(実施の形態)
以下、本発明に係る施設案内システム、施設案内方法、及び施設案内プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
[実施の形態の基本的概念]
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。本発明に係る施設案内システムは、施設を案内するためのシステムである。ここで、「施設」とは、地図上に設定された建物、設備等を意味する。また、この施設案内システムとして機能する機器は、施設を案内するための機器であって、例えば有線又は無線にて接続された複数の機器や、施設案内システムとしての機能を一体的に備える単一の機器を含み、具体的には、端末装置と施設案内サーバとを含む。このうち、「端末装置」とは、車両に搭載される装置であり、具体的には、車載用ナビゲーション装置等を含む概念である。また、「施設案内サーバ」とは、基地局(図示省略)等に設けられた装置であり、具体的には、据え置き型のサーバ等を含む概念である。
[実施の形態の具体的内容]
続いて、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る施設案内システムの構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る施設案内システムを例示するブロック図である。図1に示すように、施設案内システム1は、端末装置10と、施設案内サーバ20とを備えており、これら端末装置10と施設案内サーバ20とはネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。ここで、図1には、端末装置10を1台のみ示しているが、実際には施設案内システム1は、複数の車両の各々に搭載された端末装置10と、これら複数の端末装置10に対して通信可能な共通の施設案内サーバ20とを備えて構成されている。ただし、これら複数の車両の各々の端末装置10は、相互に同様に構成することができるため、以下では、1台の車両(以下、「自車両」と称する)に搭載された端末装置10について説明するものとし、他の車両(以下、「他車両」と称する)に搭載された端末装置10についてはその説明を省略する。なお、自車両と他車両を区別する必要がない場合には、これらを単に「車両」と総称する。また、「車両」とは、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む概念であるが、実施の形態では、四輪自動車として説明する。
(構成−端末装置)
次に、端末装置10の構成について説明する。端末装置10は、後述する経路設定要求情報及び後述する経路再設定要求情報を出力する装置である。図1に示すように、この端末装置10は、現在地取得部11、通信部12、タッチパッド13、ディスプレイ14、スピーカ15、制御部16、及びデータ記録部17を備えている。なお、この端末装置10は、例えば自車両に搭載された公知の車載ナビゲーション装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
(構成−端末装置−現在地取得部)
現在地取得部11は、衛星から受信したGPS信号に基づいて自車両の現在地(ユーザの現在地)を検出する現在地取得手段である。この現在地取得部11は、例えば、GPS受信機を用いて構成されており、現在の自車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
(構成−端末装置−通信部)
通信部12は、施設案内サーバ20との間でネットワークを介して通信するための通信手段である。この通信手段の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の移動体無線通信手段や、FM多重放送やビーコンを介した公知のVICS(登録商標)システム用の無線通信手段を用いることができる。
(構成−端末装置−タッチパッド)
タッチパッド13は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段であると共に、ユーザからの後述する施設に対する評価の入力を受け付ける入力手段である。このタッチパッド13の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
(構成−端末装置−ディスプレイ)
ディスプレイ14は、制御部16の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ14の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド13と当該ディスプレイ14をタッチパッド13として一体形成しても構わない。
(構成−端末装置−スピーカ)
スピーカ15は、制御部16の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ15より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
(構成−端末装置−制御部)
制御部16は、端末装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る施設案内プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して端末装置10にインストールされることで、制御部16の各部を実質的に構成する(なお、後述する施設案内サーバ20の制御部22の構成についても同様とする)。
また、この制御部16は、図1に示すように、機能概念的に、案内部16aを備えている。案内部16aは、所定情報を、ディスプレイ14やスピーカ15を介して端末装置10のユーザに案内すると共に、後述する案内対象施設に関する案内を行う案内手段である。なお、この制御部16によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−端末装置−データ記録部)
データ記録部17は、端末装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はFlash Rom、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(なお、後述する施設案内サーバ20のデータ記録部23の構成についても同様とする)。
また、このデータ記録部17は、地図データベース(以下、データベースを「DB」と称する)17a、施設DB17bを備えている。
地図DB17aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。また、「地図情報」とは、道路、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノードID、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノードID、道路座標、道路種別(例えば、有料道路、一般道路等)、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設等)、地形データ等を含んで構成されている(なお、後述する施設案内サーバ20の地図DB23aに格納されている地図情報についても同様とする)。
