JP6539271B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス Download PDF

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Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、この組成物を用いたパターン形成方法、並びに、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスに関する。さらに詳しくは、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程、平版印刷版、酸硬化性組成物に好適に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、この組成物を用いたパターン形成方法、並びに、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスに関する。
KrFエキシマレーザー(248nm)用レジストが開発されて以降、光吸収による感度低下を補うためにレジストの画像形成方法として化学増幅という画像形成方法が用いられている。ポジ型の化学増幅の画像形成方法は、エキシマレーザー、電子線、極紫外光などの露光により、露光部の酸発生剤が分解し酸を生成させ、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)でその発生酸を反応触媒として利用してアルカリ不溶の基をアルカリ可溶性基に変化させ、アルカリ現像液により露光部を除去する画像形成方法である。現在、アルカリ現像液としては、種々のアルカリ現像液が提案されているが、2.38質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の水系アルカリ現像液が汎用的に用いられている。
半導体素子の微細化の為に露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では193nm波長を有するArFエキシマレーザーを光源とし、更に解像力を高める技術として、従来から投影レンズと試料の間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、液浸リソグラフィー技術が開発され、液浸リソグラフィーは、現在では主流となっている。
上記のような化学増幅の画像形成方法に用いられる組成物としては、種々の技術が提案されており、例えば、特許文献1に記載されるような、ラインウィドゥスラフネス(LWR)及びマスクエラーエンハンスメントファクター(MEEF)が小さく、粗密バイアスにも優れ、保存安定性が良好な感放射線性樹脂組成物や、特許文献2に記載されるような、所定の樹脂を含み、感度及びMEEFに優れる感放射線性樹脂組成物が開示されている。
特開2010−282189号公報 国際公開第2008/149701号
液浸リソグラフィーなどのレジストの画像形成方法においては、パターンを基板に転写する際のエッチング工程で忠実にパターンを転写するためには、レジストの断面形状が矩形状であることが望ましい。
また、昨今、パターンのより一層の微細化が望まれており、それに伴って露光余裕度(Exposure Latitude:EL)の向上も求められている。
さらに、上記パターンの微細化を実施しようとすると、プロセスにおける線幅(CD)の管理もよりシビアになってきており、PEB温度依存性(PEBS(PEB sensitivity))
も重要な性能項目となってきている。例えば、従来は100nmの線幅に対しPEBSが3nm/℃の場合、1度でのCD変動は線幅の3%であったが、微細化が進み40nmの線幅の場合には変動率が7.5%となり、よりPEBS性能が重要となってきている。
つまり、矩形性の高い断面形状の膜(レジスト)を形成でき、良好な露光余裕度及びPEB温度依存性を示す感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が望まれている。
本発明者らは、特許文献1及び2の実施例欄などで具体的に開示されている組成物を用いて、上記特性の評価を行ったところ、上記3つの特性(矩形性、露光余裕度、PEB温度依存性)を同時に満たすことができず、さらなる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、矩形性の高い断面形状の膜(レジスト)を形成でき、良好な露光余裕度及びPEB温度依存性を示す感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記組成物を用いたパターン形成方法、並びに、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスを提供することも課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、所定の樹脂を使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 後述する一般式(I)で表される繰り返し単位、及び、後述する一般式(II)で表される繰り返し単位を含み、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して10モル%以上である樹脂と、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物
一般式(I)及び(II)中、Tは、各々独立して、単結合又は2価の連結基を表す。
及びRは、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
は、炭素数3以上の炭化水素基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
、R、及び、Rは、各々独立して、アルキル基を表す。
(2) Tが単結合である、(1)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(3) 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオンが後述する一般式(2)で表されるスルホン酸アニオンである、(1)又は(2)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(2)中、Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。Aは、環状構造を含む有機基を表す。xは、1〜20の整数を表す。yは、0〜10の整数を表す。zは、0〜10の整数を表す。
(4) 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオンが後述する一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオンである、(1)又は(2)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(B−1)中、Rb1は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。nは0〜4の整数を表す。Xb1は、単結合、アルキレン基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、又はそれらの組み合わせを表す。Rb2は炭素数6以上の有機基を表す。
(5) 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオン中に含まれるフッ素原子数が2〜3個である、(1)〜(4)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(6) 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、カチオンが後述する一般式(ZI−3A)で表されるカチオン又は後述する一般式(ZI−4)で表されるカチオンである、(1)〜(5)のいずれか記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(ZI−3A)中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又はアルケニル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、RとRは、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R及びRのうち少なくとも1つは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、又は、アルコキシカルボニルシクロアルキル基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、この環構造は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでいてもよい。
一般式(ZI−4A)中、R13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を有する基を表す。
14は、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は、シクロアルキル基を有する基を表す。R14が複数ある場合、R14は同一でも異なっていてもよい。
15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15は互いに結合して環を形成してもよく、環を構成する原子として、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでもよい。
lは0〜2の整数を表す。rは0〜8の整数を表す。
(7) 樹脂が、さらに、ラクトン構造またはスルトン構造を含む繰り返し単位を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(8) さらに、疎水性樹脂を含有する、(1)〜(7)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(9) 疎水性樹脂が、アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基を有する、(8)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(10) さらに、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を含有する、(1)〜(9)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(11) さらに、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物を含有する、(1)〜(9)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(12) さらに、有機溶剤を含有し、
有機溶剤中にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが含まれ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの有機溶剤全質量に対する含有量が90質量%超である、(1)〜(11)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(13) さらに、γ−ブチロラクトンを含有する、(1)〜(12)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(14) (1)〜(13)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程と、膜を露光する工程と、露光した膜を現像する工程を含むパターン形成方法。
(15) (14)に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
(16) (15)に記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
(17)樹脂が、シアノ基が置換されたラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有する、(1)〜(13)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(18)樹脂が、後述する一般式(III)中のRがシアノ基を置換基として有するラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基である繰り返し単位を含有する、(1)〜(13)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
本発明によれば、矩形性の高い断面形状の膜(レジスト)を形成でき、良好な露光余裕度及びPEB温度依存性を示す感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記組成物を用いたパターン形成方法、並びに、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスを提供することもできる。
角度αを示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書中において、"(メタ)アクリレート"はアクリレート及びメタクリレートを表し、"(メタ)アクリル"はアクリル及びメタクリルを表し、"(メタ)アクリロイル"はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本発明の特徴点としては、後述する所定の繰り返し単位を有する樹脂を使用している点が挙げられる。
より具体的には、まず、本発明者らは、矩形性の高い断面形状を得るためには、樹脂の疎水性が重要である点を見出している。特に、いわゆるポジ型の場合、樹脂の疎水性がより重要である。この知見に基づいて、後述する一般式(I)中のRで表される部分を炭素数3以上とすることにより、より疎水的にすることが出来、所望の効果が得られている。
また、良好な露光余裕度には、後述する一般式(II)のような保護基のサイズが小さい繰り返し単位を所定量以上用いることで、一つの保護基が脱保護することによる溶解速度変化が小さく、発生した酸量に忠実な画像形成に有利であることを見出している。また、上述したように、一般式(I)で表される繰り返し単位ではRが炭素数3以上であることで、脱保護に必要な活性化エネルギーが抑えられ、疎水性の高さに反して、解像力が高いことも見出している。
さらに、良好なPEB温度依存性を得るためには、温度に対する依存性を抑える必要があり、一般式(I)で表される繰り返し単位にてRを炭素数3以上にすることで、脱保護に必要な活性化エネルギーが抑えられ、上記特性が良好であることが見出されている。
以下、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「組成物」「本発明の組成物」又は「本発明のレジスト組成物」とも称する。)について説明する。
本発明の組成物は、ポジ型の現像(露光部(露光量が多い領域)が除去され、未露光部がパターンとして残る現像)に用いてもよく、ネガ型の現像(露光部(露光量が多い領域)がパターンとして残り、未露光部が除去される現像)に用いてもよい。即ち、アルカリ現像液及び有機溶剤を含む現像液のいずれを用いて現像を行ってもよい。
また、本発明の組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
本発明の組成物は、[1]後述する一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂、及び、[2]活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を少なくとも含有する。
本発明に係る組成物が含み得るさらなる成分としては、[3]疎水性樹脂、[4]酸拡散制御剤、[5]溶剤、及び、[6]界面活性剤などが挙げられる。本発明の組成物は、例えば「パターン形成方法」として後述する方法に従って、パターン形成用に使用され得る。
まず、組成物に使用される各成分について順に説明し、その後、組成物を用いたパターン形成方法について詳述する。
[1]樹脂
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含有する。この樹脂は、いわゆる酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂」ともいう。)にも該当する。なお、樹脂中の各繰り返し単位の組成(モル%)は、たとえば、13C−NMRによる測定で求められる。
樹脂は、好ましくはアルカリ現像液に不溶又は難溶性である。
(一般式(I)及び一般式(II)で表される繰り返し単位)
樹脂には、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位が含まれる。
一般式(I)及び(II)中、Tは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましく、単結合がより好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
一般式(I)及び(II)中、R及びRは、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。なお、アルキル基は置換基を有していてもよい。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基又は−CH−R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子など)、ヒドロキシル基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。R及びRは、一態様において、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基である。
一般式(I)中、Rは、炭素数(炭素原子数)3以上の炭化水素基を表す。なお、炭化水素基中には、ヘテロ原子(例えば、酸素原子(−O―)など)が含まれていてもよい。
上記炭化水素基中に含まれる炭素数は3以上であり、より矩形性の高い断面形状が得られる点、より良好な露光余裕度を示す点、及び/又は、より良好なPEB温度依存性を示す点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する。)で、炭素数は3〜10が好ましく、3〜5がより好ましく、3がさらに好ましい。
炭化水素基の好適態様の一つとしては、アルキル基、シクロアルキル基、又は、これらの組み合わせが挙げられる。より具体的には、炭素数3以上のアルキル基、炭素数3以上のシクロアルキル基が挙げられる。なお、Rは置換基(例えば、水酸基など)を有していてもよい。
上記アルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよいが、本発明の効果がより優れる点で、分岐鎖状であることが好ましい。
上記アルキル基の例としては、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基などが挙げられる。
上記シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。Rが炭素原子とともに形成する脂環構造としては、好ましくは、単環の脂環構造であり、その炭素数は好ましくは3〜7、より好ましくは5又は6である。言い換えれば、脂環構造は、3〜7員環が好ましく、5〜6員環がより好ましい。
脂環構造は、環を構成する炭素原子の一部が、ヘテロ原子、又は、ヘテロ原子を有する基で置換されていてもよい。環を構成し得るヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、ヘテロ原子を有する基としては、カルボニル基等が挙げられる。ただし、ヘテロ原子を有する基は、エステル基(エステル結合)ではないことが好ましい。
また、上記脂環構造は、炭素原子と水素原子とのみから形成されることが好ましい。
、R、及び、Rは、各々独立して、アルキル基を表す。アルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状である。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
なお、R〜Rの2つが互いに結合して環を形成することはない。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位の好適態様の一つとしては、以下の一般式(I−A)で表される繰り返し単位が挙げられる。なお、一般式(I−A)中のR及びRの定義は、上述の通りである。
樹脂中、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂中の全繰り返し単位に対して、10モル%以上である。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、12モル%以上が好ましい。上限は特に制限されないが、60モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。
樹脂中、一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、樹脂中の全繰り返し単位に対して、5モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位と一般式(II)で表される単位との含有比率(一般式(I)で表される繰り返し単位のモル量/一般式(II)で表される繰り返し単位のモル量)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.2〜10が好ましく、0.3〜1.0がより好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
(その他の繰り返し単位)
上記樹脂には、一般式(I)及び一般式(II)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位が含まれていてもよい。
樹脂は、一態様において、環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。この環状炭酸エステル構造は、環を構成する原子群として−O−C(=O)−O−で表される結合を含む環を有する構造である。環を構成する原子群として−O−C(=O)−O−で表される結合を含む環は、5〜7員環であることが好ましく、5員環であることが最も好ましい。このような環は、他の環と縮合し、縮合環を形成していてもよい。
樹脂は、ラクトン基又はスルトン(環状スルホン酸エステル)基を有する繰り返し単位を含有することが好ましく、言い換えれば、ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、樹脂は、シアノ基が置換されたラクトン構造又はスルトン(環状スルホン酸エステル)構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましく、シアノ基が置換されたラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位、及び、シアノ基が置換されていない(無置換の)ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位の2種を含有することがより好ましい。
なお、上記ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位が樹脂に含有される場合、当該ユニットの含有量と、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位の合計含有量とのモル比は特に制限されない。
ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環のラクトン構造又はスルトン構造であり、5〜7員環のラクトン構造又はスルトン構造に他の環構造が縮環してビシクロ構造、スピロ構造を形成している基が好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)のいずれかで表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造又はスルトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−8)であり、(LC1−4)であることがより好ましい。特定のラクトン構造又はスルトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
