JP6539780B2 - ウスバノコギリモク抽出物を有効成分として含む関節炎予防または治療用組成物 - Google Patents

ウスバノコギリモク抽出物を有効成分として含む関節炎予防または治療用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ウスバノコギリモク抽出物を有効成分として含む関節炎予防または治療用組成物に関する。
人体は、約200個余りの関節からなっている。関節とは、骨と骨が当たる部位である。関節は、骨と骨との間がソフトに運動できるように、軟骨、関節嚢、滑膜、靭帯、腱、筋肉等で構成されており、動きによって発生する衝撃を吸収する役割をする。
このような関節に現れる炎症性疾患は、自己免疫が原因であるものと理解される慢性関節リウマチ、細菌感染による感染性関節炎、様々な原因によって関節軟骨や骨に変性や破壊が生じる変形性関節炎、結合組織の退行性変化によって可溶性代謝産物が関節周辺の結合組織内に結晶として沈着する結晶性関節炎等に大別され得る。
退行性関節炎、即ち、骨関節炎は、関節を構成する軟骨細胞(chondrocytes)に老化による退行が発生し、軟骨細胞で関節の基質物質である類型IIコラーゲン(type II collagen)及びプロテオグリカン等の合成が阻害されると同時に、インターロイキン−1β(interleukin−1β)及び腫瘍壊死因子−α(tumor necrosis factor−α)等の炎症性サイトカインが生成されるにつれ、関節基質を分解する基質金属タンパク質分解酵素(matrix metalloproteinase;MMP)の合成及び活性が関節細胞で増加することにより関節組織が破壊されることで誘発される疾病である。
また、関節炎は、炎症性サイトカインによる一酸化窒素の生成と、生成された一酸化窒素による自己増幅的なサイトカインの生成によりさらに多くのMMPの合成が誘発され、関節基質の分解が促進されることでさらに悪化する。これと同時に、炎症性サイトカインは、脂質代謝産物であるプロスタグランジンE2の生成を増加させ、関節炎での炎症反応を誘発させる。
生体において、炎症反応は、様々な生化学的な現象が関与しており、特に、免疫細胞により生産される炎症反応と関連した様々な酵素により反応が開始または調節される。具体的に、前記免疫細胞は、ヒスタミン(histamine)、一酸化窒素(nitric oxide、NO)またはプロスタグランジンE2(prostaglandin E2、PGE2)等の助けで血管を通して損傷した部位に移動し、炎症反応を開始する。前記損傷した部位に移動した免疫細胞は、TNF−α(tumor necrosis factor−α)、IL−1β(interleukin−1β)またはIL−6(interleukin−6)のようなサイトカイン(cytokine)やMIP−1、IL−8またはMCP−1等のようなケモカイン(chemokine)を分泌して直接的な外部侵入物質を破壊するか、または他の免疫細胞を集めて炎症反応を開始する。
前記炎症反応を起こすインターフェロン−γ(interferon−γ)、リポテイコ酸(lipoteichoic acid)、lipopolysaccharide(LPS)等の炎症誘発物質や様々な炎症誘導サイトカインにさらされる場合、iNOS(inducible Nitric Oxide synthase)とCOX−2(cyclooxygenase−2)が発現され、NOとPGE2が過量生成される。これらの様々な炎症開始因子(iNOS、COX−2、TNF−α、IL−6等)は、活性化されたNF−κBにより転写が促進され、これによってNOが必要以上に生成されると、ショックによる血管拡張、炎症反応により誘発される組織損傷、mutagenesis、神経組織の損傷等を起こす。
酸化窒素(Nitric oxide;NO)は、NO合成酵素(NOS)によってL−arginineと分子状の酸素で作られる。哺乳動物には、3つの形態のNOSが存在する;即ち、neuronal NOS(nNOS)、endothelial NOS(eNOS)及びinducible NOS(iNOS)。nNOSとeNOSは、神経細胞と内皮細胞で構成的に発現される。しかし、iNOSは、誘導性であり、LPSや前駆性炎症サイトカイン(cytokine)の露出によって巨食細胞や単球細胞で作られる(Vane et al.,1994)。iNOSに生成されたNOは、炎症や免疫反応を起こし、細胞に侵入した病原体の増殖抑制剤や細胞毒性物質として作用する。しかし、iNOSの過剰発現によって生成された過剰のNOは、病理的な状態を引き起こすと知られている(Kim et al.,2005;Pan et al.,2011)。細胞内で過剰のNOによる有害な効果はそれ自体で炎症媒介因子として作用するだけでなく、superoxideと反応してペルオキシナイトライト(peroxynitrite)を生成する。ペルオキシナイトライトは、タンパク質、脂肪、DNAのような細胞内分子の酸化的損傷を引き起こすだけでなく、正常な遺伝子調節を変形させることもある。従って、多量のNOだけでなく、iNOSの過剰発現は、種々の炎症性疾患と関連した病理的な状態と密接な関連がある(MacMicking et al.,1997;Maeda and Akaike,1998)。
