JP6538170B2 - ホエイタンパク質を含有するゴム組成物 - Google Patents

ホエイタンパク質を含有するゴム組成物 Download PDF

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Description

本開示は、少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤及びホエイタンパク質成分を含むゴム組成物、並びに関連する方法に関する。また本開示は、本明細書に開示されるゴム組成物を含有するタイヤ構成部材にも関する。
自動車用タイヤ向けのゴム組成物は、摩耗耐性及び転がり抵抗などの所望される特性を付与するために、シリカなどの補強充填剤を高頻度で使用する。しかしながら、シリカ充填剤は、ゴム組成物中で(混合中に)凝集する場合があり、その凝集により組成物の粘度増加が起きる。増加した粘度により、ゴム組成物を加工することがより困難になる。
少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤及びホエイタンパク質成分を含むゴム組成物、並びに関連する方法を本明細書に開示する。また、本明細書に開示されるゴム組成物を含有するタイヤ構成部材も開示する。
第1の実施形態では、少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤、及びホエイタンパク質成分を含むゴム組成物を開示する。このゴム組成物は、約5〜約200phrの補強シリカ充填剤を含み、ホエイタンパク質成分は、約0.1〜約10phrのホエイタンパク質を提供するのに十分な量で存在する。
第2の実施形態では、硬化処理されたゴム組成物を開示し、このゴム組成物は、少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤、ホエイタンパク質、及び硬化パッケージを含む。このゴム組成物は、約5〜約200phrの補強シリカ充填剤を含み、ホエイタンパク質は、約0.1〜約10phrの量で存在する。
第3の実施形態では、シリカ充填剤含有ゴム組成物の粘度を低下させる方法を開示する。この方法には、少なくとも1種のゴム、約5〜200phrの補強シリカ充填剤、及び約0.1〜約10phrのホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分を含むゴム組成物の使用が含まれる。
少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤及びホエイタンパク質成分を含むゴム組成物、並びに関連する方法を本明細書に開示する。また、本明細書に開示されるのは、本明細書に開示されるゴム組成物を含有するタイヤ構成部材である。
第1の実施形態では、少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤、及びホエイタンパク質成分を含むゴム組成物を開示する。このゴム組成物は、約5〜約200phrの補強シリカ充填剤を含み、ホエイタンパク質成分は、約0.1〜約10phrのホエイタンパク質を提供するのに十分な量で存在する。
第2の実施形態では、硬化処理されたゴム組成物を開示し、少なくとも1種のゴム、補強シリカ充填剤、ホエイタンパク質、及び硬化パッケージを含むゴム組成物を開示する。このゴム組成物は、約5〜約200phrの補強シリカ充填剤を含み、ホエイタンパク質は、約0.1〜約10phrの量で存在する。
第3の実施形態では、シリカ充填剤含有ゴム組成物の粘度を低下させる方法を開示する。この方法には、少なくとも1種のゴム、約5〜200phrの補強シリカ充填剤、及び約0.1〜約10phrのホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分を含むゴム組成物の使用が含まれる。
定義
本明細書に記載する用語は、実施形態を説明するためだけのものであり、全体として本発明を限定すると解釈すべきではない。
本発明で使用する場合、用語「phr」は、ゴムのphrを意味する。ゴム組成物が2種以上のゴムを含む場合、「phr」は、全てのゴムを合わせて100部に対するphrを意味する。
本発明で使用する場合、用語「ポリブタジエン」は、シス−1,3−ブタジエンモノマーから製造されたポリマーを示すために用いられる。用語ポリブタジエンはまた、用語「ポリブタジエンゴム」及び略記「BR」と同じ意味で用いられる。
本発明で使用する場合、用語「ポリイソプレン」は、合成ポリイソプレンを意味する。言い換えれば、この用語は、イソプレンモノマーから製造されるポリマーを示すために使用され、自然由来の天然ゴム(例えば、へベア種天然ゴム、グアユール起源の天然ゴム、又はタンポポ起源の天然ゴム)を含むと解釈すべきではない。用語「ポリイソプレン」はまた、「ポリイソプレンゴム」及び略語「IR」と互換可能に使用される。
本発明で使用する場合、用語「スチレン−ブタジエンゴム」又は「SBR」は、スチレン及びシス−1,3−ブタジエンモノマーから製造されたコポリマーを意味する。
本発明で使用するとき、用語「天然ゴム」又は「NR」とは、へベア種ゴムノキなどの原料、及び非へベア種ゴムノキの原料(例えば、グアユール低木及びタンポポ(例えば、TKS)から採取され得るような自然由来のゴムを意味する。言い換えれば、用語「天然ゴム」は、ポリイソプレンを含むと解釈すべきではない。
本明細書で使用するとき、用語「ホエイタンパク質成分」とは、ホエイタンパク質を含有する成分を意味するが、また水、ミネラル、脂肪、炭水化物などの他の物質も含んでもよい。
本発明で使用する場合、用語「過半」は、少なくとも51重量%を意味する。
本発明で使用する場合、用語「半数未満」は、50重量%未満を指す。
本開示の目的において、ゴム組成物中の構成成分のパーセント量に対する言及は全て、別途記載のない限り、重量パーセントを意味する。同様に、ゴム組成物中の構成成分の量の比に対する言及は全て、別途記載のない限り、重量比を意味する。反対の意味の記載がない限り、本開示のゴム組成物の構成成分及び量に関する本明細書における説明は、別の実施形態、例えば、関連する方法及び本明細書に開示されるゴム組成物を含有するタイヤ(及びタイヤトレッド)に対して等しく適用されると理解されるべきである。
ホエイタンパク質成分及びホエイタンパク質
上述のように、本明細書に開示される第1及び第2の実施形態によると、ゴム組成物はホエイタンパク質成分を含み、本明細書に開示される第2の実施形態によると、ゴム組成物はホエイタンパク質を含む。より詳細を以下で論じるように、ホエイタンパク質成分とは、結果として得られるゴム組成物中のホエイタンパク質源である。
ホエイタンパク質及びカゼインタンパク質は、乳(すなわち、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ヒト、又は他の哺乳動物からの乳)中に見出される2種類のタンパク質である。ホエイタンパク質とは、液乳をpH4.6以下に酸性化した場合、可溶性のままである乳タンパク質群を一般に表す。カゼインタンパク質は、酸性pHにおいて凝固する乳タンパク質であり、チーズ、ヨーグルト、又は他の固化若しくは半固化の乳製品となる。凝固したカゼインタンパク質固形物を酸性化乳から取り除いた後、残存する液体がホエイと呼ばれ、ホエイは、典型的には、多様な量の炭水化物(例えば、ラクトース)、脂肪、及びミネラルと共に、ホエイタンパク質を含有する。
ホエイタンパク質は球状タンパク質の集合体であり、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、免疫グロブリン、及びウシ血清アルブミンなどのタンパク質を含み、ホエイタンパク質は、タンパク質の集合体を含むが、容易に参照できるように、本明細書では単数形で「ホエイタンパク質」と表す。α−ラクトアルブミン及びβ−ラクトグロブリンの組み合わせは、ウシ乳由来のホエイタンパク質中の過半のタンパク質を構成し、タンパク質の重量のそれぞれ約25%及び65%を占める。ホエイタンパク質は、非常に少量の個々のアミノ酸又は短鎖タンパク質オリゴマーを含み得るが、ホエイタンパク質中の過半の(すなわち、75%超、90%超、又は更に95%超も含む50%超の)タンパク質鎖は、約10kダルトンより大きい分子量を有する(ゲル電気泳動などの方法により測定)。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物中に使用されるホエイタンパク質の(又はホエイタンパク質成分中に含有される)タンパク質鎖は、約50%未満の加水分解度を有する。加水分解度(「DH」)は、タンパク質が加水分解され、タンパク質鎖が短鎖又は個々のアミノ酸に分解される場合の、開裂したペプチド結合の割合である。DHは、pHスタット測定、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)反応、オルト−フタルジアルデヒド(OPA)反応、及びホルモル滴定を含む数種のいずれかの既知の方法により測定することができる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物中に使用されるホエイタンパク質(又はホエイタンパク質成分中に含有される)は、約30%未満であるDHを有し、これには30%未満、約25%未満、25%未満、約20%未満、20%未満、約15%未満、15%未満、約10%未満、10%未満、約5%未満、5%未満、約3%未満、及び3%未満を含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による特定の実施形態では、ホエイタンパク質成分中のホエイタンパク質は、DHに関連する前述の特質のうちの少なくとも1つを満足する。
全てのタンパク質は、アミノ酸の基礎単位(building blocks)からなる。ホエイタンパク質のタンパク質鎖は、相対的に高い割合の分岐鎖アミノ酸(BCAA)、特にロイシンを含有する。ホエイタンパク質のアミノ酸特性に起因し、ホエイタンパク質は、かなりの量のイオウを含有するが、ホスフェート(リン)は含有しない。したがって、特定の実施形態では、第1〜第3の実施形態によるゴム組成物中に使用されるホエイタンパク質成分又はゴム組成物中に含有されるホエイタンパク質は、ホスフェート(又はリン)無含有と説明され得る。対照的に、カゼインタンパク質は、異なるアミノ酸特性を有し、主としてα−カゼイン、β−カゼイン、及びκ−カゼインを含む。カゼインタンパク質のアミノ酸特性に起因し、カゼインタンパク質は、かなりの量のホスフェート(リン)を含有するが、イオウはほとんど含有しない。
約5.1以上のpHを有するホエイは、「スイートホエイ」と呼ばれ、ハードチーズ製造の副生成物である。スイートホエイタンパク質は、リコッタチーズ製造用及び動物用飼料又は肥料として市販されている。しかしながら、ソフトチーズ、カテージチーズ、及びヨーグルトの製造の結果得られるホエイは、典型的には、5.1未満のpHを有する。このいわゆる「酸ホエイ」及び酸ホエイ中の酸ホエイタンパク質は、従来商業的価値をほとんど持っていなかった。
ホエイを最初に乳から分離する際に、ホエイは、主に水であるが(例えば、約90重量%超の水)、またホエイタンパク質、脂肪、炭水化物(例えば、ラクトース)、ミネラル(例えば、カルシウム)、及び他の乳ベースの物質(例えば、コレステロール)も含有する。したがって、本開示の目的上、ホエイはホエイタンパク質成分と考えてもよい。しかしながら、ほとんどのホエイの高い水分含量及び相対的に低いタンパク質含量(一般に1%未満)により、好ましくないが、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物中のホエイタンパク質成分としての使用が可能となる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物中での使用のための、より実践的なホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)を製造するために、ホエイは、一部分又は全ての水を除去し、ホエイタンパク質濃度を増大させ、非タンパク質物質、又は前述の組み合わせを除去するように加工され得る。このようなホエイの加工形態は市販されており、酸ホエイ粉末、減乳糖ホエイ(reduced lactose whey)、減ミネラルホエイ(reduced minerals whey)、スイートホエイ粉末、ホエイ粉末濃縮物、及びホエイタンパク質分離物を含む名称で販売され得る。したがって、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ホエイタンパク質成分は、酸ホエイ粉末、減乳糖ホエイ、減ミネラルホエイ、スイートホエイ粉末、ホエイタンパク質濃縮物、及びホエイタンパク質分離物のうちの少なくとも1種を含む(又はホエイタンパク質はこれらから供給される)。前述の特定の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質)は、ウシ乳から供給され(ウシ乳の一般的普及による)、他の実施形態では、ヒトではない動物から供給される。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による特定の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)は、粉末(すなわち、ホエイ粉末)を含む。ホエイ粉末は、液体ホエイ(すなわち、酸ホエイ又はスイートホエイ)を乾燥して固体、すくい上げ可能な粉末(すなわち、酸ホエイ粉末又はスイートホエイ粉末)にすることにより形成され得る。ホエイ粉末は、組成物中にいくらかの残留水を依然として有し得るが、ホエイタンパク質成分として使用する場合、本質的に乾燥粉末である。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による特定の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)は、酸ホエイ粉末、スイートホエイ粉末、又はこれらの組み合わせを含む。このような特定の実施形態では、酸ホエイ粉末は、約10〜約15重量%のタンパク質を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち別の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)は、減乳糖ホエイを含む。減乳糖ホエイは、液体ホエイを処理し、一部分又は全ての水及びラクトースを除去し、減乳糖ホエイを形成することにより形成され得る。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、減乳糖ホエイは、約15〜約30重量%(15〜30重量%を含める)のタンパク質を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち別の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)は、減ミネラルホエイを含む。減ミネラルホエイは、液体ホエイを処理し、一部分又は全ての水及びミネラル(例えば、カルシウム)を除去し、減ミネラルホエイを形成することにより形成され得る。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、減ミネラルホエイは、約10〜約15重量%(10〜15重量%を含める)のタンパク質を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち別の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)は、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)を含む。WPCは、液体ホエイを処理し、かなりの部分の水を除去することにより形成され得る。WPCは、かなりの量で存在する他の乳成分(例えば、脂肪、ラクトース、ミネラル、など)を依然として有し得る。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、WPCは、約30〜約85重量%(30〜85重量%を含める)のタンパク質を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち別の実施形態では、ホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)は、ホエイタンパク質分離物(WPI)を含む。WPIは、液体ホエイを処理し、水、脂肪、タンパク質、及び他の非タンパク質成分の多くを除去することにより形成され得る。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、WPIは、少なくとも約90重量%のタンパク質(少なくとも90重量%のタンパク質を含める)を含む。
