JP6537467B2 - 落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラム - Google Patents

落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、落雷に伴って放射される電流のピーク電流値及び電流峻度を推定する技術に関する。
なお、本発明では、落雷に伴って放射される電流のピーク電流値や電流峻度のことを落雷電流特性値とも言う。
送配電設備や発変電設備には、落雷時でも運用を継続することができるように各種の雷保護装置が取り付けられている。そして、これらの雷保護装置がどの程度のピーク電流,電流峻度,及び多重度に耐えられれば良いかを明らかにすることは、雷害対策としての万全を期す上で、また、耐雷設計の合理化を実現するために、非常に重要である。
落雷に伴って放射される電流のピーク電流値の推定では、従来、まず落雷に伴う電界又は磁界の変化を大地で観測することによって得られた電界又は磁界のデータから落雷点を推定し、次に推定された落雷点と電界又は磁界の観測地点との間の距離並びに観測された電界波形又は磁界波形のピーク強度からピーク電流値が推定されるという手順がとられる(例えば、非特許文献1)。この手順は、一般的に市販されている落雷位置標定システム(LLS(Lightning Location System の略)とも呼ばれる)でも同様である。また、電流峻度も、観測された電界波形又は磁界波形と推定されたピーク電流値とから推定される。
石井勝「雷放電の位置標定」,東京大学生産技術研究所,生産研究 39巻12号,pp.489−496,1987年
しかしながら、従来の方法では、推定されるピーク電流値及び電流峻度の誤差が大きく、雷保護装置の耐雷設計の合理化の検討・実現に対して有用なデータを集めることが困難であるという問題がある。これは、ピーク電流値を推定するためには落雷に伴って放射される電界波形又は磁界波形のピーク強度を正確に観測する必要があるが、従来の方法(一般的に市販されている落雷位置標定システムを含む)では電界波形又は磁界波形が大地を伝播してくるときに波形が変歪してしまうために正確なピーク強度を知ることが難しいということに起因している。なお、従来の落雷位置標定システムでは、落雷点と観測地点との間の距離が一般的には概ね100〜600 km 程度である。補正をすることも可能ではあるものの、この補正の度合いは落雷の電流波形,大地の導電率,地形,雷放電路の形状,及び雷電流速度などを全て考慮する必要があり、現実には非常に困難である。
そこで、本発明は、落雷に伴って放射される電流のピーク電流値や電流峻度を精度良く推定することができる落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の落雷電流特性値の推定方法は、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界とが用いられて、落雷電流のピーク電流値が推定される際に、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみが用いられるようにしている。
また、本発明の落雷電流特性値の推定装置は、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流のピーク電流値を推定する推定部を有し、当該推定部が、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみを用いるようにしている。
また、本発明の落雷電流特性値の推定プログラムは、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流のピーク電流値を推定する処理をコンピュータに行わせ、当該推定処理において、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみが用いられるようにしている。
したがって、これらの落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムによると、落雷点からの距離が20〜50 km である観測点の観測データのみが用いられるようにしているので、落雷の電流波形,大地の導電率,及び地形に纏わる個別の状況が落雷電流のピーク電流値の推定に与える影響が抑制される。
なお、落雷点からの最小距離を20 km としたのは、伝播距離が20 km 未満では、静電界及び誘導成分の影響が残り、電磁界変化波形の様相が20 km 以上遠方とは異なる可能性が高いという本発明者の知見による。なお、20 km 以上遠方では、完全導体の大地を伝播した場合はほぼ相似となり、強度のみが距離に反比例して変化する。
本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムは、第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された若しくは推定された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Piを含む数式1が用いられて落雷電流のピーク電流値Ipeakが算定されるようにしても良い。この場合には、大地伝播補正係数Piが考慮されるので、落雷電流のピーク電流値が一層精度良く推定される。
[数1] Ipeak = Pi・A・M・(−2πε02DEpeak)/v
ここに、 Ipeak:ピーク電流値,
i:大地伝播補正係数,
A:傾斜補正係数(但し、1でも良い),
M:モデル補正係数(但し、1でも良い),
D:落雷点と観測点との間の水平距離,
peak:垂直電界ピーク値,
v:伝送線路上の電流波進行速度,
ε0:真空の誘電率,
c:光速,
π:円周率 をそれぞれ表す。
また、本発明の落雷電流特性値の推定方法は、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界とが用いられて、落雷電流の電流峻度が推定される際に、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみが用いられるようにしている。
また、本発明の落雷電流特性値の推定装置は、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流の電流峻度を推定する推定部を有し、当該推定部が、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみを用いるようにしている。
また、本発明の落雷電流特性値の推定プログラムは、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流の電流峻度を推定する処理をコンピュータに行わせ、当該推定処理において、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみが用いられるようにしている。
