JP6536159B2 - 無線通信装置およびウェイト行列の決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信装置およびウェイト行列の決定方法に関する。
マルチアンテナ技術は、無線通信において、送信・受信を複数のアンテナを用いて行うことにより、通信容量、周波数の利用効率、消費電力等の改善を行う技術である。なお、送信側・受信側いずれかのアンテナ数が1つであっても、他方のアンテナ数に応じて通信品質の改善等を行うことが可能である。
このようなマルチアンテナ技術に関する用語として、MIMO(Multiple Input Multiple Output)がある。MIMOとは、通信用語として用いられる場合、送信側及び受信側両方が複数のアンテナを用いる通信方式を指すことが多いが、マルチアンテナ技術全般を指して使われることもある(例えば、非特許文献1参照)。
マルチアンテナ信号の処理アルゴリズムによって得られる利点としては、次の4つが挙げられる。
(1)空間ダイバーシチ(Spatial Diversity)
(2)合成利得(Coherent Gain)
(3)干渉波除去(Interference Mitigation)
(4)空間多重(Spatial Multiplexing)
前記空間ダイバーシチは、空間的に離れたアンテナを用いることで、マルチパスなどの影響による通信品質の劣化を小さくすることである。
前記合成利得は、受信側・送信側の各アンテナの信号に対して伝搬路の情報(振幅、位相の変化)を利用した重み(ウェイト)をかけることで、希望方向からの受信電力と雑音の比を大きくすることである。
前記干渉波除去は、各アンテナからの受信信号に対して、所望信号以外の到来信号(干渉信号)を打ち消すように重みをかけて合成する。受信アンテナ数よりも一つ小さい数の干渉信号を除去することができる。到来信号の伝搬係数が未知であるならば、なんらかの学習アルゴリズムを用いる必要がある。
前記空間多重は、干渉波除去を応用して同時に複数の通信路を確立する方法である。一人のユーザが複数のアンテナから異なる信号を送信して通信容量を増やす方法と、複数のユーザが同時に通信を行って周波数利用効率を高める方法とがある。後者の方法は、SDMA(Space Division Multiple Access)と呼ばれる。
服部武、藤岡雅宣編著、改訂版ワイヤレス・ブロードバンド教科書高速IPワイヤレス編、株式会社インプレスR&D、2006年6月21日、p193
MIMO通信において、例えば同一のセクタ向けの複数のベースバンド信号を送信するためには、これら複数のベースバンド信号それぞれに対応した複数のアンテナを設置する必要がある。このため、アンテナサイトに複数のアンテナが設置されることで美観が損なわれるという問題や、複数のアンテナを設置することができるアンテナサイト自体を確保するのが難しくなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、同一の領域向けの複数の送信信号を、その送信信号の数よりも少ない数のアンテナで送信することができるようにすることを目的とする。
本発明の一態様に係る無線通信装置は、同一の領域向けの複数の送信信号を生成するベースバンド部と、複数のアンテナ素子を有するアンテナと、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれにウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する信号処理部と、を備えている無線通信装置である。
本発明の一態様に係るウェイト行列の決定方法は、ベースバンド部で生成された同一の領域向けの複数の送信信号に乗算するウェイト行列の決定方法であって、前記ウェイト行列における、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補として、当該ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を、前記領域へのビームのチルト角に基づいて選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択されたウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補を前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定する決定ステップと、を含むウェイト行列の決定方法である。
本発明によれば、同一の領域向けの複数の送信信号を、その送信信号の数よりも少ない数のアンテナで送信することができる。
本発明の第1実施形態に係る無線通信装置を示す図である。 アンテナシステムの送信側の構成を示したブロック図である。 無線通信装置の制御構成を示すブロック図である。 制御部が実行するウェイト行列の決定手順を示すフローチャートである。 ウェイト行列をDFT行列に基づいて生成した場合におけるアンテナの垂直面指向性を示す図である。 ウェイト行列をDCT行列に基づいて生成した場合におけるアンテナの垂直面指向性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線通信装置が備えるアンテナシステムの送信側の構成を示すブロック図である。 図7のアンテナシステムが備えるバトラーマトリックス回路の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る無線通信装置が備えるアンテナシステムの送信側の構成を示すブロック図である。 図9の無線通信装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る無線通信装置が備えるアンテナシステムの送信側の構成を示すブロック図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る無線通信装置は、同一の領域向けの複数の送信信号を生成するベースバンド部と、複数のアンテナ素子を有するアンテナと、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれにウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する信号処理部と、を備えている。
ここで、「領域」とは、単一のセクタ、または複数のセクタに分割されていない単一のセルであって、無線通信装置と無線通信を行う移動端末がハンドオーバーせずに移動可能な領域を意味する。
上記無線通信装置によれば、ベースバンド部で生成された同一の領域向けの複数の送信信号それぞれを、一のアンテナが有する複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれにウェイト行列を乗算して各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成することになる。このため、同一の領域向けの複数の送信信号を、一のアンテナを共用して送信することができる。この結果、同一の領域向けの複数の送信信号を、その送信信号の数よりも少ない数のアンテナにより送信することができる。
(2)前記無線通信装置において、前記信号処理部は、前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれをアナログの送信信号に変換する複数のデジタルアナログ変換器と、変換された送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配する複数の分配器と、分配された送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分に基づいて位相調整を行う複数の移相器と、位相調整された送信信号のうち、各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する複数の合成器と、を有し、前記アンテナは、前記合成器で合成された送信信号それぞれを増幅して対応する前記アンテナ素子に与える複数の増幅器をさらに有するのが好ましい。
