JP6534951B2 - 皮膚ターンオーバーの評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、個々の表皮角層細胞の面積と厚みから導き出される細胞集団の変化の指標と、ターンオーバー速度の関係性を見出し、ターンオーバーの亢進度合いの評価方法を提供する。
皮膚は体の最も外側に存在しており、細菌などの外界からの刺激に対するバリアとしての役割を有している。皮膚においては、表皮細胞が基底細胞から有棘細胞、顆粒細胞、さらには角層細胞へと約4週間かけて角化し、これらの細胞中で細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)、さらにはコーニファイドエンベローブを形成することによってバリア機能を成し遂げている。
このように約4週間かけて細胞が生まれ変わることは表皮ターンオーバーとして知られ、表皮の構造と機能の維持にきわめて重要である。表皮ターンオーバーは年齢とともに遅くなることが知られ、加齢による皮膚の変化の一因とも考えられている。
一方で、表皮ターンオーバーは様々な刺激(紫外線等)や、病気(尋常性乾癬等)において速くなることが知られており、表皮ターンオーバーの変化を正確に把握することは、正常な皮膚を維持する上でも重要である。
表皮ターンオーバーの測定はこれまでにも多くの研究が行われ(非特許文献1)、初期には14Cや3Hの取り込みを利用した方法が行われていたが、安全性の面で現在では使用できない。その後、蛍光物質(特許文献1)や色素(特許文献2)を使った方法が考案されているが、表皮の中の角質層のターンオーバーは測れても、それより下層の情報は得ることができない。そのため、表皮ターンオーバーに関する情報を得られないこと、またターンオーバー速度の速い部位(例えば顔など)間での比較などは難しいとみなされている。
その他、UVA照射によりメラニンを生成させ、その黒化の時間変化を測定する方法(特許文献3)が報告されているが、表皮ターンオーバーに影響を与える紫外線照射の利用は本来の皮膚の状態を把握する目的には利用し難い。さらに最近では重水を使った方法 (非特許文献1) が考案されているが、重水素の取り込みに28日を要するためタイムラグが生じることや、特別な測定機器が必要など手軽な方法とは言えない。
さらに、角質細胞の完成度の鑑別法として、角質細胞の厚さ、或いは角質細胞の厚さと、角質細胞面積及び/又はその代表値に対する相対的な薄さ(扁平係数)を指標とする方法が知られている。(特許文献4)
これまでの報告を羅列すると、ターンオーバー速度の速い部位ほど角質細胞面積は小さい。角質細胞面積とTEWL値(経表皮水分蒸散量)には逆相関の関係がある。露出部位は被覆部位に比べ角質細胞面積が小さい。頬は前腕部に比べターンオーバー速度が速く、未成熟な角層細胞が多い。角層の下の層ほど面積が小さく、厚みのある未成熟な細胞が多い。(非特許文献2)
このように、「ターンオーバー速度」、「角質細胞面積」、「TEWL値」、「紫外線の影響」という各パラメーター間には相関関係のあることは容易に理解できることである。しかしながら相関関係があるだけでは因果関係があるとは断定できないことは周知の事項であり、ヒトの皮膚で見たときにも個人差が大きく、そのままでこれらの相関関係を使って何かに利用することは難しい。
また、TEWL値を測定することは、恒温室である程度の時間束縛しなければ正しいデータが得られず、迅速に皮膚のターンオーバー速度を示す指標の1つとしてTEWL値を用いることは困難である。
このように近年のヒトにおける表皮ターンオーバーの測定方法は、未だ不十分な状況にある。
特開2000−247894公報 特開2012−77044公報 特開2005−230314号公報 特開2004−105700号公報 Journal of Investigative Dermatology(2006) 126,841-848. International Journal of Cosmetic Science(2013)35,2-8
本発明の目的は表皮ターンオーバー速度の速い部位におけるターンオーバーの、正常状態からの亢進を短期間で、被測定者の負担が少なく、精度の高い評価方法を提供することにある。
外気に露出する部位は表皮ターンオーバー速度が速く、本発明の方法での皮膚ターンオーバーの評価は、このような部位に特に有効である。外気に露出する部位には顔があり、皮膚ターンオーバーの評価を正確に得ることが求められている部位でもある。
表皮ターンオーバー速度の精度の高い評価方法を得ることによって、肌の正確な状態を知ることができ、皮膚外用剤、化粧料の選択をよりよいものにする。
本発明者はターンオーバー速度を評価する簡便で精度の高い方法を見つけるべく、これらの関係性について鋭意検討を行った結果、これまで角質細胞がヘテロジニアスな集団であることは知られていたものの、その中においてなお、規則性のあることを初めて確認し、本発明を完成するに至った。