施設DB17bは、施設情報を格納する施設情報格納手段である。ここで、「施設情報」とは、施設を特定する情報である。図2は、施設DB17bに格納された情報を例示する図である。図2に示すように、施設DB17bは、項目「施設ID」、項目「施設種類」、項目「施設名称」、及び項目「施設位置」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて格納する。このうち、項目「施設ID」に対応する情報は、施設を一意に識別するための施設識別情報である。項目「施設種類」に対応する情報は、施設の種類を特定する施設種類情報である。項目「施設名称」に対応する情報は、施設の名称を特定する施設名称情報である。項目「施設位置」に対応する情報は、施設の位置を特定する施設位置情報であり、実施の形態では、項目「緯度」に対応して格納される情報である施設の緯度と、項目「経度」に対応して格納される情報である施設の経度とを含んで構成されている(なお、後述する施設案内サーバ20の施設DB23bに格納されている施設情報についても同様とする)。
(構成−施設案内サーバ)
次に、図1の施設案内サーバ20の構成について説明する。施設案内サーバ20は、後述する経路設定要求情報又は後述する経路再設定要求情報に基づいて経路を設定して案内する装置である。図1に示すように、この施設案内サーバ20は、通信部21、制御部22、及びデータ記録部23を備えている。なお、この施設案内サーバ20は、例えば基地局に設置された公知のサーバ等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
(構成−施設案内サーバ−通信部)
通信部21は、端末装置10との間でネットワークを介して通信するための通信手段である。この通信手段の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の移動体無線通信手段や、FM多重放送やビーコンを介した公知のVICS(登録商標)システム用の無線通信手段を用いることができる。
(構成−施設案内サーバ−制御部)
制御部22は、施設案内サーバ20を制御する制御手段であり、図1に示すように、機能概念的に、評価変化特定部22a、案内対象施設特定部22b、経路設定部22c、及び案内部22dを備えている。
評価変化特定部22aは、施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定手段である。ここで、「施設に対する評価」とは、施設の価値を示す情報であり、実施の形態では、施設評価と、周辺環境評価とを含む概念である。このうち、「施設評価」とは、施設を直接的に評価する際の指標となる情報を意味し、実施の形態では、施設の清潔さ、施設の駐車場の有無、施設が提供するメニューの豊富さ、施設が提供するメニューの質等を含む概念である。また、「周辺環境評価」とは、施設の周辺環境を評価する際の指標となる情報を意味し、実施の形態では、施設に隣接している幹線道路(例えば、高速道路、国道等)の有無、施設周辺の区画整理の程度、施設周辺における踏切の有無、施設に隣接している施設(以下、「隣接施設」と称する)の豊富さ等を含む概念である。また、「評価の変化」とは、施設評価又は周辺環境評価が変化することを意味し、実施の形態では、施設評価又は周辺環境評価が改善する傾向(以下、「改善変化」と称する)、施設評価又は周辺環境評価が維持される傾向(以下、「維持変化」と称する)、施設評価又は周辺環境評価が改悪する傾向(以下、「改悪変化」と称する)等を含む概念である。
案内対象施設特定部22bは、評価DB23cに格納された後述する評価情報に対応する施設の中から、後述する評価情報と、評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき施設(以下、「案内対象施設」と称する)を特定する案内対象施設特定手段である。
経路設定部22cは、所定方法で指定された探索条件と、後述する地図DB23aに格納された地図情報とに基づいて、第1経路を設定する経路設定手段である。ここで、「第1経路」とは、出発地から少なくとも1つ以上の中間目的地を経由して最終目的地に至る経路である。また、「出発地」とは、ユーザが移動を開始する地点である。また、「最終目的地」とは、ユーザの移動の目的となる地点のうち、最後に到着する地点であり、「中間目的地」とは、ユーザの移動の目的となる地点のうち、最終目的地以外の地点である。また、「探索条件」とは、経路を探索するための条件を意味する。この「探索条件」としては、例えば、出発地から最終目的地に至るまでの距離が短くなる経路を優先して探索する距離優先条件、出発地から最終目的地に至るまでに要する時間が短くなる経路を優先して探索する時間優先条件、出発地から最終目的地に至るまでの燃費が低くなる経路を優先して探索する燃費優先条件等を挙げることができる。
案内部22bは、案内対象施設に関する案内を行う案内手段である。なお、この制御部22によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−施設案内サーバ−データ記録部)
データ記録部23は、施設案内サーバ20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、地図DB23a、施設DB23b、評価DB23c、及び評価変化テーブル23dを備えている。
地図DB23aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。
施設DB23bは、施設情報を格納する施設情報格納手段である。
評価DB23cは、端末装置10のユーザからタッチパッド13を介して入力された情報であって施設に対する評価を特定する情報(以下、「評価情報」と称する)を格納する評価情報格納手段である。図3は、評価DB23cに格納された情報を例示する図である。この図3に示すように、評価DB23cは、項目「ユーザID」、項目「日時」、項目「施設ID」、項目「施設評価」、項目「周辺環境評価」、及び項目「総合評価」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて格納する。また、項目「施設評価」は、さらに、施設評価に関する項目として、項目「施設の清潔さ」、項目「駐車場の有無」、項目「メニューの豊富さ」、項目「メニューの質」等を含んで構成されている。また、項目「周辺環境評価」は、さらに、周辺環境評価に関する項目として、項目「幹線道路の有無」、項目「区画整理の程度」、項目「踏切の有無」、項目「隣接施設の豊富さ」等を含んで構成されている。ここで、項目「ユーザID」に対応する情報は、端末装置10のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報である。項目「日時」に対応する情報は、評価情報が入力された際の日時を特定する情報である。項目「施設ID」に対応する情報は、施設識別情報である。項目「施設評価」に対応する情報は、施設評価を特定する情報である。このうち、項目「施設の清潔さ」に対応する情報は、施設の清潔さを特定する情報であり、例えば、施設が清潔である旨を示す情報を施設の清潔さに対する評価が高い情報とし、施設が清潔でない旨を示す情報を施設の清潔さに対する評価が低い情報とする。項目「駐車場の有無」に対応する情報は、施設の駐車場の有無を特定する情報であり、例えば、施設の駐車場がある旨を示す情報を施設の駐車場の有無に対する評価が高い情報とし、施設の駐車場がない旨を示す情報を施設の駐車場の有無に対する評価が低い情報とする。