JP6536270B2 - 多価置換ビフェニル化合物の製造方法及びそれに用いられる固体触媒 - Google Patents

多価置換ビフェニル化合物の製造方法及びそれに用いられる固体触媒 Download PDF

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本発明は、多価置換ビフェニル化合物の製造方法及びそれに用いられる固体触媒に関する。
従来、多価置換ビフェニル化合物の製造方法としては、具体的には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその酸無水物の製造方法としては、例えば、パラジウム触媒等の存在下で、ハロゲン化フタル酸類を二量化する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその酸無水物の製造方法としては、例えば、酢酸パラジウム、酢酸銅及びo−フェナントロリンの存在下、フタル酸ジエステルを二量化する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその酸無水物の製造方法としては、例えば、金が固定化された固体触媒の存在下、フタル酸ジエステルを二量化する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、パラジウムが担持された固体触媒を用いた例としては、例えば、活性炭等に担持されたパラジウム触媒、酢酸、酸素ガス、及びジアリールアミン又はジアリールエーテル存在下で、分子内酸化カップリング反応により、カルバゾール化合物又はジベンゾフランを製造する方法が知られている(例えば、特許文献4)。
更に、金が担持された固体触媒を用いた例としては、例えば、チタニア等に担持された金触媒、及び酸素ガス存在下で、ベンゼン及び置換ベンゼン化合物を二量化する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、芳香族化合物を固体触媒を用いてカップリング反応させる例として、ルテニウムを用いたナフトールの反応が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
前記非特許文献1や非特許文献2には、金やルテニウムの固体触媒を用いたカップリング反応はラジカル反応である旨が記載されているが、一般にパラジウムの均一触媒のカップリング反応とは反応のメカニズムが異なることが知られている。さらに、非特許文献2には、パラジウムが固定化された固体触媒では、カップリング反応が進行しないことが記載されている。
特公平5−3857号公報 特許第1422627号公報 国際公開2014/057992号 特開2013−212499号公報
Journal of Catalysis 315 (2014) 41−47 Journal of the American Chemical Society 127 (2005) 6632−6640
上述の方法のいずれにおいても、反応系が複雑である、又は、触媒寿命が短いなどの問題がある。さらに、均一系触媒を使用する場合には、反応後の触媒の回収が困難となる、又は、反応装置が限られるという問題があり、工業的により好適な多価置換ビフェニル化合物の製造方法が求められている。
また、前記特許文献3では、固体触媒を用いてカップリング反応が実現されているが、触媒回転数(TONと称することもある)や触媒回転頻度(TOFと称することもある)のさらなる向上が求められた。一方、前記非特許文献1では、固体触媒を用いてカップリング反応が高い触媒活性にて実現されているが、位置選択性は低いという問題がある。なお、本明細書において、「高い触媒活性」とは、前述のTONやTOFが高いことを意味する。
さらに、前記特許文献4では、固体触媒を用いてカップリング反応が実現されているが、分子内反応に限られており、分子間反応への適用可能性については教示も示唆も記されていない。また、ブレンステッド酸が反応には必須とされており、固体触媒中の金属が溶出する可能性があった。
したがって、多価置換ビフェニル化合物の製造方法に用いられる触媒として、次の条件を全て満たすものは知られていなかった。
1.触媒の回収が容易であること
2.TONやTOFが高いこと
3.位置選択性(後述するs/a比等)が高いこと
4.分子間反応に適用可能であること
以上より、本発明の課題は、複雑な工程を経ることなく、前述の4つの条件を満たす多価置換ビフェニル化合物の製造方法、及びそれに用いられる固体触媒を提供することである。
本発明は、担体にパラジウムを含む金属が固定化された固体触媒と塩基性配位子の存在下で、下記一般式(1)で表される置換ベンゼン化合物をカップリングさせる工程を備える、下記一般式(2)で表される多価置換ビフェニル化合物の製造方法を提供する。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。nが1〜3の整数のいずれかである場合、複数のRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。複数あるn及びRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
上記一般式(1)で表される置換ベンゼン化合物は下記一般式(1)’で表される置換ベンゼン化合物であり、上記一般式(2)で表される多価置換ビフェニル化合物は下記一般式(2)’で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、mは0又は1を示す。mが1である場合、2つのRは同じであっても異なっていてもよい。mが1であり、2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、mは0又は1を示す。複数あるm及びRは同じであっても異なっていてもよい。mが1であり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
上記一般式(1)及び(2)又は上記一般式(1)’及び(2)’中の上記Rはアルキル基、又はアルコキシカルボニル基であることが好ましく、アルコキシカルボニル基であることがより好ましい。
上記製造方法によれば、複雑な工程を経ることなく、高い収率で多価置換ビフェニル化合物を得ることができる。
担体に固定化される金属として、パラジウムを含むことは必須であり、パラジウム単独で用いてもよく、また、他の金属と組み合わせて用いてもよい。パラジウムと組み合わせる金属として、金や白金が好適に挙げられるが、中でも触媒活性を向上させる効果の高い点から、金が好ましい。したがって、本発明の「パラジウムを含む金属」とは、パラジウムのみでもよいし、パラジウム以外に前記の金属を含んでいても構わない。
塩基性配位子として、触媒活性の促進効果が高く、また位置選択性を向上させる効果の高いことから、塩基性二座配位子化合物が好ましく、2,2’−ビピリジルや1,10−フェナントロリンがより好ましい。これらの塩基性配位子は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記担体は金属酸化物であることが好ましい。担体が金属酸化物であることにより、触媒寿命が長い、もしくは、反応速度が速い傾向がある。
また、上記金属酸化物が、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びランタン(La)からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物であることが好ましく、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物であることがより好ましい。上記金属酸化物を用いることにより、一層高い収率で多価置換ビフェニル化合物を得ることができる。
上記担体に0.5〜10nmの平均粒子径を有するパラジウムを含む金属の粒子が固定化されていることが好ましい。パラジウムを含む金属粒子の平均粒子径が上記範囲にあることにより、カップリング反応の収率や反応速度が一層向上する。上記一般式(1)’中のmが1の化合物を基質として用いるとき、高いs/a比で置換ビフェニル化合物を得ることができる。
本発明はまた、担体と上記担体に固定化されたパラジウムを含む金属とを備える、下記一般式(2)で表される多価置換ビフェニル化合物製造用固体触媒を提供する。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。複数あるn及びRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
上記固体触媒によれば、複雑な工程を経ることなく、高い収率で多価置換ビフェニル化
合物を得ることができる。