したがって、これらの落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムによると、落雷点からの距離が20〜50 km である観測点の観測データのみが用いられるようにしているので、落雷の電流波形,大地の導電率,及び地形に纏わる個別の状況が落雷電流の電流峻度の推定に与える影響が抑制される。
また、本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムは、第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Psを含む数式2が用いられて落雷電流の電流峻度Sが算定されるようにしても良い。この場合には、大地伝播補正係数Psが考慮されるので、落雷電流の電流峻度が一層精度良く推定される。
[数2] S = 0.8・Ipeak/(Ps・T10-90%)
ここに、 S:電流峻度,
peak:ピーク電流値,
s:大地伝播補正係数,
10-90%:電界変化波形から推測された10%−90%立ち上がり時間
をそれぞれ表す。
本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムによれば、落雷の電流波形,大地の導電率,及び地形に纏わる個別の状況が落雷電流のピーク電流値や電流峻度の推定に与える影響を小さくすることができ、したがって落雷電流のピーク電流値や電流峻度を精度良く推定することが可能になる。
そして、本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムによれば、落雷電流のピーク電流値や電流峻度を精度良く推定することが可能になるので、雷保護装置がどの程度のピーク電流や電流峻度に耐えられれば良いかを信頼性の高い設計仕様の指針として定量的に示すことが可能になる。また、これらのデータを蓄積することにより、設計仕様上の耐雷性能を高める必要がある地域を抽出することができ、このデータを元に合理的な耐雷設計及び保守の頻度などを決定することが可能になる。
本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムは、大地伝播補正係数を考慮するようにした場合には、落雷電流のピーク電流値や電流峻度を一層精度良く推定することが可能になるので、落雷電流特性値の推定手法としての信頼性の向上が可能になる。
本発明の落雷電流特性値の推定方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。 実施形態の落雷電流特性値の推定方法を落雷電流特性値の推定プログラムを用いて実施する場合の当該プログラムによって実現される落雷電流特性値の推定装置の機能ブロック図である。 複数の観測点(観測機器)の配置の仕方の一例を説明すると共に、観測点と落雷点との間の関係を説明する図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3に、本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムの実施形態の一例を示す。
本実施形態の落雷電流特性値の推定方法は、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界(具体的には、垂直電界ピーク値Epeak)とが用いられて、落雷電流のピーク電流値が推定される(S1,S2,S4)際に、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみが用いられる(S3)ようにしている(図1参照)。
本実施形態の落雷電流特性値の推定装置は、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界(具体的には、垂直電界ピーク値Epeak)とを用いて、落雷電流のピーク電流値を推定するピーク推定部11cを有し、当該ピーク推定部11cが、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみを用いるようにしている。
本実施形態の落雷電流特性値の推定方法は、また、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界(具体的には、垂直電界ピーク値Epeak)とが用いられて、落雷電流の電流峻度が推定される(S1,S2,S5)際に、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみが用いられる(S3)ようにしている(図1参照)。
本実施形態の落雷電流特性値の推定装置は、また、電界の観測点と落雷点との間の距離と、観測点で観測された電界(具体的には、垂直電界ピーク値Epeak)とを用いて、落雷電流の電流峻度を推定する峻度推定部11dを有し、当該峻度推定部11dが、電界の変化が観測された観測点のうち落雷点からの距離が20〜50 km である観測点で観測された電界のみを用いるようにしている。
上記落雷電流特性値の推定方法及び落雷電流特性値の推定装置は、落雷電流特性値の推定プログラムがコンピュータ上で実行されることによっても実施・実現され得る。ここでは、落雷電流特性値の推定プログラムがコンピュータ上で実行されることによって落雷電流特性値の推定方法が実施されると共に落雷電流特性値の推定装置が実現される場合を説明する。
本実施形態の落雷電流特性値の推定プログラム17を実行するためのコンピュータ10(本実施形態では、落雷電流特性値の推定装置10でもある)の全体構成を図2に示す。
このコンピュータ10(落雷電流特性値の推定装置10)は制御部11,記憶部12,入力部13,表示部14,及びメモリ15を備え、これらが相互にバス等の信号回線によって接続されている。
制御部11は、記憶部12に記憶されている落雷電流特性値の推定プログラム17に従ってコンピュータ10全体の制御並びに落雷電流特性値の推定に係る演算を行うものであり、例えばCPU(中央演算処理装置)である。
記憶部12は、少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
入力部13は、少なくとも作業者の命令や種々の情報を制御部11に与えるためのインターフェイス(即ち、情報入力の仕組み)であり、例えばキーボードやマウスである。なお、例えばキーボードとマウスとの両方のように複数種類のインターフェイスを入力部13として有するようにしても良い。
表示部14は、制御部11の制御によって文字や図形或いは画像等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
