12a(押動部に相当)を押し上げ、その作用によって下部マットレス15の上半身側を押し上げるようにする。この時、下部マットレス15は屈曲基部Pで圧縮されて内側部分に大きなしわを作りながら湾曲させられることとなる。
次いで、この際の上部マットレス1の動きを説明する。下部マットレス15に載置された上部マットレス1は屈曲基部Pよりも下半身側の屈曲基部Pに隣接した位置にフラップ4が配置され、特にこの位置に上体を起こされた被介護者の臀部や腿が配置され、被介護者の体重の多くの部分が加重されることとなる。また、臀部や腿ほどではないが膝から足先にかけてフラップ5が配置されて、この位置にも被介護者の体重がかかることとなる。このようなことから、上部マットレス1の下半身側には大きな摩擦力が作用して下部マットレス15の位置は保持されることとなる。一方、屈曲基部Pよりも上側、つまり上部マットレス1の上半身側ではこのような保持力はなく、むしろ上部マットレス1の滑り性のよい底面3aが下部マットレス15との間で良好に滑ることとなり、上部マットレス1は大きくしわを作ることなく下部マットレス15に対して相対的に上方にスライドすることとなり被介助者の腹部を圧迫することはない。
このような構成の実施の形態1のギャッジアップベッド10及び上部マットレス1では次のような効果が奏される。
(1)ギャッジアップ機構によって下部マットレス15の上半身側を押し上げる際には、上部マットレス1の上半身側は相対的に上方にスライドして被介助者の腹部が圧迫されることはなく、一方このようなギャッジアップ機構を繰り返しても上部マットレス1の下半身側が下部マットレス15にしっかりと保持されるため上部マットレス1は下部マットレス15に対して左右及び上方にずれにくくなる。
(2)フラップ4、5のゴム面7が下部マットレス15の側面から裏面にかけて当接すると、フラップ4、5自体が下部マットレス15に対して密着してずれにくくなるため、フラップ4、5自体が配置位置からずれにくくなる。
(3)上部マットレス1だけを用意すればよいため、いままで介護人による「背抜き」で対応していたようなギャッジアップベッドでも使用することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2でもギャッジアップベッド10の構成は同様に考えることができるため、詳しい説明は省略する。上記と同じ構成については同じ番号を付すことで詳しい説明は省略する。ここでは、上部マットレス21に特化して詳しく説明する。
図5に示すように、実施の形態2の上部マットレス21はフラップ4、5の代わりに袋体3の底面3aの下半身側の端部に面して挿入袋22が縫製されている。挿入袋22は直方体形状に立体縫製された頭部方向(上方向)に開口部22aが形成された袋体である。挿入袋22は左右方向の幅と高さが下部マットレス15の幅及び厚みと同じに構成されている。長手方向の長さは下部マットレス15の1/4とされている。挿入袋22は実施の形態1の左右のフラップ4を連結し、上部マットレス21の下端の裏面側の出隅に沿って連結体としての底部23を取り付けたと考えることができる。挿入袋22は挿入のしやすさから滑り性のよいナイロン製とされている。
このような上部マットレス21は図6(a)に示すように挿入袋22側を下側に向けて下部マットレス15の下部寄り(足方向)を挿入する。このとき、挿入袋22は滑り性はよいものの、幅及び厚みが同じであるので若干無理嵌め状に下部マットレス15に嵌合されることとなる。
図6(b)に示すように、図示しない駆動機構13を駆動させることで実施の形態1と同様に下部マットレス15は屈曲基部Pで内側部分に大きなしわを作りながら湾曲させられることとなる。そして、被介護者の体重がかかる上部マットレス21の下半身側には挿入袋22と無理嵌め状に嵌合された下部マットレス15が当接する摩擦力、挿入袋22が下部マットレス15と床フレーム12で挟まれる際の摩擦力等によって上部マットレス21は下部マットレス15に対する左右及び下方への相対的なスライドが抑制され保持されることとなる。また、挿入袋22の底部23によって上部マットレス21は上方にずれることがない。