本発明によれば、複雑な工程を経ることなく、高い収率で多価置換ビフェニル化合物を得ることが可能な、多価置換ビフェニル化合物の製造方法、及びそれに用いられる固体触媒を提供することができる。また、本発明で得られる固体触媒は反応後に回収および再利用することができる。このように、本発明により前記の4つの課題を解決することができる。
以下、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の多価置換ビフェニル化合物の製造方法は、固体触媒の存在下で、置換ベンゼン化合物同士をカップリングさせる工程を備える。
(固体触媒)
本実施形態の固体触媒は、担体にパラジウムを含む金属が物理的又は化学的に固定化(「担持」ということもある)されたものである。なお、以下に記載する、固体触媒の一次粒径は、固体触媒を形成する一つ一つの粒子(一次粒子)の粒径を表す。また、パラジウムを含む金属粒子の粒子径は、固体触媒上に固定化された一つ一つのパラジウムを含む金属粒子の粒子径を表す。
担体に固定化される金属として、パラジウムを含むことは必須であり、パラジウム単独で用いてもよく、また、他の2種以上の金属と組み合わせて用いてもよい。パラジウムと組み合わせる金属として、任意の遷移金属が挙げられるが、中でも金や白金が好ましく、触媒活性を向上させる効果の高い点から、金がより好ましい。
本発明の固体触媒中に含まれる全金属中のパラジウムの含有量は、物質量(モル)換算で、10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、触媒活性を向上させる効果が高い点から、40%以上であることがなお好ましい。なお、前述の「固体触媒中に含まれる全金属」とは、担体に固定化された全ての金属を示し、担体中の金属は除くものとする。
本発明の固体触媒中の、「パラジウムを含む金属粒子」とは、コア−シェル型の粒子、合金粒子、パラジウム粒子と他の金属の粒子を物理的に混合した粒子等、あらゆる形態の粒子を示すが、触媒活性を向上させる効果が高い点から、コア−シェル型の粒子、及び合金粒子が好ましい。
固体触媒の形状は、使用する態様に応じて適宜選択されてよく、粒子状であることが好ましい。また、固体触媒の形態は、稠密体、多孔体など任意の形態であってよい。固体触媒の平均一次粒径は、好ましくは5nm〜1mmであり、より好ましくは5nm〜10μmであり、さらに好ましくは5nm〜100nmである。なお、ここでいう平均一次粒径は、たとえば、走査電子顕微鏡(SEM)観察、透過型電子顕微鏡(TEM)観察、又はレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で粒径分布を作成することにより、求めた粒径の平均値である。
固体触媒において、パラジウムを含む金属は担体に膜状又は粒子状に固定化されていることが好ましく、粒子状に固定化されていることがより好ましい。
パラジウムを含む金属が担体に粒子状に固定化されている場合には、固定化されたパラジウムを含む金属粒子の粒子径は揃っていることが望ましい。パラジウムを含む金属粒子の平均粒子径は好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下であり、さらに好ましくは5nm以下であり、また、好ましくは0.5nm以上である。パラジウムを含む金属粒子の平均粒子径が上記範囲にあることにより、固定化したパラジウムを含む金属の単位質量当たりのカップリング反応効率、すなわち、単位時間当たりの触媒回転数を高くすることができる。
本実施形態において、パラジウムを含む金属は、担体表面に均一に分散して固定化されていることが望ましい。その分散状態は、担体に対するパラジウムを含む金属の固定化量、担体の選択、及び担体へのパラジウムを含む金属の固定化法等により制御される。
担体に対するパラジウムを含む金属の固定化量は、パラジウムを含む金属の状態や大きさ(粒子の場合には粒子径)に依存することがある。担体に対するパラジウムを含む金属の固定化量の総和は、固体触媒全体に対して、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜15重量%である。パラジウムを含む金属の固定化量が上記範囲の下限値以上であることにより、少量の固体触媒でも所望の反応速度が得られる傾向があり、また上記範囲の上限値以下であることにより、固定化されたパラジウムを含む金属の単位質量当たりのカップリング反応効率、すなわち、単位時間当たりの触媒回転数を向上させることができ、経済的に有利になる傾向がある。
担体に固定化されたパラジウムを含む金属粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察でパラジウムを含む金属粒子の粒径分布を作成することにより、評価することができる。固体触媒の金属量(たとえば、パラジウムを含む金属の固定化量)は、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)によって測定することができる。また、固体触媒中に存在する原子の種類や、金属の分散状態は、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線光電子分光分析装置(ESCA)、X線回折(XRD)などによって、確認することができる。
上記担体としては、一般的に固体触媒の担体として使用されているものならば特に限定されず、無機化合物及び有機化合物のいずれも採用することができる。担体としては、例えば、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化コバルト、二酸化マンガン、酸化銅、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、酸化スカンジウム、酸化カドミウム、及び酸化インジウムなどの金属酸化物又はこれらの金属酸化物を組み合わせた複合酸化物;活性炭;カーボンブラック;有機高分子;ゼオライト;メソポーラスシリケート;粘土;珪藻土;軽石などが挙げられる。担体は、製造が容易であること、高温での使用が可能なことなどの理由から、好ましくは無機化合物からなり、より好ましくは金属酸化物からなる。担体が金属酸化物である場合、触媒寿命が長くなる、もしくは、反応速度が大きくなる傾向がある。なお、これらの担体は、一種類を単独で用いられてもよく、二種以上を混合して用いられてもよい。
また、上記金属酸化物は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びランタン(La)からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物であることが好ましく、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物であることがより好ましい。担体として、上記金属酸化物を用いることにより、一層高い収率で多価置換ビフェニル化合物を得ることができる傾向がある。さらに、担体として、上記金属酸化物を用いることにより、上記一般式(1)’中のmが1の化合物を基質として用いるとき、高いs/a比で置換ビフェニル化合物を得ることができる。
固体触媒の製造に供される担体の形状は、使用する態様に応じて適宜選択されてよく、粒子状であることが好ましい。また、担体の形態は、稠密体、多孔体など任意の形態であってよい。担体の大きさ(粒子の場合は平均一次粒径)は、好ましくは5nm〜1mmである。担体の大きさは、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)観察、透過型電子顕微鏡(TEM)観察、又はレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって、測定することができる。
固体触媒の製造方法としては、特に限定されず、例えば、共沈法、析出沈殿法、コロイド固定化法、含浸法、蒸発乾固法、ポアフィリング法、及びイオン交換法などが挙げられる。中でも、多くの種類の担体にパラジウムを含む金属を固定化することが可能であり、かつ、担体に固定化されたパラジウムを含む金属の粒子径を小さく制御することが可能であることから、以下で説明する共沈法、析出沈殿法又は、コロイド固定化法が好ましい。共沈法、析出沈殿法又はコロイド固定化法で製造された固体触媒では、パラジウムを含む金属が担体表面に均一に分散して固定化される傾向がある。パラジウムを含む金属が固定化された固体触媒は、空気雰囲気下、水素雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下で焼成されてもよい。
[共沈法]
担体である金属酸化物の前駆体となる当該金属の硝酸塩とパラジウム及び、パラジウムと組み合わせる金属化合物とを含む水溶液を、塩基性化合物の水溶液に加えて中和することにより、当該金属の炭酸塩又は水酸化物とともにパラジウムを含む金属の水酸化物を沈殿させる。沈殿物を水洗し、乾燥後、任意の雰囲気で焼成することにより、パラジウムを含む金属が固定化された固体触媒を得ることができる。