なお、酸分解性基は、アルカリ可溶性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂は、下記一般式(III)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。なお、一般式(III)で表される繰り返し単位は1種のみを使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、樹脂は、一般式(III)中のRがシアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)又はスルトン構造(シアノスルトン)を有する1価の有機基である繰り返し単位を含有することが好ましく、一般式(III)中のRがシアノ基を置換基として有するラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基である繰り返し単位、及び、一般式(III)中のRがシアノ基を置換基として有さないラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基である繰り返し単位の2種を含有することがより好ましい。
式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。Rが複数ある場合は、各Rは同一でも異なっていてもよい。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
又はウレア結合
を表す。ここで、Rは、各々独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。Zが複数ある場合は、各Zは同一でも異なっていてもよい。
は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜2の整数を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
のアルキレン基、シクロアルキレン基は置換基を有してよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。Rのアルキレン基、シクロアルキレン基、Rにおけるアルキル基は、各々、置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メルカプト基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等のアセトキシ基が挙げられる。Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレン基としては、炭素数3〜20のシクロアルキレン基であり、例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基は、ラクトン構造又はスルトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として上述した一般式(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)で表されるラクトン構造又はスルトン構造が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表される構造が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)におけるnは2以下であることがより好ましい。
また、Rは無置換のラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)又はスルトン構造(シアノスルトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
一般式(III)において、nが1又は2であることが好ましい。
以下に一般式(III)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
下記式中、Meはメチル基を表す。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(III−1)又は(III−1’)で表される繰り返し単位がより好ましい。
一般式(III−1)及び(III−1’)に於いて、
、A、R、Z、及びnは、上記一般式(III)と同義である。
’、A’、R’、Z’及びn’は、上記一般式(III)におけるR、A、R、Z及びnとそれぞれ同義である。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、Rが複数個ある場合には2つのRが結合し、環を形成していてもよい。Rが複数個ある場合、各Rは同一であっても、異なっていてもよい。
’は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、R’が複数個ある場合には2つのR’が結合し、環を形成していてもよい。R’が複数個ある場合、各R’は同一であっても、異なっていてもよい。
X及びX’は、それぞれ独立にアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
m及びm’は、置換基数であって、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m及びm’はそれぞれ独立に0又は1であることが好ましい。
及びR’のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を挙げることができる。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としてはヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、シアノ基、フッ素原子などのハロゲン原子を挙げることができる。R及びR’はメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、シアノ基であることが更に好ましい。
X及びX’のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。X及びX’は酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
m及びm’が1以上である場合、少なくとも1つのR及びR’は、ラクトンのカルボニル基またはスルトンのスルホキシド基のα位又はβ位に置換することが好ましく、特にα位に置換することが好ましい。
一般式(III−1)で表されるラクトン構造を有する基、及び、一般式(III−1’)で表されるスルトン構造を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜60モル%、更に好ましくは30〜50モル%である。
樹脂は、また、一般式(III)で表される単位以外にも、上述したラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の具体例として、上記に挙げた具体例に加え、以下を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
上記具体例の中で特に好ましい繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。最適なラクトン基又はスルトン基を選択することにより、パターンプロファイル、疎密依存性が良好となる。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、5〜50モル%が好ましく、より好ましくは10〜30モル%である。
樹脂は、一般式(III)以外の水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有していてもよい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
c〜Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
cは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、樹脂中に含まれていてもいなくてもよいが、含まれる場合、その含有量は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、5〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜30モル%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有してもよい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフルオロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、更にはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、0〜20モル%が好ましく、より好ましくは3〜15モル%、更に好ましくは5〜10モル%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH,CHOH,又はCFを表す。
本発明の樹脂は、更に極性基(例えば、アルカリ可溶性基、水酸基、シアノ基等)を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
上記一般式(IV)中、Rは少なくとも一つの環状構造を有し、極性基を有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3〜7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環、及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していてもよく、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基を挙げることができる。
上記水素原子が置換された基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
樹脂は、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有していても含有していなくてもよいが、含有する場合、この繰り返し単位の含有量は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは2〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
本発明の組成物に用いられる樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の組成物に用いられる樹脂において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の組成物に用いられる樹脂は実質的には芳香族基を有さないことが好ましい。より具体的には、樹脂の全繰り返し中、芳香族基を有する繰り返し単位が全体の5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、理想的には0モル%、すなわち芳香族基を有する繰り返し単位を有さないことが更に好ましい。また、樹脂は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
なお、樹脂は、後述する疎水性樹脂(HR)との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物に用いられる樹脂として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。また、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーも好ましい。
本発明の組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂は、更に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有することが好ましい。更に好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を有するが好ましい。
ヒドロキシスチレン系の好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位としては、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、1−アルコキシエトキシスチレン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルによる繰り返し単位等を挙げることができ、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位がより好ましい。
以下に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有する樹脂の一例を示す。
本発明における樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、更には後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
樹脂を回収する際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、樹脂の貧溶媒であればよく、樹脂の種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)又は水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、樹脂を含む溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿した樹脂は、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、樹脂が難溶或いは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、樹脂が難溶或いは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、樹脂溶液Aに、樹脂が難溶或いは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
また、組成物の調製後に樹脂が凝集することなどを抑制する為に、例えば、特開2009−037108号公報に記載のように、合成された樹脂を溶剤に溶解して溶液とし、その溶液を30℃〜90℃程度で30分〜4時間程度加熱するような工程を加えてもよい。
樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは5,000〜11,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6、更に好ましくは1.0〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布が小さいほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
なお、重量平均分子量及び分散度の測定は、下記条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて行う。具体的には、10wt%のプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート(PGMEA)溶液試料0.2gを秤量後、テトラヒドロフラン(THF)2mlを加えて均一に溶解させたものをフィルタ−でろ過し、測定溶液を作製する。この溶液を下記条件にてGPC測定する。
<GPC測定条件>
カラム:TSK gel HXLシリーズ
ガードカラム:TSK guard column MP(XL)
本カラム:TSK gel Multipore Hxl−M溶離液:THF注入量/流速:100μl/1.0ml/min恒温槽:40℃検出:RI検量線:ポリスチレン
本発明において樹脂の組成物全体中の含有率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは55〜95質量%である。
また、本発明の樹脂は、組成物中、1種のみ使用してもよいし、複数併用してもよい。更に、本発明の樹脂と、本発明の樹脂に該当しない樹脂を組み合わせて用いてもよい。その際、本発明の樹脂が、組成物中に含まれる全ての樹脂を基準として50質量%以上使用されることが好ましい。
[2]活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されないが、好ましい一例としては下記一般式(ZI)、(ZII)、又は(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
なお、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも1つと、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
としては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を有していてもよい。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他のZとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF )、弗素化硼素(例えば、BF )、弗素化アンチモン(例えば、SbF )等を挙げることができる。
としては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフルオロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、パーフルオロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
201、R202及びR203の有機基としては、アリール基(炭素数6〜15が好ましい)、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜10が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜15が好ましい)などが挙げられる。
201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、3つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。
201、R202及びR203としてのこれらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−,−S−,−CO−,−SO−などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
201、R202及びR203のうち少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046,0047、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
一般式(ZI)で表される化合物の更に好ましい例として、以下に説明する一般式(ZI−3)又は一般式(ZI−4)で表される化合物を挙げることができる。先ず、一般式(ZI-3)で表される化合物について説明する。
上記一般式(ZI−3)中、
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又はアルケニル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、
とRは、互いに連結して環を形成してもよく、
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシカルボニルシクロアルキル基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、この環構造は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
は、非求核性アニオンを表す。
としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-オクタデシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基などの分岐アルキル基を挙げることができる。Rのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては、シアノメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
としてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などを挙げることができる。Rのシクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。
としてのアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ブチルオキシ基が挙げられる。Rのアルコキシ基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。
としてのシクロアルコキシ基は、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルコキシ基であり、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基などを挙げることができる。Rのシクロアルコキシ基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。
としてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。Rのアリール基は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられる。置換基がアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基の場合、上述したRとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基及びシクロアルコキシ基と同様のものが挙げられる。
としてのアルケニル基は、ビニル基、アリル基が挙げられる。
及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよい。但し、R及びRのうち少なくとも1つは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R、Rについてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基の具体例及び好ましい例としては、Rについて前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。RとRが互いに連結して環を形成する場合、R及びRに含まれる環の形成に寄与する炭素原子の数の合計は、4〜7であることが好ましく、4又は5であることが特に好ましい。
とRは、互いに連結して環を形成してもよい。RとRが互いに連結して環を形成する場合、Rがアリール基(好ましくは置換基を有してもよいフェニル基又はナフチル基)であり、Rが炭素数1〜4のアルキレン基(好ましくはメチレン基又はエチレン基)であることが好ましく、好ましい置換基としては、上述したRとしてのアリール基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。RとRが互いに連結して環を形成する場合における他の形態として、Rがビニル基であり、Rが炭素数1〜4のアルキレン基であることも好ましい。
及びRにより表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
及びRにより表されるシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
及びRにより表されるアルケニル基は、好ましくは、2〜30のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、及びスチリル基を挙げることができる。
及びRにより表されるアリール基としては、例えば、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、フェナンスレニル基、ペナレニル基、フェナントラセニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、ピレニル基、ベンゾピレニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくは、フェニル基である。
