JP6537275B2 - プラスチック製シースを用いたpc内ケーブルの構築方法 - Google Patents

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この発明は、道路橋や鉄道橋およびLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)タンクや一般土木で多用されるPC(Prestressed Concrete:プレストレストコンクリート)構造物に適用されるポストテンション方式のプラスチック製シースを用いたPC内ケーブルの構築方法及びその構築方法に使用するプラスチック製シースに関するものである。
PC内ケーブルの施工時の配線状態を図7、図8に示し、この従来例は、PC橋梁における場合である。その大径間PC橋梁の橋脚3の上部に支承4に載せて設置された長尺の2径間連続のプレストレストコンクリート(PC)箱桁が配置される。このPC箱桁において、コンクリートの弱点を補完して躯体断面をスレンダーで経済的な断面とするようにコンクリート躯体2にはPC鋼材からなるケーブル1が配置され、ケーブル片端は固定端として既に定着体D1にPC鋼材が固定され、ケーブルの他端の定着体D2には緊張ジャッキJが配置されて、緊張作業がいつでもスタート(開始)できる状態になっている。
その図7に示す主桁(ウエブ部)におけるPCケーブルの配線状態は、図8に示す如く上床版や下床版に配置される略直線状のPCケーブル1b、1cではなく、上下に屈曲した所定半径の曲がり部Rと直線部を有して配置される。なお、図7においては、下記のこの発明の説明を進める上で解りやすいようにケーブル偏向が大きいウエブ材内のPCケーブル1aの内、最も偏向が大きくなる代表的なケーブル1を選択して表示している。
ところで、近年、PC構造物の長寿命化と耐久性向上を目的にポストテンション方式のPC内ケーブルのシースとして鋼製シースに代えて、塩害に強くて錆びないプラスチック製シースが採用される事例が増えてきた(特許文献1参照)。そのシースは、我が国内では高密度ポリエチレン製が主流であるが、海外ではポリプロピレン製のシースも多用され、総称してプラスチックシースと称されている。
このように使用されるプラスチック製シースは鋼製シースに比べて腐食せず、凍結融解材として冬季に散布される塩化カルシウムなどの塩化物や工業地帯における炭化現象(carbonation)や酸性雨などの腐食因子から内装されるPC鋼材を確実に遮蔽して保護することができるため、上手に使用すればPC構造物の耐久性を従来よりも1ランク向上することができる。
一方で、プラスチック製シースは鋼製シースに比べて温度依存性があり、高温になると軟化する。例えば、プラスチック製シースの内、国内で多用される高密度ポリエチレン製シースについて述べると、製品形状を自立して維持できる温度はビカット軟化点と称し、115℃程度である。
PC構造物では打設されるコンクリート躯体2の厚さが1〜2mを超えるようなマスコンクリートもあり、特に夏場の暑中でのコンクリートの打設では打設直前のコンクリート温度は35℃程にも達し、更に躯体厚さの大きなマスコンクリート断面では打設後に水和反応による養生熱が発生するため、躯体温度は打設後2〜3日でピークの80℃〜90℃にも達すると言われている。
また、PC橋梁などの長大構造物のPC内ケーブル長は最大で110mほどもあり、この場合の油圧ジャッキによる緊張時(油圧ジャッキによってケーブルに緊張力を付与している時であって、以下、「緊張中」を意味する。)のジャッキ部でのPC鋼材伸び量は800mm余りに達する。
さらに、PCケーブル1は構造物の荷重を合理的に打ち消すように配線されるため、全長に亘って曲がり部や直線部を有した状態で配置され、時には緊張するジャッキ近傍に最小の曲げ半径が来る場合もある(図7参照)。曲げ半径が小さければその分、緊張時のケーブル(PC鋼材)によるプラスチック製シース内面からコンクリート躯体側に向けた偏向圧(図3(a)のq参照)は大きくなる。
一方、長尺ケーブル1で、ジャッキ近傍に小さな曲げ半径が配置される配線状態において、その部分がコンクリート厚さの大きなマスコンクリートで、打設後数日以内にコンクリート強度が確保できたら即時に早期緊張を行う場合があり、その早期緊張は、高速施工を実施している現場ではめずらしいことではない。
このような場合、高温時に大きな偏向圧でケーブル1のPC鋼材(図2の符号6参照)がプラスチック製シース内面を800mm程度、滑りながら移動する状態となるため、シース壁面のすり減りによる損傷が心配される。
特開2004−251065号公報 特開2003−253810号公報