[析出沈殿法]
塩基性化合物を加えてpHを7〜13の範囲に調整したパラジウム及び、パラジウムと組み合わせる金属化合物の水溶液に、担体である酸化物の粉末、又は上記粉末を球状、円筒状及び蜂の巣(ハニカム)状などの支持体に担持させた成形体を懸濁又は浸漬させ、パラジウムを含む金属の水酸化物を酸化物担体の表面上に析出沈殿させる。パラジウムを含む金属の水酸化物が析出沈殿した担体を水洗し、乾燥後、任意の雰囲気で焼成することにより、パラジウムを含む金属が固定化された固体触媒を得ることができる。
[コロイド固定化法]
パラジウム及びパラジウムと組み合わせる金属化合物とを含む水溶液を、ポリビニルアルコール等の保護剤と混ぜ、パラジウムを含む金属粒子を含むコロイド溶液を調製する。得られた溶液に担体を投入することで、担体表面にパラジウムを含む金属を固定化させる。得られた金属粒子の固体を水洗し、乾燥することによりパラジウムを含む金属が固定化された固体触媒を得ることができる。
(置換ベンゼン化合物)
本実施形態のカップリング反応において基質として使用される置換ベンゼン化合物は、下記一般式(1)で示される化合物である。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。nが1〜3の整数のいずれかである場合、複数のRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
さらに、置換ベンゼン化合物は、下記一般式(1)’で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、mは0又は1を示す。mが1である場合、2つのRは同じであっても異なっていてもよい。mが1であり、2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して、下記式(3)の通り、無水物を形成していてもよい。
Figure 0006536270
上記一般式(1)及び(1)’のRの中で、アルキル基としては、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、及びイソブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基である。
上記一般式(1)及び(1)’のRの中で、エステル化されていてもよいカルボキシル基は、カルボキシル基又はカルボキシル基のアルキルエステルであることが好ましい。カルボキシル基がアルキルエステルを形成する場合のアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基である。なお、カルボキシル基がアルキルエステルを形成する場合、アルコキシカルボニル基と称することもある。
上記一般式(1)及び(1)’中のRはアルキル基、又はアルコキシカルボニル基であることが好ましく、アルコキシカルボニル基であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される置換ベンゼン化合物の具体例としては、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、o−フタル酸ジメチル、o−フタル酸ジエチル、及びフタル酸無水物などを挙げることができる。
(溶媒)
本実施形態の多価置換ビフェニル化合物の製造方法では、溶媒の存在下で、置換ベンゼン化合物同士をカップリングさせてもよい。
カップリング反応に溶媒を使用する場合、溶媒としては、カップリング反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、水;酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、及びオクタン酸などの有機カルボン酸類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸オクチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸オクチル、エチレングリコールジアセテート、及びアジピン酸ジメチルなどの有機エステル化合物;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類;n−ブチルメチルケトン、メチルエチルケトン、及びイソプロピルエチルケトンなどのケトン化合物;などを挙げることができる。なお、これらの溶媒の一種を単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
また、本実施形態の多価置換ビフェニル化合物の製造方法では、溶媒を用いずに、たとえば、固体触媒と塩基性配位子のみの存在下で、置換ベンゼン化合物同士をカップリングさせてもよい。
(塩基性配位子)
本実施形態の多価置換ビフェニル化合物の製造方法では、前記のパラジウムを含む金属を固定化した固体触媒と塩基性配位子を組み合わせて用いる事が、高い触媒活性且つ、高い位置選択性で多価置換ビフェニル化合物を取得する為に不可欠である。
塩基性配位子として、塩基性単座配位子(ピリジン等)、塩基性二座配位子(2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等)、塩基性三座配位子(ターピリジン)を具体例としてあげることが出来る。
中でも塩基性二座配位子は触媒活性の促進効果が高く、位置選択性も高い事、更に入手も容易である事から特に好ましい。
塩基性二座配位子として特に、2個の窒素原子によりパラジウムを含む金属に配位できる二座窒素配位子が好適である。
二座窒素配位子としては、例えば、化学式(4)、及び、化学式(5)で示される二座窒素配位子を好適に用いることができる。
Figure 0006536270
ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、カルボキシル基、又はアルコキシカルボニル基である。アルキル基、アルコキシ基、及び、アリール基は置換基を有することもできる。
Figure 0006536270
ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、カルボキシル基、又はアルコキシカルボニル基である。アルキル基、アルコキシ基、及び、アリール基は置換基を有することもできる。
化学式(4)及び(5)において、RやRがハロゲン原子であるとき、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
化学式(4)及び(5)において、RやRがアルキル基であるとき、直鎖状又は分枝状のいずれであってもよく、炭素数は1〜5であり、好ましくは1又は2である。ただし、RやRが分岐状アルキル基であるとき、炭素数は3以上である。
化学式(4)及び(5)において、RやRがアルコキシ基であるとき、−ORと表され、Rは直鎖状又は分枝状の炭素数1〜5のアルキル基を示し、Rの炭素数は好ましくは1又は2である。ただし、Rが分岐状アルキル基であるとき、炭素数は3以上である。
化学式(4)及び(5)において、RやRがアリール基であるとき、炭素数は6〜10であり、好ましくは6〜8である。また、アリール基上の任意の水素原子はアルキル基に置換されていてもよい。
化学式(4)及び(5)において、RやRがアルコキシカルボニル基であるとき、−COORと表され、Rは直鎖状又は分枝状の炭素数1〜5のアルキル基を示し、Rの炭素数は好ましくは1又は2である。ただし、Rが分岐状アルキル基であるとき、炭素数は3以上である。
化学式(4)及び(5)において、RやRは、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、又はカルボキシル基であることがより好ましく、水素原子、又はカルボキシル基であることがなお好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
これらの配位子を用いると、フタル酸ジエステルを原料に用いてカップリング反応を行った場合、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを選択的且つ、高い触媒活性にて生成させることができる。
化学式(4)及び化学式(5)で示される二座窒素配位子の具体例としては、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリンを好適に挙げることが出きる。特に、1,10−フェナントロリンはカップリング反応を促進する効果が高く、且つ、位置選択性が高いので好適である。
これらの二座配位子は、パラジウムを含む金属の全モル数に対して0.1〜10倍モルを加えるのが好ましく、特に、パラジウムを含む金属に対して0.5〜10倍モル用いるのが望ましい。0.1倍モル未満の量では十分な選択性が得られない。10倍モルを越える量を用いた場合は触媒活性が低下する場合がある。
