以下、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置を複合機に適用した場合の複合機を示す図である。
図1を参照して、複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。複合機11は、制御部12と、操作部13と、画像読み取り部14と、画像形成部15と、ADF16と、手差しトレイ17と、三つの給紙カセット18a、18b、18cと、排出部19と、本体部21とを備える。
CPUを含む制御部12は、複合機11全体の制御を行う。図1において、制御部12は、一点鎖線で概略的に示している。タッチパネルを含む操作部13は、複合機11側からの情報を表示すると共に、印刷部数や階調等といった画像形成の条件や電源のオンまたはオフをユーザーに入力させる。画像読み取り部14は、原稿搬送装置としてのADF(Auto Document Feeder)16または載置台上にセットされた原稿の画像を読み取る。画像形成部15は、画像読み取り部14により読み取られた画像データやネットワーク(図示せず)を介して複合機11に送信された画像データを基に、手差しトレイ17や複数の給紙カセット18a、18b、18cにセットされ、搬送されてきた用紙に画像を形成する。画像形成部15により画像を形成された用紙は、排出部19に排出される。なお、画像形成部15を構成する部材は、主に筐体を構成する本体部21に取り付けられている。また、複合機11のフロント側には、図示しないフロントカバーが取り付けられている。
次に、複合機11に備えられる画像形成部15の構成について、さらに詳細に説明する。画像形成部15は、LSU(Laser Scanner Unit)22と、中間転写体としての転写ベルト23と、二次転写ローラー24とを含む。LSU22については、一点鎖線で概略的に示している。なお、複合機11は、いわゆる四連タンデム形式の画像形成部15を備えることとなる。
画像形成部15は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各4色に対応し、それぞれ感光体32a、32b、32c、32dを含む四つの感光体ユニット31a、31b、31c、31d、および四つの現像ユニット41a、41b、41c、41dを備える。図1において、感光体ユニット31a〜31d、および現像ユニット41a〜41dについては、それぞれ破線で概略的に示している。
LSU22は、画像読み取り部14により読み取られた画像データや受信した画像データを基に、四つの感光体32a〜32dに対してそれぞれ露光する。露光された各色の成分の光を基に、感光体32a〜32d上に静電潜像が形成される。感光体32a〜32d上に形成された静電潜像に現像ユニット41a〜41dからそれぞれ各色のトナーを供給することで、感光体32a〜32d上にそれぞれトナー像を形成する。感光体32a〜32d上に形成されたトナー像はそれぞれ、転写ベルト23上に一次転写される。転写ベルト23上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー24によって用紙に二次転写された後、定着部25によって用紙に定着され、排出部19に排出される。図1において、定着部25については、二点鎖線で概略的に示している。
次に、画像形成部15に含まれるブラックの感光体ユニット31dおよびブラックの現像ユニット41dの具体的な構成について説明する。図2は、複合機11の本体部21に取り付けられたブラックの感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dの構成を示す斜視図である。図3は、現像ユニット41dを感光体ユニット31dに取り付けた状態を示す斜視図である。図4は、感光体ユニット31dを示す斜視図である。図5は、現像ユニット41dを示す斜視図である。図6は、図5に示す現像ユニット41dにおいて、後述するトップカバー42dを取り除いた状態を示す図である。図7は、図6中のVIIで示す部分の拡大図である。図8は、図6中のVIIIで示す部分の拡大図である。