項目「メニューの豊富さ」に対応する情報は、施設が提供するメニューの豊富さを特定する情報であり、例えば、メニューが豊富である旨を示す情報をメニューの豊富さに対する評価が高い情報とし、メニューが豊富でない旨を示す情報をメニューの豊富さに対する評価が低い情報とする。項目「メニューの質」に対応する情報は、施設が提供するメニューの質を特定する情報であり、例えば、メニューの質が良い旨を示す情報をメニューの質に対する評価が高い情報とし、メニューの質が悪い旨を示す情報をメニューの質に対する評価が低い情報とする。また、項目「周辺環境評価」に対応する情報は、周辺環境評価を特定する情報である。このうち、項目「幹線道路の有無」に対応する情報は、施設に隣接している幹線道路の有無を特定する情報であり、例えば、幹線道路がある旨を示す情報を幹線道路の有無に対する評価(交通の利便性の観点からの評価)が高い情報とし、幹線道路がない旨を示す情報を幹線道路の有無に対する評価が低い情報とする。項目「区画整理の程度」に対応する情報は、施設周辺の区画整理の程度を特定する情報であり、例えば、区画整理が十分である旨を示す情報を区画整理の程度に対する評価(交通の利便性の観点からの評価)が高い情報とし、区画整理が十分でない旨を示す情報を区画整理の程度に対する評価が低い情報とする。項目「踏切の有無」に対応する情報は、施設周辺における踏切の有無を特定する情報であり、例えば、踏切がない旨を示す情報を踏切の有無に対する評価(交通の利便性の観点からの評価)が高い情報とし、踏切がある旨を示す情報を踏切の有無に対する評価が低い情報とする。項目「隣接施設の豊富さ」に対応する情報は、隣接施設の豊富さを特定する情報であり、例えば、隣接施設が豊富である旨を示す情報を隣接施設の豊富さに対する評価(買い物の利便性の観点からの評価)が高い情報とし、隣接施設が豊富でない旨を示す情報を隣接施設の豊富さに対する評価が低い情報とする。なお、図3においては、これら項目「施設評価」に対応する情報及び項目「周辺環境評価」に対応する情報のうち、評価が高い情報が「〇」で示されており、評価が低い情報が「×」で示されている。また、項目「総合評価」に対応する情報とは、総合評価を特定する情報である。ここで、「総合評価」とは、施設評価及び周辺環境評価に基づいて施設の総合的な価値を示す情報である。この「総合評価」は、実施の形態では、評価の低い順に1から3までの3つの段階に区分けされており、例えば、項目「施設評価」に対応する情報及び項目「周辺環境評価」に対応する情報のうち、評価が高い情報の数(図3では「〇」の数)が0〜2つである場合には総合評価=1と設定され、上記評価が高い情報の数が3〜5つである場合には総合評価=2と設定され、上記評価が高い情報の数が6〜8つである場合には総合評価=3と設定される。なお、この総合評価の区分け数については任意であり、例えば、実施の形態の区分け数よりも増やしてもよく、又は実施の形態の区分け数よりも減らしてもよい。この場合において、総合評価の区分け数の設定方法については任意であるが、例えば、ユーザによって端末装置10のタッチパッド13を介して入力された総合評価の区分け数を設定すべき総合評価の区分け数として設定してもよい。
図1の評価変化テーブル23dは、評価の変化を特定する情報(以下、「評価変化情報」と称する)を格納する評価変化情報格納手段である。図4は、評価変化テーブル23dに格納された情報を例示する図である。図4に示すように、評価変化テーブル23dは、項目「評価項目」、項目「ユーザ評価」、項目「外部評価」、項目「施設の変化又は施設の周辺環境の変化」、及び項目「評価の変化」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて格納する。ここで、項目「評価項目」に対応する情報は、評価項目を特定する情報であり、実施の形態では、図3の評価DB23cに格納されている施設評価を特定する情報及び周辺環境評価を特定する情報に対応する評価項目を特定する情報等が該当する。項目「ユーザ評価」に対応する情報は、ユーザ評価のうち施設評価及び周辺環境評価を特定する情報である。ここで、「ユーザ評価」とは、端末装置10のユーザによる施設に対する評価であり、実施の形態では、図3の評価DB23cに格納されている施設評価、周辺環境評価、及び総合評価を含む概念である。また、項目「外部評価」に対応する情報は、外部評価を特定する情報である。ここで、「外部評価」とは、外部の任意の情報(例えば、インターネット上のWebサイト又はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等)から取得した施設に対する評価である。この外部評価は、実施の形態では、ユーザ評価と相対的な関係を示す情報(例えば、ユーザ評価のうちの施設評価=「施設が清潔でない」である場合に、外部評価の施設評価=「施設が清潔である」等)、外部評価単独で後述する施設の変化又は施設の周辺環境の変化に対応できる情報であり、且つ、複数の種類の外部評価を兼ねることができる情報(例えば、「施設が改装された」、「オーナーが変わった」等)を含む概念である。また、項目「施設の変化又は施設の周辺環境の変化」に対応する情報は、後述する施設の変化又は施設の周辺環境の変化を特定する情報である。また、項目「評価の変化」に対応する情報は、後述する評価の変化を特定する情報である。
(処理)
次に、このように構成される施設案内システム1によって実行される処理について説明する。この施設案内システム1によって実行される処理は、評価入力処理と、施設案内処理とに大別される。以下、評価入力処理と、施設案内処理とのそれぞれについて説明する。
(処理−評価入力処理)
まず、評価入力処理について説明する。図5は、実施の形態に係る端末装置10に関する評価入力処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。図6は、実施の形態に係る施設案内サーバ20に関する評価入力処理のフローチャートである。図7は、後述する評価入力シートを例示する図である。評価入力処理は、概略的には、施設評価及び周辺環境評価を入力する処理である。この評価入力処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、端末装置10及び施設案内サーバ20の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
評価入力処理が起動されると、図5、図6に示すように、端末装置10のユーザによって入力された施設評価及び周辺環境評価を施設案内サーバ20に格納するために、端末装置10の制御部16は、SA1からSA4の処理を行うと共に、施設案内サーバ20の制御部22は、SB1からSB2の処理を行う。
まず、図5に示すように、SA1において端末装置10の制御部16は、施設評価及び周辺環境評価を入力するタイミングが到来したか否かを判定する。この施設評価及び周辺環境評価を入力するタイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、地図情報に基づいて、現在地取得部11にて取得された自車両の現在位置及び地図情報に基づいて、自車両が端末装置10に設定されていた目的地(施設)に到着したか否かに基づいて判定したり、あるいは、自車両のドアの開閉に基づいて、目的地に到着した後に端末装置10のユーザが自車両から出てから当該自車両に再び戻ったか否かに基づいて判定する。ここで、自車両が上記目的地に到着した場合又はユーザが自車両に再び戻った場合には、上記タイミングが到来したと判定し、自車両が上記目的地に到着していない場合又はユーザが自車両に再び戻っていない場合には、上記タイミングが到来していないと判定する。そして、端末装置10の制御部16は、上記タイミングが到来するまで待機し(SA1、No)、上記タイミングが到来した場合(SA1、Yes)にはSA2へ移行する。