(カップリング反応)
本実施形態の置換ベンゼン化合物のカップリング反応は、上記固体触媒及び上記置換ベンゼン化合物、必要に応じて溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。カップリング反応の温度は、好ましくは50℃〜300℃、より好ましくは100℃〜250℃であり、特に好ましくは150℃〜250℃である。反応圧力は、好ましくは0.1MPa〜5MPa、より好ましくは0.1MPa〜2.5MPaである。なお、反応形態は、バッチ又は流通、気相又は液相、固定床又は流動床のいずれの形態でも構わない。
本実施形態のカップリング反応における反応雰囲気は特に限定されず、例えば、窒素、ヘリウム、及びアルゴンなどの不活性ガス;酸素、及びオゾンなどの酸化性ガス;が挙げられる。これらのうち、好ましくは窒素、酸素、窒素と酸素の混合物(例えば、空気)が使用される。なお、二酸化炭素などの反応に関与しないガスが含まれていても構わない。
カップリング反応に用いられる固体触媒の量は、置換ベンゼン化合物の全モル数と担体に固定化されたパラジウムを含む金属の全モル数との比によって決定される。上記担体に固定化されたパラジウムを含む金属の全モル数は、置換ベンゼン化合物の全モル数に対し、0.02mol%から100mol%であることが好ましく、0.05mol%から80mol%であることがより好ましく、0.1mol%から10mol%であることがさらに好ましい。
カップリング反応において、溶媒を使用する場合、溶媒の使用量は、置換ベンゼン化合物1gに対して、好ましくは10mL以下、より好ましくは2.5mL以下である。
本実施形態のカップリング反応によって得られる多価置換ビフェニル化合物は、カップリング反応終了後、例えば、濾過、抽出、蒸留、昇華、再結晶、及びカラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって単離・精製できる。
(多価置換ビフェニル化合物)
本実施形態の製造方法により得られる多価置換ビフェニル化合物は下記一般式(2)で表される構造を有する。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。複数あるn及びRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
さらに、多価置換ビフェニル化合物は、上記一般式(1)’で表される置換ベンゼン化合物同士をカップリングさせて得られる、下記一般式(2)’で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006536270
式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、mは0又は1を示す。複数あるm及びRは同じであっても異なっていてもよい。mが1であり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに上記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、下記式(3)’に示す通り、互いに結合して無水物を形成していてもよい。
Figure 0006536270
上記一般式(2)及び(2)’中のRのアルキル基及びエステル化されていてもよいカルボキシル基は、一般式(1)と同義である。
置換ベンゼン化合物が上記一般式(1)中のnが0の化合物である場合に、得られる多価置換ビフェニル化合物は二置換ビフェニル化合物であり、nが1の化合物である場合には四置換ビフェニル化合物であり、nが3の化合物である場合には八置換ビフェニル化合物となる。本実施形態の製造方法により、置換ベンゼン化合物をカップリングすると、対称置換ビフェニル類(2つのベンゼン環上の対称の位置に置換基を有するビフェニル類を意味する。)と非対称置換ビフェニル類(2つのベンゼン環上の非対称の位置に置換基を有するビフェニル類を意味する。)からなる異性体が得られる。たとえば、置換ベンゼン化合物が上記一般式(1)’のmが1の化合物である場合には、下記一般式(2s)で示される対称置換ビフェニル類(以下、「s−体」と記載することもある。)及び一般式(2a)で示される非対称置換ビフェニル類(以下、「a−体」と記載することもある。)の四置換ビフェニル化合物が主な異性体として生じる。
Figure 0006536270
式中、Rは一般式(2)’と同義である。
得られた多価置換ビフェニル化合物は、複数種の異性体を有する場合がある。この場合、適宜分離して必要な用途に使用すればよく、例えば、3,3’,4,4’−テトラアルキルビフェニルであれば、アルキル基を酸化することにより3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸に、次いで脱水することで3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物へ誘導することができる。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、ポリイミドの原料として有用な化合物である。
なお、前述のアルキル基の酸化工程は、たとえば、国際公開2012/046857号公報や国際公開2012/157749号公報等に記載された方法により行うことができる。また、前述の加水分解及び脱水は、たとえば、特許4048689号公報や特許4977989号公報等に記載された方法により行うことができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[パラジウムを含む粒子の平均粒子径の測定方法]
TEMにより、担体上のパラジウム、及びパラジウムと金の合金粒子を観察し、TEM写真中の粒子に外接する円(外接円)の直径を測定し、当該直径をそれぞれ担体上のパラジウム及び、複合金属粒子の粒子径とした。任意に選択した10個以上の粒子の粒径を測定し、粒径分布を作成することにより、担体上のパラジウム及び、パラジウムと金の合金粒子の個数平均径を算出した。算出した個数平均径を、それぞれ、パラジウム及び合金粒子の平均粒子径とした。なお、TEM写真において、エネルギー分散型X線分光(EDS)測定をすることにより、担体上のパラジウム及び、パラジウムと金の合金粒子を特定した。
[固体触媒の金属の固定化量の測定方法]
固体触媒を王水で加温溶解させ、超純水で希釈した。誘導プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)により、上記液中に溶解するパラジウムと金の発光強度を測定した。上記液中に溶解するパラジウム、金の発光強度と、パラジウム、金の濃度が既知の標準溶液中のパラジウム、金の発光強度とを比較することにより、上記液中の金の溶解量を算出した。上記溶解量から、固体触媒の単位質量中に含まれるパラジウムと金の含有量、すなわちパラジウムと金の固定化量(重量%)を算出した。
[生成物の同定と生成量の測定方法]
反応生成物の同定及び生成量の測定は、特に断りのない限り、ガスクロマトグラフィー(FID検出器)を用いて、反応生成物と標準物質の保持時間及びピーク強度を比較することにより行った。測定条件は以下のとおりである。
装置:島津製作所製 GC−2014
カラム:アジレント・テクノロジー製 DB−1(内径:0.53mm、長さ:15m、膜厚:1.5μm)
キャリアガス:ヘリウム 20kPa
昇温条件:10℃/分で100℃から190℃まで昇温し、190℃で1分間保持し、25℃/分で190℃から280℃まで昇温し、280℃で16分間保持した。
[収率及び生成比の算出方法]
o−フタル酸ジメチルを用いることで得られる、生成物(ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル)には、以下の二種類の生成物が主な異性体として存在する。以下、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステルを「s−DM」(s−体)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステルを「a−DM」(а−体)ということがある。
Figure 0006536270
カップリングに用いたo−フタル酸ジメチルのモル数をM、生成したs−DM及びa−DMのモル数をそれぞれM及びMとしたとき、生成物の収率、及びs−DMとa−DMの生成比はそれぞれ、下記式より求められる。
収率(mol%)=2×M×100/M
生成比(s/a比)=M/M
本明細書においては、s−DMの収率(%)は、前述のガスクロマトグラフィーの測定条件で測定したs−DMのGC面積%値から、下記式より求める事もできる。
s−DMの収率(mol%)=(s−DMのGC面積%値)/(s−DMのGC面積%値+o−フタル酸ジメチルのGC面積%値×f)
なお、fは、下記式より求められる。
