JP6534562B2 - 構造体及び施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、構造体及びそれを用いた施工方法に関する。
地山を掘削して建造するトンネルや地下構造物等は、NATM工法で施工することが一般的に提案されている。NATM工法は、ロックボルトを介して地山に吹付施工した一次覆工セメントコンクリートと、トンネルの内周面となる二次覆工セメントコンクリートとの間に、防水シートを介在させることにより、地山からの湧水が二次覆工セメントコンクリートに漏れ出ることを防止している。
防水シートとしては、EVA等の樹脂シートの片面に、不織布等の通水性及び緩衝性のある裏面緩衝材を接合した複合多層シートが一般的である。裏面緩衝材は、地山からの湧水等をトンネルの底面から排水させる通水の役割と、一次覆工コンクリートの凹凸やロックボルト等から防水シートを保護する緩衝材の役割とを、有している。しかしながら、湧水中には土砂が含まれており、防水シートを長期間使用した場合、不織布の繊維の中に土砂が入り込み、通水機能が低下するという課題があった。近年のNATM工法において、セメントコンクリートの強度を高めるために、鋼繊維等の補強繊維材料を混合したセメントコンクリートを吹付ける施工が行われているが、セメントコンクリート表面に露出した補強繊維が防水シートに刺さり貫通し、防水性を阻害するという課題があった。
この様な課題を解決するために、二重覆工によるトンネル施工を行うにあたり、吹付コンクリートによる一次覆工を施したのち、二次覆工を打設するに先立って、上記一次覆工で施されたコンクリート面に、湿気硬化型一液防水材料を吹付けて硬化させることにより防水層を形成させることを特徴とするトンネルの防水方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、本発明の防水材を使用することにより、有機材料の飛散による中毒や皮膚のかぶれ等、健康を害する恐れが低減することについて、記載がない。
トンネル掘削面に一次吹付セメントコンクリートを施工後、該一次吹付セメントコンクリート表面に常温加硫型ゴム系エマルションを吹付け、常温加硫型ゴム皮膜を形成し、その表面に二次覆工セメントコンクリートを打設してなることを特徴とするトンネル防水工法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、本発明の防水材について、記載がない。
アニオン性クロロプレンラテックスを主成分とする主剤と、硫酸アルミニウム水溶液を主成分とする硬化剤とからなることを特徴とする難燃性接着剤が提案されている(特許文献3)。しなしながら、構造体がセメントコンクリートであることについて、記載がない。
特開平9−112195号公報 特開2001−355397号公報 特開平9−310054号公報
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の防水材を用いることにより、優れた塗膜が得られる構造体を提供するに至った。
即ち、本発明は、セメントコンクリート表面に、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する防水材を施工する構造体であり、一次覆工セメントコンクリート表面に、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する防水材を施工して防水材の膜を形成し、防水材の膜を形成した後に、該防水材の膜の表面に二次覆工セメントコンクリートを打設する構造体であり、防水材が、更に水を含有するエマルション含有溶液である該構造体であり、アニオン性エマルションがポリクロロプレンラテックスである該構造体であり、無機塩が硫酸アルミニウムである該構造体であり、無機凝集剤の使用量が、エマルションの固形分100質量部に対して、1〜50質量部である該構造体であり、セメントコンクリートが混和材を含有する該構造体であり、セメントコンクリートが減水剤を含有する該構造体であり、セメントコンクリートが急結剤を含有する該構造体であり、急結剤がカルシウムアルミネートを含有する該構造体であり、急結剤がカルシウムアルミネート、アルカリ金属硫酸塩、硫酸カルシウムを含有する該構造体であり、掘削面にセメントコンクリートを施工後、該セメントコンクリート表面に、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する防水材を施工する施工方法であり、掘削面に一次覆工セメントコンクリートを吹付け、該一次覆工セメントコンクリート表面に、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する防水材を施工して防水材の膜を形成し、防水材の膜を形成した後に、該防水材の膜の表面に二次覆工セメントコンクリートを打設する施工方法である。