一方、上部マットレス21の上半身側ではこのような保持力はなく、むしろ上部マットレス1の滑り性のよい底面3aが下部マットレス15との間で良好に滑ることとなり、上部マットレス21は大きくしわを作ることなく下部マットレス15に対して相対的に上方にスライドすることとなり被介助者の腹部を圧迫することはない。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3でもギャッジアップベッド10の構成は同様に考えることができるため、詳しい説明は省略する。上記と同じ構成については同じ番号を付すことで詳しい説明は省略する。ここでは、上部マットレス31に特化して詳しく説明する。
図7に示すように、実施の形態3の上部マットレス31はフラップ4、5や挿入袋22の代わりに袋体3の底面3aの下半身側に微細粗面の表面を有する合成ゴム製の摩擦力付与面としてのゴム面32が貼着されている。
このような上部マットレス31は図8(a)に示すように袋体3の底面3aが足側となるように下部マットレス15の上に載置する。
図7(b)に示すように、図示しない駆動機構13を駆動させることで実施の形態1や2と同様に下部マットレス15は屈曲基部Pで内側部分に大きなしわを作りながら湾曲させられることとなる。そして、被介護者の体重がかかる上部マットレス21の下半身側にはゴム面32によって大きな摩擦力で保持され上下左右方向にへのずれが抑制され上部マットレス31は下部マットレス15に対して保持されることとなる。
一方、上部マットレス31の上半身側ではこのような保持力はなく、むしろ上部マットレス1の滑り性のよい底面3aが下部マットレス15との間で良好に滑ることとなり、上部マットレス31は大きくしわを作ることなく下部マットレス15に対して相対的に上方にスライドすることとなり被介助者の腹部を圧迫することはない。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上部マットレス1、21、31の形状、材質は適宜変更可能である。また、上部マットレス1、21、31はいずれも袋体3によってマットレス2が包囲される形態を取っていたが、袋体3はなくともよい。底面3aは滑り性がよければ他の素材であってももちろんよい。他の素材として例えばプラスチック生地でも天然生地でもよい。
・ギャッジアップベッド10の構成は上記は一例である。
・実施の形態1においてフラップ4、5の形状、材質や配置位置は適宜変更可能である。他の素材として例えばプラスチック生地でも天然生地でもよい。
・実施の形態1において左右のフラップ4が使用状態で重複する程度に長く構成することもよい。その場合に重複する領域に面ファスナーのような連結手段を配設してもよい。これによってフラップ4がずれ落ちることがなく、下部マットレス15の厚みに応じて重複部分が変化しても適宜調整が可能となる。
・上部マットレス21の挿入袋22の形状、材質は適宜変更可能である。他の素材として例えばプラスチック生地でも天然生地でもよい。例えば底部23だけを布以外の素材で構成するようにしてもよい。挿入袋22の内面に微細粗面の表面を有する合成ゴム製の摩擦力付与面としてのゴム面を形成するようにしてもよい。
・上部マットレス31の裏面に形成したゴム面32の面積は上記のように下半身側の全面でなくともよい。特に大きな荷重がかかる臀部から腿にかけての屈曲基部Pに隣接する付近だけでもよい。
・実施の形態1においてフラップ5のない状態で実施するようにしてもよい。また、実施の形態1において上部マットレス1の下半身側の底面3aに実施の形態3のような(全面でなくともよい)ゴム面を設けるようにしてもよい。
・実施の形態1においてフラップ4、5の表裏両面にゴム面7を形成してもよく、逆に両面ともゴム面7を形成しなくともよい。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
1、21、31…サブマットレス体としての上部マットレス、4、5…摩擦手段としてのフラップ、11…ベッド用フレーム、12…床フレーム、12a…押動部としての分割フレーム、13…駆動機構、15…メインマットレス体としての下部マットレス、22…摩擦手段としての挿入袋、32…摩擦手段としてのゴム面。

Claims (10)

  1. ベッド用フレームと、同ベッド用フレームに搭載される床フレームと、同床フレーム上に配置されるベッド用のメインマットレス体と、同メインマットレス体の上層に同メインマットレス体と重ねて配置される前記メインマットレス体よりも薄手のサブマットレス体と、を備え、
    前記床フレームは駆動機構によって駆動されることで上方に向かって変位する部分を有する押動部を備え、前記押動部によって前記メインマットレス体の上半身側が押動されて起立させられるように構成され、
