以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態のドラム式洗濯機を示す外観斜視図である。
図1に示すように、ドラム式洗濯機1は、筐体2の前面に洗濯物を出し入れする際に開閉されるドア3を備えている。筐体2は、合成樹脂製のベースBに、前面パネル4、右側面パネル5、左側面パネル(不図示)、背面パネル6(図2参照)、上面パネル(トップパネル)7と、を備えて構成されている。
前面パネル4は、ドア3が設けられるアッパーパネル8と、アッパーパネル8より小さいアンダーパネル9とで構成されている。上面パネル7には、左手前側に洗剤投入部10が設けられ、洗剤投入部10の右側に操作パネル11が設けられている。
図2は、本実施形態のドラム式洗濯機を示す縦断面図である。
図2に示すように、ドラム式洗濯機1は、筐体2内にダンパ12を介して弾性支持される外槽13と、外槽13内に回転自在に支持される回転ドラム14と、を備えている。
外槽13は、円筒形状を呈し、回転ドラム14を同軸上に内包し、前面が開口している。また、外槽13の前面の開口部には、ゴム製のベローズ15が設けられ、ドア3を閉じることで外槽13を外部に対して水封するようになっている。
回転ドラム14は、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽であり、その外周壁に通水および通風のための多数の貫通孔(不図示)を有し、前側端面には、洗濯物を出し入れするための開口部14aが設けられている。開口部14aの外周側には、回転ドラム14と一体に回転する流体バランサ14bが設けられている。また、回転ドラム14の内周壁には、洗濯運転や乾燥運転に際して洗濯物を持ち上げるリフタ14cが設けられている。なお、回転ドラム14の回転中心軸は、略水平又は開口部14a側が高くなるように傾斜している。
また、ドラム式洗濯機1は、乾燥運転をする際に機能する送風ユニット16を備えている。この送風ユニット16は、送風機16a、ヒータ16bを備えて構成され、筺体2内に設けられた補強材(不図示)に固定されている。送風機16aは、駆動用のモータ(不図示)、ファン羽根車(不図示)、ファンケース16cで構成されている。ファンケース16cにはヒータ16bが内蔵されており、ファン羽根車から送られる空気を加熱する。ヒータ16bは、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータなどで構成されている。
また、送風ユニット16の下流側は、温風ダクト17を介して回転ドラム14内と連通している。また、送風ユニット16の上流側は、背面パネル6と外槽13との間に設けられた乾燥ダクト18を介して外槽13の背面底部と接続されている。なお、温風ダクト17,18は、途中に蛇腹状の配管17a,18aを備えており、外槽13の振動を吸収するように構成されている。
例えば、乾燥行程において、回転ドラム14を正逆方向に回転させながら、送風ユニット16を運転することで、外槽13内の空気を乾燥ダクト18内に吸い出し、この乾燥ダクト18内を通過するときに公知の水冷除湿機構(不図示)によって冷却除湿する。そして、除湿された空気は、ヒータ16bによって加熱され、温風ダクト17を介して回転ドラム14内の洗濯物に向けて吹き付けられる。なお、乾燥手段としては、ヒータ16bと水冷除湿機構(不図示)を組み合わせた構成に限定されず、ヒートポンプを用いてもよい。
図3は、洗剤投入ケースを示す斜視図である。なお、図3は、洗剤蓋30を取り外した状態を示している。
図3に示すように、洗剤投入ケース(洗剤ボックス)20は、洗剤類が投入される容器であり、例えば、粉末洗剤が投入される粉末洗剤投入室と、液体洗剤が投入される液体洗剤投入室と、柔軟剤が投入される柔軟剤投入室と、に区画されている。なお、図3では、粉末洗剤投入室と液体洗剤投入室と柔軟剤投入室の各投入室の図示を省略している。
また、洗剤投入ケース20は、筐体2の上面パネル7の表面よりも一段低く形成された縁部21を有している。この縁部21は、図示しない各投入室を構成する凹部22の開口の周囲を囲むように形成されている。また、縁部21は、全体が同一平面上に位置し、凹部22の奥側(後方)において左右方向に延在する平面部21aと、凹部22の手前側(前方)において左右方向に延在する平面部21bと、凹部22の左右において前後方向に延在する平面部21c,21dと、を有している。また、縁部21は、図示右手前側の角部に、平面視略三角形状の平面部21eを有している。
また、縁部21の奥側(後側)の左右両端には、洗剤蓋30を軸支する軸受け23,24が設けられている。軸受け23は、縁部21の平面部21aの右端に形成され、軸受け24は、縁部21の平面部21aの左端に形成されている。
また、洗剤投入ケース20には、平面部21dに対して上方に起立する側壁21fに、後記する回転ディスク61(図12参照)が進退自在に挿入されるロック孔25が形成されている。このロック孔25は、前後方向に細長く形成され、平面部21eの図示右側方に位置している。
なお、ドラム式洗濯機1は、洗剤投入部10の後方の上面パネル7内に、洗剤投入ケース20に給水する給水ユニット(不図示)が設けられている。
図4は、洗剤蓋を示す分解斜視図である。
洗剤蓋30は、洗剤蓋カバー31、洗剤蓋ベース32、洗剤蓋下33、パッキン34、ヒンジ組立体40、ヒンジ50、ラッチ組立体60を備えて構成されている。
洗剤蓋カバー31は、合成樹脂材料で形成され、洗剤投入ケース20の開口20a(図3参照)の全体を閉じることができる形状を有し、表面に凹凸の無い平坦でなだらかな形状を有している。また、洗剤蓋カバー31は、この洗剤蓋カバー31を全閉したときに、洗剤蓋カバー31の表面31aが、筐体2の上面パネル7(図2参照)および操作パネル11(図2参照)と面一となるように構成されている。すなわち、洗剤蓋カバー31の表面31aには洗剤蓋カバー31を分割する形状が形成されていない。
洗剤蓋ベース32は、洗剤蓋カバー31が取り付けられるとともに、パッキン34を介して洗剤蓋下(洗剤下部ケース)33が取り付けられるものである。また、洗剤蓋ベース32は、合成樹脂で略四角枠形状を呈し、底面に略四角形状の開口部(貫通する孔)32aが形成されている。この開口部32aの周縁には、周方向に沿って延在する縁部32bが形成されている。この縁部32bは、内側に向かって突出する鍔形状であり、開口部32aの周囲全体に渡って形成されている。
また、洗剤蓋ベース32は、縁部32bの外周から上方に延びる周壁32c,32d,32e,32fを有している。周壁32cは、開口部32aの後方において左右方向(幅方向)に延び、周壁32dは、開口部32aの前方において左右方向(幅方向)に延びている。また、周壁32eは、開口部32aの左側方において略前後方向に延び、周壁32fは、開口部32aの右側方において前後方向に延びている。
