JP6541830B1 - エンジンの燃料供給制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
エンジンの燃焼室に供給する外気および燃料を制御するエンジン制御ユニットと、外気の温度を検出する外気温検出センサと、車両の走行状態を検出する車速センサとを備えたエンジンの燃料供給制御装置であって、エンジン制御ユニットは、車速センサにより検出された車両の走行状態を判定して外気温検出センサにより検出された外気温を補正し、この補正した値に基づいてエアフローセンサで検出された吸気温度を補正し、エンジンの燃焼室入口の吸気温度を推定するようにした。
【選択図】図1
Description
ところで、エンジンが搭載される車両においては、エンジンを収納するボンネット内に熱がこもり、この熱の影響により吸気温度が上昇するため、吸気温センサにより検出された吸気温度と、エンジンのシリンダ内に入る直前の吸気温度との間には温度差が生じることになる。したがって、吸気系の上流側に配置された吸気温センサでは、精度のよい吸気温度の情報を検出できないという課題がある。
この特許文献1には、既存のエンジンシステムで検出される、吸気量、吸気温度、外気温度および冷却水温度に基づき、吸気入口から吸気出口までの吸気通路を流れる間の吸気の温度変化を反映した出口吸気温度を推定する技術、および吸気温度と外気温度との差から推定した「エンジン周囲温度」と吸気量と冷却水温度とに基づき、出口吸気温度を推定する技術が開示されている。
例えば、天気の良い日中は、アスファルトの地面からの輻射熱の影響を大きく受け、ボンネット内の温度は上昇する。また、ボンネット色が黒色の場合は、太陽の熱を吸収し易くなり、ボンネット内の温度は上昇し易くなる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエンジンの燃料供給制御装置の全体構成を示す概要図である。
図において、エンジン1にはその燃焼室に外気および燃料を供給するインテークマニホールド2が取り付けられ、このインテークマニホールド2は、ボンネットにより覆われて形成される車両のエンジンルーム内にエンジン1とともに収納されている。また、インテークマニホールド2には、吸気口1aから取り込まれた外気を浄化するエアクリーナ3と、吸入された空気量を検出するエアフローセンサ4(以下、AFSと称す)と、吸入空気の温度を検出する吸気温センサ5と、エンジン1の燃焼室に供給する空気量を制御するスロットル6と、エンジン1の各気筒に供給される空気量を安定化させるサージタンク7と、AFS4で計測した空気量に応じた燃料量を噴射する燃料噴射装置8とが設けられている。
なお、サージタンク7内での受熱の度合いは、吸入空気がサージタンク7を通過する速度、すなわち吸入空気量の量によって変化し、吸入空気量が少ないときは、吸入空気がサージタンク7内を通過する速度が遅く、受熱の度合いが大きくなる。また、吸入空気が最も少ない時は、車両が停止し、アイドリング状態となっているときである。このアイドリング状態時は、外気温を計測する外気温センサ9も地面からの輻射熱を受けるため、始動直後または走行中直後に計測した温度を制御用の外気温として使用することになる。
まず、ステップS1において、ECU11は、AFS4および吸気温センサ5により検出された吸気量および吸気温度の情報を取得し、ステップS2において、車速センサ10による車速情報を取得する。
次に、ステップS3において、車速情報に基づいて車両が走行中であるかを判定し、走行中でない場合(No)は、ステップS4へ移行し、前回に取得した外気温情報を保持する。
一方、走行中である場合(Yes)は、ステップS5へ移行し、外気温センサ9により外気温を計測する。
ステップS7において、図4に示すテーブルに基づいて停車時の外気温度と走行中外気温度の差ΔTに対応する受熱補正係数を求め、この受熱補正係数を差ΔTに掛けて受熱補正値を算出する。この受熱補正値は、輻射熱による外気温度の温度上昇がエンジンルームの温度上昇に影響するものとなる。
その後は、プログラムで設定した時間間隔でフローを繰り返す。
以上のように、外気温度を車両の走行に応じて補正するとともにこの補正値をもって吸気温度を補正し、制御用吸気温度を得ることによって、車両の走行状態に応じた吸気量補正を行わせることができる。
上述の実施の形態1においては、車両の走行状態に基づいて制御用吸気温度を補正するように構成したが、実施の形態2においては、さらに日射量に基づいて制御用吸気温度を補正するようにしたものである。
図5は、実施の形態2に係るエンジンの燃料供給制御装置の全体構成を示す概要図である。