及びRにより表される2-オキソアルキル基及びアルコキシカルボニルアルキル基のアルキル基部分としては、例えば、先にR及びRとして列挙したものが挙げられる。
及びRにより表される2-オキソシクロアルキル基及びアルコキシカルボニルシクロアルキル基のシクロアルキル基部分としては、例えば、先にR及びRyとして列挙したものが挙げられる。
は、例えば、前述の一般式(ZI)におけるZとして列挙したものが挙げられる。
一般式(ZI−3)で表される化合物は、好ましくは、以下の一般式(ZI−3a)及び(ZI−3b)で表される化合物である。
一般式(ZI−3a)及び(ZI−3b)において、R、R及びRは、上記一般式(ZI−3)で定義した通りである。
Yは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を表し、酸素原子又は窒素原子であることが好ましい。m、n、p及びqは整数を意味し、0〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。SとYを連結するアルキレン基は置換基を有してもよく、好ましい置換基としてはアルキル基が挙げられる。
は、Yが窒素原子である場合には1価の有機基を表し、Yが酸素原子又は硫黄原子である場合には存在しない。Rは、電子求引性基を含む基であることが好ましく、下記一般式(ZI−3a−1)〜(ZI−3a−4)で表される基であることが特に好ましい。
上記(ZI−3a−1)〜(ZI−3a−3)において、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、好ましくはアルキル基である。Rについてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基の具体例及び好ましい例としては、上記一般式(ZI−3)におけるRについて前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
上記(ZI−3a−1)〜(ZI−3a−4)において、*は一般式(ZI−3a)で表される化合物中のYとしての窒素原子に接続する結合手を表す。
Yが窒素原子である場合、Rは、−SO−Rで表される基であることが特に好ましい。Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、好ましくはアルキル基である。Rについてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基の具体例及び好ましい例としては、Rについて前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
は、例えば、前述の一般式(ZI)におけるZとして列挙したものが挙げられる。
一般式(ZI−3)で表される化合物は、特に好ましくは、以下の一般式(ZI−3a’)及び(ZI−3b’)で表される化合物である。
一般式(ZI−3a’)及び(ZI−3b’)において、R、R、R、Y及びRは、上記一般式(ZI−3a)及び(ZI−3b)で定義した通りである。
は、例えば、前述の一般式(ZI)におけるZとして列挙したものが挙げられる。
一般式(ZI−3)で表される化合物のカチオン部分の具体例を以下に挙げる。
次に、一般式(ZI−4)で表される化合物について説明する。
一般式(ZI−4)中、
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又はシクロアルキル基を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。R14が複数ある場合、各R14は同一であっても異なっていてもよい。
15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよく、環を構成する原子として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子などのヘテロ原子を含んでもよい。これらの基は置換基を有してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZと同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素数1〜10のものが好ましい。
13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、単環若しくは多環のシクロアルキル基が挙げられる。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素数1〜10のものが好ましい。
13及びR14のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素数2〜11のものが好ましい。
13及びR14のシクロアルキル基を有する基としては、単環若しくは多環のシクロアルキル基を有する基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素数1〜10のものが好ましい。
上記各基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個のR15が一般式(ZI−4)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環又は2,5−ジヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基又はシクロアルキル基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。環構造に対する置換基は、複数個存在してもよく、また、それらが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(ZI−4)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、及び2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましく、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基が特に好ましい。
13及びR14が有し得る置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
一般式(ZI−4)で表される化合物のカチオン部分の具体例を以下に挙げる。
以上説明した一般式(ZI−3)又は一般式(ZI−4)で表される化合物が有するカチオン構造の具体例としては、上述した、特開2004−233661号公報、特開2003−35948号公報、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に例示されている化合物等のカチオン構造の他、例えば、特開2011−53360号公報の段落0046、0047、0072〜0077、0107〜0110に例示されている化学構造等におけるカチオン構造、特開2011−53430号公報の段落0135〜0137、0151、0196〜0199に例示されている化学構造等におけるカチオン構造などが挙げられる。
一般式(ZII)及び一般式(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基と同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、例えば、前述の一般式(ZI)におけるZとして列挙したものが挙げられる。
また、一般式(ZI−3)又は(ZI−4)で表される化合物の他、下記一般式(I’)で表される化合物も酸発生剤として好ましい。下記一般式(I’)で表される化合物を使用することにより、露光光の透過性が向上し、LWR、DOF(Depth of Focus)が良化する。
上記一般式(I’)中、
X’は、酸素原子、硫黄原子又は−N(Rx)−を表す。
’及びR’はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
’〜R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基又はアリールカルボニルオキシ基を表す。
Rxは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表す。
’及びR’は互いに連結して環を形成していてもよい。また、R’〜R’中のいずれか2つ以上、R’とR’、R’とR’、R’とRx、R’とRxは、それぞれ、互いに連結して環を形成していてもよい。
X’は、吸光性(例えば、波長193nmにおける吸光度)を低く抑える観点から、硫黄原子又は−N(Rx)−であることが好ましい。
は、例えば、前述の一般式(ZI)におけるZとして列挙したものが挙げられる。
’〜R’、Rxとしてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基などの分岐アルキル基を挙げることができる。
なお、Rxについての置換基を有するアルキル基としては、シアノメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
’、R’についての置換基を有するアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
また、特に直鎖又は分岐アルキル基にシクロアルキル基が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)なども挙げられる。
’〜R’、Rxとしてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などを挙げることができる。
’〜R’、Rxとしてのアシル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜10のアシル基である。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基等が挙げられる。
Rxとしてのアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。
’〜R’としてのアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
’〜R’としてのアルコキシカルボニル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基である。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
’〜R’としてのアルキルカルボニルオキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基である。具体的には、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
’〜R’、Rxとしてのアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
’〜R’としてのアリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリールオキシ基であり、例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。
’〜R’、Rxとしてのアリールオキシカルボニル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
’〜R’としてのアリールカルボニルオキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜15のアリールカルボニルオキシ基であり、例えばフェニルカルボニルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
Rxとしてのアリールカルボニル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜15のアリールカルボニル基であり、例えばフェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基などが挙げられる。
’〜R’としてのアルキル基、R’〜R’、Rxとしてのシクロアルキル基、R’〜R’、Rxとしてのアシル基、R’〜R’としてのアルコキシ基、R’〜R’としてのアルコキシカルボニル基、R’〜R’としてのアルキルカルボニルオキシ基、R’〜R’、Rxとしてのアリール基、R’〜R’としてのアリールオキシ基、R’〜R’、Rxとしてのアリールオキシカルボニル基、R’〜R’としてのアリールカルボニルオキシ基、Rxとしてのアリールカルボニル基各々が更に有していてもよい置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)等が挙げられる。
’及びR’が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のR’及びR’(例えば、エチレン基、プロピレン基、1,2−シクロヘキシレン基等)が一般式(I’)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。ただし、酸アニオン発生の分解効率の観点から、R’及びR’は互いに結合して環を形成しないことが好ましい。
’〜R’中のいずれか2つ以上、R’とR’、R’とR’、R’とRx、R’とRxが互いに結合して形成してもよい環構造としては、好ましくは5員又は6員の環、特に好ましくは6員の環が挙げられる。
’、R’としては、アルキル基又はアリール基であることが特に好ましい。
’〜R’の特に好ましい例としては、置換基を有してもよいアルキル基、又は水素原子が挙げられるが、ArFレジスト用途で用いる場合には、193nmの吸収強度の点で水素原子が特に好ましい。
Rxとしては、アルキル基又はアシル基であることが特に好ましい。
次に、非求核性アニオンZ-の好ましい構造である一般式(2)、一般式(2’)及び一般式(2’’)について説明する。
まず、一般式(2)で表されるスルホン酸アニオンについて説明する。
一般式(2)中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状構造を含む有機基を表す。
xは、1〜20の整数を表す。yは、0〜10の整数を表す。zは、0〜10の整数を表す。
一般式(2)のアニオンについて、更に詳しく説明する。
Xfは、上記の通り、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基であり、フッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfとして、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。具体的には、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもフッ素原子、CFが好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
及びRは、上記の通り、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、アルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましい。さらに好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R及びRの少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例としては、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
Lは、2価の連結基を表し、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(Ri)−(式中、Riは水素原子又はアルキルを表す)、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基などが挙げられ、−COO−、−OCO−、−CO−、−SO−、−CON(Ri)−、−SON(Ri)−、−CON(Ri)−アルキレン基−、−N(Ri)CO−アルキレン基−、−COO−アルキレン基−又は−OCO−アルキレン基−であることが好ましく、−COO−、−OCO−、−SO−、−CON(Ri)−又は−SON(Ri)−であることがより好ましい。複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Riとしてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基などの分岐アルキル基を挙げることができる。置換基を有するアルキル基としては、シアノメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
Aの環状構造を含む有機基としては、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香属性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含み、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環構造も含む。)等が挙げられる。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、ノルボルネン−イル基、トリシクロデカニル基(例えば、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル基)、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。また、ピペリジン基、デカヒドロキノリン基、デカヒドロイソキノリン基等の窒素原子含有脂環基も好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基、デカヒドロキノリン基、デカヒドロイソキノリン基といった炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性を抑制でき、露光ラチチュード向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、アントラセン環が挙げられる。中でも193nmにおける光吸光度の観点から低吸光度のナフタレンが好ましい。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環が挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環が好ましい。
上記環状構造を含む有機基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基、シアノ基等が挙げられる。
なお、環状構造を含む有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
xは1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、1が特に好ましい。yは0〜4が好ましく、0又は1がより好ましく、0が更に好ましい。zは0〜8が好ましく、0〜4がより好ましく、1が更に好ましい。
また、本発明の一形態において、一般式(2)で表されるアニオンに含まれるフッ素原子数は2又は3であることが好ましい。これにより、樹脂(A)との併用による効果を更に高めることができる。
次に、一般式(2’)で表されるジスルホニルイミド酸アニオン、一般式(2’’)で表されるトリスルホニルメチド酸アニオンについて説明する。
一般式(2’)及び一般式(2’’)中、
Xfは、上記一般式(2)で定義した通りであり、好ましい例も同様である。一般式(2’)において、2つのXfは互いに連結して環構造を形成してもよい。
についてのジスルホニルイミド酸アニオンとしては、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンであることが好ましい。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおける2つのアルキル基が互いに連結してアルキレン基(好ましくは炭素数2〜4)を成し、イミド基及び2つのスルホニル基とともに環を形成していてもよい。ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンが形成していてもよい上記の環構造としては、5〜7員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。
これらのアルキル基、及び2つのアルキル基が互いに連結して成すアルキレン基が有し得る置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
としては、下記一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオンも好ましい。
上記一般式(B−1)中、
b1は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基(CF)を表す。
nは0〜4の整数を表す。
nは0〜3の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
b1は単結合、アルキレン基、エーテル結合、エステル結合(−OCO−若しくは−COO−)、スルホン酸エステル結合(−OSO−若しくは−SO−)、又はそれらの組み合わせを表す。
b1はエステル結合(−OCO−若しくは−COO−)又はスルホン酸エステル結合(−OSO−若しくは−SO−)であることが好ましく、エステル結合(−OCO−若しくは−COO−)であることがより好ましい。
b2は炭素数6以上の有機基を表す。
b2についての炭素数6以上の有機基としては、嵩高い基であることが好ましく、炭素数6以上の、アルキル基、脂環基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
b2についての炭素数6以上のアルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数6〜20の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、例えば、直鎖又は分岐ヘキシル基、直鎖又は分岐ヘプチル基、直鎖又は分岐オクチル基などが挙げられる。嵩高さの観点から分岐アルキル基であることが好ましい。
b2についての炭素数6以上の脂環基としては、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの炭素数7以上の嵩高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性の抑制及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor)の向上の観点から好ましい。
b2についての炭素数6以上のアリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。中でも、193nmにおける光吸光度が比較的低いナフチル基が好ましい。
b2についての炭素数6以上の複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよいが、多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、及びジベンゾチオフェン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環、及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。
上記Rb2についての炭素数6以上の有機基は、更に置換基を有していてもよい。この更なる置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであってもよく、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。なお、上述の脂環基、アリール基、又は複素環基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオン構造の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
としては、下記一般式(A−I)で表されるスルホン酸アニオンも好ましい。
一般式(A−I)中、
は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
は、2価の連結基である。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
及びnは、それぞれ独立して、0又は1である。