上述のように、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によると、ゴム組成物は、ゴム組成物中に約0.1〜約10phrのホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分(又はホエイタンパク質源)を含む。このような特定の実施形態では、ホエイタンパク質成分は、ゴム組成物中に0.1〜10phr(例えば、0.1phr、0.2phr、0.25phr、0.3phr、0.4phr、0.5phr、1phr、2phr、3phr、4phr、5phr、6phr、7phr、8phr、9phr、10phr)のホエイタンパク質を提供するのに十分な量で存在し、これにはゴム組成物中のホエイタンパク質の約0.2〜約9phrを含め、0.2〜9phrを含め、約0.25〜約8phrを含め、0.25phr〜8phrを含め、約0.3〜約7phrを含め、0.3〜7phrを含め、約0.4〜約6phrを含め、0.4〜6phrを含め、約0.5〜約5phrを含め、かつ0.5〜5phrを含める。前述の量のホエイタンパク質を提供するのに必要とされるホエイタンパク質成分の量は、それぞれのホエイタンパク質成分中のホエイタンパク質濃度に応じて変化する。
上述のように、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による特定の実施形態では、ゴム組成物中に使用されるホエイタンパク質成分の供給源(及び、したがって、ゴム組成物中に含有されるホエイタンパク質)は、ギリシャヨーグルト、カテージチーズ、及び他のソフトチーズの生産者などの酸ホエイベースの乳製品製造業者を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物中に使用されるホエイタンパク質成分の供給源(及び、したがって、ゴム組成物中に含有されるホエイタンパク質)は、市販のホエイタンパク質製品を含み、酸ホエイ粉末、スイートホエイ粉末、減乳糖ホエイ、減ミネラルホエイ、WPC、WPI、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
ポリマー(ゴム)
上述のように、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によると、ゴム組成物は、少なくとも1種のゴムを含む。これらのゴム組成物は、少なくとも1種のゴムを含む、100部のゴム(100phr)を含むと理解できる。前記少なくとも1種のゴムは、天然ゴム、合成ゴム、又はこれらの組み合わせから選択できる。ゴム組成物中での使用に好適なゴムは、当業者に周知であり:合成ポリイソプレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン−ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム(ハロゲン化及び非ハロゲン化の両方)、ネオプレン(ポリクロロプレン)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素化ゴム、ポリアクリレートゴム(アクリレートモノマーとビニルエーテルとのコポリマー)、エチレンアクリル酸ゴム、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、ハロゲン化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。フッ素ゴムの例としては、パーフルオロエラストマゴム、フルオロエラストマ、フルオロシリコーン、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴムが挙げられる。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、前記少なくとも1種のゴムの少なくとも(重量による)過半は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエンゴムのうちの少なくとも1つを含み、このような実施形態では、上述のゴムのいずれかの1種以上が利用できる。特定の実施形態では、前記ゴムの少なくとも60重量%(少なくとも60部又はphr)、少なくとも70重量%(少なくとも70部又はphr)、少なくとも80重量%(少なくとも80部又はphr)、少なくとも90重量%(少なくとも90部又はphr)、少なくとも95重量%(少なくとも95部又はphr)、又は更に100重量%(100部又はphr)は、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエンゴムのうちの少なくとも1つを含む。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、前記少なくとも1種のゴムの(重量による)半数未満は、スチレンーイソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレンーイソプレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム(ハロゲン化及び非ハロゲン化)、ネオプレン(ポリクロロプレン)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリアクリル酸ゴム(アクリレートモノマー及びビニルエーテルのコポリマー)、エチレンアクリルゴム、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、ハロゲン化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びテトラフルオロエチレンープロピレンゴムのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、前記ゴムの40重量%まで(40部又はphrまで)、30重量%まで(30部又はphrまで)、20重量%まで(20部又はphrまで)、10重量%まで(10部又はphrまで)、5重量%まで(5部又はphrまで)は、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン−ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム(ハロゲン化及び非ハロゲン化の両方)、ネオプレン(ポリクロロプレン)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素化ゴム、ポリアクリレートゴム(アクリレートモノマーとビニルエーテルとのコポリマー)、エチレンアクリル酸ゴム、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、ハロゲン化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びテトラフルオロエチレン−プロピレンゴムのうちの少なくとも1つを含む。他の実施形態では、前記ゴムの0重量%(0部又はphr)は、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレン−ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム(ハロゲン化及び非ハロゲン化の両方)、ネオプレン(ポリクロロプレン)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素化ゴム、ポリアクリレートゴム(アクリレートモノマーとビニルエーテルとのコポリマー)、エチレンアクリル酸ゴム、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、ハロゲン化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びテトラフルオロエチレン−プロピレンゴムを含む。このような実施形態では、前記ゴムの100phrは、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエンゴムのうちの少なくとも1つを含む。更に別の実施形態では、前記ゴムの100重量%(100phr)まで、これには90重量%(90phr)まで、80重量%(80phr)まで、70重量%(70phr)まで、60重量%(60phr)までを含み、スチレンーイソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレンーイソプレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム(ハロゲン化及び非ハロゲン化)、ネオプレン(ポリクロロプレン)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリアクリル酸ゴム(アクリレートモノマー及びビニルエーテルのコポリマー)、エチレンアクリルゴム、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、ハロゲン化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、及びテトラフルオロエチレンープロピレンゴムのうちの少なくとも1つを含む。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、2種以上のゴムを利用する場合には、少なくとも1種のゴムは、ポリマー、コポリマー、又はこれらの組み合わせ(すなわち、2種以上のポリマー、2種以上のコポリマー、1種のポリマー及び1種のコポリマー、2種以上のポリマー及び1種のコポリマー、2種以上のコポリマー及び1種のポリマー、又は2種以上のコポリマー及び2種以上のポリマー)を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、少なくとも1種のゴムは、少なくとも1種の共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態による、好適な共役ジエンモノマーの例として、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエン、及び1,3−シクロオクタジエン、並びにこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、2種又はそれ以上の共役ジエンの混合物を利用できると理解されたい。共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーである好適なポリマーの非限定的な例として、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、及び天然ゴムが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、前記少なくとも1種のゴムは、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、合成ポリイソプレンゴム、及び天然ゴムのうちの少なくとも1つを含む。
上述のように、第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、前記少なくとも1種のゴムはポリブタジエンを含む。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ポリブタジエンは、高シスポリブタジエンを含む。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、高シスポリブタジエンは、85%以上、90%以上、92%以上、又は95%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ポリブタジエンは、85〜99%、90〜99%、90〜98%、90〜97%、92〜99%、92〜98%、92〜97%、95〜99%、95〜98%、又は95〜97%のシス1,4−結合含量を有する。
一般的に、85%以上、90%以上、92%以上、又は95%以上のシス1,4−結合含量を有するポリブタジエンを生成するための様々な重合法が公知であり、得られるポリブタジエンが指定のシス1,4−結合含量を有する限り、ポリブタジエンを生成する具体的な方法は限定されないことを理解すべきである。この割合は、ジエンマー単位(diene mer units)の合計数に対するシス−1,4連結を採用する、ジエンマー単位の数に基づいている。高シス1,4−ポリブタジエンの重合は、米国特許第3,297,667号、同第3,541,063号、同第3,794,604号、同第4,461,883号、同第4,444,903号、同第4,525,594号、同第4,699,960号、同第5,017,539号、同第5,428,119号、同第5,064,910号、及び同第5,844,050号、同第7,094,849号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。例示的な重合法としては、遷移金属(例えば、ネオジムなどのランタニド)に基づくチーグラー・ナッタ触媒、ニッケル触媒、及びチタン系触媒を使用するものに加えて、溶液、乳化、及びバルク重合プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、ポリブタジエンなどの所与のポリマー中のシス1,4−、ビニル1,2−、及びトランス1,4−結合連結含量は、赤外分光法などの標準的かつ十分に確立された分析方法によって求めることができる。
上述のように、第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、前記少なくとも1種のゴムは、ポリイソプレンを含む。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ポリイソプレンは、高シスポリイソプレンを含む。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、高シスポリイソプレンは、90%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ポリイソプレンは、90%以上、92%以上、又は95%以上のシス1,4−結合含量を有する。第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ポリイソプレンは、90〜99%、90〜98%、90〜97%、92〜99%、92〜98%、92〜97%、95〜99%、95〜98%、又は95〜97%のシス1,4−結合含量を有する。
一般的に、90%以上のシス1,4−結合含量を有するポリイソプレンンを含むポリイソプレンを生成するための様々な重合法が公知であり、得られるポリマーが所望のシス1,4−結合含量を有する限り、ポリイソプレンを生成する具体的な方法は限定されないことを理解すべきである。ポリブタジエンに関して既に論じたとおり、この割合は、ジエンマー単位の合計数に対するシス−1,4連結を採用するジエンマー単位の数に基づいている。高シスポリイソプレンの重合は、米国特許第8,664,343号、同第8,188,201号、同第7,008,899号、同第6,897,270号、及び同第6,699,813号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。例示的な重合法としては、チーグラー・ナッタ触媒系を使用するもの、及び炭化水素溶媒中でアルキルリチウムなどの有機金属触媒を用いるアニオン性重合を使用するものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリブタジエンに関して既に論じたとおり、ポリイソプレンなどの所与のポリマー中のシス−1,4−、シス−1,2−、及びトランス−1,4−連結含量は、赤外分光法などの標準的かつ十分に確立された分析方法によって求めることができる。