メモリ15は、制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
また、コンピュータ10に、必要に応じ、当該コンピュータ10との間でデータや制御指令等の信号の送受信(即ち、出入力)が可能であるように、バスや広域ネットワーク回線等の信号回線により、データサーバ18が接続されるようにしても良い。
そして、コンピュータ10(以下、「落雷電流特性値の推定装置10」と呼ぶ)の制御部11には、落雷電流特性値の推定プログラム17が実行されることにより、落雷点の水平位置を特定する処理を行う水平位置特定部11aと、落雷点と観測点との間の水平距離が20 km 以上且つ50 km 以下になっている観測点を抽出する処理を行うデータ選択部11bと、観測点と落雷点との間の水平距離と、データ選択部11bによって抽出された観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流のピーク電流値を推定する処理を行うピーク推定部11cと、観測点と落雷点との間の水平距離と、データ選択部11bによって抽出された観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流の電流峻度を推定する処理を行う峻度推定部11dとが構成される。
そして、落雷電流特性値の推定方法の実施の手順として、まず、電界の観測が行われる(S1)。
このS1の処理としての電界の観測は、落雷に伴う電界の時間変化を検出するために行われる。
電界の観測は、例えば、ファーストアンテナと呼ばれる観測機器が用いて行われる。具体的には例えば、落雷位置標定システム(LLS(Lightning Location System の略)とも呼ばれる)によって行われるようにしても良い。
電界の観測は、例えば、複数の観測点で、言い換えると、離間して設置された複数の観測機器により、行われる。観測点の個数や観測点相互の間隔は、特定の個数・間隔に限定されるものではなく、例えば観測機器の感度(即ち、落雷に伴う電界変化の観測が可能な範囲)などが勘案されると共に落雷の検出や落雷に伴う落雷電流特性値の推定が必要とされる範囲をカバーするために必要とされる個数及び相互の間隔が考慮された上で、適当な個数・間隔に適宜設定される。
具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、観測機器の感度が、ピーク電流値の絶対値が数 kA(具体的には例えば、−3kA程度)の落雷(第一雷撃,後続雷撃)に伴う電界変化が観測可能な水平距離が最大で40〜50 km 程度である場合に、図3に示すように、複数の観測点1A乃至1Eが、相互の間隔が50 km 程度で、三角グリッドを形成するように(言い換えると、三角グリッドの交点(頂点)位置に)配置されることが考えられる。なお、図3に示す観測点のうち観測点1A,1B,及び1Cのみが配置されて三角形の観測領域が一つのみ設定されるようにしても勿論良く、或いは、更に多くの三角形の観測領域が連接して設定されるようにしても良い。
各観測点の水平位置は、例えばファーストアンテナ等の観測機器の設置地点の位置であり、既知である。各観測点の水平位置に関する位置座標データは、例えば、観測点毎の識別子と当該観測点の水平位置座標(xo,yo)との組み合わせデータが記録されたデータファイルとして、記憶部12やデータサーバ18等に保存される。
電界の観測の結果は、所定の周波数帯域(例えば、数 MHz 〜数 kHz の周波数帯域)における電界の時間変化波形を把握し得るデータとして整理され、具体的には例えば電界変化波形の時系列データとして整理される。
電界の観測結果としての観測データは、例えば、観測点毎のデータファイルとして、記憶部12やデータサーバ18等に保存される。
また、S2以降の処理は、例えば、観測点において落雷が検出されたことをトリガーとして即時的に(言い換えると、落雷のたびに)行われるようにしても良く、或いは、所定の期間に亙って観測データが保存された上で前記所定の期間分の観測データについて纏めて行われるようにしても良い。
なお、落雷が発生したことを検出する手法は、本発明においては要点ではなく、例えば電界変化波形の形状に基づいて落雷の発生を検出し得る既存の若しくは新規の手法が用いられ得る。また、落雷の発生の検出の際に通常は落雷の発生時刻も特定され得るので、本発明では、落雷の発生時刻は既知であるとする。
次に、落雷点の特定が行われる(S2)。
S2の処理では、落雷点の水平位置(即ち、地表面における落雷地点の水平位置座標xl,yl)が特定される。
落雷点の水平位置の特定は、例えば、落雷に相当する状況(具体的には例えば、電界の時間変化など)を観測した観測点の観測データが用いられて行われる。
落雷点の水平位置の特定は、具体的には例えば、落雷位置標定システム(LLS)によって得られた観測データに対して到達時間差法や交会法が適用されることによって行われ得る(例えば、齋藤幹久ら「新型落雷位置標定システム(新型LLS)開発のための基礎検討(1)−位置標定誤差の要因分析−」,電力中央研究所報告 研究報告 H14007,平成27年 を参照)。
到達時間差法は、三箇所以上の観測点で同時に観測された電磁界信号に関し、選び出した各二箇所の観測点の時間差から描かれる双曲線の交点が落雷点であるとする位置標定を行う方法である。なお、到達時間差法は、観測点への電磁波到達時刻の測定が周囲の障害物や地形の影響を受け難いために誤差が比較的小さくなるという利点を有する。
交会法は、雷放電によって生じる磁界信号を直交ループアンテナで受信し、水平磁界の方位を算出して電磁波到来方向を推定し、そして、二箇所以上の観測点で方位を算出することによって方位交会法での雷放電の位置標定を行う方法である。なお、交会法は、二箇所以上の観測点で有効なデータが観測されていれば位置標定が可能になるという利点を有する。
ただし、落雷点の水平位置の特定は、本発明においては特定の手法に限定されるものではなく、地表面における落雷地点の水平位置座標を特定し得る手法であればどのような手法が用いられても良い。
本実施形態では、制御部11の水平位置特定部11aにより、地表面における落雷地点の水平位置座標の特定に必要な情報(例えば、記憶部12やデータサーバ18等に保存されている観測データ)が読み込まれると共に、落雷点の水平位置(具体的には、水平X方向における位置座標xl及び水平Y方向における位置座標yl)が特定される。
そして、水平位置特定部11aにより、特定された落雷点の水平位置座標(xl,yl)がメモリ15に記憶させられる。
次に、電界の観測データの選択が行われる(S3)。