また、図9および図10は、現像ユニット41dを感光体ユニット31dに取り付けた状態の断面図である。図9および図10はそれぞれ、感光体32dの回転軸33dに垂直な平面で切断した断面である。図9は、感光体32dと後述する現像スリーブ43dとが近接した状態を示し、図10は、感光体32dと現像スリーブ43dとが離間した状態を示す。なお、部材のハッチングについて、理解の容易の観点から、統一して図示している。また、イエローの感光体ユニット31aとイエローの現像ユニット41a、マゼンタの感光体ユニット31bとマゼンタの現像ユニット41b、およびシアンの感光体ユニット31cとシアンの現像ユニット41cの構成については、ブラックの感光体ユニット31dとブラックの現像ユニット41dの構成と同等であるため、それらの説明を省略する。
図1〜図10を参照して、感光体ユニット31dは、その上に静電潜像が形成される感光体32dと、帯電部34dと、クリーニング部35dとを備える(特に図9および図10を参照)。感光体32dは、円管状であって、回転軸33dを中心として図4中の矢印R1で示す方向に回転可能である。帯電部34dは、静電潜像の形成に必要な電圧を感光体32dに印加する。帯電部34dは、感光体32dの下方側に取り付けられている。クリーニング部35dは、感光体32d上に残留したトナーや電荷を除去する。クリーニング部35dは、感光体32dの側方側に取り付けられている。なお、クリーニング部35dには、クリーニングされたトナーを排出するために、感光体ユニット31dのフロント側に突出する円柱状のトナー排出部36dが設けられている。
現像ユニット41dは、トップカバー42dと、現像スリーブ43dと、磁気ローラー44dと、第一の撹拌ローラー45dと、第二の撹拌ローラー46dと、現像剤(図示せず)を収容する現像容器47dとを備える。トップカバー42dは、現像ユニット41dの上部に取り付けられており、現像ユニット41dに対して着脱可能に設けられている。現像スリーブ43dは、現像ローラーとも呼ばれるものである。磁気ローラー44dは、マグローラーやマグネットローラーとも呼ばれるものである。
現像スリーブ43dは、感光体32dに近接した第一の位置、および感光体32dから離間した第二の位置に移動可能である。図9に示す状態が、現像スリーブ43dが第一の位置に配置された状態である。図10に示す状態が、現像スリーブ43dが第二の位置に配置された状態である。現像スリーブ43dは、第一の位置において、感光体32dの表面にトナーを供給可能である。現像スリーブ43dが第一の位置に配置された場合、現像スリーブ43dの表面上に形成されるトナー層は非常に薄層であるため、最も近接した位置37dにおいて、現像スリーブ43dと感光体32dとは、ほとんど当接した状態となっている。なお、感光体ユニット31d、または現像ユニット41dが本体部21から取り外される場合、現像スリーブ43dは第二の位置に配置される。
磁気ローラー44dの内部には、周方向に交互にN極およびS極が形成されている。磁気ローラー44dは、その表面に二成分現像剤を保持する。磁気ローラー44dは、その表面に保持した二成分現像剤から現像スリーブ43d側にトナーを供給する。現像スリーブ43dの表面には、磁気ローラー44d側から供給されたトナーの薄層が形成される。
現像容器47dは、現像スリーブ43d、磁気ローラー44d、第一および第二の撹拌ローラー45d、46dをその内方側に収容するように構成されている。第一および第二の撹拌ローラー45d、46dは、現像容器47d内において、現像剤を撹拌すると共に、磁気ローラー44d側に現像剤を供給する。なお、現像により消費されたトナーは随時、現像容器47d内に供給される。また、現像スリーブ43d、磁気ローラー44d、第一および第二の撹拌ローラー45d、46dの回転軸は、感光体32dの回転軸33dと平行となるように設けられている。
感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dは、画像形成部15の本体部21側に装着されている。具体的には、感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dは、図2中の矢印D1で示す方向に挿入されて、それぞれ本体部21に取り付けられる。一方、感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dはそれぞれ、図2中の矢印D1で示す方向と逆の方向に引き出されて、本体部21から取り外される。
