JP6534030B2 - AlN単結晶の作製方法 - Google Patents

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本発明は、AlN単結晶の作製方法に関する。
AlN(窒化アルミニウム)は、医療、浄水、食品等の分野で殺菌用途や洗浄用途で使用される深紫外発光デバイスへの応用が期待されている。又、AlNは、放射線下や高温下の環境で使用されるパワーデバイスへの応用も期待されている。このようにAlNを深紫外発光デバイスやパワーデバイスとして利用する場合には、半導体シリコンと同様に、単結晶ウエハとして使用することが望ましい。
AlN単結晶を作製する方法の1つとして溶液法がある。溶液法は昇華法と比べて成長温度が低く、低コストで実現し得る点で優位である。AlN単結晶を溶液法により作製する方法では、気相中のN(窒素)を溶媒中に溶解させることで、AlN単結晶を基板上に成長させる。例えば特許文献1には、横型の成長炉を用い、Cu−Ti−Al−Siを組成とする溶媒と、表面を窒化していないサファイア基板とを用い、AlN単結晶を基板上に成長させる方法が開示されている。
特開2014−101235号公報
特許文献1の方法では、サファイア基板と、Cu−Ti−Al−Siを組成とする合金とをアルミナボートに配置し、そのサファイア基板と合金とを配置したアルミナボートを炉内に配置し、炉内を窒素雰囲気として所定温度(例えば2000K)で所定時間(例えば5時間)保持する。Cu−Ti−Al−Siを組成とする合金が溶解して溶媒となり、気相中のNが溶媒中に溶解することで、AlN単結晶が基板上に成長する。
しかしながら、特許文献1の方法では、AlN単結晶が基板上に成長することに加え、溶媒表面(液面)でもAlNが雑晶として析出してしまう。その結果、溶媒表面でのAlNの析出が、サファイア基板上でのAlN単結晶の成長を阻害したり雑晶の混入による結晶品質の低下を誘発したりすることになる。このような事情から、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶を基板上に良好に成長させる方法が望まれている。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、AlN単結晶を溶液法で作製する場合に、被成長領域以外の領域であり特には溶媒表面近傍での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶を被成長領域上に良好に成長させることができるAlN単結晶の作製方法を提供することにある。
請求項1に記載したAlN単結晶の作製方法は、Nを、Alを含む組成の溶媒中に溶解させることで、AlN単結晶を被成長領域上に成長させるAlN単結晶の作製方法であって、第1種別に属する元素として、Al及びNの何れとも化合物を形成しない条件又はAl及びNの何れかと化合物を形成するが当該化合物の標準生成自由エネルギーがAlNの標準生成自由エネルギーよりも大きい条件を満たす元素を用い、Alと1種類以上の前記第1種別に属する元素とを含む組成を、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において高温側ではAlNが析出し始める窒素濃度よりも溶媒中の窒素濃度が低い未飽和状態を形成し且つ低温側ではAlNが析出し始める窒素濃度よりも溶媒中の窒素濃度が高い過飽和状態を形成する組成とした溶媒を用い、溶媒表面の温度を高温側範囲内とし且つ溶媒と被成長領域との界面の温度を低温側範囲内としてAlN単結晶を被成長領域上に成長させることを特徴とする。
請求項3に記載したAlN単結晶の作製方法は、請求項1又は2に記載したAlN単結晶の作製方法において、第2種別に属する元素として、Nとの相互作用パラメーターが溶媒表面の温度で−10000J/molより小さくなる条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とする。
請求項5に記載したAlN単結晶の作製方法は、請求項1又は2に記載したAlN単結晶の作製方法において、第3種別に属する元素として、Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とする。
請求項6に記載したAlN単結晶の作製方法は、請求項3又は4に記載したAlN単結晶の作製方法において、第3種別に属する元素として、Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とする。
請求項8に記載したAlN単結晶の作製方法は、請求項3又は4に記載したAlN単結晶の作製方法において、第4種別に属する元素として、1種類以上の前記第1種別に属する元素及び1種類以上の前記第2種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素と1種類以上の前記第4種別に属する元素を含む組成とした溶媒を用いることを特徴とする。
請求項9に記載したAlN単結晶の作製方法は、請求項5に記載したAlN単結晶の作製方法において、第4種別に属する元素として、1種類以上の前記第1種別に属する元素及び1種類以上の前記第3種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素と1種類以上の前記第4種別に属する元素を含む組成とした溶媒を用いることを特徴とする。
請求項10に記載したAlN単結晶の作製方法は、請求項6に記載したAlN単結晶の作製方法において、第4種別に属する元素として、1種類以上の前記第1種別に属する元素及び1種類以上の前記第2種別に属する元素及び1種類以上の前記第3種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素と1種類以上の前記第4種別に属する元素を含む組成とした溶媒を用いることを特徴とする。
請求項1に記載したAlN単結晶の作製方法によれば、溶媒表面では、AlNが析出し始める窒素濃度よりも溶媒中の窒素濃度が低い未飽和状態となるので、AlNの析出を抑制することができ、溶媒表面での雑晶(例えばAlN多結晶等)の析出を抑制することができる。一方、溶媒と被成長領域(例えば基板等)との界面では、AlNが析出し始める窒素濃度よりも溶媒中の窒素濃度が高い過飽和状態となるので、AlNの析出を促進することができ、AlN単結晶の被成長領域上への成長を促進することができる。即ち、Alと1種類以上の第1種別に属する元素とを含む溶媒の組成に着眼し、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成し得る(両立し得る)組成を得た。そして、溶媒全体で温度を均一とするのではなく、未飽和状態と過飽和状態とを形成するように溶媒に温度差を与えることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶を被成長領域上に良好に成長させることができる。又、溶液法でAlN単結晶を基板上に成長させることで、昇華法と比べて成長温度が低く、低コストで実現し得る利点もある。