本発明では、落雷点から20〜50 km 程度の範囲内に存在する観測点の観測データ(具体的には、垂直電界ピーク値Epeak)のみが用いられて落雷に伴って放射される電流のピーク電流値が推定される。このため、落雷に相当する状況(具体的には例えば、電界の時間変化など)を観測した観測点の中から、落雷点から20〜50 km 程度の範囲内に存在する(つまり、落雷点との間の水平距離が約20 km 以上且つ約50 km 以下である)観測点が抽出される。
具体的には、本実施形態では、制御部11のデータ選択部11bにより、S2の処理においてメモリ15に記憶された落雷点の水平位置座標(xl,yl)が読み込まれると共に、記憶部12やデータサーバ18等に保存されている各観測点の水平位置座標(xo,yo)に関するデータが読み込まれる。
そして、データ選択部11bにより、落雷点と各観測点との間の水平距離が算出され、当該水平距離が20 km 以上且つ50 km 以下になっている観測点が抽出される。
観測点の抽出(言い換えると、選択)の具体例を、複数の観測点(観測機器)の配置の仕方の一例として挙げた図3を用いて説明する。なお、図3において、符号2が付された一点破線は各観測点1A乃至1Eからの水平距離が20 km の境界を表す。
図3中の符号4Aの位置が落雷点である場合には、観測点1Aからの距離が20 km 未満であるので、観測点1Aは抽出されない。一方、観測点1Bや観測点1Cからの距離は20 km 以上且つ50 km 以下であるので(なお、図3に示す例では、上述の通り、複数の観測点1A乃至1Eの相互の間隔は50 km 程度であり、また、観測可能な水平距離が最大で40〜50 km 程度である)、これら観測点1B及び観測点1Cが抽出される。
一方、図3中の符号4Bの位置が落雷点である場合には、観測点1A,1B,及び1Dからの距離がいずれも20 km 以上且つ50 km 以下であるので、観測点1A,観測点1B,及び観測点1Dが抽出される。
本実施形態では、データ選択部11bにより、落雷点との間の水平距離が20 km 以上且つ50 km 以下になっている観測点(「選択観測点」と呼ぶ)の識別子がメモリ15に記憶させられる。
次に、落雷電流のピーク電流値の推定が行われる(S4)。
本実施形態では、以下の数式3により、落雷に伴って放射される電流のピーク電流値Ipeakが算定される。
[数3] Ipeak = Pi・A・M・(−2πε02DEpeak)/v
ここに、 Ipeak:ピーク電流値,
i:大地伝播補正係数,
A:傾斜補正係数,
M:モデル補正係数,
D:落雷点と観測点との間の水平距離,
peak:垂直電界ピーク値,
v:伝送線路上の電流波進行速度,
ε0:真空の誘電率,
c:光速,
π:円周率 をそれぞれ表す。
数式3は、伝送線路モデルによるピーク電流の計算式(例えば、M.A.Uman,D.K.Mclain,E.P.Krider「The electromagnetic radiation from a finite antenna」,Amer.J.Phs.,Vol.43,pp.33−38,1975年、また、J.C.Willett,J.C.Bailey,V.P.Idone,A.E.Berard and L.Barret,「Sub microsecond inter comparison of Radiation fields and currents in triggered lightning return strokes based on the transmission-line model」,J.Geophys.Res.,94,13275−13286,1989年)に対し、三種類の補正係数Pi,A,及びMを考慮するようにしたものである。
なお、伝送線路モデルでは、導電率無限大の平面上の垂直な伝送線路上を一定速度vで減衰変歪無く進行する進行波電流波形と、この電流が放射する、平面波近似が成り立つ遠方の電磁界の波形とは相似であるとする。そして、ピーク電流値Ipeakと、垂直電界変化波形のピーク値Epeakとの間に、数式4の関係があるとする。数式4の各変数の意味は数式3と同じである。
[数4] Ipeak = (−2πε02DEpeak)/v
以下に、数式4に対して本発明において追加的に考慮するようにしている三種類の補正係数Pi,A,及びMのそれぞれについて説明する。
(I)有限な大地導電率を持つ大地面を伝播することによる伝播補正係数Pi
大地導電率が山岳部を想定した0.001 S/m であるとき、電界変化波形が50 km 伝播した場合の電界ピーク値の違いは表1のようになる。
Figure 0006537467
大地が完全導体である場合との差は、第一雷撃で+2%であり、後続雷撃で−7〜−16%である。さらに、後続雷撃を抽出し、11%電磁界ピーク値を補償すれば、最大誤差は±5%まで低下する。
このように、第一雷撃であるか後続雷撃であるかを判別することで電磁波の伝播による電流推定誤差は抑えられるため、数式3では、雷撃の種類によって決定される大地伝播補正係数Piが考慮される構成になっている。
なお、雷撃の種類に応じての大地伝播補正係数Piの設定は雷撃の種類によって立ち上がり時間の分布が異なることが前提であるところ、発明者らによる観測例(三木貫・齋藤幹久 他「東京スカイツリーにおける雷観測(その2)−2014年の観測結果および落雷発生時の気象分析結果−」,電力中央研究所報告 研究報告 H14015,2015年)では、分布が異なる様子が観測されている。したがって、第一雷撃であるか後続雷撃であるかによって大地伝播補正係数Piの値を変えることにより、ピーク電流値が一層正確に補正され得る可能性が高い。
数式3における大地伝播補正係数Piの決定の方法として、例えば以下のような手順が考えられる。
まず、予め、少なくとも観測対象地域(言い換えると、観測点の設置範囲)に関する、地点・地区と大地導電率との組み合わせデータがデータベース化される(「大地導電率データベース」と呼ぶ)。具体的には例えば、既存の文献(例えば、誘導調査特別委員会大地導電率小委員会「日本の大地導電率」,電気学会・電子通信学会,1969年 など)のデータなどが利用されることが考えられる。
予め、また、大地導電率と立ち上がり時間(具体的には、ピーク電流値に対する電流値の比率の10%ラインから90%ラインへの立ち上がり時間)との間の関係が計算されて大地導電率と立ち上がり時間との組み合わせデータがデータベース化される(「立上り時間データベース」と呼ぶ)。大地導電率と立ち上がり時間との組み合わせデータは、例えばモーメント法やFDTD法などの数値電磁界解析が行われることにより計算され得る。この際、第一雷撃と後続雷撃との別に、言い換えると、第一雷撃と後続雷撃とのそれぞれについて、または、観測される立ち上がり時間別に、大地導電率と立ち上がり時間との組み合わせデータが整備される。