上述のように、第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、前記少なくとも1種のゴムは、コポリマースチレン−ブタジエンゴム(SBR)を含む。SBRは、スチレン及びブタジエンモノマーのコポリマーである。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物に使用されるSBRは、約10〜約50重量%のスチレンモノマーと、約50〜約90重量%のブタジエンモノマーを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物に使用されるSBRは、10〜50重量%のスチレンモノマーと、50〜90重量%のブタジエンモノマーを含む。一般的に、SBRは溶液又は乳化重合法によって生成されるが、特定のSBRの生成法に限定されないことを理解すべきである。所与のSBRコポリマーにおけるスチレン及びブタジエンモノマーの含量は、赤外分光法などの標準的かつ十分に確立された分析方法によって求めることができる。
上述のゴムの様々な商業的供給元が周知である。非限定的な例として、Firestone Polymersは、多様なシス1,4−結合含量(例えば、40%及び96%)を有する様々なグレードのDiene(商標)ポリブタジエン、同様に様々なグレードのDuradene(商標)溶液重合スチレン−ブタジエンコポリマーを提供している。乳化重合スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマーの官能化バージョン、ネオプレン、ポリブタジエン、合成ポリイソプレンゴム、及び天然ゴムの供給元を含む、ゴムの他の商業的供給元も周知である。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物の前記少なくとも1種のゴムは、官能化ポリマーを含む。このような特定の実施形態では、ゴム組成物は、約5〜約100部又はphrの少なくとも1種の官能化ポリマーを含み、これには5〜100部又はphr、約10〜約90部又はphr、10〜90部又はphr、約10〜約70部又はphr、10〜70部又はphr、約10〜約50部又はphr、及び10〜50部又はphrを含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、官能化ポリマーは、シリカ反応性官能基を有するポリマー、窒素含有官能基を有するポリマー、酸素含有官能基を有するポリマー、硫黄含有官能基を有するポリマー、又はこれらの組み合わせを含む。共役ジエンポリマーの官能化に利用されるのが既知であり、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態のゴム組成物中での使用に好適な、シリカ反応性官能基の非限定例として、窒素含有官能基、ケイ素含有官能基、酸素又は硫黄含有官能基、及び金属含有官能基が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語、官能化ポリマーは、一方又は両方の末端部における官能基(例えば、官能化反応開始剤、官能化反応停止剤、又は両方の使用により)、ポリマーの主鎖中の官能基、及びこれらの組み合わせを有するポリマー(共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーゴムを含む)を含むと理解されたい。例えば、シリカ反応性官能化ポリマーは、一方又は両方の末端部に、その主鎖中に、又は主鎖中及び一方又は両方の末端部の両方に官能基を有してよい。
ゴムの官能化に利用されることが周知である窒素含有官能基の非限定例としては、置換又は非置換アミノ基、アミド残基、イソシアネート基、イミダゾリル基、インドリル基、ニトリル基、ピリジル基、及びケチミン基のうち任意のものが挙げられるが、これらに限定されない。上記置換又は非置換アミノ基は、一級アルキルアミン、二級アルキルアミン、又は環状アミン、及び、置換又は非置換イミン由来のアミノ基を含むと理解するべきである。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、上記から選択される少なくとも1種の官能基を有する官能化共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーゴムを含む。
ゴムの官能化に利用されることが周知であるケイ素含有官能基の非限定例としては、有機シリル又はシロキシ基が挙げられるが、これらに限定されず、より正確には、官能基は、アルコキシシリル基、アルキルハロシリル基、シロキシ基、アルキルアミノシリル基、及びアルコキシハロシリル基から選択されてよい。ゴムの官能化での使用に好適なケイ素含有官能基としては、米国特許第6,369,167号(その開示全部が、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるようなものが挙げられる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、上記から選択される少なくとも1種の官能基を有する官能化ゴムを含む。
ゴムの官能化に利用されることが周知である酸素又は硫黄含有官能基の非限定例としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシドキシ基、ジグリシジルアミノ基、環状ジチアン由来官能基、エステル基、アルデヒド基、アルコキシ基、ケトン基、チオカルボキシル基、チオエポキシ基、チオグリシドキシ基、チオジグリシジルアミノ基、チオエステル基、チオアルデヒド基、チオアルコキシ基及びチオケトン基が挙げられるが、これらに限定されない。ある種の実施形態では、前述のアルコキシ基は、ベンゾフェノン由来のアルコール由来アルコキシ基であってよい。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、上記から選択される少なくとも1種の官能基を有する官能化共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーゴムを含む。
通常、ゴムは、共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーゴムを含めて、当業者に周知であるような、バッチ式、半連続式、又は連続式操作などの様々な好適な方法に従って調製され、かつ回収され得る。また重合は、バルク重合、蒸気相重合、溶液重合、懸濁重合、配位重合、及びエマルション重合が挙げられるが、これらに限定されない、多くの異なる重合反応装置系においても実施できる。重合は、フリーラジカル機構、アニオン性機構、カチオン性機構、又は配位機構を用いて実施できる。上記重合法の全ては、当業者には周知である。しかしながら、例示目的で、アニオン性機構による重合について簡単に説明する。
共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーゴムなどのゴムが、アニオン性重合によって生成されるとき、有機アルカリ金属化合物、好ましくはリチウム含有化合物が、典型的に重合反応開始剤として使用される。重合反応開始剤として使用されるリチウム含有化合物の例として、ヒドロカルビルリチウム化合物、リチウムアミド化合物、及び類似のリチウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。重合反応開始剤として使用されるリチウム化合物の量は、好ましくは、モノマー100g当たり0.2〜20ミリモルの範囲内である。
ヒドロカルビルリチウム化合物の非限定例として、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼン及びブチルリチウムの反応生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらのなかでも、アルキルリチウム化合物、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウムなどが好ましく、n−ブチルリチウムが特に好ましい。
有機アルカリ金属化合物を重合反応開始剤として使用する、アニオン性重合により共役ジエン含有ポリマー又はコポリマーゴムなどのゴムを生成する方法は、特に限定されない。例えば、共役ジエンモノマー含有ポリマー又はコポリマーゴムは、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマーのみ、又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニル化合物との混合物を重合することによって生成され得る。重合反応に不活性な炭化水素溶媒の非限定例として、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、trans−2−ブテン、cis−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、及びこれらの混合物が挙げられる。
アニオン性重合を、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。ランダマイザーは、共役ジエン化合物の微細構造を制御でき、例えば、ブタジエンをモノマーとして用いるポリマーのブタジエン単位中の1,2−結合含量を制御し、ブタジエン及びスチレンをモノマーとして用いるコポリマー中のブタジエン単位及びスチレン単位をランダム化させるなどの作用を有する。ランダマイザーの非限定例として、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−アミレートなどが挙げられる。使用されるランダマイザーの量は、好ましくは、重合反応開始剤としての有機アルカリ金属化合物1モル当たり、0.01〜100モル当量の範囲内である。
アニオン性重合は、溶液重合、蒸気相重合及びバルク重合のうち任意のものによって実施されてよい。溶液重合では、溶液中のモノマーの濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲内である。共役ジエンモノマー及びビニル芳香族モノマーを共に使用するとき、混合物中のビニル芳香族モノマー含量は、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは4〜45質量%の範囲内である。また、重合系は特に限定されず、バッチ式又は連続式であってよい。
アニオン性重合における重合温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃である。重合は発生圧力下で、好ましくは反応モノマーを実質的に液相に維持するために十分な圧力下で実施されてもよい。重合反応が発生圧力より高圧下で実施されるとき、反応系は、不活性ガスによって好ましくは加圧される。好ましくは、任意の反応妨害物質、例えば水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物などを、重合反応開始前に除去する。
典型的には、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物において、全般的な組成物は、100部又はphr(合計)の少なくとも1種のゴムを含有する。換言すれば、全てのゴムの総量は100部(重量による)であると考えられ、100phrと表すこともできる。その他構成成分は、100部(合計)のゴムに基づいて添加される。非限定的な例として、60部のスチレン−ブタジエンコポリマーを、40部のポリブタジエンポリマー及び60部のシリカと共に使用することができ、これらの分量は本明細書では、60phrのスチレン−ブタジエンコポリマー、40phrのポリブタジエンポリマー及び60phrのシリカと記載され得る。
補強シリカ充填剤
上述のように、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によると、ゴム組成物は、約5〜約200phrの補強シリカ充填剤を含む。1種又は2種以上の補強シリカ充填剤が、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物中で利用され得る。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、充填剤の総量は、5〜200phrであり、これには約10〜約200phr、10〜200phr、約10〜約175phr、10〜175phr、約25〜約150phr、25〜150phr、約35〜約150phr、35〜150phr、約25〜約125phr、25〜125phr、約25〜約100phr、25〜100phr、約25〜約80phr、25〜80phr、約35〜約125phr、35〜125phr、約35〜約100phr、35〜100phr、約35〜約80phr、及び35〜80phrの少なくとも1種の充填剤を含める。特定の実施形態では、補強シリカ充填剤の量の有用な上限範囲は、この種の充填剤によって付与される高粘度によってある程度制限されると考えられ得る。
本明細書で使用するとき、「補強カーボンブラック充填剤」、「補強シリカ充填剤」、及び「補強充填剤」に関連する用語「補強」は、一般に、補強として従来説明されている充填剤、同様に半補強と説明され得る充填剤の両方の充填剤を包含すると理解されたい。従来、用語「補強充填剤」は、窒素吸着比表面積(NSA)が、約100m/g超、場合によっては、100m/g超、約125m/g超、125m/g超、又は更に約150m/g超、又は150m/g超である、粒子材料を指すために使用される。あるいは、用語「補強充填剤」の従来の使用はまた、約10nm〜約50nm(10nm〜50nmを含む)の粒径を有する粒子材料を指すためにも使用できる。従来、用語「半補強充填剤」は、粒径、表面積(NSA)のいずれか、又は両方において、非補強充填剤と補強充填剤の中間である充填剤を指すために使用される。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、用語「補強充填剤」は、窒素吸着比表面積(NSA)が、約20m/g以上(20m/g以上を含む)、約50m/g超(50m/g超を含む)、約100m/g超(100m/g超を含む)、及び約125m/g超(125m/g超を含む)である、粒子材料を指すために使用される。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、用語「補強充填剤」は、約10nm〜約1000nm(10nm〜1000nmを含む)、約10nm〜約50nm(10nm〜50nmを含む)の粒径を有する、粒子材料を指すために使用される。