請求項3に記載したAlN単結晶の作製方法によれば、Nとの相互作用パラメーターが溶媒表面の温度で−10000J/molより小さくなる条件を満たす第2種別に属する元素を含むことにより、Nの溶媒中への溶解が促進されるので、AlNが析出し始める窒素濃度及び溶媒中の窒素濃度を全体的に増大させる(Nを大量に供給する)ことができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
請求項5及び6に記載したAlN単結晶の作製方法によれば、Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件を満たす第3種別に属する元素を含むことにより、AlNが析出し始める窒素濃度の傾き(温度変化に対する窒素濃度の変化量)が増大されるので、低温側で過飽和度を大きくすることができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
請求項8、9及び10に記載したAlN単結晶の作製方法によれば、1種類以上の第1種別に属する元素や1種類以上の第2種別に属する元素や1種類以上の第3種別に属する元素よりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす第4種別に属する元素を含むことにより、AlNが析出し始める窒素濃度を増大させることができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
本発明の一実施形態を示し、AlN単結晶の作製装置を示す図 Alとの化合物形成の有無及びNとの化合物形成の有無を示す図 窒素濃度と温度との関係を示す図 成長シーケンスを示す図 AlN単結晶の成長及び温度差を模式的に示す図 ラマン測定の測定位置を示す図 ラマン測定による液面直下の画像を示す図 ラマン測定による基板直上の画像を示す図 SEMによる基板直上の画像を示す図 Alのマッピング像を示す図 Nのマッピング像を示す図 検出位置を示す図 スペクトルを示す図 質量濃度及び原子数濃度の評価結果を示す図 Alとの相互作用パラメーター及びNとの相互作用パラメーターを示す図 Alとの相互作用パラメーター及びNとの相互作用パラメーターを表す式を示す図 窒素濃度と温度との関係を示す図 AlN単結晶の成長及び温度差を模式的に示す図 ラマン測定による溶媒全体の断面の画像を示す図 SEMによる液面直下の画像を示す図 SEMによる坩堝底部の画像を示す図 Alのマッピング像を示す図 Nのマッピング像を示す図 検出位置を示す図 スペクトルを示す図 質量濃度及び原子数濃度の評価結果を示す図 ラマン測定による基板表面の画像を示す図 SEMによる基板表面の画像を示す図 SEMによる基板表面の画像を示す図 XRDの評価結果を示す図 SEMによる基板表面の画像を示す図 Alのマッピング像を示す図 Nのマッピング像を示す図 検出位置を示す図 スペクトルを示す図 質量濃度及び原子数濃度の評価結果を示す図 窒素濃度と温度との関係を示す図 AlN単結晶の成長及び温度差を模式的に示す図 ラマン測定による基板表面の画像を示す図 ラマン測定による溶媒全体の断面の画像を示す図 窒素濃度と温度との関係を示す図 AlN単結晶の成長及び温度差を模式的に示す図 窒素濃度と温度との関係を示す図 成長シーケンスを示す図 AlN単結晶の成長及び温度差を模式的に示す図 SEMによる基板表面の画像を示す図 ラマン測定による基板表面の画像を示す図 ラマンスペクトルを示す図 XRDの評価結果を示す図 SEMによる試料断面の画像を示す図
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1はAlN単結晶の作製装置1を示している。AlN単結晶の作製装置1は、縦型の高周波加熱炉であり、凹状のアルミ合金容器2の上方開口部2aがフランジ3により閉鎖可能に構成されている。アルミ合金容器2の材質は例えばA5052である。フランジ3は水冷可能となっている。アルミ合金容器2の底部(下端部)には、アルミ合金容器2の内部と連通する導管4が接続されている。導管4の先端側にはアルミ合金容器2の内部を真空引きするためのロータリポンプ5が設けられていると共に、導管4の途中部位にはバルブ(調整弁)6が設けられている。ロータリポンプ5が駆動されてバルブ6の開度が調整されることで、アルミ合金容器2の内部が真空引きされる。尚、ロータリポンプ5に代えて、ディフュージョンポンプやターボポンプを用いても良い。
アルミ合金容器2の一方側(図1では右側)の上部には、アルミ合金容器2の内部と連通するガス供給管7が接続されている。ガス供給管7の途中部位にはバルブ(調整弁)8が設けられている。バルブ8の開度が調整されることで、外部からアルミ合金容器2の内部へと供給(流入)されるArガス(アルゴンガス)やNガス(窒素ガス)の流量が調整される。アルミ合金容器2の他方側(図1では左側)の下部には、アルミ合金容器2の内部と連通するガス排気管9が接続されている。ガス排気管9の途中部位にはバルブ(調整弁)10が設けられている。バルブ10の開度が調整されることで、アルミ合金容器2の内部から外部へと排気(流出)されるArガスやNガスの流量が調整される。
アルミ合金容器2の底部には挿通口2bが形成されており、その挿通口2bには軸11が挿通されている。軸11にあってアルミ合金容器2の内部に位置する先端部には凹状の台座12が一体的に取り付けられている。台座12上には凹状の断熱材13が配置されている。断熱材13の内部には凹状のホットウォール14が配置されている。ホットウォール14の内部には詳しくは後述するように基板16と溶媒17が収容された凹状の坩堝(アルミナ坩堝)15が配置される。又、アルミ合金容器2の内部には、ホットウォール14の上部から下部に亘って全体を囲むように誘導加熱コイル18が配置されている。誘導加熱コイル18は、その中央部側で発熱量が相対的に大きく、その端部側(上側及び下側)で発熱量が相対的に小さい。即ち、誘導加熱コイル18は、その中央部側で高温の空間を形成し、その上側及び下側で低温の空間を形成する。