そして、S2の処理において特定された落雷点の水平位置座標も用いられ、例えば直前の雷撃との距離差及び時間差などに基づいて第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるかを判別することで立ち上がり時間(具体的には、ピーク電流値に対する電流値の比率の10%ラインから90%ラインへの立ち上がり時間)が定められる。
なお、立ち上がり時間として、観測された立ち上がり時間が用いられるようにしても良い。あるいは、立ち上がり時間として、次のS5の処理の一部として説明する数式5における大地伝播補正係数Psの計算過程において求められる推定立ち上がり時間が用いられるようにしても良い。
また、S2の処理において特定された落雷点とS3の処理において特定された選択観測点との位置関係に基づいて伝播経路が推測され、大地導電率データベースが参照されて前記推測された伝播経路における大地導電率の最大値と最小値とが特定される。
なお、大地導電率の最大値が完全導体大地と同じ無限大とされたり、大地導電率の最小値が山岳部を想定した0.001 S/m とされたりするようにしても良い。
次に、決定された(又は、観測された若しくは推定された)立ち上がり時間と、上記で特定された大地導電率の最大値及び最小値とが用いられ、最大電流ピーク値及び最小電流ピーク値が求められる。
そして、最大電流ピーク値と最小電流ピーク値との中間値が推定電流ピーク値とされ、また、当該推定電流ピーク値に対応する大地伝播補正係数Piが決定される。
上述の手順による大地伝播補正係数Piの決定の具体例として、表1に示す例についての計算の一例を挙げると以下のようになる。なお、ここでは、電流波形の半値幅が11 μs の後続雷撃の場合を対象として計算を行う。
まず、例えば直前の雷撃との距離差及び時間差などに基づいて後続雷撃であると判別されると共に、S1の処理において観測された電界の時間変化波形から特定された垂直電界ピーク値がEpeakであるとする。
また、大地導電率の、最大値は完全導体大地と同じ無限大とし、最小値は山岳部を想定した0.001 S/m とする。このように想定した点において、この計算例は最過酷の具体例であると言える。
このとき、表1より、真の垂直電界ピーク値が1.10・Epeakになる。逆に、大地導電率が無限大である完全導体大地の場合は減衰が無かったことになるので、真の垂直電界ピーク値はEpeakになる。
したがって、これら最大の垂直電界ピーク値と最小の垂直電界ピーク値との平均(即ち、推定垂直電界ピーク値)は1.05・Epeakになる。
よって、大地伝播補正係数Piは1.05になる。
(II)雷道の傾きによる傾斜補正係数A
雷放電路が傾いている場合、遠方から見ると、電流の雷放電路の伝播速度(即ち、伝送線路上の電流波進行速度v)が等価的に遅くなっているのと同じになる。例えば、雷道が仰角30°である場合は、高さ方向の雷電流速度は等価的に実際の電流速度の1/2になってしまう。このため、雷放電路の傾きも電流推定の大きな誤差要因である。
夏季の負極性下向き落雷の放電路の形状に関しては、高構造物への落雷に関する既存の観測結果によると、高度2 km 程度以下の雷放電路長は垂直距離の1.1倍程度となっておりほぼ垂直である。具体的には、高度1〜2 km でも9割程度の例で雷放電路長と垂直距離との比は1.1であり、高さが低くなるにつれて垂直に近くなっていく。このため、電流の立ち上がり時間に関連する2 km 程度以下ではほぼ垂直になると推測される。この場合には、傾斜補正係数Aの値は1である。
一方、山頂の送電鉄塔等の場合は、高構造物への落雷の分布と平地への落雷の分布との中間になると考えられるところ、既存の観測結果によると例えば東京スカイツリー程の超高構造物の場合には平均は仰角60°程度であって平均値が15%程度ずれる。このため、傾斜補正係数Aの値は、例えば、山頂の送電鉄塔に落雷したと推測される場合に1〜0.85の逆数である1〜1.2程度の間で調整されて設定されることが考えられる。
(III)雷道内を伝播する電流波形の計算モデルを考慮するためのモデル補正係数M
数式3は雷放電路内の雷電流波形が一定であることを前提とした式であるところ、必要に応じ、ピーク電流値と電界変化波形のピーク値との間の関係を調整するため、モデル補正係数Mの値が例えば0.8〜1.2程度の間で調整されて設定される。
以上が、数式4に対して本発明において追加的に考慮するようにしている三種類の補正係数Pi,A,及びMのそれぞれについての説明である。
また、雷放電路の電流伝播速度v(即ち、伝送線路上の電流波進行速度v)は、一例として挙げると、後続雷撃に関してはロケット誘雷に近いため、前掲のJ.C.Willettら(1989年)の文献で示された1.5×108 m/s が用いられることが考えられる。また、下向き第一雷撃に関しては、文献(M.Saito 他「Reproduction of Electromagnetic Field Waveforms of Return Strokes Hitting Tokyo Skytree」,XIII International Symposium on Lightning Protection(SIPDA),Balneario camboriu,2015年)において事例解析で示された1.0×108 m/s が用いられることが考えられる。または、雷撃の種類に拠らず、前記値の平均値である、1.25×108 m/s が用いられるようにしても良い。
本実施形態では、制御部11のピーク推定部11cにより、まず、S3の処理においてメモリ15に記憶された選択観測点の識別子が読み込まれる。
続いて、ピーク推定部11cにより、S2の処理においてメモリ15に記憶された落雷点の水平位置座標(xl,yl)が読み込まれると共に、記憶部12やデータサーバ18等に保存されている各観測点の水平位置座標(xo,yo)に関するデータの中から選択観測点の水平位置座標(xo,yo)に関するデータが読み込まれ、そして、落雷点と選択観測点との間の水平距離Dが算出される。
ピーク推定部11cにより、さらに、記憶部12やデータサーバ18等に保存されている観測データの中から選択観測点の観測データ(具体的には、垂直電界ピーク値Epeak)が読み込まれる。
そして、ピーク推定部11cにより、上記の各データ(具体的には、S3の処理において特定された選択観測点に関する、D及びEpeakの値)が数式3に代入され、ピーク電流値Ipeakが算定される。
なお、数式3は、物理や数学の定数である真空の誘電率ε0,光速c,及び円周率πの値と共に落雷電流特性値の推定プログラム17内に予め規定される。また、数式3における三種類の補正係数Pi,A,及びMの値や伝送線路上の電流波進行速度vの値は、入力部13を介して作業者によって入力されるようにしても良く、或いは、落雷電流特性値の推定プログラム17内に予め規定されるようにしても良い。
ここで、選択観測点が一つのみである場合には、当該一つの選択観測点に関する各データが用いられて算定されたピーク電流値Ipeakが推定結果とされる。