本発明者らが特定形状の高密度ポリエチレン製シースで実施した再現試験では、温度が50℃を超えた場合は、曲げ半径が小さく、かつ長尺ケーブルで滑り量も大きい場合、緊張完了時点において国際規格で必要なシース残留壁厚とされる1.5mmを確保できず、例えば60℃になると緊張作業時にシース壁面の破れが発生することも判明した。
また、緊張を完了してケーブル1のPC鋼材の張力をPCケーブル両端定着体に固定した後も、偏向部RのPC鋼材偏向圧は保持されるため、前記の緊張によるすり減りが発生したプラスチック製シース壁面は継続して周囲コンクリートとの間で圧縮され続け、時間の経過とともにクリープ変形によるシース壁の凹み(保持荷重による凹み)が追加して発生する。この現象も周囲温度が高いと凹み量が大きくなることが判明している。
一方、上記のすり減り直後の必要シース残留壁厚1.5mmに加えて、国際規格に準ずると、保持荷重による凹み量を0.5mm以内に制限することが求められており、緊張作業を完了し、その後のクリープ変形凹みを加味した最終的なプラスチック製シースの必要壁厚は、1.5mm−0.5mm=1.0mm以上となる。このプラスチック製シースの必要壁厚:1mmは、外部腐食因子からケーブル1内PC鋼材を全長に亘って包み込んで保護する機能、施工時の据え付け誤差による不測の過大なすり減り発生などを考慮した値であり、本発明者も極めて妥当な最終必要壁厚であると考える。
従って、プラスチック製シースは高温で軟化してPC鋼材の緊張時の「すり減り量」やクリープ変形を伴う「保持荷重による凹み量」が大きくなる傾向があることから、PCケーブル1の長さ、コンクリート躯体2の緊張時の温度、PCケーブル1の曲げ半径の大きさとその配置位置、緊張ジャッキJの配置位置などを全て考慮しながら緊張作業を行う必要がある。一方で、PCケーブル1の配線は構造物に応じて全ての現場で異なることから、これらの要素を全て反映した試験を現場別に実施した後で緊張作業を行うことは、試験に多大な労力を要するため非現実的である。
本発明者の調査では、今日までに国内でもPC橋梁のみでも1000橋を超えるプラスチック製シース(主に高密度ポリエチレン製シース)の採用実績があるが、前述した高温域における「すり減り」と「クリープ変形凹み」を意識した技術を開示した特許文献は見当たらない。
プラスチック製シースは、コンクリートを打設する際にはPC鋼材の後挿入や安定した緊張および確実なグラウト注入を行うための型枠の役目を担い、一旦コンクリートが固まれば緊張作業中でも外からはシース壁の損傷やすり減り量および保持荷重による凹み量を窺うことができない。このため、従来は、PC鋼材を塩化物から遮蔽して保護するための大切な防護壁を確保する、という目的に対するプラスチック製シースが高温時における必要な施工方法に対する認識が欠如していたと思われる。
しかしながら、外部から侵入する塩化物を確実に遮蔽してPC鋼材を守る保護層として採用されるプラスチック製シースの壁面損傷防止は極めて重要で、この損傷を如何にして施工現場で回避して必要な残留壁厚を確保するかが重要となる。
なお、シースとPC鋼材の間にスペーサを介在する技術が開示されているが、その技術は、シースが鋼製であるうえに、そのシース内のPC鋼材の周りにグラウトを満遍なく充填するためのスペーサである(特許文献2要約、段落0008等参照)。すなわち、スペーサはシースとPC鋼材が摺れることを防止するが、プラスチック製シースにおける上記高温域における「すり減り」と「クリープ変形凹み」を意識したものではない。
以上の実状の下、この発明は、例えば、PCケーブルの早期緊張時における周辺コンクリートの温度上昇によるプラスチック製シースの温度上昇を抑え、必要なシース残留壁厚を確保できる所定の温度以下でPC鋼材の緊張を実施できる、安価で容易な手段を提供することを第1の課題とする。
また、プラスチック製シース壁の緊張時のすり減り量や保持荷重による凹み量が大きくなると想定されるケーブル位置のシース外面温度とシースから近傍距離のコンクリート躯体温度をそれぞれ計測し、別途に実施したすり減り試験および保持荷重による凹み試験の条件に応じた温度以下での緊張作業を確実に実施できる手段を提供することを第2の課題とする。
更に、緊張時にシース壁部のすり減り量を低減できるようにシースの形状範囲を特定したポリエチレンもしくはポリプロピレン等から成るプラスチック製シースを提案することを第3の課題とする。
上記第1の課題を達成するために、この発明は、上記シース内に冷却気を送り込んでそのシースの温度上昇を抑制することとしたのである。
この冷却気の送り込みによって、打設コンクリートによるシースの昇温が抑制されるため、シースの軟化が抑制される。このため、プラスチック製シース壁の緊張時のすり減り量や保持荷重による凹み量を抑制することができ、必要なシース残留壁厚を確保できる。