この場合、複数のデジタルアナログ変換器は、複数の分配器の前段に設けられることになる。このため、当該デジタルアナログ変換器を、同一の領域向けの複数の送信信号それぞれに対応して設ければよく、複数のアンテナ素子ごとにデジタルアナログ変換器を設ける場合よりもデジタルアナログ変換器の数を減らすことができる。この結果、低コスト化が可能となる。
また、移相器は増幅器の前段に設けられるため、移相器には増幅前の送信信号が与えられる。増幅前の送信信号は、増幅後の送信信号と比較してより低い電力であるため、取り扱うことが可能な信号電力の値が比較的低い移相器の使用が可能となる。これにより、より小型で低コストな移相器を用いることが可能となり、より低コストとすることができるとともに小型化も可能となる。
(3)前記無線通信装置において、前記信号処理部は、前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれをアナログの送信信号に変換する複数のデジタルアナログ変換器と、変換された送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配する複数の分配器と、分配された送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分に基づいて位相調整を行う複数の移相器と、位相調整された送信信号のうち、各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する複数の合成器と、を有し、前記アンテナよりも前段側に設けられ、複数の送信信号それぞれを増幅する複数の増幅器をさらに備えていてもよい。
この場合、複数のデジタルアナログ変換器は、複数の分配器よりも前段側に設けられることになる。このため、当該デジタルアナログ変換器を、同一の領域向けの複数の送信信号それぞれに対応して設ければよく、複数のアンテナ素子ごとにデジタルアナログ変換器を設ける場合よりもデジタルアナログ変換器の数を減らすことができる。この結果、低コスト化が可能となる。
(4)前記無線通信装置において、前記信号処理部は、前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数のデジタルの送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成するデジタル信号処理部であり、前記アンテナは、前記デジタル信号処理部で合成された送信信号それぞれを増幅して対応する前記アンテナ素子に与える複数の増幅器をさらに有していてもよい。
この場合、ベースバンド部で生成された送信信号の分配から合成までの信号処理をデジタル信号処理によって行うことができるため、当該信号処理をアナログ信号処理によって行う場合と比較して高度な通信制御を行うことができる。
(5)前記無線通信装置において、前記信号処理部は、前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数のデジタルの送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成するデジタル信号処理部であり、
前記アンテナよりも前段側に設けられ、複数の送信信号それぞれを増幅する複数の増幅器をさらに備えていてもよい。
この場合、ベースバンド部で生成された送信信号の分配から合成までの信号処理をデジタル信号処理によって行うことができるため、当該信号処理をアナログ信号処理によって行う場合と比較して高度な通信制御を行うことができる。
(6)前記無線通信装置において、前記ウェイト行列において、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトル同士またはウェイト列ベクトル同士が互いに直交しているのが好ましい。
ここで、ウェイト行ベクトル同士またはウェイト列ベクトル同士が互いに「直交している」とは、2つのウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの相互相関の和が0になることを意味する。
この場合、同一の領域向けの複数の送信信号の相互相関を小さくすることができる。
(7)上記ウェイト行列を、離散フーリエ変換行列に基づいて生成した場合、一のアンテナから送信された複数の送信信号を受信する移動端末は、その受信位置によって特定の送信信号だけを強く受信する場合がある。この場合には送信信号間の電力にばらつきが生じるため、MIMO通信の効果を十分に発揮することができない。
このため、前記ウェイト行列は、離散コサイン変換行列に基づいて生成されるものであるのが好ましい。この場合、移動端末は、一のアンテナから送信された複数の送信信号をバランス良く受信することができる。これにより、移動端末が複数の送信信号を受信したときに送信信号間の電力はばらつかないため、離散フーリエ変換行列に基づいてウェイト行例を生成する場合に比べてMIMO通信の効果を発揮しやすくなる。
(8)前記無線通信装置において、前記ウェイト行列における、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補として、当該ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を、前記領域へのビームのチルト角に基づいて選択する選択部と、前記選択部で選択されたウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補を前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定する決定部と、をさらに備えているのが好ましい。
この場合、選択部において、ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補となる多数のウェイト候補を、領域へのビームのチルト角に基づいて選択するため、これらのウェイト候補を容易かつ迅速に絞り込みことができる。また、決定部において、多数のウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補をウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定するため、所望の通信品質を得ることができる。
(9)前記無線通信装置において、前記ウェイト行列における、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補として、当該ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を、前記領域へのビームのチルト角に基づいて選択する選択部と、前記選択部で選択されたウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補を前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定する決定部と、をさらに備え、前記離散コサイン変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルは、前記選択部が選択する前記ウェイト候補とされているのが好ましい。
この場合、選択部において、ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補となる多数のウェイト候補を、領域へのビームのチルト角に基づいて選択するため、これらのウェイト候補を容易かつ迅速に絞り込みことができる。また、離散コサイン変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルは、前記選択部が選択するウェイト候補とされているので、離散コサイン変換行列に基づいてウェイト行列を容易に生成することができる。さらに、決定部において、多数のウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補をウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定するため、所望の通信品質を得ることができる。