SA2において端末装置10の制御部16は、評価入力シートをディスプレイ14に表示する。ここで、「評価入力シート」は、施設評価及び周辺環境評価を入力するための入力画面であり、例えば、図7に示すように、チェック項目情報と、チェックボックスとが相互に関連付けて表示されている(図7では、右側にチェック項目情報が表示され、左側にチェックボックスが表示されている)。このうち、「チェック項目情報」とは、施設評価及び周辺環境評価に関するチェック項目を特定する情報であり、実施の形態では、図3の評価DB23cに格納されている施設評価及び周辺環境評価に関する各項目に対応するチェック項目を特定する情報(例えば、図3の項目「施設の清潔さ」に関するチェック項目=「施設が清潔である。」等)が該当する。チェックボックスは、チェック項目情報に対するチェックを入れたか否か(すなわち、施設評価及び周辺環境評価を入力したか否か)を示すものである。
SA3において端末装置10の制御部16は、施設評価及び周辺環境評価の入力が受け付けられたか否かを判定する。ここで、施設評価及び周辺環境評価の入力方法については任意であるが、実施の形態では、ディスプレイ14の画面上に表示された図7の評価入力シートのチェックボックスに対して、タッチパッド13を介して端末装置10のユーザがチェック項目情報に対するチェックを入れたり、又はチェックを入れない(あるいは外す)ことにより、施設評価及び周辺環境評価の入力が受け付けられる。そして、端末装置10の制御部16は、上記施設評価及び周辺環境評価の入力が受け付けられるまで待機し(SA3、No)、上記施設評価及び周辺環境評価の入力後に端末装置10のユーザによってタッチパッド13を介して所定操作が受け付けられることで(又は、SA3の処理が開始されてから所定時間が経過することで)、上記施設評価及び周辺環境評価の入力が受け付けられた場合(SA3、Yes)にはSA4へ移行する。
SA4において端末装置10の制御部16は、評価格納要求情報を施設案内サーバ20に送信する。ここで、「評価格納要求情報」とは、施設案内サーバ20に対してSA3にて入力された施設評価及び周辺環境評価の格納を要求する情報である。また、この評価格納要求情報の送信内容については、実施の形態では、データ記録部17にあらかじめ記録されたユーザ識別情報と、施設DB17bに格納されている施設識別情報のうち端末装置10に設定されていた目的地(施設)に対応する施設識別情報と、SA3にて入力された施設評価及び周辺環境評価とを評価格納要求情報に含めて送信する。
次に、図6に示すように、SB1において施設案内サーバ20の制御部22は、端末装置10から送信された評価格納要求情報を受信したか否かを判定する。そして、施設案内サーバ20の制御部22は、評価格納要求情報が受信されるまで待機し(SB1、No)、評価格納要求情報が受信された場合に(SB1、Yes)、SB2へ移行する。
SB2において施設案内サーバ20の制御部22は、SB1にて受信された評価格納要求情報に含まれる施設評価及び周辺環境評価を評価DB23cに格納する。この施設評価及び周辺環境評価の格納方法については、実施の形態では、上記評価格納要求情報に含まれる施設評価を、図3の評価DB23cにおける施設評価に関する項目である項目「施設の清潔さ」、項目「駐車場の有無」、項目「メニューの豊富さ」、及び項目「メニューの質」に対応する情報としてそれぞれ格納すると共に、図3の評価DB23cにおける周辺環境評価に関する項目である項目「幹線道路の有無」、項目「区画整理の程度」、項目「踏切の有無」、項目「隣接施設の豊富さ」に対応する情報としてそれぞれ相互に関連付けて格納する。例えば、上記評価格納要求情報に含まれる施設ID=1001である場合において、図5のSA3において、図7に示すように、評価入力シートのうち、チェック項目=「施設が清潔である。」、「施設に駐車場がある。」、「施設が提供するメニューが豊富である。」、「施設が提供するメニューの質が良い。」、「施設に隣接する道路が幹線道路である。」、「施設周辺の区画整理が十分である。」、「隣接施設が豊富である。」にチェックが入れられておらず、チェック項目=「施設周辺に踏切がない」にチェックが入れられている場合には、図3に示すように、施設の清潔さ=×、駐車場の有無=×、メニューの豊富さ=×、メニューの質=×、幹線道路の有無=×、区画整理の程度=×、踏切の有無=〇、隣接施設の豊富さ=×が、評価DB23cに格納される。また、この場合において、施設評価及び周辺環境評価のうち、評価の高い情報が1つ(ここでは、踏切の有無=〇)であることから、施設案内サーバ20の制御部22によって総合評価=1と算定され、当該算定された総合評価が項目「総合評価」に対応する情報として関連付けて格納される。また、この施設評価及び周辺環境評価以外に格納される情報については、例えば、図3に示すように、上記評価格納要求情報を受信した日時が図3の評価DB23cの項目「日時」に対応する情報として関連付けて格納される。また、上記評価格納要求情報に含まれるユーザ識別情報が評価DB23cの項目「ユーザID」に対応する情報として関連付けて格納されると共に、上記評価格納要求情報に含まれる施設識別情報が評価DB23cの項目「ユーザID」に対応する情報として関連付けて格納される。
以上のような処理により、端末装置10のユーザによって入力された施設評価及び周辺環境評価を施設案内サーバ20に格納することができる。特に、施設評価及び周辺環境評価の入力において、ディスプレイ14の画面上に表示評価入力シートを用いて入力できるので、ユーザの評価入力を効率良く行うことができる。
次に、図5、図6に示すように、端末装置10のユーザに対して施設評価及び周辺環境評価を施設案内サーバ20に格納した旨を報知するために、端末装置10の制御部16は、SA5からSA6の処理を行うと共に、施設案内サーバ20の制御部22は、SB3の処理を行う。
まず、図6に示すように、SB3において施設案内サーバ20の制御部22は、評価格納完了情報を送信する。ここで、「評価格納完了情報」が、施設評価及び周辺環境評価の格納が完了した旨を報知するための情報である。これにて、施設案内サーバ20の制御部22は、評価入力処理を終了する。
次に、図5に示すように、SA5において端末装置10の制御部16は、施設案内サーバ20から送信された評価格納完了情報を受信したか否かを判定する。そして、端末装置10の制御部16は、評価格納完了情報が受信されるまで待機し(SA5、No)、評価格納完了情報が受信された場合に(SA5、Yes)、SA6へ移行する。
SA6において端末装置10の制御部16は、評価格納完了情報をディスプレイ14に表示する。この評価格納完了情報の表示方法については任意であるが、例えば、ディスプレイ14の画面上に、図3に示す評価入力シートが表示された状態で、評価格納完了情報(例えば、「施設評価及び周辺環境評価が格納されました」との定型メッセージ等)を重ねて表示してもよい。そして、評価格納完了情報が表示されてから所定時間経過後、評価入力シート及び評価格納完了情報の表示が停止される。これにて、端末装置10の制御部16は、評価入力処理を終了する。