この発明の構成としては、コンクリート構造物の躯体内にプラスチック製シース内にPC鋼材を挿通したケーブルを配置し、前記コンクリート躯体の硬化後に前記PC鋼材を緊張してその両端を定着するとともに、前記プラスチック製シース内にグラウトを注入するプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法において、前記PC鋼材の緊張時、前記シース内に冷却気を送り込むようにした構成を採用することができる。
この構成は、上記ケーブルが、上記コンクリート構造物の躯体内に曲がり部と直線部を有して配置されるコンクリート構造物に有効である。ケーブルが曲がり部と直線部を有する場合、ケーブル緊張時、前記曲がり部に偏向圧が生じ、その偏向圧が生じた部分に緊張によるすり減りが発生し易いため、プラスチック製シースを冷却することは、シースの軟化によるそれらの偏向圧による壁厚減やすり減りを抑制できるからである。
上記曲がり部の曲がり度合の下限は、必要なシース残留壁厚を確保できる所定の温度以下でPC鋼材の緊張を実施できなくなる程度の曲げ半径を言い、その曲げ半径は、実験や実施工(過去の施工実績)等の経験則によって適宜に決定する。所定の温度も同様に実験や実施工等の経験則によって適宜に決定する。
上記シース内への冷却気の送り込み手段は、送風機等により、シースの端等、例えば、定着体の注入孔、排気孔から適宜に行えば良いが、例えば、グラウト注入・排気又はオーバーフローを目的とした排気口付きシースをケーブルシースに設け、その排気口付きシースを介してケーブルシース内に冷却気を送り込むようにすることができる。
プラスチック製シースに設置される排気口付きシースは、コンクリート躯体からホースを介して作業性の良い場所に複数配置され、例えば、ケーブル中間部等に配置されて開口しているものであり、これらの任意のホースから排気口付きシースを介して冷却気を送り込み、シースの内側を冷却するとともにケーブル端部の排気口付きシースもしくはPC鋼材の定着体部などから排気させることにより、シース内に挿入されたPC鋼材、シース本体、およびシース周りの一部コンクリート範囲を冷却する。すなわち、排気口付きシースは、PC鋼材の緊張完了後に実施されるグラウトの注入や注入時のシース内のエア抜き、およびグラウトが充填注入された後の残留空気を追い出すためのオーバーフローなどを目的とされる既存のものであるため、この発明のために新たに設ける必要はない。
このとき、油圧ジャッキ等による緊張がPCケーブル片端からの片引き緊張である場合には、冷却気の送風孔は、任意の排気口付きシースに接続したホース開口部に限らず、ケーブル他端の固定側定着体に設けたグラウト注入孔や排気孔から実施してもよい。
また、冷却気の送風孔とシース内を冷却した後で排気させる排気孔の位置は、特に冷却しなければならないケーブルシース位置を意識しながら選択し、それ以外の排気口付きシースのホース開口部もしくは定着体の注入孔や排気孔は冷却気が漏れないように閉塞しておくことが望ましい。
冷却気は、PC鋼材の緊張中のみならず、緊張前、緊張後、又は緊張前及び緊張後にも、上記冷却気を送り込むことが好ましい。
すなわち、プラスチック製シースの内側にPC鋼材が貫通された状態で、PCケーブルの片端もしくは両端に緊張ジャッキを配置した緊張作業直前の状態で送風をはじめ、排気される空気の温度が所定の温度以下となった時点で緊張作業を実施するとよい。
このPC鋼材の緊張より所定の時間前から冷却気の送風を開始し、緊張中および緊張完了後も継続して冷却気を送風し、緊張されたPC鋼材の偏向圧(ケーブル曲がり部での押付け力)でプラスチック製シースの壁面がクリープ変形を伴う保持荷重による凹みの進行が生じない所定温度以下にコンクリートの躯体温度が低下したと判断出来たら送風を停止する手段をとることが好ましい。
因みに、恒温槽を使った実験により、設計で採用できる最も小さいケーブル曲げ半径の偏向圧による長尺ケーブルの「すり減り量」と「保持荷重による凹み量」はあらかじめ試験を実施してデータを取得できる。
プラスチック製シースの温度特性から長尺ケーブルのPC鋼材を緊張できる実用的な高温条件は例えば最大でも50℃〜60℃である。一方、夏の暑中における部材厚さの大きなマスコンクリートのピーク温度は80℃〜90℃にも達する。このため、プラスチック製シースはこのような温度領域では軟化してPC鋼材の緊張滑りと偏向圧力によって容易に損傷し、場合によっては壁に穴が開いてしまう。
