JP6535906B1 - 潤滑油添加剤、潤滑油、グリース組成物、燃料油添加剤、燃料油およびオイルスラッジ抑制方法 - Google Patents
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Abstract
Description
二酸化チタンの潤滑油への添加により、潤滑油のオイルスラッジが抑制されることは知られていなかった。
本発明は、以下の(1)ないし(8)の潤滑油添加剤を要旨とする。
(1)光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子はアナターゼ型のみで構成され、潤滑油に添加して使用する、オイルスラッジを抑制するための潤滑油添加剤(但し、内燃機関用潤滑油添加剤を除く。)。
(2)光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子は80%以上がアナターゼ型で構成され、潤滑油に前記二酸化チタン粒子を添加してオイルスラッジを抑制するための潤滑油添加剤。
(3)前記二酸化チタン粒子は、コーティング処理が施されていない、上記(1)または(2)に記載の潤滑油添加剤。
(4)前記二酸化チタン粒子は、平均粒径が1nm〜300nmのナノ粒子である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
(5)さらにオイルを含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
(6)前記オイル中に前記二酸化チタン粒子を0.1〜5重量%含む、オイルとの組成物である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
(7)さらに燃費を向上させるための上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
(8)さらに機械振動を抑制させるための上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の潤滑油添加剤が混合された潤滑油(但し、内燃機関用潤滑油を除く。)。
(10)前記二酸化チタン粒子を0.01〜0.1重量%含む上記(9)に記載の潤滑油。
(11)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の潤滑油添加剤を潤滑油に添加することで、オイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法(但し、内燃機関のオイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法を除く。)。
(12)さらに燃費を向上させるための方法である上記(11)に記載のオイルスラッジ抑制方法。
(13)さらに機械振動を抑制させるための方法である上記(11)または(12)に記載のオイルスラッジ抑制方法。
(14)前記二酸化チタン粒子を潤滑油に0.005重量%以上かつ0.3重量%未満添加する上記(11)ないし(13)のいずれかに記載のオイルスラッジ抑制方法。
(15)光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子は80%以上がアナターゼ型で構成され、燃料油に直接添加して使用する燃料油添加剤が添加された燃料油(但し、内燃機関用燃料油を除く。)。
(16)光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子は80%以上がアナターゼ型で構成され、燃料油に直接添加して使用する燃料油添加剤を燃料油に添加することで、オイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法(但し、内燃機関のオイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法を除く。)。
(17)さらに燃費を向上させるための方法である上記(16)に記載のオイルスラッジ抑制方法。
(18)さらに酸性ガスの排出量を低減するための方法である上記(16)または(17)に記載のオイルスラッジ抑制方法。