Nuclear factor kappa B(NF−κB)は、細胞の成長はもちろん、免疫と急性炎症反応に主要な役割をする(Li and Verma,2002;Makarov,2001)。NF−κB活性化は、iNOSと種々の前駆炎症性遺伝子の発現を促進する(Kim et al.,2005;Makarov,2001)。NF−κBの活性化経路は、LPSによりinhibitor of kB(IκB)−α kinaseのリン酸化、次にIκB−αがリン酸化され、ubiquitineによりリン酸化されたIκB−αが分解されることで遊離状態のNF−kBが核に移動することとなり、炎症関連遺伝子の発現を調節する(Chen et al.,1995)。また他のNF−kBの活性化は、mitogen−activated protein kinases(MAPKs)(Guha and Mackman,2001)やphosphatidylinositol 3−kinase(PI3K)/protein kinase B(Akt)経路(Sheu et al.,2005)を通して生じる。MAPKsには、extracellular signal−regulated kinase(ERK)、c−Jun NH2−terminal kinase(JNK)及びp38 MAPKがあり、これらは、NF−κB活性化を通した炎症遺伝子の転写調節と関連がある(Bhat et al.,1998;Kao et al.,2005;Shin et al.,2010)。PI3KもまたNF−kB活性化を通した炎症性サイトカインの生成に関与している(Cremer et al.,2011;Sheu et al.,2005)。PI3K活性化は、ホスファチジルイノシチド(phosphatidylinositide)をリン酸化させてAktタンパク質を活性化させる。活性化されたPI3K/Aktは、巨食細胞の活性化に主要な役割をする(MacMicking et al.,1997;Sheu et al.,2005)。従って、抗炎症剤を開発するためにNK−kBの活性化を抑制させるか、またはNF−kBを活性化させるMAPKsとAktの活性化を抑制させる物質を見つけるための多くの研究が進められている。
MMPsは、骨及び軟骨の基質構成要素を破壊するタンパク質分解酵素であって、炎症疾患状態の時、炎症性サイトカイン(cytokine)によって刺激を受けた軟骨組織で発現されて活性が増加する。MMPsは、最小21個の酵素を構成するが、collagenase(MMP−1,8,13)、stromelysin(MMP−3,10,11)、gelatinase(MMP−2,9)とmatrix type−1 metalloproteinase(MMP−14)の下位グループに細分化される。この中でMMP−2とMMP−9は、ゼラチナーゼサブファミリー(gelatinase subfamily)であって、軟骨組織のコラーゲン分解に特に重要な酵素である。この2つの酵素は、軟骨に多量存在する繊維性コラーゲンIとII及びaggrecanを含む他の基質を分解する。
リウマチと退行性関節炎は、関節滑膜組織内への炎症細胞浸潤がその特徴であり、これは、ケモカインによって媒介される。関節炎の滑膜組織には、monocyte chemoattractant protein−1(MCP−1)等のケモカインが発現され、これらは、滑膜線維芽細胞(synovial fibroblast)等で生成されると知られている。関節炎により生成された過剰のMCP−1は、炎症部位に単球細胞と巨食細胞を呼び込み、これらの細胞を活性化することで炎症性サイトカインの生成を促進し、炎症をさらに悪化させる役割をする。
リウマチと退行性関節炎の滑膜組織でサイトカインにより血管内皮細胞でvascular cellular adhesion molecule 1(VCAM−1)、intercellular adhesion molecule 1(ICAM−1)とE−selectin等のような癒着分子(adhesion molecule)発現を増加させ、炎症細胞の浸潤を誘導する。過剰発現されたICAM−1とVCAM−1は、リウマチ性関節炎、退行性関節炎のような慢性炎症と関連がある。
リウマチと退行性関節炎は、慢性全身性炎症疾患であり、対称性、多発性の関節炎と、それによる関節の損傷及び変形が生じる疾患である。このような関節炎に対する治療を受けない場合は、経過が不良であって関節機能の障害を現し、さらに持続すると、関節機能の障害によって日常生活に支障をきたす。韓国内では総人口の約1%がリウマチ性関節炎で苦労しているものと推定されるが、リウマチ性関節炎の発生率は、男性より女性が3倍程度高く、主に20〜40代で発生すると知られている。
リウマチ性関節炎の主な原因が次第に明らかになっており、遺伝的な要因と感染、ホルモンの異常等が原因因子と考えられている。このような原因因子によって「自己免疫」現象が生じるが、自己免疫とは、我々の体の免疫調節機能異常によって慢性炎症が体の数々の部位で多発的、持続的に起こる現象である。
一方、前記関節炎の治療に用いられる薬物は、炎症の減少、疾病進行の遅延、尿酸濃度の減少という主な作用機序を根拠に大別できるが、多くの神経関節炎治療薬物が炎症を減少させる作用をする。炎症は、痛み、浮腫、熱感、発作、硬直を起こす病的過程であり、炎症を迅速に緩和させる薬物には、アスピリンを始めとした非ステロイド性抗炎症薬と、コルチゾンを始めとしたステロイド性抗炎症薬がある。
非ステロイド性抗炎症薬は、痛みを減少させて神経関節を安らかにし、炎症を緩和させる効果があるが、胃腸障害が現れるか、腹痛を誘発する場合もあるため、活動性消化性潰瘍や胃腸部位の出血的病歴がある者には使用が禁止される。ステロイド性抗炎症薬は、その効果に比べて体重増加や高血圧等の副作用が深刻であり、退行性神経関節炎にはあまり使用しない。
特に、ステロイド性抗炎症薬は、疾患の原因治療とは全く関係がなく、単に痛みを一時的に減少させて関節の過剰な使用を誘導する余地があり、それは、神経関節を破壊し、障害を悪化させる要因となるため、使用に注意を要する。