周壁32cの内壁面の上部には、周方向に間隔を空けて突起部32c1,32c1,32c1,32c1が形成されている。周壁32dの内壁面の上部には、周方向に間隔を空けて突起部32d1,32d1,32d1(図20参照)が形成されている。周壁32eの内壁面の上部には、突起部32e1が形成されている。周壁32fの内壁面の上部には、周方向に間隔を空けて突起部32f1,32f1(図20参照)が形成されている。
また、洗剤蓋ベース32は、周壁32cの後方(奥側)に、ヒンジ組立体40およびヒンジ50を収容するヒンジ収容部32gが樹脂で一体に成形されている。
ヒンジ収容部32gは、周壁32cと、この周壁32cから後方に所定間隔を空けて周壁32cと平行に配置された側壁32hと、周壁32cと側壁32hの下端同士をつなぐ底壁32i(図7参照)とを有している。
また、ヒンジ収容部32gは、側壁32hと周壁32cの長手方向(左右方向)の一端同士をつなぐ端壁32jと、側壁32hと周壁32cの長手方向(左右方向)の他端同士をつなぐ端壁32kと、を有している。これにより、ヒンジ収容部32gは、周壁32cと側壁32hと底壁32iと端壁32j,32kとによって、上面が開放した凹形状となっている。端壁32jには、ヒンジ50を軸支する軸受32mが形成され、端壁32kには、ヒンジ組立体40を軸支する軸受32nが形成されている。
側壁32hの内壁面の上部には、洗剤蓋カバー31を引掛けて固定するための爪部32h1,32h1,32h1,32h1が周方向(左右方向)に間隔を空けて形成されている。
また、洗剤蓋ベース32は、周壁32dと周壁32fとで構成される角部に、ラッチ組立体60が設置されるラッチ組立体設置部32qが形成されている。
また、洗剤蓋ベース32の周壁32fには、ラッチ組立体60の右側方に切欠孔32sが形成されている。この切欠孔32sは、前記したロック孔25(図3参照)と対応する位置(互いに重なる位置)に形成されている。
また、洗剤蓋ベース32は、周壁32dの上端から前向きに突出するつば形状の延出部32pが形成されている。この延出部32p内には、洗剤蓋カバー31を引掛けて固定するための爪部32p1,32p1,32p1が左右方向に間隔を空けて形成されている。
洗剤蓋下(洗剤蓋下ケース)33は、洗剤蓋ベース32に沿った形状であり、洗剤蓋ベース32の上方から収容可能となる形状である。なお、図4では、洗剤蓋下33が洗剤蓋ベース32の下方に図示されているが、実際には、洗剤蓋ベース32の上方から洗剤蓋下33が挿入されて組み付けられる。
洗剤蓋下33は、前記した周壁32cの内面に沿って配置される周壁33cと、前記した周壁32dの内面に沿って配置される周壁33dと、を有している。また、洗剤蓋下33は、前記した周壁32eの内面に沿って配置される周壁33eと、前記した周壁32fの内面に沿って配置される周壁33fと、を有している。このように、洗剤蓋下33は、洗剤蓋ベース32の上側から挿入されて取り付けられるようになっている。また、洗剤蓋下33は、底壁33gを有し、底壁33gが洗剤蓋ベース32の開口部32aに嵌合するように下向きに凸となる突面部33hを有している。なお、底壁33gの周縁は、パッキン34を押える押え部33g1として略四角枠状に形成されている。
周壁33cには、前記した突起部32c1が係止される係止部33c1が周方向(図示左右方向)に間隔を空けて形成されている。
周壁33dには、前記した突起部32d1(図20参照)が係止される係止部33d1が周方向(図示左右方向)に間隔を空けて形成されている。また、周壁33dの内壁面には、洗剤蓋カバー31を引掛けて固定するための掛止部33d2が周方向(図示左右方向)に間隔を空けて形成されている。
周壁33eには、前記した突起部32e1が係止される係止部33e1(図20参照)が形成されている。また、周壁33eの内壁面には、突起部33e2が周方向に間隔を空けて形成されている。
周壁33fには、前記した突起部32f1(図20参照)が係止される係止部33f1が周方向(図示前後方向)に間隔を空けて形成されている。また、周壁33fの内壁面には、突起部33f2(図20参照)が形成されている。
図5は、洗剤蓋カバーを裏面側から見たときの斜視図である。
図5に示すように、洗剤蓋カバー31の裏面には、奥側(後側)の縁部に沿って、前記した爪部32h1(図4参照)が係止される係止部31bが形成されている。また、洗剤蓋カバー31の裏面には、手前側(前側)の縁部に沿って、前記した爪部32p1(図4参照)が係止される係止部31cが形成されている。
また、洗剤蓋カバー31の裏面には、係止部31cより内側に、係止部31cの並び方向に沿って係止爪31d(本実施形態では、4箇所)が形成されている。この係止爪31dには、洗剤蓋カバー31の裏面から起立して形成され、先端において爪部31d1が外側を向くように形成されている。また、洗剤蓋カバー31の裏面には、右側の縁部に係止爪31eが形成されている。この係止爪31eは、係止爪31dと同様に、洗剤蓋カバー31の裏面から起立して形成され、先端において爪部31e1が外側を向くように形成されている。また、洗剤蓋カバー31の裏面には、左側の縁部に沿って係止爪31f,31fが形成されている。この係止爪31fは、係止爪31dと同様に、洗剤蓋カバー31の裏面から起立して形成され、先端において爪部31f1が外側を向くように形成されている。
係止爪31dは、掛止部33d2(図4参照)に引っ掛けて固定される。係止爪31eは、突起部33f2に引っ掛けて固定される。係止爪31fは、突起部33f2に引っ掛けて固定される。これにより、洗剤蓋カバー31が、洗剤蓋ベース32および洗剤蓋下33に強固に固定される。
また、洗剤蓋カバー31の裏面には、ラッチ組立体60(図4参照)に取り付けられるコイルバネ64(図4参照)の一端が支持されるバネ支持部31gが突出して形成されている。
図6は、洗剤蓋に設けられるパッキンを示し、(a)は前方上側から見たとき、(b)は後方下側から見たときである。
図6(a)および(b)に示すように、パッキン34は、洗剤蓋30を閉じたときに、洗剤投入ケース20(図3参照)と洗剤蓋30との隙間を密閉(水封)するものであり、シリコンなどの弾性材料によって形成されている。また、パッキン34は、洗剤蓋下33の押え部33g1(図4参照)に沿う形状である。また、パッキン34は、上下方向(洗剤蓋30の押圧方向)に伸縮する蛇腹形状であり、上端に洗剤蓋ベース32の縁部32b(図4参照)と洗剤蓋下33の押え部33g1(図4参照)とで挟持される被挟持部34aを有している。この被挟持部34aは、パッキン34の下側よりも肉厚となるように形成されている(図7参照)。これにより、パッキン34を洗剤蓋ベース32と洗剤蓋下33とで外れることなく安定して保持することが可能になる。
また、パッキン34は、下端に、洗剤投入ケース20の縁部21(平面部21a,21b,21c,21d)に密着する密着部34bを有している。また、パッキン34には、奥側の位置に複数の貫通孔34cが間隔を左右方向(幅方向)に空けて形成されている。この貫通孔34cは、洗剤蓋30を閉じたときに、パッキン34が縁部21に吸着するのを防止するものであり、洗剤蓋30の開動作が損なわれるのを防止できる。