(19)さらに燃料油の燃焼を促進するための、燃焼室を洗浄するための、またはオイルスラッジを分散させるための上記(16)ないし(18)のいずれかに記載のオイルスラッジ抑制方法。
本実施形態に係る潤滑油添加剤は、光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を含む。このような二酸化チタン粒子としては、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタン粒子を用いることができる。アナターゼ型の二酸化チタンは、太陽光などの紫外線の作用によって光触媒機能を発揮させることができるため、通常は太陽光(紫外線)が照射される物品の表面にアナターゼ型の二酸化チタンの層を形成させるなどし、太陽光(紫外線)の当たる環境下で使用される。そのため、内燃機関の内部、産業機器の内部、精密機器の内部、あるいは機械機器の内部で使用される潤滑油は、通常、紫外線が届かない暗所で使用されることとなるため、光触媒機能を期待して、アナターゼ型の二酸化チタンを含む潤滑油添加剤をこのような潤滑油に添加することはなかった。
本発明の潤滑油添加剤の別の実施形態は、上述した潤滑油添加剤とオイルとを含む液状の組成物である。このように、潤滑油添加剤を液状の添加剤組成物とすることで、この添加剤組成物を潤滑油に添加した場合に、粉状の潤滑油添加剤と比べて、アナターゼ型の二酸化チタン粒子を潤滑油により効果的に拡散させることができる。添加剤組成物に用いるオイルは、特に限定されないが、添加する潤滑油(たとえばエンジンオイル)に用いられるベースオイルを使用することができる。また、添加剤組成物を添加する前の潤滑油の一部を、添加剤組成物に用いるオイルとすることもできる。なお、添加剤組成物に用いるオイルとしては、40℃における動粘度が5〜100mm2/sの鉱油または合成油を使用することが好ましい。このような鉱油としては、たとえば、パラフィン系原油、ナフテン系原油、芳香族系原油などからの潤滑油留分を使用することができる。また、合成油としては、ポリアルファオレフィンなどのポリオレフィン系合成油、ジエステルなどのエステル系合成油、およびアルキルナフタレンなどを使用することができる。本実施形態では、SAE基油分類でG3のオイルを潤滑油添加剤の基油として使用するものとする。
本実施形態に係る潤滑油は、上述した潤滑油添加剤(上述した添加剤組成物も含む)が混合された潤滑油である。潤滑油添加剤を混合する前の潤滑油は、特に限定されず、たとえば一般に販売、利用されている潤滑油を使用することができる。本実施形態では、潤滑油中の二酸化チタン粒子の濃度が0.005重量%以上かつ0.3重量%未満(重量比で50ppm以上かつ3000ppm未満)となるように、より好適には潤滑油中の二酸化チタン粒子の濃度が0.01〜0.1重量%(重量比で100〜1000ppm)となるように、さらに好適には潤滑油中の二酸化チタン粒子の濃度が0.03〜0.04重量%(重量比で300〜400ppm)となるように、潤滑油添加剤が潤滑油に混合されている。そして、このように潤滑油添加剤を混合した潤滑油を、内燃機関、産業機器、精密機器、機械機器などに充填して用いることができる。
本実施形態に係るグリース組成物は、上述した潤滑油を混合したグリース組成物である。当該グリース組成物のうち潤滑油以外の成分は、特に限定されず、一般的に用いられている成分を使用することができる。本実施形態に係るグリース組成物は、アナターゼ型の二酸化チタン粒子を含有する潤滑油を含むため、産業機器、精密機器および機械機器などに適用する場合に、これら機器で生じたプラズマや摩擦発光による光触媒機能により、エステルを生成して摩擦係数を低減することができることに加えて、グリース組成物中の潤滑油の酸化を抑制することができる。これにより、上述したオイルスラッジ抑制機能に加えて、グリース組成物が潤滑油を保持する性能をより長い期間維持することができるなど、グリース組成物の長寿命化を図ることができる。