従って、緊張前から冷却気の送風を実施して排気される空気温度を確認し、事前の試験で確認できた所定の温度領域までシース温度を低下させてからPC鋼材の緊張・定着を行う。更に、緊張・定着後も送風を停止すると、周辺領域のコンクリートが高温の場合はプラスチック製シースの温度はすぐに周辺領域のコンクリート温度まで上昇して軟化し、PC鋼材の大きな偏向圧(保持荷重)によりシース壁面を押しつぶすクリープ変形を伴う凹みの進行が懸念されることから、周囲のコンクリート温度が事前の試験で確認できた温度領域まで低下したと判断された時点で冷却気の送風を停止する手段をとることが好ましい。
第2の課題を達成するため、この発明は、上記PC鋼材の緊張時、上記ケーブルシースが高い温度となる位置、同大きな偏向圧が想定される位置、又はPC鋼材の前記シース内での大きな滑り量が想定される位置の少なくとも一つの前記シースの外側部と、冷却気の影響を受けないケーブルシースから近傍距離のコンクリート躯体内部とに、それぞれ温度センサーを配置し、その両温度センサーの検出値に基づき、上記冷却気の送り込み量を制御する構成を採用することができる。
「大きな滑り量」は、必要なシース残留壁厚を確保できる所定の温度以下でPC鋼材の緊張を実施できなくなる程度の滑り量を言い、その量は、実験や実施工等の経験則によって適宜に決定する。所定の温度も同様に実験や実施工等の経験則によって適宜に決定する。
このようにすれば、高い温度となる位置、同大きな偏向圧やPC鋼材のシース内での大きな滑り量が想定される位置のケーブルシース外側の温度センサーでシース温度を確認し、事前の試験で確認できた管理温度を超えている場合には、緊張作業前から冷却気を送ってPC鋼材、シース本体、およびシース周りの一部コンクリート範囲を冷却して管理温度以下になってからPC鋼材を緊張、定着する。前者の温度センサーは、高い温度となる位置等の全てに設けたり、必要と考える任意の位置に選択的に設けたりして、最も高温となる少なくとも一つの位置に設ける。
一方、緊張・定着後も送風を停止すると、周辺領域のコンクリートが高温の場合はプラスチック製シースの温度はすぐに周辺領域のコンクリート温度まで上昇して軟化し、PC鋼材の大きな偏向圧(保持荷重)によりシース壁面を押しつぶすクリープ変形を伴う凹みの進行が懸念される。このため、定着後も冷却気の送風を継続し、冷却気の影響を受けない程度にシース壁面から離れた近傍距離のコンクリート躯体内温度を温度センサーで確認し、管理温度以下になった時点で冷却気の送風を停止する手段を取る。この温度センサーもコンクリート躯体内部の数カ所に設けることができ、また、省略することもできる。省略する場合は、上記ケーブルシース外側の温度センサーが所要温度(例えば、50℃)以下を検出した後、外側のコンクリート躯体の熱により温度上昇してその所要温度にならない時間(所定温度に安定するまでの時間)、又は、所定温度を一定時間続けて検出するまで、前記冷却気の送風を続けることが好ましい。その安定時間、一定時間は実験や実施工などによって適宜に設定する。
また、一般的にプラスチック製シースの形状は、長尺PC内ケーブルで想定されるケーブル曲り部でのPC鋼材の緊張伸びによるシース壁のすり減り量を低減できるようにPC鋼材とシース内面との接触部を大きく(幅広く)する目的で、シースのリブピッチを大きくすることが望まれる。
一方、PC内ケーブルの設計条件としてPC鋼材、シース、および周辺コンクリートは、PC鋼材の緊張作業が完了した後でシース内に充填注入されて硬化するグラウトにより相互に一体化され、所定の付着力を伝達できることが必要であり、無制限にシースのリブピッチを大きくできない制約がある。
このため、第3の課題を達成するこの発明の高密度ポリエチレンもしくはポリプロピレン等から成るプラスチック製シースは、グラウトがセメントの場合、そのグラウトとPC鋼材との間の最大付着力が、グラウトとシース内面との付着力、又はシース外面と周辺コンクリートとの付着力よりも小さくなるようなシースの最大リブピッチとリブ高さを過去の研究や実績から特定した構成を採用したのである。
すなわち、緊張されるPC鋼材からプラスチック製シース壁への偏向圧の分散が良好となる大きなリブピッチで、PC内ケーブルとして設計上必要な付着力を発現できるシースの形状として、シースの内径dと外周リブピッチpの比がp/d=0.55〜0.75、外周リブの突出高さhが3.0mm〜6.0mm、シースの壁厚tが2.0mm〜3.5mmであることとしたのである。
p/d:0.55未満であると、偏向力qのシース壁に対する分散が悪くなって大きな腹圧力が生じ、例えば50℃の高温状態ではすり減り量とクリープ変形による凹み量が大きくなって必要残留壁厚を維持できなくなる。一方、p/d:0.75を超えると、偏向力qの分散は良好で腹圧力は小さくなるが、上記の必要な付着力を確保するために必要な外周リブの突出高さが極めて大きくなり、PCケーブルの外径が大きくなって理想的なPC内ケーブルの配線ができなくなる。
