JP6539817B2 - 水素水製造装置及び水素水製造方法 - Google Patents

水素水製造装置及び水素水製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素を含む水である水素水の製造装置及び製造方法に関し、特に、水を水素ガスとともに送水する気液送出ポンプを使用せずに飲料用の水素水を安定して提供できる送水ポンプレス水素水製造装置及び水素水製造方法に関する。
近年、飲料水に水素を溶解した飲料用の水素水が販売されている。このような水素水は、水に溶解した水素ガスを直接摂取することにより、人間の体内に存在する活性酸素を還元させる効果があるとして注目されている。
例えば、特許文献1では、このような水素水を製造する技術として、液体を圧送する加圧部と、加圧部よりも上流又は下流で液体に気体を注入するボンベなどを接続した気体注入部と、圧送による圧力で液体に気体を溶解させる加圧溶解部と、を備えた気体溶解装置が開示されている。かかる気体溶解装置では、液体を加圧溶解部に圧送するポンプ等の圧送手段が用いられている。
更に、特許文献2では、水を電気分解して水素を発生させる水素発生手段と、発生した水素を水素バブルとして水と混合し加圧送水する加圧型気体溶解手段と、混合した水素水を貯留する溶存槽と、を備え、溶存槽に貯留された水素水を加圧型気体溶解手段に加圧送水して循環させることにより、水素バブルをナノバブル化する気体溶解装置が開示されている。かかる気体溶解装置では、水素を加圧型気体溶解手段に送る機構あるいは加圧型気体溶解手段と溶存槽とで水素水を循環させる機構として、気液送出ポンプであるダイヤフラムポンプを用いて圧送している。
また、特許文献3では、水を貯留する貯留槽に水電気分解装置で発生させた水素を高速で供給することにより、水中で水素をナノバブル化して混合することで、水素水を製造する装置が開示されている。かかる装置は、水素をナノバブル化して水に分散及び溶解させるために、水素ガスを気体放出手段(例えばコンプレッサ)で加圧して噴射することにより、水素ガスを高速で水に衝突させている。
特開2008−188574号公報 特許5865560号公報 特開2015−150512号公報
上記したように、特許文献1〜3に開示された装置では、水や水素を加圧して圧送する際に気液送出ポンプ等の圧送手段の駆動のため駆動音が発生するとともに、特許文献3などでは圧送した水素ガスを高速で水に衝突させる際にも少なからず衝突音が発生し、静粛性を要求されるオフィス等の室内環境での使用には適さないという問題があった。また、気液送出ポンプ等を省略すると加圧下といえども高濃度の水素水を安定して得ることは容易ではない。
そこで、本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決し、水素を水に溶解させる際にコンプレッサやポンプ等の駆動音の大きな加圧手段を用いることなく、静粛性を確保しつつ高濃度の水素水を安定して得ることのできる水素水製造装置及びこれを用いた水素水製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水と水素とを混合させる溶解タンク内の圧力を制御することで、送水ポンプ等を省略しつつ送水等を可能とし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明による、水素ガス及び水を気液二相で加圧保持して水素水とする溶解タンクを含む飲料用の水素水製造装置は、前記溶解タンクに水を供給する給水槽と、水を電気分解して水素ガスを生成し前記溶解タンクの内部に供給する水素供給機構と、前記溶解タンクの内部の水を外部に吐出させる取水機構と、を含み、前記給水槽から前記溶解タンクに水を供給し前記溶解タンクを閉空間とした後に、前記水素供給機構から水素ガスを前記溶解タンクの内部に加圧供給して前記閉空間を加圧するとともに、前記閉空間の外部より与えられる磁力によって前記溶解タンクの内部にある攪拌子を回転させて水を攪拌し、攪拌後に前記閉空間の内部圧力によって前記取水機構を介して前記溶解タンクの内部の水を外部に吐出させることを特徴とする。
かかる発明によれば、コンプレッサや圧送ポンプ等の加圧手段を用いることなく静粛性を確保できるとともに、高濃度の水素水を安定して得ることのできる水素水製造装置を提供することができる。
上記した発明において、前記攪拌子は前記溶解タンクの底部に位置し、その上部に前記水素供給機構からの水素ガスを放出させる気泡放出部が与えられ、更に、前記気泡放出部と前記攪拌子との間に管路を与えて前記管路内に下方に向けた水流を形成させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素ガスの気泡の一部を下方に向けて誘導して気泡の水中での滞留時間を長くして、水素水の濃度を向上させ得る。
上記した発明において、前記管路は下方に向けて径を大きくする拡径部を下端側に備える円筒体であり、前記攪拌子を前記拡径部の内側に配置させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、攪拌子の回転によって管路内に下方に向けた水流を形成させることができる。