本発明の構造体は、優れた塗膜が得られる。
本実施形態で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。セメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、コンクリートをいう。
本実施形態で使用する防水材は、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する。本実施形態で使用する防水材としては、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤、水を含有するエマルション含有溶液が好ましい。
本実施形態で使用するアニオン性エマルション(以下エマルションをいうこともある)とは、例えば、pHが8以上のエマルション含有溶液をいう。アニオン性エマルションとは、例えば、アニオン系界面活性剤を用いて製造したエマルションをいい、エマルションは、アニオン系界面活性剤を含有する。エマルションは、水と混合したエマルション水溶液として使用しても良い。エマルション水溶液中のエマルションの固形分濃度は、40〜80%が好ましく、50〜70%がより好ましい。
本実施形態で使用するエマルションとは、例えば、樹脂エマルション、ゴムラテックスをいう。エマルションの中では、防水性と変形追従性の点で、ポリクロロプレンラテックスが好ましい。
本実施形態でポリクロロプレンラテックスを使用する場合、構成する単量体成分は、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下、「クロロプレン」という。)を少なくとも含有する。クロロプレンと、クロロプレンと共重合可能な他の単量体とを含んでも構わない。クロロプレンと共重合可能な他の単量体は、本実施形態の効果を損なわない限り特に限定されず、クロロプレン系重合体組成物に用いることが可能な単量体を1種以上、自由に選択して使用することができる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸のエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、スチレン、アクリロニトリル等を使用することができる。
エマルションを重合する時、例えば、アニオン系界面活性剤を使用する。アニオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸カリウム、パルチミン酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩、芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物の金属塩、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸カリウム、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸カリウム、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルスルフォン酸カリウム等が挙げられる。
エマルションを重合する時、重合開始剤、連鎖移動剤を使用することができる。
エマルションの製造方法は、特に制限が無く、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等の公知技術を使用することができるが、乳化重合法が最も好適に使用することができる。
エマルションの混合方法は特に制限されるものではなく、固定容器型混合装置、回転容器型混合装置、パイプラインミキサー、スタチックミキサー等の公知の装置を使用して混合することができる。
本実施形態の無機凝集剤は、無機塩からなる。陽イオンとしては、例えば、アルミニウム等の三価の金属、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の二価の金属等が挙げられる。陰イオンとしては、塩化物、アルミン酸塩、水酸化物、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、過硫酸塩、炭酸塩等の無機塩が挙げられる。又、複塩でも構わない。これらの中では、凝集速度の制御、塗膜の防水性、トータルコストのバランスの点で、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、硫酸アルミニウム、塩化カルシウムからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、硫酸アルミニウムが最も好ましい。