一方、選択観測点が二つ以上である場合には、最終的な推定結果の決定の仕方として、例えば以下のア乃至ウのような方法が挙げられる。
ア) 複数の選択観測点のうち、落雷点との間の距離が最も短い(即ち、落雷点に最も近い;尚、S3の処理における選択観測点の抽出の条件から、20 km 以遠である)選択観測点に関する各データが用いられて算定されたピーク電流値Ipeakが最終的な推定結果とされる。
イ) 複数の選択観測点のそれぞれに関する各データが用いられて算定された複数の選択観測点毎のピーク電流値Ipeakの平均値が最終的な推定結果とされる。
ウ) 選択観測点が三つ以上である場合に、三つ以上の選択観測点のそれぞれに関する各データが用いられて算定された三つ以上の選択観測点毎のピーク電流値Ipeakのうちの最小値と最大値とを除いた残りの平均値が最終的な推定結果とされる。
そして、ピーク推定部11cにより、算定されたピーク電流値Ipeakの値がメモリ15に記憶させられる。
次に、落雷電流の電流峻度の推定が行われる(S5)。
本実施形態では、以下の数式5により、落雷に伴って放射される電流の電流峻度Sが算定される。
[数5] S = 0.8・Ipeak/(Ps・T10-90%)
ここに、 S:電流峻度,
peak:ピーク電流値,
s:大地伝播補正係数,
10-90%:電界変化波形から推測された10%−90%立ち上がり時間
をそれぞれ表す。
数式5は、インパルス電流の規約波頭長及び規約波頭峻度を求める式に対し、大地伝播補正係数Psを考慮するようにしたものである。以下に、本発明において追加的に考慮するようにしている補正係数Psについて説明する。
大地導電率が山岳部を想定した0.001 S/m であるとき、電界変化波形が50 km 伝播した場合の立ち上がり時間(具体的には、ピーク電流値に対する電流値の比率の10%ラインから90%ラインへの立ち上がり時間)の違いは表2のようになる。
Figure 0006537467
大地が完全導体である場合との差は、第一雷撃を想定した立ち上がり時間が長い電流波形については、大地を伝播した電界変化波形の10%−90%立ち上がり時間は電流波形の立ち上がり時間と殆ど変わらない。一方で、後続雷撃を想定した立ち上がり時間が短い電流波形については、大地を伝播した電界変化波形の10%−90%立ち上がり時間は電流波形の立ち上がり時間の4倍程度になっているものの、その差は1.5 μs 程度である。
第一雷撃を想定した例のように10%−90%立ち上がり時間が長くなるほど、大地伝播による立ち上がり時間の差は小さくなる。結果として、50 km 程度の距離で電界変化波形を観測していれば、10%−90%立ち上がり時間の差は山岳地を想定した場合(つまり、大地導電率が0.001 S/m である場合)でも、1.5 μs 程度に抑えられると言える。
そこで、第一雷撃であるか後続雷撃であるかを判別し、大地導電率及び電流波形による10%−90%立ち上がり時間に関する大地伝播補正係数Psを予め計算しておいて数式5のように考慮することにより、電流峻度の推定誤差を低減させることができる。
数式5における大地伝播補正係数Psの決定の方法として、例えば以下のような手順が考えられる。
まず、予め、少なくとも観測対象地域(言い換えると、観測点の設置範囲)に関する、地点・地区と大地導電率との組み合わせデータがデータベース化される(「大地導電率データベース」と呼ぶ)。具体的には例えば、既存の文献(例えば、誘導調査特別委員会大地導電率小委員会「日本の大地導電率」,電気学会・電子通信学会,1969年 など)のデータなどが利用されることが考えられる。
予め、また、大地導電率と立ち上がり時間(具体的には、ピーク電流値に対する電流値の比率の10%ラインから90%ラインへの立ち上がり時間)との間の関係が計算されて大地導電率と立ち上がり時間との組み合わせデータがデータベース化される(「立上り時間データベース」と呼ぶ)。大地導電率と立ち上がり時間との組み合わせデータは、例えばモーメント法やFDTD法などの数値電磁界解析が行われることにより計算され得る。この際、第一雷撃と後続雷撃との別に、言い換えると、第一雷撃と後続雷撃とのそれぞれについて、または、観測される立ち上がり時間別に、大地導電率と立ち上がり時間との組み合わせデータが整備される。
そして、S2の処理において特定された落雷点の水平位置座標も用いられて例えば直前の雷撃との距離差及び時間差などに基づいて第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるかが判別されると共に、S2の処理において特定された落雷点とS3の処理において特定された選択観測点との位置関係に基づいて伝播経路が推測され、大地導電率データベースが参照されて前記推測された伝播経路における大地導電率の最大値と最小値とが特定される。
なお、大地導電率の最大値が完全導体大地と同じ無限大とされたり、大地導電率の最小値が山岳部を想定した0.001 S/m とされたりするようにしても良い。
次に、S1の処理において観測された電界の時間変化波形から、立ち上がり時間(具体的には、ピーク電流値に対する電流値の比率の10%ラインから90%ラインへの立ち上がり時間)が特定される。
そして、上記で特定された大地導電率の最大値及び最小値並びに上記で特定された(言い換えると、観測された)立ち上がり時間と立上り時間データベースに記録されている立ち上がり時間とが用いられ、元の落雷電流の立ち上がり時間が推定される。
具体的には、特定された大地導電率が最大のときの立ち上がり時間と特定された大地導電率が最小のときの立ち上がり時間とが求められる。
なお、大地導電率が最小のときは波形の変歪が大きいので最小の立ち上がり時間となり、大地導電率が最大のときは最大の立ち上がり時間となる。
そして、求められた最大立ち上がり時間と最小立ち上がり時間とから、推定立ち上がり時間が算出される。
具体的には、電流峻度Sはピーク電流値Ipeakを立ち上がり時間T10-90%で除したものであるので、本実施形態では、最大立ち上がり時間の逆数と最小立ち上がり時間の逆数との平均が求められ、それに対応する立ち上がり時間が推定立ち上がり時間とされ、また、当該推定立ち上がり時間に対応する大地伝播補正係数Psが決定される。
上述の手順による大地伝播補正係数Psの決定の具体例として、表2に示す例についての計算の一例を挙げると以下のようになる。
まず、例えば直前の雷撃との距離差及び時間差などに基づいて後続雷撃であると判別されると共に、S1の処理において観測された電界の時間変化波形から特定された立ち上がり時間が1.9 μs であった(即ち、表2において電流波形の半値幅が11 μs の後続雷撃の場合に相当する)とする。
また、大地導電率の、最大値は完全導体大地と同じ無限大とし、最小値は山岳部を想定した0.001 S/m とする。このように想定した点において、この計算例は最過酷の具体例であると言える。