図において、車体のボンネットに照射される日射量を測定する日射センサ12を実施の形態1に追加して設けたものである。この日射センサ12としては、受光量を計測するセンサまたはカメラなどを用いることができる。また、ECU11内には日射センサ12の情報を取り込む日射量検知部11gが設けられている。他の構成は、図1におけるエンジンの燃料供給制御装置と同一であり、同一符号を付してその説明を省略する。
まず、ECU11は、図4におけるステップS1からステップS7までの処理を実行し、車速による補正値を求める。
次に、ステップS11において、日射センサ12で測定した日射量情報を取得し、この取得した日射量の値に基づいてステップS12において、図7に示すテーブルから日射量による日射量分受熱補正係数を求める。
さらに、ステップS13において、受熱補正値に日射量分受熱補正係数をかけ、日射量分受熱補正値を求める。
このようにして求めた制御用吸気温度によりスロットル6または燃料噴射装置8の動作を補正してエンジン1の動作を制御することになる。
上述の実施の形態2においては、日射量に基づいて制御用吸気温度を補正するように構成したが、エンジンルーム内の熱こもりの度合いは、車体色も影響を与えるため、実施の形態3においては、さらに日射量に加えて車体色により制御用吸気温度を補正するようにしたものである。
図8は、実施の形態3に係るエンジンの燃料供給制御装置の全体構成を示す概要図である。
図において、エンジンの燃料供給制御装置として車体のボンネットの色を検出する車体色検知センサ13と、この車体色検知センサ13の情報を取得するECU11内の車体色判定部11hとが付加されている。車体色検知センサ13としては、カメラまたは反射光の強さを検出して判別することができ、また、予め車体色をECU11のROMに記録しておくことも可能である。
他の構成は、図5におけるエンジンの燃料供給制御装置と同一であり、同一符号を付してその説明を省略する。
次に、このような実施の形態3に係るエンジンの燃料供給制御装置の動作を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
次に、ステップS21において、車体色検知センサ13から車体色情報を取得し、この車体色情報に基づいて図10に示すテーブルから車体色による車体色分受熱補正係数を求める。(ステップS22)
次に、ステップS25において、受熱補正値から車速による受熱補正値を減算して吸気温度を求め、ステップS26において、日射量分受熱補正値を減算し、さらにステップS26において、車体色分受熱補正値を減算して制御用吸気温度を求める。
以上のように、外気温度を車両の走行状態、日射量および車体色に応じて吸気温度を補正し、制御用吸気温度を得ることによって車両の状態に応じた吸気量補正を行わせることができ、精度の高いエンジン制御を実現することができる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
4:エアフローセンサ(AFS)、 5:吸気温センサ、 6:スロットル、
7:サージタンク、 8:燃料噴射装置(インジェクタ)、 9:外気温センサ、
10:車速センサ、 11:エンジン制御ユニット(ECU)、
12:日射センサ、 13:車体色検知センサ
Claims (3)
- エンジンの燃焼室に外気および燃料を供給するインテークマニホールドと、前記インテークマニホールドに取り付けられ、このインテークマニホールドの吸気口から取り込まれた空気量を検出するエアフローセンサと、吸入空気の温度を検出する吸気温センサと、エンジンの燃焼室に供給する空気量を制御するスロットルと、燃料を噴射する燃料噴射装置と、前記スロットルおよび前記燃料噴射装置を制御するエンジン制御ユニットと、外気の温度を検出する外気温検出センサと、車両の走行状態を検出する車速センサとを備え、前記エアフローセンサで検出された吸入空気量に応じた燃料をエンジンに供給するエンジンの燃料供給制御装置であって、
前記エンジン制御ユニットは、前記車速センサにより検出された車両の走行状態を判定して走行中の外気温を求めるとともに車両の停車時における外気温との差を算出し、この差に対応する受熱補正値を求め、この受熱補正値に基づいて前記外気温検出センサで検出された吸気温度を補正し、エンジンの燃焼室入口の吸気温度を推定するようにしたことを特徴とするエンジンの燃料供給制御装置。 - 日射量を検出する日射センサをさらに備え、前記日射センサにより検出された日射量により前記外気温検出センサにより検出された外気温を補正するようにしたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料供給制御装置
- 車両の色を検出する車体色検知センサをさらに備え、前記車体色検知センサにより検出された車両の色に基づき前記日射センサにより検出された日射量に加えて外気温を補正するようにしたことを特徴とする請求項2記載のエンジンの燃料供給制御装置
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