JP6537456B2 - 熱処理装置、熱処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

熱処理装置、熱処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本開示は、熱処理装置、熱処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
特許文献1は、熱処理室内において基板を加熱する熱板と、熱処理室外において基板を冷却すると共に熱処理室に対して基板を搬入出可能に構成された冷却板とを備える熱処理装置を開示している。当該熱処理装置は、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて基板を微細加工する際に、基板の表面に形成された塗布膜に含まれる溶剤を蒸発させる熱処理、当該塗布膜の化学反応を促進させる熱処理、当該塗布膜を硬化させて硬化膜とする熱処理等を実施する。
特開2007−294753号公報
基板の表面には、例えば、SOC(SpinOn Carbon)膜、アモルファスカーボン膜等の、酸化しやすい膜が形成されることがある。このような膜を基板の表面に形成する際には、膜の酸化を防ぐために、熱処理室内に不活性ガスを供給しながら熱板による基板の加熱を行う。このときの基板の加熱温度は例えば200℃〜600℃程度の高温であるので、基板の加熱後すぐに基板が熱処理室から搬出されると、高温の基板が大気と接触するのでやはり膜が酸化してしまう。そのため、熱処理室内に基板を収容したまま、膜が酸化しない温度に基板の温度が下がるまで待たなければならない。しかも、基板の加熱に伴い、熱処理室を構成する部材も高温となっているので、図13において破線で示されるように、基板の温度が下がり難く(処理時間t1)、冷却後の基板の温度(温度T1)も依然として高い傾向にある。
これに対し、冷却板をも収容する大型の熱処理室を採用して、冷却板の周囲も不活性ガス雰囲気とすることも考えられる。この場合、冷却板の周囲も不活性ガス雰囲気であるので、基板の温度が下がるのを待つことなく、基板を熱板から冷却板に移送できる。しかしながら、熱処理室が熱板及び冷却板の双方を収容するために大型化するので、熱処理室内を不活性ガスで満たすのに時間がかかると共に、多量の不活性ガスを消費してしまいコストが増加する。
そこで、本開示は、酸化しやすい膜を基板の表面に形成するにあたり、基板の熱処理時間の短縮化と熱処理の低コスト化との両立を図ることが可能な熱処理装置、熱処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を説明する。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置は、基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源と、基板を冷却可能に構成された冷却板と、基板を冷却板に対して近接及び離間可能に構成された駆動部と、基板を出し入れ可能であると共に駆動部に保持された基板を収容可能に構成された収容筐体と、収容筐体内に不活性ガスを供給可能に構成された供給部と、制御部とを備え、制御部は、駆動部を制御して基板が冷却板から離れた離間位置において基板を保持させる第1の処理と、供給部を制御して収容筐体内に不活性ガスを供給させる第2の処理と、第1及び第2の処理の後に、加熱光源を制御して基板を加熱させる第3の処理と、第3の処理の後に、加熱光源を制御して基板の加熱を停止させる第4の処理と、第4の処理の後に、駆動部を制御して基板が冷却板に近づく近接位置において基板を保持させることにより、基板を冷却板で冷却する第5の処理とを実行する。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置では、加熱光源が基板に輻射熱を付与しているので、冷却板が加熱光源によってほとんど加熱されない。そのため、制御部が、駆動部を制御して基板が冷却板から離れた離間位置において基板を保持させる第1の処理と、供給部を制御して収容筐体内に不活性ガスを供給させる第2の処理と、第1及び第2の処理の後に、加熱光源を制御して基板を加熱させる第3の処理とを実行することで、基板は、冷却板から熱をほとんど奪われることなく、不活性ガス雰囲気で加熱される。一方、制御部が、第3の処理の後に、加熱光源を制御して基板の加熱を停止させる第4の処理と、第4の処理の後に、駆動部を制御して基板が冷却板に近づく近接位置において基板を保持させて、基板を冷却板により冷却する第5の処理とを実行することで、基板は、不活性ガス雰囲気で効果的に冷却される。従って、基板の表面に形成されている塗布膜の酸化を抑制しつつ、基板の熱処理時間を短縮化できる。また、加熱光源によって基板を輻射熱によって加熱しているので、収容筐体が高温になり難く、基板を冷却板によって特に効果的に冷却できる。加えて、少なくとも基板を収容可能な大きさの収容筐体内に不活性ガスを満たせばよいので、不活性ガスの使用量を低減できる。以上により、酸化しやすい膜を基板の表面に形成するにあたり、基板の熱処理時間の短縮化と熱処理の低コスト化との両立を図ることが可能となる。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置は、収容筐体の外側に位置し、収容筐体に対して基板を搬入出可能に構成された搬送アームをさらに備えてもよい。この場合、比較的大きな部材である搬送アームが収容筐体の外側に位置するので、収容筐体の大きさが小さくてすむ。そのため、不活性ガスの使用量をより低減することが可能となる。
冷却板は、加熱光源から放射される光に対して透過性を有する材料で構成され、加熱光源は、冷却板のうちの一方の主面側に位置しており、冷却板のうちの他方の主面側において駆動部によって保持される基板に輻射熱を付与するように構成されていてもよい。この場合、基板と加熱光源とが冷却板によって隔てられているので、基板の加熱によって生ずる異物等が加熱光源に付着し難い。従って、加熱光源の清掃を省力化することが可能となる。
冷却板の内部には、冷媒が流通する複数の流路が設けられており、複数の流路のうち冷却板の中央部寄りに位置する流路における冷媒の流量は、複数の流路のうち冷却板の周縁部寄りに位置する流路における冷媒の流量よりも大きくなるように設定されていてもよい。冷却板の中央部ほど熱が逃げにくく外部との熱交換により温度が高くなりやすいので、上記の場合、冷却板の面内における温度分布を均一化することが可能となる。
