以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の一実施形態による手袋の自動装着装置を示す概略図で、図1はその外観を示す斜視図、図2および図3はその内部構造を示す一部破断正面図、一部破断側面図である。また図4〜図6は、この装置の上部構造を示すものであり、図4および図5は後述するチャック14が互いに異なる2つの状態にある場合を各々示す平面図、図6は正面図である。さらに図7〜図15は本実施形態の装置の主要部分を各々示すものであり、また図16〜図18は本実施形態の装置の作動を説明する概略図である。以上の各図において、C1〜C6は駆動用エアシリンダを示し、P1〜P6は、各シリンダC1〜C6のピストンにそれぞれ連結されてシリンダ外に突出したピストンロッドを示す。各シリンダC1〜C6を駆動するためにシリンダC1〜C6に装着されるホース類およびそれらの連結部材等はすべて省略してある。
まず図1に示すようにこの手袋の自動装着装置1は、ハウジング2の上面板3に、手袋を装着すべき左右の手をそれぞれ挿入するための挿入口4、4を備え、また左右両側面には、複数枚の手袋を収容したケースをそれぞれ挿入し、あるいは取り出すために開閉するドア8(図1では右側面のものだけ表示)を有している。
各挿入口4の内側には、1対の固定爪10および10と、左右方向に移動可能な1対の可動爪12および12とを備えたチャック14が設けられている。なお図1においては、可動爪12、12が各挿入口4の中央に寄った待機位置にある状態を示している。挿入口4、4の奥側の一段と高くなったパネル16には、電源スイッチ18、電源ランプ20、デジタル表示のタイマのカウント値表示窓22、NGランプ(赤ランプ)24、OKランプ(青ランプ)26等が配置されている。また、ハウジング2の正面下部右隅には、内部の機構を作動させるためのフットスイッチ28が設けられている。
なお図1には示していないが、後述するようにして手袋が装着可能な状態になるまで挿入口4、4を上側から覆って閉じ、その状態になったら自動的に開動作して挿入口4、4を露出させるカバーを設けてもよい。
図2および図3に示すように、ハウジング2内のフレーム30の上面には、後に詳細を説明するチャック駆動機構100が、パネル16の内側において取り付けられている。図2では、後述する図4と同様に、1つの挿入口4において、1対の可動爪12、12が挿入口4の中央付近に寄った待機位置にある状態を示している。チャック駆動機構100は、後述のようにして2対、つまり4個の可動爪12を左右方向に移動させる。それにより、1つの挿入口4内において1対の可動爪12、12は、上記待機位置と、各々が挿入口4の左右端部付近に寄った手袋挟着係止位置(図5および図6に示す位置)との間で移動する。
なお図2は、装置使用者が自動装着装置1に正対する前方側から該装置1を見た状態を示している。つまり、この図2中で左側に示されている挿入口4に使用者の左手が挿入され、右側に示されている挿入口4に使用者の右手が挿入されることになる。したがって、装置の左右方向とはこの図2における左右方向を言い、また装置の前方側、後方側とはそれぞれこの図2における紙面手前側、奥側を言うものとする。
フレーム30の下方に連結された下部フレーム34の上には、水平方向に延びる保持部材36が固定されている。この保持部材36には、そこから上方に向かって垂直に突出した例えば4本のガイド部材38が立設されている。上記保持部材36の上方には、水平方向に延びるケース支持台40が配設されている。上記4本のガイド部材38はそれぞれ、ケース支持台40に固定されたスライドブッシュ42に挿通されている。それによりケース支持台40は、ガイド部材38に沿って上下方向に移動自在となっている。なおスライドブッシュ42は例えばボールブッシュから構成されて、ケース支持台40の上下移動を円滑化する。
ケース支持台40には、保持部材44を介してシリンダC1が固定されている。このシリンダC1は、ピストンロッドP1を下方に向けて固定されており、ピストンロッドP1の先端は、保持部材36上のロッド連結部46に連結されている。したがって、シリンダC1が駆動されてそのピストンロッドP1が伸長、収縮すると、それに応じてケース支持台40が上昇、下降する。
ケース支持台40の上には、図1に示した左右のドア8を通して、2つのケース6が載置される。各ケース6は、本発明における手袋収容部を構成するものであり、複数枚の手袋Gを装置前後方向(図2の紙面と直角な方向)に並べた状態で収容する。その際各手袋Gは、掌側部分が前側に、そして甲側部分が後側になる向きに配置される。つまり隣り合う手袋同士は、一方の掌側部分と他方の甲側部分とが相接する状態になる。
手袋Gは例えばニトリルゴムや天然ゴム等から形成されて、伸縮性と気密性とを兼ね備えたものとされている。なおこの種の手袋Gは、各々平らなシート状に形成された掌側部分と甲側部分とを周囲部分で接合してなる手袋と違って、一般に立体的に形成されるものであるが、手に装着されたとき掌側、甲側にそれぞれ位置する部分を、便宜上、上述のように掌側部分、甲側部分と称することとする。