このとき、立ち上がり時間の、最大値は1.9 μs になり、最小値は表2の計算結果から逆に求めて0.5 μs になる。
したがって、最大立ち上がり時間の逆数は 1/1.9≒0.53 になり、最小立ち上がり時間の逆数は 1/0.5=2になる。よって、これら逆数の平均は1.26になる。
したがって、逆数の平均1.26に対応する(言い換えると、逆数が1.26になる)立ち上がり時間は0.79 μs になり、この0.79 μs が推定立ち上がり時間になる。よって、推定立ち上がり時間0.79に対応する(言い換えると、0.79を推定立ち上がり時間とすると)大地伝播補正係数Psは、Ps=0.79/1.9≒0.42 になる。
そして、大地伝播補正係数Ps=0.42のときの電流峻度Sは、数式5によって以下のように計算される。なお、Ipeakには、S4の処理において推定されたピーク電流値Ipeakの値が代入される。
S=0.8・Ipeak/(0.42・1.9)
本実施形態では、制御部11の峻度推定部11dにより、まず、S4の処理においてメモリ15に記憶されたピーク電流値Ipeakの値が読み込まれる。
峻度推定部11dにより、さらに、推定立ち上がり時間T10-90%が設定される。
そして、峻度推定部11dにより、上記の各データ(具体的には、S3の処理において特定された選択観測点に関する、Ipeak及びT10-90%の値)が数式5に代入され、電流峻度Sが算定される。
なお、数式5は、落雷電流特性値の推定プログラム17内に予め規定される。また、数式5における補正係数Psの値は、入力部13を介して作業者によって入力されるようにしても良く、或いは、落雷電流特性値の推定プログラム17内に予め規定されるようにしても良い。
そして、峻度推定部11dにより、算定された電流峻度Sの値がメモリ15に記憶させられる。
そして、制御部11は、推定結果としての落雷に伴って放射される電流のピーク電流値Ipeak及び電流峻度Sの値を表示部14に表示したり、データファイルとして記憶部12に保存したりした上で、当該の落雷に関するピーク電流値や電流峻度の推定に関する処理を終了する。
以上のように構成された落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムによれば、落雷点からの距離が20〜50 km である観測点の観測データのみが用いられるようにしているので、落雷の電流波形,大地の導電率,及び地形に纏わる個別の状況が落雷電流のピーク電流値や電流峻度の推定に与える影響を小さくすることができ、したがって落雷電流のピーク電流値や電流峻度を精度良く推定することが可能になる。
そして、本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムによれば、落雷電流のピーク電流値や電流峻度を精度良く推定することが可能になるので、雷保護装置がどの程度のピーク電流や電流峻度に耐えられれば良いかを信頼性の高い設計仕様の指針として定量的に示すことが可能になる。また、これらのデータを蓄積することにより、設計仕様上の耐雷性能を高める必要がある地域を抽出することができ、このデータを元に合理的な耐雷設計及び保守の頻度などを決定することが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
すなわち、本発明の要点は、落雷に伴って放射される電流のピーク電流値や電流峻度が推定される際に、落雷点からの距離が20〜50 km である観測点において観測されたデータが用いられることであり、その他の処理内容は、落雷電流のピーク電流値や電流峻度を算定するために必要なデータが揃うのであれば、上述のS1乃至S5の処理として説明した内容に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では電界の観測(S1)において用いられる機序の一例としてファーストアンテナや落雷位置標定システムが挙げられているが、電界の観測において用いられる機序は、落雷に伴う電界の時間変化が把握され得るものであれば、上述の実施形態において一例として挙げられたファーストアンテナや落雷位置標定システムには限定されない。
また、上述の実施形態では落雷点の特定(S2)において用いられる機序の一例として落雷位置標定システムが挙げられているが、落雷点の特定において用いられる機序は、落雷点の水平位置座標(xl,yl)が特定され得るものであれば、上述の実施形態において一例として挙げられた落雷位置標定システムには限定されない。
また、上述の実施形態では落雷電流のピーク電流値の推定(S4)において三種類の補正係数Pi,A,及びMを含む数式3が用いられてピーク電流値Ipeakが算定されるようにしているが、ピーク電流値の推定において三種類の補正係数Pi,A,及びMが考慮されることは本発明において必須の構成ではなく、これら三種類の補正係数うちの一部のみが考慮される(例えば、大地伝播補正係数Piのみが考慮される。この場合、A=1,M=1とされる)ようにしても良く、さらに言えば、補正係数が全く考慮されない(即ち、数式4が用いられてピーク電流値Ipeakが算定される)ようにしても良い。
また、上述の実施形態では落雷電流の電流峻度の推定(S5)において補正係数Psを含む数式5が用いられて電流峻度Sが算定されるようにしているが、電流峻度の推定において補正係数Psが考慮されることは本発明において必須の構成ではなく、当該補正係数Psが考慮されない(即ち、Ps=1とされる)ようにしても良い。
また、上述の実施形態ではS4の処理として落雷電流のピーク電流値が推定され且つS5の処理として落雷電流の電流峻度が推定されるようにしているが、ピーク電流値と電流峻度とのうちのどちらか一方のみが推定されるようにしても良い。
本発明の落雷電流特性値の推定方法、推定装置、及び推定プログラムは、落雷に伴って放射される電流のピーク電流値や電流峻度を精度良く推定することができるので、あくまで一例として挙げると、落雷への対策が非常に重要である送電・配電や発電・変電などの分野で利用価値が高い。
S1 電界の観測
S2 落雷点の特定
S3 電界の観測データの選択
S4 落雷電流のピーク電流値の推定
S5 落雷電流の電流峻度の推定
10 落雷電流特性値の推定装置
17 落雷電流特性値の推定プログラム

Claims (12)

  1. 電界の観測点と落雷点との間の距離と、前記観測点で観測された電界とが用いられて、落雷電流のピーク電流値が推定される際に、電界の変化が観測された前記観測点のうち前記落雷点からの距離が20〜50 km である前記観測点で観測された電界のみが用いられることを特徴とする落雷電流特性値の推定方法。