f=(s−DMのGC面積%値/o−フタル酸ジメチルのGC面積%値)/(s−DMの重量/o−フタル酸ジメチルの重量)
a−DMについても同様である。
なお、M及びMを、前述のガスクロマトグラフィーの測定条件で測定した、s−DMとa−DMのGC面積%値でそれぞれ代用して、生成比(s/a比)を求めることもできる。後述する表2〜表11においては、正確にs/a比を求めるため、小数点以下三桁のGC面積%値を用いて、s/a比を求めた。
[固体触媒の当量数の決定方法]
固体触媒を用いる場合の当量数(担体に固定化されたパラジウムの基質に対するmol%)を、下記式により算出した。
固体触媒の当量数(mol%)=(a×b/106.4)/c
a:カップリング反応時に使用する固体触媒の質量(g)
b:ICP−AES分析で検出されたパラジウムの割合(重量%)
c:カップリング反応時に使用する基質のモル数(mol)
[触媒回転数(TON)と触媒回転頻度(TOF)の決定方法]
触媒の回転数と回転頻度を下記式により算出した。
TON=d/e/2
TOF=TON/f
d:s−DMの収率(%)+a−DMの収率(%)
e:固体触媒の当量数(mol%)
f:反応時間(h)
実施例1−1(二酸化マンガンにパラジウムが固定化された固体触媒(以下、「Pd/MnO」とも称する)の合成)
塩化パラジウム174mgを蒸留水350mLに室温で懸濁させた後、1重量%ポリビニルアルコール水溶液22.0gを加えて室温で30分撹拌した(水溶液1)。一方、これとは別に水素化ホウ素ナトリウム183mgを蒸留水35mLに溶解した(水溶液2)。上記水溶液2を上記水溶液1に添加し、混合液を室温で40分撹拌した。撹拌後、濃硫酸を加えpHを2に調整した後、二酸化マンガン(和光純薬工業(株)製、酸化マンガン(IV),99.5%(商品名))2.0gを加えて、さらに室温で2時間撹拌した。得られた沈殿物を蒸留水で洗浄、濾過した。得られたろ物を110℃で一晩乾燥させことで、二酸化マンガンにパラジウムが固定化された触媒(Pd/MnO)を得た。パラジウムの固定化量は3.3重量%であり、担体上のパラジウム粒子の平均粒子径は10nmであった。
実施例1−2(二酸化マンガンに水酸化パラジウムが固定化された固体触媒(以下、「Pd(OH)/MnO」とも称する)の合成)
硝酸パラジウム166mgを蒸留水200mLに室温で溶解させ、二酸化マンガン(和光純薬工業(株)製、酸化マンガン(IV),99.5%(商品名))1.5gを加えて室温で30分撹拌した。この懸濁液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12に調整した後、室温で5時間撹拌した。生成した沈殿物をpHが一定になるまで蒸留水にて洗浄、濾過した。ろ物を減圧下室温で一晩乾燥させることにより、二酸化マンガン上に水酸化パラジウムが固定化された固体触媒を(Pd(OH)/MnO)得た。パラジウムの固定化量は4.5重量%であり、担体上のパラジウム粒子の平均粒子径は2nmであった。
実施例1−3(二酸化マンガンに酸化パラジウムが固定化された固体触媒(以下、「PdO/MnO」とも称する)の合成)
実施例1−2で調製したPd(OH)/MnO663mgを300℃、空気中で4時間焼成を行うことで、二酸化マンガンに酸化パラジウムが固定化された固体触媒(PdO/MnO)を得た。担体上の金粒子の平均粒子径は2nmであった。
実施例1−4(酸化コバルトに水酸化パラジウムが固定化された固体触媒(以下、「Pd(OH)/Co」とも称する)の合成)
硝酸パラジウム167mgを蒸留水200mLに室温で溶解させ、後述の参考例1−1で調製した酸化コバルト1.6gを加えて室温で40分撹拌した。この懸濁液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12に調整した後、室温で4時間撹拌した。生成した沈殿物を蒸留水にて洗浄、濾過した。ろ物を減圧下室温で一晩乾燥させることにより、二酸化マンガン上に水酸化パラジウムが固定化された固体触媒を(Pd(OH)/Co)得た。パラジウムの固定化量は3.5重量%であった。
実施例1−5(二酸化マンガンにパラジウム−金が固定化された固体触媒(以下、「Pd−Au/MnO」とも称する)の合成)
テトラクロロ金酸・四水和物20mgと塩化パラジウム18mgを蒸留水280mLに溶解させ、1重量%ポリビニルアルコール水溶液4.5gを加えて室温で30分撹拌した(水溶液1)。一方、これとは別に水素化ホウ素ナトリウム29mgを蒸留水7mLに溶解した(水溶液2)。上記水溶液2を上記水溶液1に添加し、混合液を室温で40分撹拌した。撹拌後、濃硫酸を加えpHを2に調整した後、二酸化マンガン2.0gを加えて、さらに室温で2時間撹拌した。得られた沈殿物を蒸留水で洗浄、濾過した。得られたろ物を110℃で一晩乾燥させことで、二酸化マンガンにパラジウム−金が固定化された触媒(Pd―Au/MnO)を得た。パラジウムの固定化量は0.42重量%であり、金の固定化量は0.36重量%であった。担体上のパラジウム−金複合粒子の平均粒子径は5nmであった。
実施例1−6(二酸化マンガンにパラジウム−金が固定化された固体触媒(以下、「Pd−Pt/MnO」とも称する)の合成)
ヘキサクロロ白金酸・六水和物27mgと塩化パラジウム18mgを蒸留水250mLに溶解させ、1重量%ポリビニルアルコール水溶液5.1gを加えて室温で40分撹拌した(水溶液1)。一方、これとは別に水素化ホウ素ナトリウム28mgを蒸留水7mLに溶解した(水溶液2)。上記水溶液2を上記水溶液1に添加し、混合液を室温で40分撹拌した。撹拌後、濃硫酸を加えpHを2に調整した後、二酸化マンガン(和光純薬工業(株)製、酸化マンガン(IV),99.5%(商品名))2.0gを加えて、さらに室温で2時間撹拌した。得られた沈殿物を蒸留水で洗浄、濾過した。得られたろ物を110℃で一晩乾燥させことで、二酸化マンガンにパラジウム−白金が固定化された触媒(Pd―Pt/MnO)を得た。パラジウムの固定化量は0.46重量%であり、白金の固定化量は0.37重量%であった。担体上のパラジウム−白金合金粒子の平均粒子径は2nmであった。
比較例1−1(二酸化マンガンに金が固定化された固体触媒(以下、「Au/MnO」とも称する)の合成)
テトラクロロ金酸・四水和物220mgを蒸留水360mLに溶解させ、尿素3.2g、二酸化マンガン(和光純薬工業(株)製、酸化マンガン(IV),99.5%(商品名))2gの順に室温で加えた。その後、溶液を徐々に90℃まで加温し、90℃で18時間加熱撹拌を行った。沈殿物を蒸留水で洗浄、濾過した。得られたろ物を65℃で一晩乾燥させた。乾燥後、300℃、空気中で4時間焼成を行うことで、二酸化マンガンに金が固定化された固体触媒(Au/MnO)を得た。得られた固体触媒の平均一次粒径は約40nmであり、金の固定化量は5重量%であり、担体上の金粒子の平均粒子径は5nmであった。
参考例1−1
塩基性炭酸コバルト11gを300℃、空気中で4時間焼成を行うことで酸化コバルトを得た。
実施例2−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(5mL)に、o−フタル酸ジメチル407mg(2.1mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 141mg(o−フタル酸ジメチルに対し2.1mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物8mg(0.04mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、6時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率4%で生成していた。(s/a比=20)。担体上のパラジウム当りのTONは0.9でありTOFは0.2である。
実施例2−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル397mg(2.0mmol)、実施例1−2で調製したPd(OH)/MnO 75mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.6mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて190℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率10%で生成していた(s/a比=27)。担体上のパラジウム当りのTONは3.4でありTOFは0.4である。
実施例2−3(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル395mg(2.0mmol)、実施例1−5で調製したPd−Au/MnO80mg(o−フタル酸ジメチルに対し0.16mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=25)。担体上のパラジウム当りのTONは9.3でありTOFは1である。