ここで、感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dは、本体部21にそれぞれ別個に着脱可能に設けられている。すなわち、感光体ユニット31dを本体部21から取り外す際に、現像ユニット41dを本体部21から取り外すことなく、感光体ユニット31dを取り外すことができる。また、現像ユニット41dについても、感光体ユニット31dを本体部21から取り外すことなく、取り外すことができる。
感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dの取り外し時において、現像スリーブ43dは、第一の位置から第二の位置へ移動される。現像ユニット41dは、現像スリーブ43dを第一の位置から第二の位置へ移動させる第一の着脱レバー48dを備える。感光体ユニット31dは、現像スリーブ43dを第一の位置から第二の位置へ移動させる第二の着脱レバー38dを備える。第一または第二の着脱レバー48d、38dのいずれかの押し上げにより、現像スリーブ43dは、第二の位置へ移動される。
具体的には、以下のように構成されている。図11および図12は、現像ユニット41dを感光体ユニット31dに取り付けた状態の断面図である。図11および図12は、感光体32dの回転軸33dに垂直な平面で切断した断面である。図11に示す断面と、図9および図10に示す断面との相違は、現像スリーブ43dおよび感光体32dを避けた位置であって、後述する第一のリリース部材51d等を含む断面で切断した点である。また、図12に示す断面と、図9および図10に示す断面との相違は、現像スリーブ43dおよび感光体32dを避けた位置であって、後述する現像スリーブ43dの回転軸等を含む断面で切断した点である。図13は、現像ユニット41dの断面図であり、図14は、現像ユニット41dおよび感光体ユニット31dの断面図である。図13および図14は、感光体32dの回転軸33dに沿う方向に延びる平面で切断した断面である。
図1〜図14、特に図11〜図14を参照して、現像ユニット41dを第一の位置と第二の位置との間で移動させるための機構について説明する。現像ユニット41dには、上記した第一の着脱レバー48dと、第一のリリース部材51dと、現像スリーブリリースレバー61dとが設けられている。第一の着脱レバー48dは、上下方向、すなわち、矢印D3で示す方向またはその逆の方向に動かされる。第一の着脱レバー48dは、図示しないフロントカバーを開けた際に、本体部21におけるフロント側に露出して設けられている。すなわち、ユーザーは、フロントカバーを開けた後、第一の着脱レバー48dを操作して、第一の着脱レバー48dを上下方向に動かすことができる。
第一の着脱レバー48dの上方側の端部には、第一の着脱レバー傾斜部52dが設けられている(図11参照)。また、第一の着脱レバー48dの下方側の端部には、第一のフック53dが一体で設けられている(図5および図6参照)。第一のフック53dのうち、フロント側に位置する部分は、鉛直方向に延びる平面54dで構成されており、下方側の端部からリア側に向かう平面は、鉛直方向に対して傾斜して延びる傾斜面55dから構成されている。第一の着脱レバー48dが下方に移動すると、第一のフック53dは現像ユニット41dの下方側に位置する面から突出するよう構成されている。
現像ユニット41dを本体部21に装着する際には、傾斜面55dに沿って挿入される形となるため、第一のフック53dが上方に移動する。このため、現像ユニット41dを本体部21のフロント側からリア側へ押し込む際に、第一のフック53dが本体部21に引っ掛かることで、現像ユニット41dの移動が規制されることが無いようになっている。現像ユニット41dを本体部21における所定位置まで押し込むと、第一のフック53dと本体部21を構成する筐体の一部との接触が解除されるので、第一の着脱レバー48dは、その自重または付勢力により下方に移動して、第一のフック53dも下方側に突出する。その状態において、第一のフック53dのフロント側に位置する平面54dが本体部21の筐体の一部に引っ掛かり、現像ユニット41dのフロント側への移動が規制される。