(10)本発明の実施形態に係るウェイト行列の決定方法は、ベースバンド部で生成された同一の領域向けの複数の送信信号に乗算するウェイト行列の決定方法であって、前記ウェイト行列における、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補として、当該ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を、前記領域へのビームのチルト角に基づいて選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択されたウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補を前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定する決定ステップと、を含む。
上記ウェイト行列の決定方法によれば、選択ステップにおいて、ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補となる多数のウェイト候補を、領域へのビームのチルト角に基づいて選択するため、これらのウェイト候補を容易かつ迅速に絞り込みことができる。また、決定ステップにおいて、多数のウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補をウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定するため、所望の通信品質を得ることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
<無線通信装置の全体構成について>
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信装置を示す図である。図中、無線通信装置1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)が適用される携帯電話用の無線通信システムにおいて基地局装置として用いられるものであり、携帯電話といった移動端末(図示せず)と無線通信を行う機能を有している。
図1に示すように、無線通信装置1は、ベースバンド部であるベースバンドユニット(BBU)2と、アンテナシステム3とを備えている。
ベースバンドユニット2は、当該ベースバンドユニット2から延びる信号伝送路(光伝送路または電気伝送路)4によってアンテナシステム3に接続されている。
ベースバンドユニット2は、上位ネットワークから与えられる送信データに対してデジタル変調処理を行い、デジタル信号として、同一のセルC(後述)向けの複数の送信ベースバンド信号を生成する機能を有している。
ベースバンドユニット2は、送信データを変調して得た送信ベースバンド信号(I/Q信号)を信号伝送路4を介してアンテナシステム3に与える。
また、ベースバンドユニット2は、アンテナシステム3から信号伝送路4を介して与えられるデジタル信号である受信ベースバンド信号(I/Q信号)を取得し、この受信ベースバンド信号に対してデジタル復調処理を行い受信データを生成する機能を有している。ベースバンドユニット2は、受信ベースバンド信号を復調して得た受信データを上位ネットワークに与える。
このように、ベースバンドユニット2は、無線通信によって送受信されるデータ及びベースバンド信号に対してデジタル変復調処理等の処理を行う機能を有している。
アンテナシステム3は、支柱5によって上方に支持されている複数(図例では3つ)のアンテナ6を備えている。
各アンテナ6は、無線通信装置1の周囲を3つに分割したときの内の1つの領域が移動端末との間で通信可能な領域であるセルCとして設定される。
アンテナシステム3は、3つのアンテナ6を備えることで、移動端末との間で通信可能なセルCを当該アンテナシステム3の周囲に形成する。
本実施形態の各アンテナ6は、後述するように、複数のアンテナ素子を備えており、各アンテナ素子によって送信される信号それぞれの位相や利得を調整することによって、当該アンテナ6のチルト角(指向性)を制御することができる。これにより、各アンテナ6は、同一の領域(セル)に向けて互いに異なるチルト角で、アンテナ6から遠ざかる方向に沿って複数(図例では2つ)の送信信号を送信することができる。
なお、本実施形態における「領域」はセクタ分割なしの単一のセルCとされているが、単一のセルCを複数のセクタに分割している場合には単一のセクタを「領域」としても良い。すなわち、「領域」は、無線通信装置1と無線通信を行う移動端末がハンドオーバーせずに移動できる領域であれば良い。
<アンテナシステムの構成について>
図2は、第1実施形態に係るアンテナシステム3の送信側の構成を示したブロック図である。本実施形態におけるアンテナシステム3は、送信信号の分配、位相調整および合成等の信号処理をアナログ信号処理によって行うように構成されたアクティブアンテナシステムからなる。
アンテナシステム3は、デジタル信号処理部10と、アナログ信号処理部7と、アンテナ6とを備えている。アンテナ6は、複数(図例では6つ)のアンテナ素子9と、これらのアンテナ素子9それぞれに対応する複数(図例では6つ)の電力増幅器18とを有している。
デジタル信号処理部10は、同一の領域向けの複数(図例では2つ)の送信ベースバンド信号がベースバンドユニット2から与えられる。以下、これら2つの送信ベースバンド信号のうち、一方を第1送信ベースバンド信号、他方を第2送信ベースバンド信号ともいう。
デジタル信号処理部10は、第1送信ベースバンド信号及び第2送信ベースバンド信号に対し必要に応じてデジタル信号処理を行った後、これら送信ベースバンド信号をアナログ信号処理部7に与える。
アナログ信号処理部7は、デジタル信号処理部10から与えられる複数の送信信号それぞれを複数のアンテナ素子9それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれに、利得調整や位相調整を利用してウェイト行列(後述)の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子9に対応する送信信号同士を合成する信号処理部として機能する。
アナログ信号処理部7は、複数のデジタルアナログ変換器11と、複数のアップコンバータ12と、分配器14と、複数の可変減衰器15と、複数の移相器16と、複数の合成器17とを備えている。
デジタルアナログ変換器11は、2つの送信ベースバンド信号それぞれに対応して一対設けられている。一方のデジタルアナログ変換器11aには、デジタル信号処理部10から第1送信ベースバンド信号が与えられ、他方のデジタルアナログ変換器11bには、デジタル信号処理部10から第2送信ベースバンド信号が与えられる。
デジタルアナログ変換器11aは、デジタル信号である第1送信ベースバンド信号をアナログ信号に変換する機能を有している。また、デジタルアナログ変換器11bは、デジタル信号である第2送信ベースバンド信号をアナログ信号に変換する機能を有している。
デジタルアナログ変換器11(11a、11b)は、アナログ信号に変換した第1送信ベースバンド信号および第2送信ベースバンド信号をアップコンバータ12に与える。
アップコンバータ12は、一対のデジタルアナログ変換器11それぞれに対応して一対設けられている。一方のアップコンバータ12aには、アナログ信号に変換された第1送信ベースバンド信号が与えられ、他方のアップコンバータ12bには、アナログ信号に変換された第2送信ベースバンド信号が与えられる。