なお、貫通孔34cの位置は、図6(a)および(b)に示す位置に限定されるものではなく、パッキン34の吸着を防止できる位置であれば、図6(a)の前側、右側、左側であってもよく、適宜選択して形成することができる。また、貫通孔34cの形状についても、細長い形状に限定されるものではなく、パッキン34の吸着を防止できる形状であれば、円形、三角など他の形状であってもよい。また、貫通孔34cの数についても、3個に限定されるものではなく、パッキン34の吸着を防止できるものであれば、2箇所以下、4箇所以上であってもよい。
また、パッキン34は、前記したラッチ組立体設置部32q(図4参照)をパッキン34の外側に位置させる逃げ部34dを有している。
図7は、洗剤蓋を閉じたときの縦断面図である。
図7に示すように、洗剤投入部10では、洗剤蓋30によって洗剤投入ケース20が閉じられると、パッキン34が上下方向に縮んだ状態で洗剤投入ケース20の縁部21に密着する。これにより、運転時に洗剤投入ケース20に供給された水などが、洗剤蓋30と洗剤投入ケース20との隙間から外部に洩れ出るのを防止することができる。
また、洗剤蓋30を閉じたとき(全閉したとき)には、洗剤蓋30の表面31aが、ドラム式洗濯機1の上面パネル7の表面7aと面一で形成されるので、洗剤蓋30(洗剤蓋カバー31)の表面31aには、凹凸の無い面となる。よって、洗剤蓋30に従来のような分割形状(部品と部品とを繋ぐときに形成される凹み)が形成されない。そのため、洗剤蓋30の表面31aの清掃性が向上し、また分割線(分割形状)がないので、埃などが堆積するのを防止できる。
図8は、洗剤蓋のヒンジ組立体を示す分解斜視図である。
図8に示すように、ヒンジ組立体40は、バネケース41、ヒンジバネ42、ダンパカバー43、ダンパ44、ダンパケース45およびヒンジ金具46を組み合わせることで構成されている。
バネケース41は、合成樹脂などで形成され、外形が左右方向(幅方向)に細長い略四角柱形状を呈している。また、バネケース41の一側には、ヒンジバネ42を収容するバネ収容部41aが形成されている。このバネ収容部41aは、長手方向(左右方向)の一端の側面からヒンジバネ42が挿入されるように構成されている。また、バネケース41の他側には、バネケース41をヒンジ金具46に固定するためのねじ孔41bが形成されている。
また、バネケース41の両側面には、ダンパカバー43を軸方向(図示左右方向)に案内するための案内孔41c,41cが形成されている。
ヒンジバネ42は、コイルバネで構成され、バネケース41内に収容される。また、ヒンジバネ42は、バネ収容部41a内に形成された柱状の突起(不図示)に外嵌されて支持される。
ダンパカバー43は、合成樹脂などで形成され、ヒンジバネ42の外径よりも大きい円柱状の基部43aを有している。この基部43aのヒンジバネ42側には、ヒンジバネ42に挿入される円柱形状のバネ挿入部43bが軸方向に延びて形成されている。
また、基部43aのバネ挿入部43bとは反対側には、円筒を三つ又スパイラル状に切り欠いたカム部43cが形成されている。このカム部43cは、軸方向に延びる直線部43c1と、軸方向に対してらせん状に延びるらせん部43c2と、が周方向に交互に形成されることで構成されている。本実施形態では、直線部43c1とらせん部43c2とが3組形成されている。
また、基部43aの側面には、前記案内孔41cに案内される突起43a1が形成されている。なお、図8では、一方のみ図示されている。また、基部43aには、後記するヒンジ金具46にガイドされるガイド部43a2が形成されている。
ダンパ44は、洗剤蓋30を減衰させながら開放させるものであり、シリコンオイルなどが充填されたシリンダ部44aと、このシリンダ部44aからダンパカバー43側に進退自在に挿入されるロッド部44bと、を有している。シリンダ部44aは、軸方向に延在する円柱形状であり、ロッド部44bの先端には、ダンパカバー43を受ける受け部44cが形成されている。
ダンパケース45は、合成樹脂などで形成され、ダンパカバー43の基部43aと同径の基部45aを有している。この基部45aの軸方向の一側には、カム部43cと嵌合可能な円筒を三つ又スパイラル状に切り欠いたカム部45bが形成されている。このカム部45bは、軸方向に直線状に延びる直線部45b1と、軸方向に対してらせん状に延びて前記らせん部43c2と摺動するらせん部45b2と、を有している。
ヒンジ金具46は、鉄などの金属材料で形成され、バネケース41が載置されるベース部46aを有している。ベース部46aは、軸方向に細長く形成され、短手方向の両端から上方に起立するガイド部46bを有している。
また、ベース部46aの軸方向の一端には、ねじ固定部46cが形成されている。このねじ固定部46cは、ベース部46aの一端において鉛直方向上方に延び、そして軸方向の一端側において水平方向に延びてL字状に形成された延出部46c1を有している。また、延出部46c1の水平部には、バネケース41とともにねじ固定されるねじ孔46c2が形成されている。
また、ベース部46aの軸方向の他端には、ダンパケース45の軸部45cが挿通される軸挿通部46dがベース部46aから鉛直方向上方に延出して形成されている。
ヒンジ金具46は、バネケース41、ヒンジバネ42、ダンパカバー43、ダンパ44およびダンパケース45を組み立てたものを保持するものである。すなわち、バネケース41のバネ収容部41aにヒンジバネ42を圧縮した状態で挿入し、ダンパカバー43の一部(基部43aおよびバネ挿入部43b)をバネケース41のバネ収容部41a内に収容する。そして、ダンパ44を、ダンパカバー43とダンパケース45とで挟んだ状態でヒンジ金具46に嵌る状態まで圧縮する。このとき、ダンパケース45の軸部45cがヒンジ金具46の軸挿通部46dの孔(符号なし)に挿入されるようにして、ヒンジ金具46に取り付ける。そして、ねじ孔41b,46c2を上下で合わせて、ねじ47(図20参照)を用いて螺合し、さらにヒンジ収容部32g(図4参照)に形成されたねじボス(不図示)にねじ込む。これにより、ヒンジ組立体40が洗剤蓋ベース32の所定の位置に固定される。
このようにして組み立てられたヒンジ組立体40は、ヒンジ収容部32g(図4参照)の右寄りに配置される。すなわち、ヒンジ組立体40は、ダンパケース45の軸部45cが洗剤蓋ベース32の軸受32nに挿入される。また、洗剤蓋ベース32の軸受32nから外側に突出した軸部45cは、洗剤投入ケース20に形成された軸受け23(図3参照)に挿通される。軸部45cが挿通される軸受け23の孔は、軸部45cが嵌合する四角形状であり、軸部45c(ダンパケース45)が回動しないようになっている。
図9は、洗剤蓋の右側面図である。なお、図9は、洗剤蓋30から洗剤蓋カバー31およびラッチ組立体60を取り外した状態である。
図9に示すように、周壁32fの後端(洗剤蓋30を閉じたとき)には、軸方向内側に凹む窪み部32f3が形成されている。この窪み部32f3に、軸受け23(図3参照)が配置される。