  2. 第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された若しくは推定された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Piを含む以下の数式1
    [数1] Ipeak = Pi・A・M・(−2πε02DEpeak)/v
    ここに、 Ipeak:ピーク電流値,
    i:大地伝播補正係数,
    A:傾斜補正係数(但し、1でも良い),
    M:モデル補正係数(但し、1でも良い),
    D:落雷点と観測点との間の水平距離,
    peak:垂直電界ピーク値,
    v:伝送線路上の電流波進行速度,
    ε0:真空の誘電率,
    c:光速,
    π:円周率 をそれぞれ表す。
    が用いられて前記落雷電流のピーク電流値Ipeakが算定されることを特徴とする請求項1記載の落雷電流特性値の推定方法。
  3. 電界の観測点と落雷点との間の距離と、前記観測点で観測された電界とが用いられて、落雷電流の電流峻度が推定される際に、電界の変化が観測された前記観測点のうち前記落雷点からの距離が20〜50 km である前記観測点で観測された電界のみが用いられることを特徴とする落雷電流特性値の推定方法。
  4. 第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Psを含む以下の数式2
    [数2] S = 0.8・Ipeak/(Ps・T10-90%)
    ここに、 S:電流峻度,
    peak:ピーク電流値,
    s:大地伝播補正係数,
    10-90%:電界変化波形から推測された10%−90%立ち上がり時間
    をそれぞれ表す。
    が用いられて前記落雷電流の電流峻度Sが算定されることを特徴とする請求項3記載の落雷電流特性値の推定方法。
  5. 電界の観測点と落雷点との間の距離と、前記観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流のピーク電流値を推定する推定部を有し、当該推定部が、電界の変化が観測された前記観測点のうち前記落雷点からの距離が20〜50 km である前記観測点で観測された電界のみを用いることを特徴とする落雷電流特性値の推定装置。
  6. 第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された若しくは推定された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Piを含む以下の数式3
    [数3] Ipeak = Pi・A・M・(−2πε02DEpeak)/v
    ここに、 Ipeak:ピーク電流値,
    i:大地伝播補正係数,
    A:傾斜補正係数(但し、1でも良い),
    M:モデル補正係数(但し、1でも良い),
    D:落雷点と観測点との間の水平距離,
    peak:垂直電界ピーク値,
    v:伝送線路上の電流波進行速度,
    ε0:真空の誘電率,
    c:光速,
    π:円周率 をそれぞれ表す。
    が用いられて前記落雷電流のピーク電流値Ipeakが算定されることを特徴とする請求項5記載の落雷電流特性値の推定装置。
  7. 電界の観測点と落雷点との間の距離と、前記観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流の電流峻度を推定する推定部を有し、当該推定部が、電界の変化が観測された前記観測点のうち前記落雷点からの距離が20〜50 km である前記観測点で観測された電界のみを用いることを特徴とする落雷電流特性値の推定装置。
  8. 第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Psを含む以下の数式4
    [数4] S = 0.8・Ipeak/(Ps・T10-90%)
    ここに、 S:電流峻度,
    peak:ピーク電流値,
    s:大地伝播補正係数,
    10-90%:電界変化波形から推測された10%−90%立ち上がり時間
    をそれぞれ表す。
    が用いられて前記落雷電流の電流峻度Sが算定されることを特徴とする請求項7記載の落雷電流特性値の推定装置。
  9. 電界の観測点と落雷点との間の距離と、前記観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流のピーク電流値を推定する処理をコンピュータに行わせ、当該推定処理において、電界の変化が観測された前記観測点のうち前記落雷点からの距離が20〜50 km である前記観測点で観測された電界のみが用いられることを特徴とする落雷電流特性値の推定プログラム。
  10. 第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された若しくは推定された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Piを含む以下の数式5
    [数5] Ipeak = Pi・A・M・(−2πε02DEpeak)/v
    ここに、 Ipeak:ピーク電流値,
    i:大地伝播補正係数,
    A:傾斜補正係数(但し、1でも良い),
    M:モデル補正係数(但し、1でも良い),
    D:落雷点と観測点との間の水平距離,
    peak:垂直電界ピーク値,
    v:伝送線路上の電流波進行速度,
    ε0:真空の誘電率,
    c:光速,
    π:円周率 をそれぞれ表す。
    が用いられて前記落雷電流のピーク電流値Ipeakが算定されることを特徴とする請求項9記載の落雷電流特性値の推定プログラム。
  11. 電界の観測点と落雷点との間の距離と、前記観測点で観測された電界とを用いて、落雷電流の電流峻度を推定する処理をコンピュータに行わせ、当該推定処理において、電界の変化が観測された前記観測点のうち前記落雷点からの距離が20〜50 km である前記観測点で観測された電界のみが用いられることを特徴とする落雷電流特性値の推定プログラム。
  12. 第一雷撃と後続雷撃とのうちのどちらであるか又は観測された立ち上がり時間によって決定される大地伝播補正係数Psを含む以下の数式6
    [数6] S = 0.8・Ipeak/(Ps・T10-90%)
    ここに、 S:電流峻度,
    peak:ピーク電流値,
    s:大地伝播補正係数,
    10-90%:電界変化波形から推測された10%−90%立ち上がり時間
    をそれぞれ表す。
    が用いられて前記落雷電流の電流峻度Sが算定されることを特徴とする請求項11記載の落雷電流特性値の推定プログラム。
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