上記Rで表されるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましい。上記アルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−(2−メチルプロピル)基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(2−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(2−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基、3−(3−メチルペンチル)基等が挙げられる。
また、上記アルキル基は置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては、少なくとも1つのフッ素原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
上記Rで表されるアルキル基は、メチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
上記Rで表される1価の脂環式炭化水素基は、炭素数が5以上であることが好ましい。また、1価の脂環式炭化水素基は、炭素数が20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。上記1価の脂環式炭化水素基は、単環の脂環式炭化水素基であっても、多環の脂環式炭化水素基であってもよい。脂環式炭化水素基の−CH−の一部が、−O−や−C(=O)−と置換されていても良い。
単環の脂環式炭化水素基としては、炭素数5〜12のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロドデカニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクタジエニル基、ピペリジン環基等が挙げられ、特に、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基が好ましい。
多環の脂環式炭化水素基としては、炭素数10〜20のものが好ましく、ビシクロ[4.3.0]ノナニル基、デカヒドロナフタレニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル基、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ボルニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、1,7,7−トリメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル基、3,7,7−トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタニル基、デカヒドロイソキノリン環基等が挙げられ、ノルボルニル基、アダマンチル基、ノルアダマンチル基が好ましい。
上記Rで表されるアリール基は、炭素数が6以上であることが好ましい。またアリール基は炭素数が20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。
上記Rで表されるヘテロアリール基は、炭素数が2以上であることが好ましい。また、ヘテロアリール基は炭素数が20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。
上記アリール基、ヘテロアリール基は、単環式アリール基、単環式ヘテロアリール基であっても、多環式アリール基、多環式ヘテロアリール基であってもよい。
単環式のアリール基としては、フェニル基等が挙げられる。
多環式のアリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
単環式のヘテロアリール基としては、ピリジル基、チエニル基、フラニル基等が挙げられる。
多環式のヘテロアリール基としては、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。
上記Rとしての1価の脂環式炭化水素基、アリール基、及び、ヘテロアリール基は、更に置換基を有していてもよく、このような更なる置換基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基が挙げられる。
は、シクロヘキシル基、又は、アダマンチル基であることが特に好ましい。
上記Rで表される2価の連結基としては、特に限定されないが、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO−、−SO−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜30のアルキレン基)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜30のシクロアルキレン基)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜30のアルケニレン基)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基)、ヘテロアリーレン基(好ましくは炭素数2〜30のヘテロアリーレン基)、及び、これらの2種以上が組み合わされた基を挙げることができる。上記のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基は、置換基を更に有していてもよく、そのような置換基の具体例は、Rとしての1価の脂環式炭化水素基、アリール基、及び、ヘテロアリール基が更に有していてもよい置換基について前述したものと同様である。
上記Rで表される2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が特に好ましい。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。このアルキル基の炭素数は、1〜30であることが好ましく、1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Rfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。より具体的には、Rfは、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、又はCHCHであることが好ましく、フッ素原子又はCFであることがより好ましい。
は1であることが好ましい。
は1であることが好ましい。
上記一般式(A−I)で表されるスルホン酸アニオンの好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔一般式(A−I)で表されるスルホン酸アニオン〕
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZV)で表される化合物も挙げられる。
一般式(ZV)中、
208はアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
208のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI)におけるR201〜R203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
208のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI)におけるR201〜R203としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。
また、酸発生剤は、(酸発生剤中に含まれる全フッ素原子の質量の合計)/(酸発生剤中に含まれる全原子の質量の合計)により表されるフッ素含有率が0.30以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.20以下であることが更に好ましく、0.15以下であることが特に好ましく、0.10以下であることが最も好ましい。
(好適態様)
酸発生剤の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物が挙げられ、塩であることがより好ましい。
以下、酸発生剤がイオン性化合物の場合の好適態様について詳述する。
酸発生剤の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオンが上記一般式(2)で表されるスルホン酸アニオンである態様が挙げられる。一般式(2)で表されるスルホン酸アニオンの説明は、上述の通りである。
なお、カチオンの種類は特に制限されず、公知のカチオンを使用することができ、例えば、上述した一般式(ZI)又は(ZII)中のカチオン(カチオン構造部)が挙げられる。
酸発生剤の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオンが上記一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオンである態様が挙げられる。一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオンの説明は、上述の通りである。
なお、カチオンの種類は特に制限されず、公知のカチオンを使用することができ、例えば、上述した一般式(ZI)又は(ZII)中のカチオン(カチオン構造部)が挙げられる。
酸発生剤の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点でカチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオン中に含まれるフッ素原子数が2〜3個である態様が挙げられる。
アニオンの種類は特に制限されず、公知のアニオンを使用することができ、例えば、上記一般式(2)(又は、一般式(B−1))で表されるスルホン酸アニオンや、一般式(2’)で表されるジスルホニルイミド酸アニオン、又は、一般式(2’’)で表されるトリスルホニルメチド酸アニオンが挙げられる。
なお、カチオンの種類は特に制限されず、公知のカチオンを使用することができ、例えば、上述した一般式(ZI)又は(ZII)中のカチオン(カチオン構造部)が挙げられる。
酸発生剤の好適態様としては、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、カチオンが一般式(ZI−3A)で表されるカチオン又は一般式(ZI−4)で表されるカチオンである態様が挙げられる。
一般式(ZI−3A)及び一般式(ZI−4A)で表されるカチオンは、それぞれ上述した一般式(ZI−3)及び一般式(ZI−4)で表される酸発生剤中のカチオンに該当し、 一般式(ZI−3A)及び一般式(ZI−4A)中の各基の定義は上述の通りである。
アニオンの種類は特に制限されず、公知のアニオンを使用することができ、例えば、上記一般式(2)(又は、一般式(B−1))で表されるスルホン酸アニオンや、一般式(2’)で表されるジスルホニルイミド酸アニオン、一般式(2’’)で表されるトリスルホニルメチド酸アニオンが挙げられる。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは3〜25質量%、更に好ましくは7〜20質量%である。
[3]疎水性樹脂
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、特に液浸露光に適用する際、組成性樹脂(以下、「疎水性樹脂(HR)」ともいう)が含有されていてもよい。これにより、膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角を向上させ、液浸液追随性を向上させることができる。また、本発明の組成物を、極紫外光(EUV光)でのパターニングに適用する場合は、疎水性樹脂(HR)を適用することで、いわゆるアウトガスを抑制することが期待できる。
疎水性樹脂(HR)は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有することが好ましい。疎水性樹脂(HR)に於けるフッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4であり、更に他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更に他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更に他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)のいずれかで表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61の少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ及びR65〜R68の少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、フルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62及びR63がパーフルオロアルキル基であるとき、R64は水素原子であることが好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、−CH(CF)OH等が挙げられ、−C(CFOHが好ましい。
フッ素原子を含む部分構造は、主鎖に直接結合してもよく、更に、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレイレン結合よりなる群から選択される基、あるいはこれらの2つ以上を組み合わせた基を介して主鎖に結合してもよい。
フッ素原子を有する好適な繰り返し単位としては、以下に示すものが挙げられる。
式(C−Ia)〜(C−Id)中、R10及びR11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる。
〜Wは、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には上記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
また、疎水性樹脂は、これら以外にも、フッ素原子を有する繰り返し単位として下記に示すような単位を有していてもよい。
式(C−II)及び(C−III)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表す。アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる。
ただし、R〜Rの少なくとも1つはフッ素原子を表す。RとR若しくはRとRは環を形成していてもよい。
は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には上記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
は、単結合、あるいは2価の連結基を示す。2価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−(式中、Rは水素原子又はアルキルを表す)、−NHSO−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を示す。
Qは脂環式構造を表す。脂環式構造は置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよく、多環型の場合は有橋式であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。Qとして特に好ましくはノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。
疎水性樹脂は、珪素原子を含有してもよい。
珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有することが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
〜Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレイレン結合よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
フッ素原子又は珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位は、(メタ)アクリレート系繰り返し単位であることが好ましい。
フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位の具体例としては米国公開特許公報2012/0135348号の段落0576に開示されている繰り返し単位を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
疎水性樹脂は、下記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する繰り返し単位(b)を有することが好ましい。
(x)アルカリ可溶性基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、「極性変換基」ともいう。)
(z)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基
繰り返し単位(b)としては、以下の類型が挙げられる。
・1つの側鎖上に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかと、上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する繰り返し単位(b’)
・上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有し、かつ、フッ素原子及び珪素原子を有さない繰り返し単位(b*)
・1つの側鎖上に上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有し、かつ、同一繰り返し単位内の上記側鎖と異なる側鎖上に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(b”)
疎水性樹脂は、繰り返し単位(b)として繰り返し単位(b’)を有することがより好ましい。すなわち、上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する繰り返し単位(b)が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有することがより好ましい。
なお、疎水性樹脂が、繰り返し単位(b*)を有する場合、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(上記繰り返し単位(b’)、(b”)とは異なる繰り返し単位)とのコポリマーであることが好ましい。また、繰り返し単位(b”)における、上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する側鎖とフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する側鎖とは、主鎖中の同一の炭素原子に結合している、すなわち下記式(K1)のような位置関係にあることが好ましい。
式中、B1は上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する部分構造、B2はフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する部分構造を表す。
上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる基は、好ましくは、(x)アルカリ可溶性基又は(y)極性変換基であり、(y)極性変換基であることがより好ましい。
アルカリ可溶性基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位(bx)としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、又は、連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、更にはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。
繰り返し単位(bx)が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位である場合(すなわち、上記繰り返し単位(b’)又は(b”)に相当する場合)、繰り返し単位(bx)におけるフッ素原子を有する部分構造としては、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位において挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましくは、上記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができる。またこの場合、繰り返し単位(bx)における珪素原子を有する部分構造は、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位において挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましくは上記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を挙げることができる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位(bx)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位(bx)の具体例としては米国公開特許公報2012/0135348号の段落0595に開示されている繰り返し単位を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
極性変換基(y)としては、例えば、ラクトン基、カルボン酸エステル基(−COO−)、酸無水物基(−C(O)OC(O)−)、酸イミド基(−NHCONH−)、カルボン酸チオエステル基(−COS−)、炭酸エステル基(−OC(O)O−)、硫酸エステル基(−OSOO−)、スルホン酸エステル基(−SOO−)などが挙げられ、好ましくはラクトン基である。
極性変換基(y)は、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位中に含まれることにより、樹脂の側鎖に導入される形態、あるいは極性変換基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入される形態のいずれも好ましい。
極性変換基(y)を有する繰り返し単位(by)の具体例としては、後述の式(KA−1−1)〜(KA−1−17)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を挙げることができる。
更に、極性変換基(y)を有する繰り返し単位(by)は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位である(すなわち、上記繰り返し単位(b’)、(b”)に相当する)ことが好ましい。上記繰り返し単位(by)を有する樹脂は疎水性を有するものであるが、特に現像欠陥の低減の点で好ましい。
繰り返し単位(by)として、例えば、式(K0)で示される繰り返し単位を挙げることができる。
式中、Rk1は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
k2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
但し、Rk1、Rk2の少なくとも一方は、極性変換基を含む基を表す。
極性変換基とは、上述したようにアルカリ現像液の作用により分解しアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を表す。極性変換基としては、一般式(KA−1)又は(KB−1)で表される部分構造におけるXで表される基であることが好ましい。
一般式(KA−1)又は(KB−1)におけるXは、カルボン酸エステル基:−COO−、酸無水物基:−C(O)OC(O)−、酸イミド基:−NHCONH−、カルボン酸チオエステル基:−COS−、炭酸エステル基:−OC(O)O−、硫酸エステル基:−OSOO−、スルホン酸エステル基:−SOO−を表す。
及びYは、それぞれ同一でも異なってもよく、電子求引性基を表す。
なお、繰り返し単位(by)は、一般式(KA−1)又は(KB−1)で表される部分構造を有する基を有することで、好ましいアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有するが、一般式(KA−1)で表される部分構造、Y及びYが1価である場合の(KB−1)で表される部分構造の場合のように、部分構造が結合手を有しない場合は、部分構造を有する基とは、部分構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