図2中の左側のケース6は左手用手袋Gを収容したものとされ、そして右側のケース6は右手用手袋Gを収容したものとされる。2つのケース6はそれぞれ、ケース支持台40の上に固定された位置決め部材48によって位置規定されて、所定の位置に載置されるようになっている。
次に、フレーム30の上部に設けられたチャック14、14およびチャック駆動機構100について、図4〜図6を参照して説明する。これらのチャック14、14およびチャック駆動機構100は、手袋Gの口を左右に広げた状態で係止するために設けられたものであって、本発明における第2拡張手段を構成している。
図4と図5は共に、チャック14、14およびチャック駆動機構100の平面形状を示すものであるが、図4はチャック14を構成する1対の可動爪12、12が挿入口4の中央付近に寄った待機位置にある状態を示し、図5は1対の可動爪12、12が挿入口4の左右端部付近に寄った手袋挟着係止位置にある状態を示している。一方図6は、1対の可動爪12、12が上記手袋挟着係止位置にあるときのチャック14、14およびチャック駆動機構100の正面形状を示している。
チャック駆動機構100は、左右1対の支持板80、81の間において互いに所定の間隔を保って左右方向に延びる2本のガイドロッド82、82を備えている。これらのガイドロッド82、82には、可動爪12をそれぞれ固定した4個の可動爪担持部材83〜86が、ガイドロッド長軸方向に摺動可能に保持されている。そして、最左端の可動爪担持部材83と左から3番目の可動爪担持部材85とが、ガイドロッド82、82の上方で左右に延びる連結板87により連結されて一体に移動し、また、左から2番目の可動爪担持部材84と最右端の可動爪担持部材86とが、ガイドロッド82、82の下方で左右に延びる連結板88により連結されて一体に移動するように構成されている。
また、シリンダC2のピストンロッドP2の先端が最左端の可動爪担持部材83に連結され、シリンダC3のピストンロッドP3の先端が最右端の可動爪担持部材86に連結されている。そこで、シリンダC2のピストンロッドP2が伸長、収縮すると、可動爪担持部材83、85が上述のように一体に移動し、シリンダC3のピストンロッドP3が伸長、収縮すると、可動爪担持部材84、86が上述のように一体に移動する。
より詳しくは、ピストンロッドP2、P3が最も収縮した状態にされると、各チャック14の可動爪12、12が挿入口4の中心寄りの待機位置に設定される。この状態下で挿入口4の下方に、口を前後に開かれた状態で手袋Gが保持されていれば、可動爪12、12が手袋Gの口からその内部に容易に進入可能となる。その状態から、ピストンロッドP2、P3が最も伸長した状態にされると、各チャック14の可動爪12、12が手袋Gの口を左右に引き伸ばして、この口の周囲部分を固定爪10、10との間に挟着係止する挟着係止位置まで移動する。
各チャック14の1対の可動爪12、12は、上述のようにして互いに接近、離間するように移動するが、これら1対の可動爪12、12の内側面(互いに向き合う面)には、図6に明示されるようにエア噴出口132が形成されている。各エア噴出口132は、可動爪12の幅方向つまり図4、5中の上下方向に、ある程度の長さを有するものである。そしてこのエア噴出口132は、可動爪12内に形成されたエア通路、それに接続するフレキシブル配管、およびエアの供給をON、OFFする電磁弁等を介して、図示外の圧縮エア源に連通されている。なお、上記エア通路や、そのエア通路を通すエアの供給をON、OFFする手段として、具体的には、例えば前記特許文献1(特開2004−229872号公報)に記載されているものを適用することができる。
さらにガイドロッド82、82には、左端の可動爪担持部材83とこれに対面する支持板80との間、および右端の可動爪担持部材86とこれに対面する支持板81との間において、それぞれ短いコイルばね92が縮装されている。図5および図6に示すように、可動爪担持部材83、86がそれぞれ支持板80、81に接近した手袋挟着係止状態になると、上記コイルばね92が支持板80と可動爪担持部材83との間、および支持板81と可動爪担持部材86との間でそれぞれ圧縮される。そこでコイルばね92により、可動爪担持部材83、86をそれぞれ支持板80、81から離れる方向に付勢する付勢力が与えられる。この付勢力はすなわち、可動爪12、12を前記待機位置側に向かって付勢する力である。
したがって、後述するようにして手袋Gが手に装着された後、シリンダC2およびC3に供給されるエアを遮断して、該シリンダC2およびC3によって可動爪12、12を挟着係止位置に保持する保持力を上記付勢力よりも低下させれば、可動爪担持部材83〜86がコイルばね92の上記付勢力で待機位置側に僅かに変位する。それにより、チャック14による手袋Gの挟着係止が解除されるので、手袋Gが装着された手をその状態のまま下方に動かせば、手袋Gをチャック14から引き抜くことができる。