本開示の他の観点に係る熱処理方法は、基板が冷却板から離れた離間位置で、基板を出し入れ可能な収容筐体内に搬入された基板を保持する第1の工程と、収容筐体内に不活性ガスを供給する第2の工程と、第1及び第2の工程の後に、基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源により基板を加熱する第3の工程と、第3の工程の後に加熱光源を停止する第4の工程と、第4の工程の後に、基板が冷却板に近づく近接位置において基板を保持し、基板を冷却板により冷却する第5の工程とを含む。
本開示の他の観点に係る熱処理方法では、加熱光源が基板に輻射熱を付与しているので、冷却板が加熱光源によってほとんど加熱されない。そのため、第1の工程において、基板が冷却板から離れた離間位置で、基板を出し入れ可能な収容筐体内に搬入された基板を保持し、第2の工程において、収容筐体内に不活性ガスを供給し、第1及び第2の工程の後の第3の工程において、基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源により基板を加熱することで、基板は、冷却板から熱をほとんど奪われることなく、不活性ガス雰囲気で加熱される。一方、第3の工程の後の第4の工程において加熱光源を停止し、第4の工程の後の第5の工程において、板が冷却板に近づく近接位置において基板を保持し、基板を冷却板により冷却することで、基板は、不活性ガス雰囲気で効果的に冷却される。従って、基板の表面に形成されている塗布膜の酸化を抑制しつつ、基板の熱処理時間を短縮化できる。また、少なくとも基板を収容可能な大きさの収容筐体内に不活性ガスを満たせばよいので、不活性ガスの使用量を低減できる。以上により、酸化しやすい膜を基板の表面に形成するにあたり、基板の熱処理時間の短縮化と熱処理の低コスト化との両立を図ることが可能となる。
冷却板は、加熱光源から放射される光に対して透過性を有する材料で構成され、加熱光源は、第3の工程において、冷却板を間において基板とは反対側から基板を加熱してもよい。この場合、基板と加熱光源とが冷却板によって隔てられているので、基板の加熱によって生ずる異物等が加熱光源に付着し難い。従って、加熱光源の清掃を省力化することが可能となる。
冷却板の内部には、冷媒が流通する複数の流路が設けられており、第5の工程では、複数の流路のうち冷却板の中央部寄りに位置する流路における冷媒の流量は、複数の流路のうち冷却板の周縁部寄りに位置する流路における冷媒の流量よりも大きくなるように、複数の流路に冷媒を流通させてもよい。冷却板の中央部ほど熱が逃げにくく外部との熱交換により温度が高くなりやすいので、上記の場合、冷却板の面内における温度分布を均一化することが可能となる。
本開示の他の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上述の方法を熱処理装置に実行させるためのプログラムを記録している。本開示の他の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体では、上記の熱処理方法と同様に、酸化しやすい膜を基板の表面に形成するにあたり、基板の熱処理時間の短縮化と熱処理の低コスト化との両立を図ることが可能となる。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、一時的でない有形の媒体(non-transitory computer recording medium)(例えば、各種の主記憶装置又は補助記憶装置)や、伝播信号(transitory computer recording medium)(例えば、ネットワークを介して提供可能なデータ信号)が含まれる。
本開示に係る熱処理装置、熱処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、基板の処理時間の短縮化と基板処理の低コスト化との両立を図ることが可能となる。
図1は、基板処理システムを示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、熱処理ユニットを側方から見た断面図である。 図5は、熱処理ユニットを上方から見た断面図である。 図6(a)は冷却板を上方から見た図であり、図6(b)は図6(a)のA−A線断面図である。 図7は、熱処理ユニット及びコントローラを示すブロック図である。 図8は、コントローラのハードウェア構成を示す概略図である。 図9は、ウエハの加熱処理を説明するためのフローチャートである。 図10は、ウエハの加熱処理の一過程を示す図である。 図11は、ウエハの加熱処理の一過程を示す図である。 図12は、ウエハの加熱処理の一過程を示す図である。 図13は、熱処理時間とウエハ温度との関係の一例を示すグラフである。 図14は、シリコンの光吸収特性を示すグラフである。
以下に説明される本開示に係る実施形態は本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[基板処理システム]
図1に示されるように、基板処理システム1(基板処理装置)は、塗布現像装置2(基板処理装置)と、露光装置3と、コントローラ10(制御部;熱処理装置)とを備える。露光装置3は、ウエハW(基板)の表面に形成されたレジスト膜(感光性被膜)の露光処理(パターン露光)を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分に選択的にエネルギー線を照射する。エネルギー線としては、例えばArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、g線、i線、又は極端紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)が挙げられる。
塗布現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウエハWの表面にレジスト膜等の塗布膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。ウエハWは、円板状を呈してもよいし、円形の一部が切り欠かれていてもよいし、多角形など円形以外の形状を呈していてもよい。ウエハWは、例えば、半導体基板、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。ウエハWの直径は、例えば200mm〜450mm程度であってもよい。ウエハWの材料は、例えばシリコンであってもよい。なお、シリコンは、図14に示されるように、幅広い温度域において1.2μm程度以下の波長の光に対して0.5〜0.6程度の光吸収率を有する。