軸11は上下方向(軸方向、図1では矢印A1−A2方向)に往復移動可能になっており、軸11が上下方向に往復移動することで、基板16及び溶媒17の誘導加熱コイル18に対する相対的な位置が変化する。即ち、基板16及び溶媒17の誘導加熱コイル18に対する相対的な位置を変化させることで、溶媒上部と溶媒下部との間に温度差を与えることが可能となっている。尚、誘導加熱コイル18が形成する空間の温度分布を事前に解析し、誘導加熱コイル18に流す電流量を調整することで、溶媒上部と溶媒下部の温度を自在に調整し且つ溶媒上部と溶媒下部との温度差を自在に調整可能となっている。又、軸11が上下方向に往復移動する範囲内では、溶媒17の表面(液面)は常にガス供給管7の供給口よりも下方であり、ガス供給管7からアルミ合金容器2の内部へと供給されたNガスは上方から下方へと移動する(降下する)ことで、溶媒17の表面へと到達して溶媒中に溶解する。
基板16及び溶媒17について説明する。基板16は、表面を窒化していないサファイア基板である。溶媒17は、Alと後述する条件を満たす元素とを組成とする組成物である。Alと組成する元素として(ア)から(ウ)の条件を満たすことが望ましい。
(ア)Al及びNの何れとも化合物を形成しない、又はAl及びNガスの何れかと化合物を形成するが当該化合物の標準生成自由エネルギーがAlNの標準生成自由エネルギーよりも大きい条件。標準生成自由エネルギーとは、物質(化合物)を単体から生成するときに働くエネルギーを示す。(ア)の条件を満たす元素が第1種別に属する元素である。
(イ)Nとの相互作用パラメーターが、溶媒表面の温度で−10000J/molより小さい条件。Nとの相互作用パラメーターとは、Nとの結合の大小を示し、Nとの相互作用パラメーターが小さい程、Nとの結合が促進され、即ち、気相中のNの溶媒中への溶解が促進される。(イ)の条件を満たす元素が第2種別に属する元素である。
(ウ)Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件。(ウ)の条件を満たす元素が第3種別に属する元素である。Alとの相互作用パラメーターとは、Alとの結合の大小を示し、Alとの相互作用パラメーターが小さい程、溶媒中でのAlとの結合が促進される。
これ以降、それぞれの条件を満たす元素を含む組成の溶媒を用いた実験結果について順次説明する。
(1)(ア)の条件を満たす元素を含む組成の溶媒を用いた実験結果
最初に、幾つかの元素について、Alとの化合物を形成するか否か及びNとの化合物を形成するか否かを調査し、化合物を形成する場合には標準生成自由エネルギーを計算した。図2は1900Kでの計算結果を示している。1900KでのAlNの標準生成自由エネルギーは「−106.151kJ/mol」であり、(ア)の条件を満たす元素として、Li、Mg、Si、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Sn(図2にてハッチングで示す元素)を特定した。これらLi、Mg、Si、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Snが第1種別に属する元素である。
次に、(ア)の条件を満たす元素のうちFeを用い、Fe−Alの二元系化合物について、溶媒中の窒素濃度(Nliquid)、AlNが析出し始める窒素濃度(NAlN)を計算した。Nliquidは、Nと平衡した溶媒中のNのモル分率である。
Fe=溶媒中のFeの物質量
Al=溶媒中のAlの物質量
=溶媒中のNの物質量
とした場合、
liquid=n/(nFe+nAl+n
である。又、NAlNは、AlNと平衡した溶媒中のNのモル分率である。各相の原子の化学ポテンシャルが等しいときに平衡するため、NAlN及びNliquidを求めるためには溶媒のギブズ自由エネルギーを求める必要がある。溶媒のギブズ自由エネルギーを計算する手順は、以下の2つの文献を参考にした。
文献1:西沢泰二:ミクロ組織の熱力学,日本金属学会(2005)p.59.式(3.16)
文献2:H.L.Lukas,S.G.Fries and B.Sundman:Computational thermodynamics,Cambridge(2007)p.101.式(5.51)
この場合、NliquidとNAlNとの大小関係は、Nliquid<NAlNでは未飽和状態であり、Nliquid>NAlNでは過飽和状態である。
次に、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。具体的には、AlN単結晶の成長温度を1900〜2000Kに設定し、未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。図3はFe−Al(96:4at%)の溶媒について窒素雰囲気が1atmでの窒素濃度と温度との関係を示している。図3では、1900〜2000Kの温度範囲でNliquidとNAlNとの大小が逆転している温度が存在する。具体的には、約1960Kから高温側では、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となる。一方、約1960Kから低温側では、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となる。
次に、このようなAlN単結晶の成長温度範囲で未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成のFe−Al(96:4at%)の溶媒を用いてAlN単結晶を作製する手順を説明する。図4は成長シーケンスを示している。
手順1:アルミ合金容器2の内部において、サファイア基板を坩堝15に収容し、Fe−Al(96:4at%)の溶媒をサファイア基板上となるように坩堝15に収容する。この場合、Fe−Al(96:4at%)の溶媒は、別々の粉末の状態で坩堝15に収容しても良いし、予め合金を作製しておくことで、合金の状態で坩堝15に収容しても良い。
手順2:アルミ合金容器2の内部を真空引きする。真空度は、1mmHg以下、好ましくは1×10−1mmHg以下とする。
手順3:アルミ合金容器2の内部を真空引きした後に、Arガス(純度は95%以上、好ましくは99%以上)をガス供給管7からアルミ合金容器2の内部へと供給し、アルミ合金容器2の内部を大気圧の圧力にする。このとき、Arガス中の酸素をチタンゲッターで除去したり、液体窒素で冷却された冷却管中で水蒸気を液化して除去したりすることが好ましい。
手順4:誘導加熱コイル18への通電を開始し、アルミ合金容器2の内部の加熱を開始する。約45分かけて約1900〜2000Kまで昇温する。
手順5:アルミ合金容器2の内部の温度が約1900〜2000Kに到達してから約1時間(図4ではT1)放置してFeとAlとを均一に溶解させる。