上記した発明において、前記気泡放出部から浮上する気泡の浮上進路を遮るように略水平方向に延びる浮上抑制板を含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、気泡の水中での滞留時間をより長くして、水素水の濃度を向上させ得る。
上記した発明において、前記浮上抑制板にはこれを貫通する気泡通過路が設けられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、気泡と水との接触面積を減じないように気泡の滞留時間を長くし得る。
また、本発明による、水素ガス及び水を気液二相状態で加圧保持する溶解タンクを用いて飲料用水素水を製造する水素水製造方法は、前記溶解タンク内に水を供給し前記溶解タンクを閉空間とし電気分解部を備える水素供給機構によって水を電気分解して生成された水素ガスを前記溶解タンクの内部に加圧供給して前記閉空間を加圧するとともに、前記閉空間の外部より与えられる磁力によって前記溶解タンクの内部にある攪拌子を回転させて水を攪拌させ、前記攪拌子の回転を停止後、前記閉空間の内部圧力によって前記溶解タンクの内部の水を外部に吐出させることを特徴とする。
かかる発明によれば、水素を水に溶解させる際にコンプレッサや圧送ポンプ等の加圧手段を用いることなく静粛性を確保できるとともに、高濃度の水素水を安定して得ることのできる水素水製造方法を提供することができる。
上記した発明において、前記攪拌子は前記溶解タンクの底部に位置し、その上部に前記水素供給機構からの水素ガスを放出させる気泡放出部が与えられるとともに前記気泡放出部と前記攪拌子との間に管路が与えられており、前記管路内に下方に向けた水流を形成させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、水素ガスの気泡の一部を下方に向けて誘導して気泡の水中での滞留時間を長くして、水素水の濃度を向上させ得る。
上記した発明において、前記管路は下方に向けて径を大きくする拡径部を下端側に備える円筒体であり、前記攪拌子を前記拡径部の内側に配置させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、攪拌子の回転によって管路内に下方に向けた水流を形成させることができる。
本発明による水素水製造装置の代表的な一例を示すブロック図である。 水素水製造装置の動作の一例を示す図である。 水素水製造装置の動作の一例を示す図である。 本発明による水素水製造装置の変形例を示すブロック図である。 本発明による水素水製造装置の他の変形例を示すブロック図である。 本発明による水素水製造装置のさらに他の変形例を示すブロック図である。 水素水製造装置の要部の断面図である。 水素水製造試験の結果を示す図である。
以下、本発明による水素水製造装置について具体的に説明する。
図1は、本発明による水素水製造装置の代表的な一例を示すブロック図である。なお、図中において、後述する加圧溶解タンクのみ内部の構成を断面図として示している。
水素水製造装置100は、飲料用の水を貯留する給水タンク110と、給水タンク(給水槽)110から供給された水と水素とを混合させる加圧溶解タンク120と、加圧溶解タンク120内の水の一部から水素を生成する電気分解機構130と、加圧溶解タンク120から水素の溶解した飲料用水素水を大気圧下に取り出す減圧取水口140と、を備える。
給水タンク110は、給水配管111を介して加圧溶解タンク120と接続されており、給水配管111には、給水ポンプ112と逆止弁113とが取り付けられている。逆止弁113は、給水タンク110から加圧溶解タンク120への給水時にのみ開放して、加圧溶解タンク120からの逆流を阻止するように構成されている。給水タンク110を加圧溶解タンク120よりも高所に配置すれば、給水タンクから水を自重により加圧溶解タンク120へ流入させ得て給水ポンプ112を省略できる。その他、水道水など圧力を得た水を利用することで、給水ポンプ112を省略しても加圧溶解タンク120へ水を流入させ得る。
加圧溶解タンク120は、その頂部に圧力リーク弁121及び水位センサ122を取り付けられており、その底部近傍に後述する電気分解機構130から供給された水素を微細な気泡として放出する微細気泡放出部123を備えている。加圧溶解タンク120の本体は、水素水を製造する際に大気圧以上に加圧される所定の範囲の内部圧力に耐え得る材料及び厚さにより形成される。
圧力リーク弁121は、加圧溶解タンク120の頂部に取り付けられ、加圧溶解タンク120内の圧力が所定値(例えば0.6MPa)を超える場合に、頂部近傍に滞留する水素ガスを外部に排出する。これにより、加圧溶解タンク120内の圧力を、上記した所定値を上限値として調整する機能を有する。圧力リーク弁121は、その他、上記の所定値よりも低い圧力で加圧溶解タンク120内を減圧するよう制御される減圧手段として用いられてもよい。
水位センサ122は、加圧溶解タンク120の頂部に取り付けられ、給水タンク110から加圧溶解タンク120に給水される水Wの水位が所定の高さに至ったかどうかを検知する。また、水位センサ122の使用に係る一例として、水位センサ122によって、水Wの水位が所定の高さに到達したことを検知したら、給水ポンプ112の動作を停止して給水を止める。このとき、加圧溶解タンク120の頂部近傍における内部には、水Wの水面と加圧溶解タンク120の上面との間に滞留空間Pが形成されている。