従って、関節炎等の関節損傷に用いられる従来の治療法は、限定的な有効性を有し、明らかな有毒性副作用を伴い、長期にわたって持続的に用いることができず、その有効性が制限されるので、既存の治療法が持つ短所を克服した新たな新規な治療法ないしは治療剤が切実に要求されている実情である。
そこで、本発明者等は、ウスバノコギリモクが炎症性サイトカインを抑制し、関節炎実験動物で関節炎を改善させるということを糾明することで関節炎治療剤として用いることができることを確認し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、ウスバノコギリモク抽出物(Sargassum serratifolium)を有効成分として含む関節炎予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、ウスバノコギリモク抽出物(Sargassum serratifolium)を有効成分として含む関節炎予防または改善用健康機能食品を提供することである。
前記のような目的を達成するために、本発明は、ウスバノコギリモク抽出物(Sargassum serratifolium)を有効成分として含む関節炎予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の一実施例において、前記ウスバノコギリモク抽出物は、水または有機溶媒を利用して得た抽出物であってよい。
本発明の一実施例において、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロライド、ヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択されたものであってよい。
本発明の一実施例において、前記ウスバノコギリモク抽出物は、炎症性サイトカインIL−1β、IL−6またはTNF−aの活性を減少または抑制できる。
本発明の一実施例において、前記関節炎は、退行性関節炎、リウマチ関節炎またはループス(Lupus)関節炎であってよい。
また、本発明は、ウスバノコギリモク抽出物(Sargassum serratifolium)を有効成分として含む関節炎予防または改善用健康機能食品を提供する。
本発明は、ウスバノコギリモク抽出物を有効成分として含む関節炎予防または治療用組成物に関する。本発明に係るウスバノコギリモク抽出物は、炎症性サイトカインIL−1β、IL−6またはTNF−aの活性を減少または抑制させる活性に優れ、関節炎動物モデルで関節炎を改善する効果に優れ、関節炎治療用組成物として有用に用いることができる。
また、細胞毒性が起こらず、薬物に対する毒性及び副作用もなく、長期服用の際にも安心して用いることができ、体内でも安定した効果がある。
ウスバノコギリモクの酒精抽出物(EtOH)を濃度別に処理した後、細胞に及ぼす細胞毒性を測定した結果を示したものである。 リウマチ関節炎実験動物モデルの作製過程を示した模式図である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週間の体重変化を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、足の厚さの変化を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、関節炎指数の変化を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、体重当たりの脾臓の重さを確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、目視で関節炎の程度を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、血清内の炎症性サイトカイン(IL−1β、IL−6またはTNF−a)の生成抑制程度を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、後足組織内の炎症性サイトカイン(IL−1β、IL−6またはTNF−a)の生成抑制程度をウェスタンブロットで確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、後足組織内の前炎症性タンパク質である(iNOS、COX−2)の発現抑制程度を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、後足組織内の前炎症性タンパク質(iNOS、COX−2)の発現抑制程度を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、後足組織内の前炎症性タンパク質とサイトカインの転写調節を担当するNF−kBのリン酸化程度を確認した結果である。 本発明のウスバノコギリモク抽出物をリウマチ関節炎実験動物に投与した後、6週目に実験動物を犠牲にさせてから、後足組織内の炎症を調節する転写因子であるNF−kBの活性化に関与する上位タンパク質(Akt、JNK、p38タンパク質)のリン酸化程度を確認した結果である。
本発明は、ウスバノコギリモク抽出物が関節炎治療活性に優れていることを糾明したウスバノコギリモク抽出物の新規な用途に関する。