一般式(KA−1)又は(KB−1)で表される部分構造は、任意の位置で置換基を介して疎水性樹脂の主鎖に連結している。
一般式(KA−1)で表される部分構造は、Xとしての基とともに環構造(例えば、脂環式構造)を形成する構造である。
一般式(KA−1)におけるXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(即ち、KA−1としてラクトン環構造を形成する場合)、及び酸無水物基、炭酸エステル基である。より好ましくはカルボン酸エステル基である。
一般式(KA−1)で表される環構造は、置換基を有していてもよく、例えば、置換基Zka1をnka個有していてもよい。
ka1は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基、ラクトン環基、又は電子求引性基を表す。Zka1が複数ある場合は、各Zka1は同一であっても異なっていてもよい。
ka1同士が連結して環を形成してもよい。Zka1同士が連結して形成する環としては、例えば、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられる。
nkaは0〜10の整数を表す。好ましくは0〜8の整数、より好ましくは0〜5の整数、更に好ましくは1〜4の整数、最も好ましくは1〜3の整数である。
ka1としての電子求引性基は、後述のY及びYとしての電子求引性基と同様である。なお、上記電子求引性基は、別の電子求引性基で置換されていてもよい。
ka1は好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、又は電子求引性基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又は電子求引性基である。なお、エーテル基としては、アルキル基又はシクロアルキル基等で置換されたもの、すなわち、アルキルエーテル基等が好ましい。電子求引性基は上記と同義である。
ka1としてのハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ka1としてのアルキル基は置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、更に好ましくは1〜20である。分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30、更に好ましくは3〜20である。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
ka1としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよい。多環型の場合、シクロアルキル基は有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は橋かけ構造を有していてもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、米国公開特許公報2012/0135348号の段落0619に開示されている構造式(1)〜(50)も好ましい。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記脂環部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
これらの脂環式構造の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
また、上記基は更に置換基を有していてもよい。
一般式(KA−1)におけるXがカルボン酸エステル基であり、一般式(KA−1)が示す部分構造がラクトン環であることが好ましく、5〜7員環ラクトン環であることが好ましい。
なお、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)におけるように、一般式(KA−1)で表される部分構造としての5〜7員環ラクトン環に、ビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環していることが好ましい。
一般式(KA−1)で表される環構造が結合してもよい周辺の環構造については、例えば、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)におけるもの、又はこれに準じたものを挙げることができる。
一般式(KA−1)が示すラクトン環構造を含有する構造として、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)のいずれかで表される構造がより好ましい。なお、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、(KA−1−1)、(KA−1−4)、(KA−1−5)、(KA−1−6)、(KA−1−13)、(KA−1−14)、(KA−1−17)である。
上記ラクトン環構造を含有する構造は、置換基を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基としては、上記一般式(KA−1)が示す環構造が有してもよい置換基Zka1と同様のものが挙げられる。
一般式(KB−1)のXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(−COO−)を挙げることができる。
一般式(KB−1)におけるY及びYは、それぞれ独立に、電子求引性基を表す。
電子求引性基は、下記式(EW)で示す部分構造である。式(EW)における*は(KA−1)に直結している結合手、又は(KB−1)中のXに直結している結合手を表す。
式(EW)中、
ew1、Rew2は、各々独立して任意の置換基を表し、例えば水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
ewは−C(Rew1)(Rew2)−で表される連結基の繰り返し数であり、0又は1の整数を表す。newが0の場合は単結合を表し、直接Yew1が結合していることを示す。
ew1は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基、オキシ基、カルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、及びこれらの組み合わせをあげることができ、電子求引性基は例えば下記構造であってもよい。なお、「ハロ(シクロ)アルキル基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアルキル基及びシクロアルキル基を表し、「ハロアリール基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアリール基を表す。下記構造式において、Rew3、Rew4は、各々独立して任意の構造を表す。Rew3、Rew4はどのような構造でも式(EW)で表される部分構造は電子求引性を有し、例えば樹脂の主鎖に連結していてもよいが、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、フッ化アルキル基である。
ew1が2価以上の基である場合、残る結合手は、任意の原子又は置換基との結合を形成するものである。Yew1、Rew1、Rew2の少なくとも何れかの基が更なる置換基を介して疎水性樹脂の主鎖に連結していてもよい。
ew1は、好ましくはハロゲン原子、又は、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。
ew1、Rew2及びYew1の少なくとも2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
ここでRf1はハロゲン原子、パーハロアルキル基、パーハロシクロアルキル基、又はパーハロアリール基を表し、より好ましくはフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロシクロアルキル基、更に好ましくはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。
f2、Rf3は各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は有機基を表し、Rf2とRf3とが連結して環を形成してもよい。有機基としては例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基等を表す。Rf2はRf1と同様の基を表すか、又はRf3と連結して環を形成していることがより好ましい。
f1〜Rf3とは連結して環を形成してもよく、形成する環としては、(ハロ)シクロアルキル環、(ハロ)アリール環等が挙げられる。
f1〜Rf3における(ハロ)アルキル基としては、例えば前述したZka1におけるアルキル基、及びこれがハロゲン化した構造が挙げられる。
f1〜Rf3における、又は、Rf2とRf3とが連結して形成する環における(パー)ハロシクロアルキル基及び(パー)ハロアリール基としては、例えば前述したZka1におけるシクロアルキル基がハロゲン化した構造、より好ましくは−C(n)(2n−2)Hで表されるフルオロシクロアルキル基、及び、−C(n)(n−1)で表されるパーフルオロアリール基が挙げられる。ここで炭素数nは特に限定されないが、5〜13のものが好ましく、6がより好ましい。
ew1、Rew2及びYew1の少なくとも2つが互いに連結して形成してもよい環としては、好ましくはシクロアルキル基又はヘテロ環基が挙げられ、ヘテロ環基としてはラクトン環基が好ましい。ラクトン環としては、例えば上記式(KA−1−1)〜(KA−1−17)で表される構造が挙げられる。
なお、繰り返し単位(by)中に、一般式(KA−1)で表される部分構造を複数、あるいは、一般式(KB−1)で表される部分構造を複数、あるいは、一般式(KA−1)で表される部分構造と一般式(KB−1)で表される部分構造の両方を有していてもよい。
なお、一般式(KA−1)の部分構造の一部又は全部が、一般式(KB−1)におけるY又はYとしての電子求引性基を兼ねてもよい。例えば、一般式(KA−1)のXがカルボン酸エステル基である場合、そのカルボン酸エステル基は一般式(KB−1)におけるY又はYとしての電子求引性基として機能することもあり得る。
また、繰り返し単位(by)が、上記繰り返し単位(b*)又は繰り返し単位(b”)に該当し、かつ、一般式(KA−1)で表される部分構造を有する場合、一般式(KA−1)で表される部分構造は、極性変換基が、一般式(KA−1)で示す構造における−COO−で表される部分構造であることがより好ましい。
繰り返し単位(by)は、一般式(KY−0)で表わされる部分構造を有する繰り返し単位でありえる。
一般式(KY−0)に於いて、
は、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
は、構成炭素上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換され、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。
は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はR−C(=O)−若しくはR−C(=O)O−で表される基(Rは、アルキル基若しくはシクロアルキル基を表す。)を表す。Rが複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよく、また、2つ以上のRが結合し、環を形成していてもよい。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
Z、Zaは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。
oは、置換基数であって、1〜7の整数を表す。
mは、置換基数であって、0〜7の整数を表す。
nは、繰り返し数を表し、0〜5の整数を表す。
−R−Z−の構造として好ましくは、−(CH−COO−で表される構造が好ましい(lは1〜5の整数を表す)。
としての鎖状若しくは環状アルキレン基の好ましい炭素数範囲及び具体例は、一般式(III)のRにおける好ましい鎖状アルキレン基及び好ましいシクロアルキレン基で説明したものと同様である。
としての直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基の炭素数は、直鎖状の場合、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20であり、分岐状の場合、好ましくは3〜30、更に好ましくは3〜20であり、環状の場合、6〜20である。Rの具体例としては、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例を挙げることができる。
及びRとしてのアルキル基及びシクロアルキル基における好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
としてのアシル基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基などを挙げることができる。
としてのアルコキシ基及びアルコキシカルボニル基におけるアルキル部位としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル部位を挙げることができ、アルキル部位の好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
Xとしてのアルキレン基としては、鎖状若しくは環状アルキレン基を挙げることができ、好ましい炭素数及びその具体例は、Rとしての鎖状アルキレン基及び環状アルキレン基で説明したものと同様である。
また、繰り返し単位(by)の具体的な構造として、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位も挙げられる。
一般式(rf−1)及び(rf−2)中、
X’は、電子求引性の置換基を表し、好ましくは、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、フッ素原子で置換されているアルキレン基、フッ素原子で置換されているシクロアルキレン基である。
Aは、単結合又は−C(Rx)(Ry)−で表される2価の連結基を表す。ここで、Rx、Ryは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6で、フッ素原子等で置換されていてもよい)、又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜12で、フッ素原子等で置換されていてもよい)を表す。Rx,Ryとして好ましくは、水素原子、アルキル基、フッ素原子で置換されているアルキル基である。
Xは、電子求引性基を表し、その具体例としては、前述のY及びYとしての電子求引性基を挙げることができ、好ましくは、フッ化アルキル基、フッ化シクロアルキル基、フッ素又はフッ化アルキル基で置換されているアリール基、フッ素又はフッ化アルキル基で置換されているアラルキル基、シアノ基、ニトロ基である。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。即ち、単結合あるいは連結基を通じて樹脂の主鎖に結合する結合手を表す。
なお、X’がカルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基であるとき、Aは単結合ではない。
極性変換基がアルカリ現像液の作用により分解し極性変換がなされることによって、アルカリ現像後のレジスト膜の水との後退接触角を下げることが出来る。アルカリ現像後における膜の水との後退接触角が下がることは、現像欠陥の抑制の観点から好ましい。
アルカリ現像後のレジスト膜の水との後退接触角は、温度23±3℃、湿度45±5%において50°以下であることが好ましく、より好ましくは40°以下、更に好ましくは35°以下、最も好ましくは30°以下である。
後退接触角とは、液滴−基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は0.001nm/秒以上であることが好ましく、0.01nm/秒以上であることがより好ましく、0.1nm/秒以上であることが更に好ましく、1nm/秒以上であることが最も好ましい。
ここで疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は23℃のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)(2.38質量%)に対して、疎水性樹脂のみで樹脂膜を製膜した際の膜厚が減少する速度である。
また、繰り返し単位(by)は、少なくとも2つ以上の極性変換基を有する繰り返し単位であることがより好ましい。
繰り返し単位(by)が少なくとも2つの極性変換基を有する場合、下記一般式(KY−1)で示す、2つの極性変換基を有する部分構造を有する基を有することが好ましい。なお、一般式(KY−1)で表される構造が、結合手を有さない場合は、この構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
一般式(KY−1)において、
ky1、Rky4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。或いは、Rky1、Rky4が同一の原子と結合して二重結合を形成していてもよく、例えばRky1、Rky4が同一の酸素原子と結合してカルボニル基の一部(=O)を形成してもよい。
ky2、Rky3はそれぞれ独立して電子求引性基であるか、又はRky1とRky2が連結してラクトン環を形成するとともにRky3が電子求引性基である。形成するラクトン環としては、上記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、上記式(KB−1)におけるY、Yと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、又は、上記−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。好ましくはRky3がハロゲン原子、又は、上記−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基であり、Rky2はRky1と連結してラクトン環を形成するか、ハロゲン原子を有さない電子求引性基である。
ky1、Rky2、Rky4はそれぞれ互いに連結して単環又は多環構造を形成してもよい。
ky1、Rky4は具体的には式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
ky1とRky2が連結して形成するラクトン環としては、上記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、上記式(KB−1)におけるY、Yと同様のものが挙げられる。
一般式(KY−1)で表される構造としては、下記一般式(KY−2)で示す構造であることがより好ましい。なお、一般式(KY−2)で表される構造は、この構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
式(KY−2)中、
ky6〜Rky10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。
ky6〜Rky10は、2つ以上が互いに連結して単環又は多環構造を形成してもよい。
ky5は電子求引性基を表す。電子求引性基は上記Y、Yにおけるものと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、又は、上記−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。
ky5〜Rky10は具体的には式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
式(KY−2)で表される構造は、下記一般式(KY−3)で示す部分構造であることがより好ましい。
式(KY−3)中、Zka1、nkaは各々上記一般式(KA−1)と同義である。Rky5は上記式(KY−2)のRky5と同義である。
kyはアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Lkyのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Lkyは酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
繰り返し単位(b)は、付加重合、縮合重合、付加縮合、等、重合により得られる繰り返し単位であれば限定されるものではないが、炭素−炭素2重結合の付加重合により得られる繰り返し単位であることが好ましい。例として、アクリレート系繰り返し単位(α位、β位に置換基を有する系統も含む)、スチレン系繰り返し単位(α位、β位に置換基を有する系統も含む)、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位、マレイン酸誘導体(マレイン酸無水物やその誘導体、マレイミド、等)の繰り返し単位、等を挙げることが出来、アクリレート系繰り返し単位、スチレン系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位が好ましく、アクリレート系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位が好ましく、アクリレート系繰り返し単位が最も好ましい。
繰り返し単位(by)が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位である場合(すなわち、上記繰り返し単位(b’)又は(b”)に相当する場合)、繰り返し単位(by)におけるフッ素原子を有する部分構造としては、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位において挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましくは、上記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができる。またこの場合、繰り返し単位(by)における珪素原子を有する部分構造は、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位において挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましくは上記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を挙げることができる。
疎水性樹脂に於ける、繰り返し単位(by)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、10〜100mol%が好ましく、より好ましくは20〜99mol%、更に好ましくは30〜97mol%、最も好ましくは40〜95mol%である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位(by)の具体例としては米国公開特許公報2012/0135348号の段落0725に開示されている繰り返し単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上述したような極性変換基(y)を有する繰り返し単位(by)に対応するモノマーの合成方法としては、例えば、国際公開第2010/067905号、又は国際公開第2010/067905号等に記載の方法を参考にして合成することができる。
疎水性樹脂に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位(bz)は、樹脂で挙げる酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
繰り返し単位(bz)が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位である場合(すなわち、上記繰り返し単位(b’)又は(b”)に相当する場合)、繰り返し単位(bz)におけるフッ素原子を有する部分構造としては、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位において挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましくは、上記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができる。またこの場合、繰り返し単位(by)における珪素原子を有する部分構造は、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位において挙げたものと同様のものが挙げられ、好ましくは上記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を挙げることができる。