次に図7〜図10を参照して、ケース6および、その中に複数枚収容される手袋Gについて説明する。図7、図8および図9はそれぞれ、このケース6の平面形状、正面形状および側面形状を示すものである。また図10は、図9の一部を拡大して示す側面図である。なおこれらの図には、右手用の手袋Gを収容するケース6を示しているが、左手用の手袋Gを収容するケース6も、把手61が前者のケース6におけるのとは左右対称に設けられる点以外、基本的に同様に形成されている。
ケース6は、図2および図3に示すように自動装着装置1内の所定位置に所定の向きで配置されるものであるが、以下の説明では、このように配置された際に自動装着装置1の前、後、左、右、上、下方向となる各方向を、同じくケース6に関しても前、後、左、右、上、下方向と称することとする。
図7〜図10に示される通りケース6は、概略前面と底面が開いた函状に形成された金属製の函体60を有している。またこの函体60の上面にも、一部開口60aが設けられている。函体60の左右側板60b、60cにはそれぞれ、前後方向に延びる細長い開口60d、60eおよび、それらの開口60d、60eよりも各々上方かつ後方の位置で同様の方向に延びる開口60f、60gが形成されている。なお函体60の右側板60cには、上述した通り、ケース6を持ち運ぶための把手61が2個取り付けられている。また、左右側板60b、60cの外面にはそれぞれ、上記開口60d、60eの各々の下方に隣接する位置において、該開口60d、60eと平行に延びるガイドレール62、63が固定されている。
上記ガイドレール62、63にはそれぞれ、スライド部材64に固定されたガイド部材65、66が、該ガイドレール62、63に沿って前後方向に往復動可能に係合されている。スライド部材64は、函体60の左右側板60b、60cのそれぞれの外側で該側板60b、60cと概略平行に配された側面板64a、64bと、側面板64a、64bのそれぞれの前端上部から函体60の内側に向かって略直角に折れ曲がった下部水平板64c、64dと、側面板64a、64bのそれぞれの後端上部から函体60の内側に向かって略直角に折れ曲がった上部水平板64e、64fとを有している。下部水平板64c、64dはそれぞれ、前述した開口60d、60eを通過して、函体60の内部まで延びている。また上部水平板64e、64fもそれぞれ、前述した開口60f、60gを通過して、函体60の内部まで延びている。
上記側面板64a、64bの各前端に近い部分は、前述したガイド部材65、66に各々外側から接合している。したがってスライド部材64は、これらのガイド部材65、66によって位置規定されつつ、ガイドレール62、63に沿って前後方向に移動可能となっている。また、側面板64a、64bの各後端に近い部分には、側外方に突出したピン64h、64jが固定されている。一方、函体60の左右側板60b、60cにもそれぞれ、側外方に突出したピン60h、60jが固定されている。そしてピン64hとピン60hには、引っ張りばね67の一端、他端がそれぞれ掛けられ、ピン64jとピン60jには、引っ張りばね68の一端、他端がそれぞれ掛けられている(なお図9において、ピン60jおよび64jの頭部は除いて示してある)。こうしてスライド部材64は、引っ張りばね67および68によって、前方側(図7の下方側で、図9の左方側)に弾力的に付勢されている。
函体60の天板60kは、函体60の上面を前側から約半分程度閉じている。そこで天板60kの後方側には、前述した通り開口60aが形成されている。この天板60kの下面には、下方に突出したロッド保持部材70が固定され、このロッド保持部材70には、そこから前方に延びる2本のロッド71、71が固定されている。これらのロッド71、71は互いに平行で、そして天板60kと平行に配置されている。
天板60kの上面の前端近傍において左右方向中央位置には、保持部材72が固定されている。そしてこの保持部材72にはロッド押さえ板(ロッド押さえ手段)73が保持されている。より詳しくは図10に示すように、保持部材72の前端にはビス72cによって、下方に延びる弾性板72bが固定されている。そしてこの弾性板72bに、ビス73aによってロッド押さえ板73が固定されている。ロッド押さえ板73は上記2本のロッド71、71の先端に当接するように配置されており、この当接は弾性板72bの作用により弾力的になされる。なお保持部材72は例えば図7に示されるように、函体60の天板60kに固定された2つのビス72d、72dを開口72e、開口72eに通した上で、各ビス72dに図示外の蝶ナット等を螺合、締結させることによって、天板60kに取り付けることができる。
前述したスライド部材64の下部水平板64c、64dには、垂直に立ち上がった手袋押圧板(手袋押圧手段)74の左右端部がそれぞれ固定されている。またスライド部材64の上部水平板64e、64fには、垂直に立ち上がった把持板75の左右端部がそれぞれ固定されている。スライド部材64は先に述べたように、引っ張りばね67および68によって前方側に弾力的に付勢されている。そこで、スライド部材64に引っ張りばね67および68による付勢力以外の外力が加えられなければ、上記手袋押圧板74は図9に破線で、また図10に実線で示す前端位置に設定される。なおこの前端位置は、例えばスライド部材64に連結しているガイド部材65、66が各々ガイドレール62、63の前端を閉じている部材に当接する等によって規定されるが、その他の手段によって規定されても構わない。
