JP5429167B2 - 無線通信システムの制御方法、無線通信システム、送信装置、及び受信装置 - Google Patents

無線通信システムの制御方法、無線通信システム、送信装置、及び受信装置 Download PDF

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Description

本発明は、通信品質に基づいて設定される無線ビームを利用して無線通信を行う無線通信の技術分野に関する。
近年、広帯域なミリ波(30GHz〜300GHz)を用いた無線装置の利用が広がりつつある。ミリ波無線技術は、特に、高精細画像の無線伝送やギガビット級の高速データ無線通信への応用が期待されている(例えば、非特許文献1及び2を参照)。
しかしながら、周波数が高いミリ波には直進性が強い性質があり、室内での無線伝送を想定した場合には課題がある。ミリ波は、直進性が強い上に、人体等により信号減衰が顕著である。このため、室内などで送信機と受信機の間に人が介在した場合、見通し外となって伝送が困難になってしまう(シャドウイングの問題)。この問題は、周波数が高くなって電波の直進性が強くなり、伝搬環境が変わってきた結果によるものであるため、ミリ波帯(30GHz以上)に限らない。その変り目の周波数を明示することは容易でないが、およそ10GHz前後といわれている。一方、国際電気通信連合の勧告("Propagation data and prediction methods for the planning of indoor radio communication systems and radio local area networks in the frequency range 900 MHz to 100 GHz," ITU-R, P.1238-3, 2003年4月)によれば、伝搬時の距離に対する電波の減衰量を表す電力損失係数(power loss coefficients)は、オフィス内では0.9〜5.2GHzにおいて28〜32であるのに対し、60GHzにおいては22となっている。自由空間損失の場合は20であるから、60GHz程度の高い周波数では散乱や回折などの影響が少ないものと考えられる。
上述したような課題を解決するために、例えば、受信装置に複数の受信部を設置することにより複数の伝送路を設け、送信装置と受信部との間の伝送路うち一方の伝送路が遮蔽された場合に、もう一方の伝送路で伝送を継続するシステムが特許文献1に記載されている。また、別の解決方法として、反射体を壁や天井に設置し、いくつかの伝送路を確保することも考案され、特許文献2に記載されている。
特許文献1に記載された方法は、送信装置の近傍が遮蔽された場合や、複数設置された受信部が全て遮蔽された場合には、通信の継続が困難となる。また、特許文献2に記載された方法では、送信機と受信機の配置を考えて反射体を設置する必要があるなど、ユーザーに対して格別の配慮を要請しなければならなかった。
ところが、最近になって、ミリ波の伝搬特性が調べられ、意図的に反射体を設置しなくても反射波を利用できる可能性が見出された。図9は、ミリ波帯を用いる通信システムの概要図である。図9に示す送信機91及び受信機92は共に広角アンテナを有する。図10は、図9に示した広角アンテナを用いたシステムの室内における遅延プロファイルの例を示す図である。図9に示した広角アンテナを用いたシステムにおいては、図10に示すように、最初に到来する主波の受信電力が1番大きい。その後、第2波、第3波等の遅延波が到来するが、これらの受信電力は主波に比べて小さい。これら第2波や第3波は、天井や壁からの反射波である。この状況は、例えば無線LAN(Local Area Network)で使用される2.4GHz帯のような直進性が弱い電波の伝搬環境とは著しく異なる。2.4GHzでは回折の効果と多重反射によって、電波の到来方向を明確に分離することが困難である。一方、直進性が強いミリ波では、電波の到来方向が比較的明確であるが、遅延波の数は限られており、遅延波の受信レベルは相対的に小さい。
したがって、ミリ波等の概ね10GHz以上の周波数帯域を使用する通信システムでは、直接波(主波)が遮蔽された場合に、反射波を利用して伝送を継続させるためには、受信機が、指向性利得の高い狭ビームを反射波の到来方向へ向け、受信レベルを確保しなければならない。ただし、遮蔽の有無や、送信機と受信機の相対位置などについてユーザーの格別な配慮を不要とするためには、狭ビームの方向を動的に制御するビームフォーミングの技術が必須となる。
ビームフォーミングにおいては、アンテナアレイを構成する必要がある。波長が短いミリ波(例えば、周波数60GHzでは5mm)では、アンテナアレイを小エリアで実現できる。このようなミリ波通信用のアンテナアレイに供する移相器アレイや発振器アレイが開発されている(例えば、非特許文献3及び4を参照)。
特開2006−245986号公報 特開2000−165959号公報 米国特許出願公開第2007/0205943号明細書
K. Maruhashi他 、「60-GHz-band LTCC Module Technology for Wireless Gigabit Transceiver Applications」、IEEE International Workshop on Radio-Frequency Integration Technology, Digest, pp.131-134, Dec, 2005. K. Ohata他、「1.25Gbps Wireless Gigabit Ethernet Link at 60 GHz -Band」、IEEE MTT-S International Microwave Symposium, Digest, pp. 373-376, June 2003. J. F. Buckwalter他、「An Injected Subharmonic Coupled-Oscillator Scheme for a 60- GHz Phased-Array Transmitter」、IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, Vol.12, pp.4271-4280, Dec. 2006. S. Alausi他、「A 60 GHz Phased Array in CMOS」、IEEE 2006 Custom Integrated Circuits Conference, Digest, pp.393-396, San Jose, Sept. 2006.