本実施形態に係る潤滑油添加剤を、二酸化チタン粒子が0.3重量%(重量比で3000ppm)となるように添加した潤滑油(以下、添加潤滑油Aともいう。)と、二酸化チタン粒子が0.03重量%(重量比で300ppm)となるように添加した潤滑油(以下、添加潤滑油Bともいう。)と、本実施形態に係る潤滑油添加剤を添加しない潤滑油(以下、無添加潤滑油ともいう。)とを用いて摩擦係数μを測定した実施例について説明する。具体的には、Pin−VeeBlockの高速FALEX試験機を用いて、下記の表1に示す条件にて60分間の摩耗試験を実施し、摩擦係数μを測定した。なお、潤滑油は、SAE粘度グレードが0W−20のエンジンオイルを用いた。なお、本実施例では、平均粒径が30nmとなるように二酸化チタン粒子を生成しているが、二酸化チタン粒子の生成方法上、二酸化チタン粒子の粒径は約30nmをピークにばらつきが生じている(以下の実施例でも同様)。なお、二酸化チタン粒子を0.03重量%となるように添加した添加潤滑油Bは、本実施形態に係る潤滑油添加剤を上述した使用方法にて混合した潤滑油となる。
図1は、添加潤滑油A,Bおよび無添加潤滑油を用いた摩耗試験における摩擦係数μの変化を示す図であり、図2は、図1に示す摩耗試験の結果のうち開始10分後までの摩擦係数μの変化を示す図であり、図3は、図1に示す摩耗試験の結果のうち終了10分前からの摩擦係数μの変化を示す図である。
次に、図4および図5を参照して、添加潤滑油A,Bおよび無添加潤滑油の摩耗試験における油温の変化について説明する。図4は、添加潤滑油A,Bおよび無添加潤滑油の摩耗試験における油温の変化を示す図であり、図5は、図4に示す油温の変化のうち終了10分前からの油温の変化を示す図である。
次いで、図6を参照して、添加潤滑油A,Bおよび無添加潤滑油と金属の摩耗損失重量との関係について説明する。図6(A)は、図1に示す摩耗試験における摩耗損失重量を示す表であり、(B)は(A)に示す摩耗損失重量を棒グラフにした図である。本実施例の摩耗試験では、Pinと呼ばれる円柱形状の金属(SUJ−2)をVeeBlockと呼ばれる金属(SCM421)で挟み、その状態でPinを回転させて、PinおよびVee Blockのそれぞれの摩耗損失重量(mg)を検出した。本実施例では、無添加潤滑油を用いた場合にPinが0.7mg、VeeBlockが0.2mg損失した。また、二酸化チタン粒子を0.3重量%含む添加潤滑油Aを用いた場合にPinが0.4mg、Vee Blockが0.1mg損失し、二酸化チタン粒子を0.03重量%含む添加潤滑油Bを用いた場合にPinが0.4mg、VeeBlockが0.4mg損失した。
本実施形態に係る潤滑油添加剤を潤滑油に添加した場合に、潤滑油において二酸化チタン粒子の光触媒機能が発揮されることを裏付けるために、本発明者は、本実施形態に係る潤滑油添加剤を添加した潤滑油の赤外分光分析(以下、FT−IR分析ともいう。)を行った。本実施例では、本実施形態に係る潤滑油添加剤を添加する前の無添加潤滑油と、本実施形態に係る潤滑油添加剤を二酸化チタン粒子が0.03重量%となるように添加し500kmを走行した後の添加潤滑油Bとを、KBrのCellを用いて、膜厚0.1にて、液膜法により、FT−IR分析を行った。また、オイルスラッジが分解されるとエステルが生成されることが知られているため、本発明者は、アナターゼ型の二酸化チタン粒子を0.03重量%含む添加潤滑油Bと、アナターゼ型の二酸化チタン粒子を含まない無添加潤滑油とを用いてFT−IR分析を行い、エステル(C=O)が吸収する1730cm−1の波長の吸光度(透過率)を検出した。以下の表2にFT−IR分析の結果(検出した1730cm−1の波長の吸光度)を示す。
次に、図7を参照して、本実施形態に係る潤滑油添加剤を添加したエンジンオイル(以下、添加エンジンオイルともいう)と、本実施形態に係る潤滑油添加剤を添加しないエンジンオイル(以下、無添加エンジンオイルともいう)とを用いた走行試験について説明する。図7は、添加エンジンオイルと、無添加エンジンオイルとを用いた走行試験の結果を示す図である。
次に、図8および図9を参照して、添加エンジンオイルと無添加エンジンオイルを用いた振動試験について説明する。図8は、添加エンジンオイルと無添加エンジンオイルを用いた振動試験の車体横方向の振動の検出結果を示す図であり、図9は、添加エンジンオイルと無添加エンジンオイルを用いた振動試験の車体前後方向の振動の検出結果を示す図である。