また函体60の左右側板60b、60cにはそれぞれ、後端に近い位置において、上端近傍にストッパ76が取り付けられている。このストッパ76は、各々左右側板60b、60cに固定された支持部材77に、前後方向に延びる軸78を中心として回転可能に支持されている。
上記構成のケース6には、複数の手袋Gが収容される。この手袋収容は、上述した2本のロッド71、71に複数の手袋Gを吊り下げ保持させることによってなされる。この手袋収容作業は通常、ケース6を、図1に示すドア8を通して自動装着装置1の外に取り出して行われる。作業に際しては、まず上記2つのストッパ76が軸78の周りに回転されて、図8に2点鎖線で示す退避位置に設定される。次いでスライド部材64が、引っ張りばね67および68による付勢力に抗して後方に移動される。この移動は、例えばスライド部材64に連結している把持板75を把持して後方に動かす等によってなされる。こうして把持板75がストッパ76よりも後方に位置したところで、ストッパ76が軸78の周りに内側に回転されて、図8に実線で示す位置に設定される。
次いで把持板75から作業者の手が離されてスライド部材64が解放されると、把持板75がストッパ76に後方から当接して、スライド部材64が固定される。こうしてスライド部材64が固定されたとき、該スライド部材64に連結している手袋押圧板74は、ロッド71、71の基部(ロッド保持部材70に固定されている部分)よりも、後方に位置するようになる。つまりこの状態下では、手袋押圧板74と干渉することなく、ロッド71、71の全長に亘って手袋Gを吊り下げ保持することが可能になる。
次に前記ロッド押さえ板73が、函体60の天板60kから取り外される。より詳しくは、前述した蝶ナット等を緩めて保持部材72がビス72dから外され、この保持部材72ごとロッド押さえ板73が函体60から取り外される。それにより、ロッド71、71の先端側が開放されて、複数の手袋Gを受け入れ可能となる。
手袋Gは前述したようにニトリルゴムや天然ゴム等から形成されたものであるが、その口G1に近い部分において該手袋Gの甲側部分には2個の孔G2、G2が形成されている(後述する図17および図18も参照)。そして複数の手袋Gの各々は、上記甲側部分が後側、掌側部分が前側になる向きにして、上記孔G2、G2にロッド71、71を挿通させることにより、該ロッド71、71に吊り下げされる。こうしてロッド71、71には、複数の手袋Gが前後方向に並べて保持される。
所定数の手袋Gが保持されると、保持部材72が、取り外しのときと逆の手順によって函体60の天板60kに取り付けられる。それにより、ロッド71、71の先端にロッド押さえ板73が押圧されて、該ロッド71、71から手袋Gが抜け出せない状態となる。このとき最も前側の手袋Gは、ロッド押さえ板73に接する。その後、ストッパ76が軸78の周りに外側に回転されて、図8に2点鎖線で示す位置に設定される。こうしてストッパ76による把持板75の固定が解除されると、スライド部材64は引っ張りばね67および68によって前方側に付勢される。
そこで、スライド部材64に連結されている手袋押圧板74が、吊り下げ保持されている複数の手袋Gを全体的に前方に押圧するようになる。手袋押圧板74は図8に示すような正面形状を有しており、手袋Gの主に口G1の近辺部分、つまりロッド71、71に保持されている部分の周辺を前方に押圧する。図9および図10においては、上述のように押圧された複数の手袋Gの集合体をGAとして概略的に示している。
なお、各手袋Gの掌側部分はロッド71、71に吊り下げられていないので、この掌側部分のうち口G1に近い部分は、ロッド71、71よりも下方に垂れ下がった状態になる。手袋集合体GAにおいて、各手袋Gのこの垂れ下がった部分は、その手袋G自身の甲側部分と、該手袋Gよりも前側の手袋Gの甲側部分とに挟まれた状態になる。しかし、最も前側の手袋Gに関しては、上記の垂れ下がった部分を抑える手袋が無いので、この最も前側の手袋Gは、口G1がやや開いてその前側が自然に少し垂下した状態になる(図9および図10参照)。
前述した通りロッド押さえ板73は、弾性板72bの作用によりロッド71、71の先端に弾力的に当接している。そこで、上記最も前側の手袋Gに前方かつ下方に引くような力が加えられると、この手袋Gは、ロッド押さえ板73をロッド71、71の先端から弾力的に離間させつつ、ロッド71、71から離脱可能である。これは、最も前側の手袋Gに後述するようにして手を挿入させた状態で、その手を動かして該手袋Gに力を加えた場合でも同様である。ここで、手袋集合体GAは手袋押圧板74によって前方に押圧されているので、もし、上記のようにして最も前側の手袋Gがロッド71、71から離脱すると、次の手袋Gが最も前側に来てロッド押さえ板73に接する状態となる。