室内でのミリ波通信システムにおいて、直接波が遮蔽された際に反射波で無線伝送を継続する場合には、以下の問題が生じる。
使用する波(直接波、反射波)を切り替える際、伝送断の時間を短くすることが望ましい。伝送断時間の短縮は、例えばリアルタイム性が要求される非圧縮画像伝送などで特に強い要求となる。一方、反射波を利用して通信を行なうためには、受信強度を高めるためにアンテナビーム幅を狭くしてアンテナの指向性利得を高くする必要がある。
ところが、ビーム幅が狭ければ狭いほど探索すべき方向の数(ステップ)が増える。このため、到来波を効果的に受信可能なビーム方向を探索して設定するための時間がかかり、伝送断の時間が長くなってしまう。なお、受信データをバッファリングできる装置であっても、長時間の伝送断に対処するためには、非常に大きなバッファメモリが必要となり実用上好ましくない。そこで、直接波が遮蔽された際に反射波で無線伝送を継続する場合に、伝送断の時間を短くできるビーム方向の設定方法が強く望まれていた。
図4は、ビームフォーミングで用いる装置構成を示している。ただし、動作の説明に不要な回路に関しては図示を省略している。送信機401は、m個のアンテナ素子405−1〜mを含む送信アンテナアレイを有する。受信機402は、n個のアンテナ素子411−1〜nを含む受信アンテナアレイを有する。送信機401が有する送信回路403は、外部から送信データを入力する。送信回路403の出力はm分岐され、それぞれ振幅・位相可変回路404−1〜mに入力される。振幅・位相可変回路404−1〜mに入力された各々の信号は、その位相が変えられ、最終的にはアンテナ素子405−1〜mからなる送信アンテナアレイを通して出力される。また処理・演算回路406は、制御回路407を通して、振幅・位相可変回路404−1〜mの位相組合せを指示する。各信号に与えられる位相変化によって、送信機401から発射されるビームの方向、幅などを制御することが可能となる。一方受信機402では送信機401と逆の構成がとられている。すなわち、アンテナ素子411−1〜nからなる受信アンテナアレイによって受信された信号は、振幅・位相可変回路410−1〜nで位相が調整されてから合成される。受信回路409は、合成後の信号を復調し、外部に受信データを出力する。送信機401における処理・演算回路406と同様に、処理・演算回路412は、各振幅・位相可変回路410−1〜nで各信号に与えられる振幅・位相を制御する。なお振幅・位相可変回路は、通過する信号の振幅および位相を制御するものである。
図5は、図4に示す送信機401及び受信機402の信号の状態を説明するための概念図である。送信機401と受信機402は、MIMO(Multi-Input Multi-Output)のチャネル応答行列で結ばれる。このチャネル応答行列が求まれば、特異値分解(SVD: Singular-Value Decomposition)を用いて、最もよい送受信機のアンテナアレイに適用する信号の振幅と位相の設定(以下、アンテナ重みベクトル)が求まることが知られている。しかし一方では、SVDは複雑で処理時間が長いため、例えば、リアルタイム性が要求される非圧縮画像伝送装置に実装することは実質的に困難である。
送信機及び受信機に適用されるアンテナ重みベクトルの決定に要する時間を短縮するため、例えば特許文献3には、ユニタリ行列(例えばアダマール行列)をアンテナアレイの位相として加え、送信機のアンテナアレイのトレーニングと、受信機のアンテナアレイのトレーニングを繰り返し、最も信号強度が強くなる最適位相を求める方法が開示されている。この方法は、SVDに比べ時間が短縮できるものの、送受信の切り替えを繰り返し行うために、最適なアンテナ重みベクトルを求めるにはなお時間がかかっていた。
特に、既にリンクが確立された後に伝送断が発生した際に必要となる再リンク確立には、初期にリンクを確立する場合に比べて、別の最適なアンテナ重みベクトルの速い探索が必要である。またマルチポイント通信の場合にも、複数のリンクの再確立が必要となるため、最適なアンテナ重みベクトルの早い探索が必要である。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであって、ビームフォーミングを行って無線通信を行う場合に、ビーム方向の探索や設定にかかる時間を短縮し、伝送断が生じる時間を短くすることができる無線制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる方法は、送信アンテナアレイを備えた送信機と、受信アンテナアレイを備えた受信機とを含む無線通信システムの制御方法である。当該制御方法は、前記送信アンテナアレイをなす複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子から送信される信号の振幅と位相とを独立に制御すると共に、前記受信アンテナアレイをなす複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子で受信される信号の振幅と位相とを独立に制御するに際して行われる以下の処理(a)〜(d)を含む。
(a)少なくとも前記送信機と前記受信機との間において最適なアンテナアレイの信号位相を得るためのトレーニング処理を行ってチャネル応答行列を求めること;
(b)前記チャネル応答行列を相関行列と固有値とに分解する特異値分解処理を行うこと;
(c)前記特異値分解処理で得られた複数の固有値の平方根を要素とする対角行列を求めること;及び
(d)前記対角行列に含まれる各々の対角成分のうち1つを残して他をゼロに置き換えると共に、置き換え後の対角行列を用いて再構成されたチャネル応答行列に基づいて、前記送信機と前記受信機との間の無線通信に利用する通信品質が最適なアンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを求めること。
本発明の第2の態様にかかる無線通信システムは、送信機及び受信機を含む。前記送信機は、複数の送信アンテナ素子を含む送信アンテナアレイを有し、前記複数の送信アンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子から送信される送信信号の振幅および位相を独立に制御するよう構成されている。また、前記受信機は、複数の受信アンテナ素子を含む受信アンテナアレイを有し、前記複数の受信アンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子で受信される受信信号の振幅および位相を独立に制御するよう構成されている。
前記送信機および受信機は、前記送信及び受信アンテナアレイの振幅・位相の制御処理を協調して行うよう構成されている。ここで、前記振幅・位相の制御処理は、以下の(a)〜(e)を含む。
(a)前記送信機と前記受信機との間でトレーニングを行ってチャネル応答行列を求めること;