窪み部32f3には、軸部45cが挿通される円形の貫通孔32f2が形成されている。この軸部45cは、軸方向からみたときの形状が四角形状(正方形)である。なお、軸部45cの形状は、軸方向から見たときにおいて(断面視)正方形に限定されるものではなく、軸部45cを回転不能にできるものであれば、断面視D形状など他の形状であってもよい。
また、周壁32fに形成された切欠孔32sは、後記するラッチ組立体60の回転ディスク61(図12参照)に沿う形状である。すなわち、切欠孔32sは、略台形状に形成され、上辺部32s1が下辺部32s2よりも長く形成され、上辺部32s1から下辺部32s2に向けて傾斜部32s3,32s4によって幅が狭くなる形状である。
図10は、洗剤蓋のヒンジおよびその周辺を示す断面図である。なお、図10は、ヒンジ50をヒンジ収容部32gに取り付けた状態を概略的に示す断面図である。
図10に示すように、ヒンジ50は、図示の断面視において略U字状に形成された本体部51を有し、本体部51のU字を横向きにした状態でヒンジ収容部32gに収容されている。すなわち、本体部51は、上側(ヒンジ収容部32gの開口側)に位置する直線状の板部51aと、ヒンジ収容部32gの底壁32i側に位置する直線状の板部51bと、板部51aと板部51bの端部同士を接続する湾曲状の曲線部51cと、を有している。これにより、本体部51の板部51bは、図示上下方向に撓み変形可能になる。
また、ヒンジ50は、板部51aの先端が、板部51bの先端よりも長く形成され、板部51aの先端から底壁32i側に向けて曲げ形成される曲げ部51dが形成されている。この曲げ部51dの外面には円柱形状の軸部51eが形成されている。この軸部51eは、軸受32mの貫通孔32e2に挿入されて支持されている。なお、ヒンジ50は、ヒンジ収容部32g内に移動しないように、リブ32g1,32g2(図20参照)によって保持されている。なお、ヒンジ50は、図示左右方向には移動できるようになっている。また、図示省略しているが、軸部51eは、洗剤投入ケース20(図3参照)に形成された軸受け24(図3参照)に回動自在に支持されている。これにより、洗剤蓋30が洗剤投入ケース20に回動自在に支持される。
また、ヒンジ50は、板部51bの先端から底壁32i側に向けて曲げ形成された曲げ部51fが形成されている。この曲げ部51fの先端は、底壁32iに形成された開口部32i1から露出するように配置されている。
また、板部51bの底壁32iと対向する面には、断面視直角三角形状の突起51gが形成されている。この突起51gは、底壁32iに垂直に延びる面51g1と、この面51g1の下端(先端)から曲げ部51f側に傾斜して延びる傾斜面51g2と、を有している。
一方、底壁32iには、突起51gと対向する面に、突起32tが形成されている。この突起32tは、底壁32iに対して垂直に延びて前記した面51g1と対向して配置される面32t1と、この面32t1の上端(先端)から曲げ部51fとは反対側に傾斜して延びる傾斜面32t2と、を有している。
図11は、洗剤蓋の左側面図である。
図11に示すように、洗剤蓋ベース32の左側面である周壁32eの後端(回動軸側)には、軸方向にへこむ窪み部32e3が形成されている。この窪み部32e3に洗剤投入ケース20に形成された軸受け24(図3参照)が配置される。
また、窪み部32e1には、軸方向の奥まった位置に軸受32mが形成され、軸受32mに円形の貫通孔32e2が形成されている。なお、図示省略しているが、この貫通孔32e2からヒンジ50の軸部51e(図10参照)が突出する。この軸部51eは、軸方向からみたときの形状が円形であり、洗剤蓋30の回転とともに一緒に回転するように構成されている。
前記した図10に示す状態は、ヒンジ50がヒンジ収容部32gに保持された状態であり、曲げ部51fの先端(下端)が開口部32i1から突出(または露出)している。また、ヒンジ50は、突起51gの面51g1と、突起32tの面32t1とが対向して配置され(実際には面51g1と面32t1とが接している)、ヒンジ50の軸部51eが軸受32mから抜け出ないようになっている。
そして、図10に示す状態において、曲げ部51fの先端(下端)を開口部32i1内(図10のX方向)に押し込むことで、突起51gと突起32tとの係合状態が解除される。そして、曲げ部51fを押し込んだ状態でヒンジ50を図示右方向(図10のY方向)にスライドさせることで、軸部51eが洗剤投入ケース20の軸受け24(図3参照)から抜け出る。軸部51eが軸受け24から抜けた後、反対側の軸部45c(図8参照)を軸受け23(図3参照)から引き抜くことで、洗剤蓋30を洗剤投入ケース20から取り外すことができ、洗剤蓋30を洗浄することができる。
また、取り外した洗剤蓋30を洗剤投入ケース20に取り付ける場合には、右側の軸部45c(図8参照)を軸受け23(図3参照)に挿入し、軸部51eと軸受け24(図3参照)とが対向する位置となるように位置決めする。そして、ヒンジ50を軸受け24側にスライドさせることで、突起51gの傾斜面51g2が突起32tの傾斜面32t2上を摺動しながらスライドし、軸部51eが軸受け24に向けて移動する。そして、軸部51eが軸受け24で軸支されたときに、突起51gが突起32tを乗り越えて、板部51aが有する弾性復元力によって変形し、突起51gと突起32tとが係合する。これにより、ヒンジ50がヒンジ収容部32g内においてロックされる。
図12は、ラッチ組立体を示す分解斜視図である。
図12に示すように、ラッチ組立体60(ロック・ロック解除機構)は、回転ディスク61、上部ロッド62および下部ロッド63、コイルバネ64(図4参照)が組み合わされて構成されている。
回転ディスク61は、図示上下を軸方向とする円筒部61aと、この円筒部61aから径方向に突出する略三角形状の回転ディスク61bと、を有して構成されている。また、円筒部61aの上部は、内部の径よりも小径に形成され、軸方向に貫通する上部開口61a1が形成されている。この上部開口61a1に後記するコイルバネ64(図4参照)が挿入される。
上部ロッド62は、軸方向に延びる前記円筒部61aよりも小径の円筒部62aと、円筒部62aの上部に一体に形成される上側案内部材62bと、を有している。また、上部ロッド62は、円筒部62aから軸方向下方に向けて突出して下部ロッド63と連結される連結部62cを有している。
上側案内部材62bは、円筒部61aの外周壁面から径方向外側に向けて突出する突起部62b1が周方向に並んで形成されている。突起部62b1と突起部62b1との間には、2つの傾斜面62b3,62b4によって形成された谷部62b2が形成されている。
また、上側案内部材62bには、上下方向に貫通する切欠溝62b5が形成されている。この切欠溝62b5は、120度の等間隔で形成されている。すなわち、周方向に隣り合う切欠溝62b5と切欠溝62b5との間に、2つの突起部62b1が位置するように構成されている。