なお、ロッド押さえ板73を函体60に対して取り外し可能にして保持する機構としては、上に述べたように保持部材72を取り外し自在としておく機構に限らず、その他の公知の機構が用いられてもよい。また、ロッド押さえ板73を函体60から完全に取り外せるようにしておくことは必ずしも必要ではない。例えばロッド押さえ板73を、蝶番を介して函体60に揺動自在に取り付けておき、そのロッド押さえ板73を、ロッド71、71の先端に当接する押さえ位置と、該先端から離れた開放位置とを選択的に取り得るように構成してもよい。
また、手袋押圧板74が手袋集合体GAよりも後方に離れるようになる位置にスライド部材64を固定しておく機構も、上に述べたストッパ76に限られるものではなく、その他の公知の機構が用いられてもよい。
次に図11〜図15を参照して、ケース6に保持されている手袋Gの口を前後方向に広げて保持する第1拡張手段としてのフック移動機構200について説明する。図11はこのフック移動機構200を装置後方側から見た状態を示す後面図、図12はその側面図である。また図13、図14および図15はそれぞれ、このフック移動機構200を構成しているフック保持部220を拡大して示す平面図、後面図および側面図である。
図11および図12に示されるようにフック移動機構200は、上下方向に延びる状態に配された縦部材201を有している。この縦部材201の下端は、図11および図12では図示外のケース支持台40(図2参照)に連結されている。またフック移動機構200は、各々ピストンロッドP4を上向きにして縦部材201に取り付けられた1対のシリンダC4と、上面が水平となる状態に配されて連結部材202を介して上記ピストンロッドP4の先端に連結されたローラ受け部材203とを備えている。なお、1対のシリンダC4は互いに同様に駆動されるものであるので、それらは1つのシリンダに置き換えられてもよい。
またこのフック移動機構200は、ローラ受け部材203を間において左右に振り分けられた、1対のフック移動部210、210を備えている。これらのフック移動部210、210は互いに左右対称に形成されたもので、基本構成は同一であるので、以下、それらの一方について説明する。フック移動部210は、ピストンロッドP5が水平になる状態に配して、保持部材211を介して上面板3に固定されたシリンダC5(2つのフック移動部210、210に共用)と、ピストンロッドP6が水平になる状態にして、ピストンロッドP5の先端に保持部材212を介して固定されたシリンダC6と、ピストンロッドP6の先端に保持部材213を介して固定された前後動部材214と、上下方向に延びる状態に配されて上端が前後動部材214に固定された1対の縦ロッド215、215と、シリンダC6の前後動をガイドするリニアシャフト216とを有している。なおリニアシャフト216については図12で一部のみ示し、図11では省略している。
フック移動部210はさらに、上記1対の縦ロッド215、215に保持されたフック保持部220を有している。フック保持部220は、ボールブッシュ等からなるスライドブッシュ222を介して上記1対の縦ロッド215、215に上下方向に移動自在に取り付けられた移動ブロック224と、この移動ブロック224の内側(左側のフック移動機構210であれば右側で、右側のフック移動機構210であれば左側)の側端部に、そこから下方に延びる状態に固定された縦部材226と、この縦部材226の下端に、そこから水平に内側に延びる状態に固定された横部材228と、この横部材228の先端に回転可能に取り付けられたローラ230とを有している。このローラ230は、先に述べたローラ受け部材203の上面に載置された状態となっている。したがって、ローラ受け部材203が後述のようにして上下方向に移動されると、それに伴ってローラ230が上下方向に移動し、つまりは移動ブロック224が縦ロッド215に沿って上下方向に移動する。
前述した通り図13〜図15は、フック保持部220の平面形状、後面形状および側面形状を示すものであり、以下、これらの図13〜図15も参照して説明を続ける。移動ブロック224は、装置後方側(図12および図3中の右側)に突出した張出部224bを有し、この張出部224bの左右端部には、左右方向に延びる揺動軸234がそれぞれ取り付けられている。そして張出部224bには、各々揺動軸234を軸に図15の矢印R1方向に揺動自在にして、2つのフック232が取り付けられている。各フック232は、より詳しくは図13に明示されるように、上方から見た状態でL字形をなす2つの部分からなるものであり、それらの部分のうちの一方は上下方向に短く形成されて揺動軸234に軸支され、他方は上下方向に長く延びた形状とされている。