本明細書に開示されるゴム組成物中での使用に好適な補強シリカ充填剤は周知である。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態のゴム組成物中での使用に好適な、補強シリカ充填剤の非限定例として、沈殿アモルファスシリカ、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ヒュームドシリカ、ケイ酸カルシウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態のゴム組成物中での使用に好適なその他の補強シリカ充填剤としては、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiOなど)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、ケイ酸カルシウム(CaSiOなど)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al−3SiO−5HOなど)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al−CaOSiO、など)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの補強シリカ充填剤のうち、沈殿非晶質湿式プロセス、含水シリカ充填剤が好ましい。このような補強シリカ充填剤は、水中の化学反応により生成され、そこから一次凝集体へと強力に結合し、順次、二次凝集体へとわずかに強く結合する一次粒子を伴う超微粒の球状粒子として、沈殿される。BET法で測定されるとき、表面積は、様々な補強シリカ充填剤の補強特性を決定するために好ましい値である。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、約32m/g〜約400m/g(32m/g〜400m/gを含む)の表面積(BET法で測定)を有する補強シリカ充填剤を含み、約100m/g〜約300m/g(100m/g〜300m/gを含む)の範囲が好ましく、約150m/g〜約220m/g(150m/g〜220m/gを含む)の範囲が含まれる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、約5.5〜約7、又は7を少し超える、好ましくは約5.5〜約6.8のpHを有する補強シリカ充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態のゴム組成物中で使用できるいくつかの市販の補強シリカ充填剤として、PPG Industries(Pittsburgh,Pa.)製のHi−Sil(登録商標)190、Hi−Sil(登録商標)210、Hi−Sil(登録商標)215、Hi−Sil(登録商標)233、Hi−Sil(登録商標)243などが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、多くの有用な商用グレードの異なる補強シリカ充填剤は、Degussa Corporation(例えば、VN2、VN3)、Rhone Poulenc(例えば、Zeosil(商標)1165MP)、及びJ.M.Huber Corporationからも入手できる。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、以下に詳述するように、補強シリカ充填剤は、シリカカップリング剤で前処理されたシリカを含み、好ましくは、前処理されたシリカは、シラン含有シリカカップリング剤で前処理されたシリカを含む。
他の充填剤
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、1種又は複数種のカーボンブラックを更に含み、カーボンブラックは一般的に補強充填剤であると理解されている。換言すれば、カーボンブラックは、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち全ての実施形態において、ゴム組成物の必須成分ではないと考えられる。第1〜第3の実施形態のうちこれらの実施形態では、ゴム組成物が1種又は複数種のカーボンブラックを含む場合、カーボンブラック及び補強充填剤の総量は、約10〜約200phrである。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、総補強充填剤のゼロ〜約50重量%(ゼロ〜50重量%を含む)、約5重量%〜約30重量%(5〜30重量%を含む)、約5重量%〜約20重量%(5〜20重量%を含む)、約10重量%〜約30重量%(10〜30重量%を含む)、及び約10重量%〜約20重量%(10〜20重量%を含む)の量でカーボンブラックを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、カーボンブラックは、ゴム組成物中の総補強充填剤の約30重量%以下(30重量%以下を含む)で含まれる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、約5〜約100phr(5〜100phrを含む)1種又は2種以上のカーボンブラックを含む。一般に、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態のゴム組成物中での使用に好適なカーボンブラックとして、通常入手可能な商用製造された任意のカーボンブラック、例えば、表面積が、少なくとも約20m/g(少なくとも20m/gを含める)、より好ましくは少なくとも約35m/g、最大約200m/g以上(35m/g、最大200m/gを含める)のものが挙げられる。本明細書で使用される表面積値は、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)技法を使用して、ASTM D−1765によって決定される。中でも有用なカーボンブラックは、ファーネスブラック、チャネルブラック、及びランプブラックである。より具体的には、有用なカーボンブラックの例としては、超耐摩耗性ファーネス(SAF)ブラック、高耐摩耗性ファーネス(HAF)ブラック、良押出性ファーネス(FEF)ブラック、微細ファーネス(FF)ブラック、準超耐摩耗性ファーネス(ISAF)ブラック、中補強性ファーネス(SRF)ブラック、中加工性チャネルブラック、難加工性チャネルブラック、及び導電性チャネルブラックが挙げられる。用いられ得る他のカーボンブラックとしては、アセチレンブラックが挙げられる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、上記ブラックのうち2種又はそれ以上の混合物を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態での使用に典型的に好適なカーボンブラックは、ASTM D−1765−82aと指定される、N−110、N−220、N−339、N−330、N−351、N−550、及びN−660である。使用されるカーボンブラックは、ペレット化形状又は非ペレット化綿状塊であり得る。好ましくは、より均一な混合のため、非ペレット化カーボンブラックが好ましい。
第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、補強シリカ充填剤及び任意選択のカーボンブラックに加えて、少なくとも1種の追加の補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態のゴム組成物中での使用に好適な追加の補強充填剤の非限定的な例として、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレイ、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、二酸化チタン、補強酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。第1〜第3の実施形態によるゴム組成物中での使用に好適な無機充填剤は、特に限定されず、非限定的な例として:シリカ、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、アルミナ(Al)、アルミニウム水和物(AlO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、炭酸アルミニウム(Al(CO)、窒化アルミニウム、酸化マグネシウムアルミニウム(MgOAl)、パイロフィライト(Al4SiO.HO)、ベントナイト(Al.4SiO.2HO)、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム(MH(OH))、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化チタン、二酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[Zr(OH).nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、結晶アルミノシリケート、補強グレードの酸化亜鉛(すなわち、補強酸化亜鉛)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、少なくとも1種の非補強充填剤を更に含む。特定の実施形態では、用語「非補強充填剤」は、窒素吸着比表面積(NSA)が、約20m/g未満(20m/g未満を含める)、特定の実施形態では、約10m/g未満(10m/g未満を含める)である、粒子材料を表すために使用される。粒子材料のNSA表面積は、ASTM D6556を含む各種標準的方法に従って測定できる。本明細書に開示される組成物及び方法の特定の実施形態では、用語「非補強充填剤」は、約1000nm超(1000nm超を含む)の粒径を有する、粒子材料を指すために使用される。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、クレイ、グラファイト、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、デンプン、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及び炭化ケイ素の非補強充填剤のうちの少なくとも1つを更に含む。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、全ての補強充填剤の総量が約5〜約200phr(5〜200phrを含める)であるように、少なくとも1種の補強シリカ充填剤、少なくとも1種の補強カーボンブラック充填剤、及び少なくとも1種の非補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、全ての補強充填剤の総量が約5〜約200phr(5〜200phrを含める)であるように、少なくとも1種の補強シリカ充填剤、少なくとも1種の補強カーボンブラック充填剤、少なくとも1種の追加の補強充填剤、及び少なくとも1種の非補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、全ての補強充填剤の総量が約5〜約200phr(5〜200phrを含める)であるように、少なくとも1種の補強シリカ充填剤、少なくとも1種の補強カーボンブラック充填剤、及び少なくとも1種の非補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、少なくとも1種の補強シリカ充填剤を約5〜約200phr(5〜200phrを含める)の量で、及び少なくとも1種の非補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、少なくとも1種の補強シリカ充填剤を約5〜約200phr(5〜200phrを含める)の量で、及びカーボンブラック又はシリカ以外の少なくとも1種の補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、全ての補強充填剤の総量が約5〜約200phr(5〜200phrを含める)であるように、少なくとも1種の補強シリカ充填剤、及びカーボンブラック又はシリカ以外の少なくとも1種の補強充填剤、並びに少なくとも1種の非補強充填剤を含む。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、セルロースエステルを更に含む。セルロースエステルは、セルロースに基づく化合物である(セルロースは式C10を有する多糖であり、数百から数千の直鎖の1,4−結合Dグルコース単位からなる)。セルロースエステルは、セルロース中の−OH基をエステルに変換(エステル化)することにより生成される。セルロースをエステル化するために使用される炭化水素基は多様であり得て、特定の実施形態では、エステル化のために使用されるアルカノイル基(すなわち、−C(=O)R)のR部分は、1〜10個の炭素を有するアルキル基を含み、特定の実施形態では、2種以上のエステル基がエステル化のために使用され、それにより2種以上のアルカノイル基を有するセルロースエステルを生成する。第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートトリアセテート、セルローストリプロピオネート、又はセルローストリブチレートから選択される少なくとも1種のセルロースエステルを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によると、ゴム組成物は、1種又は2種以上のセルロースエステルを含むことができる。第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態のゴム組成物中で利用されるセルロースエステルは、一般に1種のセルロースエステルを含む。様々な市販のセルロースエステルが存在し、粉末、ペレット、又は繊維の形態のものを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物中での使用に好適な例示的セルロースエステルとして、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、及びセルロースアセテートプロピオネートなどの、Eastman Chemical Company(Kingsport、Tennessee)から入手可能なものが挙げられる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、セルロースアセテートを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、セルロースアセテートブチレートを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、セルロースアセテートプロピオネートを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、又はこれらの組み合わせを含む。セルロースエステルは、アセチル化率(アセチル化率の逆は残存する−OH基の百分率である)、融解範囲、Tg、及びMnを含む様々な特性により分類することができる。第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、3〜4%の−OH基、230〜250℃の融解範囲、180〜190℃のTg、又は30,000〜50,000g/moleのMn(サイズ排除クロマトグラフィーを使用して決定されるポリスチレン当量における数平均分子量)の特性のうちの少なくとも1つを有するセルロースアセテートを含む。第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、1〜5%の−OH基、120〜250℃の融解範囲、80〜170℃のTg、又は10,000〜75,000のMnの特性のうちの少なくとも1つを有するセルロースアセテートブチレートを含む。第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、セルロースエステルは、1.5〜5%の−OH基、180〜210℃の融解範囲、140〜160℃のTg、及び15,000〜75,000のMnの特性のうちの少なくとも1つを有するセルロースアセテートプロピオネートを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、セルロースエステルを約1〜約100phr(例えば、1phr、5phr、10phr、15phr、20phr、25phr、30phr、35phr、40phr、45phr、50phr、55phr、60phr、65phr、70phr、75phr、80phr、85phr、90phr、95phr、100phr)の量で含み、これには1〜100phr、約1〜約75phr、1〜75phr、約5〜約75phr、5〜75phr、約1〜約30phr、1〜30phr、約5〜約30phr、5〜30phrを含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のうちの1つの量でセルロースエステルを含み、シリカ充填剤及びセルロースエステルの総量は、約5〜約200phrを含み、これには5〜200phrを含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のうちの1つの量でセルロースエステルを含み、カーボンブラック充填剤も同様に含み、シリカ充填剤、カーボンブラック充填剤及びセルロースエステルの総量は、約5〜約200phrを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のうちの1つの量でセルロースエステルを含み、シリカ充填剤、任意選択でカーボンブラック充填剤、及び少なくとも1種の追加の補強充填剤又は非補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による、セルロースエステルを含むゴム組成物は、本明細書で論じる様々なプロセスに基づき、一般に、ホエイタンパク質及びセルロースエステルを両方ともマスターバッチ段階中に添加するようなプロセスに基づき、調製することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による、セルロースエステルを含むゴム組成物は、ホエイタンパク質及びセルロースエステルを同一のマスターバッチ段階中に添加することにより調製され、このような特定の実施形態では、ホエイタンパク質及びセルロースエステルを第2のマスターバッチ段階中に添加し、他の実施形態では、ホエイタンパク質及びセルロースエステルを第1のマスターバッチ段階中に添加する。