連結部62cは、円筒部62aの下面から軸方向下方に向けて延びる略円柱形状の突出部62c1を有している。突出部62c1は、二又状に形成された脚部62c2,62c2を有している。それぞれの脚部62c2には、互いに反対方向で外側を向くように爪62c3が形成されている。これにより、連結部62cでは、脚部62c2,62c2が互いに近づく方向に撓み変形可能となる。
下部ロッド63は、軸方向に延びる前記円筒部62aと同径の円筒部63aと、円筒部63aの上部に一体に形成される下側案内部材63cと、を有している。
円筒部63aは、軸方向の上面に、前記連結部62cが挿入されて連結される連結孔63bが形成されている。連結孔63bは、平面視において略レーストラック形状を呈し、直線状に形成され且つ対向配置された一対の直線部63b1,63b1と、曲線状に形成され且つ対向配置された曲線部63b2,63b2と、を有している。前記した連結部62cを連結孔63bに挿入することで、各脚部62c2が互いに近づく方向に撓み、連結部62cが連結孔63bに挿入可能となる。そして、爪62c3が直線部63b1を乗り越えて円筒部63aに入り込むと、円筒部63a内において各脚部62c2が弾性復帰して、円筒部62aの下面と円筒部63aの上面とが接した状態で連結される。
下側案内部材63cは、円筒部63aの外周壁面から径方向外側に向けて突出する突起部63c1が周方向に並んで形成されている。突起部63c1と突起部63c1との間には、2つの傾斜面63c3,63c4によって谷部63c2が形成されている。また、各谷部63c2の底には、軸方向に貫通する切欠溝63dが形成されている。
図13は、ラッチ組立体を示し、(a)は回転ディスクの上面図、(b)回転ディスクの側面図、(c)は回転ディスクの下面図、(d)は(a)のA−A線断面図、(e)は上部ロッドと下部ロッドとを組み付けた状態の側面図である。
図13(a)に示すように、回転ディスク61bは、軸方向の上方から見たときに、略正三角形状を呈している。また、回転ディスク61bのそれぞれの角部は、尖った部分を取り除いた面取部61b1となっている。このように、面取部61b1を形成することで、回転ディスク61bの回転軌跡を小さくすることができ、ラッチ組立体60をコンパクトに構成できる。
図13(b)に示すように、回転ディスク61bは、薄板形状のディスク部61cと、このディスク部61cの下面から軸方向に延び且つ円筒部61aよりも大径の円筒部61dと、を有している。また、回転ディスク61bは、ディスク部61cの外周縁部から下方に延びる側面部61eを有している。側面部61eは、図13(b)に示すように、回転ディスク61bの一辺を正面から見たときに、軸方向の中心に対して一側(図示左側)に形成されている。また、側面部61eは、円筒部61dと同じ高さ位置まで下方に延びている。また、側面部61eは、下端から上端に向けてテーパ61fが形成されている。
図13(c)に示すように、回転ディスク61bは、前記した側面部61eが三角形のそれぞれの辺に設けられている。円筒部61aの下面には、前記した上部開口61a1よりも大径の円形の下部開口61gが形成されている。
また、円筒部61aの内周壁面には、3つの案内突起61hが周方向に等間隔(120度毎)に形成されている。この案内突起61hは、ディスク部61cの一辺の幅方向中央と略対向する位置P(図13(b)参照)に形成されている。
図13(d)に示すように、案内突起61hは、回転ディスク61bの高さ位置と略同じ位置に形成されている。また、案内突起61hは、上部ロッド62の切欠溝62b5(図12参照)を通過させることができる幅を有している。
図13(e)は、上部ロッド62と下部ロッド63とを連結した状態である。下部ロッド63の円筒部63aには、軸方向に沿って延びる溝63a1が形成されている。溝63a1は、下側案内部材63cの下面から下方に向けて形成されている。また、溝63a1の上端部には、内部と貫通する係止孔63a2が形成されている。上部ロッド62と下部ロッド63とを連結したときに、上部ロッド62の爪62c3が係止孔63a2内に突出することで、上部ロッド62と下部ロッド63とが互いに脱落しないようにロックされる。
また、上部ロッド62と下部ロッド63とを連結したときに、上側案内部材62bと下側案内部材63cとが軸方向に離間した状態で配置される。この上側案内部材62bと下側案内部材63cとの間を、案内突起61hが上下動することで、回転ディスク61が回転するようになっている。
図14は、回転ディスクの一部切欠斜視図である。
図14に示すように、案内突起61hは、軸中心側から見たときの形状が台形状を呈し、上下方向に延びる垂直面部61h1と、この垂直面部61h1よりも上下方向に短く形成された垂直面部61h2と、垂直面部61h1の上端部から垂直面部61h2の上端部に向かって延びる傾斜面部61h3と、垂直面部61h1の下端部から垂直面部61h2の下端部に向かって延びる傾斜面部61h4と、を有している。これら垂直面部61h1,61h2および傾斜面部61h3,61h4は、径方向の中心ではなく、周方向を向いて形成されている。これにより、傾斜面部61h3,61h4を、上側案内部材62bの傾斜面62b3,62b4および下側案内部材63cの傾斜面63c3,63c4に対向配置できる。なお、図14では、ひとつの案内突起61hのみを図示しているが、他の2つの案内突起61hについても同様な形状且つ同様な向きで形成されている。
このように構成されたラッチ組立体60では、上部ロッド62と下部ロッド63とを図13(e)のように組み立ててロッド組立体(以下、これを符号65で示す)とした後に、回転ディスク61の下側の下部開口61gからロッド組立体65を挿入する。このとき、回転ディスク61の円筒部61a内には3つの案内突起61hが形成されているが、3つの切欠溝62b5と3つの案内突起61hとの位置を軸方向において一致させることにより、上側案内部材62bを案内突起61hの上方に移動させることができる。
図15は、ラッチ組立体が取り付けられる洗剤蓋ベースを示す平面図である。なお、図15では、洗剤蓋ベース32に洗剤蓋下33が取り付けられている状態を示している。
図15に示すように、洗剤蓋ベース32の右端手前の角部には、前記したラッチ組立体60が取り付けられるラッチ組立体設置部32qが設けられている。ラッチ組立体設置部32qは、平面視三角状に形成された平坦部32rが形成されている。
平坦部32rには、円形の貫通孔32uが形成され、かつ、貫通孔32uの壁面に対向するように一対の突起部32wが形成されている。また、貫通孔32uの周囲には、略同心円状にラッチ組立体60の円筒部61aが嵌る嵌合リブ32xが形成されている。これにより、細い形状のロッド組立体65に無理な力が作用して、ロッド組立体65の動作に不具合が生じるのを防止できる。
また、洗剤蓋下33には、ラッチ組立体60が回転したときに、当該ラッチ組立体60が接触するのを回避する(逃げる)周壁33iが形成されている。この周壁33iは、凹面がラッチ組立体設置部32q側に向くようにして円弧状に形成されている。