(b)前記チャネル応答行列を相関行列と固有値とに分解する特異値分解を行うこと;
(c)前記特異値分解で得られた複数の固有値の平方根を要素とする対角行列を求めること;
(d)前記対角行列に含まれる各々の対角成分のうち1つを残して他をゼロに置き換えることにより得られる置き換え後の対角行列を用いて再構成されたチャネル応答行列に基づいて、前記送信機と前記受信機との間の無線通信に利用する通信品質が最適なアンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを求めること;および
(e)前記アンテナ重みベクトルに従って前記送信および受信信号の振幅および位相を制御すること。
本発明の第3の態様にかかる送信装置は、送信アンテナアレイ及び制御部を含む。前記送信アンテナアレイは、複数のアンテナ素子を含む。また、前記制御部は、前記複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子から送信される信号の振幅および位相を制御することによって、前記送信アンテナアレイのビーム方向を変更する。
さらに、前記制御部は、複数のアンテナ重みベクトルの中から選択された1つを前記送信アンテナアレイに供給して前記ビーム方向を調整するとともに、受信装置との間の通信品質の劣化に応じて、前記送信アンテナアレイに供給されるアンテナ重みベクトルを前記複数のアンテナ重みベクトルの中の他の1つに切り替える制御を行う。ここで、前記複数のアンテナ重みベクトルの各々は、前記送信装置と前記受信装置との間の無線伝送路に関するチャネル応答行列の特異値展開を行なうことによって得られる前記無線伝送路の複数の固有パスのいずれかに対応する。
本発明の第4の態様にかかる受信装置は、受信アンテナアレイ及び制御部を含む。前記受信アンテナアレイは、複数のアンテナ素子を含む。また、前記制御部は、前記複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子によって受信される信号の振幅および位相を制御することによって、前記受信アンテナアレイのビーム方向を変更する。
さらに、前記制御部は、複数のアンテナ重みベクトルの中から選択された1つを前記受信アンテナアレイに供給して前記ビーム方向を調整するとともに、前記送信装置との間の通信品質の劣化に応じて、前記受信アンテナアレイに供給される位相組合せを前記複数の位相組合せの中の他の1つに切り替える制御を行う。ここで、前記複数のアンテナ重みベクトルの各々は、前記送信装置と前記受信装置との間の無線伝送路に関するチャネル応答行列の特異値展開を行なうことによって得られる前記無線伝送路の複数の固有パスのいずれかに対応する。
上述した本発明の各態様によれば、ビームフォーミングを行って無線通信を行う場合に、通信品質が良いビーム方向を短時間で探索および設定することが可能になる。
本発明の第1の実施の形態に係る無線制御手順における遷移を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る無線制御手順における遷移を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る無線制御手順における遷移を示す図である。 本発明を適用可能な、ビームフォーミングで用いる装置構成を例示した図である。 送信機と受信機との間における無線信号の状態を説明するための概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線制御手順において無線通信を行うまでの送信機と受信機の動作を示したシーケンス図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線制御手順において、無線通信の遮蔽があった場合の送信機と受信機の動作を示したシーケンス図である。 本発明の第1の実施の形態に係る無線制御手順において、無線信号の局所的な反射に起因して伝搬路ができた場合の電波伝搬の様子を説明する図である(遮蔽のない場合)。 本発明の第1の実施の形態に係る無線制御手順において、無線信号の局所的な反射に起因して伝搬路ができた場合の電波伝搬の様子を説明する図である(人体による遮蔽がおきた場合)。 広角アンテナを用いたシステムの構成を示す図である。 広角アンテナを用いたシステムの室内における遅延プロファイルの例である。
<第1の実施の形態>
本発明における第1の実施の形態を、図1に示した遷移図を用いて説明する。なお本実施の形態にかかる無線通信システムの構成は、図4に示したものと同様とすればよい。S12では、送信機401及び受信機402は、これらに設けられた振幅・位相可変回路404−1〜m及び410−1〜nを最適化するための初期トレーニングを行う。S13では、処理・演算回路406若しくは412又はこれら2つの回路が協働して、複数のアンテナ重みベクトル候補を計算する。S13における複数のアンテナ重みベクトルの計算方法については後述する。得られた複数のアンテナ重みベクトル候補は、記憶回路408及び414にデータ列として記録される。
S14では、S13で得られた複数の位相合せ候補の中から1つを選択して通信を行う。このとき、通信品質が最良になると期待されるアンテナ重みベクトル候補を選択するとよい。通信継続中においては、受信機402及び送信機401は、通信状態をモニタする。受信機402における通信状態のモニタは、受信回路409又は処理・演算回路412において通信品質を計測することにより行えばよい。通信品質としては、例えば、受信レベル、信号電力対雑音電力比(SNR:Signal to Noise Ratio)、ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)、パケット誤り率(PER:Packet Error Rate)、フレーム誤り率(FER:Frame Error Rate)などを測定すればよい。一方、送信機401における通信状態のモニタは、受信機402からの通信品質劣化警報の受信状況、受信機からの受信確認応答(ACK)の受信状況を計測することにより行なえばよい。なお、通信状態のモニタの具体的手法には、公知の一般的な手法を採用すればよいため、本実施形態における詳細な説明は省略する。
通信継続中に、通信途絶などの通信品質の劣化が検出された場合、送信機401及び受信機402は、記憶回路408又は414に記録されたデータ列の中から別のアンテナ重みベクトルを選択する(S15)。
S16では、新たに選択されたアンテナ重みベクトルを用いた通信の品質が良好である否かを判定する。例えば、通信品質の良否は、受信機402に含まれる受信回路409又は処理・演算回路412において、受信レベル、SNR等を計測することによって判定すればよい。S16にて通信品質が良好であると判定された場合、送信機401及び受信機402は通信状態(S12)に復帰する。一方、S16にて通信品質が不十分であると判定された場合、送信機401及び受信機402はS16に遷移してアンテナ重みベクトルの再選択を行う。