アップコンバータ12aは、発振器13が生成する無線周波数のローカル信号を第1送信ベースバンド信号に乗算することで第1送信ベースバンド信号を無線周波数の信号(第1無線周波数信号)に変換(アップコンバート)する機能を有している。
アップコンバータ12bは、発振器13が生成する無線周波数のローカル信号を第2送信ベースバンド信号に乗算することで第2送信ベースバンド信号を無線周波数の信号(第2無線周波数信号)に変換(アップコンバート)する機能を有している。
アップコンバータ12(12a、12b)は、第1送信ベースバンド信号を周波数変換することにより得た第1無線周波数信号、および第2送信ベースバンド信号を周波数変換することにより得た第2無線周波数信号を分配器14に与える。
分配器14は、一対のデジタルアナログ変換器11それぞれに対応して一対設けられている。一方の分配器14aには、アップコンバータ12aから第1無線周波数信号が与えられ、他方の分配器14bには、アップコンバータ12bから第2無線周波数信号が与えられる。
分配器14aは、第1無線周波数信号を複数のアンテナ素子9それぞれに対応して複数に分配する。
また、分配器14bは、第2無線周波数信号を複数のアンテナ素子9それぞれに対応して複数に分配する。
本実施形態において、アンテナ6はアンテナ素子9を6つ備えているので、分配器14a、14bは、アップコンバータ12から与えられる無線周波数信号を6つに分配する。
複数の合成器17は、両分配器14a、14bの後段に設けられている。合成器17は、複数のアンテナ素子9それぞれに対応して複数(6つ)設けられている。各合成器17は、複数の移相器16および複数の可変減衰器15を介して各分配器14に接続されている。
両分配器14a、14bによって分配された無線周波数信号は、可変減衰器15による利得調整、および移相器16による位相調整が行われた後、合成器17に与えられる。
各合成器17には、分配器14a、14bによって分配された無線周波数信号のうち、互いに同一のアンテナ素子に対応して分配された無線周波数信号が与えられる。
各合成器17は、互いに同一のアンテナ素子に対応して分配された無線周波数信号同士を合成するように構成されている。
例えば、図2中、紙面上最も上側に位置する合成器17は、紙面上最も上側に位置するアンテナ素子9に対応して設けられている。この紙面上最も上側に位置する合成器17には、分配器14aにより紙面上最も上側に位置するアンテナ素子9に対応して分配された無線周波数信号と、分配器14bにより紙面上最も上側に位置するアンテナ素子9に対応して分配された無線周波数信号とが与えられる。
このように、各合成器17には、同一のアンテナ素子9に対応する信号同士である、分配器14aからの無線周波数信号と、分配器14bからの無線周波数信号とが与えられる。
各合成器17は、これら同一のアンテナ素子9に対応する無線周波数信号同士を合成し、その合成信号を出力する。
各合成器17が出力する合成信号は、アンテナ6の電力増幅器18に与えられ、当該電力増幅器18によって増幅された後、アンテナ素子9に与えられる。
各アンテナ素子9に与えられた合成信号は、各アンテナ素子9から空間に放射され、無線信号として送信される。
複数の可変減衰器15は、分配器14の後段であって、分配器14と移相器16との間に設けられている。複数の可変減衰器15は、一方の分配器14aと移相器16との間に接続された複数の第1可変減衰器15aと、他方の分配器14bと各合成器17との間に接続された複数の第2可変減衰器15bとを含んでいる。
第1可変減衰器15aおよび第2可変減衰器15bは、いずれも複数のアンテナ素子9それぞれに対応して複数(6つ)設けられている。
複数の第1可変減衰器15aには、一方の分配器14aによって分配された第1無線周波数信号が与えられる。
複数の第1可変減衰器15aは、分配器14aによって分配された第1無線周波数信号それぞれに対して利得調整を行う。
複数の第2可変減衰器15bには、他方の分配器14bによって分配された第2無線周波数信号が与えられる。
複数の第2可変減衰器15bは、分配器14bによって分配された第2無線周波数信号それぞれに対して利得調整を行う。
このように、可変減衰器15は、複数のアンテナ素子9における複数の送信信号(第1無線周波数信号および第2無線周波数信号)ごとに利得調整を行う。
複数の移相器16は、分配器14よりも後段であって、可変減衰器15と合成器17との間に設けられている。複数の移相器16は、第1可変減衰器15aと各合成器17との間に接続された複数の第1移相器16aと、第2可変減衰器15bと各合成器17との間に接続された複数の第2移相器16bとを含んでいる。第1移相器16aおよび第2移相器16bは、いずれも複数のアンテナ素子9それぞれに対応して複数(6つ)設けられている。また、第1移相器16aおよび第2移相器16bは、半導体スイッチによって線路を切り替えるように構成された半導体移相器からなる。
複数の第1移相器16aには、第1可変減衰器15aによって利得調整された第1無線周波数信号が与えられる。
複数の第1移相器16aは、第1可変減衰器15aによって利得調整された第1無線周波数信号それぞれに対して位相調整を行う。これによって、複数の第1移相器16aは、第1無線周波数信号が複数のアンテナ素子9のそれぞれから送信されたときの当該アンテナ素子9のチルト角(指向性)を制御することができる。
複数の第2移相器16bには、第2可変減衰器15bによって利得調整された第2無線周波数信号が与えられる。
複数の第2移相器16bは、第2可変減衰器15bによって利得調整された第2無線周波数信号それぞれに対して位相調整を行う。これによって、複数の第2移相器16bは、第2無線周波数信号が複数のアンテナ素子9のそれぞれから送信されたときの当該アンテナ素子9のチルト角(指向性)を制御することができる。
複数の第1移相器16aおよび複数の第2移相器16bは、第1無線周波数信号を複数のアンテナ素子9から送信する際のチルト角と、第2無線周波数信号を複数のアンテナ素子9から送信する際のチルト角とが互いに異なるように位相調整を行う。
このように、移相器16は、複数のアンテナ素子9における複数の送信信号(第1無線周波数信号及び第2無線周波数信号)ごとのチルト角(指向性)が当該複数の送信信号それぞれに対応するチルト角となるように、複数の送信信号(第1無線周波数信号及び第2無線周波数信号)ごとに位相調整を行う。
以上のように、分配器14aによって分配された第1無線周波数信号と、分配器14bによって分配された第2無線周波数信号とは、それぞれ可変減衰器15による利得調整および移相器16による位相調整が行われた後、各合成器17に与えられる。
各合成器17は、これら同一のアンテナ素子9に対応する第1無線周波数信号および第2無線周波数信号を合成し、合成信号を出力する。
各合成器17が出力する合成信号は、アンテナ6の電力増幅器18により増幅されて各アンテナ素子9に与えられ、各アンテナ素子9から無線信号として送信される。各アンテナ素子9は、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号とを合成した合成信号を送信することによって、第1無線周波数信号と第2無線周波数信号とを送信することができる。
各アンテナ素子9から送信される第1無線周波数信号は、複数の第1移相器16aによるチルト角の制御によって送信される。
また、各アンテナ素子9から送信される第2無線周波数信号は、複数の第2移相器16bによるチルト角を、複数の第1移相器16aによるチルト角とは異なるように制御されて送信される。
これによって、アンテナシステム3は、同一の領域に向けて互いに異なるチルト角で複数の信号を送信信号を送信することができる。
<無線通信装置の制御構成について>
図3は、無線通信装置1の制御構成を示すブロック図である。
無線通信装置1は、複数の可変減衰器15および複数の移相器16をそれぞれ個別に制御する制御部30を備えている。