図16は、ラッチ組立体を取り付けた洗剤蓋を裏側からみたときの斜視図である。
図16に示すように、貫通孔32uには、ラッチ組立体60の下部ロッド63が挿入される。このとき、貫通孔32uに形成された突起部32w,32wが下部ロッド63に形成された溝63a1,63a1と嵌合して、下部ロッド63が、ラッチ組立体設置部32q上において回転しないようになっている。すなわち、ラッチ組立体60は、回転ディスク61が回転するように構成されている。
図17は、ラッチ組立体のロック状態からロック解除に至る動作説明図を示し、(a)はロック状態、(b)はロック解除途中の状態、(c)はロック解除状態である。なお、図17(a)、(b)、(c)において、左図は、回転ディスク61と上面パネル7との位置関係を示し、中央の図は、ラッチ組立体60のロッド組立体65と回転ディスク61の案内突起61hとの位置関係を示し、右図は、中央の図を展開して簡略化した状態を示している。
まず、ラッチ組立体60は、洗剤蓋ベース32のラッチ組立体設置部32qに設置された後、回転ディスク61の上部開口61a1にコイルバネ64(図4参照)の一端(下端)が挿入される。そして、コイルバネ64の他端(上端)は、洗剤蓋カバー31の裏面に形成されたバネ支持部31g(図5参照)に外嵌するように取り付けられる。これにより、ロッド組立体65を常に押圧した状態で、ラッチ組立体60が洗剤蓋30内で保持される。
図17(a)の左図に示すように、洗剤蓋30が閉じた状態(ロックされた状態)では、ラッチ組立体60の一つの角部C1が洗剤蓋30の切欠孔32s(図4参照)から突出し、かつ、上面パネル7のロック孔25(図3参照)に挿入されている。このとき、図17(a)の中央図に示すように、ラッチ組立体60は、洗剤投入ケース20(図3参照)に形成された縁部21の平面部21eから離間している。また、ロッド組立体65は、コイルバネ64(図4参照)によって押圧され、案内突起61hが上側案内部材62bに接している。
また、図17(a)の右図に示すように、ロッド組立体65は、上部ロッド62の谷部62b2と、下部ロッド63の谷部63c2とが周方向に位相がずれて形成されている。つまり、谷部62b2の底(点P1)の鉛直方向下方に谷部63c2の傾斜面63c3が位置し、谷部63c2の底(点P2)の鉛直方向上方に谷部62b2の傾斜面62b3が位置している。
図17(a)の右図に示すように、洗剤蓋30が閉じた状態(ロックされた状態)では、案内突起61hの傾斜面部61h3が傾斜面62b3に接している。このとき、コイルバネ64(図4参照)によってロッド組立体65が下方に押圧されているが、案内突起61hが谷部62b2の底(点P1)に接することで、ロッド組立体65がそれ以上下方へ移動することが規制されている。
図17(a)に示す状態において、洗剤蓋30が押下操作されることで、図17(b)の中央図に示すように、下部ロッド63の下端(先端)が平面部21eに当接して、ロッド組立体65がコイルバネ64(図4参照)の付勢力を受けながら鉛直方向上方に押し上げられる。このとき、図17(b)の右図に示すように、案内突起61hが谷部63c2の傾斜面63c3に当接し、その後、案内突起61hの傾斜面部61h4が下部ロッド63の傾斜面63c3を摺動しながら滑り下りる。案内突起61hの傾斜面部61h4が傾斜面63c3を摺動することにより回転ディスク61が時計回り方向に回転する。
このように、ロッド組立体65が動作することで、回転ディスク61が、図17(a)の左図に示す状態から図示時計回り方向に回転し、図17(b)の左図に示す状態に至る。この状態では、回転ディスク61が切欠孔32sから突出し、かつ、ロック孔25に挿入されている。なお、下部ロッド63の溝63a1は、洗剤蓋ベース32の突起部32w(図16参照)に嵌合しているので、ロッド組立体65は回転せず、回転ディスク61の方が回転するようになっている。
そして、図17(b)に示す状態から、洗剤蓋30が上方に向けて回動することで、ロッド組立体65がコイルバネ64の付勢力によって回転ディスク61から突出する方向に移動する。このとき、ロッド組立体65が回転ディスク61から突出する方向に動作することで、案内突起61hは、図17(b)の右図の状態から鉛直方向上方に移動し、傾斜面部61h3が上部ロッド62の傾斜面62b3に当接し、その後、傾斜面部61h3が傾斜面62b3を摺動しながら谷部62b2の底(点P3)まで移動する。案内突起61hの傾斜面部61h3が傾斜面62b3を摺動することにより回転ディスク61がさらに時計回り方向に回転する。
このように、ロッド組立体65が動作することで、回転ディスク61が、図17(b)の左図の状態から、図示時計回り方向にさらに回転し、図17(c)の左図の状態に至る。この状態では、回転ディスク61がロック孔25から抜け出て、かつ、切欠孔32s内に収まっている。
図18は、ラッチ組立体のロック解除からロック状態に至る動作説明図を示し、(a)はロック解除状態、(b)はロック途中の状態、(c)はロック状態である。なお、図18(a)〜(c)は、図17(a)〜(c)と同様である。
図18(a)の左図に示すように、洗剤蓋30が開いた状態(ロック解除状態)では、ラッチ組立体60の回転ディスク61がロック孔25から抜け出て、かつ、切欠孔32sの内側に収まっている。また、ラッチ組立体60は、ロッド組立体65がコイルバネ64(図4参照)によって押圧され、図18(a)の右図に示すように、案内突起61hの傾斜面部61h3が上側案内部材62bの傾斜面63b3に接している。
そして、図18(a)の状態から、洗剤蓋30が閉じられ、下部ロッド63の下端(先端)が平面部21e(図23)に当接することで、ロッド組立体65がコイルバネ64(図4参照)の付勢力を受けながら鉛直方向上方に押し上げられる。また、洗剤蓋30は、上面パネル7の表面7a(図7参照)よりも若干押し込まれる状態まで押圧される(図21参照)。このとき、図18(b)の右図に示すように、案内突起61hの傾斜面部61h4が下部ロッド63の傾斜面63c3に当接し、その後、傾斜面63c3を摺動しながら谷部63c2の底(点P4)まで移動する。このように、案内突起61hが傾斜面63c3を滑り下りることにより、回転ディスク61が時計回り方向に回転し、図18(b)の左図に示す状態に至る。
そして、図18(b)に示す状態から、洗剤蓋30から手を離すことにより、ヒンジ組立体40のヒンジバネ42(図8参照)の付勢力によって、洗剤蓋30が初期状態(洗剤不在30の表面31aと上面パネル7の表面7aとが面一となる位置)に復帰する。このとき、コイルバネ64によってロッド組立体65が回転ディスク61から突出する方向に動作することで、図18(c)の右図に示すように、案内突起61hの傾斜面部61h3が上部ロッド62の傾斜面62b3に当接し、その後、傾斜面部61h3が傾斜面62b3を摺動しながら谷部62b2の底(点P5)まで移動する。このように、案内突起61hが傾斜面62b3を摺動することにより、回転ディスク61が時計回り方向にさらに回転し、図18(c)の左図に示す状態に至る。