実施例2−4(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(5mL)に、o−フタル酸ジメチル391mg(2.0mmol)、実施例1−3で調製したPdO/MnO 78mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.6mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=29)。担体上のパラジウム当りのTONは0.9でありTOFは0.1である。
比較例2−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル397mg(2.0mmol)、酢酸パラジウム4.5mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.0mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率1%で生成していた(s/a比=9)。担体上のパラジウム当りのTONは0.5でありTOFは0.1である。
以上、実施例1−1〜1−6で得られた固体触媒の分析結果をまとめて表1に示す。
Figure 0006536270
また、実施例2−1〜2−4及び比較例2−1におけるカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表2に示す。なお、表2において、触媒の欄の括弧内に示される数値はo−フタル酸ジメチルの全モル数に対する、担体に固定化されたパラジウムのモル数の比(固体触媒の当量数)を示す。
Figure 0006536270
<パラジウムと金を含む触媒の検討>
実施例3−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル395mg(2.0mmol)、実施例1−5で調製したPd−Au/MnO 80mg(o−フタル酸ジメチルに対し0.16mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=25)。担体上のパラジウム当りのTONは9.3でありTOFは1である。
実施例3−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
SUS製オートクレーブ(内容積10mL)に、o−フタル酸ジメチル389mg(2.0mmol)、及び実施例1−5で調製したPd−Au/MnO 79mg(o−フタル酸ジメチルに対し0.16mol%)、1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。反応系内の圧力が2.5MPaとなるように空気を圧入した。次いで、上記オートクレーブを、アルミブロックに差し込み、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを空冷してガスを開放した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率0.6%で生成していた(s/a比=20)。担体上のパラジウム当りのTONは2.0でありTOFは0.3である。
実施例3−3(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル404mg(2.1mmol)、実施例1−6で調製したPd−Pt/MnO 77mg(o−フタル酸ジメチルに対し0.16mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて190℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率0.4%で生成していた(s/a比=28)。担体上のパラジウム当りのTONは1.4でありTOFは0.1である。
以上、実施例3−1〜3−3のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表3に示す。
Figure 0006536270
<担体の検討>
実施例4−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル402mg(2.1mmol)、実施例1−4で調製したPd(OH)/Co 77mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.2mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて190℃に加温した後、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率2%で生成していた(s/a比=25)。担体上のパラジウム当りのTONは0.9でありTOFは0.2である。
以上、実施例4−1のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表4に示す。
Figure 0006536270
<銅、フェナントロリンの検討>
比較例5−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
SUS製オートクレーブ(内容積10mL)に、o−フタル酸ジメチル389mg(2.0mmol)、及び実施例1−1で調製したPd/MnO 69mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)を導入した。反応系内の圧力が2.5MPaとなるように空気を圧入した。次いで、上記オートクレーブを、アルミブロックに差し込み、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを空冷してガスを開放した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)の生成は痕跡量程度であった。
比較例5−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
SUS製オートクレーブ(内容積10mL)に、o−フタル酸ジメチル399mg(2.1mmol)、及び実施例1−1で調製したPd/MnO 72mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)、アセチルアセトナト銅(II)8mg(0.03mmol)を導入した。反応系内の圧力が2.5MPaとなるように空気を圧入した。次いで、上記オートクレーブを、アルミブロックに差し込み、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを空冷してガスを開放した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)の生成は痕跡量程度であった。
実施例5−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
SUS製オートクレーブ(内容積10mL)に、o−フタル酸ジメチル404mg(2.1mmol)、及び実施例1−1で調製したPd/MnO 70mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.0mol%)、1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。反応系内の圧力が2.5MPaとなるように空気を圧入した。次いで、上記オートクレーブを、アルミブロックに差し込み、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを空冷してガスを開放した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=26)。担体上のパラジウム当りのTONは1.5でありTOFは0.2である。
以上、比較例5−1、5−2及び実施例5−1のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表5に示す。
Figure 0006536270
<反応時間の検討>
実施例6−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製サンプル瓶にo−フタル酸ジメチル4。2g(22mmol)、並びに1,10−フェナントロリン・一水和物42mg(0.2mmol)導入して、1重量%フェナントロリン溶液(溶液1)を調整した。溶液1、388mg(フェナントロリン4mg、0.02mmol含有)、並びに実施例1−1で調製したPd/MnO 72mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、24時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率8%で生成していた(s/a比=25)。担体上のパラジウム当りのTONは3.8であり、TOFは0.2である。