本発明においては、新たな関節炎治療剤としての素材としてウスバノコギリモク抽出物に注目したが、ウスバノコギリモクは、潮間帯から漸深帯にわたって生育する植物であって、1〜4mの多年生の大型褐藻類である。根は、直径4〜5cmで円錐状であり、ゴムのようでもあって年輪があり、茎は、円柱状で短く、多数の中心枝に分けられ、扁圧されている。また、茎の両縁が薄く、縦に中肋のように一側に隆起し、縁から短い枝を出しており、茎葉は、基部に向かっており、縁に二重となった鋸歯があり、気胞は、丸い形状に近く、その頂部に観葉またはとげ状の突起がある。特に、韓国の南海岸と済州島に生育すると知られており、脂質降下、血圧降下、放射性同位元素排出作用の機能を有していると知られているだけで、未だ関節炎と関連した作用については知られていない。
本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物が関節炎治療活性があるということを本発明の一実施例を通して確認したが、本発明の一実施例によると、ウスバノコギリモク抽出物処理による関節炎と関係のある炎症性サイトカインの発現程度を測定した結果、リウマチ関節炎が誘導された実験動物群では、炎症性サイトカインが急激に増加したが、本発明のウスバノコギリモク抽出物処理群では、TNF−α、IL−6またはIL−1βに対する炎症性サイトカインの発現が有意的に抑制されることが分かった。また、ウスバノコギリモク抽出物処理がリウマチ関節炎実験動物の関節炎を改善することができることを実験で確認した。
従って、本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物が関節炎に対する治療活性を有するという事実が分かり、他のホンダワラ抽出物に比べてウスバノコギリモク抽出物がさらに優越に関節炎治療活性を示している。従って、本発明者等は、他のホンダワラ種に比べて本発明のウスバノコギリモクが関節炎治療剤としてさらに有用な素材であることが分かった。
従って、本発明のウスバノコギリモク抽出物を有効成分として含む組成物は、関節炎を効果的に予防または治療することができる。
本発明において、「関節炎」とは、退行性関節炎、リウマチ関節炎またはループス(Lupus)関節炎を意味し、これに制限されるものではないが、最も好ましくは、リウマチ関節炎と退行性関節炎を意味する。
本発明に係るウスバノコギリモクは、当業界に公知になった抽出及び分離する方法を用いて天然から抽出及び分離して得たものと用いることができ、本発明において定義された「抽出物」は、適切な溶媒を利用してウスバノコギリモクから抽出したものであり、例えば、ウスバノコギリモクの熱水抽出物、極性溶媒可溶抽出物または非極性溶媒可溶抽出物をいずれも含むことができる。
ウスバノコギリモクから抽出物を抽出するための適切な溶媒としては、当業界において許容される溶媒であればいずれを用いても関係なく、水または有機溶媒を用いることができる。例えば、精製水、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、プロパノール(propanol)、イソプロパノール(isopropanol)、ブタノール(butanol)等を含む炭素数1〜4のアルコール、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、エチルアセテート(ethyl acetate)、メチレンクロライド(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)及びシクロヘキサン(cyclohexane)等の各種の溶媒を単独で、あるいは混合して用いることができるが、これに制限されることはない。
抽出方法としては、熱水抽出法、冷浸抽出法、還流冷却抽出法、溶媒抽出法、水蒸気蒸留法、超音波抽出法、溶出法、圧着法等の方法のいずれか一つを選択して用いることができる。また、目的とする抽出物は、さらに通常の分画工程を遂行することもでき、通常の精製方法を利用して精製されてもよい。本発明のウスバノコギリモク抽出物の製造方法には制限がなく、公知になっているいかなる方法も利用され得る。
例えば、本発明の組成物に含まれるウスバノコギリモク抽出物は、上述の熱水抽出または溶媒抽出法で抽出された1次抽出物を、減圧蒸留及び凍結乾燥または噴霧乾燥等のようなさらなる過程により粉末状態に製造することができる。また、前記1次抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(silica gel column chromatography)、薄層クロマトグラフィー(thin layer chromatography)、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)等のような様々なクロマトグラフィーを利用してさらに精製された分画を得ることもできる。
従って、本発明において、ウスバノコギリモク抽出物は、抽出、分画または精製の各ステップで得られる全ての抽出液、分画及び精製物、それらの希釈液、濃縮液または乾燥物をいずれも含む概念である。
このようなウスバノコギリモク抽出物を有効成分として含む本発明の組成物は、薬剤学的組成物であってよい。
本発明の薬剤学的組成物は、前記有効成分以外に薬剤学的に適しており、生理学的に許容される補助剤を用いて製造され得、前記補助剤としては、賦形剤、崩壊剤、甘味剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、潤滑剤、滑沢剤または香味剤等を用いることができる。
前記薬剤学的組成物は、投与のために、前記記載した有効成分以外にさらに薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含んで薬剤学的組成物に好ましく製剤化することができる。