微細気泡放出部123は、例えば表面にメッシュ体や多孔質材料などの微小な穴を表面に有する部材であって、後述する電気分解機構130と水素供給管132を介して接続されている。微細気泡放出部123から加圧溶解タンク120内の水Wに放出される水素は、ナノメートル(nm)単位の微小な径の気泡(ナノバブル)Bとして水中に分散させることが好ましく、水Wの飽和量を超えて水Wに溶解しなかった水素の気泡Bは微細であるほど長時間水W中に維持され、やがて上昇して滞留空間Pに水素ガスとして蓄積される。
電気分解機構130は、水を電気分解して水素を生成し、後述する水素供給管132に所定の圧力に加圧して送り出すものであって、例えば、固体高分子膜(PEM)方式を用いた公知の装置を適用できる。ここで固体高分子膜は水素ガスの加圧供給に必要とされる圧力以上の逆耐圧を有する水素発生膜である。すなわち、水素ガスの供給可能な圧力の上限値は固体高分子膜の逆耐圧以下の値に定められる。これによれば、比較的簡単に所定の圧力として逆耐圧以下の圧力を得ることができる。電気分解機構130は、加圧溶解タンク120と取入配管131を介して接続されており、加圧溶解タンク120内の水を取り入れて電気分解し、水素を生成する。このとき、取入配管131には、イオン交換手段(図示せず)を設けてもよい。上記した圧力リーク弁121の開放する所定値を固体高分子膜の逆耐圧に合わせて設定し、固体高分子膜を保護してもよい。
一方、上述のとおり、電気分解機構130は、水素供給管132を介して微細気泡放出部123に接続されており、電気分解機構130で生成された水素は、当該電気分解機構130の駆動中において、所定の圧力で連続的に微細気泡放出部123に供給される。つまり、電気分解機構130は加圧溶解タンク120の内部に水素ガスを供給する水素供給機構の一部として設けられている。また、水素供給管132には、管内の圧力を測定する圧力センサ133が設けられており、当該圧力センサ133の検出値に基づいて、図示しない制御部によって電気分解機構130から安定して水素が供給されているかどうかを判別するとともに、検出値が所定の閾値を超えたときには電気分解機構130の駆動を停止し、上記した所定の圧力を超えないように構成されている。なお、電気分解機構130において電気分解で発生した酸素は、図示しない排出口から水素水製造装置100の外部に排出される。
減圧取水口140は、加圧溶解タンク120の下部に取水管141を介して接続されている。また、取水管141には、例えば電磁弁等の開閉機構142が取り付けられ、これらによって加圧溶解タンク120の外部に水を吐出させる取水機構を構成している。水素水製造装置100において、取水管141は、加圧溶解タンク120から減圧取水口140に向かって徐々に縮径する形状を有しており、これにより取水管141を通る水素水の流れを安定した層流とし、水素水により多くの水素を含有した状態を維持させることができる。すなわち、取水管141は減圧取水口140からの水の吐出を抑制する形状を有し、これによって通過する水の圧力を減圧取水口140において外部の圧力(ここでは大気圧)と同等の圧力とするように徐々に減圧させて水素水の急激な圧力変化を防ぎ、溶解した水素のガス化を抑制するのである。特に、加圧溶解タンク120では大気圧以上に加圧されて平衡状態で水素を溶解させており、減圧して大気圧で取り出した水素水を高濃度とし得る。取り出した水素水はウォーターサーバ等に供給することもできる。
図2及び図3は、水素水製造装置100を用いた水素水製造方法の動作の一例を示す概略図である。
かかる水素水製造方法において、まず図2(a)に示すように、給水タンク110から加圧溶解タンク120に水Wを給水する。このとき、電気分解機構130の駆動は停止されており、減圧取水口140に連通する開閉機構142は閉鎖状態とされている。
続いて、図2(b)に示すように、加圧溶解タンク120内の水位が所定の高さに達したことを水位センサ122によって図示しない制御部が検知したら、給水タンク110からの給水を停止する(給水工程)。かかる給水工程において、加圧溶解タンク120内の水Wの水位が上昇すると、空の状態で加圧溶解タンク120内に存在していた空気が圧縮されて圧力が上昇する。このとき、圧力リーク弁121から余剰の空気を排出するようにしてもよいが、その後の工程において圧力リーク弁1を閉鎖し、加圧溶解タンク120を閉空間とする。
続いて、図3(a)に示すように、電気分解機構130(図1参照)を駆動させる。すなわち、取入配管131から加圧溶解タンク120内の水を取り入れ、これを電気分解して水素を生成した後、当該水素を所定の圧力(例えば0.2MPa)で水素供給管132から送り出し、微細気泡放出部123から加圧溶解タンク120内に水素の微細な気泡(ナノバブル)Bを放出させる。取入配管131から電気分解機構130への送水には加圧溶解タンク120内の圧力を用いる。かかる圧力は水素の供給によって得るが、水素の生成前においては上記した加圧溶解タンク120への給水による圧力の上昇も利用し得る。さらに気泡Bを放出し続けると、気泡Bのうちの一部はそのまま水Wの中に分散し、残りの気泡Bは浮上して加圧溶解タンク120の上部に形成された滞留空間Pに蓄積される。このとき、加圧溶解タンク120の閉空間は加圧状態を保持されつつ、次第に内部圧力を上昇される。