疎水性樹脂に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位(bz)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
以上、上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する繰り返し単位(b)について説明したが、疎水性樹脂に於ける、繰り返し単位(b)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜98mol%が好ましく、より好ましくは3〜98mol%、更に好ましくは5〜97mol%、最も好ましくは10〜95mol%である。
繰り返し単位(b’)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜100mol%が好ましく、より好ましくは3〜99mol%、更に好ましくは5〜97mol%、最も好ましくは10〜95mol%である。
繰り返し単位(b*)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜90mol%が好ましく、より好ましくは3〜80mol%、更に好ましくは5〜70mol%、最も好ましくは10〜60mol%である。繰り返し単位(b*)と共に用いられる、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、10〜99mol%が好ましく、より好ましくは20〜97mol%、更に好ましくは30〜95mol%、最も好ましくは40〜90mol%である。
繰り返し単位(b”)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜100mol%が好ましく、より好ましくは3〜99mol%、更に好ましくは5〜97mol%、最も好ましくは10〜95mol%である。
疎水性樹脂は、更に、下記一般式(CIII)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
一般式(CIII)に於いて、
c31は、水素原子、アルキル基(フッ素原子等で置換されていてもよい)、シアノ基又は−CH−O−Rac基を表す。式中、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子を含む基等で置換されていてもよい。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(CIII)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のフェニル基、ナフチル基が好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
c32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されているアルキル基が好ましい。
c3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
以下に一般式(CIII)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。なお、RaがCFである場合の繰り返し単位は、上記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位にも相当する。
疎水性樹脂は、上述した樹脂と同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジスト組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜3の範囲が好ましく、より好ましくは1〜2、更に好ましくは1〜1.8、最も好ましくは1〜1.5の範囲である。
疎水性樹脂は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、上述した樹脂(より詳細には、上述した、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する樹脂)で説明した内容と同様である。
以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。また、下記の表1に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(具体例に示した各樹脂における各繰り返し単位の位置関係と、表1における組成比の数字の位置関係は対応する)、重量平均分子量、分散度を示す。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物からなる塗膜をベークした後で且つ露光前の膜の後退接触角は露光時の温度、通常室温23±3℃、湿度45±5%において60°〜90°が好ましく、より好ましくは65°以上、更に好ましくは70°以上、特に好ましくは75°以上である。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
疎水性樹脂は、疎水的であるためアルカリ現像後に現像残渣(スカム)、BLOB欠陥が悪化しやすいが、少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有することで直鎖型樹脂に比べ、アルカリ溶解速度が向上するため現像残渣(スカム)、BLO欠陥性能が改善される。
疎水性樹脂がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、10〜100モル%であることが好ましく、30〜100モル%であることがより好ましい。
疎水性樹脂が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂の全繰り返し単位に対し、10〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましい。
疎水性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、更に好ましくは3,000〜35,000である。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の疎水性樹脂の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂膜の後退接触角が上記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.01〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%であり、特に好ましくは0.2〜8質量%である。
疎水性樹脂は1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
[4]酸拡散制御剤(クエンチャー)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、酸拡散制御剤(クエンチャー)を含有することが好ましい。酸拡散制御剤は、酸発生剤等から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものである。酸拡散制御剤としては、塩基性化合物、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物、オニウム塩(酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩)、ベタイン化合物を使用することができ、以下に例示する。
(1)塩基性化合物(N)
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物(N)を挙げることができる。
一般式(A)及び(E)中、
200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物(N)として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物(N)として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物(N)、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物(N)としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物(N)としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物(N)としてはテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物(N)としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物(N)のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフルオロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物(N)としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物(N)としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物(N)として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。これら化合物の例としては、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落<0066>に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
また、下記化合物も塩基性化合物(N)として好ましい。
塩基性化合物(N)としては、上述した化合物のほかに、特開2011−22560号公報の段落<0180>〜<0225>、特開2012-137735号公報の段落[0
218]〜<0219>、国際公開第2011/158687号の段落<0416>〜<0438>に記載されている化合物等を使用することもできる。
これらの塩基性化合物(N)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物(N)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、塩基性化合物(N)の含有率は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物(N)の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(N)(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時によるレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(N)(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
(2)活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(E)
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(以下、「化合物(E)」ともいう。)を含有することが好ましい。
化合物(E)は、塩基性官能基又はアンモニウム基と、活性光線又は放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する化合物(E−1)であることが好ましい。すなわち、化合物(E)は、塩基性官能基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有する塩基性化合物、又は、アンモニウム基と活性光線若しくは放射線の照射により酸性官能基を発生する基とを有するアンモニウム塩化合物であることが好ましい。
化合物(E)又は(E−1)が、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する、塩基性が低下した化合物として、下記一般式(PA−I)、(PA−II)又は(PA−III)で表される化合物を挙げることができる。なかでも、LWR、局所的なパターン寸法の均一性及びDOFに関して優れた効果を高次元で両立できるという観点から、特に、一般式(PA−II)又は(PA−III)で表される化合物が好ましい。
まず、一般式(PA−I)で表される化合物について説明する。
Q−A1−(X)n−B−R (PA−I)
一般式(PA−I)中、
1は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、好ましくは炭素数2〜12の2価の連結基であり、例えば、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられる。アルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子などの連結基を有していてもよい。より好ましくは少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキレン基であり、好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2〜4である。アルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子などの連結基を有していてもよい。アルキレン基は、特に水素原子の数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキレン基が好ましく、Q部位と結合した炭素原子がフッ素原子を有することがより好ましい。更にはパーフルオロアルキレン基が好ましく、パーフルオロエチレン基、パーフルオロプロピレン基、パーフルオロブチレン基がより好ましい。
Qは、−SO3H、又は−CO2Hを表す。Qは、活性光線又は放射線の照射により発生する酸性官能基に相当する。
Xは、−SO2−又は−CO−を表す。
nは、0又は1を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Rx)−を表す。
Rxは、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxにおける1価の有機基としては、好ましくは炭素数4〜30であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。
Bが−N(Rx)−の時、RとRxが結合して環を形成していることが好ましい。環構造を形成することによって、安定性が向上し、これを用いた組成物の保存安定性が向上する。環を形成する炭素数は4〜20が好ましく、単環式でも多環式でもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでいてもよい。
単環式構造としては、窒素原子を含む4〜8員環等を挙げることができる。多環式構造としては、2又は3以上の単環式構造の組み合わせから成る構造を挙げることができる。単環式構造、多環式構造は、置換基を有していてもよい。
Rは、塩基性官能基を有する1価の有機基又はアンモニウム基を有する1価の有機基を表す。
塩基性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、一〜三級アミン、含窒素複素環(ピリジン、イミダゾール、ピラジンなど)の構造が挙げられる。アンモニウム基の好ましい部分構造として、例えば、一〜三級アンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリニウム、ピラジニウム構造などを挙げることが出来る。
なお、塩基性官能基としては、窒素原子を有する官能基が好ましく、1〜3級アミノ基を有する構造、又は含窒素複素環構造がより好ましい。これら構造においては、構造中に含まれる窒素原子に隣接する原子の全てが、炭素原子又は水素原子であることが、塩基性向上の観点から好ましい。また、塩基性向上の観点では、窒素原子に対して、電子求引性の官能基(カルボニル基、スルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子など)が直結していないことが好ましい。
このような構造を含む一価の有機基(基R)における一価の有機基としては、好ましい炭素数は4〜30であり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができ、各基は置換基を有していてもよい。
次に、一般式(PA−II)で表される化合物について説明する。
1−X1−NH−X2−Q2 (PA−II)
一般式(PA−II)中、
1及びQ2は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ2のいずれか一方は、塩基性官能基を有する。Q1とQ2は、結合して環を形成し、形成された環が塩基性官能基を有してもよい。Q、Qとしての1価の有機基は、好ましくは炭素数1〜40であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。塩基性官能基の定義は、上述の通りである。
1及びX2は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
なお、−NH−は、活性光線又は放射線の照射により発生する酸性官能基に相当する。
次に、一般式(PA−III)で表される化合物を説明する。
1−X1−NH−X2−A2−(X3m−B−Q3 (PA−III)
一般式(PA−III)中、
1及びQ3は、各々独立に、1価の有機基を表す。但し、Q1及びQ3のいずれか一方は、塩基性官能基を有する。Q1とQ3は、結合して環を形成し、形成された環が塩基性官能基を有していてもよい。Qは、一般式(PA−II)に於けるQと同義である。Qの有機基としては、一般式(PA−II)に於けるQ、Qの有機基と同様のものを挙げることができる。塩基性官能基の定義は、上述の通りである。
1、X2及びX3は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
2は、2価の連結基を表す。Aにおける2価の連結基としては、好ましくは炭素数
1〜8のフッ素原子を有する2価の連結基である。例えば、炭素数1〜8のフッ素原子を有するアルキレン基、フッ素原子を有するフェニレン基等が挙げられる。より好ましくはフッ素原子を有するアルキレン基であり、好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2〜4である。アルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子などの連結基を有していてもよい。アルキレン基は、水素原子の数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキレン基が好ましく、更にはパーフルオロアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基が特に好ましい。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Qx)−を表す。
Qxは、水素原子又は1価の有機基を表す。Qxにおける1価の有機基としては、好ましくは炭素数4〜30の有機基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。
Bが、−N(Qx)−の時、Q3とQxが結合して環を形成してもよい。
mは、0又は1を表す。
なお、−NH−は、活性光線又は放射線の照射により発生する酸性官能基に相当する。
化合物(E)としては、一般式(PA−I)、(PA−II)又は(PA−III)で表される化合物のスルホニウム塩化合物、一般式(PA−I)、(PA−II)又は(PA−III)で表される化合物のヨードニウム塩化合物が好ましく、更に好ましくは下記一般式(PA1)又は(PA2)で表される化合物である。
一般式(PA1)において、
R’201、R’202及びR’203は、各々独立に、有機基を表し、具体的には、酸発生剤における式ZIのR201、R202及びR203と同様である。
は、一般式(PA−I)で示される化合物の−SOH部位若しくは−COOH部位の水素原子が脱離したスルホン酸アニオン若しくはカルボン酸アニオン、又は一般式(PA−II)若しくは(PA−III)で表される化合物の−NH−部位から水素原子が脱離したアニオンを表す。
一般式(PA2)中、
R’204及びR’205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、具体的には、酸発生剤における式ZIIのR204及びR205と同様である。
は、一般式(PA−I)で示される化合物の−SOH部位若しくは−COOH部位の水素原子が脱離したスルホン酸アニオン若しくはカルボン酸アニオン、又は一般式(PA−II)若しくは(PA−III)で表される化合物の−NH−部位から水素原子が脱離したアニオンを表す。
本発明に於いて、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下することは、活性光線又は放射線の照射により化合物(E)のプロトン(活性光線又は放射線の照射により発生された酸)に対するアクセプター性が低下することを意味する。アクセプター性が低下するとは、塩基性官能基を有する化合物とプロトンとからプロトン付加体である非共有結合錯体が生成する平衡反応が起こる時、あるいは、アンモニウム基を有する化合物の対カチオンがプロトンに交換される平衡反応が起こる時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
化合物(E)の好ましい具体例としては、米国特許出願公開第2010/0233629号明細書の(A−1)〜(A−44)の化合物や、米国特許出願公開第2012/0156617号明細書の(A−1)〜(A−23)などが挙げられる。
活性光線又は放射線の照射により一般式(PA−I)で表される化合物を発生する化合物(E)の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、活性光線又は放射線の照射により一般式(PA−II)又は(PA−III)で表される化合物を発生する化合物(E)の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
化合物(E)の分子量は、500〜1000であることが好ましい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は化合物(E)を含有してもしていなくてもよいが、含有する場合、化合物(E)の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
また、化合物(E)の一態様として、活性光線又は放射線の照射により分解し、樹脂(A)の酸分解基を酸分解させない程度の強度の酸(弱酸)を発生する化合物(E−2)も挙げることができる。
この化合物としては、例えば、フッ素原子を有さないカルボン酸のオニウム塩(好ましくはスルホニウム塩)、フッ素原子を有さないスルホン酸のオニウム塩(好ましくはスルホニウム塩)などを挙げることができる。より具体的には、例えば、後述する一般式(6A)で表されるオニウム塩のうちカルボン酸アニオンがフッ素原子を有さないもの、後述する一般式(6B)で表されるオニウム塩のうちスルホン酸アニオンがフッ素原子を有さないもの、などが挙げられる。スルホニウム塩のカチオン構造としては、酸発生剤(B)で挙げているスルホニウムカチオン構造を好ましく挙げることができる。
化合物(E−2)として、より具体的には、国際公開第2012/053527号の段落<0170>で挙げられている化合物、特開2012−173419号公報の段落<0268>〜<0269>の化合物などが挙げられる。
化合物(E)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(3)窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(F)
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する化合物(以下「化合物(F)」ともいう)を含有してもよい。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する化合物(F)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(F)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(F)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