次に、(1)エンジンオイルのみ(二酸化チタン粒子を無添加)、(2)二酸化チタン粒子をアナターゼ型のみで構成した潤滑油添加剤を添加したエンジンオイル(アナターゼ型100%)、(3)二酸化チタン粒子を、アナターゼ型を90%、ルチル型を10%で混合した潤滑油添加剤を添加したエンジンオイル(アナターゼ型90%)、(4)二酸化チタン粒子を、アナターゼ型を80%、ルチル型を20%で混合した潤滑油添加剤を添加したエンジンオイル(アナターゼ型80%)、(5)二酸化チタン粒子を、アナターゼ型を70%、ルチル型を30%で混合した潤滑油添加剤を添加したエンジンオイル(アナターゼ型70%)、をそれぞれ用意し、各エンジンオイルを用いて走行試験を行った。なお、測定条件として、車種三菱コルト(型式DBA−Z21A)により、高速道路23.4Kmを時速80Km固定で走行し、テクトム社燃費マネージャー(FCM−NX1)を自動車のOBD(On-board diagnostics)に取り付けて計測した。下記表3に、各走行試験の結果を示す。なお、上述した試験においては、エンジンオイル中に二酸化チタン粒子が0.03%となるように添加している。
また、(1)従来の市販グリース組成物(HD−2)、(2)本実施形態に係る二酸化チタン粒子を0.03%添加したグリース組成物(HD−2+0.03%TiO2)、(3)本実施形態に係る二酸化チタン粒子を0.3%添加したグリース組成物(HD−2+0.3%TiO2)を用いて、高速四球耐摩耗試験を行った。なお、試験条件は、試験法ASTM−D 2596に準拠し、試験法準拠(SUJ−2軸受鋼)の材質を用い、回転数1200rpm、荷重392N、温度75℃、試験時間60分で耐摩耗試験を行った。また、耐摩耗試験においては、グリースとして商品名HD−2を用いた。図10に、本実施例の試験結果を示す。
本実施形態に係る燃料油添加剤は、光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を含む。このような二酸化チタン粒子としては、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタン粒子を用いることができる。上述したように、アナターゼ型の二酸化チタン粒子は紫外線により光触媒機能を発揮することが知られているが、ガソリン(燃料油)が循環する内燃機関内においては、太陽光(紫外線)が届かない暗所であるため、紫外線による光触媒機能は発揮されない。しかしながら、本発明者らは、内燃機関で燃焼されるガソリン(燃料油)に本実施形態に係る燃料油添加剤を添加した場合に、燃費が向上することを見出した。また、本発明者は、燃料油に本実施形態に係る燃料油添加剤を添加した場合に、ガソリン(燃料油)の燃焼効率が増加し、排出ガス中の酸性ガス、たとえば一酸化炭素(CO)、メタンガス(CH4)、窒素酸化物(NOX)などの排出量が低減されることを見出した。これは、燃焼室での燃焼(爆発)により生じた火炎(光)により、燃料油添加剤に含まれるアナターゼ型の二酸化チタン粒子が光触媒として機能し、ガソリン(燃料油)のオイルスラッジを抑制、分解することで、燃費が向上したものと考えられる。特に、燃焼室内で二酸化チタンが光触媒として働くことで、燃料油の重合反応を抑制しオイルスラッジを抑制するとともに、光触媒で発生したイオンがオイルスラッジを分解する。また、二酸化チタンの働きによって、燃料油を低分子化することができ、燃料油の燃焼を促進することができる。これにより、燃料油の完全燃焼を促進することができ、不完全燃焼により生じる酸性ガスの排出を抑制することができるとともに、燃費を向上することができたものと考える。
本発明の燃料油添加剤の別の実施形態は、上述した二酸化チタンを含む燃料油添加剤と、いわゆる水抜き剤や洗浄剤など本実施形態に係る燃料油添加剤とは別の液体状の燃料油添加剤とを含む組成物である。本実施形態に係る燃料油添加剤を液体状の組成物とすることで、この添加剤組成物を燃料油に添加した場合に、粉状の燃料油添加剤のまま添加する場合と比べて、アナターゼ型の二酸化チタン粒子を燃料油により効果的に拡散させることができる。なお、本実施形態に係る燃料油添加剤とは別の液体状の燃料油添加剤としては、いわゆる水抜き剤や洗浄剤の他、燃料油に添加可能な、堆積物改良剤、アンチノック剤、酸化防止剤、金属付活性剤、防錆剤、腐食防止剤、着色剤、着臭剤、芳香剤、帯電防止剤、低温流動性向上剤、セタン価向上剤、潤滑性向上剤、識別剤、消泡剤、氷結防止剤、煤煙防止剤、助燃剤、スラッジ分散剤などが挙げられる。