すると、滞留空間Pに蓄積された水素ガスの分圧が高まることにより、大気圧における水素の溶解限度を超えた分量の水素が水に溶解することが可能となり、加圧溶解タンク120内の水Wに分散して含まれる微細な気泡Bとともに水素の含有量が増加する。このとき、水素の供給が過剰となって加圧溶解タンク120内の圧力が所定値(例えば0.6MPa)を超えたときは、圧力リーク弁121から滞留空間Pに滞留する水素ガスを外部に排出することで、圧力を上記所定値以下となるように調整する(気泡放出工程)。また、加圧溶解タンク120内の圧力の上昇により、水Wはポンプ等の送水手段を用いることなく、取入配管131を介して電気分解機構130に供給される。
なお、例えば、加圧溶解タンク120における上記した所定値の圧力を水に水素を効率よく溶解し得る圧力として設定し、図示しない制御部によって、圧力リーク弁121が水素ガスを排出した時点で適切な水素水の製造を終了したと判定し、電気分解機構130からの水素の供給を停止するように制御してもよい。また、上述のとおり、圧力センサ133で検出された水素供給管132内の圧力値が所定の閾値を超えたときにも、電気分解機構130の駆動が停止される。これによって、水素ガスの生成量を確実に制限できて加圧溶解タンク120内を過度に加圧させることがない。
続いて、図3(b)に示すように、開閉機構142を開放して、減圧取水口140から水素水を取り出す。このとき、減圧取水口140に接続する取水管141が加圧溶解タンク120の下部に配置されているため、開閉機構142が開くと、閉空間とされた加圧溶解タンク120内の内部圧力及び自重によって水素水が減圧取水口140から流出する。これにより、水素水をポンプ等の送水手段を用いることなく、減圧取水口140から大気圧下に取り出すことができる。そして、水素水の流出によって加圧溶解タンク120内の水Wの水位がある程度低下したら、再び図2(a)に示す給水工程に戻って、改めて加圧溶解タンク120内に給水タンク110から給水を行い、図2(b)、図3(a)、図3(b)に示す動作を繰り返す。
以上のような構成を備えることにより、水素水製造装置及び水素水製造方法によれば、加圧溶解タンク120に水Wを溜めた後で、電気分解機構130によって生成された水素を微細気泡放出部123から微細な気泡(ナノバブル)Bとして水中に放出することにより、加圧溶解タンク120内の圧力を増加させるとともに水に対する水素の溶解限度を高めて、より多くの水素を水中に溶解させることができる。
そして、加圧溶解タンク120内の圧力を電気分解機構130から供給される水素の圧力で増加させることにより、従来の水素水製造装置で用いられた水素を加圧して水中に放出する気体放出手段(コンプレッサ等)を不要とするため、水素水製造時の静粛性を確保することができる。さらに、このような気体放出手段の構成を不要とするため、水素水製造装置の全体としてのコストを低減することができる。なお、圧力リーク弁121の設置された高さよりも水位の所定の高さを低く設定しておけば、圧力リーク弁121に水を触れさせることなく安定してガスを排出できて、かかる排出においても静粛性を確保できる。
また、給水タンク110を高所に設置したり水道水を利用したりするなどして所定の圧力を有する水を供給できる場合には、給水ポンプ112も不要とできる。
図4は、本発明による水素水製造装置の変形例を示すブロック図である。なお、同図において、図1に示した水素水製造装置100の構成要素と共通するものには同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
図4に示すように、水素水製造装置100’において、加圧溶解タンク120の上面120aに滞留室120bが追加的に形成されている。そして、滞留室120bには圧力リーク弁121が取り付けられ、加圧溶解タンク120の上面120aに水位センサ122が取り付けられる。
このような構成により、給水工程での給水を加圧溶解タンク120の上面120aまで行うことができるとともに、必要な滞留空間Pをその上部に確保できるため、より大量の水素水を1度で製造することが可能となる。また、水位センサ122が検出する水位の上限よりも高い位置に圧力リーク弁121を配置できるため、圧力リーク弁121を水に触れさせることがなく、空気や水素ガスの放出を安定させることができる。また、減圧取水口140からの水素水を更に給水ポンプ112の手前に導いて循環させてもよい。
取水管141は、上記したように減圧取水口140に向かって徐々に縮径する形状を有するものではなく、一定の径となる形状を有するものであってもよい。この場合、減圧取水口140からの吐出を抑制する形状として、細径且つ長尺とされる。加圧溶解タンク120の内部と外部との圧力差にもよるが、例えば、取水管141の内径を1.0〜5.0mmとすることが好ましく、長さを1m以上とすることが好ましい。すなわち、取水管141の内径を細くすることで水の粘性による圧力損失を大きくして、長さを長くすることでかかる圧力損失による圧力差を大きくでき、通過する水を徐々に減圧させることができる。これによって、より多くの水素を含有した状態を維持させて水素水を取り出すことができる。