無機凝集剤は、水を混合した無機凝集剤溶液として使用しても良い。無機凝集剤溶液中の無機凝集剤の固形分濃度は、1〜50%が好ましく、5〜15%がより好ましい。
本実施形態の無機凝集剤の使用量は、噴霧の作業性及び防水性塗膜の防水性の点で、エマルションの固形分100部に対して、固形分換算で1〜50部が好ましく、5〜15部がより好ましい。
本実施形態の防水材はエマルション含有溶液として、セメントコンクリート表面に防水材の膜を形成する。例えば、一次覆工セメントコンクリートを地山に吹付けて硬化させた後に、噴霧等により防水材の膜を形成する。噴霧させる方法は特に限定されるものではなく、2台のスプレーガンや圧送機等で主剤と凝集剤を別々に噴霧する方法や、2剤型スプレーガン等で主剤と凝集剤を同時に噴霧する方法が挙げられる。一度形成された防水材の膜の表面に重ねて噴霧することにより、膜厚を大きくすることもできる。噴霧後にロールコーターやコテ等を使用することもできる。本実施形態は、防水材の膜を形成した後に、防水材の膜の表面に二次覆工セメントコンクリートを打設しても良い。二次覆工セメントコンクリートの打設方法としては、吹付方法等が挙げられる。
防水材を2剤型の防水材として使用する場合、防水材を主剤と凝集剤に分け、エマルションを主剤とし、無機凝集剤を凝集剤とすることが好ましい。エマルションをエマルション水溶液として使用しても良く、無機凝集剤を無機凝集剤溶液として使用しても良い。
本実施形態で使用するセメントコンクリートは、セメントを含有する。本実施形態で使用するセメントは特に限定されるものではない。例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、石灰石微粉末を混合した各種セメント等の何れも使用できる。
本実施形態で使用するセメントコンクリートは、更に骨材を含有しても良い。骨材としては、吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましい。骨材の最大寸法は吹付けできれば特に限定されるものではない。細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、珪砂等が挙げられる。粗骨材としては、川砂利、山砂利、石灰砂利等が挙げられる。
本実施形態のセメントコンクリートは、セメント量、リバウンド率、粉じん量を低減し、噴霧する際の粘性を増すために、混和材を使用することができる。混和材としては、高炉スラグ、シリカヒューム、フライアッシュからなる群のうちの1種以上が好ましい。
高炉スラグは、溶鉱炉で鉄鉱石から銑鉄をつくる際に副生する溶融スラグを急冷したものである。
シリカヒュームは、強度発現性を高める効果も有するもので、例えば、金属シリコンやフェロシリコンをアーク式電気炉で製造する際に発生する排ガス中のダストを集塵する際に得られる超微粒子である。シリカヒュームの粒度は、強度発現性、リバウンド率低減、粉塵量低減の点で、BET比表面積値(以下、BETという)で10〜30m/gが好ましく、15〜20m/gが好ましい。
フライアッシュは、微粉炭燃焼ボイラーからの排ガス中に含まれている灰の微粒子を集塵機等で捕集したものである。フライアッシュの粒度は、ポゾラン反応の向上、強度発現性の向上、リバウンドや粉塵の抑制の点で、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で1000〜6000cm/gが好ましく、2000〜5000cm/gがより好ましい。
混和材の使用量は、強度発現性、リバウンド率低減、粉塵量低減の点で、セメント100部に対して、5〜40部が好ましく、10〜30部がより好ましい。
本実施形態は、セメントコンクリートを吹付ける際の流動性を改善するために、減水剤を使用しても良い。減水剤は、液状、粉状の何れも使用できる。減水剤としては、例えば、アルキルアリルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系高分子化合物等が挙げられる。これらの中では、流動性、スランプ保持性の点で、ポリカルボン酸系高分子化合物が好ましい。
減水剤の使用量は、流動性、分散安定性、強度発現性、スランプ調整の点で、セメント100部に対して、固形分換算で、0.05〜5部が好ましく、0.1〜3部がより好ましい。
本実施形態は、例えば、セメント、混和材、骨材、減水剤、水を混合し、練り混ぜることにより、セメントコンクリートを調製する。
本実施形態のセメントコンクリートのW/C(水/セメント比)は、強度発現性の点で、40〜70%が好ましく、45〜60%がより好ましい。
本実施形態において、セメントコンクリートのスランプは、リバウンド率や粉塵量を低減する点で、15〜24cmが好ましく、18〜22cmがより好ましい。