以上から、必要残留壁厚を確保できるp/dの範囲を実験で上記のとおりに設定し、それぞれのシース径とケーブル容量に応じたグラウトとシース内面との付着力及びシース外面と周辺コンクリートとの付着力が、内設するPC鋼材とグラウトとの付着力よりも大きくなるようなプラスチック製シース外周リブの突出高さhを小径(例えば、内径35mm)シースで3.0mm〜太径(例えば、内径105mm)シースで6.0mmと設定した。
また、ケーブル容量に応じて偏向力は異なり、一般には小径シースよりも太径シースの偏向力が大きくなる。緊張作業後の残留壁厚を確保するためにはプラスチック製シースの壁厚tも同小径シースで2.0m〜同太径シースで3.5mmが必要である。
因みに、我が国において、プラスチック製シース用ポリエチレンは、その密度:JIS K6922−1、引張降伏応力:JIS K6922−1、引張呼びひずみ:JIS K6922−2、メルトマスフローレート:JIS K6922−2、デュロメータD硬さ試験:JIS K7215、ビカット軟加点:JIS K7206に規定された規格値を有することとされている。
また、PC内ケーブルにはφ35mm〜φ105mmの内径を有するプラスチック製シースが多用され、それぞれのシースサイズに内包されるPC鋼材の引張力(ケーブル容量)も施工性や経済性から基準書などで決められている。例えば、内径:φ35mmのシースで、PC鋼材:φ21.8mmモノストランド、内径:φ75mmのシースで、PC鋼材:φ15.2B×12本等である。上記「p/d」等は、それらのケーブルの実験や実施工等において得たものである。
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、夏などの暑中におけるコンクリートやマスコンクリートを採用する現場で、高速施工が必要なためコンクリート打設後1〜2日目で緊張に必要なコンクリート強度が得られたらすぐに緊張したいプラスチック製シースを用いたPC内ケーブル工事において、ケーブルが長尺で緊張時のPC鋼材の伸び量も大きく、緊張側の近傍にケーブル曲げ半径の小さな偏向部があり、またその部分の緊張作業時のコンクリート温度が高温になると想定される工事等において、コンクリートの温度上昇の影響を気にせずに、要求される施工後のシース残留壁厚を確保することにより、外部腐食因子からPC鋼材を確実に遮蔽したPC内ケーブルの構築が可能となる。
この発明の一実施形態のPC橋梁の概略縦断面図 同実施形態における緊張側近傍のPCケーブル偏向部Cにおける縦断面拡大図 同実施形態の作用を示し、(a)は図2のII−II線断面である偏向部CにおけるPCケーブル横断面拡大図、(b)は緊張作業完了後の同プラスチック製シース概略横断面図 同実施形態のPCケーブル固定端側の定着体縦断面図 同実施形態のPCケーブル緊張端側の定着体縦断面図 同実施形態のプラスチック製シースの一部断面図 従来例のPC橋梁の概略縦断面図 図7のI−I線断面図
この発明に係る一実施形態を図1〜図6に示し、この実施形態は、基本的に、図7、図8に示した従来の技術によるプラスチック製シース5を用いたPC内ケーブル1の施工における配線状態と同じ内容で実施でき、シース5内に冷却気Wを送風しながら緊張を実施すること、緊張・定着が完了後も温度を管理しながら冷却気Wの送風を継続すること、および製品の形状に配慮したプラスチック製シース5を採用することが、従来の技術と異なる。
その図1、図4、図5は、この実施形態によるPC内ケーブルの緊張施工要領を示しており、図1に示すように、2径間連続PC箱桁のウエブ部コンクリート躯体2の内側に配線されたPCケーブル1の所定の位置に複数の排気口付きシース7が配置され、そこから略鉛直方向にホースが接続されてPC箱桁の上床版側にホースを開口Bもしくは閉塞B1している。この実施形態では、排気口付きシース7をケーブル1の両端末近傍にも設けている。
PCケーブル1の片端部は、図4の如く固定端側定着体D1の定着プレート12にウエッジ14でPC鋼材6が固定され、定着プレート12にはグラウトキャップ13が取り付けられている。そのグラウトキャップ13のセメントグラウト注入孔15は閉塞15’され、さらに排気孔16も閉塞16’された密閉構造となっており、PC鋼材6を内設したPCケーブル1のプラスチック製シース5は専用の定着体用接続シース11で嵌合して接続され、塩化物などの外部腐食因子のシース5内への侵入を遮蔽するように止水テープ8でしっかりと固定されている。
また、PCケーブル1の他端部は、図5の如く緊張端側定着体D2の定着プレート12に緊張作業用の油圧ジャッキJがセットされ、PC鋼材6を内設したPCケーブル1のプラスチック製シース5は専用の定着体用接続シース11で嵌合して接続され、塩化物などの侵入を阻止するように止水テープ8でしっかりと固定されており、いつでも緊張できる状態になっている。