以上のような処理により、端末装置10のユーザに対して施設評価及び周辺環境評価を施設案内サーバ20に格納した旨を報知できるので、施設評価及び周辺環境評価を施設案内サーバ20に格納したことをユーザが容易に確認できる。
(処理−施設案内処理)
次に、施設案内処理について説明する。図8は、実施の形態に係る端末装置10に関する施設案内処理のフローチャートである。図9は、実施の形態に係る施設案内サーバ20に関する施設案内処理のフローチャートである。図10は、後述する代替中間目的地検索処理のフローチャートである。図11は、施設案内処理の処理対象とする代替中間目的地を含む地図を例示する図である。ここで、図11においては、第1経路を点線で示し、後述する第2経路を太線で示している。また、幹線道路を細線で示し、幹線道路以外の道路を幹線道路よりも幅の細い細線で示している。また、第1経路を「R1」、後述する第2経路「R2」、自車両の現在地を「N」、中間目的地を「M」、最終目的地を「G」、及び後述する代替中間目的地を「SM」で示している。施設案内処理は、概略的には、案内対象施設を後述する代替中間目的地として設定して案内する処理である。この施設案内処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、端末装置10及び施設案内サーバ20の電源が投入された後に起動され、評価入力処理と並行して実行されるものとして説明する。ただし、後述する施設案内処理のSC1にて出発地等の設定が受け付けられた場合には評価入力処理が中断されるものとし、施設案内処理が終了した場合には評価入力処理の中断が解除されるものとする。
施設案内処理が起動されると、図8、図9に示すように、第1経路を設定し、当該設定した第1経路を端末装置10のユーザに対して案内するために、端末装置10の制御部16は、SC1からSC7の処理を行うと共に、施設案内サーバ20の制御部22は、SD1からSD3の処理を行う。
まず、図8に示すように、SC1において端末装置10の制御部16は、出発地、中間目的地、及び最終目的地の設定指示が受け付けられたか否かを判定する。なお、実施の形態では、SC1にて中間目的地の設定指示が受け付けられなかった場合には、施設案内処理の対象から除外するものとする。ここで、出発地の設定方法については任意であるが、例えば、タッチパッド13を介して端末装置10のユーザの所定操作が受け付けられることで設定してもよく、あるいは、現在地取得部11によって検出された自車両の現在地を出発地として設定してもよい。また、中間目的地及び最終目的地の設定方法については任意であるが、例えば、タッチパッド13を介してユーザの所定操作が受け付けられることで設定してもよい。そして、端末装置10の制御部16は、出発地、中間目的地、及び最終目的地の設定指示が受け付けられるまで待機し(SC1、No)、当該設定指示が受け付けられた場合(SC1、Yes)、SC2へ移行する。
SC2において端末装置10の制御部16は、端末装置10のユーザによってタッチパッド13を介して所定操作が受け付けられることにより、探索条件の設定指示が受け付けられたか否かを判定する。ここで、探索条件の設定方法については任意であるが、例えば、ディスプレイ14上にある所定の表示領域に、探索条件(例えば、距離優先条件、時間優先条件、又は燃費優先条件等)を特定する情報を一覧表示させ、これら探索条件を特定する情報のいずれか1つをタッチパッド13を介してユーザが選択することにより設定してもよい。そして、端末装置10の制御部16は、探索条件の設定指示が受け付けられるまで待機し(SC2、No)、探索条件の設定指示が受け付けられた場合(SC2、Yes)、SC3へ移行する。
SC3において端末装置10の制御部16は、経路設定要求情報を施設案内サーバ20に送信する。ここで、「経路設定要求情報」とは、施設案内サーバ20に対して第1経路の設定を要求する情報である。また、この経路設定要求情報の送信内容については、実施の形態では、データ記録部17にあらかじめ記録されたユーザ識別情報と、施設DB17bに格納されている施設識別情報のうち、SC1にて設定された出発地に対応する施設識別情報、中間目的地に対応する施設識別情報、及び最終目的地に対応する施設識別情報と、SC2にて設定された探索条件とを経路設定要求情報に含めて送信する。
次に、図9に示すように、SD1において施設案内サーバ20の制御部22は、端末装置10から送信された経路設定要求情報を受信したか否かを判定する。そして、施設案内サーバ20の制御部22は、経路設定要求情報が受信されるまで待機し(SD1、No)、経路設定要求情報が受信された場合に(SD1、Yes)、SD2に移行する。
SD2において施設案内サーバ20の経路設定部22cは、SD1にて受信された経路設定要求情報に含まれる出発地に対応する施設識別情報、中間目的地に対応する施設識別情報、最終目的地に対応する施設識別情報、及び探索条件、並びに、地図DB23a及び施設DB23bに格納された地図情報及び施設情報に基づいて、公知の経路探索手法を用いて第1経路を設定する。
SD3において施設案内サーバ20の案内部22dは、第1経路情報を端末装置10に送信する。ここで、「第1経路情報」とは、SD2にて設定された第1経路に関する情報であり、例えば、第1経路上の各ノードに関するノードデータ、及び第1経路上の各リンクに関するリンクデータ等を含む概念である。
図8に戻り、SC4において端末装置10の制御部16は、施設案内サーバ20から送信された第1経路情報を受信したか否かを判定する。そして、端末装置10の制御部16は、第1経路情報が受信されるまで待機し(SC4、No)、第1経路情報が受信された場合に(SC4、Yes)、SC5に移行する。
SC5において端末装置10の制御部16は、現在地取得部11を介して自車両の現在地を取得する。
SC6において端末装置10の制御部16は、外部装置(図示省略)から交通情報を取得する。ここで、「交通情報」とは、道路の交通に関する情報であり、例えば渋滞状況を特定する渋滞状況情報等を含む概念である。また、「渋滞状況」とは、道路における渋滞の状況を意味し、例えば渋滞距離や渋滞時間等が該当する。ここで、交通情報の取得方法については任意であるが、例えば、SC4にて受信された第1経路情報に対応する第1経路のリンクのうち、SC5にて取得した自車両の現在地とSC1にて設定された最終目的地との間の全てのリンクの各々を一意に特定するリンクIDを地図DB17aから取得し、当該取得したリンクIDを含む交通情報要求情報を外部装置に送信し、交通情報要求情報に含まれるリンクIDに対応する道路の交通情報を外部装置から受信することにより、当該交通情報を取得する。
SC7において端末装置10の案内部16aは、SC4にて受信された第1経路情報に基づいて、第1経路の案内を行う。この第1経路の案内方法については任意であるが、実施の形態においては、図11に示すように、SC4にて受信された第1経路情報に対応する第1経路、並びに、SC1にて設定された出発地、中間目的地、及び最終目的地に関する位置アイコンを、ディスプレイ14に表示された地図に対して重ねて表示することで案内する。
以上のような処理により、施設案内サーバ20にて設定された第1経路を端末装置10のユーザに対して案内することができる。
次に、図8、図9に示すように、後述する代替中間目的地を検索し、且つ後述する第2経路を設定し、これら代替中間目的地及び第2経路を端末装置10のユーザに対して案内するために、端末装置10の制御部16は、SC8からSC11の処理を行うと共に、施設案内サーバ20の制御部22は、SD4からSD8の処理を行う。