このように、ロッド組立体65が動作することで、回転ディスク61が、図18(a)の左図の状態から図18(c)の左図の状態に移行し、回転ディスク61の角部C2が切欠孔32sから突出し、ロック孔25に挿入され、洗剤蓋30がロック状態となる。
同様にして、図18(c)に示す洗剤蓋30のロック状態から、洗剤蓋30の表面31aを押し込み、そして手を離すことで、回転ディスク61の角部C2がロック孔25から抜け出て、かつ、切欠孔32s内に収まり、洗剤蓋30のロックが解除される。再度、洗剤蓋30を押し込むことで、回転ディスク61の角部C3が切欠孔32sから突出することで洗剤蓋30がロックされる。このように、洗剤蓋30を押圧操作するだけで、洗剤蓋30のロックとロック解除を繰り返して行うことができ、操作性が向上し、洗剤等の投入作業が容易になる。
また、回転ディスク61がロック状態で洗剤蓋30が閉じられた場合について説明する。この場合、回転ディスク61の下面側の側面部61eにテーパ61fが形成されているため、洗剤蓋30を閉じたときに、テーパ61fが上面パネル7に当たるので、回転ディスク61を時計回り方向へ回転させる力が働き、回転ディスク61がロック解除状態となる。よって、このような状態で洗剤蓋30が閉じられたとしても、ラッチ組立体60が破損するといったことを防止することができる。
図19は、洗剤蓋が閉じているときを示す外観斜視図、図20は、洗剤蓋が閉じているときのヒンジ組立体の状態を示す平面図である。なお、図19では、洗剤投入部10および操作パネル11が設けられた上面パネル7のみを示している(図21および図23も同様)。図20では、洗剤蓋カバー31を取り外した状態を示している(図22および図24も同様)。また、図19および図20は、図17(a)の状態と対応している。
図19に示すように、上面パネル7には、洗剤投入部10が設けられている。洗剤投入部10の洗剤蓋30は、ほぼ平らな面で略四角状に形成されている。洗剤蓋30の洗剤蓋カバー31の周囲は、上面パネル7で囲まれている。すなわち、洗剤投入部10の表面には、溝が窪みなどは形成されておらず、また部品同士の連結によって形成される分割線(分割形状)も形成されていない。
よって、洗剤投入部10の周囲には、上面パネル7との境界となる境界線以外形成されていない。したがって、洗剤蓋カバー31の表面31aに埃などが留まることがなく、また、埃などの蓄積による動作不良が発生することもない。また、洗剤蓋30の表面が従来の開閉ロックノブのように2部品で構成されていないので、組み立て誤差が生じて組み立て不良、洗剤投入ケース20(図3参照)との間でのロック不良が発生するといった不具合を生じることもない。
図20に示すように、洗剤蓋30が全閉した状態では、前記したように、ラッチ組立体60が洗剤蓋ベース32の切欠孔32s(図4参照)から外側に突出し、ロック孔25(図3参照)に挿入されて洗剤蓋30がロック状態となっている。
また、洗剤蓋30が全閉した状態において、ヒンジ組立体40は、ダンパカバー43のカム部43cの直線部43c1とダンパケース45のカム部45bの直線部45b1とが周方向に離間している。さらに、ヒンジ組立体40は、カム部43cのらせん部43c2と、カム部45bのらせん部45b2とが先端同士が接触した状態である。この状態では、ヒンジバネ42が、洗剤蓋30の開時よりもさらに圧縮された状態であり、ダンパカバー43をダンパケース45側に付勢している。
図21は、洗剤蓋が押されているときを示す外観斜視図、図22は、洗剤蓋が押されているときのヒンジ組立体の状態を示す平面図である。図21および図22は、図17(b)の状態と対応している。
図21に示すように、洗剤蓋30を図示矢印の位置(操作パネル11に近い手前側)において手で押下げ操作(押圧操作)することで、洗剤蓋30が上面パネル7の表面7aよりも下側(奥側)に押し込まれる。このとき、洗剤蓋30には蛇腹形状のパッキン34(図6参照)が設けられているので、図21のように洗剤蓋30を押下げ操作したとしても、さらに洗剤蓋30を押し込むことができる。また、ラッチ組立体60(図22参照)が洗剤蓋30の回動軸(軸部45c,51e)とは反対側(洗剤蓋30の先端側)に位置しているので、洗剤蓋30を押し下げる際に十分な押し下げストロークを確保することができる。なお、ラッチ組立体60の前後方向の位置は、回動軸(軸部45c、51e)から洗剤蓋30の先端までの距離の半分よりも手前側であることが好ましい。
図22に示すように、洗剤蓋30のロック解除途中では、前記したように、ラッチ組立体60が図示時計回り方向に回転し、回転ディスク61の角部C1が洗剤蓋ベース32の切欠孔32s(図4参照)から突出し、ロック孔25(図3参照)に挿入されている。つまり、このように洗剤蓋30が押し込まれた状態では、洗剤蓋30のロックは解除されていない。
また、洗剤蓋30のロック解除途中において、ヒンジ組立体40は、カム部43cのらせん部43c2と、カム部45bのらせん部45b2とが接した状態を維持しつつ、らせん部43c2とらせん部45b2との接触範囲が図20よりも短くなる。ただし、カム部43cの直線部43c1とカム部45bの直線部45b1とが軸方向において重ならない位置である。
すなわち、ダンパケース45は、洗剤投入ケース20の軸受け23(図3参照)に回動不能に支持(固定)されているので、ダンパカバー43が回転することで、らせん部43c2とらせん部45b2との重なり代が変化する(短くなる)。すなわち、ダンパカバー43の回転とともに、バネケース41、ヒンジバネ42、ヒンジ金具46、洗剤蓋ベース32、洗剤蓋下33、パッキン34、ヒンジ50およびラッチ組立体60が回転する。
図23は、洗剤蓋が全開しているときを示す外観斜視図、図24は、洗剤蓋が全開しているときのヒンジ組立体の状態を示す平面図である。図23および図24は、図17(c)の状態に対応している。
図23に示すように、洗剤蓋30を押圧した状態(図21参照)から手を離すことで、ヒンジ組立体40のヒンジバネ42の付勢力によって洗剤蓋30が全開まで開放する(全閉状態から約90開いて洗剤蓋30の先端が上向きの状態になる)。
また、洗剤蓋30(洗剤蓋ベース32)の裏側からは、ラッチ組立体60のロッド組立体65の一部が突出している。このとき、ロッド組立体65の先端は、パッキン34の外側に位置している。このように、ラッチ組立体60を、洗剤投入口(凹部22の開口)を囲むパッキン34の外側に配置したことで、洗剤投入ケース20内に投入された洗剤類が、ロッド組立体65が挿通される洗剤蓋ベース32の孔の隙間を通して浸入するのを防止でき、ラッチ組立体60が動作不良となるのを防止できる。