本実施形態に係る燃料油は、上述した燃料油添加剤(上述した添加剤組成物も含む)が混合された燃料油である。燃料油添加剤を混合する前の燃料油は、特に限定されず、たとえば一般に販売、利用されている燃料油を使用することができる。本実施形態では、燃料油中の二酸化チタン粒子の濃度が0.00001重量%以上かつ0.01重量%未満(重量比で0.1ppm以上かつ100ppm未満)となるように、より好適には燃料油中の二酸化チタン粒子の濃度が0.0001〜0.005重量%(重量比で1〜50ppm)となるように、燃料油添加剤が燃料油に混合されている。そして、このように燃料油添加剤を混合した燃料油を、内燃機関に充填して用いることができる。
本実施形態に係る燃料油添加剤をガソリンに添加した場合の燃費を計測した。燃費試験1では、(A)ガソリンのみ、(B)ガソリン45L中の二酸化チタンの濃度が0.003重量%(重量比で30ppm)となるように、ガソリン45Lに、水抜き剤180mlおよび本実施形態に係る燃料油添加剤を添加した、2種類のガソリンを用いて燃費を測定した。なお、測定条件として、車種トヨタポルテ(型式CBA−NNP11)により、高速道路31.8Kmを時速80Km固定で走行し、テクトム社燃費マネージャー(FCM−NX1)を自動車のOBD(On-board diagnostics)に取り付けて計測した。その結果を下記表5に示す。なお、燃費試験1ではA地点からB地点までを往復して走行しており、A地点からB地点までの往路での結果と、B地点で折り返した後A地点に到達するまでの往復での結果とを示している。
また、燃費試験2では、(C)ガソリンのみ、(D)ガソリン45Lに水抜き剤360mlのみを添加、(E)ガソリン45L中の二酸化チタンの濃度が0.003重量%(重量比で30ppm)となるように、ガソリン45Lに、水抜き剤360mlおよび本実施形態に係る燃料油添加剤を添加した、3種類のガソリンを用いて燃費を測定した。なお、測定条件として、車種スバルサンバー(型式EBD−S331D)により、高速道路35.2Kmを時速80Km固定で走行し、テクトム社燃費マネージャー(FCM−NX1)を自動車のOBD(On-board diagnostics)に取り付けて計測した。その結果を下記表6に示す。なお、燃費試験1と同様に、燃費試験2ではC地点からD地点までを往復して走行しており、C地点からD地点までの往路での結果と、D地点で折り返した後C地点に到達するまでの往復での結果とを示している。
(1)アナターゼ型のみで構成した燃料油添加剤を添加したガソリン(アナターゼ型100%)と、(2)アナターゼ型50%と、ルチル型50%とを混合した燃料油添加剤を添加したガソリン(アナターゼ型50%)とを用意して、各ガソリンを用いて走行試験を行った。なお、測定条件として、車種三菱コルト(型式DBA−Z21A)により、高速道路23.4Kmを時速80Km固定で走行し、テクトム社燃費マネージャー(FCM−NX1)を自動車のOBD(On-board diagnostics)に取り付けて計測した。下記表7に、各走行試験の結果を示す。
本実施形態に係る燃料油添加剤をガソリンに添加した場合のガス排出量について試験した。具体的には、(A)ガソリンのみ、(B)ガソリン30Lに水抜き剤360mlのみを添加、(C)ガソリン30L中の二酸化チタンの濃度が0.003重量%(重量比で30ppm)となるように、ガソリン30Lに水抜き剤360mlおよび本実施形態に係る燃料油添加剤を添加の、3種類のガソリンを用いて酸性ガスの排出量を測定した。具体的には、車両を2Km走行させた場合の排ガス中のCO量、HC量を、排ガス測定機器(製品:BANZAI MEXA−324)を用いて計測した。下記表8にその結果を示す。
次いで、本実施形態に係る燃料油添加剤をガソリンに添加した場合のエンジン出力について試験した。具体的には、本実施形態に係る燃料油添加剤を添加していない無添加燃料油と、ガソリン40L中の二酸化チタンの濃度が0.00125重量%(重量比で12.5ppm)となるように、本実施形態に係る燃料油添加剤を添加した添加燃料油について、エンジンのトルクおよび馬力を測定した。図11(A)は、トルクの測定結果を示す図であり、太線が添加燃料油を、細線が無添加燃料油を示す。また、図11(B)は、馬力の測定結果を示す図であり、図11(A)と同様に、太線が添加燃料油を、細線が無添加燃料油を示す。また、図11(A)に示すグラフの縦軸はトルクであり横軸は回転数である。さらに、図11(B)に示すグラフの縦軸は馬力であり横軸は回転数である。なお、本試験において使用したエンジンはチューニングエンジンである。
