JP6535565B2 - 複合建具 - Google Patents
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Description
そのため、各障子において、複層ガラスの四辺の側端部を覆うグレージングチャンネルは両側の立ち上がり部が金属框と樹脂框によって押圧されて保持されている。
また、熱収縮によって樹脂縦框と樹脂下框の接合部に隙間が生じると、屋外側のグレージングチャンネルとガラスパネルとの隙間から接合部の隙間を通って外気や音が流入し、上述した屋内側のグレージングチャンネルと樹脂框との隙間から屋内に外気や音が流入することがあるという欠点があった。
本発明による複合建具によれば、ガラスパネルを収納する複合建具の複合部材において、ガラスパネルの表面の周縁部に設けた封止材を金属部材のパネル受け部で押圧することで、外気温の変化等で樹脂部材が熱収縮したとしても金属部材は熱収縮しないため、ガラスパネルと封止材を挟む金属部材のパネル受け部との間で屋内外の外気や音の流通を阻止して気密性を確保できる。
ことが好ましい。
複合建具の屋内側では、封止材の突部とパネル受け部の押圧部で樹脂部材の先側突部を押圧して保持すると共に、金属部材のパネル受け部と樹脂部材とでは更に第一係止部と第二係止部を係合させて保持できるため、樹脂部材が熱収縮しようとしても二重の係合構造で阻止して金属部材が屋内側に露出することを一層確実に抑制できる。
しかも、金属部材の屋内側部分を樹脂部材で覆っているために断熱を確保できると共に外観の意匠性が高いという利点がある。
第一実施形態による複合建具の一例としての引き違い窓1を図1から図5に基づいて説明する。
図1及び図2に示す第一実施形態による引き違い窓1は、上枠2と下枠3と左右の縦枠4とで四角形枠状に形成された枠体5内に内障子7と外障子8が見込み方向に納められている。内障子7と外障子8はそれぞれ上框10と下框11と左右の縦框12、13とで四角形枠状に形成され、その内部に例えばペアガラス等の複層ガラス9が納められている。
図1に示す下枠3において、金属下枠3aの屋外側には外障子8の下部に設けた戸車14を走行させる外側レール15が設置されている。金属下枠3aの屋内側には外側レール15より1段高い位置に内側レール16が設置され、内障子7の下部に設けた戸車17を走行可能に支持している。
更に外障子8においても上框10、下框11、左右の縦框12、13に同一の構成を備えており、同一の符号を用いて説明を省略する。なお、縦框12は戸先側の框であり、縦框13は召し合わせ部の框である。
そして内障子7の金属下框11aの下部には内側レール16に載置させる戸車17が設置され、外障子8の金属下框11aの下部にも外側レール15に載置させる戸車14が設置されている。
図1及び図3に示す内障子7において、内障子7で支持する複層ガラス9は2枚のガラスパネル20の間の四辺の端部にスペーサ21がそれぞれ介在している。複層ガラス9の四辺の側端部は断面略U字状のグレージングチャンネル22で全周に亘って連続して囲われている。
このグレージングチャンネル22は複層ガラス9の端面に当接する基部22aと両側縁部(周縁部)にそれぞれ当接する立ち上がり部22bとで形成され、両立ち上がり部22bは基部22a側のヒレ部23と平面部24と先端部の先端ヒレ部25とを形成しており、先端ヒレ部25の他端部は平面部24の反対側に突出する突部25aを形成している。これらヒレ部23と先端ヒレ部25とで屋内外における複層ガラス9の両側部とグレージングチャンネル22とを気密に封止している。
金属下框11aのパネル受け部26において、グレージングチャンネル22の基部22aに対向する受け部26aの屋外側と屋内側の側部26bはそれぞれ上方に延びており、グレージングチャンネル22の立ち上がり部22bに形成した平面部24と先端ヒレ部25の突部25aとに当接する肉厚の押圧部26cが形成されている。しかも屋内側では、押圧部26cと突部25aとの間に樹脂下框11bの先側突部28を嵌合しているが、先側突部28を挟んでいなくてもよい。これによって屋内側の立ち上がり部22bはパネル受け部26の押圧部26cと先側突部28とでガラスパネル20に押圧されている。
そのため、複層ガラス9の一端部を覆うグレージングチャンネル22の両立ち上がり部22bを、金属下框11aのパネル受け部26で押圧支持する。しかもグレージングチャンネル22の基部22aとパネル受け部26の受け部26aとの間に空間が形成されている。
そのため、パネル受け部26の屋内側の押圧部26cは樹脂下框11bの先側突部28を介してグレージングチャンネル22の突部25aを押圧している。また、パネル受け部26の屋内側の側部26bは押圧部26cの近傍で枝分かれして略フック状に屈曲した係止受け部29を形成している。樹脂下框11bの先側突部28から枝分かれした略L字状の係止部28aは係止受け部29に係合している。
このような複層ガラス9の端部と側縁部を覆うグレージングチャンネル22と金属下框11aと樹脂下框11bによる結合構造を樹脂熱収縮阻止構造31Aという。