まず、図8に示すように、SC8において端末装置10の制御部16は、経路の再設定を行うタイミングが到来したか否かを判定する。この経路の再設定を行うタイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、SC5にて取得された自車両の現在地とSC4にて受信された第1経路との相互間の距離が所定距離以上(例えば30m以上等)離れているか否かに基づいて判定したり(すなわち、第1経路からの自車両の逸脱の有無を判定する)、あるいは、SC6にて取得された交通情報(すなわち、第1経路に対応する交通情報)が、所定値以上の渋滞距離又は渋滞時間を示す渋滞状況情報を含むか否かに基づいて判定する(すなわち、第1経路の渋滞の有無を判定する)。ここで、上記相互間の距離が所定距離以上離れている場合又は上記交通情報が上記渋滞状況情報を含む場合には、上記タイミングが到来したと判定し、上記相互間の距離が所定距離以上離れていない場合又は上記交通情報が上記渋滞状況情報を含まない場合には、上記タイミングが到来していないと判定する。そして、端末装置10の制御部16は、経路の再設定を行うタイミングが到来していないと判定された場合(SC8、No)にはSC5に移行し、経路の再設定を行うタイミングが到来したと判定された場合(SC8、Yes)にはSC9に移行する。なお、SC5からSC8の処理が繰り返し行われている場合において、例えば、端末装置10の制御部16が、SC5にて取得された自車両の現在地がSC1にて設定された最終目的地と一致するか否かを判定し、自車両の現在地が最終目的地と一致する場合には、後述する代替中間目的地及び後述する第2経路を案内する必要がないものとして、施設案内処理自体を終了してもよい。
SC9において端末装置10の制御部16は、経路再設定要求情報を施設案内サーバ20に送信する。ここで、「経路再設定要求情報」とは、施設案内サーバ20に対して第2経路を新たな経路として再設定することを要求する情報である。また、「第2経路」とは、第1経路とは異なる経路であって、自車両の現在地から後述する代替中間目的地を経由して最終目的地に至る経路である。また、この経路再設定要求情報の送信内容については、実施の形態では、データ記録部17にあらかじめ記録されたユーザ識別情報と、施設DB17bに格納されている施設識別情報のうち、SC1にて設定された出発地に対応する施設識別情報、中間目的地に対応する施設識別情報、及び最終目的地に対応する施設識別情報と、SC2にて設定された探索条件と、SC4にて受信された第1経路情報と、SC5にて取得された自車両の現在地とを経路再設定要求情報に含めて送信する。
次に、図9に示すように、SD4において施設案内サーバ20の制御部22は、端末装置10から送信された経路再設定要求情報を受信したか否かを判定する。そして、施設案内サーバ20の制御部22は、経路再設定要求情報が受信されるまで待機し(SD4、No)、経路再設定要求情報が受信された場合に(SD4、Yes)、SD5に移行する。
SD5において施設案内サーバ20の経路設定部22cは、仮経路を設定する。ここで、「仮経路」とは、第1経路とは異なる経路であって、自車両の現在地から最終目的地に至る経路である。また、この仮経路の設定方法については任意であるが、実施の形態では、SD4にて受信された経路再設定要求情報に含まれる最終目的地に対応する施設識別情報、探索条件、第1経路情報、及び自車両の現在地、並びに、地図DB23a及び施設DB23bに格納された地図情報及び施設情報に基づいて、公知の経路探索手法を用いて仮経路を設定する。その後、施設案内サーバ20の制御部22は、代替中間目的地検索処理(SD6)を起動する。
(処理−施設案内処理−代替中間目的地検索処理)
次に、代替中間目的地検索処理について説明する。図10に示す代替中間目的地検索処理は、代替中間目的地(案内対象目的地)を検索するための処理である。ここで、「代替中間目的地」とは、SC1にて設定された中間目的地とは異なる中間目的地であって、SC5にて設定された仮経路から所定距離内(例えば、50m以内等)に存在する目的地である。
図10に示すように、SE1において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、評価DB23cに格納された評価情報に対応する施設の中から、案内対象施設の候補となる施設(以下、「第1案内対象候補施設」と称する)を特定する。この第1案内対象候補施設の特定方法については任意であるが、実施の形態においては、施設DB23bに格納されている施設情報に基づいて、SD5にて設定された仮経路から所定距離内に存在する施設の中から、図9のSD4にて受信された経路再設定要求情報に含まれる中間目的地の施設識別情報に対応する施設の種類と同一の種類の施設を抽出し、当該抽出された施設の中から、評価DB23cに格納されている施設識別情報に対応する施設を第1案内対象候補施設として特定する。ここで、「同一の種類の施設」とは、例えば、中間目的地に対応する施設に対して「施設種類」又は「施設目的」の少なくとも一方が同一であることを意味する。「施設種類」が同一であるとは、中間目的地に対応する施設の施設種類と同一の施設種類を有することを意味し、例えば、中間目的地に対応する施設の施設種類=「コンビニエンスストア」である場合に、施設種類=「コンビニエンスストア」の他の施設(一例として、中間目的地とは異なるコンビニエンスストア)が抽出される。「施設目的」が同一であるとは、中間目的地に対応する施設の施設目的と同一の施設目的を有することを意味する。ここで、「施設目的」とは、ユーザが施設において達成する目的である。例えば、中間目的地に対応する施設の施設目的=「弁当購入」である場合に、施設目的=「弁当購入」の他の施設(一例として、中間目的地がコンビニエンスストアである場合に、弁当購入が購入可能なスーパーマーケット)が抽出される。本実施の形態では、「施設種類」が同一である施設を抽出する場合について説明するが、「施設目的」が同一である施設を抽出する場合には、図2の施設情報における施設種類情報に代えて施設目的を特定する施設目的情報を格納し、この施設目的情報に基づいて第1案内対象候補施設を特定する。
SE2からSE12の間のループにおいて施設案内サーバ20の制御部22は、SE1にて特定された第1案内対象候補施設をそれぞれ対象として、SE3からSE11の処理を順次行う。以下、SE3からSE11の間のループにおいて処理対象となる案内対象候補施設を「対象第1案内対象候補施設」と称する。
SE3からSE11の間のループにおいては、最初に、施設案内サーバ20の評価変化特定部22aは、SE3において評価DB23cに格納されている施設評価、周辺環境評価、及び総合評価の中から、対象第1案内対象候補施設に対応する施設評価、周辺環境評価、及び総合評価をユーザ評価として取得する。
SE4において施設案内サーバ20の評価変化特定部22aは、対象第1案内対象候補施設に対応する施設評価及び周辺環境評価を外部評価として取得する。ここで、外部評価の取得方法については任意であるが、例えば、公知の言語解析手法等を用いて、上記外部の任意の情報のうちSE3にて取得されたユーザ評価が評価DB23cに格納された日時よりも後に更新された情報であって対象第1案内対象候補施設に関連する情報(例えば、インターネット上における施設のサービスを評価するWebサイト又はSNS等)に表示されているテキスト情報の中から、施設評価及び周辺環境評価を外部評価として取得する。また、外部評価の具体的な内容については、実施の形態では、評価変化テーブル23dの外部評価を特定する情報と同様に、施設評価として、施設の清潔さ、施設の駐車場の有無、施設が提供するメニューの豊富さ、及び施設が提供するメニューの質を示す情報を取得すると共に、周辺環境評価として、施設に隣接している幹線道路の有無、施設周辺の区画整理の程度、施設周辺における踏切の有無、及び施設に隣接している隣接施設の豊富さを示す情報を取得し、例えば、外部評価のうち施設の清潔さを示す情報として、「施設が清潔である」、「施設が清潔でない」、「施設が改装された」等を取得する。