制御部30は、CPUや記憶部等を含むコンピュータによって構成されており、記憶部に記憶されたプログラム等を読み出して以下に説明する当該制御部30が有する各機能部を実現するとともに各種処理を実行する機能を有している。
制御部30は、ベースバンドユニット2に接続されており、ベースバンドユニット2から各アンテナ素子9のチルト角を変更する制御命令や搬送波周波数を含む制御情報を受ける。
制御部30は、ベースバンドユニット2から受けた制御情報に基づいて、分配器14により分配された複数の無線周波数信号に乗算するウェイト行列を決定する機能を有している。そして、制御部30は、決定されたウェイト行列の各成分を分配器14により分配された複数の無線周波数信号に乗算するために、当該各成分に基づいて対応する可変減衰器15および移相器16を制御する機能を有している。
ベースバンドユニット2から与えられる無線周波数信号をx、アンテナ素子9から放射される送信信号をyとすると、各信号x,yとウェイト行列wとの関係は、下記式(1)のように表される。
y=wHx ・・・(1)
ここで、上付のHは、複素共役転置を表す。
本実施形態のウェイト行列wは、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform;DCT)行列Bに基づいて生成される。このDCT行列Bは、送信信号yの数をNとすると、N行N列(N×N)の行例で表される。DCT行列Bのm行n列の成分Bmnは、下記式(2)及び式(3)のように表される。
ここで、式(2)はn=1の場合、式(3)はn≠1の場合をそれぞれ示す。
ウェイト行列wは、無線周波数信号xの数をMとすると、DCT行列BのN個の行ベクトルのうちから選択して決定されたM個の行ベクトルにより構成されている。すなわち、ウェイト行列wは、M行N列(M×N)の行列で表される。式(1)を行列表現すると、下記式(4)のように表される。
本実施形態では、ベースバンドユニット2から与えられる無線周波数信号の数(M)は2つであり、アンテナ素子9から放射される送信信号の数(N)は6つであるため、式(4)は下記式(5)のように表される。
ここで、xは第1無線周波数信号、xは第2無線周波数信号を表している。
本実施形態のウェイト行列wにおいて、一方のウェイト行ベクトルw1(w11・・・w16)の各成分は、分配器14aにより分配された6つの第1無線周波数信号それぞれに乗算される。すなわち、制御部30は、ウェイト行ベクトルw1(w11・・・w16)の各成分に基づいて、対応する可変減衰器15aおよび移相器16aを制御する。
例えば、制御部30は、図3中、紙面上最も上側に分配された第1無線周波数信号には、ウェイト行ベクトルw1(w11・・・w16)の一の成分w11を乗算するために、紙面上最も上側に位置する可変減衰器15aおよび移相器16aを成分w11に基づいて制御する。
また、本実施形態のウェイト行列wにおいて、他方のウェイト行ベクトルw2(w21・・・w26)の各成分は、分配器14bにより分配された6つの第2無線周波数信号それぞれに乗算される。すなわち、制御部30は、ウェイト行ベクトルw2(w21・・・w26)の各成分に基づいて、対応する可変減衰器15bおよび移相器16bを制御する。
例えば、制御部30は、図3中、紙面上最も下側に分配された第2無線周波数信号には、ウェイト行ベクトルw2(w21・・・w26)の一の成分w26を乗算するために、紙面上最も下側に位置する可変減衰器15bおよび移相器16bを成分w26に基づいて制御する。
ウェイト行列wのウェイト行ベクトルw1(w11・・・w16)とウェイト行ベクトルw2(w21・・・w26)とは互いに直交している。すなわち、制御部30は、2つのウェイト行ベクトルw1,w2同士が互いに直交するように、複数の可変減衰器15および複数の移相器16を制御している。ここで、「直交している」とは、2つのウェイト行ベクトルw1,w2の相互相関の和が0になることを意味する。
なお、本実施形態のウェイト行列wは、ウェイト行ベクトルを無線周波数信号に乗算するように設定されているが、ウェイト列ベクトルを乗算するように設定されていても良い。
<ウェイト行列の決定について>
図3において、制御部30は、ウェイト行列wの各ウェイト行ベクトルw1,w2の候補として複数のウェイト候補を選択する選択部31と、選択されたウェイト候補のうちからウェイト行ベクトルw1,w2を決定する決定部32とを有している。
選択部31は、記憶部に予め記憶されている複数のウェイト候補(ここではウェイト行ベクトル)のうちから、ウェイト行列wのウェイト行ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を選択する機能を有している。その際、選択部31は、ベースバンドユニット2から受けた制御情報に含まれる領域(セルC)へのビームのチルト角に基づいてウェイト候補を選択する。
本実施形態では、アンテナ素子9のチルト角が真上方向から真下方向までの180度の角度範囲に対応する、離散コサイン変換行列BのN個(6つ)の行ベクトルが、ウェイト候補として記憶部に予め記憶されている。選択部31は、これら16個のウェイト候補のうちから、領域(セルC)へのビームのチルト角に近い角度範囲に対応するウェイト候補に絞り込んで選択する。その際、選択部31は、ウェイト行列wのウェイト行ベクトルの数(2個)よりも多い数となるように3個以上のウェイト候補を選択する。
なお、記憶部に記憶されている全てのウェイト候補は、互いに直交するように下記式(6)の関係を満たしている。
制御部30の決定部32は、選択部31で選択された複数のウェイト候補のうちから、所望の通信品質を満たすウェイト候補を、ウェイト行列wの各ウェイト行ベクトルw1,w2として決定する機能を有している。
具体的には、決定部32は、まず選択された複数のウェイト候補のうちから、任意の2個のウェイト候補を2つのウェイト行ベクトルw1,w2として実際に無線通信を行うことによって、その通信品質を判定する。
通信品質の判定は、選択された複数のウェイト候補のうち2個一組として組み合わせ可能な全ての組について繰り返し行われる。
そして、決定部32は、最も所望の通信品質を満たす一組をウェイト行ベクトルw1,w2として決定する。
図4は、制御部30が実行するウェイト行列wの決定手順を示すフローチャートである。
まず、制御部30の選択部31は、第1無線周波数信号および第2無線周波数信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルw1,w2の候補として、離散コサイン変換行列BのN個の行ベクトルから、ウェイト行ベクトルw1,w2の数よりも多いk個のウェイト候補を、ビームのチルト角に基づいて選択する(ステップS1、選択ステップ)。
次に、制御部30の決定部32は、初期設定として、変数i=1に設定した後(ステップS2)、変数j=i+1に設定する(ステップS3)。そして、決定部32は、選択されたウェイト候補のうちから2個一組のウェイト候補であるウェイト行ベクトルwi,wjを仮のウェイト行ベクトルw1,w2としてセットする(ステップS4)。
次に、決定部32は、ウェイト行ベクトルwi,wjに基づいて、対応する可変減衰器15および移相器16を制御し、実際に無線通信を行って通信品質を判定する(ステップS5)。その後、決定部32は、変数j=kであるか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6の判定結果が否定的である場合、決定部32は、変数j=j+1に設定した後(ステップS7)、ステップS4に戻る。
一方、ステップS6の判定結果が肯定的である場合、決定部32は、変数i=i+1に設定した後(ステップS8)、変数i=kであるか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9の判定結果が否定的である場合、決定部32はステップS3に戻る。