手順6:アルミ合金容器2の内部の温度を約1900〜2000Kに保持したままアルミ合金容器2の内部に導入するガスをArガスからNガスに切換える。即ち、Nガスを例えば1L/minの流量でアルミ合金容器2の内部に供給し(窒素雰囲気を形成し)、約1900Kの温度で所定時間(例えば5時間以上(図4ではT2))保持する。このときも、Nガス中の酸素や水蒸気を除去することが好ましい。又、このとき、軸11を上下方向に移動させて、図5に示すように、溶媒上部の温度が約2000Kとなり、溶媒下部の温度が約1900Kとなるようにアルミ合金容器2の内部での溶媒の位置を調節する。溶媒上部では、約1960Kよりも高温となるので、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となり、AlNの析出が抑制される。一方、溶媒下部では、約1960Kよりも低温となるので、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となり、AlNの析出が促進され、AlN単結晶の基板上への成長が促進される。特に、溶媒と基板との界面の温度を、Nliquid=NAlNとなる温度よりも50K以内の低温側に設定することによりAlN単結晶の基板上への成長が促進される。又、溶媒と基板との界面の温度を、Nliquid=NAlNとなる温度よりも10K以内の低温側に設定することによりAlN単結晶の基板上への成長が更に促進される。
手順7:誘導加熱コイル18への通電を終了し、約90分かけて常温まで降温する。これ以降、サファイア基板を除去することで、AlN単結晶のみを得ることができる。
上記した一連の手順で作製した試料の測定結果を以下に説明する。図6はラマン測定の測定位置を示し、図7はラマン測定による液面直下の画像を示し、図8はラマン測定による基板直上の画像を示している。ラマン測定による画像において点状(粒状)で示されている部分がAlNである。図6から図8により、溶媒上部では、AlNの析出が抑制されていることが確認された。溶媒上部でAlNの析出が抑制されている現象は、溶媒上部がNliquid<NAlNであり、未飽和状態であったことに起因する。一方、溶媒下部では、AlNの析出が確認され、AlN単結晶が基板上に成長していることが確認された。溶媒下部でAlN単結晶が基板上に成長している現象は、溶媒下部がNliquid>NAlNであり、過飽和状態であったことに起因する。
図9は基板直上を走査型電子顕微鏡により撮像した画像を示し、図10はEDX(Energy Dispersive X-ray spectrometry)によるAlのマッピング像を示し、図11はEDXによるNのマッピング像を示している。又、図12は図9に示した画像での検出位置を示し、図13は検出位置でのスペクトルを示し、図14はEDXによる質量濃度及び原子数濃度の評価結果を示している。尚、図13においてスペクトル中の0keV近傍のピークは評価結果とは無関係である。図9から図14により、基板直上では、AlN単結晶が成長していることが確認されると共に、Feが検出されていない(AlN単結晶の純度が高い)ことが確認された。尚、Cの検出は試料作製後の空気中に漂っている有機化合物の付着によると推定される。Oの検出はAlN単結晶を取り出したときの酸化によると推定される。又、Ptの検出は絶縁性の材料を分析するときのスパッタ等の蒸着による。
以上により、AlN単結晶の成長温度である1900〜2000Kの温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成するFe−Al(96:4at%)の溶媒を用い、溶媒上部の温度を約2000Kとし、溶媒下部の温度を約1900Kとすることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶の基板上への成長を促進できることが分かった。ここでいう雑晶とは、基板上に成長しているAlN単結晶以外の結晶であり、例えばAlN多結晶である。尚、溶媒下部の温度をNliquid=NAlNとなる約1960Kから離す(差を大きくする)ことで、過飽和度(NliquidとNAlNとの差)を大きくすることができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
(2)(イ)及び(ウ)の条件を満たす元素を含む組成の溶媒を用いた実験結果
次に、幾つかの元素について、Nとの相互作用パラメーター及びAlとの相互作用パラメーターを計算した。図15は1973KでX−Al(70:30at%)の組成のAlとの相互作用パラメーター及びX−N(70:30at%)の組成のNとの相互作用パラメーターを示している。(イ)の条件を満たす元素として、Li、Si、Ti、V、Cr、Fe、Nb、Mo(図15にて破線Aで囲んで示す元素)を特定した。これらLi、Si、Ti、V、Cr、Fe、Nb、Moが第2種別に属する元素である。又、図16はAlとの相互作用パラメーター及びNとの相互作用パラメーターを表す式を示している。(ウ)の条件を満たす元素として、Li、Cr(図16にてハッチングで示す元素)を特定した。これらLi、Crが第3種別に属する元素である。第2種別に属する元素から選択する元素や第3種別に属する元素から選択する元素は、第1種別に属する元素の何れかであることが望ましい。
次に、(イ)及び(ウ)の条件を満たす元素のうちCrを用い、この場合も、Fe−Cr−Alの三元系化合物について、溶媒中の窒素濃度(Nliquid)、AlNが析出し始める窒素濃度(NAlN)を計算し、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。尚、Crは、第2種別及び第3種別の双方に属し、且つ第1種別にも属する元素である。具体的には、AlN単結晶の成長温度を1900〜2000Kに設定し、未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。図17はFe−Cr−Al(82:15:3at%)の溶媒について窒素雰囲気が1atmでの窒素濃度と温度との関係を示している。図17でも、1900〜2000Kの範囲でNliquidとNAlNとの大小が逆転している温度が存在し、約1960Kから高温側では、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となり、約1960Kから低温側では、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となる。しかも、上記したFe−Al(96:4at%)の溶媒を用いた場合と比較すると、Nliquid及びNAlNの両方の窒素濃度が全体的に増大している。又、NAlNの傾き(温度変化に対する窒素濃度の変化量)が増大しており、即ち、Nliquid=NAlNとなる約1960Kから離れるにしたがって窒素濃度の差が増大しており、低温側では過飽和度が増大している。