前記薬剤学的組成物の製剤形態は、顆粒剤、散剤、錠剤、コーティング錠、カプセル剤、坐剤、液剤、シロップ、汁、懸濁剤、乳剤、点滴剤または注射可能な液剤等となり得る。例えば、錠剤またはカプセル剤の形態への製剤化のために、有効成分は、エタノール、グリセロール、水等のような経口、無毒性の薬剤学的に許容可能な不活性担体と結合され得る。また、所望または必要な場合、適した結合剤、潤滑剤、崩壊剤及び発色剤もまた混合物として含まれ得る。適した結合剤は、これに制限されるものではないが、澱粉、ゼラチン、グルコースまたはβ−ラクトースのような天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカントまたはソジウムオレートのような天然及び合成ガム、ソジウムステアレート、マグネシウムステアレート、ソジウムベンゾエート、ソジウムアセテート、ソジウムクロライド等を含む。崩壊剤は、これに制限されるものではないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を含む。液状溶液に製剤化される組成物において許容可能な薬剤学的担体としては、滅菌及び生体に適したものであって、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの成分のうち1成分以上を混合して用いることができ、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤等、他の通常の添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液等のような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができる。さらには、該当分野の適切な方法として、Remington’s Pharmaceutical Science、Mack Publishing Company、Easton PAに開示されている方法を利用し、各疾患によって、または成分によって好ましく製剤化することができる。
本発明の一実施例において、本発明のウスバノコギリモク抽出物は、組成物の総重量に対して0.001〜20重量%で含まれ得る。また、本発明の組成物はまた食品組成物であってよいが、このような食品組成物は、有効成分であるウスバノコギリモク抽出物を含有する他に、通常の食品組成物のように種々の香味剤または天然炭水化物等を追加成分として含有することができる。上述の天然炭水化物の例は、モノサッカライド、例えば、ブドウ糖、果糖等;ジサッカライド、例えば、マルトース、スクロース等;及びポリサッカライド、例えば、デキストリン、シクロデキストリン等のような通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコールである。上述の香味剤は、天然香味剤(ソーマチン)、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリチルリチン等)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテーム等)を有利に用いることができる。
本発明の食品組成物は、前記薬剤学的組成物と同様の方式で製剤化され、機能性食品として利用するか、または各種の食品に添加することができる。本発明の組成物を添加できる食品としては、例えば、飲料類、肉類、チョコレート、食品類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、飴類、アイスクリーム類、アルコール飲料類、ビタミン複合剤及び健康補助食品類等がある。
また、前記食品組成物は、有効成分であるウスバノコギリモク抽出物の他に様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤等の風味剤、着色剤及び充填剤(チーズ、チョコレート等)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤等を含有することができる。その他に本発明の食品組成物は、天然果物ジュース及び果物ジュース飲料並びに野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。
本発明の有効成分であるウスバノコギリモク抽出物は、天然物質として毒性及び副作用はほとんどないので、関節炎の予防及び治療のための目的で長期服用の際にも安心して用いることができる。
本発明の健康機能食品は、関節炎の予防及び治療のための目的で錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状、丸等の形態に製造及び加工することができる。
本発明において、「健康機能食品」とは、健康機能食品に関する法律第6727号による人体に有用な機能性を有する原料や成分を用いて製造及び加工した食品をいい、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節するか、または生理学的作用等のような保健用途に有用な効果を得る目的で摂取するものを意味する。
本発明の健康機能食品は、通常の食品添加物を含むことができ、食品添加物として適しているか否かは、他の規定がない限り、食品医薬品安全庁に承認された食品添加物公典の総則及び一般試験法等に従って該当品目に関する規格及び基準によって判定する。
前記「食品添加物公典」に収載された品目としては、例えば、ケトン類、グリシン、クエン酸カルシウム、ニコチン酸、ケイ皮酸等の化学的合成物;カキ色素、カンゾウ抽出物、結晶セルロース、コウリャン色素、グアーガム等の天然添加物;L−グルタミン酸ナトリウム製剤、麺類添加アルカリ剤、保存料製剤、タール色素製剤等の混合製剤類等が挙げられる。