図1〜図3に示されるように、塗布現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インターフェースブロック6とを備える。キャリアブロック4、処理ブロック5及びインターフェースブロック6は、水平方向に並んでいる。
キャリアブロック4は、図1及び図3に示されるように、キャリアステーション12と、搬入搬出部13とを有する。キャリアステーション12は複数のキャリア11を支持する。キャリア11は、少なくとも一つのウエハWを密封状態で収容する。キャリア11の側面11aには、ウエハWを出し入れするための開閉扉(図示せず)が設けられている。キャリア11は、側面11aが搬入搬出部13側に面するように、キャリアステーション12上に着脱自在に設置される。
搬入搬出部13は、キャリアステーション12及び処理ブロック5の間に位置している。搬入搬出部13は、複数の開閉扉13aを有する。キャリアステーション12上にキャリア11が載置される際には、キャリア11の開閉扉が開閉扉13aに面した状態とされる。開閉扉13a及び側面11aの開閉扉を同時に開放することで、キャリア11内と搬入搬出部13内とが連通する。搬入搬出部13は、受け渡しアームA1を内蔵している。受け渡しアームA1は、キャリア11からウエハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウエハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
処理ブロック5は、図1及び図2に示されるように、BCTモジュール14と、HMCTモジュール15と、COTモジュール16と、DEVモジュール17とを有する。BCTモジュール14は下層膜形成モジュールである。HMCTモジュール15は中間膜(ハードマスク)形成モジュールである。COTモジュール16はレジスト膜形成モジュールである。DEVモジュール17は現像処理モジュールである。これらのモジュールは、床面側からDEVモジュール17、BCTモジュール14、HMCTモジュール15、COTモジュール16の順に並んでいる。
BCTモジュール14は、ウエハWの表面上に下層膜を形成するように構成されている。BCTモジュール14は、複数の塗布ユニット(図示せず)と、複数の熱処理ユニット(図示せず)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA2(図2参照)とを内蔵している。塗布ユニットは、下層膜形成用の塗布液をウエハWの表面に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。熱処理ユニットは、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。BCTモジュール14において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させて下層膜とするための加熱処理が挙げられる。下層膜としては、例えば、反射防止(SiARC)膜が挙げられる。
HMCTモジュール15は、下層膜上に中間膜R(図4参照)を形成するように構成されている。HMCTモジュール15は、図2及び図3に示されるように、複数の塗布ユニットU1と、複数の熱処理ユニットU2(熱処理装置)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。塗布ユニットU1は、中間膜形成用の塗布液をウエハWの表面に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。熱処理ユニットU2は、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。HMCTモジュール15において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させて中間膜Rとするための加熱処理が挙げられる。中間膜としては、例えば、SOC(Spin On Carbon)膜、アモルファスカーボン膜が挙げられる。熱処理ユニットU2の詳細については後述する。
COTモジュール16は、中間膜R上に熱硬化性且つ感光性のレジスト膜を形成するように構成されている。COTモジュール16は、複数の塗布ユニット(図示せず)と、複数の熱処理ユニット(図示せず)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA4とを内蔵している。塗布ユニットは、レジスト膜形成用の処理液(レジスト剤)を中間膜Rの上に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。熱処理ユニットU2は、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。COTモジュール16において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させてレジスト膜とするための加熱処理(PAB:Pre Applied Bake)が挙げられる。
DEVモジュール17は、露光されたレジスト膜の現像処理を行うように構成されている。DEVモジュール17は、複数の現像ユニット(図示せず)と、複数の熱処理ユニット(図示せず)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA5と、これらのユニットを経ずにウエハWを搬送する直接搬送アームA6とを内蔵している。現像ユニットは、レジスト膜を部分的に除去してレジストパターンを形成するように構成されている。熱処理ユニットは、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。DEVモジュール17において行われる熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には、図2及び図3に示されるように、棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、床面からHMCTモジュール15にわたって設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウエハWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインターフェースブロック6側には、棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は床面からDEVモジュール17の上部にわたって設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インターフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11のウエハWを取り出して露光装置3に渡し、露光装置3からウエハWを受け取って棚ユニットU11に戻すように構成されている。