AlN単結晶を作製する場合には、軸11を上下方向に移動させて、図18に示すように、溶媒上部の温度が約1980Kとなり、溶媒下部の温度が約1930Kとなるようにアルミ合金容器2の内部での溶媒の位置を調節する。溶媒上部では、1960Kよりも高温となるので、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となり、AlNの析出が抑制される。一方、溶媒下部では、1960Kよりも低温となるので、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となり、AlNの析出が促進され、AlN単結晶の基板上への成長が促進される。この場合も、特に、溶媒と基板との界面の温度を、Nliquid=NAlNとなる温度よりも50K以内の低温側に設定することによりAlN単結晶の基板上への成長が促進される。又、溶媒と基板との界面の温度を、Nliquid=NAlNとなる温度よりも10K以内の低温側に設定することによりAlN単結晶の基板上への成長が更に促進される。
図19はラマン測定による溶媒全体の断面の画像を示し、図20はSEMによる液面直下の画像を示し、図21はSEMによる坩堝底部の画像を示している。図19でもラマン測定による画像において点状(粒状)で示されている部分がAlNである。図19から図21により、この場合も、溶媒上部では、AlNの析出が抑制されていることが確認された。一方、溶媒下部では、AlNの析出が確認され、AlN単結晶が基板上に成長していることが確認された。
図22はEDXによるAlのマッピング像を示し、図23はEDXによるNのマッピング像を示している。又、図24は図21に示した画像での検出位置を示し、図25は検出位置でのスペクトルを示し、図26はEDXによる質量濃度及び原子数濃度の評価結果を示している。尚、図25においてもスペクトル中の0keV近傍のピークは評価結果とは無関係である。図22から図26により、この場合も、基板直上では、AlN単結晶が成長していることが確認されると共に、Feが検出されていない(AlN単結晶の純度が高い)ことが確認された。尚、この場合も、Cの検出は試料作製後の空気中に漂っている有機化合物の付着によると推定され、Oの検出はAlN単結晶を取り出したときの酸化によると推定され、Ptの検出は絶縁性の材料を分析するときのスパッタ等の蒸着による。
図27はラマン測定による基板表面の画像を示し、図28及び図29はSEMによる基板表面の画像を示している。図27でもラマン測定による画像において点状(粒状)で示されている部分がAlNである。図30はXRD(X‐ray diffraction)の評価結果を示している。図30により、AlNの0002回折及び0004回折のピークが検出されていることに加え、サファイア基板の0006回折のピークが検出されており、AlNが(0001)基板上にヘテロエピタキシャル成長しているが確認された。図31はSEMによる基板表面の画像を示し、図32はEDXによるAlのマッピング像を示し、図33はEDXによるNのマッピング像を示している。又、図34は図29に示した画像での検出位置を示し、図35は検出位置でのスペクトルを示し、図36はEDXによる質量濃度及び原子数濃度の評価結果を示している。図31から図36により、基板表面でも、AlN単結晶が成長していることが確認されると共に、Feが検出されていない(AlN単結晶の純度が高い)ことが確認された。尚、この場合も、Cの検出は試料作製後の空気中に漂っている有機化合物の付着によると推定され、Oの検出はAlN単結晶を取り出したときの酸化によると推定され、Ptの検出は絶縁性の材料を分析するときのスパッタ等の蒸着による。
以上により、AlN単結晶の成長温度である1900〜2000Kの温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成するFe−Cr−Al(82:15:3at%)の溶媒を用い、溶媒上部の温度を約1980Kとし、溶媒下部の温度を約1930Kとすることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶の基板上への成長を促進できることが分かった。又、Fe−Cr−Al(82:15:3at%)の組成では、Fe−Al(96:4at%)の組成と比較すると、(イ)の条件を満たすCrの性質により、気相中のNの溶媒中への溶解を促進し、Nliquid及びNAlNの両方の窒素濃度を全体的に増大させる(Nを大量に供給する)ことができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。更に、(ウ)の条件を満たすCrの性質により、NAlNの傾きを増大させることができ、低温側で過飽和度(NliquidとNAlNとの差)を大きくすることでも、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
尚、参考として、図37はFe−Cr−Al(76:20:4at%)の溶媒について窒素雰囲気が1atmでの窒素濃度と温度との関係を示している。図37では、1900〜2000Kの範囲でNliquidとNAlNとの大小が逆転している温度が存在せず、1900〜2000Kの範囲で過飽和状態となる。AlN単結晶を作製する場合には、軸11を上下方向に移動させて、図38に示すように、溶媒上部の温度が約2000Kとなり、溶媒下部の温度が約1900Kとなるようにアルミ合金容器2の内部での溶媒の位置を調節しても、溶媒上部では、未飽和状態とならずに過飽和状態となる。この場合、溶媒表面での雑晶の析出を抑制することはできない。
図39はラマン測定による基板表面の画像を示し、図40はラマン測定による溶媒全体の断面の画像を示している。基板表面では、AlN単結晶が僅かに成長していることが確認されるに過ぎず、溶媒上部でAlNの析出が抑制されていない(AlNが析出されている)ことが確認された。即ち、CrやAlの組成比が高すぎると、未飽和状態を形成することができず、溶媒上部でAlNの析出を抑制することができない。
(3)(ア)から(ウ)の条件以外の条件として、Alとの相互作用パラメーターが小さい元素を含む組成の溶媒を用いた実験結果
