JP6534901B2 - 建具及び建具の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建具及び建具の補強方法に関し、特に、縦枠に縦枠アタッチメントを取り付け、この縦枠アタッチメントに開き体を蝶番を介して取り付けてなる建具及び建具の補強方法に関する。
従来、開口部を構成する縦枠(方立)に縦枠アタッチメントを取り付け、縦枠アタッチメントにドアや開き窓等の開き体を蝶番を介して取り付けるように構成した建具が多用されている。
また、この種の建具には、蝶番の羽根をネジで縦枠アタッチメントに取り付ける部分の取付強度を確保するため、縦枠アタッチメントの内面(裏面)に裏板を配置し、この裏板に縦枠アタッチメント側からネジを捩じ込んで固定するようにしたものがある。
一方、開き体に子供がぶら下がったり、開き体が突風に煽られるなどして開き体に大きな外力が加わると、蝶番を固定しているネジを介して縦枠アタッチメントの裏板に大きな力が作用する。
これに対し、特許文献1には、縦枠の外面(表面)に裏板をネジで固定し、縦枠の外面に裏板を挟んで縦枠アタッチメントを固定し、開き体の側部に蝶番の一方の羽根を固定し、蝶番の他方の羽根を固着具により縦枠アタッチメントを介して裏板に固定するように構成した建具が開示されている。
この建具においては、開き体に大きな外力が作用した際にこの力が蝶番を固定するビスから裏板を通じて縦枠に直接的に伝わって、縦枠で受け止められる。これにより、縦枠アタッチメントに応力が集中することがなく、縦枠アタッチメントに変形等を生じにくくすることができる。
特開平10−317773号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示された建具においては、例えば予め縦枠が施工済みのカーテンウォールの開口部などに開き体を設置する場合、縦枠に先付けした裏板が干渉しないように取り回して縦枠アタッチメントを建て込むことが必要になり、また、裏板が障害になって、縦枠アタッチメントの建て込み作業が困難になる。
本発明は、上記事情に鑑み、作業性を向上させつつ好適に縦枠アタッチメントを補強することを可能にする建具及び建具の補強方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の建具は、開口部を構成する縦枠に縦枠アタッチメントを取り付け、蝶番を介して開き体を前記縦枠アタッチメントに開閉可能に取り付けてなる建具であって、前記蝶番の羽根を接続する前記縦枠アタッチメントの蝶番接続部を補強する補強構造を備え、前記補強構造が、前記縦枠と前記縦枠アタッチメントの間の中空部において前記縦枠に接続される係合部と、前記中空部において前記縦枠アタッチメントの蝶番接続部に重なるように配設される補強部とを有する補強部材を備えて構成されており、前記補強構造が、前記縦枠の所定位置に取り付けられ、前記縦枠に、前記補強部材の前記係合部に係合する係合受け部材が設けられ、前記係合受け部材は、前記縦枠に固着される固定部と、該固定部に段部を介して繋がり前記縦枠との間に所定の間隔をあけて配設される係合受け部と、を備え、前記補強部材の前記係合部と、前記係合受け部材の前記係合受け部と、が係合されていることを特徴とする。
本発明の建具の補強方法は、開口部を構成する縦枠に縦枠アタッチメントを取り付け、蝶番を介して開き体を前記縦枠アタッチメントに開閉可能に取り付けてなる建具の補強方法であって、補強部材が、前記縦枠と前記縦枠アタッチメントの間の中空部において前記縦枠に接続される係合部と、前記中空部において前記縦枠アタッチメントの蝶番接続部に重なるように配設される補強部と、を備え、前記縦枠に、前記補強部材の前記係合部に係合する係合受け部材が設けられ、前記係合受け部材は、前記縦枠に固着される固定部と、該固定部に段部を介して繋がり前記縦枠との間に所定の間隔をあけて配設される係合受け部と、を備え、枠体の上枠を固定する前に、前記縦枠と前記縦枠アタッチメントの間の中空部に上下方向から前記補強部材を挿入するとともに前記補強部材の前記係合部を前記係合受け部材の前記係合受け部に係合させ、且つ前記補強部材の前記補強部を前記縦枠アタッチメントの前記蝶番接続部に重なるように配設して、前記補強部材を設置する工程を備えることを特徴とする。
これらの発明においては、縦枠に縦枠アタッチメントを取り付けた後に、縦枠と縦枠アタッチメントの間の中空部に上下方向から補強部材を挿入することにより、補強部材の係合部を係合させて縦枠に接続し、補強部を縦枠アタッチメントの蝶番接続部に重なるように配設することができる。