SE5において施設案内サーバ20の評価変化特定部22aは、評価の変化を特定する。この評価の変化の特定方法については、実施の形態では、SE4にて取得された外部評価に基づいて施設の変化又は施設の周辺環境の変化を特定し、当該特定した施設の変化又は施設の周辺環境の変化に基づいて評価の変化を特定する。ここで、「施設の変化」とは、施設の状態が変化することを意味し、例えば、施設の構成が変化すること(一例として、図4の評価変化テーブル23dで示す「駐車場新設」等)、施設が提供するサービスが変化すること(一例として、図4の評価変化テーブル23dで示す「メニューの数増加」等)を含む概念である。また、「施設の周辺環境の変化」とは、施設の周辺環境の状態が変化することを意味し、例えば、施設の周辺環境の構成が変化すること(一例として、図4の評価変化テーブル23dで示す「幹線道路新設」等)を含む概念である。具体的には、SE3にて取得したユーザ評価のうちの施設評価若しくは周辺環境評価、又はSE4にて取得された外部評価に対応する施設の変化又は施設の周辺環境の変化を特定する。次いで、評価変化テーブル23dに格納されている評価の変化の中から、当該特定した施設の変化又は施設の周辺環境の変化に対応する評価の変化を特定する。例えば、SE3にて取得したユーザ評価のうちの施設評価若しくは周辺環境評価=「施設が清潔でない」であり、SE4にて取得された外部評価=「施設が清潔である」である場合には、施設の変化又は施設の周辺環境の変化=「施設の清潔さ向上」を特定し、評価の変化=「改善変化」を特定する。
図10に戻り、SE6において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、SE3にて取得したユーザ評価のうちの総合評価が閾値以上(例えば、総合評価が2以上等)であるか否かを判定する。そして、施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、上記総合評価が閾値以上であると判定された場合(SE6、Yes)にはSE7へ移行し、上記総合評価が閾値以上であると判定されなかった場合(SE6、No)にはSE8へ移行する。
SE7において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、SE5にて特定された評価の変化に基づいて、対象第1案内対象候補施設に対する評価が変化しなかったか否かを判定する。この対象第1案内対象候補施設に対する評価が変化しなかったか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、SE5にて特定された各種の評価の変化(例えば、施設の清潔さの変化、施設の駐車場の有無の変化等)の中に、「改善変化」又は「改悪変化」が含まれているか否かに基づいて判定し、「改善変化」又は「改悪変化」が含まれていない場合には上記評価が変化していないと判定し、「改善変化」又は「改悪変化」が含まれている場合には上記評価が変化したと判定する(なお、後述するSE8についても同様とする)。そして、施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、上記評価が変化したと判定された場合(SE7、No)にはSE9へ移行し、上記評価が変化していないと判定された場合(SE7、Yes)にはSE11へ移行する。
SE8において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、SE5にて特定された評価の変化に基づいて、対象第1案内対象候補施設に対する評価が変化したか否かを判定する。そして、施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、上記評価が変化したと判定された場合(SE8、Yes)にはSE9へ移行し、上記評価が変化していないと判定された場合(SE8、No)には、SE9からSE11の処理を行うことなく、他の第1案内対象候補施設を対象第1案内対象候補施設として、SE3からSE11の処理を再び繰り返す。
SE9において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、SE5にて特定された評価の変化に基づいて、対象第1案内対象候補施設に対する評価が改善されたか否かを判定する。この対象第1案内対象候補施設に対する評価が改善されたか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、SE5にて特定された各種の評価の変化のうちの「改善変化」の数に基づいて判定する。具体的には、まず、SE5にて特定された各種の評価の変化に「改善変化」が含まれているか否かを判定する。ここで、「改善変化」が含まれていない場合には、上記評価が改善されていないと判定する。また、「改善変化」が含まれている場合には、「改悪変化」が含まれているか否かを判定する。ここで、「改悪変化」が含まれていない場合には、上記評価が改善されていると判定する。また、「改悪変化」が含まれている場合には、SE5にて特定された各種の評価の変化のうちの「改善変化」の数が「改悪変化」の数を上回るか否かを判定し、「改善変化」の数が「改悪変化」の数を上回る場合には、上記評価が改善されていると判定し、「改善変化」の数が「改悪変化」の数を上回らない場合には、上記評価が改善されていないと判定する。例えば、SE5にて特定された評価の変化のうち、施設の清潔さの変化=「改善変化」、施設の駐車場の有無の変化=「改善変化」、施設が提供するメニューの豊富さの変化=「改善変化」、施設が提供するメニューの質の変化=「維持変化」、施設に隣接している幹線道路の有無の変化=「維持変化」、施設周辺の区画整理の程度の変化=「維持変化」、施設周辺における踏切の有無の変化=「改悪変化」、及び施設に隣接している隣接施設の豊富さの変化=「改悪変化」である場合には、「改善変化」の数(3つ)が「改悪変化」の数(2つ)よりも上回るため、上記評価が改善されたと判定する。そして、施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、上記評価が改善されたと判定された場合(SE9、Yes)、SE11へ移行し、上記評価が改善されていないと判定された場合(SE9、No)、SE10に移行する。
また、SE10において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、SB2にて算定された総合評価の算定方法によってSE4にて取得された外部評価に基づいて算定された総合評価が閾値以上(例えば、総合評価が2以上等)であるか否かを判定する。そして、施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、上記総合評価が閾値以上であると判定された場合(SE10、Yes)にはSE11へ移行し、上記総合評価が閾値以上であると判定されなかった場合(SE6、No)にはSE11の処理を行うことなく、他の第1案内対象候補施設を対象第1案内対象候補施設として、SE3からSE11の処理を再び繰り返す。