なお、PCケーブル1の構築法にはコンクリートを打設する前にPC鋼材6をプラスチック製シース5内に挿入する「前挿入方式」と、コンクリートを打設してコンクリートが硬化した後でシース5内に挿入する「後挿入方式」があるが、この発明はこれらのどちらの方式をも対象としている。
この実施形態は夏場施工のために暑中コンクリートを採用し、コンクリート打設から2日目で緊張作業に必要な圧縮強度に到達することが予想され、工期が厳しい工事なのですぐに早期緊張を行う必要があるが、コンクリート躯体2の温度は80℃以上に達すると想定されている。また、PCケーブル長さLは100mと極めて長いうえに片端側からの片引き緊張であり、更に油圧ジャッキJを据えた緊張側に極めて近い位置にケーブル曲げ半径Rの小さな偏向部Cが配置されており、この部分CでのPC鋼材6の緊張時における張力増加で生じる偏向圧qと緊張伸びPによるシース内での滑りに起因するプラスチック製シース壁9のすり減り損傷が懸念されることから、当該偏向部Cについてはシース温度t1を一定の温度以下となるように管理しながら、プラスチック製シース5に規定値以上の損傷が生じないように緊張作業を行わなければならない。
このPCケーブル1に採用したプラスチック製シース5は、前もって恒温室で「すり減り量」の評価が成されており、110mまでの長尺ケーブルLで、本実施形態と同じ最小ケーブル曲げ半径Rにおける偏向圧qでプラスチック製シース5が50℃の高温状態での緊張後の残留壁厚は国際規格で求められている要求値の1.5mm以上であることが確認されている。
また、PC鋼材6を緊張して定着した後の偏向圧q(保持荷重)による「クリープ変形を伴う凹み量」も50℃の高温状態では要求値の0.5mm以下であり、最終的な本プラスチック製シース5の残留壁厚10は外部から侵入する塩化物などの腐食因子からPC鋼材の遮蔽保護性能を保証できる要求値、すなわち(1.5mm−0.5mm)=1.0mm以上であることも実験で確認されている。
従って、上記のすり減り試験および保持荷重による凹み試験で50℃以下での施工であれば要求性能を満足することが確認されていることに鑑み、本実施形態ではプラスチック製シース5の温度が施工中に50℃を超えないように温度管理しながら施工して、プラスチック製シース5によるPC鋼材6の塩化物からの遮蔽性能を保証できる国際的なシース要求壁厚1.0mmをグラウト注入を含めた施工完了後に確実に確保することとする。
このため、図1の如く、コンクリート躯体2内に配置されたプラスチック製シース5の内側にPC鋼材6が配置され、固定端側定着体D1と緊張側定着体D2がいつでも緊張できる状態において、コンクリートの圧縮強度が緊張作業に必要な所定の強度に到達した時点で、固定端側に最も近い排気口付きシース7に接続され口元を開口したホースBより冷却気Wを送風してPC鋼材6、プラスチック製シース5、シース近傍の一部コンクリート範囲φ1を冷却し(図2参照)、図5に示す緊張側定着体D2の開口された排気口16から冷却気Wを排気させる手段を取る。
排気口付きシース7の口元を開口したホースBから送風された冷却気Wは、固定側定着体D1が図4の如く密閉状態であり、またPCケーブル1の中央部の排気口付きシース7の口元を閉塞したホースB1からも排気されないので、確実にプラスチック製シース5内を冷却しながら送風され、緊張側定着体D2の排気孔16から排気される。
図2は、緊張側の最も近くに配置された小さなケーブル曲げ半径部Cの拡大図であり、冷却気Wの送風により管理温度以下にプラスチック製シース5の温度が下がった後で、冷却気Wの送風を継続しながらPC鋼材6の緊張を行っている状態図である。
コンクリート躯体2内に配置されたプラスチック製シース5の内側にはPC鋼材6が挿通され、プラスチック製シース5の外側にはシース温度t1を測定するための温度センサーS1が設置され、プラスチック製シース5の内側を通風する冷却気Wによって冷却されるシース周りの一部コンクリート範囲φ1から余裕をもって、例えば50cmほど離れた近傍の距離lのコンクリート躯体2内にも躯体温度t2を測定するための温度センサーS2が配置されている。
この実施形態では、緊張準備を完了して冷却気Wを送風する前の時点のプラスチック製シース5の温度t1は80℃、コンクリート躯体2の温度t2は85℃と温度センサーで計測されるため、シース温度t1が50℃以下になるまで冷却気Wを送風した後、送風を継続しながら油圧ジャッキJを操作してPC鋼材6を片引き緊張し、緊張端側定着体D2の定着プレート12にウエッジ14をジャッキ内で押し込んで定着する。なお、ジャッキ内のウエッジの押込み状況の図示は省略した。