上記では、気体として水素を用いた例を示したが、他の気体を溶解することも可能である。例えば、電気分解機構130で生成した酸素を加圧溶解タンク120に供給することにより、酸素を水に溶解させるようにしてもよい。また、給水タンク110又は加圧溶解タンク120にヒータ等の加熱手段を設けることにより、水の温度を高めて水素を溶解することができる。これにより、水素水をシャワーや入浴等にも使用できる。さらに、上記した水の代わりにお茶、コーヒー等の他の飲料等を用いてもよい。この場合、逆浸透膜を用いたRO装置等の浄化装置により加圧溶解タンク120内の飲料を浄化した水を電気分解機構130に供給するとよい。
図5は、本発明による水素水製造装置の他の変形例を示すブロック図である。なお、同図において、図1に示した水素水製造装置100の構成要素と共通するものには同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
図5に示すように、水素水製造装置100’’は、ウォーターサーバ150との間で水及び水素水をやり取りさせることができる。ウォーターサーバにおいて冷水等を貯留する貯水タンク151を上記した給水タンク110の代わりに給水槽として用い、給水配管111を介して加圧溶解タンク120と接続させる。また、加圧溶解タンク120の底部近傍から開閉機構142を介して送水管141’を延ばし、減圧取水口140を貯水タンク151に接続する。これによって、貯水タンク151から加圧溶解タンク120に水を供給でき、製造した水素水を貯水タンク151に送水できる。なお、減圧取水口140は、貯水タンク151に直接接続されなくてもよく、吐出される水を貯水タンク151に供給できるように向けられていればよい。
ここで、貯水タンク151を加圧溶解タンク120よりも高所に配置すれば、自重により水又は水素水を加圧溶解タンク120に流入させることができる。つまり、給水ポンプ112を省略できる。また、加圧溶解タンク120の閉空間の内部圧力により水が吐出されるので、ポンプを省略しても加圧溶解タンク120から送水管141’を介して高所に配置した貯水タンク151に送水することができる。
このようにすることで、例えば、加圧溶解タンク120と貯水タンク151との間で水素水を循環させ得て、貯水タンク151内の水素水の水素の含有量を増大させて維持できる。このようにして得た水素水をウォーターサーバの蛇口152から取り出すことができる。
図6は、本発明による水素水製造装置のさらに他の変形例を示すブロック図である。なお、同図において、図5に示した水素水製造装置100’’の構成要素と共通するものには同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
図6に示すように、水素水製造装置200も、水素水製造装置100’’と同様に、ウォーターサーバ150との間で水及び水素水をやり取りさせることができる。但し、加圧溶解タンク120の代わりに、内部に攪拌機構10を備える溶解タンク120’を用いる。すなわち、溶解タンク120’の底部近傍から送水管141’によって貯水タンク(給水槽)151まで送水できるように接続するのである。これによって、溶解タンク120’と貯水タンク151との間で水素水を循環させ得て、貯水タンク151内の水素水の水素の含有量を増大させて維持でき、ウォーターサーバの蛇口152から水素水の取り出しが可能である。
水素水製造装置200においては、圧力リーク弁121にさらに排気管121aを接続して貯水タンク151内の水W1の水面上の気体空間P1まで延ばしている。これにより、排気管121aから水素を排出する場合には、気体空間P1の水素分圧を高めて貯水タンク151に循環させた水W1についての水素濃度の低下を抑制することができる。また、気体空間P1への外気の流入を防いで雑菌やチリの水素水への混入を防止することもできる。
また、電気分解機構130は、溶解タンク120’からの取入配管131に接続されるとともに、貯水タンク151から電磁弁135を介して取入配管131’によって接続されている。これによって、電気分解機構130は、溶解タンク120’内に水の無い場合などに、貯水タンク151からの水の供給を可能とされる。
図7を併せて参照すると、上記したように溶解タンク120’の内部には攪拌機構10が備えられ、溶解タンク120’の外部下方に攪拌機構10を駆動させる駆動部20が備えられる。
攪拌機構10は、溶解タンク120’の底面124上に載置された筒体による攪拌室11と、攪拌室11内において底面124上に載置された攪拌子12と、攪拌室11の外側の傾斜面上に載置された略円筒状のインナーパイプ13と、インナーパイプ13の上部開口の蓋となり略水平に配置された天板14と、天板14の上に載置された円環状の錘15とを含む。また、上記したように、底面124の下側には攪拌子12を回転させることのできる駆動部20が配置される。