一方、ステップS9の判定結果が肯定的である場合、すなわち、選択されたk個のウェイト候補のうち2個一組として組み合わせ可能な全ての組についての通信品質の判定が終了すると、決定部32は、最も所望の通信品質を満たすウェイト候補の組を、ウェイト行列wのウェイト行ベクトルw1,w2として決定する(ステップS10、決定ステップ)。
<変形例について>
本実施形態のウェイト行列wは、DCT行列に基づいて生成されているが、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform;DFT)行列に基づいて生成されていても良い。この場合、DFT行列B’のm行n列の成分B’mnは、下記式(7)のように表される。
ここで、jは虚数単位である。
このように、ウェイト行例wをDFT行列B’に基づいて生成した場合、制御部30は利得調整を行う必要がないので、可変減衰器15(図2参照)が不要になる。このため、DCT行列Bに基づいてウェイト行例wを生成する場合に比べて、電力損失の低下を抑えることができる。
また、ウェイト行列wは、DCT行列やDFT行列以外に、アダマール(Hadamard)変換行列に基づいて生成されていても良い。この場合、アダマール変換行列Hは、DCT行列Bと同様に、N行N列(N×N)の行例であり、下記式(8)のように表される。
ここで、Hは「1」と「−1」を成分とする2行2列の行列であり、kは2以上の整数である。
このように、ウェイト行例wをアダマール変換行列Hに基づいて生成した場合、当該行列Hの成分は「1」と「−1」だけになるので位相調整等を容易に行うことができる。このため、複数の送信信号それぞれにウェイト行列wの対応する成分を乗算する機能の実装が簡単になる。
なお、ウェイト行列wは、DCT行列、DFT行列及びアダマール変換行列以外の他の行列に基づいて生成されていても良い。
<アンテナ性能について>
図5は、ウェイト行列をDFT行列に基づいて生成した場合におけるアンテナの垂直面指向性を示す図である。また、図6は、ウェイト行列をDCT行列に基づいて生成した場合におけるアンテナの垂直面指向性を示す図である。
なお、図5及び図6に示す両アンテナでは、4つの送信信号を送信した場合の垂直面指向性を示しており、各送信信号の垂直面指向性は、線種を、太実線、点線、細実線及び破線に分けて表示している。
図5に示すように、ウェイト行列をDFT行列に基づいて生成した場合におけるアンテナの垂直面指向性では、4つのメインビームのうち隣り合うビーム同士の図中の左右方向に重なり合う部分が小さい。このため、移動端末は、その受信位置によって特定の送信信号だけを強く受信することが分かる。
これに対して、図6に示すように、ウェイト行列をDCT行列に基づいて生成した場合におけるアンテナの垂直面指向性では、図5に示す垂直面指向性に比べて、4つのメインビームのうち隣り合うビーム同士の図中の左右方向に重なり合う部分が大きい。このため、移動端末は、一のアンテナから送信された4つの送信信号をバランス良く受信できるのが分かる。
<効果について>
以上、本実施形態の無線通信装置1によれば、ベースバンドユニット2で生成された同一の領域向けの複数の送信信号それぞれを、一のアンテナ6が有する複数のアンテナ素子9それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれにウェイト行列を乗算して各アンテナ素子9に対応する送信信号同士を合成することになる。このため、同一の領域向けの複数の送信信号を、一のアンテナ6を共用して送信することができる。この結果、同一の領域向けの複数の送信信号を、その送信信号の数よりも少ない数のアンテナ6により送信することができる。
また、複数のデジタルアナログ変換器11は、複数の分配器14の前段に設けられることになる。このため、当該デジタルアナログ変換器11を、同一の領域向けの複数の送信信号それぞれに対応して設ければよく、複数のアンテナ素子9ごとにデジタルアナログ変換器11を設ける場合よりもデジタルアナログ変換器11の数を減らすことができる。この結果、低コスト化が可能となる。
また、移相器16は電力増幅器18よりも前段に設けられるため、移相器16には増幅前の送信信号が与えられる。増幅前の送信信号は、増幅後の送信信号と比較してより低い電力であるため、取り扱うことが可能な信号電力の値が比較的低い半導体移相器を用いた移相器16を構成することができる。これにより、より小型で低コストな移相器16を用いることが可能となり、より低コストとすることができるとともに小型化も可能となる。
また、ウェイト行列wにおいて、ベースバンドユニット2で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルw1,w2同士が互いに直交しているため、同一の領域向けの複数の送信信号の相互相関を小さくすることができる。
また、ウェイト行列wは、DCT行列Bに基づいて生成されるので、移動端末は一のアンテナ6から送信された複数の送信信号をバランス良く受信することができる。これにより、移動端末が複数の送信信号を受信したときに送信信号間の電力はばらつかないため、DFT行列に基づいてウェイト行例wを生成する場合に比べてMIMO通信の効果を発揮しやすくなる。
また、制御部30の選択部31において、ベースバンドユニット2で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルw1,w2の候補となる多数のウェイト候補を、領域へのビームのチルト角に基づいて選択するため、これらのウェイト候補を容易かつ迅速に絞り込みことができる。また、離散コサイン変換行列Bの行ベクトルは、選択部31が選択するウェイト候補とされているので、DCT行列Bに基づいてウェイト行列wを容易に生成することができる。さらに、制御部30の決定部32において、多数のウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補をウェイト行ベクトルw1,w2として決定するため、所望の通信品質を得ることができる。
<第2実施形態について>
図7は、本発明の第2実施形態に係る無線通信装置1が備えるアンテナシステム3の送信側の構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるアンテナシステム3は、送信信号の分配、位相調整および合成等の信号処理をアナログ信号処理によって行うように構成されたパッシブアンテナシステムからなる。すなわち、本実施形態のアンテナシステム3は、電力増幅器18がアンテナ6よりも前段側に設けられている点で、第1実施形態のアンテナシステム3と相違している。
図7において、本実施形態の電力増幅器18は、アナログ信号処理部7のアップコンバータ12(12a,12b)と分配器14(14a,14b)との間に設けられている。
アップコンバータ12(12a、12b)は、第1送信ベースバンド信号を周波数変換することにより得た第1無線周波数信号、および第2送信ベースバンド信号を周波数変換することにより得た第2無線周波数信号を電力増幅器18に与える。
電力増幅器18は、一対のデジタルアナログ変換器11それぞれに対応して一対設けられている。一方の電力増幅器18aには、アップコンバータ12aから第1無線周波数信号が与えられ、他方の電力増幅器18bには、アップコンバータ12bから第2無線周波数信号が与えられる。電力増幅器18aは、第1無線周波数信号を増幅して分配器14bに与える。また、電力増幅器18bは、第2無線周波数信号を増幅して分配器14bに与える。
なお、電力増幅器18は、アナログ信号処理部7に含まれているが、アナログ信号処理部7とアンテナ6との間、すなわち複数の合成器17それぞれと対応する複数のアンテナ素子9との間に設けられていても良い。
本実施形態のアンテナ6は、複数のアンテナ素子9のみによって構成されている。各アンテナ素子9には、対応する合成器17で合成された合成信号が与えられる。
各アンテナ素子9に与えられた合成信号は、各アンテナ素子9から空間に放射され、無線信号として送信される。