他の実施形態では、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による、セルロースエステルを含むゴム組成物は、ホエイタンパク質及びセルロースエステルを異なるマスターバッチ段階中に添加することにより調製され、このような特定の実施形態では、ホエイタンパク質をセルロースエステルの前に(例えば、ホエイタンパク質を第1のマスターバッチ段階中に、かつセルロースエステルを第2のマスターバッチ段階中に)添加し、他の実施形態では、ホエイタンパク質をセルロースエステルの後に(例えば、セルロースエステルを第1のマスターバッチ段階中に、かつホエイタンパク質を第2のマスターバッチ段階中に)添加する。あるいは、第1〜第3の実施形態のうち、セルロースエステルを含む特定の実施形態では、ホエイタンパク質及びセルロースエステルのうちの少なくとも1種を2つ以上のマスターバッチ段階中に添加する。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、デンプンを更に含む。デンプンは、アミロース(一般に20〜25%)、及びアミロペクチン(一般に75〜80%)を含有する多糖化合物であり、デンプン供給源に応じて、相対量はある程度変化する。デンプンは、一般に植物から供給され、様々な種類の植物(例えば、トウモロコシ(corn)、ジャガイモ、キャッサバ、コムギ、オオムギ、イネ、トウモロコシ(maize)、サツマイモ)は、相対的に安価なデンプン供給源を提供している。一般に、デンプンは固体であるが、特定の形態は変化し得て、非限定的な例として粉末、繊維、及びペレットが挙げられる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、トウモロコシ(corn)デンプン、ジャガイモデンプン、キャッサバデンプン、コムギデンプン、オオムギデンプン、イネデンプン、トウモロコシ(maize)デンプン、又はサツマイモデンプンのうちの少なくとも1種から選択される、少なくとも1種のデンプンを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、デンプンを約1〜約100phr(例えば、1phr、5phr、10phr、15phr、20phr、25phr、30phr、35phr、40phr、45phr、50phr、55phr、60phr、65phr、70phr、75phr、80phr、85phr、90phr、95phr、100phr)の量で含み、これには1〜100phr、約1〜約75phr、1〜75phr、約5〜約75phr、5〜75phr、約5〜約30phr、又は5〜30phrを含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のうちの1つの量でデンプンを含み、シリカ充填剤及びデンプンの総量は、約5〜約200phrを含み、これには5〜200phrを含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のうちの1つの量でデンプンを含み、カーボンブラック充填剤も同様に含み、シリカ充填剤、カーボンブラック充填剤及びデンプンの総量は、約5〜約200phrを含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、前述のうちの1つの量でデンプンを含み、シリカ充填剤、任意選択でカーボンブラック充填剤、及び少なくとも1種の追加の補強充填剤又は非補強充填剤を含む。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による、デンプンを含むゴム組成物は、本明細書で論じる様々なプロセスに基づき、一般に、ホエイタンパク質及びデンプンを両方ともマスターバッチ段階中に添加するようなプロセスに基づき、調製することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による、デンプンを含むゴム組成物は、ホエイタンパク質及びデンプンを同一のマスターバッチ段階中に添加することにより調製され、このような特定の実施形態では、ホエイタンパク質及びデンプンを第2のマスターバッチ段階中に添加し、他の実施形態では、ホエイタンパク質及びデンプンを第1のマスターバッチ段階中に添加する。他の実施形態では、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態による、デンプンを含むゴム組成物は、ホエイタンパク質及びデンプンを異なるマスターバッチ段階中に添加することにより調製され、このような特定の実施形態では、ホエイタンパク質をデンプンの前に(例えば、ホエイタンパク質を第1のマスターバッチ段階中に、かつデンプンを第2のマスターバッチ段階中に)添加し、他の実施形態では、ホエイタンパク質をデンプンの後に(例えば、デンプンを第1のマスターバッチ段階中に、かつホエイタンパク質を第2のマスターバッチ段階中に)添加する。あるいは、第1〜第3の実施形態のうち、デンプンを含む特定の実施形態では、ホエイタンパク質及びデンプンのうちの少なくとも1種を2つ以上のマスターバッチ段階中に添加する。
シリカカップリング剤
上述のように、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、1種又は複数種のシリカカップリング剤を含む。シリカカップリング剤は、ゴム組成物中のシリカ充填剤の凝集を妨げるか又は低減するのに有用である。シリカ充填剤粒子の凝集は、ゴム組成物の粘度を増加させると考えられており、したがって、この凝集を妨げることにより、粘度を低下させ、ゴム組成物の加工可能性及びブレンドを改善する。
一般に、ポリマー、特に加硫性ポリマーと反応し得る、シラン及び構成成分又は部分を有するものなどの、任意の従来タイプのシリカカップリング剤を使用できる。シリカカップリング剤は、シリカとポリマーの間の架橋として作用する。好適なシリカカップリング剤としては、アルキルアルコキシ、メルカプト、ブロックされたメルカプト、硫化物含有(例えば、一硫化系アルコキシ含有、二硫化系アルコキシ含有、四硫化系アルコキシ含有)、アミノ、ビニル、エポキシ、及びこれらの組み合わせなどの基を含むものが挙げられる。特定の実施形態では、シリカカップリング剤は、前処理されたシリカの形態でゴム組成物に添加されてもよく、前処理されたシリカは、ゴム組成物に添加される前に、シランで事前に表面処理されている。前処理されたシリカの使用により、2種の原料(すなわち、シリカ及びシリカカップリング剤)を1種の原料で添加することが可能になり、このため一般にゴム配合が容易になる傾向がある。
アルキルアルコキシシランは、一般式R Si(OR4−pで表され、ここで各Rは独立して一価の有機基であり、pは1〜3の整数であり、少なくとも1つのRはアルキル基である。好ましくは、pは1である。通常、各Rは、独立して、C〜C20脂肪族、C〜C20環式脂肪族、又はC〜C20芳香族を含み、各Rは、独立して、C〜C脂肪族を含む。特定の例示的実施形態では、各Rは、独立してC〜C15脂肪族を含み、追加的実施形態では、各Rは、独立してC〜C14脂肪族を含む。メルカプトシランは、一般式HS−R−Si(R)(Rで表され、ここでRは二価の有機基であり、Rはハロゲン原子又はアルコキシ基であり、各Rは独立してハロゲン、アルコキシ基、又は一価の有機基である。ハロゲンは、塩素、臭素、フッ素、又はヨウ素である。前記アルコキシ基は、好ましくは1〜3の炭素原子を有する。ブロックされたメルカプトシランは、一般式B−S−R−Si−Xで表され、シリル基がシリカ・シラン反応におけるシリカとの反応に利用可能であり、ブロッキング基Bがメルカプト水素原子を置換して硫黄原子とポリマーとの反応をブロックする。上述の一般式において、Bは、不飽和ヘテロ原子の形態であり得る、又は単結合を介して硫黄に直接結合される炭素であり得るブロック基である。Rは、C〜C直鎖又は分岐のアルキリデンであり、各XはC〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適なアルキルアルコキシシランの非限定例として、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリブトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メチルオクチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、メチルオクチルジメトキシシラン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適なビス(トリアルコキシシリルオルガノ)ポリスルフィドの非限定例として、ビス(トリアルコキシシリルオルガノ)ジスルフィド及びビス(トリアルコキシシリルオルガノ)テトラスルフィドが挙げられる。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適なビス(トリアルコキシシリルオルガノ)ジスルフィドの非限定例として、3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(トリーt−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、2,2’−ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスルフィド、3,3’−ビス(ジフェニルシクロヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(エチル−ジ−sec−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(プロピルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、12,12’−ビス(トリイソプロポキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’−ビス(ジメトキシフェニルシリル−2−メチルプロピル)ジスルフィド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適なビス(トリアルコキシシリルオルガノ)テトラスルフィドシリカカップリング剤の非限定例として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルーN,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルーN,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルーN,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルーベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドは、Evonik Degussa Corporation製のSi69(登録商標)として市販されている。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適なメルカプトシランの非限定例として、1−メルカプトメチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、18−メルカプトオクタデシルジエトキシクロロシラン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適なブロックされたメルカプトシランの非限定例として、米国特許第6,127,468号、同第6,204,339号、同第6,528,673号、同第6,635,700号、同第6,649,684号、及び同第6,683,135号(これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に開示される特定の例示的実施形態に本明細書で使用されるブロックされたメルカプトシランの代表例として、2−トリエトキシシリルー1−エチルチオアセテート、2−トリメトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジメトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、トリエトキシシリルメチル−チオアセテート、トリメトキシシリルメチルチオアセテート、トリイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、メチルジエトキシシリルメチルチオアセテート、メチルジメトキシシリルメチルチオアセテート、メチルジイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルエトキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルメトキシシリルメチルチオアセテート、ジメチルイソプロポキシシリルメチルチオアセテート、2−トリイソプロポキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジエトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(メチルジイソプロポキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルエトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルメトキシシリル)−1−エチルチオアセテート、2−(ジメチルイソプロポキシシリル)−1−エチルチオアセテート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−トリイソプロポキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジエトキシシリル−1−プロピル−チオアセテート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−メチルジイソプロポキシシリル−1−プロピルチオアセテート、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルシクロヘキサン、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−チオアセチルシクロヘキサン、2−トリエトキシシリル−5−チオアセチルノルボルネン、2−トリエトキシシリル−4−チオアセチルノルボルネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−5−チオアセチルノルボルネン、2−(2−トリエトキシ−シリル−1−エチル)−4−チオアセチルノルボルネン、1−(1−オキソ−2−チア−5−トリエトキシシリルフェニル)安息香酸、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−5−ヘキシルチオアセテート、8−トリエトキシシリル−1−オクチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−7−オクチルチオアセテート、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−5−オクチルチオアセテート、8−トリメトキシシリル−1−オクチルチオアセテート、1−トリメトキシシリル−7−オクチルチオアセテート、10−トリエトキシシリル−1−デシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−9−デシルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−2−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−メチル−2−ブチルチオアセテート、1−トリエトキシシリル−3−メチル−3−ブチルチオアセテート、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピル−1−プロピルチオパルミテート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオオクタノエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオベンゾエート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−エチルヘキサノエート、3−メチルジアセトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、3−トリアセトキシシリル−1−プロピルチオアセテート、2−メチルジアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、2−トリアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、1−メチルジアセトキシシリル−1−エチルチオアセテート、1−トリアセトキシシリル−1−エチル−チオアセテート、トリス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)トリチオホスフェート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)メチルジチオホスホネート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)エチルジチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジエチルチオホスフィネート、トリス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)テトラチオホスフェート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)メチルトリチオホスホネート、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)エチルトリチオホスホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジメチルジチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルジエチルジチオホスフィネート、トリス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)トリチオホスフェート、ビス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)−メチルジチオホスホネート、ビス−(3−メチルジメトキシシリル−1−プロピル)−エチルジチオホスホネート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジメチルチオホスフィネート、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルジエチルチオホスフィネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメチルチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルメタンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルエタンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルベンゼンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルトルエンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルナフタレンチオスルホネート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルキシレンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルメチルチオサルフェート、トリエトキシシリルメチルメタンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルエタンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルベンゼンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルトルエンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルナフタレンチオスルホネート、トリエトキシシリルメチルキシレンチオスルホネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。様々なブロックされたメルカプトシランの混合物が使用され得る。特定の例示的実施形態での使用に好適なブロックメルカプトシランの更なる例として、Momentive Performance Materials Inc.(Albany、NY)から市販されているNXT(商標)シラン(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)がある。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の例示的実施形態のゴム組成物中での使用に好適な前処理されたシリカの非限定例として、メルカプトシランで前処理されたCiptane(登録商標)255 LD及びCiptane(登録商標)LP(PPG Industries製)シリカ、オルガノシランのビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド(Si69)とUltrasil(登録商標)VN3シリカとの間の反応の生成物であるCoupsil(登録商標)8113(Degussa製)が挙げられるが、これらに限定されない。Coupsil 6508、Agilon 400TMシリカ(PPG Industries製)、Agilon 454(登録商標)シリカ(PPG Industries製)、及び458(登録商標)シリカ(PPG Industries製)も挙げられる。シリカが前処理されたシリカを含む本明細書に開示されるゴム組成物及び方法の実施形態では、前処理されたシリカは、補強シリカ充填剤について上記に開示されたような量で使用される(すなわち、約5〜約200phr(5〜200phrを含む)、約10〜約200phr(10〜200phrを含む)、約10〜約175phr(10〜175phrを含む)、約25〜約150phr(25〜150phrを含む)、約35〜約150phr(35〜150phrを含む)、約25〜約125phr(25〜125phrを含む)、約25〜約100phr(25〜100phrを含む)、約25〜約80phr(25〜80phrを含む)、約35〜約125phr(35〜125phrを含む)、約35〜約100phr(35〜100phrを含む)、約35〜約80phr(35〜80phrを含む)、約5〜約200phr(約25〜約150phr、約35〜約150phr、約25〜約125phr、約25〜約100phr、約25〜約80phr、約35〜約125phr、約35〜約100phr、及び約35〜約80phrを含む)。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物中で使用されるシリカカップリング剤の量は変化してもよい。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、いずれのシリカカップリング剤も含まない。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち他の実施形態では、シリカカップリング剤は、シリカカップリング剤の総量の、補強シリカ充填剤に対する比が、約1:100〜約1:5(すなわち、100部のシリカ当たり約0.01〜約20phr)となるのに十分な量で存在し、これには1:100〜1:5、約1:100〜約1:10、1:100〜1:10、約1:100〜約1:20、1:100〜1:20、約1:100〜約1:25、及び1:100〜1:25、同様に約1:100〜約0:100及び1:100〜0:100を含める。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態では、ゴム組成物は、約0.01〜約10phr(0.01〜10phrを含む)、約0.01〜約5phr(0.01〜5phrを含む)、約0.01〜約3phr(0.01〜3phrを含む)のシリカカップリング剤を含む。
ゴム組成物のその他構成成分
第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、硬化パッケージを含む(すなわち、更に含む)。一般に、硬化パッケージは、加硫剤、加硫促進剤、加硫活性化剤(例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸など)、加硫阻害剤、及びスコーチ防止剤のうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、硬化パッケージは、少なくとも1種の加硫剤と、少なくとも1種の加硫促進剤と、少なくとも1種の加硫活性化剤と、任意に、加硫阻害剤及び/又はスコーチ防止剤と、を含む。加硫促進剤及び加硫活性化剤は、加硫剤の触媒として作用する。加硫阻害剤及びスコーチ防止剤は、当該技術分野において周知であり、所望の加硫特性に基づいて当業者が選択することができる。
第1〜第3の実施形態の特定の実施形態によるゴム組成物において使用するのに好適な種類の加硫剤の例としては、硫黄又は過酸化物系硬化成分が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、特定のこのような実施形態では、硬化成分は、硫黄系硬化剤又は過酸化物系硬化剤を含む。特定の好適な硫黄加硫剤の例としては、「ゴム製造業者(rubbermaker)」の可溶性硫黄、二硫化アミン、ポリマー性ポリスルフィド、又は硫黄オレフィン付加物などの硫黄供与性硬化剤、及び不溶性のポリマー性硫黄が挙げられる。好ましくは、硫黄加硫剤は、可溶性硫黄、又は可溶性及び不溶性の高分子量硫黄の混合物である。硬化に使用される好適な加硫剤及び他の成分、例えば、加硫阻害剤及びスコーチ防止剤の一般的な開示のために、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、3rd ed.、Wiley Interscience、N.Y.1982年、Vol.20、pp.365〜468、特に「Vulcanization Agents and Auxiliary Materials」、pp.390〜402、又はA.Y.Coran、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」第2版(1989年、John Wiley & Sons,Inc.)を参照可能であり、これらは参照により本明細書に組み込まれる。加硫剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。一般に、加硫剤は、1〜7.5phr、1〜5phr、及び好ましくは1〜3.5phrを含む0.1〜10phrの範囲の量で使用される。
加硫促進剤は、加硫に必要な時間及び/又は温度を制御し、加硫物の特性を向上させるために使用される。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態の特定の実施形態のゴム組成物中での使用に好適な加硫促進剤の例としては、チアゾール加硫促進剤、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)(MBTS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(TBBS)など、グアニジン加硫促進剤、例えば、ジフェニルグアニジン(DPG)など、チウラム加硫促進剤、カルバメート加硫促進剤などが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、使用される加硫促進剤の量は、0.1〜10phr、好ましくは0.5〜5phrの範囲である。
加硫活性化剤は、加硫を補助するために使用される添加剤である。一般に、加硫活性化剤は、無機成分及び有機成分の両方を含む。酸化亜鉛は、最も広く使用されている無機加硫活性化剤である。ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、及びこれらのそれぞれの亜鉛塩を含む様々な有機加硫活性化剤が、一般的に使用されている。一般に、使用される加硫活性化剤の量は、0.1〜6phr、好ましくは0.5〜4phrの範囲である。
加硫阻害剤は、加硫プロセスを制御するため、そして一般的には、所望の時間及び/又は温度に達するまで加硫を遅らせるか又は阻害するために使用される。一般的な加硫阻害剤としては、Santogard製のPVI(シクロヘキシルチオフタルミド)が挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、加硫阻害剤の量は、0.1〜3phr、好ましくは0.5〜2phrである。
本明細書に開示される第1〜第3実施形態のうち特定の実施形態のゴム組成物中で利用され得る他の原料は、当業者に周知であり、油(加工用及び伸展用)、ワックス、加工助剤、抗酸化剤、粘着付与樹脂、補強樹脂、解膠剤、及び1種又は複数種の追加のゴムが挙げられる。
様々な種類の加工用及び伸展用の油を利用し得て、芳香族油、ナフテン油、及び低PCA油が挙げられるが、これらに限定されない。好適な低PCA油としては、IP346法によって測定したとき3重量パーセント未満の多環式芳香族含量を有するものが挙げられる。IP346法の手順は、Institute of Petroleum(英国)発行のStandard Methods for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts,2003,62nd editionに見出しうる。好適な低PCA油として、軽度溶出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族抽出物(TDAE)、TRAE、及び重ナフテン系が挙げられる。好適なMES油は、CATENEX SNR(SHELL製)、PROREX 15及びFLEXON 683(EXXONMOBIL製)、VIVATEC 200(BP製)、PLAXOLENE MS(TOTAL FINA ELF製)、TUDALEN 4160/4225(DAHLEKE製)、MES−H(REPSOL製)、MES(Z8製)、並びにOLIO MES S201(AGIP製)として市販されている。好適なTDAE油は、TYREX 20(EXXONMOBIL製)、VIVATEC 500、VIVATEC 180、及びENERTHENE 1849(BP製)、並びにEXTENSOIL 1996(REPSOL製)として入手可能である。好適な重ナフテン系油は、SHELLFELX 794、ERGON BLACK OIL、ERGON H2000、CROSS C2000、CROSS C2400、及びSAN JOAQUIN 2000Lとして入手可能である。好適な低PCA油としてはまた、野菜、木の実、及び種子から採取できるものなど、様々な植物源油も挙げられる。非限定的な例としては、ダイズ油、ヒマワリ油、サフラワー油、コーン油、亜麻仁油、綿実油、菜種油、カシュー油、ゴマ油、ツバキ油、ホホバ油、マカダミアナッツ油、ココナツ油、及びヤシ油が挙げられるが、これらに限定されない。上記加工油を、伸展油として、すなわち、油展ポリマー又はコポリマーの調製のために使用することもできる。一般的に、ほとんどの用途について、本明細書に開示されるゴム組成物及び方法において使用される油(加工油及び伸展油)の総量は、約1〜約70phrの範囲であり、これには1〜70phr、約2〜約60phr、約2〜約60phr、約3〜約50phr、3〜50phrを含める。しかしながら、特定の用途では、本明細書に開示されるゴム組成物及び方法において使用される油(加工油及び伸展油)の総量は、更に多く約175phrまでの範囲に及び、これには175phrまで、約150phrまで、150phrまで、約100phrまで、100phrまでを含める。