そのため、樹脂下框11bに熱による伸縮作用が生じても先側突部28と係止部28aが金属下框11aから外れたりずれたりしないので、樹脂下框11bの伸縮変位を抑制できる。なお、樹脂下框11bの先側突部28は2カ所でパネル受け部26の側部26bに係止されているが、1カ所でもよい。
なお、上框10においても同一の結合構造を備えた樹脂熱収縮阻止構造31Aを有している。
相違点として、図2に示す内障子7における戸先側の縦框12では、屋外側の金属縦框12aのパネル受け部26に設けた屋内側の側部26bはグレージングチャンネル22の立ち上がり部22bを押圧するように略コの字状で先端が更に屈曲した押圧部33を形成している。樹脂縦框12bにおける先側突部28は、押圧部33とグレージングチャンネル22の先端ヒレ部25の突部25aとの間に挟持されて係合し、立ち上がり部22bを押圧している。また、先側突部28から枝分かれした係止部28aが押圧部33の内部に係合する構成を有している。
外障子8における各縦框12,13の金属縦框12a、13aと樹脂縦框12b、13bにおいても同一構成の樹脂熱収縮阻止構造31Bを有している。
また、ゴム等の弾性材からなるグレージングチャンネル22とアルミ合金製のパネル受け部26は複層ガラス9の四辺の端部に連続して形成されており、樹脂熱収縮阻止構造31A、31B,31Cによって屋内外の気密性を確保している。
このような嵌合構造であるため、樹脂下框11bや樹脂縦框12bが熱収縮したとしても、上述した樹脂熱収縮阻止構造31、31A,31Bによって熱収縮を押えられるため、樹脂下框11bと樹脂縦框12bとの間に隙間が生じて、内側の金属下框11aや金属縦框12aが露出することを防止できる。下框11と召し合わせ側の縦框13との嵌合構造も同様である。また、外障子8においても同一の構成を採用している。
また、内障子7及び外障子8における各框を形成する金属上框10a、金属下框11a、左右の金属縦框12a、13aは金属框を構成し、樹脂上框10b、樹脂下框11b、左右の樹脂縦框12b、13bは樹脂框を構成する。
例えば図1及び図3に示す内障子7や外障子8の各下框11において、複層ガラス9の屋内外側の両側縁部をグレージングチャンネル22で被覆し、その両立ち上がり部22bを各金属下框11aのパネル受け部26に形成した各側部26bの押圧部26cで押圧している。しかも、屋内側のグレージングチャンネル22の立ち上がり部22bでは、先端ヒレ部25の反対側の突部25aを、パネル受け部26に形成した両側部26bの押圧部26cで樹脂下框11bの先側突部28を介して押圧し、先側突部28でも立ち上がり部22bを押圧している。
また、内障子7や外障子8における樹脂熱収縮阻止構造31Aだけでなく、樹脂熱収縮阻止構造31B,31Cにおいても、複層ガラス9の両側縁部を被覆するグレージングチャンネル22と樹脂上框10b、左右の樹脂縦框12b、13bとの間に隙間が生じないので気密性を保つことができる。
そのため、樹脂下框11bや樹脂上框10b、左右の樹脂縦框12b、13bの短手方向だけでなく、長手方向の熱収縮も抑えられる。仮に、樹脂下框11bや樹脂上框10b、左右の樹脂縦框12b、13bが長手方向にわずかに熱収縮して上述の各樹脂框間に隙間が生じて金属框が露出したとしても、気密性に影響を与えない。
(1)複層ガラス9の四辺の側縁部を覆うグレージングチャンネル22の立ち上がり部22bを金属框のパネル受け部26の側部26bに設けた押圧部26cで押圧して気密に保持するため、金属框を覆う樹脂框が熱収縮したとしても複層ガラス9とパネル受け部26の側部26bとの間の気密性を確保できる。
(2)また、パネル受け部26の屋内側における側部26bの押圧部26cは、樹脂框の先側突部28を挟んでグレージングチャンネル22の突部25aを押圧して気密性を確保すると共に、樹脂框で金属框を覆うことで意匠性を良好にできる。
そのため、熱収縮により樹脂下框11bや樹脂上框10b等が長手方向に収縮して左右の樹脂縦框12b、13bとの接合部であるコーナー部に隙間が生じたとしても屋内外の気密性を損なうことはない。
以下に、本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明する。
本第二実施形態による引き違い窓1Aでは、複層ガラス9の側縁部にグレージングチャンネル22は設置されておらず、シーリング材40を用いている。即ち、内障子7における下框11の金属下框11aには複層ガラス9の側縁部を覆うように断面略U字状のパネル受け部26が形成されている。
また、パネル受け部26の屋内側において、先側突部28から枝分かれした係止部28aはパネル受け部26の側部26bに形成した係止受け部29に係合して固定されている。
一方、パネル受け部26の屋外側の側部26bは上端部が押圧部26cと略面一になるようにシーリング材40が充填されている。
このようなシーリング材40で気密に封止した構造は下框11だけでなく、図示は省略したが上框10、左右の縦框12,13にも形成されている。また、内障子7だけでなく外障子8にも同一な構成が形成されている。