本実施形態のアンテナシステム3は、アナログ信号処理部7の分配器14と合成器17との間の構成が異なる点でも、第1実施形態のアンテナシステム3と相違している。
本実施形態のアナログ信号処理部7は、両分配器14a、14bによって分配された複数の無線周波数信号それぞれにウェイト行列wの対応する各成分を乗算するためにバトラーマトリックス回路21を有している。このバトラーマトリックス回路21により、ウェイト行列wはDFT行列とされている。
図8は、バトラーマトリックス回路21の構成の一例を示すブロック図である。なお、図8では、4つの無線周波数信号について位相調整を行う一般的なバトラーマトリックス回路を例示している。
バトラーマトリックス回路21は、4つの90度ハイブリッド22〜25と、2つの−45度移相器26,27とを備えている。
90度ハイブリッド22には一対の入力端子28A,28Bが接続され、90度ハイブリッド23には一対の入力端子28C,28Dが接続されている。入力端子28A〜28Dは、対応する分配器14(図7参照)に接続されている。
また、90度ハイブリッド24には一対の出力端子29B,29Bが接続され、90度ハイブリッド25には一対の出力端子29C,29Dが接続されている。出力端子29A〜29Dは、対応する合成器17(図7参照)に接続されている。
90度ハイブリッド22の出力の一方は、−45度移相器26を介して90度ハイブリッド24に接続され、出力の他方は90度ハイブリッド25に接続されている。
90度ハイブリッド23の出力の一方は、−45度移相器27を介して90度ハイブリッド25に接続され、出力の他方は90度ハイブリッド24に接続されている。
以上の構成により、各入力端子28A〜28Dに入力された無線周波数信号は、互いに異なる位相に調整されて出力端子29A〜29Dから出力される。
本実施形態のその他の点については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態のウェイト行列wは、DFT行列以外に、DCT行列やアダマール変換行列等に基づいて生成されていても良い。
以上、本実施形態の無線通信装置1によれば、複数のデジタルアナログ変換器11は、複数の分配器14よりも前段側に設けられることになる。このため、当該デジタルアナログ変換器11を、同一の領域向けの複数の送信信号それぞれに対応して設ければよく、複数のアンテナ素子9ごとにデジタルアナログ変換器11を設ける場合よりもデジタルアナログ変換器11の数を減らすことができる。この結果、低コスト化が可能となる。
<第3実施形態について>
図9は、本発明の第3実施形態に係る無線通信装置1が備えるアンテナシステム3の送信側の構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるアンテナシステム3は、送信信号の分配、位相調整および合成等の信号処理をデジタル信号処理によって行うように構成されたアクティブアンテナシステムからなる。
図9において、本実施形態のデジタル信号処理部10は、ベースバンドユニット2から与えられる複数の送信信号それぞれを複数のアンテナ素子9それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれにウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子9に対応する送信信号同士を合成する信号処理部として機能する。
具体的には、デジタル信号処理部10は、ベースバンドユニット2から与えられる第1送信ベースバンド信号および第2送信ベースバンド信号を、それぞれ6つのアンテナ素子9に対応して6つに分配する。
デジタル信号処理部10は、分配した第1送信ベースバンド信号それぞれに対して利得調整および位相調整を行うとともに、分配した第2送信ベースバンド信号それぞれに対して利得調整および位相調整を行う。
さらに、デジタル信号処理部10は、利得調整と位相調整を行った第1送信ベースバンド信号および第2送信ベースバンド信号のうち、互いに同一のアンテナ素子9に対応して分配された送信ベースバンド信号同士を合成し、これらの合成信号をアナログ信号処理部7に与える。
本実施形態のアナログ信号処理部7は、複数のデジタルアナログ変換器11と、複数のアップコンバータ12とを備えている。
デジタルアナログ変換器11は、6つのアンテナ素子9それぞれに対応して6つ設けられている。各デジタルアナログ変換器11は、対応するデジタル信号の合成信号をアナログ信号に変換する機能を有している。各デジタルアナログ変換器11は、アナログ信号に変換した合成信号をアップコンバータ12に与える。
アップコンバータ12は、6つのアンテナ素子9それぞれに対応して6つ設けられている。各アップコンバータ12は、発振器13が生成する無線周波数のローカル信号を対応する合成信号に乗算することで合成信号を無線周波数の信号(第1無線周波数信号)に変換(アップコンバート)する機能を有している。
各アップコンバータ12は、対応する合成信号を周波数変換することにより得た無線周波数信号をアンテナ6の対応する電力増幅器18に与える。
アンテナ6の電力増幅器18は、6つのアンテナ素子9それぞれに対応して6つ設けられている。各電力増幅器18は、無線周波数信号を増幅して対応するアンテナ素子9に与える。各アンテナ素子9に与えられた無線周波数信号は、各アンテナ素子9から空間に放射され、無線信号として送信される。
図10は、本実施形態の無線通信装置1の制御構成を示すブロック図である。
本実施形態の制御部30は、ベースバンドユニット2から受けた制御情報に基づいて、デジタル信号処理部10において分配された複数の送信ベースバンド信号に乗算するウェイト行列を決定する機能を有している。そして、制御部30は、決定されたウェイト行列の各成分に基づいて、対応する送信ベースバンド信号の利得調整および移相調整を行うようにデジタル信号処理部10を制御する機能を有している。その他の点については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態のウェイト行列wは、DCT行列以外に、DFT行列やアダマール変換行列等に基づいて生成されていても良い。
以上、本実施形態の無線通信装置1によれば、ベースバンドユニット2で生成された送信信号の分配から合成までの信号処理をデジタル信号処理によって行うことができるため、当該信号処理をアナログ信号処理によって行う場合と比較して高度な通信制御を行うことができる。
<第4実施形態について>
図11は、本発明の第4実施形態に係る無線通信装置1が備えるアンテナシステム3の送信側の構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるアンテナシステム3は、第3実施形態のアンテナシステム3の変形例であり、送信信号の分配、位相調整および合成等の信号処理をデジタル信号処理によって行うように構成されたパッシブアンテナシステムからなる。
すなわち、本実施形態のアンテナシステム3は、電力増幅器18がアンテナ6よりも前段側であるアナログ信号処理部7に含まれている点で、第3実施形態のアンテナシステム3と相違している。したがって、本実施形態のアンテナ6は、複数のアンテナ素子9のみによって構成されている。その他の点については、第3実施形態と同様である。
なお、本実施形態のアナログ信号処理部7は、デジタルアナログ変換器11とアップコンバータ12と電力増幅器18とにより構成されているが、少なくともデジタルアナログ変換器11とアップコンバータ12とを含んでいれば良い。また、本実施形態のウェイト行列wは、DCT行列以外に、DFT行列やアダマール変換行列等に基づいて生成されていても良い。
以上、本実施形態の無線通信装置1においても、ベースバンドユニット2で生成された送信信号の分配から合成までの信号処理をデジタル信号処理によって行うことができるため、当該信号処理をアナログ信号処理によって行う場合と比較して高度な通信制御を行うことができる。
<その他>