記憶回路408及び414に記録されたアンテナ重みベクトルの中から、通信状態が良好なものが見つからない場合には、初期トレーニング(S12)に戻ってやり直しを行う。
続いて以下では、図1のS13における複数のアンテナ重みベクトル候補の計算手順について説明する。アンテナ重みベクトル候補の計算には、S12での初期トレーニングの結果を用いてMIMOチャネル応答行列Aを求める。チャネル応答行列は、以下の式(1)により表される。
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チャネル応答行列Aの成分aijは、送信機401のi番目のアンテナ(アンテナ素子)405−iから送信される信号による、受信機402のj番目のアンテナ411−jで受信される信号の応答を意味する。またチャネル応答行列Aは、送信アンテナアレイに含まれるアンテナ素子の数をm、受信アンテナアレイに含まれるアンテナ素子の数をnとすると、m×nの行列となる。チャネル応答行列Aは、例えば特許文献3に開示されている方法を用いて求めればよい。また、チャネル応答行列Aは、トレーニング用の信号を送出しながら、アンテナ重みベクトルにユニタリ行列の列を順に適用していくことで求めてもよい。
本実施の形態では、送信信号ベクトルT及び受信信号ベクトルRは以下の式(2)及び(3)により表す。
Figure 0005429167
Figure 0005429167
ここで、送信信号ベクトルTの成分tは、i番目の振幅・位相可変回路404−iの入力信号を表している。また、受信信号ベクトルRの成分rは、i番目の振幅・位相可変回路410−iの出力信号を表している。図4及び図5に示す構成例では、送信回路403と振幅・位相可変回路404−1〜mの間が等分岐されるため、t1 = t2 = ・・・ tmであり、r1 = r2 = ・・・ rnである。
また、送信機401の振幅・位相可変回路404−1〜mにセットされるアンテナ重みベクトルwは、以下の式(4)により表す。また、受信機402の振幅・位相可変回路410−1〜nにセットされるアンテナ重みベクトル wを以下の(5)式により表す。
Figure 0005429167
Figure 0005429167
上記の式(1)〜(5)の定義を用いることにより、送信側の振幅・位相可変回路404−1〜m及び受信側の振幅・位相可変回路410−1〜nを含む送受信の信号応答は式(6)で表される。なお、式(6)中の行列Wは、送信側のアンテナ重みベクトルwの成分を対角成分とする対角行列である。また、式(6)中の行列W −1は、受信側のアンテナ重みベクトルwの成分を対角成分とする対角行列Wの逆行列である。対角行列W及びWの定義を式(7)及び(8)に示す。
Figure 0005429167
Figure 0005429167
Figure 0005429167
チャネル応答行列Aは、アンテナ重みベクトルw及びwを変化させながらトレーニングをすることにより求めることができる。ここで、相関行列の定義を、式(9)及び(10)に示す。なお、行列の方の添字Hは、エルミート転置を表す。
Figure 0005429167
Figure 0005429167
式(9)及び(10)に示す相関行列の固有値λ,λ,・・・,λM0とし、固有ベクトルをεt,i及びεr,iとすれば、チャネル応答行列Aは、式(13)に示すように分解できる。式(13)の分解処理は、特異値分解(SVD)と呼ばれる。
Figure 0005429167
Figure 0005429167
Figure 0005429167
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なお、Mは、送信アンテナ素子数mと受信アンテナ素子数nのうちの小さい方を意味する。固有ベクトルεt,iは、式(9)に示す対称行列AA、つまりm×mのエルミート行列の固有値λiに属する固有ベクトルである。Eは、M個の固有ベクトルεt,iを要素とする固有ベクトル行列であり、式(11)により表される。固有ベクトルεr,iは、式(10)に示す対称行列AA、つまりn×nのエルミート行列の固有値λiに属する固有ベクトルである。Eは、M個の固有ベクトルεr,iを要素とする固有ベクトル行列であり、式(12)により表される。また、Dは、式(14)に示すように、固有値λ,λ,・・・,λM0の平方根を対角成分とする対角行列である。ここで、固有値λ,λ,・・・,λM0の平方根は、M個の固有パスそれぞれのエネルギーを表している。M個の固有パスの間は、互いに無相関である。
本発明の実施の形態においては、式(14)の行列Dの対角成分のうち、1つの成分を残して、残りの成分をゼロに置き換える。さらに、置き換え後の行列Dを用いてチャネル応答行列Aを再構成する。例えば、2番目の対角成分以外の他の対角成分をゼロとした場合、対角行列Dは、以下の式(15)により表される。また、行列Dを用いて再構成されたチャネル応答行列Aは、式(16)により表される。このチャネル応答行列Aから、1つのアンテナ重みベクトル候補を求めることができる。
Figure 0005429167
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上述した手順を繰り返すことにより、M個の固有値λ,λ,・・・,λM0にそれぞれ対応した最大M個のアンテナ重みベクトル候補が得られる。送信機401及び受信機402は、これらM個のアンテナ重みベクトル候補の少なくとも一部を、データ列(データベース)として記憶回路408及び414に記憶する。既に述べたとおり、送信機401及び受信機402は、データ列から1つのアンテナ重みベクトルを選択して通信を開始する(図1のS13及びS14)。そして、初期に選択した最適アンテナ重みベクトルでの通信が劣化した場合、送信機401及び受信機402は、このデータ列から次の候補を選び(図1のS15)、通信品質を確認し(図1のS16)、良好であればその候補を採用する(S13からS14への遷移)。
なお、固有値λ,λ,・・・,λM0の平方根は固有パスのエネルギーをあらわしている。このため、図1のS14において最初に通信を開始する場合には、最も大きな固有値に対応したアンテナ重みベクトル候補を選択するとよい。
また、上述したアンテナ重みベクトル候補の計算手順の説明では、式(14)に示す行列Dの対角成分のうち1つを残して他をゼロにすると表現した。しかしながら、1つの固有パスを選択し他の固有パスの影響を取り除くことが本実施の形態の目的である。このため、計算過程において、行列Dの対角成分を実際にゼロにする必要は無く、これを達成する数学的に等価な方法を用いても良い。