様々な抗酸化剤が当業者に知られており、第1〜第4の実施形態のうち特定の実施形態のゴム組成物中で利用され得て、これらの抗酸化剤として、フェノール系抗酸化剤、アミンフェノール抗酸化剤、ヒドロキノン抗酸化剤、アルキルジアミン抗酸化剤、及びN−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、又はN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−フェニレンジアミン(6PPD)などのアミン化合物抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。1つ又は2つ以上の種類の、同様に各種類のうち1つ又は2つ以上は、第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態において利用され得る。第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、使用される抗酸化剤の総量は、0.1〜6phrである。
ゴム組成物における粘度低下
上述のように、本明細書に開示される第3の実施形態は、シリカ充填剤含有ゴム組成物の粘度を低下させる方法である。この方法には、少なくとも1種のゴム、約5〜200phr(5〜200phrを含める)の補強シリカ充填剤、及び約0.1〜約10phr(0.1〜10phrを含める)のホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分を含むゴム組成物の使用が含まれる。ホエイタンパク質の使用による粘度低下は、本明細書に開示される第1及び第2の実施形態のゴム組成物において起きることも理解されたい。
第1〜第3の実施形態による特定の実施形態では、約0.1〜約10phrのホエイタンパク質の使用による粘度低下は、少なくとも約5%である(いかなるホエイタンパク質も欠如していることを除いて同一の原料を含有するゴム組成物と比較した場合)。第1〜第3の実施形態による特定の実施形態では、0.1〜10phrのホエイタンパク質の使用による粘度低下は、少なくとも5%である(いかなるホエイタンパク質も欠如していることを除いて同一の原料を含有するゴム組成物と比較した場合)。第1の実施形態による特定の実施形態では、ゴム組成物は、シリカカップリング剤を含有せず、約0.1〜約10phrのホエイタンパク質の使用による粘度低下は、少なくとも約10%であり、これには少なくとも約20%を含め、このような特定の実施形態では、少なくとも約30%、約10%〜約50%、約10%〜約45%、約20%〜約50%及び約20%〜約45%である(いかなるホエイタンパク質も欠如していることを除いて同一の原料を含有するゴム組成物と比較した場合)。第1の実施形態による特定の実施形態では、ゴム組成物は、シリカカップリング剤を含有せず、0.1〜10phrのホエイタンパク質の使用による粘度低下は、少なくとも10%であり、これには少なくとも20%を含め、このような特定の実施形態では、少なくとも30%、10%〜50%、10%〜45%、20%〜50%、及び20%〜45%である(いかなるホエイタンパク質も欠如していることを除いて同一の原料を含有するゴム組成物と比較した場合)。
一般に、ゴム組成物中のシリカ充填剤の量の有用な上限範囲は、この種の充填剤によってゴム組成物に付与される高粘度によって、ある程度制限されると考えられ得る。シリカ充填剤粒子は、ゴム組成物中で凝集する傾向があり、そのためシリカ充填剤粒子の凝集がゴム組成物の粘度増加の一因となると考えられている。高粘度を有するゴム組成物は加工がより困難であり、高粘度により、ゴム組成物中の様々な成分を均質にブレンドすることがより困難になる。したがって、シリカ粒子の凝集を妨げ、粘度を低下させ、かつゴム組成物の加工可能性及びブレンドを改善するために、ゴム組成物に加工助剤を添加することが望ましい。
上述のように、シリカカップリング剤は、典型的には、シリカ充填剤粒子の凝集を妨げ、ゴム組成物の粘度を低下させるために、ゴム組成物に添加されてきた。しかしながら、シリカカップリング剤には限界がある。第1に、シリカカップリング剤は高価であり、したがって、ゴム組成物及びこれらのゴム組成物から製造されるタイヤ又はタイヤ構成部材の製造コストを増大させる。費用のために、ゴム製造業者は、ゴム組成物中のシリカカップリング剤量を最小化することに関心がある。第2に、特定のシリカカップリング剤は、ゴム組成物内に組み込まれた際に、揮発性有機化合物(例えば、メタノール、エタノール、又はプロパノール)を放出し得て、これは望ましくないことであり得る。
意外にも、ホエイタンパク質を、補強シリカ充填剤を含むゴム組成物中に使用した場合、ゴム組成物の粘度が低下し、ゴム組成物をより容易に加工できることが発見された。このゴム組成物の粘度低下は、ゴム組成物中に使用されるシリカカップリング剤の量が、約8%未満の量のシリカ(すなわち、補強シリカ充填剤100部に対して8部未満のシリカカップリング剤)、例えば、シリカ量の約0〜約4%である場合でさえ起きる。したがって、ゴム組成物中にホエイタンパク質を含むことにより、シリカカップリング剤の量を、補強シリカ充填剤を含むゴム組成物中に典型的に使用されるシリカカップリング剤の量未満に減少させることができる。得られたゴム組成物は、より高分量のシリカカップリング剤を有する典型的なゴム組成物と比較した場合、同等の加工可能性及び物理的特性を有する。
ゴム組成物の調製方法
ゴム組成物の調製方法も本明細書に開示する。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物は、一般に、(上記で開示した)ゴム組成物の成分を、当該技術分野において既知の方法、例えば、これらの成分をバンバリーミキサー又はロール機で混練するなど、共に混合することによって形成できる。これらの方法は、一般に、少なくとも1回の非生産用マスターバッチ混合段階と、最終生産用混合段階と、を含む。語句、非生産用マスターバッチ段階は、当業者に既知であり、一般に、加硫剤又は加硫促進剤を添加しない混合段階であると理解されている。用語、最終生産用混合段階も当業者に既知であり、一般に、ゴム組成物中に加硫剤及び加硫促進剤を添加する混合段階であると理解されている。本明細書に開示される組成物及び方法の特定の実施形態では、2回以上の非生産用マスターバッチ混合段階が含まれてもよい。本明細書に開示される組成物及び方法の特定の実施形態では、2回以上の非生産用マスターバッチ混合段階を使用し、ホエイタンパク質成分を第1の(初回の)マスターバッチ段階において添加する。本明細書に開示される組成物及び方法の他の実施形態では、少なくとも2回の非生産用マスターバッチ混合段階を使用し、ホエイタンパク質成分を第2のマスターバッチ段階において添加する。本明細書に開示される組成物及び方法の更に他の実施形態では、2回以上の非生産用マスターバッチ混合段階を使用し、ホエイタンパク質成分を最終非生産用マスターバッチ混合段階において添加する。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態によるゴム組成物の調製方法の特定の実施形態では、(1回又は複数回の)非生産用マスターバッチ混合段階は、約130℃〜約200℃の温度で実施されてもよい。特定の実施形態では、最終生産用混合段階は、ゴム組成物の不要な早期硬化を回避するために加硫温度未満の温度で実施されてもよい。したがって、生産用混合段階の温度は、約120℃を超えてはならず、典型的には約40℃〜約120℃、又は約60℃〜約110℃、特に、約75℃〜約100℃である。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、少なくとも1回の非生産用混合段階と少なくとも1回の生産用混合段階とを含む方法に基づき調製される。特定の実施形態では、本開示のゴム組成物の調製方法は、(1)少なくとも1回の非生産用マスターバッチ段階において、100phrの少なくとも1種のゴムと、約5〜約200phr(5〜200phrを含める)の補強シリカ充填剤と、約0.1〜約10phr(0.1〜10phrを含める)のホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分とを含むゴム組成物を混合することと、(2)最終生産用段階において、非生産用マスターバッチで得られた生成物を、上述の硬化剤パッケージなどの少なくとも1種の硬化剤と共に混合することと、を含む。本明細書に開示される第1の実施形態の特定の実施形態については、成分のリストには、ゴム組成物を形成するように混合される成分が含まれると理解されるべきである。したがって、このような実施形態では、ホエイタンパク質を、通例、100%ホエイタンパク質ではないホエイタンパク質成分を介して添加する。本明細書に開示される第2の実施形態のうち特定の実施形態(すなわち、硬化処理されたゴム組成物)に関して、原料のリストは、硬化ゴム組成物中に存在する原料を含み、ホエイタンパク質の量が、その特定の供給源に関連することなく(例えば、ホエイタンパク質を提供するために使用される特定のホエイタンパク質成分に関連することなく)測定することができることを理解されたい。
本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、ゴム組成物は、少なくとも1回の非生産用混合段階と少なくとも1回の生産用混合段階とを含む方法に基づき調製される。本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のうち特定の実施形態では、本開示のゴム組成物の調製方法は、(1)少なくとも1回の非生産用マスターバッチ段階において、100phrの少なくとも1種のゴムと、約5〜約200phr(5〜200phrを含める)の補強シリカ充填剤と、約0.1〜約10phr(0.1〜10phrを含める)のホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分と、約0.5〜約20phr(0.5〜20phrを含める)のシリカカップリング剤とを含むゴム組成物を混合することと、(2)最終生産用段階において、非生産用マスターバッチで得られた生成物を、上述の硬化剤パッケージなどの少なくとも1種の硬化剤と共に混合することと、を含む。特定の実施形態では、シリカカップリング剤を、シリカカップリング剤の補強シリカ充填剤に対する重量比が、約1:100〜約1:20(1:100〜1:20を含める)であるような量で使用する。
既に論じたとおり、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に別途開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物を含む、すなわち、少なくとも1種のゴム、約5〜200phr(5〜200phrを含める)の補強シリカ充填剤、及び約0.1〜約10phr(0.1〜10phrを含める)のホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分(又は硬化ゴム組成物について述べる場合、約0.1〜約10phrのホエイタンパク質(0.1〜10phrのホエイタンパク質を含める))を含む、タイヤ、タイヤトレッド、及びタイヤサイドウォールを含む。より具体的には、本開示は、本明細書に別途開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物を含むタイヤと、本明細書に別途開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物を含むタイヤトレッドを含むタイヤと、本明細書に別途開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物を含むタイヤトレッドと、本明細書に別途開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物を含むタイヤ側面部を含むタイヤと、本明細書に別途開示されている第1〜第3の実施形態のゴム組成物を含むタイヤ側面部とを含む。通常、本明細書に開示される第1〜第3の実施形態のゴム組成物をタイヤ、タイヤトレッド、又はタイヤ側面部中で利用するとき、これらの組成物は、標準的ゴムシェイピング、成形、及び硬化技術などの、一般的なタイヤ製造技術によって、タイヤ構成要素へと加工される。トレッド、側面部、ベルトスキム、及びカーカスが挙げられるが、これらに限定されない、様々なゴムタイヤ構成要素のうち任意のものを製造できる。典型的に、タイヤ構成要素の加硫は、加硫性組成物を成形型内で加熱することによって達成され、例えば、成形型は、約140℃〜約180℃に加熱されてもよい。硬化又は架橋されたゴム組成物は、加硫ゴム(一般的に熱硬化性の三次元ポリマー網状組織を含有する)と呼ばれることもある。加工助剤及び充填剤などのその他成分は、加硫化した網状組織全体に均一に分散されてよい。特定の実施形態では、本明細書に開示されるゴム組成物を含有する空気入りタイヤが、参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第5,866,171号、同第5,876,527号、同第5,931,211号、及び同第5,971,046号に記載されるように製造できる。
以下の実施例は、特定の及び代表的な実施形態、並びに/又は本開示の実施形態の特徴を例示するものである。実施例は、単に説明の目的で提供されており、本開示を限定するものとして解釈すべきでない。本開示の実施形態の趣旨及び範囲を逸脱することなく、これらの特定の実施例に対する多くの変更が可能である。実施例で利用されるホエイタンパク質(種類及び量の両方)は、実施例で使用されるもの(すなわち、前述のパラグラフに完全に開示されている)と量、組成、又はその両方とも異なるゴム、充填剤、及び他の原料と共に利用することができることを明確に理解されたい。その上、ホエイタンパク質は、実施例で提供されたもの(すなわち、前述のパラグラフに完全に開示されている)と異なる量及び供給源で利用することができる。
実施例1〜9では、補強シリカ充填剤含有ゴム組成物を、多様な量のホエイタンパク質及びシリカカップリング剤と共に、様々なゴムを使用して調製した。実施例1では、ポリブタジエンと組み合わせた天然ゴムを利用し、実施例2では、ポリブタジエンと組み合わせた合成ポリイソプレンゴムを利用し、実施例3では、天然ゴムと組み合わせたポリブタジエンを利用し、実施例4では、天然ゴムと組み合わせたスチレン−ブタジエンゴムを利用し、実施例5では、天然ゴムと共に相対的により高表面積(実施例1〜4と比較して)のシリカを利用し、実施例6では、天然ゴム及びポリブタジエンと組み合わせたメルカプトシランを利用し、実施例7では、天然ゴム及びスチレン−ブタジエンゴムと共に事前反応させたシリカを利用し、実施例8では、天然ゴム及びポリブタジエンと組み合わせた代替のホエイタンパク質成分(スイートホエイ又はホエイタンパク質分離物)を利用し、実施例9では、多様な配置のホエイタンパク質成分と共に天然ゴム及びポリブタジエンを利用する。ゴム組成物を、表1A〜6Aに示す配合物に基づき、4段階の混合プロセス(すなわち、2回のマスターバッチ段階、再練り、及び最終バッチ)で調製した。使用された各成分の量は、ゴム100部当たりの部(phr)で標記されている。これらの配合物に対して使用された混合プロセスは、以下の表1Bで概要を述べる。実施例1〜7及び9で利用したホエイタンパク質成分は、酸ホエイ(およそ12重量%のタンパク質を含有する)であった。実施例8に関して、スイートホエイはおよそ12重量%のタンパク質を含有し、ホエイタンパク質分離物はおよそ92重量%のタンパク質を含有し、酸ホエイは、実施例1〜6及び8で使用したものと同一(すなわち、およそ12重量%のタンパク質を含有する)であった。