第一のリリース部材51dは、左右方向、すなわち、矢印D2で示す方向またはその逆の方向に動かされる。特に図11を参照して、第一のリリース部材51dの右側には、斜め方向に傾斜する第一のリリース部材傾斜部56dが設けられている。この第一のリリース部材傾斜部56dは、第一の着脱レバー48dに設けられた第一の着脱レバー傾斜部52dと当接している。すなわち、第一のリリース部材51dは、第一の着脱レバー48dと当接している。互いに同じ方向に傾斜している第一の着脱レバー傾斜部52dと第一のリリース部材傾斜部56dとが当接しているため、左右方向の移動が規制される第一の着脱レバー48dの上下方向の動きに連動させて、第一のリリース部材51dを左右方向に移動させることができる。なお、第一のリリース部材51dの右側の端部、すなわち、第一のリリース部材傾斜部56dのさらに右側には、上下方向に延びる第一のリリース部材延出部57dが設けられている。
現像スリーブリリースレバー61dは樹脂材料により構成されている。現像スリーブリリースレバー61dは、現像スリーブ43dの回転軸に沿う方向、すなわち、矢印D1の方向に延びる細長い棒形状の部材である。現像スリーブリリースレバー61dは、矢印D1に直交する方向に湾曲する可撓性を備えている。現像スリーブリリースレバー61dは、矢印D1で示す方向またはその逆の方向に移動可能なように現像ユニット41dに支持されているとともに、図示しない付勢部材により矢印D1で示す方向と逆方向、すなわち、リア側からフロント側に向かって付勢されている。現像スリーブリリースレバー61dには、現像スリーブ43dを回転可能に保持する軸受部材62に設けられたカム部63と当接可能な突起部64が一体的に形成されている(図7参照)。突起部64は、フロント側からリア側に向かって現像スリーブリリースレバー61dの径が大きくなるよう傾斜して延びるよう構成されている。矢印D1に示す方向またはその逆の方向への現像スリーブリリースレバー61dの移動により、カム部63と突起部64との当接状態を変化させ、軸受部材62を図12中の矢印D4で示す方向に揺動させて、現像スリーブ43dを第一の位置と第二の位置との間へ移動させる。
また、現像スリーブリリースレバー61dのうち、フロント側の端部付近には、爪部66dとツマミ部67dとが一体的に形成されている(図13および図14参照)。爪部66dは矢印D2に示す方向に真っ直ぐに延びる平面68dと、平面68dの右端から矢印D1の方向に向かうにしたがってその径が小さくなるよう傾斜して延びる傾斜面69dにより形成された楔形状の突起である。ツマミ部67dは、現像ユニット41dのフロント側に突出して設けられており、先端部を指でリア側に向かって押し込むことが可能な形状である。
図14に示すように、現像スリーブリリースレバー61dは、爪部66dの平面68dが現像ユニット41dの筐体49dの一部に引っ掛かり、付勢部材の付勢に抗してフロント側への移動が規制される。また、この状態において、第一のリリース部材51dの左側の端部58dは、現像スリーブリリースレバー61dの爪部66dに当接している。
次に、第一の着脱レバー48dを用いて、現像スリーブ43dを第一の位置から第二の位置へ移動させる方法について説明する。図15は、この場合の現像ユニット41dおよび感光体ユニット31dの断面図である。図15に示す断面は、図11に示す断面に相当する。
併せて図15を参照して、第一の着脱レバー48dを図15中の矢印D5で示す方向に押し上げると、第一の着脱レバー傾斜部52dと第一のリリース部材傾斜部56dとが当接しているため、この押し上げの動作に連動して、第一のリリース部材51dが左側、すなわち、矢印D2で示す方向に移動する。なお、理解の容易の観点から、矢印D2で示す方向と同じ方向を、図15中においては矢印D6で示している。第一のリリース部材51dの矢印D2(矢印D6)で示す方向への移動により、現像スリーブリリースレバー61dの爪部66dが左側に押されると(図14参照)、現像ユニット41dの筐体49dの一部への現像スリーブリリースレバー61dの引っ掛けが解除される。この解除により現像スリーブリリースレバー61dは図示しない付勢部材の付勢力によってフロント側、すなわち、矢印D1と逆の方向に移動する。移動した位置については、図14において点線で示す通りである。この移動に連動して、カム部63と突起部64との当接状態を変化させて、現像スリーブ43dを第二の位置へ移動させる。また、第一の着脱レバー48dの上方への移動とともに第一のフック53dが上方に移動して、第一のフック53dと本体部21の筐体の一部との引っ掛かりが解除されるため、現像ユニット41dのフロント側への移動が可能になる。