コントローラ10は、基板処理システム1を部分的又は全体的に制御する。コントローラ10の詳細については後述する。
[熱処理ユニットの構成]
次に、熱処理ユニットU2の構成について、図4〜図6を参照してさらに詳しく説明する。なお、本明細書ではHMCTモジュール15の熱処理ユニットU2の構成を説明しているが、BCTモジュール14、COTモジュール16及びDEVモジュール17の熱処理ユニットの構成も熱処理ユニットU2と同等である。
熱処理ユニットU2は、図4及び図5に示されるように、筐体100内に、ウエハWを加熱する加熱部110と、ウエハWを冷却する冷却部120とを有する。筐体100のうち冷却部120に対応する部分の両側壁には、ウエハWを筐体100の内部に搬入すると共にウエハWを筐体100外へと搬出するための搬入出口101が形成されている。
加熱部110は、収容筐体111と、冷却板112と、加熱光源113と、昇降機構114(駆動部)と、昇降機構115と、ガス供給部116(供給部)とを有する。収容筐体111は、ウエハWを出し入れ可能に構成されている。収容筐体111は、基部111aと、蓋部111bとを有する。基部111aは、例えば円筒状を呈しており、筐体100の底壁上に立設されている。基部111aの側壁には、収容筐体111内にガスを供給するための供給孔111cが設けられている。供給孔111cには収容筐体111外に延びる配管D1が接続されており、配管D1には上流側から順にガス源116a、ポンプP及びバルブV1が配置されている(詳しくは後述する。)。
蓋部111bは、例えば有底円筒状を呈している。蓋部111bは、その開放端側が基部111aの上端側と対向するように配置されている。蓋部111bの天壁には、蓋部111b内のガスを排気するための排気孔111dが設けられている。排気孔111dには収容筐体111外に延びる配管D2が接続されており、配管D2上にはバルブV2が配置されている。
冷却板112は、図6に示されるように、円形状を呈する平板である。冷却板112は、基部111aの上端部において保持されている。冷却板112の外形は、ウエハWの外形よりも大きい。冷却板112は、本実施形態において、後述する加熱光源113から放射される光に対して透過性を有する材料で構成されている。冷却板112は、例えば、石英ガラス、サファイア等で構成されていてもよい。石英ガラスは、0.16μm〜3μm程度の波長の光を透過可能な性質を有する。サファイアは、0.17μm〜6.5μm程度の波長の光を透過可能な性質を有する。
冷却板112には、複数の貫通孔112a,112bと、複数の流路112cとが形成されている。貫通孔112a,112bはいずれも、冷却板112の厚さ方向に貫通して延びている。複数の貫通孔112aはそれぞれ、後述する昇降ピン114bに対応する位置に設けられており、昇降ピン114bの外形よりもやや大きい。
複数の貫通孔112bは、所定の第1の方向(図6(a)において左右方向)に沿って複数の列を形成するよう、第1の方向と交差する第2の方向(図6(a)において上下方向)に沿って並んでいる。換言すれば、一つの列を構成する複数の貫通孔112bは、第2の方向(図6(a)において上下方向)に沿って並んでいる。各列は、第1の方向(図6(a)において左右方向)に沿って並んでいる。貫通孔112bは、ガスが流通可能な大きさであればよく、貫通孔112aよりも小さくてもよい。
複数の流路112c内には冷媒が流通可能である。すなわち、冷却板112は、複数の流路112c内に冷媒が流れることにより、冷却板112の近傍に位置するウエハWを冷却可能に構成されている。複数の流路112cはそれぞれ、第2の方向に沿って延びている。複数の流路112cは、第1の方向に沿って並んでいる。複数の流路112cは、複数の貫通孔112bが構成する各列の間に位置している。
各流路112cの断面積は、本実施形態において、第1の方向において冷却板112の中央部寄りに位置する流路112cほど大きく、第1の方向において冷却板112の周縁部寄りに位置する流路112cほど小さくなるように設定されている。すなわち、複数の流路112cのうち冷却板112の中央部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流量は、複数の流路112cのうち冷却板112の周縁部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流量よりも大きくなるように設定されている。各流路112cにおける冷媒の流通方向は、図6(a)に示されるように、隣り合う流路112cにおいて逆向きであってもよい。冷媒は、冷却板112を冷却することができれば特に限定されず、例えば、水、空気等であってもよい。冷却板112の設定温度は、ウエハWの表面に形成される塗布膜が酸素雰囲気下で酸化しないか酸化がほとんど進行しない温度以下であってもよい。
加熱光源113は、基部111a及び冷却板112で囲まれる空間内に配置されている。すなわち、本実施形態において、加熱光源113は、冷却板112の一方の主面側(冷却板112の下方)に位置している。加熱光源113は、ウエハWに輻射熱を付与するように構成されている。具体的には、加熱光源113は、輻射熱により対象物を例えば400℃〜1000℃程度に加熱可能な光源である。
加熱光源113としては、例えば、LED素子、レーザ光素子、ハロゲンランプ等が挙げられる。LED素子としては、例えば、GaN(放射波長360nm〜520nm程度)、GaAs(放射波長950nm〜970nm程度)、GaAlAs(放射波長880nm程度)等を用いてもよい。図14に示されるように、これらのLED素子からの出射光に対してシリコンは0.5〜0.6程度の吸収率を有するので、ウエハWがシリコン製の場合にはウエハWを効率よく加熱することができる。また、冷却板112が石英ガラス又はサファイアで構成されている場合には、これらのLED素子からの出射光は、冷却板112を透過可能である。