また移動ブロック224の内部には、左右方向に延びるエア通路236が穿設されている。このエア通路236の一端236aは移動ブロック224の外側端面224aに開口し、他端236bは移動ブロック224内で閉じている。上記エア通路236の一端236aには、例えばフレキシブル配管からなり、図示外の圧縮エア源に連通されたエア配管260が接続されている。さらに移動ブロック224の内部には、上記エア通路236と交差する状態にして前後方向に延びる、断面円形の2本のエア通路238および240が穿設されている。
さらに移動ブロック224の内部には、上記エア通路236よりも下に離れた位置において、エア通路238および240と平行に延びるエア通路242が穿設されている。このエア通路242は、先端部つまり図13中の下端部が、斜め下方を向いた状態に形成されて、本発明における空気吐出手段を構成している。そしてこのエア通路242の後端部には、例えばフレキシブル配管からなり、図示外の圧縮エア源に連通されたエア配管262が接続されている。
上記2本のエア通路238および240の各内部には、装置前方側から、プッシャーピン244、246の基部が挿通されている。これらのプッシャーピン244、246はそれぞれ、エア通路238および240内にほぼ緊密に挿通して、該エア通路238および240内で移動し得る円柱状の基部と、この基部の先端に形成された概略半球状の頭部とを有して、リベット状の形状とされている。プッシャーピン244および246の頭部はそれぞれ、エア通路238および240から装置前方側に飛び出した状態となっている。なお、エア通路238および240の各後端は、盲プラグ264、266によって閉じられている。
エア通路238および240は、プッシャーピン244、246の各頭部が、前記フック232の上下方向に長く延びた部分の上端付近に当接可能となる位置に穿設されている。上記当接の位置は、フック232の揺動軸234よりも上方とされている。したがって、後述するエア供給によりプッシャーピン244、246が各々頭部の方に移動して、該頭部がフック232を押すと、フック232は揺動軸234を中心に図15中で矢印R1の時計方向に回動し、図示外のストッパ部に当接して、その長く延びた部分が鉛直方向真下を向く状態(同図の2点鎖線表示状態)に固定される。上記エア供給が断たれると、プッシャーピン244、246は各々エア通路238、240内をエア通路236側に移動し得るようになる。そこで各フック232は、揺動軸234を中心に図15中で矢印R1の反時計方向に回動可能となって、同図の実線表示の状態になり得る。
以下、上記構成を有する本実施形態の自動装着装置1の作動について、主に図16〜図18を参照して説明する。図16は、本装置1により手袋の自動装着がなされるときのフック保持部220およびその周辺の側面形状を、(1)から(6)の順に時間を追って示すものである。なお、図16においては、自動装着装置1の各要素を概略的に示してある。
また、以下では、各部の上下方向や装置前後方向(図16中の左右方向)に関する移動量を具体的に数値で示して説明するが、それらの数値は一例としてのものであり、それらに限定されるものではない。また以下では、左右2つのフック保持部220のうち一方について説明するが、他方のフック保持部220も同じように作動する。
人間の左右の手に手袋を装着するのに先立って、図2および図3に示すケース支持台40の上に、それぞれ複数枚の手袋Gを収容した2つのケース6、6が載置される。このとき、図2中の左側のケース6は左手用手袋Gを収容したものとされ、また右側のケース6は右手用手袋Gを収容したものとされる。また、ケース支持台40の上におけるケース6、6の各載置位置は、位置決め部材48によって所定の位置に規定される。一方、フック移動機構200のフック保持部220はまず、後述する初期位置に設定されている。
以上の状態下で図1の電源スイッチ18がONにされと、電源ランプ20およびNGランプ(赤ランプ)24が点灯する。そしてフットスイッチ28が踏まれると、図16の(1)に示すようにシリンダC4のピストンロッドP4が伸長され、フック保持部220は初期位置から40mm上昇する。このとき同時に、エア配管260を介してエア通路236に圧縮エアが供給され、このエアがエア通路238および240に送られてプッシャーピン244、246が各々頭部の方に移動する(図13〜図15参照)。そこでプッシャーピン244、246の各頭部が前述したようにフック232に当接し、2つのフック232はそれぞれ、その長く延びた部分が鉛直方向真下を向く状態(図15の2点鎖線で示す状態、図16の(1)に示す状態)に固定される。
なお、フック保持部220が上記初期位置に設定されるとき、チャック14の1対の可動爪12、12は、図17に示す待機位置に設定されている。またこのとき、ケース6に保持された手袋Gは、1対の可動爪12、12よりも下方に離れた位置、つまり図17中の実線表示位置に有る。そして、ケース6に保持された複数の手袋Gのうち一番手前の手袋Gは、図16の(1)に示される通り、口G1がやや開いてその前側が自然に少し垂下した状態になっている(図10も参照)。なお、手袋Gがそのような状態になる理由は、先に図9および図10を参照して説明した通りである。