実施例6−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
下表に示す通り反応時間を変えた。これらの点以外は実施例6−1と同様に実験した。結果を表8に示す。
以上、実施例6−1、及び6−2のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表6に示す。
Figure 0006536270
<反応圧力の検討>
実施例7−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
SUS製オートクレーブ(内容積10mL)に、o−フタル酸ジメチル404mg(2.1mmol)、及び実施例1−1で調製したPd/MnO 70mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.0mol%)、1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。反応系内の圧力が2.5MPaとなるように空気を圧入した。次いで、上記オートクレーブを、アルミブロックに差し込み、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを空冷してガスを開放した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=26)。担体上のパラジウム当りのTONは1.5であり、TOFは0.2である。
実施例7−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(5mL)に、o−フタル酸ジメチル407mg(2.1mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 141mg(o−フタル酸ジメチルに対し2.1mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物8mg(0.04mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、6時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率4%で生成していた(s/a比=20)。担体上のパラジウム当りのTONは0.9であり、TOFは0.2である。
以上、実施例7−1及び7−2のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表7に示す。
Figure 0006536270
<反応ガス検討>
実施例8−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル389mg(2.0mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 74mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器内をアルゴンガスで置換した後、オイルバスに浸けて200℃に加温し、24時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=17)。担体上のパラジウム当りのTONは1.5でありTOFは0.1である。
実施例8−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
実施例6−1で調整した溶液1、388mg(フェナントロリン4mg、0.02mmol含有)、並びに実施例1−1で調製したPd/MnO 72mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて200℃に加温した後、24時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率8%で生成していた(s/a比=25)。担体上のパラジウム当りのTONは3.8でありTOFは0.2である。
以上、実施例8−1及び8−2のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表8に示す。
Figure 0006536270
<反応温度の検討>
実施例9−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
下表に示す通り反応時間を4時間に変えた。この点以外は実施例6−1と同様に実験した。結果を表9に示す。
実施例9−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル389mg(2.0mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 77mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.2mol%)、及び1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器をオイルバスに浸けて230℃に加温し、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率0.5%で生成していた(s/a比=14)。担体上のパラジウム当りのTONは0.2でありTOFは0.1である。
実施例9−3(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
下表に示す通り反応温度190℃に変えた。この点以外は実施例9−2と同様に実験した。結果を表9に示す。
以上、実施例9−1〜9−3のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表9に示す。
Figure 0006536270
<配位子の検討>
実施例10−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
下表に示す通り反応時間を16時間に変えた。これらの点以外は実施例9−1と同様に実験した。結果を表10に示す。
実施例10−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル422mg(2.2mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 79mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)、及び1,10−フェナントロリン−2,9−ジカルボン酸5mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて、200℃に加温し、16時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率2%で生成していた(s/a比=17)。担体上のパラジウム当りのTONは1.0でありTOFは0.1である。
実施例10−3(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル395mg(2.0mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 77mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.2mol%)、及び2,2’−ビピリジル4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて、200℃に加温し、16時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率3%で生成していた(s/a比=11)。担体上のパラジウム当りのTONは1.2でありTOFは0.1である。
実施例10−4(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
SUS製オートクレーブ(内容積10mL)に、o−フタル酸ジメチル398mg(2.0mmol)、及び実施例1−1で調製したPd/MnO 71mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.1mol%)、ピリジン6mg(0.08mmol)を導入した。反応系内の圧力が2.5MPaとなるように空気を圧入した。次いで、上記オートクレーブを、アルミブロックに差し込み、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、オートクレーブを空冷してガスを開放した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)が収率1%で生成していた(s/a比=1)。担体上のパラジウム当りのTONは0.6でありTOFは0.1である。