続いて以下では、図1に示した状態遷移過程において行なわれる送信機401及び受信機402の動作について詳しく説明する。図6は、図1のS11〜S13までの遷移過程、つまり初期トレーニングの実行から通信開始までの過程における送信機401及び受信機402の動作を示すシーケンス図である。なお、図4には示していないが、送信機401及び受信機402が同期をとって動作し、受信機402から送信機401に対して情報を転送するための伝送路を設けるとよい。この逆方向の伝送路は、無線伝送路であってもよいし、有線伝送路であってもよい。また送信機401は、通常の通信時には外部入力のデータを受信機402に送信する。一方、トレーニングの際には、処理・演算回路406が、トレーニング用の信号(以下、トレーニング信号と呼ぶ)を送信回路403に出力させる。この結果、トレーニングの際には、送信機401から受信機402に対してトレーニング信号が送信される。
以下では、図6のシーケンス図の各ステップを順に説明する。まず送信機401は、送信機401のトレーニング用の位相を振幅・位相可変回路404−1〜mに設定し(S602−T)、トレーニング信号を送出する(S603−T)。送信機401は、振幅・位相可変回路404−1〜mに対する振幅および位相の設定を変更しながら、予め定められた全ての振幅および位相の設定での信号送出が完了するまで、トレーニング信号の送出を繰り返す(S604−T)。この間、受信機402は、トレーニング信号を受信する(S603−R)。トレーニング信号を受信した受信機402では、受信回路409が受信強度や受信品質を計測し、計測結果を示すデータを処理・演算回路412に供給する。処理・演算回路412は、計測結果を示すデータを処理する。
ついで送信機401は、受信機402のトレーニングのためにトレーニング信号を送出する(S606−T)。その間、受信機402は、トレーニング用の位相を振幅・位相可変回路410−1〜nに設定し(S605−R)、トレーニング信号を受信する(S606−R)。予め定められた全ての振幅および位相の設定でのトレーニング信号の受信が完了するまで、受信機402はトレーニング信号の受信を繰り返す(S607−R)。
ステップS608−Rでは、S603−R〜S607−Rにおいて得られた計測データを用いて、処理・演算回路412がSVD処理を行う。また、処理・演算回路412は、先に述べた手順に従い、複数のアンテナ重みベクトル(アンテナアレイに適用する信号の振幅と位相の設定)を求め、これら得られたアンテナ重みベクトル候補を含むデータ列(データベース)を作成し、これを記憶回路414に格納する(S609−R)。また、処理・演算回路412は、図示しない逆方向の伝送路を用いて、作成したデータベースを送信機401に伝達する(S610−T、R)。送信機401は、受信したデータベースを記憶回路408に格納する。この時点で、記憶回路408及び414の内容は共通化される。送信機401、受信機402は、この共通のデータベースから、例えば固有値が大きい順に最適アンテナ重みベクトルを選択し(S611−T,R)、アンテナ重みベクトルに対応する振幅および位相を振幅・位相可変回路に設定し、通信を開始する(S612−T,R)。
次に、通信の遮断等の通信品質の劣化が発生した場合の動作について、図7を用いて説明する。図7は、図1のS14〜S16までの遷移過程における送信機401及び受信機402の動作を示すシーケンス図である。
通信の遮断等の障害が発生した場合、受信機402は、通信品質の劣化があったことを検知し(S702−R)、送信機401に通知する(S703−R)。送信機401は、通信品質の劣化通知を受信機402から受領するか、データ受信の成功時に受信機402側から通常の通信で送られてくるACK信号が受信されないことによって、通信の遮断(もしくは通信状態の悪化)があったと認識する。このとき、送信機401及び受信機402は、それぞれが有する共通のデータベースから、それぞれ次候補のアンテナ重みベクトルを取得する(S704−T,R)。
ステップS705−Tでは、送信機401が、次候補のアンテナ重みベクトルを振幅・位相可変回路404−1〜mに設定する。同様に、ステップS705−Rでは、受信機402が、次候補のアンテナ重みベクトルを振幅・位相可変回路410−1〜nに設定する。この後、送信機401及び受信機402は、通信を再開する(S706−T,R)。通信再開後、受信機402は通信品質を確認し(S707−R)、良好であれば通信を継続し、良好でなければ組合せの変更通知を送出する(S708−R)。送信機401は、組合せの変更通知を受領した場合又は受信機からACK信号が受信できない場合(S709−T)を除き、そのまま通信を継続する。もしそうでなければ、送信機401及び受信機402は、次のアンテナ重みベクトル候補がある限り、次候補での通信を試みる(S710−T,R)。もし、記憶回路408及び414に記録されたいずれのアンテナ重みベクトル組合せ候補でも通信品質の改善が得られず、次候補が無くなった場合、送信機401及び受信機402は、初期トレーニングに戻る。
ところで、図6の具体例では、送信機401側のトレーニングを先に行っているが、受信機402側のトレーニングを先に行ってもよい。また、図6の例では、SVDの計算(S608−R)及びデータベース作成(S609−R)を受信機402側で行っているが、これらの少なくとも一方は送信機401で行なってもよい。具体的には、受信データ又はSVD結果データを受信機402から送信機401に転送し、これらのデータを用いて処理・演算回路406が計算を実行すればよい。また、データベースの作成にあたっては、本明細書にて具体的に記載した方法以外の方法で取得されたアンテナ重みベクトルを加えても、本実施形態の範囲を逸脱するものではない。
本実施の形態によれば、無線通信の途絶などの通信品質の劣化が発生した場合には、予め生成されている他のアンテナ重みベクトル候補を選択することによって、速やかに通信を再開することができる。言い換えると、本実施の形態では、通信品質の劣化が発生するたびに、トレーニング及びSVD計算を改めて行う必要がないので、極めて短時間に新しいビームを決めることが可能になる。なお、一般にSVDの演算量は大きく、本実施の形態でもリンク確立のための初期トレーニングの際には、SVD計算を実行する必要がある。しかしながら、初期トレーニングに対しては、通信途中での遮断からの復帰に比べて長い時間が許容されるので、支障は小さい。