その方法は、個々の角質細胞の面積と厚みを同時に測定した値を二次元座標軸上にプロットすると、角質細胞によって面積や厚みの測定値に固有の差があることがわかり、測定した角質細胞の面積や厚みの平均値或いはそれから導かれた扁平係数をもって、皮膚ターンオーバーの評価(角質細胞の完成度)を行うよりも有効な評価方法を見出した。
以下にその評価方法を詳細に説明する。
皮膚ターンオーバーの評価方法として以下の(A)或いは(B)を指標とする。
(A)角質細胞の厚みと面積との回帰直線の傾き
(B)角質細胞の厚みと面積との等確率楕円の長軸の傾き
角層細胞の採取し、角層細胞の面積と厚さを測定する。
そして、統計処理を行い、「角質細胞の厚みと面積との回帰直線の傾き」や「角質細胞の厚みと面積との等確率楕円の長軸の傾き」を導き出す。
角質細胞の採取は特に限定はないが、非侵襲的な方法が好ましく、当該技術分野で常用されているテープストリッピングを挙げることができる。
得た角質細胞の厚みと面積の測定方法に特に限定はなく原子間力顕微鏡、レーザー走査顕微鏡等の機器を用いて測定すればよい。
面積は投影面積でも表面積でもよいが通常は投影面積ごよく利用される。
本発明の方法において面積と厚みを測定する角質細胞の数は多いほど、また近接する細胞を多く測定するよりも、より離れた細胞をランダムに計測するなど、ヘテロジニアスな集団を的確に測定できる方法が望ましいが、50個以上、より好ましくは90個以上を測定する。
個々の角質細胞の面積と厚みの測定値を二次元座標軸上にプロットすると、角質細胞の不均一性に基づく楕円状に広がるプロット像が得られるが、この楕円の傾きが大きくなる(投影面積がより小さく、厚みがより大きくなる)方向への角層細胞の全体的なプロット像の変化こそが、ターンオーバー速度の亢進によると考えられ、定量的に比較するためには、回帰直線の傾きを比較すればよく、あるいは等確率楕円を求め、その長軸の傾きを比較する方法でも可能である。
また定量的な比較のほか、プロット像そのもの、あるいはそれを計算により表現する方法、例えば等確率楕円を求めることで、視覚的な比較も可能である。
さらに、皮膚の評価として、メラニンインデックス、紫外線感受性、TEWL等を測定し、より精度を挙げることも勿論可能である。
確認試験
<角層細胞の採取・計測>
テープストリッピングを用いて、21名のパネラーの頬から角質細胞を採取し、スライドグラスに転写後、レーザー走査顕微鏡を使って90個以上の角層細胞の投影面積と厚みを同時に測定し、二次元座標軸上にプロットした。また同時にTEWL(経表皮水分蒸散量)についても測定した。厚みを縦軸に、投影面積を横軸にプロットし、TEWL値の小さい順に並べたものを図1に示した。
<計測データの解析>
プロット像からも、TEWL値が大きくなるほど、厚みが大きく投影面積が小さくなる方向へ動いているかのように見えるが、個々のTEWL値と回帰直線の傾きには有意な相関関係のあることがわかる(図2)。
このようにTEWL値の小さい人はターンオーバーの促進度合いも小さく、逆にTEWL値の大きい人はターンオーバーの促進度合いも大きいが、TEWL値が大きいからと言って必ずしもターンオーバーが促進されているとは限らない。二次元座標データから等確率楕円を求めて、TEWL値と合わせて比較すると、図3のようにターンオーバーの促進の度合いをイメージとして伝えやすいことがわかる。
さらに我々は四季を通じて測定したTEWL値とメラニンインデックスのデータより、紫外線の影響にリンクしていると考えられるTEWL値の季節変動の傾向を確認した。このことからターンオーバーの促進度合いをより正確に評価するためには、年間で最もTEWL値が低くなる春から初夏にかけての時期と、最も高くなる秋から初冬にかけての時期に採取した角層細胞データを比較をすることが望ましいこともわかった。
本発明は、ターンオーバー速度が亢進していることの知られる病気の治療効果を評価する場合にも応用が可能である。
確認試験で測定した21名の角質細胞の厚み(縦軸)と面積(横軸)の二次元座標でのプロット像を、TEWL値の低い方から順に並べた結果を示す。 確認試験で測定した21名の回帰直線の傾き(縦軸)とTEWL値(横軸)の相関図を示す。 6名の角質細胞の厚み(縦軸)と面積(横軸)のデータから計算した等確率楕円とそのTEWL値を表した図を示す。

Claims (2)

  1. 被検者の特定部位から採取された角質細胞の50個以上について、(A)角質細胞の厚みと面積との回帰直線の傾き又は(B)角質細胞の厚みと面積との等確率楕円の長軸の傾きを求める皮膚ターンオーバーの評価方法。
  2. テープストリッピングで前記角質細胞を得た後、スライドグラスに転写し、そのまま前記角質細胞の厚みと面積を測定する請求項1に記載の皮膚ターンオーバーの評価方法。
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