インナーパイプ13はその上端において窓13aを備え、天板14の下方でインナーパイプ13の内側と外側とを連通させている。また、インナーパイプ13は、天板14よりも下方で攪拌室11の上方に略水平な仕切り板13bを備える。
攪拌室11は、上下を開放した筒体であり、上部の小径部11aと下部の下方に向けて径を大とする拡径部11bとからなる略漏斗形状を有する。攪拌室11は、かかる拡径部11bによって上記した外側の傾斜面を形成し、同傾斜面をインナーパイプ13の下部の開口端に当接させてインナーパイプ13を支持している。攪拌室11の小径部の上部開口には、略円柱形状の微細気泡放出部123の一部が遊挿される。微細気泡放出部123に水素を導く水素供給管132は錘15、天板14及び仕切り13bのそれぞれの中心部に設けられた孔に遊挿されてインナーパイプ13の略中心軸上に上方から垂下されている。なお、微細気泡放出部123にはエアストーンを用いた。
攪拌子12は、断面を八角形とする略角柱状体とされ、長手方向の両端部をそれぞれ磁極とするサマリウムコバルト磁石からなる。攪拌子12の中央部には回転時に中心となって底面124に接する帯状体12aを備え、回転時に底面124との接触部分から発生する音を減じるようにしている。駆動部20は底面124の下方に配置され、攪拌子12の各磁極を吸引する磁極をそれぞれ上方に有する磁石22a及び22bを固定した板状体23をモータ21によって水平回転可能とした構造を備える。つまり、攪拌子12及び駆動部20によってマグネットスターラーを構成する。なお、底面124は攪拌子12の回転の妨げにならないよう中央部を平坦にされ、例えば送水管141’を側面に接続させている。
攪拌室11は、上記したように拡径部11bを有し、攪拌子12の回転によって生じる水Wの流れを拡径部11b内に形成する。このとき、水流は拡径部の下方外側において流速が大きく、周囲より圧力を低くするため、小径部11aの内部の水を底面124側へ引き込む。つまり、攪拌室11を管路として、かかる管路内に水平面内で回転するとともに下に向かう水流を形成させることができる。これによって、微細気泡放出部123から放出された水素の気泡B(図6参照)の一部を下方に向けて誘導し、気泡Bの浮上までの時間、すなわち水中での滞留時間を長くできる。結果として、水W中に滞留される気泡Bの量を増やし、気泡Bの水Wへの接触面積を増大させる。さらには、気泡Bを水Wとともに攪拌することで水W中への水素の溶解濃度を均一にしつつ、気泡Bをより細かくして気泡Bの水Wへの接触面積を増大させ得る。これらによって水Wへの水素の溶解を促進させることができる。
また、拡径部11b内の水流に伴って、インナーパイプ13の内部全体にも旋回する水流が形成される。このような水流によって、気泡Bは仕切り板13b及び天板14の下面に一時的に貯留され、浮上までの時間を長くされる。その結果、水W内に滞留する気泡Bの量を増やし、気泡Bの水Wへの接触面積を増大させて水Wへの水素の溶解を促進させることができる。つまり、仕切り板13b及び天板14は、気泡Bの浮上を抑制する浮上抑制板となる。
なお、上記したように仕切り13b、天板14及び錘15のそれぞれの中心部には、水素供給管132を遊挿させる孔が設けられており、気泡Bの上昇する経路の1つとなる。ここで、仕切り13b又は天板14の下面の気泡Bは、外周側への浮上経路をインナーパイプ13に遮られるとともに、窓13aや中心部を貫通する孔を気泡通過路として浮上できる。これらによって、気泡Bは、浮上抑制板の下面で大きな気泡となって却って水との接触面積を減じてしまうようなことがなく、適度な時間だけ貯留されて、又は適度な量だけ貯留されて、気泡Bのサイズを比較的小さく維持しつつ、水との接触面積を大きく保つことができる。
また、気泡Bの一部は、天板14の外周と溶解タンク120’の内周との間隙Aを通って上方へ移動する。ここで天板14はインナーパイプ13よりも大きな外径を有し、インナーパイプ13の外周側において、その下面に気泡Bを一時的に貯留することができるとともに、窓13aからインナーパイプ13の内周側へ気泡Bを導くこともできる。さらに間隙Aを小さくしておくことで、例えば、間隙Aと同等以上の直径を有する気泡Bなど、その上昇速度を低下されて浮上までの時間を長くされる。また、攪拌室11の底部と底面124との間や、拡径部11bの外壁とインナーパイプ13の下部の開口端との間は特に密封されておらず、隙間を有していてもよい。かかる隙間からもインナーパイプ13内に形成された水流によって気泡Bの一部が攪拌室11の外周側やインナーパイプ13の外周側に導かれ得て、同様に間隙Aを通って上方へ移動する。つまり、気泡Bの浮上までの時間を長くして、水W内に滞留する気泡Bの量を増やし、気泡Bの水Wへの接触面積を増大させて、その結果、水Wへの水素の溶解を促進させることができる。
以上のような水素水製造装置200によれば、溶解タンク120’による閉空間での加圧下で水を水素ガスとともに攪拌することで、水素の含有量の多い水素水を安定して製造し得る。さらに、水素水を溶解タンク120’から貯水タンク151に送水して循環させることもできるので、かかる循環を繰り返して水素の含有量をより多くし得る。その一方で、圧送ポンプやコンプレッサのような駆動音の大きな加圧手段を省略できて静粛性を得られる。