昇降機構114は、モータ114aと、3つの昇降ピン114bとを有する。モータ114aは、筐体100外に配置されており、昇降ピン114bを上下動させる。昇降ピン114bは、基部111a及び冷却板112で囲まれる空間内に配置されている。すなわち、本実施形態において、昇降ピン114bは、冷却板112の一方の主面側(冷却板112の下方)に位置している。昇降ピン114bはそれぞれ、対応する貫通孔112b内に挿通可能である。昇降ピン114bの先端が冷却板112よりも上方に突出している場合、昇降ピン114bの先端上にウエハWを載置可能である。昇降ピン114bの先端上に載置されたウエハWは、昇降ピン114bの上下動に伴い昇降する。すなわち、昇降機構114は、ウエハWを冷却板112に対して近接及び離間可能に構成されている。換言すれば、昇降機構114は、ウエハWが冷却板112から離間した離間位置とウエハWが冷却板112に近接した近接位置との間でウエハWを昇降可能に構成されている。
昇降機構115は、モータ115aと、昇降ピン115bとを有する。モータ115aは、筐体100外に配置されており、昇降ピン115bを上下動させる。昇降ピン115bは、筐体100内においてモータ115aと蓋部111bとを接続している。そのため、昇降機構115は、蓋部111bを基部111aに対して近接及び離間可能に構成されている。換言すれば、昇降機構115は、蓋部111bが基部111aから離間した離間位置と蓋部111bが基部111aに載置された載置位置との間で蓋部111bを昇降可能に構成されている。蓋部111bが離間位置にある場合、ウエハWを収容筐体111内に出し入れ可能である。蓋部111bが載置位置にある場合、蓋部111bと冷却板112とは、これらによって囲まれた処理空間117を構成する。
ガス供給部116は、収容筐体111内に不活性ガスを供給可能に構成されている。具体的には、ガス供給部116は、ガス源116aと、ポンプPと、バルブV1と、配管D1とを有する。ガス源116aは、不活性ガス(例えば、窒素)の供給源として機能する。ポンプPは、ガス源116aから不活性ガスを吸引し、配管D1及びバルブV1を介して収容筐体111内(基部111a内)に送り出す。
冷却部120は、図4及び図5に示されるように、加熱部110に隣接して収容筐体111の外側に位置している。冷却部120は、載置されたウエハWを冷却する冷却板121(搬送アーム)を有する。冷却板121は、図5に示されるように、略円形状を呈する平板であり、ウエハWを移送可能に構成されている。冷却板121内には図示しない冷却機構(例えばペルチェ素子)が設けられており、冷却機構によって冷却板121の温度が所定温度(例えば室温程度)に保たれる。
冷却板121は、加熱部110側に向かって延伸するレール122に取付けられている。冷却板121は、移動機構123により駆動され、レール122上を水平移動可能である。加熱部110側まで移動した冷却板121は、冷却板112の上方に位置する。そのため、冷却板121は、冷却板112に近づいた近接位置と冷却板112から離れた離間位置との間で移動可能である。
冷却板121には、図5に示されるように、レール122の延在方向に沿って延びる2本のスリット121aが形成されている。スリット121aは、冷却板121における加熱部110側の端部から冷却板121の中央部付近まで延びるように形成されている。スリット121aにより、加熱部110側に移動した冷却板121と冷却板112上に突出した昇降ピン114bとの干渉が防止される。そのため、冷却板121は、ウエハWを冷却板112に受け渡し且つウエハWを冷却板112から受け取ることが可能である。換言すれば、冷却板121は、収容筐体111に対してウエハWを搬入出可能に構成されている。
図4に示されるように、冷却板121の下方には昇降機構125が配置されている。昇降機構125は、筐体100外に配置されたモータ125aと、モータ125aによって上下動する3つの昇降ピン125bとを有する。昇降ピン125bはそれぞれ、スリット121aを通過可能に構成されている。昇降ピン125bの先端が冷却板121よりも上方に突出している場合、昇降ピン125bの先端上にウエハWを載置可能である。昇降ピン125bの先端上に載置されたウエハWは、昇降ピン125bの上下動に伴い昇降する。
[コントローラの構成]
コントローラ10は、図7に示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラ10の機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラ10を構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取る。記録媒体RMは、基板処理システム1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMとしては、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。
記憶部M2は、種々のデータを記憶する。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み取られたプログラム、加熱光源113によってウエハWを加熱する際の加熱設定温度、冷却板112,121によってウエハWを冷却する際の冷却設定温度等を記憶する。
処理部M3は、各種データを処理する。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、基板処理システム1の各部(例えば、ポンプP、バルブV1,V2、加熱光源113、昇降機構114,115,125、移動機構123)を動作させるための信号を生成する。
指示部M4は、処理部M3において生成された信号を基板処理システム1の各部(例えば、ポンプP、バルブV1,V2、加熱光源113、昇降機構114,115,125、移動機構123)に送信する。具体的には、指示部M4は、ポンプPにON/OFF信号を送信し、ガス源116aからの不活性ガスの供給及び停止を切り替える。指示部M4は、バルブV1,V2にON/OFF信号を送信し、バルブV1,V2の開放及び閉鎖を切り替える。指示部M4は、加熱光源113にON/OFF信号を送信し、加熱光源113の点灯及び消灯を切り替える。指示部M4は、昇降機構114に上昇信号又は下降信号を送信し、昇降ピン124bを昇降させる。指示部M4は、昇降機構115に上昇信号又は下降信号を送信し、蓋部111bを昇降させる。指示部M4は、昇降機構125に上昇信号又は下降信号を送信し、昇降ピン125bを昇降させる。指示部M4は、移動機構123に駆動信号を送信し、上方位置と離間位置との間で冷却板121をレール122に沿って水平移動させる。