前述した(1)及び(2)で溶媒に用いた元素(Fe及びCr)とは異なり、且つ(1)及び(2)で溶媒に用いた元素(Fe及びCr)よりもAlとの相互作用パラメーターが小さい元素(第1種別に属する元素の何れかであり、既に溶媒中に含まれる第2種別に属する元素及び第3種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターが小さい元素)として、Co、Ni(図15にて破線Bで囲んで示す元素)を特定した。これらCo、Niが第4種別に属する元素である。第4種別に属する元素から選択する元素も、第1種別に属する元素の何れかであることが望ましい。この場合も、Coを用い、Fe−Cr−Co−Alの四元系化合物について、溶媒中の窒素濃度(Nliquid)、AlNが析出し始める窒素濃度(NAlN)を計算し、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。尚、Coは、第4種別に属し、且つ第1種別にも属する元素である。具体的には、AlN単結晶の成長温度を1900〜2000Kに設定し、未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。図41はFe−Cr−Co−Al(50:32:15:3at%)の溶媒について窒素雰囲気が1atmでの窒素濃度と温度との関係を示している。図41でも、1900〜2000Kの範囲でNliquidとNAlNとの大小が逆転している温度が存在し、約1975Kから高温側では、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となり、約1975Kから低温側では、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となる。しかも、上記したFe−Cr−Al(82:15:3at%)の溶媒を用いた場合と比較すると、Nliquid及びNAlNの両方の窒素濃度が全体的に増大している。
AlN単結晶を作製する場合には、軸11を上下方向に移動させて、図42に示すように、溶媒上部の温度が約2000Kとなり、溶媒下部の温度が約1900Kとなるようにアルミ合金容器2の内部での溶媒の位置を調節する。溶媒上部では、1975Kよりも高温となるので、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となり、AlNの析出が抑制される。一方、溶媒下部では、1975Kよりも低温となるので、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となり、AlNの析出が促進され、AlN単結晶の基板上への成長が促進される。この場合、Alとの相互作用パラメーターが小さい条件を満たすCoの性質により、NAlNの窒素濃度を全体的に増大させることができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
(4)(ア)の条件を満たす別の元素を含む組成の溶媒を用いた実験結果
N及びAlとの相互パラメーターが小さい元素ほど溶液の自由エネルギーを下げることができ、(ア)の条件を満たす元素してCoを第1種別に属する元素として選び、(イ)及び(ウ)の条件を満たす元素としてCrを第2種別に属する元素として用いた。
Co−Cr−Alの三元系化合物について、溶媒中の窒素濃度(Nliquid)、AlNが析出し始める窒素濃度(NAlN)を計算し、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。具体的には、AlN単結晶の成長温度を1970〜2070Kに設定し、未飽和状態と過飽和状態とを形成する組成を探索した。図43はCo−Cr−Al(65:25:10at%)の溶媒について窒素雰囲気が1atmでの窒素濃度と温度との関係を示している。図43でも、2040〜2060Kの範囲でNliquidとNAlNとの大小が逆転している温度が存在し、約2045Kから高温側では、Nliquid<NAlNであり、未飽和状態となり、約2045Kから低温側では、Nliquid>NAlNであり、過飽和状態となる。しかも、上述したFe−Cr−Al(82:15:3at%)の溶媒を用いた場合と比較すると、Nliquid及びNAlNの両方の窒素濃度が全体的に増大している。又、NAlNの傾き(温度変化に対する窒素濃度の変化量)が増大しており、即ち、Nliquid=NAlNとなる約2045Kから離れるにしたがって窒素濃度の差が増大しており、低温側では過飽和度が増大している。これにより、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。
Co−Cr−Alの三元系化合物を用いてAlN単結晶を作製する手順を以下に説明する。図44は成長シーケンスを示す。若干の違いはあるが、図4で説明したFe−Al(96:4at%)の溶媒を用いてAlN単結晶を作製する手順とほぼ同様の手順である。
手順1:アルミ合金容器2の内部において、サファイア基板を坩堝15に収容し、Co−Cr−Al(65:25:10at%)の溶媒をサファイア基板上となるように坩堝15に収容する。この場合、Co−Cr−Al(65:25:10at%)の溶媒は、別々の粉末の状態で坩堝15に収容しても良いし、予め合金を作製しておくことで、合金の状態で坩堝15に収容しても良い。
手順2:アルミ合金容器2の内部を真空引きする。真空度は、1mmHg以下、好ましくは1×10−1mmHg以下とする。
手順3:アルミ合金容器2の内部を真空引きした後に、Arガス(純度は95%以上、好ましくは99%以上)をガス供給管7からアルミ合金容器2の内部へと供給し、アルミ合金容器2の内部を大気圧の圧力にする。このとき、Arガス中の酸素をチタンゲッターで除去したり、液体窒素で冷却された冷却管中で水蒸気を液化して除去したりすることが好ましい。
手順4:誘導加熱コイル18への通電を開始し、アルミ合金容器2の内部の加熱を開始する。約2時間かけて約2030〜2050Kまで昇温する。
手順5:アルミ合金容器2の内部の温度を約2030〜2050Kに保持したままアルミ合金容器2の内部に導入するガスをArガスからNガスに切換える。即ち、N2ガスを例えば1L/minの流量でアルミ合金容器2の内部に供給し(窒素雰囲気を形成し)、約2040Kの温度で所定時間(例えば1時間)保持する。このときも、Nガス中の酸素や水蒸気を除去することが好ましい。又、このとき、軸11を上下方向に移動させて、図45に示すように、溶媒上部の温度が約2050Kとなり、溶媒下部の温度が約2030Kとなるようにアルミ合金容器2の内部での溶媒の位置を調節する。
手順6:誘導加熱コイル18への通電を終了し、約2時間かけて常温まで降温する。これ以降、サファイア基板を除去することで、AlN単結晶のみを得ることができる。
図46は作製した試料全体を上方から光学顕微鏡で観察した画像であり、図47は作製した試料全体を上方からラマン測定により観察した画像である。図47により、上方から観察した試料の全ての領域がAlNであることが確認された。又、図48は作製した試料について測定したラマンスペクトルであり、これからもAlNが作製されていることが確認された。図49はXRDの評価結果を示している。図49により、AlNの0002回折及び0004回折のピークが検出されていることから、AlN単結晶が成長しているが確認された。図50はSEMによる試料断面の画像を示している。表面に凹凸が観測されるものの、80〜200μm厚のAlN単結晶が成長していることが確認された。即ち、80〜200μm/hという極めて速い成長速度が実現できていることが確認された。