そして、例えば図8に示す金属下枠3aにおいて、複層ガラス9の端部を囲うように断面略コの字状のパネル受け部45が形成されており、パネル受け部45の両側部45bは複層ガラス9の両面の側縁部まで延びている。
一方、パネル受け部45の屋内側で立ち上がる他方の側部45bは先端に形成した例えば断面略コの字状に屈曲した押圧部45cとその基端側で反対側に形成した係止受け部49とが設けられている。しかも、アルミ合金の押圧部45cの上部には樹脂下枠3bから延びる先側突部48当接している。
また、樹脂製の先側突部48から分岐した係止部28aは金属下枠3aの側部45bから分岐して突出する係止受け部49に嵌合することで樹脂下枠3bをパネル受け部45の屋内側の側部45bに係合している。
このような封止構造は、下枠3だけでなく複層ガラス9を気密に保持する上枠2、左右の縦枠4においても同様に形成されている。
図9に示すFIX窓はその基本構成を図7及び図8に示す第三実施形態と同様にしている。本第四実施形態では、グレージングチャンネル46に代えて、複層ガラス9の両側面と金属下枠3aに形成したパネル受け部45の両側部45bの押圧部45cとの間にシーリング材40を充填している。
これによって、アルミ製のパネル受け部45の側部45bにおける押圧部45c及び樹脂下枠3bの先側突部48と複層ガラス9との間でシーリング材40によって気密性を確保できる。また、樹脂下枠3bの先側突部48は押圧部45cと共にシーリング材40に固定されることで、熱収縮を抑制できる。
このような樹脂熱収縮阻止構造は、上框10及び左右の縦框12,13と複層ガラス9との間にも採用されている。
また、金属製のパネル受け部26に設けた係止受け部29と樹脂製の先側突部28に設けた係止部28aの一方は第一係止部であり、他方は第二係止部である。
また、グレージングチャンネル22、46、シーリング材40は封止材に含まれる。
また、上述した金属框及び樹脂框を備えた引き違い窓1や金属枠及び樹脂枠を備えたFIX窓44、50は複合建具を構成するが、本発明による複合建具は、引き違い窓1やFIX窓44、50に限定されるものではなく、例えば縦辷り出し窓やテラスドアや横辷り出し窓等にも採用できることはいうまでもない。
2 上枠
2a 金属上枠
2b 樹脂上枠
3 下枠
3a 金属下枠
3b 樹脂下枠
4 縦枠
4a 金属縦枠
4b 樹脂縦枠
5 枠体
7 内障子
8 外障子
9 複層ガラス
10 上框
10a 金属上框
10b 樹脂上框
11 下框
11a 金属下框
11b 樹脂下框
12、13 縦框
12a、13a 金属縦框
12b、13b 樹脂縦框
22、46 グレージングチャンネル
22b 立ち上がり部
25 先端ヒレ部
25a 突部
26、45 パネル受け部
26b、45b 側部
26c、33、35a、45c 押圧部
28、48 先側突部
28a 係止部
29、35b 係止受け部
40 シーリング材
44、50 FIX窓
Claims (6)
- 金属部材と樹脂部材をそれぞれ連結した複合部材を組み合わせた枠状部材内にガラスパネルを納めた複合建具であって、
少なくとも前記ガラスパネルの表面の周縁部に設けられた封止材と、
屋外側と屋内側の前記封止材を押圧して気密に保持する前記金属部材のパネル受け部と、
前記金属部材の屋内側部分を覆う前記樹脂部材と、
を備え、
前記金属部材のパネル受け部は、前記封止材を押圧する押圧部を有していて該押圧部は前記ガラスパネルの全周の側縁部に亘って連続して形成され、
前記ガラスパネルを押圧する前記封止材は屋内側に突出する突部を有しており、
前記樹脂部材は前記封止材を押圧する先側突部を有しており、
前記パネル受け部の押圧部は前記封止材の突部との間で前記樹脂部材の先側突部を挟んで係合しており、
前記パネル受け部と前記樹脂部材によって前記ガラスパネルの屋内側に中空部が形成されていることを特徴とする複合建具。 - 前記パネル受け部の押圧部は前記先側突部を介して前記封止材の突部を押圧し、前記樹脂部材の前記先側突部は前記封止材の突部近傍で前記封止材の厚み方向に押圧している請求項1に記載された複合建具。
- 前記パネル受け部の押圧部は前記封止材を側面で押圧しており、前記樹脂部材の前記先側突部から枝分かれした第二係止部で前記押圧部の側面を介して前記封止材を押圧している請求項1または2に記載された複合建具。
- 前記金属部材のパネル受け部の押圧部近傍で枝分かれした第一係止部が設けられ、前記樹脂部材の先側突部近傍で枝分かれして前記第一係止部と係合する第二係止部が設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載された複合建具。
- 前記金属部材は金属框であり、前記樹脂部材は樹脂框であり、前記ガラスパネルを納めた枠状部材は障子である請求項1から4のいずれか1項に記載された複合建具。
- 前記金属部材は金属枠であり、前記樹脂部材は樹脂枠であり、前記ガラスパネルを納めた枠状部材はFIX窓である請求項1から4のいずれか1項に記載された複合建具。
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