図24に示すように、洗剤蓋30のロック解除状態では、前記したように、ラッチ組立体60が図示時計回り方向にさらに回転し、回転ディスク61の角部C1がロック孔25(図23参照)から抜け出て、洗剤蓋ベース32の切欠孔32s(図4参照)内に収まる。これにより、洗剤蓋30のロックが解除され、洗剤蓋30のヒンジ組立体40が有するバネ力によって、洗剤蓋30が自動的に開放する方向に動作する。
また、洗剤蓋30のロック解除状態において、ヒンジ組立体40は、らせん部43c2がらせん部45b2と摺動しながら、カム部43cがカム部45b側に近づく方向に移動する。つまり、ダンパケース45は、前記したように回動不能に支持されているので、ダンパカバー43がヒンジバネ42の付勢力を受けることでダンパケース45側に移動する。このとき、らせん部43c2、45b2がともにらせん状に形成されているので、ダンパカバー43がヒンジバネ42の付勢力を受けることで、ダンパカバー43が回転しながらダンパケース45側に移動することになる。本実施形態では、ダンパカバー43にらせん部43c2が形成され、ダンパケース45にらせん部43c2と嵌合するようにらせん部45b2が形成されているので、ヒンジバネ42の弾性復帰力を受けながら、ダンパケース45を除くヒンジ組立体が洗剤蓋30とともに回動する。このように、洗剤蓋30が全開した状態では、ダンパカバー43のカム部43cとダンパケース45のカム部45bとが完全に嵌合した状態となる。カム部43cとカム部45bとが完全に嵌合することで、洗剤蓋30が90度開いた状態で停止する。このように、洗剤蓋30のロックを解除したときに、洗剤蓋30を自動的に開放させることで、洗剤投入ケース20への洗剤類の投入操作が容易になる。
図25は、ヒンジ組立体のダンパ機構を示し、(a)は洗剤蓋が全閉状態、(b)は洗剤蓋が開途中状態、(c)は洗剤蓋が全開状態である。なお、図25は、簡略化して図示し、ダンパケース45の図示を省略している。ヒンジ組立体40のダンパ機構は、洗剤蓋30が全閉状態から開く際に、洗剤蓋30が勢いよく開かないようにするものである。
図25(a)に示すように、洗剤蓋30が全閉状態では、ダンパカバー43の当接面43sとダンパ44の受け部44cとが離間している。なお、当接面43sと受け部44cとを離間させる距離は、例えば、ダンパカバー43のストロークの半分程度の長さに設定される。
そして、洗剤蓋30のロックが解除されて開くことで、図25(b)に示すように、ダンパカバー43が図示右側に回転しながら移動し、洗剤蓋30が半分程度開いたときに当接面43sが受け部44cに当接する。つまり、図25(a)の状態から図25(b)に至る過程では、ダンパ44による減衰力を受けずに、洗剤蓋30がすばやく開放する。
そして、図25(c)に示すように、洗剤蓋30がさらに開くことで、当接面43sが受け部44cを押し込みながら、ダンパカバー43が図示右側に回転しながら移動する。これにより、ダンパ44によってダンパカバー43の動作が減衰されながら、ダンパカバー43が図示右側に回転しながら移動する。ダンパカバー43を減衰させる距離は、ダンパカバー43のストロークの半分程度の長さに設定される。
このように、洗剤蓋30が全開する手前において、ダンパ44によって洗剤蓋30を減衰させながら開放させることで、洗剤蓋30がゆっくり開くことになる。よって、洗剤蓋30が勢いよく開いたり、洗剤蓋30が上面パネル7に衝突して破損するといった不都合を防止できる。
また、洗剤蓋30が全閉状態において受け部44cと当接面43sとを離間させておくことで(図25(a)参照)、洗剤蓋30が開く初期から減衰しながら開くのを防止して、洗剤蓋30が全開するまでの時間が長くなり過ぎるのを防止できる。
以上説明したように、本実施形態のドラム式洗濯機1では、洗剤投入部10において洗剤が投入される洗剤投入ケース20と洗剤投入ケース20を開閉する洗剤蓋30とを備え、洗剤蓋30が当該洗剤蓋30を押圧操作することでロック状態とし、次に当該洗剤蓋30を押圧操作することでロック状態を解除するロック・ロック解除機構(ラッチ組立体60)を備える。これによれば、洗剤蓋30の表面に、ロックノブなどの部品が不要となるので、洗剤蓋30の表面を分割線や凹凸の無いほぼ平らな面で構成することができ、洗剤蓋30の清掃性を向上させることができる。また、洗剤蓋30を複数部品で構成する必要がないので、洗剤蓋30の寸法バラツキによる開閉不具合が起こり難い。
また、本実施形態では、洗剤蓋30を洗剤投入ケース20に軸支する軸部45c,51eを備え、洗剤蓋30を回動自在に支持する軸部45c,51eとは逆側(洗剤蓋30を閉じたときの先端手前側)にロック・ロック解除機構(ラッチ組立体60)を備える。これによれば、洗剤蓋30を押圧操作する際の押圧ストロークを十分に確保することができ、ラッチ組立体60を確実に動作させることが可能になる。
また、本実施形態では、洗剤投入ケース20の縁部21と洗剤蓋30とを密閉するパッキン34を有し、ロック・ロック解除機構は、パッキン34の外側に配置されている。これによれば、ラッチ組立体60内部に洗剤などが浸入するのを防止することができ、ラッチ組立体60を安定して動作させることができる。
また、本実施形態では、パッキン34が蛇腹形状である。これによれば、洗剤投入ケース20の縁部21と洗剤蓋30とを密閉でき、さらに洗剤蓋30を全閉状態から押圧操作する際に、洗剤蓋30を押し込むことが容易になる。
また、本実施形態では、パッキン34には貫通孔34cが形成されている(図6(a)、(b)参照)。これによれば、洗剤蓋30が閉状態から解放する際に、パッキン34が吸盤の作用によって洗剤蓋30が開かなくなるまたは開きづらくなるのを防止できる。
また、本実施形態では、洗剤蓋30の表面(洗剤蓋カバー31の表面31a)に凹凸が無く且つ上面パネル7の表面7aと連続した面となるように構成されている。これによれば、外観上のフラット感を強調することができるとともに、清掃性をより向上させることができる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を変更しない範囲において種々変更できる。なお、本実施形態では、軸部45c,51eが洗剤蓋30の奥側(ドラム式洗濯機1の手前とは逆側)で、かつ、左右方向に向く構成であるが、このように洗剤蓋30が開く構成に限定されず、例えば、軸部45c,51eが左端(または右端)かつ前後方向に向く構成であってもよい。また、洗剤蓋30が左右に分割して開き、かつ、左右両側において前後に向く軸部を備える構成であってもよい。
また、本実施形態では、略四角形状の洗剤蓋30を備えた洗剤投入部10を例に挙げて説明したが、三角形状の洗剤蓋を備える構成であってもよい。また、本実施形態では、左右に長い形状を備えた洗剤蓋30を例に挙げて説明したが、前後方向に長い形状を備えた洗剤蓋であってもよい。
また、本実施形態では、ラッチ組立体60とヒンジ組立体40とを別々の位置に配置した場合を例に挙げて説明したが、ロック・ロック解除機構をヒンジ組立体40の内部に組み込む構成であってもよい。
また、本実施形態では、ドラム式洗濯機(洗濯乾燥機)1を例に挙げて説明したが、縦型の洗濯乾燥機、縦型の洗濯機(全自動洗濯機)に適用してもよい。