コントローラ10のハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成される。コントローラ10は、ハードウェア上の構成として、例えば図8に示される回路10Aを有する。回路10Aは、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路10Aは、具体的には、プロセッサ10Bと、メモリ10Cと、ストレージ10Dと、ドライバ10Eと、入出力ポート10Fとを有する。プロセッサ10Bは、メモリ10C及びストレージ10Dの少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポート10Fを介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。ドライバ10Eは、基板処理システム1の各種装置をそれぞれ駆動する回路である。入出力ポート10Fは、ドライバ10Eと基板処理システム1の各種装置(例えば、ポンプP、バルブV1,V2、加熱光源113、昇降機構114,115,125、移動機構123)との間で、信号の入出力を行う。
本実施形態では、基板処理システム1は、一つのコントローラ10を備えているが、複数のコントローラ10で構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理システム1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラ10によって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラ10の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラ10が複数のコンピュータ(回路10A)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路10A)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路10A)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラ10は、複数のプロセッサ10Bを有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサ10Bによって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサ10Bの組み合わせによって実現されていてもよい。
[ウエハの熱処理方法]
続いて、図9〜図12を参照して、熱処理ユニットU2におけるウエハWの熱処理方法について説明する。なお、本明細書では、中間膜Rが表面に形成されたウエハWをHMCTモジュール15の熱処理ユニットU2により熱処理する方法を説明しているが、各種膜が表面に形成されたウエハWをBCTモジュール14、COTモジュール16及びDEVモジュール17において熱処理する方法も下記と同様である。
まず、コントローラ10は、基板処理システム1の各部を制御して、表面に中間膜Rが形成されたウエハWを冷却板121に載置させる。次に、コントローラ10は、蓋部111bが離間位置に位置した状態で移動機構123を制御して、冷却板112に対する離間位置から近接位置へと冷却板121を移動させる(図10(a)参照)。次に、コントローラ10は、昇降機構114を制御して、昇降ピン114bを上昇させる。これにより、昇降ピン114bは、貫通孔112a及びスリット121aを通ってウエハWを保持し、その状態で冷却板112に対する離間位置にウエハWを位置させる。換言すれば、ウエハWは、冷却板112のうち他方の主面側(冷却板112の上方)において昇降ピン114bに保持される(第1の処理;第1の工程)。こうして、ウエハWが冷却板121から収容筐体111内に搬送される(ステップS11;図10(b)参照)。次に、コントローラ10は、移動機構123を制御して、冷却板112に対する近接位置から離間位置へと冷却板121を移動させる(同参照)。
次に、コントローラ10は、昇降機構115を制御して、昇降ピン115bを下降させる。これにより、昇降ピン115bは、基部111aに対する離間位置から近接位置へと蓋部111bを移動させる(図11(a)参照)。そのため、蓋部111bが基部111aに載置され、処理空間117が構成される。すなわち、収容筐体111は、昇降ピン114bによって保持されたウエハWを収容可能に構成されている。
次に、コントローラ10は、ポンプP及びバルブV1,V2を制御して、ポンプPを駆動させると共に、バルブV1,V2を開放させる。これにより、ガス源116aから不活性ガスが収容筐体111内(基部111a内)に供給される(ステップS12;第2の処理;第2の工程)。不活性ガスは、基部111a内に供給された後、貫通孔112bを介して処理空間117に供給され、配管D2を通じて排気される。従って、収容筐体111内は、不活性ガスによって満たされた状態となる。
次に、コントローラ10は、収容筐体111内が不活性ガスによって満たされた状態で加熱光源113を制御して、加熱光源113を点灯させる。これにより、加熱光源113によるウエハWの加熱が行われる(ステップS13;第3の処理;第3の工程)。加熱光源113によるウエハWの加熱時間は、中間膜Rの材料によって適切な時間に設定しうるが、例えば60秒〜600秒程度であってもよい。次に、ウエハWが所定温度に達したと判断すると、コントローラ10は、加熱光源113を制御して、加熱光源113を消灯させる(第4の処理;第4の工程)。
次に、コントローラ10は、昇降機構114を制御して、昇降ピン114bを下降させる。これにより、昇降ピン114bは、ウエハWを保持した状態でその状態で冷却板112に対する近接位置にウエハWを位置させる。これにより、冷却板112によるウエハWの冷却が行われる(図11(b);ステップS14;第5の処理;第5の工程)。冷却板121によるウエハWの冷却時間は、中間膜Rの材料によって適切な時間に設定しうるが、例えば10秒〜200秒程度であってもよい。