以下に、この方法が屋内のミリ波、あるいは直進性が高くなる概ね10GHz以上のマイクロ波で有効である理由について補足的に説明する。無線通信に供することのできる伝送路は限られている。つまり、直接波と、壁、窓、什器などの特定の物体からの反射波である。したがって、各伝送路の放射すべき角度、あるいは受信すべき角度は、それぞれの波によって大きく異なっている。一方、例えば2.4GHzのマイクロ波帯のような直進性の低い搬送波を使用する場合は、多重散乱や回折による効果を考慮する必要があるため、通常は指向性のあるアンテナは用いられない。このため、概ね10GHz以上のマイクロ波通信及びミリ波通信と2.4GHz程度のマイクロ波通信とでは、状況が異なる。なお、2.4GHzのマイクロ波通信の分野でも、干渉を除去することを目的として、指向性のある適応アンテナの開発例がある。しかしながら、適応型の指向性アンテナを使用する場合でも、2.4GHz帯では回折の効果が期待できるため、直接波の角度又はそれに近い角度で良好な通信品質を確保しやすい。
ミリ波帯におけるビームフォーミングを用いた屋内通信においては、次の性質を考慮する必要がある。前述の通り、直接波以外の反射波の数は限られている。また、特定の直接波または反射波が障害物(例えば人体)によって遮られた場合でも、遮蔽された特定の波と他の波とは無相関である。従って、本実施の形態で述べたように、ミリ波通信システムでは、最も通信状態の良いビーム方向で通信を行いながら、予備のビーム方向を確保することができる。一方、概ね10GHz未満の周波数の場合は、多重反射や回折の通信品質に対する寄与が大きい。よって、仮に指向性のあるアンテナを用いたとしても、障害物の有無によって予備のビーム方向の伝搬状況も変化してしまう。つまり、障害物が存在しない場合には良好であった予備のビーム方向からの受信状態が、障害物の存在によって変動する可能性が高い。したがって、2.4GHzのマイクロ波通信などでは、本発明の効果を得ることが困難である。
また、ミリ波通信においては、局所的な反射による伝搬路ができることがある。その様子を図8A及びBに示す。図8Aには、送信機81、受信機82があり、ビームフォーミングでの伝搬路として直接波A、局所的な反射波B、遠くの経路での反射波Cがあると仮定する。直接波A、局所的な反射波Bは、例えば図8Bに示すように、人体による遮蔽によって同時に遮断される可能性がある。伝搬路A(直接波A)及び伝送路B(反射波B)の相関が高ければ、SVDにより分解されないため、伝搬路A及びBに適用するアンテナ重みベクトルは、同一として扱われる。したがって本実施の形態では、遮断が同時に行われるアンテナ重みベクトルの候補を除くことができる。ただし、伝搬路A及びBの相関が低ければ、別々のアンテナ重みベクトル候補になり得る。しかしながら、その場合でも(S704−T,R)〜(S710−T,R)の繰り返しが1回余分に行われるだけであるので、改めてトレーニングを行う場合に比べれば、通信復帰までの時間を大幅に短縮することができる。
<第2の実施の形態>
本発明における第2の実施の形態を、図2に示した遷移図を用いて説明する。なお本実施の形態にかかる無線通信システムの構成は、図4に示したものと同様とすればよい。図2のS21〜S26の各状態とこれらの間での遷移条件は、第1の実施の形態で述べた図1のS11〜S16と同様である。このため、S21〜S26に関する詳細な説明は省略する。
図2のS27では、通信継続中の状態(S24)から遷移して付加的な第2のトレーニングを行なう。第2のトレーニングは、周期的に実行してもよいし、送受信データが存在しないアイドル期間に適宜実行してもよい。
S28では、処理・演算回路406若しくは412又はこれら2つの回路が協働して、複数のアンテナ重みベクトルの候補を再計算する。処理・演算回路406及び412は、再計算によって得られた複数のアンテナ重みベクトル候補によって、記憶回路408及び414内のデータ列を更新する。
本実施の形態においては、予備のビーム方向に対する状況を第2のトレーニングによって周期的又は適宜調査し、複数のアンテナ重みベクトル候補を更新する。これにより、本実施の形態にかかる無線通信システムは、常に最新のアンテナ重みベクトルの候補を確保することができる。なお第2のトレーニング(S27)は、通信の合間に分割して行ってもよい。これにより、長い時間通信を止める必要がない。また、通信が途絶した場合、または通信品質が悪化した場合には、極めて短い復帰が求められるが、この第2のトレーニングにはそれほどの即時性は必要ないため、SVD等を行っても問題がない。
<第3の実施の形態>
本発明における第3の実施の形態を、図3に示した遷移図を用いて説明する。本実施の形態にかかる無線通信システムの構成は、図4に示したものと同様とすればよい。また、第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同じ動作を行う。つまり、図3のS31〜S38の各状態とこれらの間での遷移条件は、第2の実施の形態で述べた図2のS21〜S28と同様である。このため、S31〜S38に関する詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、通信の途絶などの通信品質の劣化が発生した場合、データベースに記録された次候補のアンテナ重みベクトルを選択するとともに(S35)、その状態で微調整を行う(S39)。この微調整とは、時間をかけずに最適ビームを探索する方法を指す。具体的には、ビームまたは設定された位相を僅かに変化させ通信品質が良くなるように調整を行えばよい。また、特許文献3に記載された"Beam-Tracking"など簡略化されたビーム探索手順を適用してもよい。
例えば、第1の実施の形態で詳細に述べたように、大きな固有値に対応したアンテナ重みベクトルから小さな固有値に対応したアンテナ重みベクトルに順に移っていく場合、徐々に受信電力が小さくなり、かつ精度が悪くなっていく可能性がある。そこで、遮蔽があって受信電力が小さくなった状態で、例えば受信時の利得調整を行い、最適な状態で微調整を行うことにより、高精度で安定した伝送が可能なアンテナ重みベクトルが見出せるという効果が得られる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、トレーニング及びアンテナ重みベクトルの取得・設定を低速(狭帯域)で行い、実際の通信は比較的高速(広帯域)で行うことを特徴とする。それ以外の動作は、第1〜第3の実施の形態のいずれかに記載の方法を用いればよい。
ミリ波通信では自由空間伝搬損失が大きいために受信電力が小さいことが予想される。このため、トレーニング時に、振幅・位相可変回路404−1〜m又は410−1〜nのアンテナ重みベクトルとしてユニタリ行列をセットした場合、十分なキャリア電力対雑音電力比(CNR:Carrier to Noise Ratio)が得られない場合がある。したがって、受信感度のよい低速(狭帯域)を用いることで、トレーニングが可能となったり、精度が向上するなどの効果が期待できる。なおこここで低速(狭帯域)を用いるとは、雑音帯域幅が小さくなるように、トレーニング信号の送信のために使用する周波数帯を狭くすること、あるいは所要CNRが小さい変調方式を採用することを意味する。なお、"所要CNRが小さい変調方式を採用すること"は、言い換えると、コンスタレーション上における信号点間距離が大きい変調方式を採用すること(通常は伝送速度が小さいこと)を意味する。なお本実施の形態では、狭いビーム幅が用いられることが前提であり、相関帯域幅が広いために低速(狭帯域)でも高速(広帯域)でも最適なビーム(または対応するアンテナ重みベクトル)に大きな変化はない。