以上に説明したように本実施形態によれば、(ア)の条件、即ち、Al及びNの何れとも化合物を形成しない、又はAl及びNガスの何れかと化合物を形成するが当該化合物の標準生成自由エネルギーがAlNの標準生成自由エネルギーよりも大きい条件を満たす元素としてFeを用い、AlN単結晶の成長温度を含む1900〜2000Kの温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成するFe−Al(96:4at%)の溶媒を用いた。そして、溶媒上部の温度を約2000Kとし、溶媒下部の温度を約1900Kとし、AlNを基板上に成長させた。
溶媒上部を未飽和状態とすることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制することができ、一方、溶媒下部を過飽和状態とすることで、AlN単結晶の基板上への成長を促進することができる。これにより、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶を基板上に良好に成長させることができる。即ち、溶媒の組成に着眼し、AlN単結晶の成長温度である1900〜2000Kの温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成し得る(両立し得る)組成を得て、未飽和状態と過飽和状態とを形成するように溶媒に温度差を与えることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶を基板上に良好に成長させることができる。
又、(イ)の条件、即ち、Nとの相互作用パラメーターが、溶媒表面の温度で−10000J/molより小さくなる条件、及び(ウ)の条件、即ち、Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件を満たす元素としてCrを用い、AlN単結晶の成長温度である1900〜2000Kの温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成するFe−Cr−Al(82:15:3at%)の溶媒を用いた。そして、溶媒上部の温度を約1980Kとし、溶媒下部の温度を約1930Kとし、AlNを基板上に成長させた。この場合も、溶溶媒上部を未飽和状態とすることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制することができ、溶媒下部を過飽和状態とすることで、AlN単結晶の基板上への成長を促進することができる。又、(イ)の条件を満たすCrの性質により、Nliquid及びNAlNの両方の窒素濃度を全体的に増大させることができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。(イ)の条件を満たす元素として、Li、Si、Ti、V、Cr、Fe、Nb、Moを用いた場合にも、同等の作用効果が得られると推定される。又、(ウ)の条件を満たすCrの性質により、NAlNの傾きを増大させて低温側の過飽和度を大きくすることができ、AlN単結晶の成長速度を速めることができる。(ウ)の条件を満たす元素として、Liを用いた場合にも、同等の作用効果が得られると推定される。
又、(ア)の条件を満たす別の元素としてCoを用い、(イ)及び(ウ)の条件を満たす別の元素としてCrを用い、AlN単結晶の成長温度を含む2030〜2050Kの温度範囲において未飽和状態と過飽和状態とを形成するCo−Cr−Al(65:25:10at%)の溶媒を用いた。そして、溶媒上部の温度を約2050Kとし、溶媒下部の温度を約2030Kとし、AlNを基板上に成長させた。(ア)の条件を満たす元素としてCoを用いた場合でも、Feを用いた場合と同様に、溶媒上部を未飽和状態とすることで、溶媒表面での雑晶の析出を抑制することができ、一方、溶媒下部を過飽和状態とすることで、AlN単結晶の基板上への成長を促進することができる。これにより、溶媒表面での雑晶の析出を抑制しつつ、AlN単結晶を基板上に良好に成長させることができる。
本実施形態では、Alと組成する元素としてFe及びCoを用いた場合を確認したが、(ア)の条件を満たすLi、Mg、Si、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ga、Snを用いた場合にも、同等の作用効果が得られると推定される。尚、溶液法でAlN単結晶を基板上に成長させることで、昇華法と比べて成長温度が低く、低コストで実現し得る利点もある。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
Fe−AlやCo−Cr−Alのように(ア)の条件を満たす1種類の元素を用いた組成の溶媒を例示したが、(ア)の条件を満たす2種類以上の元素を用いた組成の溶媒でも良い。又、Fe−Cr−AlやCo−Cr−Alのように(ア)の条件を満たす元素としてFeやCoを用い且つ(イ)及び(ウ)の条件を満たす元素としてCrを用いた組成の溶媒を例示したが、(ア)の条件を満たす元素を用い且つ(イ)の条件を満たす元素を用いた組成の溶媒や、(ア)の条件を満たす元素を用い且つ(ウ)の条件を満たす元素を用いた組成の溶媒でも良い。
AlN単結晶の成長温度として1900〜2000Kや2030〜2050Kを例示したが、AlN単結晶が成長する温度であれば、1900〜2000Kや2030〜2050K以外の温度も成長温度として含まれる。
AlN単結晶を成長させる被成長領域として、表面を窒化していないサファイア基板を例示したが、表面を窒化したサファイア基板でも良く、サファイア基板以外の基板(例えばSiC基板)を用いても良い。又、種結晶等を用いても良く、種結晶を用いる場合には、最初から種結晶を用意して(坩堝15に配置して)おいても良いし、例えば過飽和度が高い部分で最初に成長するAlN単結晶を種結晶として用いても良い。
窒素雰囲気が1atmの場合を例示したが、例えば1atmよりも高圧な雰囲気、又は低圧な雰囲気でも良い。
NをNガスから供給する場合を例示したが、例えばNHガス等のNを含むガスから供給しても良い。又、Nを気相中から供給することに限らず、例えばGaN等のNを含む固体を溶媒中に設置することで、Nを固相中から供給しても良い。
AlN単結晶を成長させる場合を例示したが、例えばAlInGaN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)単結晶等のAl、In、Gaの少なくとも何れか1つとNとを含む化合物の単結晶についても、前述した手順と同様して、溶媒のギブズ自由エネルギーを求め、適切な元素を溶媒に用い、溶媒の温度設定を行うことにより、雑晶の析出を抑制しつつ、Al、In、Gaの少なくとも何れか1つとNとを含む化合物の単結晶を基板上に良好に成長させることができる。