硬化後、ゴム組成物のそれぞれに関して、引張特性について試験を行った。表1A〜9Aの配合物の試験結果を、以下の表1D〜9Dに示す。略語Ebは破断点伸びについて、Tbは破断点応力について使用され、これらの測定値は、タイヤトレッドに組み込まれたときに特に問題とされる、ゴム組成物の引き裂き耐性を判定する目安となる。略語M300は、300%の伸びにおける引張応力について使用される。略語E’は、動的貯蔵弾性率について使用され、ゴム組成物の硬度の尺度を提供し、乾燥道路表面上での操安性(ドライ性能)は、一般にE’により影響を受け、高値が好ましい。表1D〜9Dに列挙した指標値は、本開示に基づく配合物に関する値を、対照に関するそれぞれの値と比較する(すなわち、試験値を対照値で除する)ことにより決定した。
サンプルの機械的引張特性は、これには限定されないが、ASTM D−412に記載される標準的手順に従い、幅の断面寸法4mm、中心部厚さ1.9mmのダンベル型サンプルを用いて測定した。標本を一定速度でひずませ、得られる力を、伸び(ひずみ)に応じて記録した。試験片の元の断面積を参照した工学応力として、力の測定値を以下の表に示す。それに反して規定されない限り、25℃で標本の試験を行った。サンプルを、150℃で40分間、硬化した。
動的貯蔵弾性率(E’)及びtanδ値を、動的機械的熱分光計(Gabo Qualimeter Testanlagen GmbH(Ahiden,Germany)のEplexor(登録商標)500N)を、以下の条件で、測定モード:引張試験モード、測定周波数:52Hz、50〜−5℃で0.2%ひずみ、−5〜65℃で1%ひずみを適用、測定温度(以下の表1Cで述べる)、サンプル形状:幅4.75mm×長さ29mm×厚さ2.0mmで用いて、測定した。タイヤトレッド内に組み込まれるとき、0℃におけるゴム組成物のtanδは、その湿式牽引力を示し、タイヤトレッド内に組み込まれるとき、30℃におけるtanδは、その乾燥牽引力を示し、タイヤトレッド内に組み込まれるとき、60℃におけるtanδは、その転がり抵抗を示す。
MH及びML値を、Alpha Technologiesからのダイ可動式硬化MonsantoレオメータMDR2000を160℃で使用して、これには限定されないが、ASTM−D2084ガイドラインに従って測定した。測定値は、指標値を作成する前にkg−cmであった。MHは最大トルクを表し、MLは最小トルクを表す。
本明細書で開示される粘度は、Alpha TechnologiesのローターレスRPA(Rubber Process Analyzer)装置を使用して測定される、実動粘度である。測定は、以下のASTM D 6204の概要に従って行われるが、厳密ではない。ASTM D 6204に従って、3点周波数掃引を実行した。ゴム組成物を、130℃で1分間、予熱した。ASTM手順に準拠して、130℃で歪み掃引を行い、歪み100パーセント及び1Hzで行った。報告された粘度データは、130℃(266°F)で行って得たものであり、0.2分におけるG’である。

表1D〜9Dのデータを参照すると明らかなように、ホエイタンパク質の添加は、粘度が低下したゴム組成物をもたらす。低粘度により、ゴム組成物の加工可能性の改善がもたらされる。期待されるように、0%のホエイタンパク質で、各ゴム組成物の粘度は、シリカカップリング剤の量が増加するにつれて低下する。しかし、驚いたことに、ホエイタンパク質をゴム組成物に添加すると、低シラン組成物の粘度が、高シラン組成物の粘度に近づく。10phrのホエイタンパク質成分濃度(1.2phrのホエイタンパク質)において、0%のシランを有するゴム組成物は、4%のシランを有するゴム組成物と本質的に同一の粘度を有する。10phrのホエイタンパク質成分及び0%か4%のいずれかのシランを有するゴム組成物は、0phrのホエイタンパク質成分及び8%のシランを有する組成物より低い粘度を有し、これらのゴム組成物は、10phrのホエイタンパク質成分及び8%のシランを含有するゴム組成物よりわずかに粘稠性であるのみである。
実施例10及び11:実施例10及び11では、補強シリカ充填剤含有ゴム組成物を、多様な量のホエイタンパク質及びセルロースエステルかデンプン充填剤のいずれかと共に、様々なゴムを使用して調製した。実施例10では、ゴム成分として、ポリブタジエンと組み合わせた天然ゴムを利用し、実施例11では、ゴム成分として、ポリブタジエンと組み合わせたスチレン−ブタジエンゴムを利用する。その上、実施例10では、第1のマスターバッチか又は第2のマスターバッチのいずれかにおいて、ホエイタンパク質、セルロースエステル、又はその両方を添加した。ゴム組成物を、表10A〜11Aに示す配合物に基づき、4段階の混合プロセス(すなわち、2回のマスターバッチ段階、再練り、及び最終バッチ)で調製した。使用された各成分の量は、ゴム100部当たりの部(phr)で標記されている。これらの配合物に対して使用された混合プロセスは、上述の表1Bで概要を述べる。実施例10及び11で利用したホエイタンパク質成分は、酸ホエイ(およそ12重量%のタンパク質を含有する)であった。実施例11では、ホエイタンパク質、デンプン、又はその両方を第2のマスターバッチにおいて添加した。
硬化後、ゴム組成物のそれぞれに対して、上述の実施例1〜9に関する手順に従って、様々な特性について試験を行った。結果を以下の表10D及び11Dに報告する。表10D〜11Dに列挙した指標値は、本開示に基づく配合物に関する値を、対照に関するそれぞれの値と比較する(すなわち、試験値を対照値で除する)ことにより決定した。
表10Dのデータからわかるように、実施例10−3及び10−7におけるセルロースエステルのみの添加(すなわち、いかなるホエイタンパク質も伴わない)は、両方とも対照例10−1と比較して、セルロースエステルを第2マスターバッチ段階において添加した場合、粘度の低下をもたらしたが、セルロースエステルを第1マスターバッチ段階において添加した場合、粘度の増加をもたらした。実施例10−2及び10−6におけるホエイタンパク質のみの添加(すなわち、いかなるセルロースエステルも伴わない)は、対照例10−1と比較して、粘度の低下をもたらした。実施例10−4、10−5、10−8、及び10−9において、セルロースエステルと共にホエイタンパク質を添加した場合も、対照例10−1と比較して、粘度の低下をもたらし、粘度低下の大きさは、それぞれが添加されるマスターバッチ段階に応じて変わり、ホエイタンパク質及びセルロースエステルを共に(第1か第2のマスターバッチ段階のいずれかにおいて)添加した場合、相対的に大きい粘度低下が起きた。ホエイタンパク質とセルロースエステルとを組み合わせた添加に関して、ホエイタンパク質を第2マスターバッチ段階において添加し、セルロースエステルを第1マスターバッチ段階において添加した場合(実施例10−9)、最も小さい粘度低下が起きた。ホエイタンパク質とセルロースエステルとを組み合わせた添加に関して、ホエイタンパク質の第1マスターバッチにおける添加(実施例10−4及び10−5)は、対照例10−1と比較して、かつホエイタンパク質を第2マスターバッチで添加する、ホエイタンパク質とセルロースエステルとを組み合わせた添加(実施例10−8及び10−9)と比較して、Ebの増加をもたらし、このEbの増加は、セルロースエステルを添加する時期に依存しなかった。セルロースエステルを伴わないホエイタンパク質のみの添加(実施例10−2及び10−6)は、Tbの増加又は減少をもたらし、ホエイタンパク質を第1マスターバッチで添加するか又は第2マスターバッチで添加するかに応じて変わった。
表11Dのデータからわかるように、いかなるホエイタンパク質も伴わないデンプンの使用(実施例11−3)は、対照(例11−1)と比較して、粘度のわずかな低下をもたらした。いかなるデンプンも伴わないホエイタンパク質の使用(実施例11−2)は、対照と比較して、粘度の低下をもたらした(上述の表1D〜9Dのデータと一致)。ホエイタンパク質とデンプンとを組み合わせた使用(実施例11−4)は、対照例(11−1)と比較して、粘度の低下をもたらしたが、その低下は、ホエイタンパク質のみの使用(すなわち、いかなるデンプンも伴わない)により得られたものより小さかった。
本出願は、本明細書に開示される組成物及び方法の実施形態が開示される数値範囲全体で実行できるため、明確な範囲限界が明細書内に言葉どおりに言及されていなくても、開示される数値範囲内の任意の範囲を支持する、いくつかの数値範囲限界を開示している。実質的に任意の複数又は単数の用語を本明細書で用いることに関して、当業者は、状況又は用途に適切となるように、複数から単数へ、又は単数から複数へ置き換えることができる。様々な単数又は複数の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的に記述されない場合がある。
一般的に、当業者は、本明細書及び特に添付の特許請求の範囲で使用された用語は、概して「オープン」な用語を意図していることを理解するだろう。例えば、用語「含む」は、「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「挙げられる」は、「挙げられるがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。更に、当業者は、前置きされた請求項の記載において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該請求項中に明示的に記載されるものとし、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しないことを理解するだろう。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲には、請求項の記載を前置きするために、前置き語句「少なくとも1つ」及び「1つ又は2つ以上」の使用を含む場合がある。しかしながら、かかる語句の使用は、同じ請求項が、前置き語句「1つ又は2つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び、「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の前置きが、そのように前置きされた請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、かかる記載を1つのみ含む発明に限定することを意味するものとして解釈されてはならず(例えば、「a」又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」又は「1つ又は2つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、請求項の記載の前置きに使用される定冠詞の使用についても同じことが言える。加えて、前置きされた請求項の記載において特定の数が明示的に記載される場合でも、当業者は、かかる記載が、少なくとも記載される番号を意味するものと解釈されるべきであることを理解している(例えば、他の修飾語句を持たない明らかな記載である「2つの記載」は、典型的には、少なくとも2つの記載、又は2つ若しくはそれ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうち少なくとも1つ」に類似する慣例表現を用いる場合、一般に、かかる構成は、当業者がその慣例を理解し得るという意味において意図される(例えば、「A、B、及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」として、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、並びに/又は、A、B、及びCを共になどを有するシステムが挙げられ得るが、これらに限定されない)。更に、当業者は、事実上、2つ又はそれ以上の代替用語を示す任意の離接的単語又は語句は、明細書、請求項、又は図面を問わず、これらの用語のうちの1つ、これらの用語のうちのいずれか、又はこれらの用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることを、理解するであろう。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるだろう。
特許、特許出願、及び非特許文献を含むがこれらに限定されない全ての参考文献は、それらの全体を参照により本明細書に組み込まれる。
組成物及び方法の様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、別の態様及び実施形態が、当業者には明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示目的であり、特許請求の範囲に示されている真の範囲及び趣旨を限定することを意図していない。

Claims (6)

  1. a.少なくとも1種のゴムを含む、合計100質量部のゴムと、
    b.35phr〜150phrの量の補強シリカ充填剤と、
    c.0.5phr〜10phrのホエイタンパク質を提供するのに十分な量のホエイタンパク質成分と、
    を含み、前記合計100質量部のゴムの過半は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエンゴムのうちの少なくとも1つであるゴム組成物を含む構成部材を少なくとも1つ備えるタイヤ。
  2. 硬化処理されており、硬化パッケージを更に含む、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ホエイタンパク質成分が、酸ホエイ粉末、減乳糖ホエイ(reduced lactose whey)、減ミネラルホエイ(reduced minerals whey)、スイートホエイ粉末、ホエイタンパク質濃縮物、及びホエイタンパク質分離物のうち少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記ホエイタンパク質が下記条件のうち少なくとも1つを満たす請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のタイヤ:
    a.前記ホエイタンパク質中のタンパク質鎖のうち過半のものが10kダルトンよりも大きい分子量を有する;
    b.前記ホエイタンパク質中のタンパク質の過半がα−ラクトアルブミンとβ−ラクトグロブリンとの組み合わせである;
    c.加水分解度が50%未満である。
  5. 前記ゴム組成物がさらにシリカカップリング剤を含み、前記シリカカップリング剤の含有率が前記補強シリカ充填剤の全質量に対して4質量%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 少なくとも1回の非生産用マスターバッチ混合段階において、前記少なくとも1種のゴム、前記補強シリカ充填剤、及び粉末状の前記ホエイタンパク質を、少なくとも1種の硬化剤とともに混合して、その後の最終生産用混合段階において、前記非生産用マスターバッチ混合段階の生成物を少なくとも1種の硬化剤と混合することによって、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のタイヤのホエイタンパク質含有ゴム組成物を調製することを含む、シリカ充填剤含有タイヤゴム組成物の粘度を低下させる方法。
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