Claims (19)
- 光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子はアナターゼ型のみで構成され、潤滑油に添加して使用する、オイルスラッジを抑制するための潤滑油添加剤(但し、内燃機関用潤滑油添加剤を除く。)。
- 光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子は80%以上がアナターゼ型で構成され、潤滑油に前記二酸化チタン粒子を添加してオイルスラッジを抑制するための潤滑油添加剤(但し、内燃機関用潤滑油添加剤を除く。)。
- 前記二酸化チタン粒子は、コーティング処理が施されていない、請求項1または2に記載の潤滑油添加剤。
- 前記二酸化チタン粒子は、平均粒径が1nm〜300nmのナノ粒子である請求項1ないし3のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
- さらにオイルを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
- 前記オイル中に前記二酸化チタン粒子を0.1〜5重量%含む、オイルとの組成物である請求項5に記載の潤滑油添加剤。
- さらに燃費を向上させるための請求項1ないし6のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
- さらに機械振動を抑制させるための請求項1ないし7のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の潤滑油添加剤が混合された潤滑油(但し、内燃機関用潤滑油を除く。)。
- 前記二酸化チタン粒子を0.01〜0.1重量%含む請求項9に記載の潤滑油。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の潤滑油添加剤を潤滑油に添加することで、オイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法(但し、内燃機関のオイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法を除く。)。
- さらに燃費を向上させるための方法である請求項11に記載のオイルスラッジ抑制方法。
- さらに機械振動を抑制させるための方法である請求項11または12に記載のオイルスラッジ抑制方法。
- 前記二酸化チタン粒子が潤滑油に0.005重量%以上かつ0.3重量%未満含む請求項11ないし13のいずれかに記載のオイルスラッジ抑制方法。
- 光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子は80%以上がアナターゼ型で構成され、燃料油に直接添加して使用する燃料油添加剤が添加された燃料油(但し、内燃機関用燃料油を除く。)。
- 光触媒機能を有する二酸化チタン粒子を有効成分とし、前記二酸化チタン粒子は80%以上がアナターゼ型で構成され、燃料油に直接添加して使用する燃料油添加剤を燃料油に添加することで、オイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法(但し、内燃機関のオイルスラッジを抑制するオイルスラッジ抑制方法を除く。)。
- さらに燃費を向上させるための方法である請求項16に記載のオイルスラッジ抑制方法。
- さらに酸性ガスの排出量を低減するための方法である請求項16または17に記載のオイルスラッジ抑制方法。
- さらに燃料油の燃焼を促進するための、燃焼室を洗浄するための、またはオイルスラッジを分散させるための請求項16ないし18のいずれかに記載のオイルスラッジ抑制方法。
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