例えば、錠剤形態の健康機能食品は、本発明の有効成分であるウスバノコギリモク抽出物を賦形剤、結合剤、崩壊剤及び他の添加剤と混合した混合物を常法で顆粒化してから、滑沢剤等を入れて圧縮成形するか、または前記混合物を直接圧縮成形することができる。また、前記錠剤形態の健康機能食品は、必要に応じて矯味剤等を含有することもできる。
カプセル形態の健康機能食品のうち、硬カプセル剤は、通常の硬質カプセルに本発明の有効成分であるウスバノコギリモク抽出物を賦形剤等の添加剤と混合した混合物を充填して製造することができ、軟質カプセル剤は、ウスバノコギリモク抽出物を賦形剤等の添加剤と混合した混合物をゼラチンのようなカプセル基剤に充填して製造することができる。前記軟カプセル剤は、必要に応じて、グリセリンまたはソルビトール等の可塑剤、着色剤、保存剤等を含有することができる。
丸形態の健康機能食品は、本発明の有効成分であるウスバノコギリモク抽出物と賦形剤、結合剤、崩壊剤等を混合した混合物を既存に公知になった方法で成形して調剤することができ、必要に応じて、スクロースや他の製皮剤で製皮することができ、または、澱粉、タルクのような物質で表面をコーティングすることもできる。
顆粒形態の健康機能食品は、本発明の有効成分であるウスバノコギリモク抽出物と賦形剤、結合剤、崩壊剤等を混合した混合物を既存に公知になった方法で粒状に製造することができ、必要に応じて、着香剤、矯味剤等を含有することができる。
前記健康機能食品は、飲料類、肉類、チョコレート、食品類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、飴類、アイスクリーム類、アルコール飲料類、ビタミン複合剤及び健康補助食品類等であってよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ウスバノコギリモク酒精抽出物の製造
本発明において用いたウスバノコギリモクは、釜山市機張郡で採集して使用し、下記のような方法を通してウスバノコギリモクの酒精抽出物を得た。先ず、酒精抽出物の製造のために、ウスバノコギリモクを日陰または日向で自然乾燥後、摩砕して得た粉末2kgと酒精(95%エタノール)をそれぞれ8Lずつ入れ、70℃で3時間の間3回繰り返して還流冷却器が取り付けられた抽出器で抽出した後、限外ろ過装置(MWCO、50kDa)でろ過して異物を除去した後、ろ過された抽出物を真空回転濃縮機で40℃で溶媒を除去してから、抽出された残渣としてウスバノコギリモク粗抽出物(200±25g)を得た。
<実験例2>
ウスバノコギリモクの酒精抽出物のリウマチ関節炎の治療効果
<2−1>ウスバノコギリモク抽出物処理による体重変化の測定
本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物でリウマチ関節炎を治療することができるか否かを確認するために、先ず、リウマチ関節炎が誘導された実験動物を作製した。
Male DBA/1J mouse(8週齢)を用いて、1週間馴化及び飼育をし、1週間後にDBA/1J mouseをII型コラーゲン(Bovine type II collagen、2mg/mL)をComplete Freund's Adjuvant(CFA)と混合、乳化させてemulsion(CII/CFA)を作る。DBA/1J mouseの尻尾の先から2〜3cm程度離れた尻尾の下の部分にある静脈を見つけて100μlのCII/CFAを皮下注射した。CII/CFA投与3週後、II型コラーゲンと同量のIncomplete Freund's Adjuvant(IFA)を混合、乳化させて作った乳状液CII/IFA100μlをDBA/1J mouseの臀部と尻尾部分の連結部位である筋肉に2次皮下注射を施した。2次皮下注射する日から19日間、本発明の方法で製造されたウスバノコギリモク抽出物を0.01%(0.024g/体重kg)、0.05%(0.12g/体重kg)で添加して動物実験をした。
何も処理していない対照群、関節炎動物群(CIA処理群)、関節炎実験動物に0.01%、0.05%のウスバノコギリモク抽出物を処理した処理群を対象に7週まで毎週体重を測定したが、その結果、全ての群で3週目から4週目となる時期に体重が若干増加したが、グループ別の体重変化は有意的に現れなかった(図3参照)。
<2−2>ウスバノコギリモク抽出物処理による足の厚さの変化測定
本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物によるリウマチ関節炎の治療効果を確認するために、関節炎の指標となる足の厚さ(paw thickness)の変化を測定した。
前記<2−1>のリウマチ関節炎が誘導された実験動物の作製過程中、2次皮下注射後、19日間、電子caliperを用いて3日毎にウスバノコギリモク抽出物処理による足の厚さの変化を測定した。
その結果、関節炎が誘導された実験動物は、炎症により足の厚さが増加したのに対し、ウスバノコギリモク抽出物処理群の足の厚さは、関節炎誘導実験動物群に比べて有意的に厚さが減少したことが分かり、19日後には、対照群と類似した程度の厚さで現れたことを確認した(図4参照)。
<2−3>ウスバノコギリモク抽出物処理による関節炎指数の測定
本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物のリウマチ関節炎の治療効果を確認するために目視で関節炎指数を観察し、それぞれに対する関節炎指数は、0〜4点と点数をつけ、非実験者5名により測定された。
関節炎指数は、一匹当たりのそれぞれの足に対する点数を合算して得るようになった(最高点数=16点)。
−評価基準−
0点:何の症状もない
0.5点:一つの指が赤く、むくみがある