上述した4つの実施の形態の説明では、通信品質という語句を用いた。通信品質は、例えば、受信レベル、信号電力対雑音電力比(SNR)、ビット誤り率(BER)、パケット誤り率(PER)、フレーム誤り率(FER)など、通信品質を代表するものであればよく、そのうちの1つ又は複数を用いてもよい。また、通信品質の評価には、送信機401の送信データ列に含まれるプリアンブル中の特定のデータ列を用いてもよい。
また上述した4つの実施の形態の説明では、振幅・位相可変回路404−1〜m又は410−1〜nを用いているが、所望なアンテナ重みベクトルを実現することが本質であって、どのような回路を用いて構成しても差し支えない。
さらに上述した4つの実施の形態の説明では、送信機401及び受信機402に分けているが、送信機能および受信機能を共に有する送受信機同士の通信に本願発明を適用可能であることは勿論である。その場合、送受アンテナが一体であれば、相反原理から、双方向の無線伝送路のうちのいずれか一方向でトレーニングを行えばよい。
ところで、上述した第1〜第5の実施の形態にかかる送信機401によって行なわれる複数のアンテナ重みベクトル候補の生成・切り替えに関する制御及び演算処理は、マイクロプロセッサ等のコンピュータに送信機制御のためのプログラムを実行させることによって実現可能である。例えば、第1の実施の形態の場合、送信機制御プログラムを実行するコンピュータに、図7のフローチャートに示したステップS703−T〜S705−T、S708−T〜S710−Tの処理を実行させればよい。同様に、受信機402によって行なわれる複数のアンテナ重みベクトル候補の生成・切り替えに関する制御及び演算処理も、マイクロプロセッサ等のコンピュータに受信機制御のためのプログラムを実行させることによって実現可能である。例えば、第1の実施の形態の場合、受信機制御プログラムを実行するコンピュータに、図7のフローチャートに示したステップS702−R〜S705−R、S707−R〜S710−Rの処理を実行させればよい。送信機制御プログラム及び受信機制御プログラムは、コンピュータがアクセス可能な様々な種類の記憶媒体に格納することが可能である。また、このプログラムは、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれ、インターネットも含まれる。
また、処理・演算回路406及び412だけでなく、送信回路403の一部(変調処理等)、受信回路409の一部(復調処理等)、制御回路407、制御回路413等のデジタル信号処理又は機器制御に関する構成要素は、マイクロコンピュータ又はDSP(Digital Signal Processor)等のコンピュータによって実現してよい。また、送信機401及び受信機402には、いわゆるソフトウェア・アンテナ技術を適用してもよい。具体的には、振幅・位相可変回路−404−1〜m及び410−1〜nは、デジタルフィルタによって構成してもよく、DSP等のコンピュータによって構成してもよい。
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
この出願は、2008年7月16日に出願された日本出願特願2008−184405を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
401、81、91 送信機
402、82、92 受信機
403 送信回路
404−1〜m 振幅・位相可変回路
405−1〜m 送信アンテナアレイ
406 処理・演算回路
407 制御回路
408 記憶回路
409 受信回路
410−1〜n 振幅・位相可変回路
411−1〜n 受信アンテナアレイ
412 処理・演算回路
413 制御回路
414 記憶回路
83 ビームパターン(イメージ)
84、85 反射体
86 人体

Claims (14)

  1. 送信アンテナアレイを備えた送信機と、受信アンテナアレイを備えた受信機とを含む無線通信システムの制御方法であって、
    前記送信アンテナアレイをなす複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子から送信される信号の振幅と位相とを独立に制御すると共に、前記受信アンテナアレイをなす複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子で受信される信号の振幅と位相とを独立に制御するに際して、
    少なくとも前記送信機と前記受信機との間においてアンテナアレイに適用する信号の振幅と位相の設定(以下、アンテナ重みベクトル)を得るためのトレーニング処理を行ってチャネル応答行列を求め、
    前記チャネル応答行列を相関行列と固有値とに分解する特異値分解処理を行い、
    前記特異値分解処理で得られた複数の固有値の平方根を要素とする対角行列を求め、
    前記対角行列に含まれる各々の対角成分のうち1つを残して他をゼロに置き換えると共に、置き換え後の対角行列を用いて再構成されたチャネル応答行列に基づいて、前記送信機と前記受信機との間の無線通信に利用する第1のアンテナ重みベクトルを求める、
    無線通信システムの制御方法。
  2. 前記第1のアンテナ重みベクトルを求めるに際して、
    複数の再構成されたチャネル応答行列を取得し、
    それら複数の再構成されたチャネル応答行列に基づいて、アンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを個々の再構成されたチャネル応答行列について個別に求め、個別に得られた複数のアンテナ重みベクトルの何れかを前記第1のアンテナ重みベクトルとする、
    請求項1記載の無線通信システムの制御方法。
  3. 前記複数の再構成されたチャネル応答行列について個別に求めた複数の前記第1のアンテナ重みベクトルを、前記対角成分が大きいものから順に優先順位を付与し、この優先順位に従って前記送信機のアンテナアレイ及び前記受信機のアンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを選択し、選択したアンテナ重みベクトルを用いて無線通信を行う、
    請求項2記載の無線通信システムの制御方法。
  4. 前記送信機と前記受信機の間の通信品質の悪化に応じて、前記優先順位に従って次順位のアンテナ重みベクトルを選択し、選択したアンテナ重みベクトルを適用して無線通信を行う、
    請求項3記載の無線通信システムの制御方法。