次にフック保持部220は、装置後方側に、つまりケース6に近付く方向に100mm移動されて、図16の(2)に示す位置に設定される。このとき、2つのフック232の鉛直方向真下を向いた部分は、手袋Gの口G1の上方に有る状態となる。なお、このフック保持部220の移動は、図12に示したシリンダC5のピストンロッドP5および、シリンダC6のピストンロッドP6が共に収縮されることによってなされる。
フック保持部220が図16の(2)に示す位置に到達すると、エア配管262を介してエア通路242に圧縮エアが供給され、その先端からエアが下方に向かって吐き出される(図13〜図15参照)。前述した通り、エア通路242の先端部は斜め下方を向いた状態に形成されているので、吐き出されるエアは図15および図16の(2)に矢印Bで示す通り、斜め下方に向かって噴出する。
次にフック保持部220は、シリンダC4のピストンロッドP4が収縮されることにより40mm下降して、図16の(3)に示す状態となる。このようにフック保持部220が下降する際、上記のように斜め下方に噴出しているエアがケース6のロッド押さえ板73に当たって跳ね返り、手袋Gの口G1内に向かって進行する。こうしてエアが送り込まれると手袋Gは、風船が膨らむように全体的にピンと緊張した状態になる。そこで手袋Gの口G1は、その前側が少し自然に垂下した状態から、装置前方側にやや拡張すると共に上方に立ち上がって、ほぼ水平に近い状態となる。
手袋Gの口G1が上述の状態となっているため、フック保持部220が下降するとき、2つのフック232の鉛直方向真下を向いた部分は、手袋Gの口G1と干渉することなく、確実に手袋Gの内部まで進入する。次にフック保持部220は、装置前方側に、つまりケース6から離れる方向に50mm移動されて、図16の(4)に示す位置に設定される。このフック保持部220の移動は、図12に示したシリンダC5のピストンロッドP5が伸長することによってなされる。こうしてフック保持部220が前方に移動すると、2つのフック232が手袋Gの口G1の内側部分に引っ掛かってこの部分を前方に引っ張り、手袋Gの口G1を装置前後方向に拡張させる。このとき、図17に示す待機位置に設定されている1対の可動爪12、12は、拡張した手袋Gの口G1の真上に位置している。
次に、図2に示したシリンダC1のピストンロッドP1が伸長されることにより、図2のケース支持台40、並びにその上の縦部材201およびケース6が一体的に80mm上昇し、図16の(5)に示す状態となる。この状態になると、装置前後方向に拡張している口G1を通って、手袋G内に1対の可動爪12、12が上方から入り込む。なお図17では、このときの手袋Gの位置を1点鎖線で示してある。図16の(5)に示す状態になると、エア通路242へのエア供給は絶たれ、次いで前述したエア通路238および240へのエア供給が絶たれる。それにより2つのフック232は、図15中で矢印R1の反時計方向に回動し得る状態になる。
次に、上記のように手袋G内に上方から入り込んでいる1対の可動爪12、12が互いに離れる方向に動いて、図18に示す挟着係止位置まで移動する。なおこの可動爪12、12の移動は、図4および図5に示すシリンダC2のピストンロッドP2、およびシリンダC3のピストンロッドP3が伸長することによってなされる。こうして可動爪12、12が挟着係止位置まで移動すると、図18に示すように手袋Gの口G1は、左右に大きく引き伸ばされた状態となる。この状態になると、固定爪10と可動爪12との間で手袋Gの口G1の部分が挟着係止される。またこの状態になると、前述した通り4個のコイルばね92が各々圧縮される。
次にフック保持部220は、装置前方側に、つまりケース6から離れる方向に50mm移動されて、図16の(6)に示す位置に設定される。このフック保持部220の移動は、図12に示したシリンダC6のピストンロッドP6が伸長することによってなされる。こうしてフック保持部220が前方に移動するとき、フック232は上述のように回動し得る状態になっているので、図16の(6)に破線で示すように傾いて手袋Gの口G1内から離脱する。
フック保持部220が図16の(6)に示す位置に設定されると、図1のNGランプ24に代わってOKランプ(青ランプ)26が点灯して、挿入口4、4への手の挿入がOKになったことが示される。
そこで、図18に示すように左右に拡張されている手袋Gの口G1に、挿入口4を通して上方から手指が挿し入れられる。このときは、既に手袋Gの口G1内からフック232が離脱しているので、挿し入れられる手指がフック232と干渉することがない。手指が挿入口4を通過したことは図示外の例えば光電式センサ等によって検知され、その検知信号に基づいて、エア噴出口132からエアが噴出される。このエアは手袋Gの中央部に向けて噴出されるので、手袋Gはそれまでの自然に垂下した状態から、各指の部分も含んで全体的に膨らんだ図18表示の状態に変わる。そこで、手袋Gを装着しようとする人は、その手指を円滑に該手袋G内に挿入することができる。