また、攪拌子12は、溶解タンク120’の外部の駆動部20からの磁力によって回転する。つまり、圧力容器に駆動軸を貫通させるなどの高度な技術を用いずとも、簡単な構成で攪拌を可能とする。
なお、攪拌は、気泡Bの放出と同時に行うことが好ましいが、気泡Bの放出の停止後も気泡Bが水中に滞留している間は継続して行ってもよい。他方、水素水の送水管141’からの取出しにおいては攪拌の停止後とし、水素水の急激な圧力変化を防いで溶解した水素のガス化を抑制することが好ましい。
また、水素水製造装置200において、さらに圧力リーク弁121を省略することもできる。この場合、送水管141’を貯水タンク151内の気体空間P1(図6参照)まで延ばしておく。溶解タンク120’内の圧力を低下させるには、水Wの全量を送水管141’から貯水タンク151へ吐出する。この場合、水Wを貯水タンク151に吐出するために溶解タンク120’の内部圧力を用いるが、溶解タンク120’内の水Wの全量を送水すると、送水管141’から水を排除して水素ガスで気体空間P1まで連通するので溶解タンク120’内を大気圧(気体空間P1の圧力)に減圧できる。これによって給水工程での貯水タンク151からの自重による溶解タンク120’への水の流入を容易とし得る。なお、溶解タンク120’への給水時において、給水配管111からの水の流入に対して、同配管を溶解タンク120’内の水素ガスが逆流できるようにしておけば、圧力リーク弁を省略しても溶解タンク120内を減圧できるから、貯水タンク151に水Wの全量を送水していなくても溶解タンク120’への給水が可能となる。
[水素水製造試験]
ここで、水素水製造装置200を用いて水を循環させながら水素水を製造する試験を行った結果について図8を用いて説明する。なお、水素水製造装置200では、圧力リーク弁121を省略したものを使用し、溶解タンク120’からは加圧した結果として可能な量の水Wを貯水タンク151に送水して、給水時には溶解タンク120’内の圧力を減圧できるよう、給水配管111からの水の流入に対して、同配管を溶解タンク120’内の水素ガスが逆流できるようにしている。
図8に示すように、水素水製造装置200において、水を循環させた回数と蛇口152から取水した水素水の水素濃度の測定を行った結果とを記録した。
手順としては、まず、貯水タンク151から溶解タンク120’内に給水し、次いで電気分解機構130で発生させた水素を微細気泡放出部123から気泡として水中に放出すると同時に攪拌機構10による攪拌を開始する。水素の放出によって溶解タンク120’内を所定の圧力まで加圧し、水素の放出を停止させた後、最大圧力でさらに所定時間だけ攪拌を続行した。攪拌機構10を停止後、溶解タンク120’内の水素水を貯水タンク151に送水し、以上を1サイクルとした。
上記した1サイクルを連続して複数回繰り返し、蛇口152から採取した水素水の水素濃度を計測した。なお、貯水タンク151に貯留されている水の全量は約1.5Lであり、ここから溶解タンク120’に水を供給した。また、水素濃度は、白金コロイドを触媒として含むメチレンブルーによって定量した。
[試験1]
図8(a)に示すように、電気分解機構130からの水素の発生量を30cc/分(大気圧相当)として溶解タンク120’内の圧力(圧力センサ133で計測)を0.43MPaまで高めて(最大圧力)、水素の発生を停止後、さらに攪拌を30秒間続行すると、給水開始から送水完了までの1サイクルで約14分が経過する。水素濃度は、このサイクルを4回繰り返した(約1時間経過)No.1において2.6ppmであり、9回繰り返した(約2時間経過)No.2において4.1ppmとなり、13回繰り返した(約3時間経過)No.3において4.3ppmであった。つまり、水素水を循環させてサイクルを繰り返すほど水素濃度を高めることができる。なお、2時間から3時間程度のサイクルの繰り返しでほぼ最大値まで水素濃度を高めることができる。
蛇口152から採取して水素濃度を測定した水素水の水温は約10〜12℃の間であり、上記した水素濃度は水への水素の飽和溶解度を超えている。すなわち、水素水が水素を過飽和に溶解しているか、又は、溶解していない水素ガスを微細な気泡として含有しているものと考えられる。このことから、ここで言う水素の「濃度」は必ずしも溶解した水素の量だけに基づくのではなく、溶解していない水素ガスの微細気泡も含み得る水素の総含有量に基づくのである。
[試験2]
図8(b)に示すように、上記した試験1と同様の条件で水素濃度を測定すると、水素濃度を測定したサイクル数こそ若干異なるが、経過時間ごとの水素濃度は、約1時間のNo.4で2.7ppm、約2時間のNo.5で3.6ppm、約3時間のNo.6で4.5ppmとなり、試験1とほぼ同等となった。つまり、水素濃度の再現性が高く、安定して高濃度の水素水を製造できることが判った。
[試験3]