    前記サブマットレス体には前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側に上下方向の圧力によって上半身側よりも大きな摩擦を生じさせて前記メインマットレス体と前記サブマットレス体との間のずれを防止する摩擦手段が設けられ、
    前記摩擦手段は前記サブマットレス体の幅方向の端側に長手方向の端のみが連結された帯状体として構成され、前記摩擦手段は前記サブマットレス体の幅方向に交差するように配設された使用時に前記メインマットレス体と前記ベッド用フレームの間に配置される部分を有することを特徴とするギャッジアップ機能付きベッド。
  2. 前記帯状体は前記サブマットレス体の幅方向の左右側方位置に配設された一対の帯状体であることを特徴とする請求項1に記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  3. 前記帯状体は前記サブマットレス体が前記メインマットレス体が起立させられる際の屈曲基部に隣接した位置に配設されることを特徴とする請求項2に記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  4. 一対の前記帯状体の先端は連結されて環状体とされており、前記環状体によって前記メインマットレス体が包囲されることを特徴とする特徴とする請求項2又は3に記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  5. 前記環状体は前記サブマットレス体の下半身側の端部に面して配置され、前記環状体の下端部と前記サブマットレス体の下半身側の前記端部間は連結体によって連結されていることを特徴とする請求項4に記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  6. 前記帯状体の表裏少なくとも一方の面は前記サブマットレス体の裏面よりも摩擦係数が大きな摩擦力付与面とされていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  7. 前記摩擦手段は前記サブマットレス体における前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側であって、前記サブマットレス体の下半身側の端部に配設された第2の帯状体であり、前記第2の帯状体は前記メインマットレス体と前記床フレームの間に挿入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  8. 前記第2の帯状体の表裏少なくとも一方の面は前記サブマットレス体の裏面よりも摩擦係数が大きな摩擦力付与面とされていることを特徴とする請求項7に記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  9. 前記摩擦力付与面は微細粗面のゴム素材から構成されていることを特徴とする請求項6又は8に記載のギャッジアップ機能付きベッド。
  10. ベッド用フレームと、同ベッド用フレームに搭載される床フレームと、同床フレーム上に配置されるメインマットレス体と、を備え、
    前記床フレームは駆動手段によって駆動されて少なくとも上半身側が起立される部分を有し、前記床フレームは駆動機構によって駆動されることで上方に向かって変位する部分を有する押動部を備え、前記押動部によって前記メインマットレス体の上半身側が押動されて起立させられるように構成されたギャッジアップ機能付きベッドに使用される前記メインマットレス体の上層に前記メインマットレス体に重ねて配置される前記メインマットレス体よりも薄手のサブマットレス体であって、
    前記サブマットレス体には前記メインマットレス体の前記起立させられる部分よりも下半身側に上下方向の圧力によって上半身側よりも大きな摩擦を生じさせて前記メインマットレス体と前記サブマットレス体との間のずれを防止する摩擦手段が設けられ、
    前記摩擦手段は前記サブマットレス体の幅方向の端側に長手方向の端のみが連結された帯状体として構成され、前記摩擦手段は前記サブマットレス体の幅方向に交差するように配設された使用時に前記メインマットレス体と前記ベッド用フレームの間に配置される部分を有することを特徴とするサブマットレス体。
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