これにより、補強部材の補強部によって縦枠アタッチメントの蝶番接続部を補強することができるとともに、開き体から縦枠アタッチメントの蝶番接続部に大きな外力が作用した際に、蝶番、補強部材の補強部、係合部を通じて縦枠に力を伝えることができる。よって、従来のように縦枠アタッチメントの建て込み作業が煩雑/困難になることなく、好適に縦枠アタッチメントの蝶番接続部に補強を施すことが可能になる。
さらに、例えば縦枠アタッチメントの取り付け前に縦枠の所定位置に係合受け部材を取り付け、縦枠と縦枠アタッチメントの間の中空部に補強部材を挿入するとともに補強部材の係合部を係合受け部材に係合させることによって、係合受け部材を介して縦枠に係合部を接続することが可能になる。
さらに、本発明の建具においては、前記補強部材が、前記係合部及び前記補強部を前記中空部に挿入した状態で所定位置に配置するための柄部を備えていることがより望ましい。
この発明においては、縦枠と縦枠アタッチメントの間の中空部に補強部材を挿入するようにした場合であっても、作業者が柄部を手で持ちながら挿入作業を行うことで、容易に中空部の内側にある所定位置(蝶番接続部がある位置)に係合部、補強部を配設することが可能になる。
本発明の建具においては、作業性を向上させつつ好適に縦枠アタッチメントを補強することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る建具、該建具の補強構造を示す横断面図である。 本発明の一実施形態に係る建具を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る建具の補強構造の係合受け部材を縦枠に取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る建具の補強構造の補強部材を示すとともに、補強部材を縦枠と縦枠アタッチメントの間の中空部に上方から挿入する状態を示す斜視図である。
以下、図1から図4を参照し、本発明の一実施形態に係る建具及び建具の補強方法について説明する。
本実施形態の建具Aは、例えばカーテンウォールの開口部(建物1階に設置される扉用のカーテンウォールの開口部)などに設置される框ドア(框戸/框窓扉)であり、図1及び図2に示すように、開口部1の外周に設置される枠体2と、枠体2に開閉可能に支持される障子(開き体)3とを備えて構成されている。なお、図1は枠体2と障子3の左右一方側のみを示す横断面図である。
障子3は、一対の縦框(縦桟)4a、上框(上桟)4b、下框(下桟)4cの框4及び面材5からなり、蝶番6を介して一方の縦框4aを枠体2に接続することにより、上下方向T1に延びる回動軸O1周りに回動自在に、且つ開口部1を開閉可能に設けられている。
枠体(例えば方立)2は、一対の縦枠2a、上枠2b、下枠2cを方形状の開口部1の周端にそれぞれ配設して構成されている。
また、本実施形態の建具Aにおいては、図1に示すように、例えば押出成形によって断面略コ字状に形成された縦枠アタッチメント7が、側面の開口を一方の縦枠2aの外面(表面)に向けるように配設しつつ、ネジ止め(ビス止め)するなどして一方の縦枠2aに一体に接続して設けられている。この縦枠アタッチメント7は、一方の縦枠2aに沿って上下方向T1に延設されている。なお、本実施形態では縦枠アタッチメント7と縦枠2aをネジ止めした接続部を被覆して意匠性を高めるためのカバー部材(化粧材)14が取り付けられている。
そして、蝶番6の一方の羽根6aを障子3の一方の縦框4aにネジ止めして固定し、他方の羽根6bを縦枠アタッチメント7にネジ止めして固定することによって、障子3が枠体2に蝶番6及び縦枠アタッチメント7を介して回動可能に接続されている。
さらに、本実施形態の建具Aにおいては、障子3を縦枠アタッチメント7に回動可能に接続する部分(縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8)に補強構造9が具備されている。
本実施形態の補強構造9は、図1、図3、図4に示すように、枠体2の一方の縦枠2aにネジ止めするなどして一体に取り付けられる係合受け部材10と、一方の縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に上方(上下方向T1)から挿入して縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8を補強するための補強部材12とを備えて構成されている。
係合受け部材10は、図1及び図3に示すように、枠体2の一方の縦枠2aの外面にネジ止めして固着される固定部10aと、固定部10aに段部10bを介して繋がり、一方の縦枠2aの外面との間に所定の隙間をあけて配設される係合受け部10cとを備えて形成されている。