図3(a)は当該偏向部CのPCケーブル1の緊張時の横断面拡大図であり、12本のPC鋼より線からなるPC鋼材6が緊張され、当該偏向部Cはケーブル曲げ半径Rが小さいことから極めて大きな偏向圧qがPC鋼材6とプラスチック製シース5が当接する壁9に掛かり、この偏向圧qによってコンクリート躯体2側にもシースの壁9から支圧力σが発生する(図2も参照)。更に、PCケーブルの長さLが大きくて偏向部Cが緊張側から近い位置にあるためPC鋼材の緊張伸びP、すなわちシース内の滑り量も大きくなってシースの壁9の内側がすり減った状態になる。更に、緊張作業が終わり、油圧ジャッキJ内で緊張側定着体D2の定着プレート12にウエッジ14の押込み固定後も継続して偏向圧qは残るため、すり減った壁9の内側は継続して、保持荷重によるクリープ変形を伴う凹みが進行する。
図3(b)は、上記の偏向圧qによる緊張滑りによるすり減りと緊張直後の偏向圧(保持荷重)によるクリープ変形を伴う凹みが生じた後のシース壁10の状態を示したものであり、理解しやすいようにPC鋼材を省略した状態で図示した。プラスチック製シース壁10の残留肉厚は、PC鋼材6に塩化物などの外部腐食因子が到達するのを防ぐ機能を保持する観点から極めて重要で、前述のとおり国際的な要求値として1.0mm以上となっている。
本実施形態に用いたプラスチック製シースは上記JIS規格を満たす高密度ポリエチレン製であり、緊張時のすり減りと緊張直後の偏向圧(保持荷重)によるクリープ変形を伴う凹みへの抵抗に効果的なシースの形状を採用する。具体的にはPC鋼材6がφ15.2mmのストランド12本から成る12S15.2と称するケーブルのため、図3(a)のPC鋼材6のような配置状態となり、採用したプラスチック製シース5は図6に示す形状で、シース内径d=φ80mm、外周リブピッチp=57mm、シース壁厚t=2.5mm、リブ5a山の高さh=5mmであり、シース内径とリブ5aのピッチの比がp/d=57/80=0.71となっており、ケーブル偏向部でのPC鋼材6とシース5内面の接触域が大きなリブピッチを採用し、偏向圧によるシース壁9のすり減りやクリープ変形の凹み量が緩和される形状となっている。また、PC内ケーブル1に必要なPC鋼材6、セメントグラウト、シース5、および周囲コンクリート2間の設計で求められる必要付着力を有するプラスチック製シース5の形状であることは、先に実験で確認されている。
なお、本実施形態では冷却気Wとして簡易クーラーを通過した空気を採用したため、目的の偏向部Cのプラスチック製シース温度t1を50℃以下にする時間が短くて済んだが、冷却時間を長く取れる場合では常温の空気(大気)を冷却気Wとしても良い。
また、本実施形態では固定端側定着体D1からの冷却気Wの漏れを防止しているが、開口B1からの冷却気Wの送風に代えて固定端側定着体D1のグラウト注入孔15や排気孔16から送風することもできる。
以上で緊張作業は完了したため、油圧ジャッキJは次に緊張する他のPCケーブル1に移動してよいが、マスコンクリート2の内部温度t2(温度センサーS2)はしばらく高温状態が継続するため、この時点で冷却気Wの送風を停止すると、プラスチック製シースの温度t1(温度センサーS1)はすぐに周囲コンクリート温度t2(温度センサーS2)と同じ温度まで上昇し、上記の恒温槽を使った事前試験でクリープ変形凹み性能を検証してある50℃を超えてしまう。プラスチック製シースが50℃以上の高温軟化した状態で偏向圧q(保持荷重)を加えると、クリープ変形を伴う凹み量が規格値の0.5mmよりも大きくなる懸念がある。これらの理由から、緊張作業が完了した後も周囲コンクリートの温度t2(温度センサーS2)の温度が50℃以下となるまで、冷却気Wの送風は継続し、確実に50℃以下となった時点で冷却気Wの送風を停止する手法をとることが好ましい。
なお、冷却気の送風を停止した後は、固定端側定着体D1の閉塞15’、16’、および排気口付きシース7の鉛直ホースの閉塞B1を開放して、従来のPC内ケーブル施工と全く同じ要領で、何時でもプラスチック製シース内にセメントグラウトを充填注入し、PCケーブル1の構築を完了することができる。
上記実施形態においては、恒温室の温度が50℃のプラスチック製シースの「すり減り試験」および緊張完了後の「保持荷重による凹み試験」の結果を基本データとして、実施形態施工での50℃以下の温度管理を説明したが、常温、例えば23℃の基本データしかない場合でも、23℃以下に冷却しながらこの発明を実施することは容易であり、高温領域での大変な試験は不要とすることもできる。ただし、緊張完了後の周辺コンクリートの温度が常温の23℃以下になるまで冷却を継続する必要が生じ、冷却継続期間が長期化することから、「保持荷重による凹み試験」のみは最低温度として50℃で実施しておく方が実用的である。