次に、コントローラ10は、ポンプP及びバルブV1,V2を制御して、ポンプPを停止させると共に、バルブV1,V2を閉鎖させる。これにより、不活性ガスの収容筐体111内(基部111a内)への供給が停止する(ステップS15)。次に、コントローラ10は、昇降機構115を制御して、昇降ピン115bを上昇させる。これにより、昇降ピン115bは、基部111aに対する近接位置から離間位置へと蓋部111bを移動させる(図12(a)参照)。次に、コントローラ10は、昇降機構114を制御して、昇降ピン114bを上昇させる(同参照)。次に、コントローラ10は、移動機構123を制御して、冷却板112に対する離間位置から近接位置へと冷却板121を移動させる(同参照)。
次に、コントローラ10は、昇降機構114を制御して、昇降ピン114bを下降させる。これにより、昇降ピン114bは、貫通孔112a及びスリット121aを通って冷却板112の下方に移動し、ウエハWを冷却板121に載置する(図12(b)参照)。次に、コントローラ10は、移動機構123を制御して、冷却板112に対する近接位置から離間位置へと冷却板121を移動させる(同参照)。こうして、ウエハWが冷却板121から収容筐体111外に搬出される(ステップS16;同参照)。
[作用]
以上のような本実施形態では、加熱光源113がウエハWに輻射熱を付与しているので、冷却板112が加熱光源113によってほとんど加熱されない。そのため、コントローラ10が、ガス供給部116を制御して収容筐体111内に不活性ガスを供給させる第1の処理と、昇降機構114を制御してウエハWが冷却板112から離れた離間位置においてウエハWを保持させる第2の処理と、第1及び第2の処理の後に、加熱光源113を制御してウエハWを加熱させる第3の処理とを実行することで、ウエハWは、冷却板112から熱をほとんど奪われることなく、不活性ガス雰囲気で加熱される。一方、コントローラ10が、第3の処理の後に、加熱光源113を制御してウエハWの加熱を停止させる第4の処理と、第4の処理の後に、昇降機構114を制御してウエハWが冷却板112に近づく近接位置においてウエハWを保持させて、ウエハWを冷却板112により冷却する第5の処理とを実行することで、ウエハWは、不活性ガス雰囲気で効果的に冷却される。従って、ウエハWの表面に形成されている中間膜Rの酸化を抑制しつつ、ウエハWの熱処理時間を短縮化できる。また、加熱光源113によってウエハWを輻射熱によって加熱しているので、収容筐体111が高温になり難く、ウエハWを冷却板112によって特に効果的に冷却できる。具体的には、図13において実線で示されるように、ウエハWの処理時間t2が従来の処理時間t1よりも短く、冷却後のウエハWの温度T2も従来の温度T1よりも低くなる。加えて、少なくともウエハWを収容可能な大きさの収容筐体111内に不活性ガスを満たせばよいので、不活性ガスの使用量を低減できる。以上により、酸化しやすい膜をウエハWの表面に形成するにあたり、ウエハWの熱処理時間の短縮化と熱処理の低コスト化との両立を図ることが可能となる。
本実施形態では、冷却板121が、収容筐体111の外側に位置し、収容筐体111に対してウエハWを搬入出可能に構成されている。そのため、比較的大きな部材である冷却板121が収容筐体111を含む空間を不活性ガスで満たす必要がない。従って、不活性ガスの使用量をより低減することが可能となる。
本実施形態では、冷却板112が、加熱光源113から放射される光に対して透過性を有する材料で構成されている。また、加熱光源113は、冷却板112のうちの一方の主面側(冷却板112の下方)に位置しており、冷却板112のうちの他方の主面側(冷却板112の上方)において昇降機構114によって保持されるウエハWに輻射熱を付与するように構成されている。そのため、ウエハWと加熱光源113とが冷却板112によって隔てられている。加えて、不活性ガスは、基部111a側から貫通孔112bを通って蓋部111b側(処理空間117内)に流れるようになっている。従って、ウエハWの加熱によって生ずる異物等が加熱光源113に極めて付着し難い。従って、加熱光源113の清掃を省力化することが可能となる。
本実施形態では、冷却板112の内部に、冷媒が流通する複数の流路112cが設けられており、複数の流路112cのうち冷却板112の中央部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流量は、複数の流路112cのうち冷却板112の周縁部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流量よりも大きくなるように設定されている。冷却板112の中央部ほど熱が逃げにくく外部との熱交換により温度が高くなりやすいので、上記の場合、冷却板112の面内における温度分布を均一化することが可能となる。
[他の実施形態]
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、加熱光源113は、蓋部111b側(処理空間117内)に配置されていてもよい。この場合、冷却板112は、加熱光源113から放射される光に対して透過性を有する材料で構成されていなくてもよい。
複数の流路112cのうち冷却板112の中央部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流量を、複数の流路112cのうち冷却板112の周縁部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流量よりも大きくなるように設定するための構成は、上記の実施形態の構成に限られない。例えば、複数の流路112cは同心円状に並んでおり、各流路112cの断面積が冷却板112の中心部寄りほど大きく周縁部寄りほど小さくなるように設定されていてもよい。あるいは、各流路112cの断面積がいずれも略一定の場合には、複数の流路112cのうち冷却板112の中央部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流速を、複数の流路112cのうち冷却板112の周縁部寄りに位置する流路112cにおける冷媒の流速よりも大きくなるように設定されていてもよい。流路112cの形状は、管状のみならず、溝状であってもよい。
1…基板処理システム(基板処理装置)、2…塗布現像装置(基板処理装置)、10…コントローラ(制御部)、110…加熱部、111…収容筐体、112…冷却板、112c…流路、113…加熱光源、114…昇降機構(駆動部)、116…ガス供給部(供給部)、121…冷却板(搬送アーム)、R…中間膜、RM…記録媒体、U2…熱処理ユニット(熱処理装置)、W…ウエハ(基板)。