このように、現像スリーブ43dを第一の位置から第二の位置へ移動させた後に、現像ユニット41dを本体部21から取り外すことができる。こうすることにより、現像スリーブ43dと感光体ユニット31dとの干渉を確実に避けながら、現像ユニット41dを本体部21から取り外すことができる。この場合、感光体ユニット31dを取り外すことなく、現像ユニット41dを本体部21から取り外すことができる。したがって、作業効率を向上させることができる。
次に、感光体ユニット31dを取り外すための構成について説明する。感光体ユニット31dには、第二の着脱レバー38dと、第二のリリース部材71dとが設けられている(図11参照)。第二の着脱レバー38dは、上下方向、すなわち、矢印D3で示す方向またはその逆の方向に動かすことができる。第二の着脱レバー38dも第一の着脱レバー48dと同様に、図示しないフロントカバーを開けた際に、本体部21におけるフロント側に露出して設けられている。すなわち、ユーザーは、フロントカバーを開けた後、第二の着脱レバー38dを操作して、第二の着脱レバー38dを上下方向に動かすことができる。
第二の着脱レバー38dの上方側には、上下方向に延びる第二の着脱レバー延出部72dが設けられている。また、第二の着脱レバー38dの下方側の端部には、第二のフック73dが一体的に設けられている(図4参照)。第二のフック73dは、第一のフック53dと同等の形状であり、第二のフック73dのうち、フロント側に位置する部分は、鉛直方向に延びる平面74dで構成されており、下方側の端部からリア側に向かう平面は、鉛直方向に対して傾斜して延びる傾斜面75dから構成されている。
第二の着脱レバー38dが下方に移動すると、第二のフック73dは感光体ユニット31dの下方側に位置する面から突出するよう構成されている。感光体ユニット31dを本体部21に装着する際に、第二のフック73dのリア側の傾斜面75dが本体部21の筐体の一部に接触して、第二の着脱レバー38dが上方に移動するため、感光体ユニット31dのリア側への移動は規制されない。
感光体ユニット31dを本体部21における所定位置まで押し込むと、第二フック73dと本体部21を構成する筐体の一部との接触が解除されることで、第二の着脱レバー38dはその自重または付勢力により下方に移動して、第二のフック73dも下方側に突出する。その状態において、第二のフック73dのフロント側に位置する平面74dが本体部21の筐体の一部に引っ掛かり、感光体ユニット31dのフロント側への移動が規制される。
第二のリリース部材71dは、左右方向、すなわち、矢印D2で示す方向またはその逆の方向に動かすことができる。第二のリリース部材71dの右側の端には、上下方向に対して傾斜して延びる第二のリリース部材傾斜部76dが設けられている。この第二のリリース部材傾斜部76dは、第二の着脱レバー延出部72dの上方側の端部77dと当接して設けられている。すなわち、第二のリリース部材71dは、第二の着脱レバー38dと当接している。第二の着脱レバー38dの上下方向の動きに連動して、第二のリリース部材71dを左右方向に移動させることができる。すなわち、左右方向の移動が規制される第二の着脱レバー38dを上側に移動させると、第二のリリース部材71dは、端部77dと当接する第二のリリース部材傾斜部76dの傾斜に沿って押し進められ、左側へ移動する。なお、第二のリリース部材71dの左側の端に位置し、上下方向に延びる第二のリリース部材延出部78dは、第一のリリース部材51dの右側の端に位置する第一のリリース部材延出部57dと当接可能に設けられている。
次に、第二の着脱レバー38dを用いて、現像スリーブ43dを第一の位置から第二の位置へ移動させる方法について説明する。図16は、この場合の現像ユニット41dおよび感光体ユニット31dの断面図である。図16に示す断面は、図11に示す断面に相当する。