一般式(d−1)において、
bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に連結して環を形成していてもよい。
bが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
bとして好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、米国特許出願公開第2012/0135348号明細書の段落<0466>に開示された構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
化合物(F)は、下記一般式(6)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
一般式(6)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。lが2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。複素環には式中の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
bは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、Rbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
aのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記基で置換されていてもよい)の好ましい例としては、Rbについて前述した好ましい例と同様な基が挙げられる。
また、Raが相互に連結して形成する複素環としては、好ましくは炭素数20以下であり、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
好ましい化合物(F)の具体的としては、米国特許出願公開第2012/0135348号明細書の段落<0475>に開示された化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、化合物(F)の具体例を以下に示す。
一般式(6)で表される化合物は、特開2007−298569号公報、特開2009−199021号公報などに基づき合成することができる。
本発明において、低分子化合物(F)は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における化合物(F)の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
(4)オニウム塩
また、塩基性化合物として、下記一般式(6A)又は(6B)で表されるオニウム塩を含んでもよい。このオニウム塩は、レジスト組成物で通常用いられる光酸発生剤の酸強度との関係で、レジスト系中で、発生酸の拡散を制御することが期待される。
一般式(6A)中、
Raは、有機基を表す。但し、式中のカルボン酸基に直接結合する炭素原子にフッ素原子が置換しているものを除く。X+は、オニウムカチオンを表す。
一般式(6B)中、Rbは、有機基を表す。但し、式中のスルホン酸基に直接結合する炭素原子にフッ素原子が置換しているものを除く。X+はオニウムカチオンを表す。
Ra及びRbにより表される有機基は、式中のカルボン酸基又はスルホン酸基に直接結合する原子が炭素原子であることが好ましい。但し、この場合、上述した光酸発生剤から発生する酸よりも相対的に弱い酸とするために、スルホン酸基又はカルボン酸基に直接結合する炭素原子にフッ素原子が置換することはない。
Ra及びRbにより表される有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基又は炭素数3〜30の複素環基等が挙げられる。これらの基は水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及び複素環基が有し得る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ラクトン基、アルキルカルボニル基等が挙げられる。
一般式(6A)及び(6B)中のX+により表されるオニウムカチオンとしては、スルホニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオンなどが挙げられ、なかでもスルホニウムカチオンがより好ましい。
スルホニウムカチオンとしては、例えば、少なくとも1つのアリール基を有するアリールスルホニウムカチオンが好ましく、トリアリールスルホニウムカチオンがより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンの例としては、前述の、化合物(B)における一般式(ZI)のスルホニウムカチオン構造や一般式(ZII)におけるヨードニウム構造も好ましく挙げることができる。
一般式(6A)又は(6B)で表されるオニウム塩の具体的構造を以下に示す。
なお、オニウム塩は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(5)ベタイン化合物
更に、組成物は、特開2012−189977号公報の式(I)に含まれる化合物、特開2013−6827号公報の式(I)で表される化合物、特開2013−8020号公報の式(I)で表される化合物、特開2012−252124号公報の式(I)で表される化合物などのような、1分子内にオニウム塩構造と酸アニオン構造の両方を有する化合物(以下、ベタイン化合物ともいう)も好ましく用いることができる。このオニウム塩構造としては、スルホニウム、ヨードニウム、アンモニウム構造が挙げられ、スルホニウム又はヨードニウム塩構造であることが好ましい。また、酸アニオン構造としては、スルホン酸アニオン又はカルボン酸アニオンが好ましい。この化合物の例としては、例えば以下が挙げられる。
なお、ベタイン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[5]溶剤
本発明で使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、水又は有機溶剤が挙げられる。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用することができる有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書の段落<0441>〜<0455>に記載のものを挙げることができる。
本発明においては、溶剤として、混合溶剤を使用してもよい。
例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有してもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどから選ばれる2種以上の混合溶剤が好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)(以下、溶剤Aともいう)と、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、及び酢酸ブチルから選ばれる1種又は2種の溶剤(以下、溶剤Bともいう)との混合溶剤が好ましい。溶剤Bとしては、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。
混合溶剤の混合比(溶剤A/溶剤B)(質量比)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、組成物中に有機溶剤が含まれ、有機溶剤中にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが含まれ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの有機溶剤全質量に対する含有量が90質量%超である態様が挙げられる。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの有機溶剤全質量に対する含有量の好適態様としては、92質量%以上が好ましい。
[6]界面活性剤
本発明で使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含有する場合、フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子とケイ素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落<0276>に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106、KH−20(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。さらに、PolyFox PF−6320(OMNOVA Solutions Inc.製;フッ素系)も用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)若しくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
上記に該当する界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(DIC(株)製)、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C37基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落<0280>に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全量(溶剤を除く)に対して、10ppm以下とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
〔7〕その他添加剤
本発明における組成物は、一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を含有することが好ましい。
上記一般式(1)中、R11は、置換基を有してもよいアルキレン基を表す。アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1〜15であることが好ましく、2であることがより好ましい。置換基は特に制限されないが、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)であることが好ましい。
上記一般式(1)中、nは、1以上の整数を表す。なかでも、1〜20の整数であることが好ましい。nが2以上である場合、複数あるR11は同一であっても異なってもよい。nの平均値は、1〜10であることが好ましい。
上記一般式(1)中、*は、結合手を表す。
上記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物は、本発明の効果がより優れる点で、下記一般式(1−1)又は下記一般式(1−2)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(1−1)中のR11の定義、具体例及び好適な態様は、上述した一般式(1)中のR11と同じである。
上記一般式(1−1)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1〜15であることが好ましい。
上記一般式(1−1)中、mは、1以上の整数を表す。なかでも、1〜20の整数であることが好ましく、そのなかでも、10以下であることがより好ましい。mの平均値は、20以下であることが好ましく、なかでも、1〜10であることがより好ましく、そのなかでも、8以下であることがさらに好ましく、そのなかでも、4〜6であることが特に好ましい。mが2以上である場合、複数あるR11は同一であっても異なってもよい。
上記一般式(1−2)中のR11の定義、具体例及び好適な態様は、上述した一般式(1)中のR11と同じである。上記一般式(1−2)中のmの定義及び好適な態様は、上述した一般式(1−1)中のmと同じである。上記一般式(1−2)で表される化合物としては、例えば、クラウンエーテルが挙げられる。
化合物の平均分子量は特に制限されないが、80〜1000であることが好ましく、80〜500であることがより好ましく、100〜300であることがさらに好ましい。
化合物が一般式(1−1)で表される化合物である場合、化合物の平均分子量は、400以下であることが好ましい。
化合物は、塩基性部位(例えば、アミノ基、後述するプロトンアクセプター性官能基)を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物において、上記化合物の含有量は特に制限されないが、上述した樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、3〜25質量部であることがより好ましく、4〜15質量部であることが更に好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。
本発明における組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもしなくてもよい。このようなカルボン酸オニウム塩は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書<0605>〜<0606>に記載のものを挙げることができる。
これらのカルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
組成物がカルボン酸オニウム塩を含有する場合、その含有量は、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明の組成物には、必要に応じて更に、酸増殖剤、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明における組成物は、解像力向上の観点から、膜厚80nm以下のレジスト膜とすることが好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明における組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であり、好ましくは、2.0〜5.7質量%、更に好ましくは2.0〜5.3質量%である。固形分濃度を上記範囲とすることで、レジスト溶液を基板上に均一に塗布することができ、更にはラインウィズスラフネスに優れたレジストパターンを形成することが可能になる。その理由は明らかではないが、恐らく、固形分濃度を10質量%以下、好ましくは5.7質量%以下とすることで、レジスト溶液中での素材、特には光酸発生剤の凝集が抑制され、その結果として、均一なレジスト膜が形成できたものと考えられる。
固形分濃度とは、組成物の総重量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
本発明における組成物、及び本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物など)は、製造時、または使用前に、フィルター濾過等により、各種不純物をできるだけ低減しておくことが好ましい。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフルオロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
更に、組成物/各種材料の用途上、組成物中の金属不純物元素の含有量は低いほうが好ましいことは言うまでもない。このために、各種原料の金属不純物含量は低く管理されることが好ましい。また、組成物を貯蔵、運搬する容器などについても、不純物の溶出低減が考慮されたものを用いることが好ましい。
本発明の組成物は、活性光線又は放射線に照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、更にその他のフォトファブリケーション工程、平版印刷板、酸硬化性組成物に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。
<パターン形成方法>
次に、本発明に係るパターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、以下の工程を少なくとも有することが好ましい。
(1)本発明の組成物を含む膜(組成物膜、レジスト膜)を基板上に形成する工程、
(2)膜を露光する工程(露光工程)、及び
(3)露光した膜を現像する工程(現像工程)、
なお、後述するように、工程(1)と工程(2)との間には加熱工程(PB;Prebake)が、工程(2)と工程(3)との間には加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)が、工程(3)の後にはリンス処理工程がそれぞれ実施されてもよい。以下においては、これらの工程についても合わせて詳述する。
[工程(1)]
工程(1)は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程である。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。なかでも、膜の厚みの調整がより容易である点から、基板上に感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布して、膜を形成する方法が挙げられる。
なお、塗布の方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。なかでも、半導体製造分野においてはスピンコートが好ましく用いられる。
また、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布後、必要に応じて、溶媒を除去するための乾燥処理を実施してもよい。乾燥処理の方法は特に制限されず、加熱処理や風乾処理などが挙げられる。
膜を形成する基板は特に限定されるものではなく、シリコン、SiN、SiOやSiN等の無機基板、SOG(Spin−On−Glass)等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。更に、必要に応じて有機反射防止膜を膜と基板の間に形成させてもよい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成した膜(レジスト膜)の後退接触角は温度23±3℃、湿度45±5%において70°以上であることが好ましく、液浸媒体を介して露光する場合に好適であり、75°以上であることがより好ましく、75〜85°であることが更に好ましい。レジスト膜の後退接触角が上記範囲にある場合、液浸媒体を介して露光する場合に好適である。
上記後退接触角が小さすぎると、液浸媒体を介して露光する場合に好適に用いることができず、かつ水残り(ウォーターマーク)欠陥低減の効果を十分に発揮することができない。好ましい後退接触角を実現する為には、上記の疎水性樹脂を上記感活性光線性又は放射線性組成物に含ませることが好ましい。あるいは、レジスト膜の上に、疎水性の樹脂組成物によるコーティング層(いわゆる「トップコート」)を形成することにより後退接触角を向上させてもよい。トップコートとしては本分野で公知のものを適宜使用することができる。
また、トップコートとしては、特開2013-61647号公報、特にその実施例表3のOC−5〜OC−11に記載されているような、樹脂だけでなく塩基性化合物(クエンチャー)も含むトップコートを適用することも好ましい。この公報に記載のトップコートは、特に、後述の有機溶剤現像工程でパターン形成を行う場合に有用と考えられる。
レジスト膜の厚みは特に制限されないが、より高精度な微細パターンを形成することができる理由から、1〜500nmであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましい。
(加熱工程(PB;Prebake))
製膜後、後述する工程(2)の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
加熱温度は70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
[工程(2)]
工程(2)は、工程(1)で形成された膜を露光する工程である。より具体的には、所望のパターンが形成されるように、膜を選択的に露光する工程である。これにより、膜がパターン状に露光され、露光された部分のみレジスト膜の溶解性が変化する。
なお、「露光する」とは、活性光線又は放射線を照射することを意図する。
露光に用いられる光源波長に制限は無いが、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光、X線、電子線等を挙げることができ、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV又は電子線が好ましく、ArFエキシマレーザーであることがより好ましい。
膜を選択的に露光する方法は特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、遮光部の透過率が0%のバイナリーマスク(Binary−Mask)や、遮光部の透過率が6%のハーフトーン型位相シフトマスク(HT−Mask)を用いることができる。
バイナリーマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてクロム膜、酸化クロム膜等が形成されたものが用いられる。
ハーフトーン型位相シフトマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてMoSi(モリブデン・シリサイド)膜、クロム膜、酸化クロム膜、酸窒化シリコン膜等が形成されたものが用いられる。
なお、本発明では、フォトマスクを介して行う露光に限定されず、フォトマスクを介さない露光、例えば、電子線等による描画により選択的露光(パターン露光)を行ってもよい。
本工程は複数回の露光を含んでいてもよい。
(好適な態様:液浸露光)
露光の好適な態様として、例えば、液浸露光が挙げられる。液浸露光を用いることで、より微細なパターンを形成することができる。なお、液浸露光は、位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
液浸露光に使用される液浸液としては、露光波長に対して透明であり、かつ、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるように屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましい。特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに界面活性力を増大させる添加剤(液体)を僅かな割合で添加してもよい。この添加剤はレジスト膜を溶解させず、かつレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。
このような添加剤としては、例えば、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。
一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招く。このため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
液浸液として用いる水は、電気抵抗が18.3MΩcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)が20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いたりしてもよい。
液浸露光において、露光前、及び/又は、露光後(加熱処理前)に、レジスト膜の表面を水系の薬液で洗浄してもよい。
(加熱工程(PEB;Post Exposure Bake))
上記工程(2)の後かつ工程(3)の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことが好ましい。
加熱温度は70〜130℃で行うことが好ましく、80〜120℃で行うことがより好ましい。加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
[工程(3)]
工程(3)は、露光した膜を現像する工程である。本工程を実施することにより、所望のパターンが形成される。
(アルカリ現像工程)
本工程の方法は特に制限されないが、好適態様の一つとして、アルカリ現像液を用いて露光した膜を現像する工程(アルカリ現像工程)が挙げられる。本方法により、露光強度の強い部分が除去される。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。アルカリ現像液のアルカリ濃度及びpHは、適宜調製して用いることができる。アルカリ現像液は、界面活性剤や有機溶剤を添加して用いてもよい。