  5. 前記トレーニング処理のために前記送信機から前記受信機に送出されるトレーニング信号を搬送する第1の電波は、前記第1のアンテナ重みベクトルを適用しての情報信号の搬送に使用される第2の電波に比べて伝送周波数帯域が狭いか、又は前記第2の電波に比べて信号点間距離の大きい変調方法によって変調される、
    請求項1乃至4の何れかに記載の無線通信システムの制御方法。
  6. 複数の送信アンテナ素子を含む送信アンテナアレイを有し、前記複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子から送信される送信信号の振幅及び位相を独立に制御するよう構成された送信機と、
    複数の受信アンテナ素子を含む受信アンテナアレイを有し、前記受信アンテナアレイをなす複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子で受信される受信信号の振幅及び位相を独立に制御するよう構成された受信機と、
    少なくとも前記送信機と前記受信機との間においてアンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを得るためのトレーニングを行ってチャネル応答行列を求めるチャネル応答行列計算手段と、
    前記チャネル応答行列を相関行列と固有値とに分解する特異値分解手段と、
    前記特異値分解手段で得られた複数の固有値の平方根を要素とする対角行列を求め、前記対角行列に含まれる各々の対角成分のうち1つを残して他をゼロに置き換えると共に、置き換え後の対角行列を用いて再構成されたチャネル応答行列に基づいて、前記送信機と前記受信機との間の無線通信に利用する第1のアンテナ重みベクトルを求め、その結果に従って前記送信信号及び受信信号の振幅及び位相を制御する振幅・位相制御手段と、
    を備える無線通信システム。
  7. 前記振幅・位相制御手段は、
    前記第1のアンテナ重みベクトルを求めるに際して、複数の再構成されたチャネル応答行列を取得し、それら複数の再構成されたチャネル応答行列に基づいて、アンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを個々の再構成されたチャネル応答行列について個別に求め、個別に得られた複数のアンテナ重みベクトルの何れかを前記第1のアンテナ重みベクトルとする、
    請求項6記載の無線通信システム。
  8. 前記チャネル応答行列計算手段は、
    前記送信機と前記受信機とによる通信中に、所定周期およびランダムの少なくとも何れかのタイミングにて前記トレーニングを行って新たなチャネル応答行列を求め、
    前記振幅・位相制御手段は、
    前記複数の再構成されたチャネル応答行列に関して個別に求められた複数の前記第1のアンテナ重みベクトルをデータ列として記憶しており、前記チャネル応答行列計算手段による前記新たなチャネル応答行列の計算タイミングに応じて、該記憶しているデータ列を更新する、
    請求項7記載の無線通信システム。
  9. 前記振幅・位相制御手段は、
    前記複数の再構成されたチャネル応答行列について個別に求めた複数の前記第1のアンテナ重みベクトルを、前記対角成分が大きいものから順に優先順位を付与し、この優先順位に従って前記送信アンテナアレイ及び前記受信アンテナアレイに適用するアンテナ重みベクトルを選択し、選択したアンテナ重みベクトルを用いて無線通信を行う、
    請求項8記載の無線通信システム。
  10. 前記振幅・位相制御手段は、
    通信品質の悪化に応じて、前記優先順位に従って次順位のアンテナ重みベクトルを選択し、選択したアンテナ重みベクトルを適用して通信を行う、
    請求項9記載の無線通信システム。
  11. 前記トレーニングのために前記送信機から前記受信機に送出されるトレーニング信号を搬送する第1の電波は、前記第1のアンテナ重みベクトルを適用しての情報信号の搬送に使用される第2の電波に比べて伝送周波数帯域が狭いか、又は前記第2の電波に比べて信号点間距離の大きい変調方法によって変調される、
    請求項6乃至10の何れかに記載の無線通信システム。
  12. 前記無線通信に、周波数が10GHz以上の電波を利用する請求項6乃至11の何れかに記載の無線通信システム。
  13. 受信装置と通信を行なう送信装置であって、
    複数のアンテナ素子を含む送信アンテナアレイと、
    前記複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子から送信される信号の振幅および位相を制御することによって、前記送信アンテナアレイのビーム方向を変更する制御手段と、
    計算手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、複数のアンテナ重みベクトルの中から選択された1つを前記送信アンテナアレイに供給して前記ビーム方向を調整するとともに、前記受信装置との間の通信品質の劣化に応じて、前記送信アンテナアレイに供給されるアンテナ重みベクトルを前記複数のアンテナ重みベクトルの中の他の1つに切り替える制御を行い、
    前記計算手段は、前記送信装置と前記受信装置との間の無線伝送路に関するチャネル応答行列の特異値分解を行い、前記特異値分解によって得られる複数の固有値の平方根を要素とする対角行列の対角成分のうちいずれか1つを残して他をゼロにするように置き換えた対角行列を用いて再構成されたチャネル応答行列から前記複数のアンテナ重みベクトルの各々を求める
    送信装置。
  14. 送信装置と通信を行なう受信装置であって、
    複数のアンテナ素子を含む受信アンテナアレイと、
    前記複数のアンテナ素子のうち少なくとも2つ以上のアンテナ素子によって受信される信号のアンテナ重みベクトルを制御することによって、前記受信アンテナアレイのビーム方向を変更する制御手段と、
    計算手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、複数のアンテナ重みベクトルの中から選択された1つを前記受信アンテナアレイに供給して前記ビーム方向を調整するとともに、前記送信装置との間の通信品質の劣化に応じて、前記受信アンテナアレイに供給されるアンテナ重みベクトルを前記複数のアンテナ重みベクトルの中の他の1つに切り替える制御を行い、
    前記計算手段は、前記送信装置と前記受信装置との間の無線伝送路に関するチャネル応答行列の特異値分解を行い、前記特異値分解によって得られる複数の固有値の平方根を要素とする対角行列の対角成分のうちいずれか1つを残して他をゼロにするように置き換えた対角行列を用いて再構成されたチャネル応答行列から前記複数のアンテナ重みベクトルの各々を求める
    受信装置。
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