なお、上記可動爪12のエア噴出口132からのエア噴出は、例えばエア噴出口132とエア供給源との間の配管に介設された電磁弁をON、OFFさせる等により、3〜6Hzの周期で、好ましくは4Hz以上5Hz以下の周期で、断続的になされる。それにより手袋Gは、脈動的に拡張されるようになる。こうして手袋Gが脈動的に拡張されれば、ニトリルゴムや生ゴム等からなる薄手の手袋Gが濡れている手に貼り付く状態になっても、手袋Gを手から離すことができ、しかも、手袋Gの指の先端部までエアが届くので、手袋G内に手指を容易かつ迅速確実に挿入可能となる。
上記エア噴出口132からのエア噴出が開始されるのと同時にタイマが起動され、例えば3秒間のカウントが開始する。手袋Gの装着は、このカウントの間になされる。タイマのカウントが終了すると、エア噴出口132からのエア噴出が停止され、かつシリンダC2、C3が消勢される。こうしてシリンダC2、C3が消勢されることにより、コイルばね92の付勢力で可動爪担持部材83〜86が可動爪12を固定爪10から離す方向に僅かに変位する。
そこで、手袋G内に挿入されている手を装置前方側(操作者の身体側)かつ下方に引くと、手指が挿入されている手袋Gがケース6から離脱する。つまり、手袋Gの孔G2、G2の部分がロッド71、71から抜け出し、また可動爪12が固定爪10から僅かに離れて、チャック14による手袋Gの挟持も解除されているからである。なお、手袋Gはチャック14(すなわち固定爪10および可動爪12)による挟持が解除されても、1対の可動爪12、12に弾力的に係止する。この状態は、上述のように手が下方に引かれて、手袋Gが可動爪12、12から下方に抜け出るまで維持される。次いで、左右の手を挿入口4、4から上方に引き抜くことにより、手袋Gが装着された両手を装置外に出すことができる。
ここで、上記タイマのカウント時間は、使用者の装置操作熟度に応じて変更可能としておくことが望ましい。また、このカウント時間の終了以前に、手袋装着が終了し得ることも考慮して、フットスイッチ28を再度踏み込むことによってシリンダC2、C3が消勢されるようにしておいてもよい。
なお、上述のように手袋Gに挿入した手を装置前方側に引いて、手袋Gをケース6から離脱させると、その手袋Gと隣り合っている次の手袋Gの口G1の部分(より詳しくはロッド71、71が挿通していない掌側の部分)が、それまでこの部分を押さえていた手袋Gが無くなったことにより自然に装置前方側に倒れて、図16の(1)に示した状態になる。
以上の通りにして手袋Gを装着した左右の手が挿入口4、4から上方に引き抜かれると、その旨が例えば光電式センサ等によって検知される。そして、その検知信号に基づいて、1対の可動爪12、12が互いに近接した前記待機位置に戻される。また、それと共に、図2に示したシリンダC1のピストンロッドP1が収縮されることにより、縦部材201およびケース6が一体的に80mm下降する。このときのフック保持部220の位置が、前述した初期位置となる。それ以降は、以上説明した手順を繰り返すことにより、2つのケース6に各々収容されている複数の手袋Gを、それぞれ別の人間の左右の手に次々と装着させることができる。
なお、勿論であるが、左右の片方の手だけに手袋Gを装着したい場合も、以上述べたのと同様にして、手袋装着を行うことができる。その場合、装着されなかった手袋Gは一度図18の状態とされるが、手袋が装着された方の手が挿入口4から引き抜かれた後、上述の通り1対の可動爪12、12が待機位置に戻されると共に、縦部材201およびケース6が下降してフック保持部220が初期位置に戻されるので、その装着されなかった手袋Gがケース6において最も手前側に保持された手袋となって、次の装着に使用されるようになる。
以上詳しく説明したように、本実施形態の自動装着装置1によれば、装着者やその他の人間が手袋Gの外面に接触することなく、手袋Gを次々と複数の人間の手に自動装着することが可能になる。したがってこの自動装着装置1は、例えば手袋Gが病院等での手術用手袋である場合は衛生上および防疫上の問題を解決でき、また手袋Gが食品加工工場等での作業用手袋である場合は食品衛生上の問題を解決できるものとなる。
なお、本発明による手袋の自動装着装置は上記実施形態に限らず、その他の種々の形態を取り得るものである。例えば、上述の実施形態では、手袋G内にエアを吹き込むエアの噴出口132が可動爪12にそれぞれ設けられているが、これに代えて、エアノズルを可動爪担持部材83〜86に直接固定したり、あるいはエアノズルを手袋Gの開口部の上方に配置したりしてもよい。
また、手袋押圧板74の形状や大きさも上述の実施形態におけるものに限らず、その他の形状や大きさとされてもよい。さらには、このような手袋押圧板74を設けなくてもよい。すなわち、例えばロッド71をその先端側が低くなるように傾斜させて配置し、手袋Gが重力によって自然にロッド71の先端側に移動するように構成してもよい。
また、上述の実施形態では、装置各部の要素を移動させる駆動源には全てエアシリンダが適用されているが、その他の駆動源が用いられてもよい。