補強部材12は、図1及び図4に示すように、断面略コ字状に形成された本体部12aと、本体部12aの上端から上方に延設された柄部12gとを備えて形成されている。本体部12aは、一側面を形成し、縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8の内面(裏面)に重なるように配されて蝶番接続部8を補強するための補強部12bと、一側面と反対側の他側面を形成し、係合受け部材10の係合受け部10cに係合して縦枠2aに接続される係合部12cと、補強部12bと係合部12cを繋ぐ連結部12dとを備えて断面略コ字状に形成されている。
また、本実施形態では、補強部材12の連結部12dに突部12eが一体に設けられている。これにより、本実施形態の補強部材12には突部12eと係合部12cの間に係合溝12fが形成されている。さらに、本実施形態では、補強部12bの外面に縦枠アタッチメント7の内面に密着して蝶番接続部8の止水性(や気密性など)を確保するための例えばブチルシート/テープなどの止水材13が設けられている。
上記構成からなる本実施形態の建具Aを補強部材12によって補強する際には(本実施形態の建具の補強方法においては)、まず、枠体2の縦枠2aに縦枠アタッチメント7を取り付ける前に、固定部10aを縦枠2aの外面側に固定して係合受け部材10を縦枠2aに取り付ける。このとき、本実施形態では、固定部10aの端部側(係合受け部材10の一端部側)を縦枠2aに設けられた係止爪2dに係止させて係合受け部材10を取り付ける。
次に、縦枠アタッチメント7を縦枠2aに取り付け、縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に上方(上下方向T1)から補強部材12を挿入し、補強部材12の突部12eと係合部12cの間の係合溝12fに係合受け部材10を係合させ、補強部材12の係合部12cを係合受け部材10に係合させる。
なお、縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に上方から補強部材12を挿入設置するため、枠体2の上枠を固定する前に補強部材12を設置し、補強部材12を取り付けた段階で上枠を固定する。
次に、本実施形態では、蝶番6の他方の羽根6bをネジ止めするとともに、このネジ止めによって縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8の内面に補強部材12の補強部12bを固着する。
したがって、本実施形態の建具A及び建具の補強方法においては、枠体2の縦枠2aに縦枠アタッチメント7を取り付けた後に、縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に上方(上下方向T1)から補強部材12を挿入し、補強部材12の突部12eと係合部12cの間の係合溝12fに係合受け部材10を係合させ、補強部材12の係合部12cを係合受け部材10に係合させることにより、係合受け部材10を介して補強部材12の係合部12cを縦枠2aに接続することができる。
また、縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に上方から補強部材12を挿入するとともに、補強部12bを縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8に重なるように配設することができる。そして、蝶番6の他方の羽根6bをネジ止めする際にこのネジ止めによって縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8の内面に補強部12bを固着することができる。
これにより、補強部材12の補強部12bによって縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8を補強することができるとともに、障子3から縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8に大きな外力が作用した際に、蝶番6、補強部材12の補強部12b、連結部12d、係合部12cを通じて枠体2の縦枠2aに力を伝えることができる。
よって、本実施形態の建具A(補強構造9)及び建具の補強方法によれば、従来のように縦枠アタッチメント7の建て込み作業が煩雑/困難になることなく、好適に縦枠アタッチメント7の蝶番接続部8に補強を施すことが可能になる。
また、縦枠アタッチメント7の取り付け前に縦枠2aの所定位置に係合受け部材10を取り付け、縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に補強部材12を挿入するとともに補強部材12の係合部12cを係合受け部材10に係合させるように構成することで、係合受け部材10を介して縦枠2aに係合部12cを容易に接続することが可能になる。