図8(c)に示すように、ここでは電気分解機構130からの水素の発生量を110cc/分(大気圧相当)として溶解タンク120’内の圧力を0.40MPaまで高めて、水素の発生を停止後、さらに攪拌を3分間続行すると、給水開始から送水完了までの1サイクルで約10分が経過する。電気分解機構130からの単位時間当たりの水素の発生量を増加させたため、試験1や試験2に比べて、1サイクルの時間が短くなり、経過時間毎のサイクル数(6サイクル/約1時間)が増加し、その結果、最大圧力は若干低いものの、同程度の経過時間における水素濃度が高くなっている。
なお、最大圧力での攪拌時間について、長過ぎても水素濃度を高めることはできないことが他の試験によって判明している。これは、仕切り板13b及び天板14の下面に一時的に貯留される気泡Bが、電気分解機構130による水素の発生を停止した後1分程度でほとんどなくなるためであると考えられる。つまり、気泡Bが水中に滞留している場合に水を攪拌すると水素の溶解を促進できるが、気泡Bが少なくなることで攪拌による水素の溶解を促進する効果が小さくなるものと考えられる。また、最大圧力での攪拌時間を短くすることで、経過時間あたりのサイクル数を増やすことができ、その結果、最大の水素濃度を得るまでの経過時間を短縮することができる。
よって、試験3における攪拌時間の3分を1分以内に短縮して、気泡Bの少なくなる前に攪拌を終了して次の工程に進むようにすれば、最大の水素濃度を得るまでの経過時間を短縮し得る。また、貯水タンク151に貯水された水W1において、飽和溶解度を超えた水素濃度が時間の経過とともに低下していくであろうことを考慮すると、サイクルを短くすることで最大の水素濃度を高めることも可能であると言える。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
100 水素水製造装置
110 給水タンク
120 加圧溶解タンク
120’溶解タンク
121 圧力リーク弁
122 水位センサ
123 微細気泡放出部
130 電気分解機構
132 水素供給管
133 圧力センサ
140 減圧取水口
141 取水管
141’送水管
142 開閉機構
150 ウォーターサーバ

Claims (8)

  1. 水素ガス及び水を気液二相状態の所定圧力で加圧保持して水素水とする溶解タンクを含む飲料用の水素水製造装置であって、
    前記溶解タンクに水を供給する給水槽と、
    前記溶解タンク内の前記水を前記所定圧力よりも高い逆耐圧を有する固体高分子膜(PEM)で電気分解して水素ガスを生成する水素供給機構と、
    前記溶解タンクの内部の水を外部に吐出させる取水機構と、を含み、
    前記給水槽から前記溶解タンクに水を供給し前記溶解タンクを閉空間とした後に、前記水素供給機構から前記水素ガスを電気分解での生成圧力で前記溶解タンクの内部に供給して前記閉空間の内部圧力を前記所定圧力まで上昇させていくとともに、前記閉空間の外部より与えられる磁力によって前記溶解タンクの内部にある攪拌子を回転させて水を攪拌し、攪拌後に前記閉空間の内部圧力によって前記取水機構を介して前記溶解タンクの内部の水を外部に吐出させることを特徴とする水素水製造装置。
  2. 前記攪拌子は前記溶解タンクの底部に位置し、その上部に前記水素供給機構からの水素ガスを放出させる気泡放出部が与えられ、更に、前記気泡放出部と前記攪拌子との間に管路を与えて前記管路内に下方に向けた水流を形成させることを特徴とする請求項1記載の水素水製造装置。
  3. 前記管路は下方に向けて径を大きくする拡径部を下端側に備える円筒体であり、前記攪拌子を前記拡径部の内側に配置させることを特徴とする請求項2記載の水素水製造装置。
  4. 前記気泡放出部から浮上する気泡の浮上進路を遮るように略水平方向に延びる浮上抑制板を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の水素水製造装置。
  5. 前記浮上抑制板にはこれを貫通する気泡通過路が設けられていることを特徴とする請求項4記載の水素水製造装置。
  6. 水素ガス及び水を気液二相状態の所定圧力で加圧保持する溶解タンクを用いて飲料用水素水を製造する水素水製造方法であって、
    前記溶解タンク内に水を供給し前記溶解タンクを閉空間とした後に、前記所定圧力よりも高い逆耐圧を有する固体高分子膜(PEM)を備える水素供給機構によって前記溶解タンク内の前記水を電気分解して生成された水素ガスを電気分解での生成圧力で前記溶解タンクの内部に供給して前記閉空間の内部圧力を前記所定圧力まで上昇させていくとともに、前記閉空間の外部より与えられる磁力によって前記溶解タンクの内部にある攪拌子を回転させて水を攪拌させ、
    前記攪拌子の回転を停止後、前記閉空間の内部圧力によって前記溶解タンクの内部の水を外部に吐出させることを特徴とする水素水製造方法。
  7. 前記攪拌子は前記溶解タンクの底部に位置し、その上部に前記水素供給機構からの水素ガスを放出させる気泡放出部が与えられるとともに前記気泡放出部と前記攪拌子との間に管路が与えられており、前記管路内に下方に向けた水流を形成させることを特徴とする請求項6記載の水素水製造方法。
  8. 前記管路は下方に向けて径を大きくする拡径部を下端側に備える円筒体であり、前記攪拌子を前記拡径部の内側に配置させることを特徴とする請求項7記載の水素水製造方法。

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