比較例10−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル384mg(2.0mmol)、実施例1−1で調製したPd/MnO 79mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.2mol%)、及びアセチルアセトン3mg(0.03mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて、200℃に加温し、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)のの生成は痕跡量程度であった。
以上、実施例10−1〜10−4、及び比較例10−1のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表10に示す。
Figure 0006536270
なお、表10の実施例10−1〜10−3で用いた配位子は以下の構造である。
Figure 0006536270
<金触媒との比較>
比較例11−1(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(30mL)に、o−フタル酸ジメチル200mg(1.0mmol)、比較例1−1で調製したAu/MnO 77mg(o−フタル酸ジメチルに対し2.0mol%)、1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)、並びに酢酸396mgを導入した。この反応容器を、アルミブロックに差し込み125℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)の生成は痕跡量程度であった。
比較例11−2(ビフェニルテトラカルボン酸エステルの合成)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル397mg(2.0mmol)、比較例1−1で調製したAu/MnO 75mg(o−フタル酸ジメチルに対し1.0mol%)、並びに1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて、200℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)の生成は痕跡量程度であった。
以上、比較例11−1、11−2のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表11に示す。
Figure 0006536270
比較例12−1(1,2−ジメトキシベンゼンとo−フタル酸ジメチルのカップリング反応)
ガラス製反応容器(2mL)に、o−フタル酸ジメチル215mg(1.1mmol)、1,2−ジメトキシベンゼン133mg(1.0mmol)、実施例1−2で調製したPd(OH)/MnO 77mg、並びに1,10−フェナントロリン・一水和物4mg(0.02mmol)を導入した。この反応容器を、オイルバスに浸けて、190℃に加温した後、8時間反応させた。反応終了後、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1,2−ジメトキシベンゼン同士のカップリング体はほとんど生成せず、1,2−ジメトキシベンゼンとo−フタル酸ジメチルのカップリング体(クロス体とも称する)がGC面積%値で1.4%、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(s−DM)がGC面積%値で5.4%生成した。
以上、比較例12−1のカップリング反応の条件、及び生成物の分析結果をまとめて表12に示す。
Figure 0006536270
以上の結果より、本発明によれば、均一系パラジウム触媒と異なり銅塩等の助触媒を添加することなく反応が進行し、既存の金固定化触媒と比較して高い触媒回転頻度で反応が進行し、高s/a比でビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステルが得られることが分かった。
本発明の多価置換ビフェニル化合物の製造方法及び固体触媒は、例えば、ポリイミドの原料であるビフェニル骨格を有するモノマーの製造に適用できる。

Claims (9)

  1. パラジウムを含む金属、水酸化パラジウム、及び酸化パラジウムの少なくとも1種が担体に固定化された固体触媒、及び塩基性配位子の存在下で、下記一般式(1)で表される置換ベンゼン化合物をカップリングさせる工程を備える、下記一般式(2)で表される多価置換ビフェニル化合物の製造方法。
    Figure 0006536270
    (式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。nが1〜3の整数のいずれかである場合、複数のRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに前記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。)
    Figure 0006536270
    (式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。複数あるn及びRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに前記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。)
  2. 一般式(1)で表される置換ベンゼン化合物が下記一般式(1)’で表される置換ベンゼン化合物であり、一般式(2)で表される多価置換ビフェニル化合物が下記一般式(2)’で表される化合物である、請求項1に記載の多価置換ビフェニル化合物の製造方法。
    Figure 0006536270

    (式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、mは0又は1を示す。mが1である場合、2つのRは同じであっても異なっていてもよい。mが1であり、2つのRがともに前記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。)
    Figure 0006536270

    (式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、mは0又は1を示す。複数あるm及びRは同じであっても異なっていてもよい。mが1であり、2つのRがともに前記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。)
  3. 固体触媒がパラジウムを担体に固定化したもの、もしくはパラジウムと金を担体に固定化したものである、請求項1〜2のいずれか一項に記載の多価置換ビフェニル化合物の製造方法。
  4. 塩基性配位子が二座窒素配位子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多価置換ビフェニル化合物の製造方法。
  5. 担体が金属酸化物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多価置換ビフェニル化合物の製造方法。
  6. 担体に固定化された、パラジウムを含む金属、水酸化パラジウム、酸化パラジウムの少なくとも1種の平均粒子径が0.5〜10nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多価置換ビフェニル化合物の製造方法。
  7. 担体と前記担体に固定化されたパラジウムを含む金属、水酸化パラジウム、及び酸化パラジウムの少なくとも1種と、塩基性配位子とを備える、下記一般式(2)で表される多価置換ビフェニル化合物製造用固体触媒。
    Figure 0006536270

    (式中、Rはアルキル基、又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、nは0〜3の整数を示す。複数あるn及びRは同じであっても異なっていてもよい。nが1〜3の整数のいずれかであり、隣り合う炭素原子に結合する2つのRがともに前記カルボキシル基である場合には、該カルボキシル基は、互いに結合して無水物を形成していてもよい。)
  8. 塩基性配位子が二座窒素配位子であることを特徴とする、請求項7に記載の多価置換ビフェニル化合物製造用固体触媒。
  9. 担体が金属酸化物であることを特徴とする、請求項7〜8のいずれか一項に記載の多価置換ビフェニル化合物製造用固体触媒。
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