Claims (8)

  1. 基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源と、
    前記基板を冷却可能に構成された冷却板と、
    前記基板を前記冷却板に対して近接及び離間可能に構成された駆動部と、
    前記基板を出し入れ可能であると共に前記駆動部に保持された前記基板を収容可能に構成された収容筐体と、
    前記収容筐体内に不活性ガスを供給可能に構成された供給部と、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記駆動部を制御して前記基板が前記冷却板から離れた離間位置において前記基板を保持させる第1の処理と、
    前記供給部を制御して前記収容筐体内に不活性ガスを供給させる第2の処理と、
    前記第1及び第2の処理の後に、前記加熱光源を制御して前記基板を加熱させる第3の処理と、
    前記第3の処理の後に、前記加熱光源を制御して前記基板の加熱を停止させる第4の処理と、
    前記第4の処理の後に、前記駆動部を制御して前記基板が前記冷却板に近づく近接位置において前記基板を保持させて、前記基板を前記冷却板により冷却する第5の処理とを実行し、
    前記冷却板は、前記加熱光源から放射される光に対して透過性を有する材料で構成され、
    前記加熱光源は、
    前記冷却板のうちの一方の主面側に位置しており、
    前記冷却板のうちの他方の主面側において前記駆動部によって保持される前記基板に輻射熱を付与するように構成されている、熱処理装置。
  2. 基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源と、
    前記基板を冷却可能に構成された冷却板と、
    前記基板を前記冷却板に対して近接及び離間可能に構成された駆動部と、
    前記基板を出し入れ可能とされた開放状態と、前記駆動部に保持された前記基板を収容して前記基板を処理する処理空間が構成される非開放状態とを切り替え可能に構成された収容筐体と、
    前記収容筐体内に不活性ガスを供給可能に構成された供給部と、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記駆動部を制御して前記基板が前記冷却板から離れた離間位置において前記基板を保持させる第1の処理と、
    前記供給部を制御して前記収容筐体内に不活性ガスを供給させる第2の処理と、
    前記第1及び第2の処理の後に、前記加熱光源を制御して前記基板を加熱させる第3の処理と、
    前記第3の処理の後に、前記加熱光源を制御して前記基板の加熱を停止させる第4の処理と、
    前記第4の処理の後に、前記駆動部を制御して前記基板が前記冷却板に近づく近接位置において前記基板を保持させて、前記基板を前記冷却板により冷却する第5の処理と、
    少なくとも前記第3〜第5の処理の間において前記収容筐体を前記非開放状態とすることで、前記収容筐体内が不活性ガスで満たされた状態を継続させる第6の処理とを実行する、熱処理装置。
  3. 前記収容筐体の外側に位置し、前記収容筐体に対して前記基板を搬入出可能に構成された搬送アームをさらに備える、請求項1又は2に記載の熱処理装置。
  4. 前記冷却板の内部には、冷媒が流通する複数の流路が設けられており、
    前記複数の流路のうち前記冷却板の中央部寄りに位置する流路における冷媒の流量は、前記複数の流路のうち前記冷却板の周縁部寄りに位置する流路における冷媒の流量よりも大きくなるように設定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱処理装置。
  5. 基板が冷却板から離れた離間位置で、前記基板を出し入れ可能な収容筐体内に搬入された前記基板を保持する第1の工程と、
    前記収容筐体内に不活性ガスを供給する第2の工程と、
    前記第1及び第2の工程の後に、前記基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源により前記基板を加熱する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に前記加熱光源を停止する第4の工程と、
    前記第4の工程の後に、前記基板が前記冷却板に近づく近接位置において前記基板を保持し、前記基板を冷却板により冷却する第5の工程とを含み、
    前記冷却板は、前記加熱光源から放射される光に対して透過性を有する材料で構成され、
    前記加熱光源は、前記第3の工程において、前記冷却板を間において前記基板とは反対側から前記基板を加熱する、熱処理方法。
  6. 基板が冷却板から離れた離間位置で、前記基板を出し入れ可能とされた開放状態にある収容筐体内に搬入された前記基板を保持する第1の工程と、
    前記収容筐体内に不活性ガスを供給する第2の工程と、
    前記第1及び第2の工程の後に、前記基板に輻射熱を付与するように構成された加熱光源により前記基板を加熱する第3の工程と、
    前記第3の工程の後に前記加熱光源を停止する第4の工程と、
    前記第4の工程の後に、前記基板が前記冷却板に近づく近接位置において前記基板を保持し、前記基板を冷却板により冷却する第5の工程とを含み、
    少なくとも前記第3〜第5の工程の間において、前記基板を処理する処理空間が構成される非開放状態となるように前記収容筐体の状態を切り替えて、前記収容筐体内が不活性ガスで満たされた状態を継続させる、熱処理方法。
  7. 前記冷却板の内部には、冷媒が流通する複数の流路が設けられており、
    前記第5の工程では、前記複数の流路のうち前記冷却板の中央部寄りに位置する流路における冷媒の流量は、前記複数の流路のうち前記冷却板の周縁部寄りに位置する流路における冷媒の流量よりも大きくなるように、前記複数の流路に冷媒を流通させる、請求項5又は6に記載の熱処理方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の熱処理方法を熱処理装置に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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