1点:2〜5個の指が赤く、若干のむくみがある
2点:2〜5個の関節が赤く、中度のむくみがある
3点:全体足が赤く、むくみがある
4点:減少したむくみと奇形
それぞれの処理群を対象にリウマチ関節炎の評価点数を確認した結果、関節炎が誘導された実験動物群では、関節炎指数が高く現れたが、本発明のウスバノコギリモク抽出物を処理した処理群では、関節炎評価指数が有意的に低くなったことが分かった(図5参照)。
<2−4>ウスバノコギリモク抽出物処理による体重当たりの脾臓の重さ測定
本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物がリウマチ関節炎を治療することができるか否かを確認するために脾臓の重さを測定した。
脾臓は、人体免疫システムの主要な組織であって、相対的な重さは、しばしばテストしようとするサンプルの免疫調整活性を評価するための予備指標として多く用いられる。
体重当たりの脾臓の重さを測定した結果、関節炎が誘導された実験動物では、脾腫(脾臓がむくんで大きくなった状態)を現したが、本発明のウスバノコギリモク抽出物を処理した群では、脾腫が現れず、これは、ウスバノコギリモク酒精抽出物による脾臓の拡張と免疫細胞の浸透性の抑制を確認することができた(図6参照)。
<2−5>ウスバノコギリモク抽出物処理による関節炎の治療程度の目視観察
本発明者等は、ウスバノコギリモク抽出物処理による関節炎の治療程度を目視で観察した結果、関節炎が誘発された実験動物群では、後足が激しくむくんでおり、紅斑症状を現した。しかし、本発明のウスバノコギリモク抽出物を0.01%、0.05%と19日間処理した処理群では、むくみが減少し、紅斑症状が緩和されたことを確認することができた(図7参照)。
<2−6>ウスバノコギリモク抽出物処理による炎症性サイトカインの抑制効果
通常、リウマチ関節炎が発達すると、炎症部位に集まった活性化された免疫細胞によりインターロイキン(IL)とPGE2のような炎症媒介体(inflammatory mediator)が関節と血液に放出されるが、特に、TNF−α、IL−6、IL−1βは、リウマチ関節炎の疾病程度の有無を把握できる指標として用いられ得る。
本発明者等は、実験動物の血液中、前記炎症性サイトカインの発現程度を測定するためにELISA kitを用いて測定した結果、リウマチ関節炎が誘導された実験動物群では、炎症性サイトカインが急激に増加したが、本発明のウスバノコギリモク抽出物を19日間給餌した処理群では、TNF−α、IL−6またはIL−1βに対する炎症性サイトカインの発現が有意的に抑制されることが分かった(図8参照)。
<2−7>ウスバノコギリモク抽出物処理による炎症性サイトカインの抑制効果
本発明者等は、炎症部位である後足を摩砕して抽出したタンパク質中の炎症性サイトカインの発現程度を測定するためにウェスタンブロット(Western blot)で測定した。
その結果、リウマチ関節炎が誘導された実験動物群では、炎症性サイトカインが急激に増加したが、本発明のウスバノコギリモク抽出物処理群では、TNF−α、IL−6またはIL−1βに対する炎症性サイトカインの発現が有意的に抑制されることが分かった(図9参照)。
<2−8>ウスバノコギリモク抽出物処理によるiNOSとCOX−2のタンパク質の生成抑制効果
NOとPGEsは、nitric oxide synthase(NOS)とcyclooxygenase(COX)により、それぞれL−アルギニン及びリン脂質から合成される。病理的な条件下でNOとPGE2の過度な増加は、炎症過程を刺激し、他の炎症媒介体と共に相乗効果を示す。このような状態下で過度なNOとPGE2は、inducible NOS(iNOS)とCOX−2により合成される。また、iNOSとCOX−2は、炎症性サイトカインとバクテリア性内毒素(endotoxin)にさらされたとき、強く発現される。
従って、CIA処理で誘導された実験動物の炎症部位である後足組織でiNOSとCOX−2のタンパク質の発現に対するウスバノコギリモク酒精抽出物の炎症抑制効果をWestern blotを通して観察したが、即ち、実験に用いた各動物群を対象に組織溶解物を得た後、iNOSとCOX−2に対する抗体を用いてウェスタンブロットを遂行した。
分析の結果、図10に示したように、ウスバノコギリモク酒精抽出物は、CIA処理で誘導された実験動物の関節組織内のiNOSとCOX−2のタンパク質の発現を濃度依存的に減少させた。このような結果は、ウスバノコギリモク酒精抽出物がiNOSとCOX−2の発現を抑制し、関節組織での抗炎症効果を奏することが分かる。
<2−9>ウスバノコギリモク抽出物処理によるNF−kBリン酸化抑制効果
CIA処理によるiNOSとCOX−2及び前駆炎症性サイトカインであるTNF−α、IL−1β及びIL−6等は、転写因子であるNF−κBによって調節される。NF−κBは、一般的な状態ではinhibitory κB−α(IκB−α)と共に結合して細胞質で不活性化状態で存在する。しかし、コラーゲンのような抗原を動物体内に注入すると、大食細胞、単球細胞等の免疫細胞が活性化されて炎症作用を起こす。このような外部刺激により、細胞内不活性化状態のNF−κBは、リン酸化によって活性化されて核内に移動し、炎症関連タンパク質の転写作用に寄与することとなる。
従って、本発明者等は、本発明のウスバノコギリモク酒精抽出物が、NF−κBが核に移動することに対する影響を与えるかを確認するために、CIA処理で炎症が誘導された実験動物にウスバノコギリモク酒精抽出物を19日間飼料と混ぜて給餌した。実験に用いた各動物群を対象に組織溶解物を得た後、NF−κBリン酸化に対する抗体を用いてウェスタンブロットを遂行した。