アルカリ現像液で使用される界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
(有機溶剤現像工程)
上記ではアルカリ現像工程について述べたが、本工程では、アルカリ現像を行わずに、あるいはアルカリ現像工程の前または後に、有溶溶剤を含む現像液(以後、適宜「有機系現像液」とも称する)を用いて露光した膜を現像する工程(有機溶剤現像工程)を実施してもよい。
本工程は、使用する現像液の種類以外は、上述したアルカリ現像工程と同じであり、その手順の説明は省略し、使用される有機系現像液について以下で述べる。
有機系現像液としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、及び、炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウエハ面内の寸法均一性が良化する。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤の種類としては、上述したアルカリ現像液にて含まれてもよい界面活性愛が挙げられる。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
有機系現像液は、塩基性化合物を含んでいてもよい。塩基性化合物の例としては、含窒素塩基性化合物があり、例えば特開2013−11833号公報の特に<0021>〜<0063>に記載の含窒素化合物が挙げられる。有機系現像液が塩基性化合物を含有することで、現像時のコントラスト向上、膜減り抑制などが期待できる。
上記においては、アルカリ現像工程及び有機溶剤現像工程について詳述したが、両者を組み合わせて実施してもよい。例えば、アルカリ現像工程を実施した後、有機溶剤現像工程を実施してもよい。この態様の場合、アルカリ現像工程を行うことにより露光強度の強い部分が除去され、さらに、有機溶剤現像工程を実施することにより露光強度の弱い部分が除去され、より微細なパターンを形成することができる。このように現像を複数回行う多重現像プロセスにより、中間的な露光強度の領域のみを溶解させずにパターン形成が行えるので、通常より微細なパターンを形成できる(特開2008−292975号公報 <0077>と同様のメカニズム)。
(リンス処理工程)
上記現像工程の後には、必要に応じて、リンス液を用いて洗浄するのが好ましい。
リンス液としては、レジスト膜を溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。
上記リンス液は、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液であることが好ましく、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液であることがより好ましく、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液であることがさらに好ましく、1価アルコールを含有するリンス液であることが特に好ましく、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液であることが最も好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例は、上述した有機系現像液と同様である。
上記1価アルコールとしては、例えば、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールなどが挙げられ、より具体的には、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどが挙げられる。
上記リンス液は、複数の溶剤を含有するものでもよい。また、上記リンス液は、上記以外の有機溶剤を含有してもよい。
上記リンス液の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、より良好な現像特性を得ることができる。
上記リンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。界面活性剤の具体例及び使用量は、上述した有機系現像液と同様である。
リンス処理においては、有機溶剤現像を行ったウェハを上記リンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができる。この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去する方法が好ましい。
また、リンス処理の後に加熱処理(Post Bake)を行うのが好ましい。パターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が加熱処理により除去される。リンス処理の後の加熱処理は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
本発明のパターン形成方法で得られたパターンは、一般には、半導体デバイスのエッチングマスク等として好適に用いられるが、その他の用途にも用いることが可能である。その他の用途としては、例えば、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815−4823参照)、いわゆるスペーサープロセスの芯材(コア)としての使用(例えば、特開平3−270227号公報、特開2013−164509号公報など参照)などがある。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製>
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度3.5質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(ポジ型感光性樹脂組成物)を調製した。調製したポジ型感光性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
上記表2中で使用した各種成分を以下にまとめて示す。
[樹脂]
上記表2中、「繰り返し単位の種類」欄は樹脂中に含まれる繰り返し単位の種類を示し、「繰り返し単位の組成(モル%)」欄は樹脂中の全繰り返し単位に対する各繰り返し単位の含有量(モル%)を表す。「一般式(III)(n=0)」は上述した一般式(III)中のnが0である繰り返し単位を意図し、「一般式(III)(n=1)」は上述した一般式(III)中のnが1である繰り返し単位を意図する。
上記表2中の「繰り返し単位の種類」欄に記載される記号に対応する構造式を以下に示す。なお、以下式中、「I−8」は一般式(I)で表される繰り返し単位には該当しない。
また、以下式中、「A」は一般式(I)で表される繰り返し単位に該当する。
また、樹脂(P−1)〜(P−33)の構造及び特性(分子量、分散度)を以下の表3にまとめて示す。
下記表3中、「構造」欄は各樹脂の繰り返し単位の構造、「組成(モル%)」欄は樹脂中の全繰り返し単位に対する各繰り返し単位の組成(モル%)、「分子量(Mw)」欄は各樹脂の重量平均分子量Mw、及び、「分散度(Mw/Mn)」欄は各樹脂の分散度(Mw/Mn)を示す。なお、表3において、「組成(モル%)」欄においては、「構造」欄で示す繰り返し単位の組成(モル%)を左から順に示し、例えば、樹脂P−1の「構造」欄中の一番左側の繰り返し単位のモル%は35モル%に該当する。
[酸発生剤]
表2中の酸発生剤は上述した化合物に該当するが、改めて以下に構造を示す。
なお、上記表2中、「酸発生剤」欄の「比率(質量比)」は種類1及び種類2に記載される酸発生剤の使用量比(種類1/種類2)の質量%を表す。
[酸拡散制御剤(クエンチャー)]
酸拡散制御剤としては、以下のものを用いた。
なお、以下式中、「Q−1」「Q−2」「Q−3」は、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(F)に該当し、「PA−67」は、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(E)に該当する。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、以下のものを用いた。
W−1: メガファックF176(DIC(株)製;フッ素系)
W−2: メガファックR08(DIC(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3: ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−4: トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5: KH−20(旭硝子(株)製)
W−6: PolyFox PF−6320(OMNOVA Solutions Inc.製;フッ素系)
[疎水性樹脂]
表中の疎水性樹脂は上述した化合物に該当するが、改めて以下に構造を示す。
なお、以下の疎水性樹脂中、「B−23」「B−29」「B−33」「B−52」はアルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基を有する。
[添加剤]
添加剤として、以下の添加剤Mを用いた。
[溶剤]
溶剤としては、以下のものを用いた。
なお、上記表2中、「溶剤」欄の「比率(質量比)」は各溶媒の使用量の質量%を表し、「種類」欄に示す溶媒の組成(質量%)を左から順に示す。
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート
SL−3: 2−ヘプタノン
SL−4: 乳酸エチル
SL−5: プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−6: シクロヘキサノン
SL−7: γ−ブチロラクトン
SL−8: プロピレンカーボネート
<実施例及び比較例>
300mm口径(12インチ口径)シリコンウエハ上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの有機反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークを行い、膜厚90nmの感光性膜(レジスト膜)を形成した。得られたウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後、95℃で60秒間加熱した後(PEB処理)、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
<各種評価>
以下に示す各評価を実施した。なお、得られた結果は、後述する表4にまとめて示す。
[露光ラチチュード評価:EL(%)]
得られたラインパターンを測長走査型電子顕微鏡(日立社製S9380II)で観察した。線幅50nmのラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが50nm±10%を許容する露光量幅を求めた。ELは、露光量幅を最適露光量で割って百分率表示した値である。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
なお、実用上、20.0%以上が好ましい。
[LWR評価:LWR(nm)]
露光ラチチュード評価で得られた最適露光量の線幅50nmのラインパターンを、ラインパターンの長手方向の2μmの範囲について、線幅を50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。なお、4.0以下が好ましい。
[PEB温度依存性:PEBS(nm/℃)]
上記手順に従って膜厚98nmの反射防止膜及び膜厚90nmの感光性膜(レジスト膜)がこの順で配置されたシリコンウエハを3枚用い、露光ラチチュード評価で得られた最適露光量で、露光を行った。次いで、(PEB処理)95℃に対して、+2℃、±0℃、及び−2℃(93℃、95℃、97℃)の3つの温度でPEB処理を行い、現像しパターンを得た。各々得られたラインアンドスペースを測長し、それらの線幅L1、L0、及びL2を求めた。PEB温度依存性をPEB温度変化1℃あたりの線幅の変動と定義し、下記の式により算出した。
PEB温度依存性(nm/℃)=|L1−L2|/4
値が小さいほど温度変化に対する性能変化が小さく良好であることを示す。
なお、実用上、3.0nm/℃以下が好ましい。
[パターンの断面形状観察評価]
画像性能試験で得られた、線幅50nmのラインアンドスペース(1:1)のパターンを、SEM((株)日立製作所S−4800)にて、断面形状の観察をし、パターンの形状が垂直なものを90°とし、その角度αを測定し、以下の基準に従って評価した。なお、上記角度αは、図1に示すように、パターンを支持する基材10(シリコンウエハ)と、パターン12とのなす角度αを意図する。
なお、実用上、A〜Cが好ましい。
「A」:88°≦α≦92°
「B」:86°≦α<88°または、92°<α≦94°
「C」:84°≦α<86°または、94°<α≦96°
「D」:82°≦α<84°または、96°<α≦98°
「E」:82°<α、または、α>98°
上記表8に示すように、本発明の組成物を使用した場合、所望の効果が得られることが確認された。
また、実施例2と実施例31との比較より、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオンが上記一般式(2)で表されるスルホン酸アニオン(または、一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオン)である場合、より優れた効果が得られることが確認された。なお、実施例2と実施例31との比較より、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、アニオン中に含まれるフッ素原子数が2〜3個である場合、より優れた効果が得られるともいえる。
また、実施例2と実施例32との比較より、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、カチオンが上記一般式(ZI−4)で表されるカチオンである場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例2と実施例33との比較より、組成物が活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を含有する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例2と実施例34との比較より、組成物が窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物を含有する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例1と実施例35との比較より、疎水性樹脂が、アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基を有する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
一方、所定の樹脂を使用していない比較例1〜3では、所望の効果は得られなかった。
なお、上記実施例において、ArF液浸露光のかわりにEUV露光を行った以外は、上記と同様の手順によってレジストパターンを形成して、上記同様の評価を行い、パターン形成を行えることを確認した。
また、上記実施例において、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液による現像のかわりに酢酸ブチル溶剤による現像を行い、パターン形成が行えることを確認した。更に、この酢酸ブチル溶剤による現像では、特開2013−61647号公報の実施例表3のOC−5〜OC−11に記載されているような、特定の上塗り組成物(トップコート組成物)をレジスト膜上に更に塗布して評価を行ってもパターン形成を行えることを確認した。
10 基材
12 パターン

Claims (18)

  1. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含み、前記一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して12モル%以上60モル%以下である樹脂と、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、前記アニオン中に含まれるフッ素原子数が2〜3個である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(I)及び(II)中、Tは、各々独立して、単結合又は2価の連結基を表す。
    及びRは、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
    は、炭素数3以上の炭化水素基を表す。
    Rは、炭素原子とともに単環の脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
    、R、及び、Rは、各々独立して、アルキル基を表す。
    ただし、R のアルキル基が複数の置換基を有する場合、R のアルキル基の複数の置換基同士が互いに結合して環を形成することはない。R のアルキル基が複数の置換基を有する場合、R のアルキル基の複数の置換基同士が互いに結合して環を形成することはない。R のアルキル基が複数の置換基を有する場合、R のアルキル基の複数の置換基同士が互いに結合して環を形成することはない。
  2. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含み、前記一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量が全繰り返し単位に対して12モル%以上60モル%以下である樹脂と、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、を含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、カチオン及びアニオンを含むイオン性化合物であり、前記アニオン中に含まれるフッ素原子数が2〜3個である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(I)及び(II)中、Tは、各々独立して、単結合又は2価の連結基を表す。
    及びR は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
    は、炭素数3以上の炭化水素基を表す。
    Rは、炭素原子とともに単環の脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
    、R 、及び、R は、各々独立して、無置換アルキル基を表す。
  3. 前記Tが単結合である、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  4. 前記R、前記R、及び、前記Rが、各々独立して、無置換アルキル基を表す、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 前記R、前記R、及び、前記Rが、各々独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、又は、t−ブチル基を表す、請求項1又は4に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記アニオンが一般式(2)で表されるスルホン酸アニオンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    ただし、前記アニオン中に含まれるフッ素原子数は2〜3個である。

    一般式(2)中、Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は、少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。Aは、環状構造を含む有機基を表す。xは、1〜20の整数を表す。yは、0〜10の整数を表す。zは、0〜10の整数を表す。
  7. 前記アニオンが一般式(B−1)で表されるスルホン酸アニオンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    ただし、前記アニオン中に含まれるフッ素原子数は2〜3個である。

    一般式(B−1)中、Rb1は、各々独立に、水素原子、又はフッ素原子を表す。nは0〜4の整数を表す。Xb1は、単結合、アルキレン基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、又はそれらの組み合わせを表す。Rb2は炭素数6以上の有機基を表す。
  8. 前記カチオンが一般式(ZI−3A)で表されるカチオン又は一般式(ZI−4)で表されるカチオンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(ZI−3A)中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又はアルケニル基を表す。
    及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、RとRは、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R及びRのうち少なくとも1つは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
    及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、又は、アルコキシカルボニルシクロアルキル基を表し、RとRが互いに連結して環を形成してもよく、この環構造は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル結合、エステル結合又はアミド結合を含んでいてもよい。
    一般式(ZI−4A)中、R13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を有する基を表す。
    14は、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は、シクロアルキル基を有する基を表す。R14が複数ある場合、R14は同一でも異なっていてもよい。
    15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15は互いに結合して環を形成してもよく、環を構成する原子として、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでもよい。
    lは0〜2の整数を表す。rは0〜8の整数を表す。
  9. 前記樹脂が、さらに、ラクトン構造またはスルトン構造を含む繰り返し単位を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  10. さらに、疎水性樹脂を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  11. 前記疎水性樹脂が、アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基を有する、請求項10に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  12. 前記疎水性樹脂が、ラクトン構造を有する繰り返し単位を有する、請求項10又は11に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  13. さらに、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  14. さらに、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  15. さらに、有機溶剤を含有し、
    前記有機溶剤中にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが含まれ、前記プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの前記有機溶剤全質量に対する含有量が90質量%超である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  16. さらに、γ−ブチロラクトンを含有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程と、前記膜を露光する工程と、露光した膜を現像する工程を含むパターン形成方法。
  18. 請求項17に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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