AlN単結晶やAlInGaN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)単結晶を成長させる方法に限らず、AlN多結晶やAlInGaN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)多結晶を成長させる方法に適用しても良い。その場合、本来成長させたくない部分(基板上以外の部分であり、例えば溶液上部)に成長してしまう全ての結晶が雑晶として扱われる。
図面中、17は溶媒である。

Claims (13)

  1. Nを、Alを含む組成の溶媒中に溶解させることで、AlN単結晶を被成長領域上に成長させるAlN単結晶の作製方法であって、
    第1種別に属する元素として、Al及びNの何れとも化合物を形成しない条件又はAl及びNの何れかと化合物を形成するが当該化合物の標準生成自由エネルギーがAlNの標準生成自由エネルギーよりも大きい条件を満たす元素を用い、Alと1種類以上の前記第1種別に属する元素とを含む組成を、AlN単結晶の成長温度を含む所定温度範囲において高温側ではAlNが析出し始める窒素濃度よりも溶媒中の窒素濃度が低い未飽和状態を形成し且つ低温側ではAlNが析出し始める窒素濃度よりも溶媒中の窒素濃度が高い過飽和状態を形成する組成とした溶媒を用い、溶媒上部である溶媒表面の温度を前記高温側範囲内とし且つ溶媒下部である溶媒と被成長領域との界面の温度を前記低温側範囲内である1900K以上としてAlN単結晶を被成長領域上に成長させることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  2. 請求項1に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    溶媒表面の温度を前記高温側範囲内である2000K以上とすることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  3. 請求項1または2に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    前記第1種別に属する元素として、Li、Mg、Si、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Snの何れかを用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第2種別に属する元素として、Nとの相互作用パラメーターが溶媒表面の温度で−10000J/molより小さくなる条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  5. 請求項1から3の何れか一項に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第2種別に属する元素として、Li、Si、Ti、V、Cr、Fe、Nb、Moの何れかを用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  6. 請求項1から3の何れか一項に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第3種別に属する元素として、Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  7. 請求項4又は5に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第3種別に属する元素として、Alとの相互作用パラメーターとNとの相互作用パラメーターとの和が温度上昇にしたがって小さくなる条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素とを含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  8. 請求項6又は7に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    前記第3種別に属する元素として、Li、Crの何れかを用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  9. 請求項4又は5に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第4種別に属する元素として、1種類以上の前記第1種別に属する元素及び1種類以上の前記第2種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素と1種類以上の前記第4種別に属する元素を含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  10. 請求項6に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第4種別に属する元素として、1種類以上の前記第1種別に属する元素及び1種類以上の前記第3種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素と1種類以上の前記第4種別に属する元素を含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  11. 請求項7に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    第4種別に属する元素として、1種類以上の前記第1種別に属する元素及び1種類以上の前記第2種別に属する元素及び1種類以上の前記第3種別に属する元素の何れよりもAlとの相互作用パラメーターの小さい条件を満たす元素を用い、それぞれ異なる元素としてAlと1種類以上の前記第1種別に属する元素と1種類以上の前記第2種別に属する元素と1種類以上の前記第3種別に属する元素と1種類以上の前記第4種別に属する元素を含む組成とした溶媒を用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  12. 請求項9から11の何れか一項に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    前記第4種別に属する元素として、Co、Niの何れかを用いることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載したAlN単結晶の作製方法において、
    気相中のNを、Alを含む組成の溶媒中に溶解させることを特徴とするAlN単結晶の作製方法。
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