本実施形態のセメントコンクリートは、吹付直前に、急結剤と合流混合して、急結性セメントコンクリートとすることが好ましい。
本実施形態の急結剤としては、粉体急結剤が好ましい。粉体急結剤は、急結性や初期強度発現性の点で、カルシウムアルミネートを含有することが好ましく、カルシウムアルミネート、アルカリ金属硫酸塩、硫酸カルシウムを含有することがより好ましい。
カルシウムアルミネートは、CaO原料やAl2O3原料等を混合したものを、キルンでの焼成や電気炉での溶融等といった熱処理をし、粉砕して得られるものである。CaOをC、Al2O3をAと略記すると、カルシウムアルミネートは、例えば、C3A、C12A7、C11A7・CaF2、C11A7・CaCl2、CA、CA2等と示されるものであり、これらの1種以上を使用することができる。更に、本実施形態では、これらに、Na、K、Li等のアルカリ金属が0.05〜5%固溶したものや、SiO2を30%未満含有するカルシウムアルミノシリケートも使用できる。更に、第一酸化鉄、第二酸化鉄、酸化マンガン、マグネシア、リン酸等の一種以上を30%未満含有しても良い。
カルシウムアルミネートとしては、非晶質、結晶質、何れも使用できる。これらの中では、急結性の点で、非晶質が80%以上含有するカルシウムアルミネートが好ましく、非晶質が90%以上含有するカルシウムアルミネートがより好ましい。
カルシウムアルミネート中のCaO/Al2O3(モル比)は、急結性の点で、1.5〜3.0が好ましく、1.7〜2.3がより好ましい。
カルシウムアルミネートの粒度は、急結性や初期強度発現性の点で、ブレーン値で3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。
カルシウムアルミネートの使用量は、急結性の点で、急結剤100部中、30〜70部が好ましく、40〜60部がより好ましい。
アルカリ金属硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属硫酸塩の粉度は、急結性や初期強度発現性の点で、ブレーン値で500cm/g以上が好ましく、1000cm/g以上がより好ましい。
アルカリ金属硫酸塩の使用量は、急結性の点で、急結剤100部中、2〜50部が好ましく、5〜30部がより好ましい。
本実施形態の急結剤は、強度発現性を向上させる目的で、無水石膏、半水石膏、二水石膏等の硫酸カルシウムを使用することができる。
硫酸カルシウムの結晶の形態は特に限定されるものではなく、α型半水石膏、β型半水石膏、I型無水石膏、II型無水石膏、III型無水石膏等が使用できる。硫酸カルシウムには、天然で産出するものや、産業副産物として得られる排脱石膏や弗酸副生無水石膏等が含まれる。
硫酸カルシウムの粉度は、強度発現性の点で、ブレーン値で2000cm/g以上が好ましく、3000cm/g以上がより好ましい。
硫酸カルシウムの使用量は、急結性や強度発現性の点で、急結剤100部中、5〜40部が好ましく、10〜30部が更に好ましい。
本実施形態の急結剤の使用量は、急結性や強度発現性の点で、セメント100部に対して、5〜25部が好ましく、7〜15部が更に好ましい。
本実施形態の吹付工法としては、乾式吹付工法、湿式吹付工法等が挙げられる。
以下、実験例に基づいて本実施形態を更に詳細に説明するとともに、本実施形態の効果を検証する。以下に説明する実施例は、本実施形態の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本実施形態の範囲が狭く解釈されることはない。
実験例1
セメント100部、表1に示す量の混和材、減水剤0.25部を使用し、細骨材率65%、W/C50%の条件で、コンクリートを調製し、スランプを測定した。
一方、セメント100部に対して急結剤10部を加え、急結性吹付コンクリートとした。急結性吹付コンクリートを用いて吹付試験を行い、圧縮強度及びリバウンド率を測定した。結果を表1に示した。
(使用材料)
普通ポルトランドセメント:市販品、ブレーン値3200cm/g、比重3.16
シリカヒューム:市販品、BET15m/g、比重2.2
フライアッシュ:市販品、ブレーン値2000cm/g、比重2.3
ポリカルボン酸系減水剤:市販品、ポリカルボン酸系高分子化合物
細骨材:新潟県糸魚川市姫川産川砂、表乾状態、比重2.62、最大寸法5mm
粗骨材:新潟県糸魚川市姫川産川砂利、表乾状態、比重2.66、最大寸法13mm
急結剤:カルシウムアルミネート60部、硫酸ナトリウム20部、硫酸カルシウム20部を混合した粉体急結剤
カルシウムアルミネート:C12A7組成に対応するもの、非晶質を90%以上含有、ブレーン値5500cm/g
アルカリ金属硫酸塩:硫酸ナトリウム、市販品、無水品、ブレーン値1000cm/g
硫酸カルシウム:市販無水セッコウ粉砕品、ブレーン値5900cm/g
水:水道水
(測定方法)
流動性(スランプ):コンクリートのスランプを測定した。JISA1101に準じて流動性を測定した。
圧縮強度(初期圧縮強度):材齢24時間後の圧縮強度を測定した。幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト表面から吹付けにより急結性吹付コンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜く強度を求め、次式に従い算出した。
初期圧縮強度=(引き抜き強度)×4/供試体の面積・・・(式1)
圧縮強度(長期圧縮強度):材齢28日後の圧縮強度を測定した。幅50cm×長さ50cmの型枠に急結性吹付コンクリートを吹付けた後、直径5cm×高さ10cmの供試体をコアリングし20トン圧縮強度測定機で測定した。
リバウンド率:急結性吹付コンクリートを10m/hの速度で10分間、鉄板でアーチ状に作製した高さ4.4m×幅5.5mの模擬トンネルに吹付けた。その後、次式に従いリバウンド率を算出した。
リバウンド率=(トンネルに付着せずに落下した急結性吹付コンクリート量)/(トンネルに吹付けた急結性吹付コンクリート量)×100(%)・・・(式2)
BET比表面積値:BET法により測定した。
ブレーン比表面積値:JISR5201により測定した。
Figure 0006534562

表1から以下が認められた。本実施形態のコンクリートの流動性は良好である。本実施形態の急結性吹付コンクリートは、圧縮強度が大きく、リバウンド率が小さい。
実験例2
表2に示すエマルションの固形分100部、固形分換算で表2に示す量の無機凝集剤を使用し、防水材を調製した。エマルションとして、エマルションと水を含有するエマルション水溶液を使用し、主剤とした。無機凝集剤として、固形分濃度10%の無機凝集剤溶液を使用し、無機凝集剤とした。表2に示す急結性吹付コンクリート表面に防水材を噴霧又は塗布し、防水材からなる塗膜の各種物性を測定した。結果を表2に示した。
(使用材料)
クロロプレンALX:ポリクロロプレンゴムラテックス水溶液、電気化学工業社製、固形分濃度60%、アニオン系界面活性剤を含有、pH=13
クロロプレンLC:ポリクロロプレンゴムラテックス水溶液、電気化学工業社製、固形分濃度55%、pH=7、PVA系界面活性剤を含有
EVA59:EVA樹脂エマルション水溶液、電気化学工業社製、固形分濃度56%、pH=6、PVA系界面活性剤を含有
硫酸アルミニウム:市販品
塩化カルシウム:市販品
(測定方法)
外観(噴霧後の塗膜外観):リバウンド率測定後に、急結性吹付コンクリート表面に防水材の膜を作製し、噴霧後の塗膜外観を観察した。主剤と凝集剤を、ノズル口径2mmの2液型スプレーガンにそれぞれ充填し、圧力4kg/cmの条件で、防水材をリバウンド率測定後の急結性吹付コンクリート表面に噴霧した。噴霧後の塗膜外観を目視で観察した。防水材からなる塗膜の表面にひび割れやピンホールが無く、均一な塗膜が得られた場合を◎、防水材からなる塗膜の表面にひび割れやピンホールが少し見られたものの、ほぼ均一な塗膜が得られた場合を△とした。
密着性(剥離強度):塗膜の密着性を測定した。幅50cm×長さ50cmの型枠に急結性吹付コンクリートを吹付けた後、急結性吹付コンクリートを切断し、横25mm×縦150mmの供試体を作製した。供試体表面に、主剤と凝集剤を混合した防水材を200g/mになるように塗布した後、直ぐに帆布(25×150mm)を乗せてハンドローラーで5往復した。セットタイム20℃で3時間後の試験体の剥離密着強度を200mm/minの速度のオートグラフで測定し、剥離強度とした。材料破壊とは、防水材からなる塗膜が急結性吹付コンクリート表面から剥離せず、急結性吹付コンクリート自身が破壊する状況をいう。密着性が良好な点で、材料破壊であることが好ましい。
密着性(浸水後の剥離強度):防水性を測定した。前記の、セットタイム20℃で3時間後の試験体を、15℃の水に7日間浸漬し、剥離密着強度を200mm/minの速度のオートグラフで測定し、浸水後の剥離強度とした。
強度・靱性:塗膜の強度・靱性を測定した。幅50cm×長さ50cmの型枠に急結性吹付コンクリートを吹付けた後、急結性吹付コンクリート表面に防水材を噴霧した。主剤と凝集剤を、ノズル口径2mmの2液型スプレーガンにそれぞれ充填し、圧力4kg/cmの条件で、防水材を噴霧した。その後20℃で7日間養生した。脱型した後は、JISK6251に準拠して、オートグラフにて引張破断強度(TB)と引張破断伸び(EB)を測定し、塗膜の強度と変形への追従性の指標とした。