さらに、本実施形態の建具Aにおいては、補強部材12が、作業者が手で持ち、係合部12c及び補強部12bを中空部11に挿入して所定位置に配置するための柄部12gを備えている。これにより、縦枠2aと縦枠アタッチメント7の間の中空部11に補強部材12を挿入するようにした場合であっても、作業者が柄部12gを手で持ちながら挿入作業を行うことで、容易に中空部11の内側にある所定位置(蝶番接続部8がある位置)に係合部12c、補強部12bを配設することができる。
以上、本発明に係る建具及び建具の補強方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、補強部材12の係合部12cが係合受け部材10に係合し、この係合受け部材10を介して縦枠2aに接続されるものとしたが、縦枠2aに直接的に係合部12cが係合して接続するように構成してもよい。
また、図1、図3、図4では、補強部材12を上方から中空部11に挿入して一つの蝶番接続部8を補強するように図示した。これに対し、複数の蝶番接続部8を一つの補強部材12で補強するように構成してもよい。さらに、下方から中空部11に補強部材12を挿入して蝶番接続部8を補強するように構成してもよい。
また、本実施形態では、蝶番接続部8に重なるように配設された補強部材12の補強部12bを蝶番6の羽根6bのネジ止めとともに縦枠アタッチメント7に固着して蝶番接続部8を補強するものとした。これに対し、蝶番接続部8に重なるように補強部材12の補強部12bを配設することによって補強を施すことが可能であれば、必ずしも補強部12bを縦枠アタッチメント7に固着しなくてもよい。また、補強部12bを縦枠アタッチメント7に固着する場合においても、蝶番6の羽根6bのネジ止め以外の手段によって固着するように構成してもよい。
1 開口部
2 枠体
2a 縦枠
2b 上枠
2c 下枠
2d 係止爪
3 障子(開き体)
4 框
4a 縦框
4b 上框
4c 下框
5 面材
6 蝶番
6a 一方の羽根
6b 他方の羽根
7 縦枠アタッチメント
8 蝶番接続部
9 補強構造
10 係合受け部材
10a 固定部
10b 段部
10c 係合受け部
11 中空部
12 補強部材
12a 本体部
12b 補強部
12c 係合部
12d 連結部
12e 突部
12f 係合溝
12g 柄部
13 止水材
14 カバー部材(化粧材)
A 建具
O1 回動軸
T1 上下方向

Claims (3)

  1. 開口部を構成する縦枠に縦枠アタッチメントを取り付け、蝶番を介して開き体を前記縦枠アタッチメントに開閉可能に取り付けてなる建具であって、
    前記蝶番の羽根を接続する前記縦枠アタッチメントの蝶番接続部を補強する補強構造を備え、
    前記補強構造が、前記縦枠と前記縦枠アタッチメントの間の中空部において前記縦枠に接続される係合部と、前記中空部において前記縦枠アタッチメントの蝶番接続部に重なるように配設される補強部とを有する補強部材を備えて構成されており、
    前記補強構造が、前記縦枠の所定位置に取り付けられ、
    前記縦枠に、前記補強部材の前記係合部に係合する係合受け部材が設けられ、
    前記係合受け部材は、前記縦枠に固着される固定部と、該固定部に段部を介して繋がり前記縦枠との間に所定の間隔をあけて配設される係合受け部と、を備え、
    前記補強部材の前記係合部と、前記係合受け部材の前記係合受け部と、が係合されていることを特徴とする建具。
  2. 請求項1に記載の建具において、
    前記補強部材が、前記係合部及び前記補強部を前記中空部に挿入した状態で所定位置に配置するための柄部を備えている建具。
  3. 開口部を構成する縦枠に縦枠アタッチメントを取り付け、蝶番を介して開き体を前記縦枠アタッチメントに開閉可能に取り付けてなる建具の補強方法であって、
    補強部材が、前記縦枠と前記縦枠アタッチメントの間の中空部において前記縦枠に接続される係合部と、前記中空部において前記縦枠アタッチメントの蝶番接続部に重なるように配設される補強部と、を備え、
    前記縦枠に、前記補強部材の前記係合部に係合する係合受け部材が設けられ、
    前記係合受け部材は、前記縦枠に固着される固定部と、該固定部に段部を介して繋がり前記縦枠との間に所定の間隔をあけて配設される係合受け部と、を備え、
    枠体の上枠を固定する前に、前記縦枠と前記縦枠アタッチメントの間の中空部に上下方向から前記補強部材を挿入するとともに前記補強部材の前記係合部を前記係合受け部材の前記係合受け部に係合させ、且つ前記補強部材の前記補強部を前記縦枠アタッチメントの前記蝶番接続部に重なるように配設して、前記補強部材を設置する工程を備えることを特徴とする建具の補強方法。
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