なお、ポリプロピレンはポリエチレンに比べて若干は軟化温度が高く、高温になっても軟化し難い傾向があるが、上記実施形態において、そのポリプロピレン製シース5を使用しても、同様な作用効果が得られる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 PC箱桁のウエブ部PCケーブルの内、最も偏向の大きいケーブル
1a PC箱桁のウエブ部PCケーブル
1b PC箱桁の上床版部PCケーブル
1c PC箱桁の下床版部PCケーブル
2 コンクリート躯体
3 橋脚
4 支承
5 プラスチック製シース
5a 同シースのリブ
6 PC鋼材
7 排気口付きシース
8 止水テープ
9 緊張前のプラスチック製シース壁の状態
10 緊張後のプラスチック製シース壁の状態
11 定着体用接続シース
12 ウエッジ定着プレート
13 グラウトキャップ
14 ウエッジ
15 定着体の注入孔
15’ 注入孔の閉塞
16 定着体の排気孔
16’ 排気孔の閉塞
L PC桁長さ(≒PCケーブル長さ)
B 排気口付きシースに接続され口元の開口したホース
B1 排気口付きシースに接続された口元の閉塞したホース
W 冷却気
D1 固定端側定着体
D2 緊張端側定着体
R ケーブル曲がり部
J 油圧ジャッキ
P PC鋼材の緊張伸び
q PC鋼材からシースへの偏向圧
σ コンクリート躯体からシースへの偏向反力
S1 プラスチック製シースの温度センサー
S2 コンクリート躯体内の温度センサー
t1 温度センサーS1による測定温度
t2 温度センサーS2による測定温度
l 温度センサーS1と同S2の距離
φ1 冷却気で冷却されるシース周り一部範囲のコンクリート領域
d プラスチック製シースの内径
p プラスチック製シースの外周リブピッチ
t プラスチック製シースの壁厚
h プラスチック製シースのリブ高さ

Claims (5)

  1. コンクリート構造物の躯体(2)内に、プラスチック製シース(5)内にPC鋼材(6)を挿通したケーブル(1)を配置し、前記コンクリート躯体(2)の硬化後に前記PC鋼材(6)を緊張してその両端を定着するとともに、前記シース(5)内にグラウトを注入するプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法であって、
    上記PC鋼材(6)の緊張、上記シース(5)内に冷却気を送り込むようにしたことを特徴とするプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法。
  2. 上記ケーブル(1)が、上記コンクリート構造物の躯体(2)内に曲がり部(R)と直線部を有して配置され、そのケーブル中間部に上記グラウト注入・排気又はオーバーフローを目的とした排気口付きシース(7)が複数配置され、そのいずれかの排気口付きシース(7)もしくは定着体の注入孔(15)もしくは排気孔(16)を介して前記ケーブル(1)のシース(5)内に上記冷却気を送り込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法。
  3. 上記PC鋼材(6)の緊張、上記プラスチック製シース(5)が高い温度となる位置、同大きな偏向圧(q)が想定される位置、又はPC鋼材(6)の前記シース(5)内での大きな滑り量が想定される位置(C)の少なくとも一つの前記シース(5)の外側部と、冷却気(W)の影響を受けないシース(5)から近傍距離(l)のコンクリート躯体(2)内部とに、それぞれ温度センサー(S1、S2)を配置し、その両温度センサー(S1、S2)の検出値に基づき、上記冷却気の送り込み量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法。
  4. 上記PC鋼材(6)の緊張中のみならず、その緊張前、緊張後、又は緊張前及び緊張後にも、上記冷却気を送り込むようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法。
  5. 上記プラスチック製シース(5)を、外周面にその周方向のリブ(5a)を長さ方向全長に亘って有し、その内径(d)と前記リブピッチ(p)の比がp/d=0.55〜0.75、前記リブの突出高さ(h)が3.0mm〜6.0mm、壁厚(t)が2.0mm〜3.5mmの範囲にあるものとした請求項1乃至4の何れか1項に記載のプレストレストコンクリート内ケーブルの構築方法
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