防水性:塗膜の防水性を測定した。幅50cm×長さ50cmの型枠に急結性吹付コンクリートを吹付けた後、急結性吹付コンクリート表面に防水材を噴霧した。主剤と凝集剤を、ノズル口径2mmの2液型スプレーガンにそれぞれ充填し、圧力4kg/cmの条件で、防水材を噴霧した。その後20℃7日間養生し、更に15℃の水に7日間浸漬した。脱型した後は、JISK6251に準拠して、オートグラフにて引張破断強度(TB)を測定した。次式に従い防水性を算出した。
防水性(%)=(水浸漬後の引張破断強度)/(水浸漬前の引張破断強度)×100・・・(式3)
Figure 0006534562

表2から以下が認められた。本実施形態の防水材は、噴霧後の塗膜外観が良好であり、密着性、強度、靱性、防水性が大きい(実験例2−1〜実験例2−4)。無機凝集剤を使用しない場合、防水材の塗膜が得られない(実験例2−5)。アニオン性でないエマルションを使用した場合、密着性、強度、靱性、防水性が小さく、本実施形態の効果が得られない(実験例2−6、実験例2−7)。
本実施形態は、一次覆工セメントコンクリート表面を防水性塗膜で覆うことにより、防水機能を高め、トンネル構造体としての長寿命化を図ることができる。本実施形態は、防水シートを一次覆工セメントコンクリートに固定する作業を省略できるので、トンネル施工の軽労化を図ることができる。本実施形態は、防水性と変形追従性に優れたトンネル構造体を提供できる。
本実施形態の防水材は、防水性や密着性に優れているので、土木・建築分野において、トンネル構造体、地下構造物、住宅及びビルの屋上や壁の防水、各種漏水対策、耐震・ひび割れ補強材料、地盤安定化等に幅広く使用することができる。

Claims (13)

  1. セメントコンクリート表面に、ポリクロロプレンラテックスであるアニオン性エマルション、硫酸アルミニウムを含有する無機凝集剤を含有する防水材を施工する構造体。
  2. 一次覆工セメントコンクリート表面に、ポリクロロプレンラテックスであるアニオン性エマルション、硫酸アルミニウムを含有する無機凝集剤を含有する防水材を施工して防水材の膜を形成し、防水材の膜を形成した後に、該防水材の膜の表面に二次覆工セメントコンクリートを打設する構造体。
  3. 無機凝集剤の使用量が、エマルションの固形分100質量部に対して、1〜50質量部であり、無機凝集剤の固形分濃度が1〜50%である請求項1又は2記載の構造体。
  4. 防水材が更に水を含有し、アニオン性エマルションのpHが8以上であり、アニオン性エマルションの固形分濃度が40〜80%である請求項1〜3の何れか1項記載の構造体。
  5. 防水材を主剤と凝集剤に分け、エマルションを主剤とし、無機凝集剤を凝集剤とする請求項1〜4の何れか1項記載の構造体。
  6. セメントコンクリートが、高炉スラグ、BET比表面積値で10〜30m /gであるシリカヒューム、ブレーン比表面積値で1000〜6000cm /gであるフライアッシュからなる群のうちの1種以上である混和材を、セメント100部に対して、5〜40部含有する請求項1〜の何れか1項記載の構造体。
  7. セメントコンクリートがポリカルボン酸系高分子化合物を含有する減水剤を、セメント100部に対して、固形分換算で、0.05〜5部含有する請求項1〜の何れか1項記載の構造体。
  8. セメントコンクリートのW/Cが40〜70%であり、スランプが15〜24cmである請求項1〜7の何れか1項記載の構造体。
  9. セメントコンクリートが急結剤を、セメント100部に対して、5〜25部含有する請求項1〜8の何れか1項記載の構造体。
  10. 急結剤が、非晶質が80%以上であり、CaO/Al (モル比)が1.5〜3.0であり、粒度がブレーン値で3000cm /g以上であり、使用量が急結剤100部中30〜70部であるカルシウムアルミネート、粒度がブレーン値で2000cm /g以上であり、使用量が急結剤100部中5〜40部である硫酸カルシウムを含有する請求項9記載の構造体。
  11. 急結剤が、さらに、粒度がブレーン値で500cm /g以上であり、使用量が急結剤100部中2〜50部であるアルカリ金属硫酸塩を含有する粉体急結剤である請求項10記載の構造体。
  12. 掘削面にセメントコンクリートを施工後、該セメントコンクリート表面に、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する防水材を施工することにより請求項1〜11の何れか1項記載の構造体を得る施工方法。
  13. 掘削面に一次覆工セメントコンクリートを吹付け、該一次覆工セメントコンクリート表面に、アニオン性エマルション、無機塩からなる無機凝集剤を含有する防水材を施工して防水材の膜を形成し、防水材の膜を形成した後に、該防水材の膜の表面に二次覆工セメントコンクリートを打設することにより請求項1〜11の何れか1項記載の構造体を得る施工方法。
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