分析の結果、図11に示したように、CIA処理で誘導されたNF−κBリン酸化は、ウスバノコギリモク酒精抽出物の給餌により濃度依存的に減少し、0.05%の酒精抽出物の給餌により対照区と類似した程度のリン酸化水準を示した。
従って、前記実験を通して、ウスバノコギリモク酒精抽出物は、CIA処理で誘導された実験動物の関節組織内のNF−κBのリン酸化を抑制することで、NF−κBが核に移動し、炎症性サイトカイン等の炎症因子として作用するNF−κBの活性化を遮断させることができるということを実験動物を通して確認することができた。
<2−10>ウスバノコギリモク抽出物処理によるMAPKsとAkt活性化抑制効果
様々な外部刺激によるNF−κB転写因子の活性化を通してiNOSやCOX−2または前駆炎症性サイトカインの発現を誘導する過程を調節する分子信号伝達機序は、主要MAPKサブファミリーに属する3つの酵素、即ち、extracellular−regulated protein kinase(ERK)、c−Jun NH2−protein kinase(JNK)、p38 MAPKとPI3K/Aktが挙げられる。そこで、関節内タンパク質のリン酸化に関する本発明のウスバノコギリモク酒精抽出物の効果を確認するためにウェスタンブロットを遂行した。
その結果、図12に示されているように、CIA処理で誘導された実験動物の炎症反応において、ウスバノコギリモク酒精抽出物は、Akt、JNK、p38 MAPKのリン酸化(活性化)抑制を現した。従って、前記結果を通して、ウスバノコギリモク酒精抽出物は、関節組織内の様々な信号タンパク質経路を遮断することで炎症反応を阻害するということが分かった。
<2−11>ウスバノコギリモク抽出物処理によるICAM−1、VCAM−1、MCP−1、MMP−1、2、9の生成抑制効果
CIAでリウマチ関節炎を誘導すると、関節部位の軟骨組織を分解するMMP−1、MMP−2及びMMP−9の発現の増加、関節滑膜組織内への炎症細胞浸潤を誘導するMCP−1の増加、そして、関節の滑膜組織に炎症細胞の浸潤を増加させるICAM−1とVCAM−1が増加する。そこで、関節炎症部位のICAM−1、VCAM−1、MCP−1、MMP−1、2、9の生成抑制効果に関する本発明のウスバノコギリモク酒精抽出物の効果を確認するためにウェスタンブロットを遂行した。
その結果、図13に示されているように、CIA処理で誘導された実験動物の炎症反応において、ウスバノコギリモク酒精抽出物は、ICAM−1、VCAM−1、MCP−1、MMP−1、2、9の生成抑制効果を現した。従って、このような結果を通して、ウスバノコギリモク酒精抽出物は、関節組織内の様々な信号タンパク質経路を遮断することで炎症反応を阻害するということが分かった。
<実験例3>
様々なホンダワラ抽出物での関節炎治療効果の確認
本発明のウスバノコギリモク抽出物と比較して他のホンダワラ種でも関節炎治療効果があるか否かを確認するために、様々な炎症性サイトカインのうちTNF−αの発現程度をELISA kitを用いて測定した。
その結果、リウマチ関節炎が誘導された実験動物群では、炎症性サイトカインであるTNF−αが急激に増加したが、様々なホンダワラ抽出物を処理した時は、TNF−αの発現が減少した。関節炎実験動物群にホンダワラ、アカモク、エゾノネジモク、フシスジモク、マナギモク、ノコギリモク、エンドウモクまたはジョロモクを処理し、TNF−α発現量を確認した結果、いくつかのホンダワラ抽出物でホンダワラ抽出物を処理していない群に比べてTNF−α発現量が抑制され、本発明のウスバノコギリモクでは、他の種のホンダワラ抽出物に比べて炎症性サイトカインを確実に抑制できることが分かった(表1参照)。
従って、本発明においては、ホンダワラ抽出物に関節炎治療効果のあることが分かり、特に、本発明のウスバノコギリモク抽出物では、他のホンダワラ抽出物より関節炎治療効果がさらに優越していることを確認することができた。
これまで、本発明について、その好ましい実施例を中心に検討した。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現され得ることが理解できるだろう。それゆえ、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれたものと解釈されるべきである。

Claims (4)

  1. ウスバノコギリモク抽出物(Sargassum serratifolium)を有効成分として含み、
    前記ウスバノコギリモク抽出物は少なくともエタノールを利用して得た抽出物(但し、ヘキサンを利用して得た抽出物を除く。)である、関節炎予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記ウスバノコギリモク抽出物は、炎症性サイトカインIL−1β、IL−6またはTNF−aの活性を減少または抑制することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記関節炎は、退行性関節炎、リウマチ関節炎またはループス(Lupus)関節炎であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. ウスバノコギリモク抽出物(Sargassum serratifolium)を有効成分として含み、
    前記ウスバノコギリモク抽出物は少なくともエタノールを利用して得た抽出物(但し、ヘキサンを利用して得た抽出物を除く。)である、関節炎予防または改善用健康機能食品。
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