併せて図16を参照して、第二の着脱レバー38dを図16中の矢印D7で示す方向に押し上げると、第二の着脱レバー延出部72dの端部77dと第二のリリース部材傾斜部76dとが当接しているため、この押し上げの動作に連動して、第一のリリース部材51dが左側、すなわち、矢印D2で示す方向に移動する。なお、理解の容易の観点から、矢印D2で示す方向と同じ方向を、図16中においては矢印D8で示している。また、図16に示す状態において、この断面では第二の着脱レバー延出部72dの端部77dと第二のリリース部材傾斜部76dとが当接していないが、他の部分では接触している。第二のリリース部材71dの矢印D2(矢印D8)で示す方向への移動により、第二のリリース部材71dの左側の端に位置する第二のリリース部材延出部78dが、第一のリリース部材51dの右側に位置する第一のリリース部材延出部57dと当接し、第一のリリース部材51dを矢印D2(矢印D6)で示す方向と同じ方向に押し進める。そして、第一のリリース部材51dが左側に押されると、上記した第一の着脱レバー48dの押し上げ時と同様に、現像スリーブリリースレバー61dの爪部66dが左側に押され、現像ユニット41dの筐体49dの一部への現像スリーブリリースレバー61dの引っ掛かりが解除される。この解除により現像スリーブリリースレバー61dは図示しない付勢部材の付勢力によってフロント側、すなわち、矢印D1と逆の方向に移動する。この移動に連動して、カム部63と突起部64との当接状態を変化させて、現像スリーブ43dを第二の位置へ移動させる。また、第二の着脱レバー38dの上方への移動とともに第二のフック73dが上方に移動し第二のフック73dと本体部21の筐体の一部との引っ掛かりが解除されるため、感光体ユニット31dのフロント側への移動が可能になる。
感光体ユニット31dは、現像スリーブ43dを第一の位置から第二の位置へ移動させてから、本体部21から取り外すことができる。こうすることにより、感光体ユニット31dと現像スリーブ43dとの干渉を確実に避けながら、感光体ユニット31dを本体部21から取り外すことができる。この場合、現像ユニット41dを取り外すことなく、感光体ユニット31dを本体部21から取り外すことができる。したがって、作業効率を向上させることができる。
以上より、このような構成によると、感光体ユニット31dを本体部21から取り外す際に、現像ユニット41dを本体部21から取り外すことなく、感光体ユニット31dのみを本体部21から取り外すことができる。そうすると、現像ユニット41dの着脱に伴う作業の煩雑さを回避することができると共に、現像ユニット41dの着脱時に発生するおそれのあるトナー飛散等も低減することができる。この場合、現像スリーブ43dを第二の位置に移動させているため、感光体32dと現像スリーブ43dとの干渉を避けることができる。したがって、このような複合機11は、作業効率を向上することができる。
また、感光体ユニット31dまたは現像ユニット41dを本体部21に装着する場合に、先に他方のユニットが本体部21に装着されていても、現像スリーブ43dを第二の位置に移動させているため、感光体32dと現像スリーブ43dとの干渉を避けることができる。この場合、感光体ユニット31dおよび現像ユニット41dを本体部21に装着した後、図14において実線で示す位置の状態の現像スリーブリリースレバー61dのツマミ部67を指で矢印D1の方向に押し込むことで、現像スリーブ43dを感光体ユニット31dに対して第一の位置に移動させることが可能である。点線で示す位置から現像スリーブリリースレバー61dを押し込むと、現像ユニット41dの筐体49dの一部が爪部傾斜面69dに当接して右側に押されて弾性により一部湾曲し、爪部66dが現像ユニット41dの筐体49の一部に引っ掛かる。これにより、現像スリーブ43dを第二の位置から第一の位置に移動して保持することが可能である。
また、上記の実施の形態においては、第一の位置から第二の位置に移動する方向は、感光体42dの回転軸が延びる方向に対して垂直な方向であることとしたが、これに限らず、他の方向、例えば、回転軸が延びる方向に対して傾斜する方向としてもよい。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。