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 無線通信装置
2 ベースバンドユニット(ベースバンド部)
3 アンテナシステム
4 信号伝送路
5 支柱
6 アンテナ
7 アナログ信号処理部
9 アンテナ素子
10 デジタル信号処理部
11 デジタルアナログ変換器
11a デジタルアナログ変換器
11b デジタルアナログ変換器
12 アップコンバータ
12a アップコンバータ
12b アップコンバータ
13 発振器
14 分配器
14a 分配器
14b 分配器
15 可変減衰器
15a 第1可変減衰器
15b 第2可変減衰器
16 移相器
16a 第1移相器
16b 第2移相器
17 合成器
18 電力増幅器
21 バトラーマトリックス回路
22 90度ハイブリッド
23 90度ハイブリッド
24 90度ハイブリッド
25 90度ハイブリッド
26 −45度移相器
27 −45度移相器
28A 入力端子
28B 入力端子
28C 入力端子
28D 入力端子
29A 出力端子
29B 出力端子
29C 出力端子
29D 出力端子
30 制御部
31 選択部
32 決定部
C セル(領域)

Claims (9)

  1. 同一の領域向けの複数の送信信号を生成するベースバンド部と、
    複数のアンテナ素子を有するアンテナと、
    前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数の送信信号それぞれにウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する信号処理部と、
    前記ウェイト行列における、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補として、前記アンテナ素子のチルト角に対応する複数のウェイト候補から、前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を、前記アンテナ素子から前記領域へのビームのチルト角に基づいて選択する選択部と、
    前記選択部で選択されたウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補を前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定する決定部と、
    を備えている無線通信装置。
  2. 前記信号処理部は、
    前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれをアナログの送信信号に変換する複数のデジタルアナログ変換器と、
    変換された送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配する複数の分配器と、
    分配された送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分に基づいて位相調整を行う複数の移相器と、
    位相調整された送信信号のうち、各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する複数の合成器と、を有し、
    前記アンテナは、前記合成器で合成された送信信号それぞれを増幅して対応する前記アンテナ素子に与える複数の増幅器をさらに有する請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記信号処理部は、
    前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれをアナログの送信信号に変換する複数のデジタルアナログ変換器と、
    変換された送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配する複数の分配器と、
    分配された送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分に基づいて位相調整を行う複数の移相器と、
    位相調整された送信信号のうち、各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成する複数の合成器と、を有し、
    前記アンテナよりも前段側に設けられ、複数の送信信号それぞれを増幅する複数の増幅器をさらに備えている請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記信号処理部は、前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数のデジタルの送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成するデジタル信号処理部であり、
    前記アンテナは、前記デジタル信号処理部で合成された送信信号それぞれを増幅して対応する前記アンテナ素子に与える複数の増幅器をさらに有する請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記信号処理部は、前記ベースバンド部で生成された複数のデジタルの送信信号それぞれを前記複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配された複数のデジタルの送信信号それぞれに前記ウェイト行列の対応する成分を乗算した後に各アンテナ素子に対応する送信信号同士を合成するデジタル信号処理部であり、
    前記アンテナよりも前段側に設けられ、複数の送信信号それぞれを増幅する複数の増幅器をさらに備えている請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 前記ウェイト行列において、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトル同士またはウェイト列ベクトル同士が互いに直交している請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  7. 前記ウェイト行列は、離散コサイン変換行列に基づいて生成されるものである請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 前記離散コサイン変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルは、前記選択部が選択する前記ウェイト候補とされている請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 無線通信装置のベースバンド部で生成された同一の領域向けの複数の送信信号それぞれを、前記無線通信装置の複数のアンテナ素子それぞれに対応して分配し、分配した複数の送信信号に乗算するウェイト行列を前記無線通信装置で決定するウェイト行列の決定方法であって、
    前記ウェイト行列における、前記ベースバンド部で生成された複数の送信信号それぞれに対応するウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの候補として、前記アンテナ素子のチルト角に対応する複数のウェイト候補から、前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルの数よりも多い数のウェイト候補を、前記アンテナ素子から前記領域へのビームのチルト角に基づいて選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択されたウェイト候補のうちから所望の通信品質を満たすウェイト候補を前記ウェイト行ベクトルまたはウェイト列ベクトルとして決定する決定ステップと、を含むウェイト行列の決定方法。
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