SE11において施設案内サーバ20の案内対象施設特定部22bは、SE7にて評価が変化しなかったと判定された対象第1案内対象候補施設、SE9にて評価が改善されたと判定された対象第1案内対象候補施設、又はSE10にて総合評価が閾値以上であると判定された対象第1案内対象候補施設を第2案内対象候補施設として特定する。その後、施設案内サーバ20の制御部22は、他の第1案内対象候補施設を対象第1案内対象候補施設として、SE3からSE11の処理を再び繰り返す。
以上のように、SE2とSE12の間のループにおいて、SE1で特定された第1案内対象候補施設に対応するレーンの全てを対象として、SE3からSE11の処理が順次行われた後、SE13において施設案内サーバ20の経路設定部22cは、SE11にて特定された第2案内対象候補施設に基づいて、代替中間目的地を設定する。この代替中間目的地の設定方法については任意であるが、実施の形態では、SE11で特定された第2案内対象候補施設が1つである場合には、当該第2案内対象候補施設を案内対象施設として特定し、当該特定された案内対象施設を代替中間目的地として設定する。また、SE11で特定された第2案内対象候補施設が複数ある場合には、SE4にて取得された外部評価に基づいて、評価が最も高い第2案内対象候補施設を案内対象施設として特定し、当該特定された案内対象施設を代替中間目的地として設定する。例えば、SE11で特定された第2案内対象候補施設が2つある場合において、一方の第2案内対象候補施設の外部評価が、施設の清潔さ=〇、駐車場の有無=〇、メニューの豊富さ=〇、メニューの質=×、幹線道路の有無=×、区画整理の程度=×、踏切の有無=×、隣接施設の豊富さ=×であり、他方の第2案内対象候補施設の外部評価が、施設の清潔さ=〇、駐車場の有無=〇、メニューの豊富さ=×、メニューの質=×、幹線道路の有無=×、区画整理の程度=×、踏切の有無=×、隣接施設の豊富さ=×である場合には、一方の第2案内対象候補施設の外部評価が他方の第2案内対象候補施設の外部評価よりも評価が高いので、一方の第2案内対象候補施設を案内対象施設として特定し、当該特定された案内対象施設を代替中間目的地として設定する。あるいは、これに限られず、例えば、複数の第2案内対象候補施設を端末装置10に送信してディスプレイ14に表示させ、表示された複数の第2案内対象候補施設の中から端末装置10のユーザによってタッチパッド13を介して選択された第2案内対象候補施設を端末装置10から受信し、当該受信した第2案内対象候補施設を案内対象施設として特定し、当該特定された案内対象施設を代替中間目的地として設定してもよい。なお、SE11にて第2案内対象候補施設が特定されず、あるいは、SE1にて第1案内対象候補施設が特定されなかったことで、案内対象施設が特定できなかった場合には、例えば、施設DB23bに格納されている施設情報に基づいて、SD5にて設定された仮経路から所定距離内に存在する施設の中から、図9のSD4にて受信された経路再設定要求情報に含まれる中間目的地に対応する施設の種類と同一の種類の施設を抽出し、当該抽出した施設を代替中間目的地として設定してもよい。これにて、代替中間目的地検索処理が終了する。
図9に戻り、SD7において施設案内サーバ20の経路設定部22cは、第2経路を新たな経路として再設定する。この第2経路の再設定方法については、実施の形態では、SD4にて受信された経路再設定要求情報に含まれる最終目的地に対応する施設識別情報、探索条件、第1経路情報、及び自車両の現在地、並びに、SD6にて検索された代替中間目的地、並びに、地図DB23a及び施設DB23bに格納された地図情報及び施設情報に基づいて、公知の経路探索手法を用いて、当該自車両の現在地から当該代替中間目的地を経由して当該最終目的地に至る経路を第2経路として再設定する。
SD8において施設案内サーバ20の案内部22dは、第2経路情報を端末装置10に送信する。ここで、「第2経路情報」とは、SD7にて設定された第2経路に関する情報であり、例えば、第2経路上の各ノードに関するノードデータ、第2経路上の各リンクに関するリンクデータ、及びSD6にて検索された代替中間目的地等を含む概念である。これにて、施設案内サーバ20の制御部22は、施設案内処理を終了する。
図8に戻り、SC10において端末装置10の制御部16は、第2経路情報を受信したか否かを判定する。そして、端末装置10の制御部16は、第2経路情報が受信されるまで待機し(SC10、No)、第2経路情報が受信された場合に(SC10、Yes)、SC11に移行する。
SC11において端末装置10の案内部16aは、SC10にて受信された第2経路情報に基づいて、代替中間目的地及び第2経路の案内を行う。この代替中間目的地及び第2経路の案内方法については任意であるが、実施の形態においては、図11、図12に示すように、SC7にて案内された表示内容に加えて、SC10にて受信された第2経路情報に含まれる第2経路と、当該第2経路情報に含まれる代替中間目的地に関する位置アイコンを、ディスプレイ14に表示された地図に対して重ねて表示することで案内する。また、図10のSE13にて特定された代替中間目的地が、図10のSE9にて評価が改善されたと判定されたものである場合には、端末装置10のユーザに対して改善点を報知するために、図10のSE5にて特定された施設の変化又は施設の周辺環境の変化に関する情報を案内してもよい。具体的には、図11に示すように、図10のSE5にて特定された施設の変化又は施設の周辺環境の変化を特定する情報(例えば、「施設の清潔さ向上」等)を、ディスプレイ14に表示することで案内する。あるいは、これに限られず、例えば、SE4にて取得された外部評価に関する情報(例えば、「施設を改装した」、「オーナーが変わった」等)を表示してもよい。これにより、例えば、以前の端末装置10のユーザによる評価が低かった施設を代替中間目的地(案内対象施設)として案内する場合に、この案内の根拠となる評価の変化に関する情報を提示できるので、代替中間目的地が案内された理由をユーザが容易かつ迅速に把握することが可能になり、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。これにて、端末装置10の制御部16は、施設案内処理を終了する。
例えば、図11に示すように、図8のSC8において、自車両が図8のSC1にて設定された中間目的地M(施設の種類=レストラン)よりも手前の位置(すなわち、図8のSC5にて取得された自車両の現在地N)で図9のSD2にて設定された第1経路R1から逸脱したことで、経路の再設定を行うタイミングが到来したと判定された場合であって、図9のSD5にて設定された仮経路=第2経路R2と同一の経路である場合に、図9のSD6にて中間目的地Mに対応する施設の種類と同一の種類の案内対象施設が代替中間目的地SM(施設の種類=レストラン、施設の名称=レストラン×××、総合評価=1)として検索されると共に、図9のSD7にて自車両の現在地Nから代替中間目的地SMを経由して最終目的地Gに至る第2経路R2が設定される。そして、図11に示すように、図8のSC11にて表示された地図上において、上記設定された代替中間目的地SMの近傍位置に当該代替中間目的地SMに関する位置アイコンが重畳表示されると共に、第2経路R2も重畳表示される。また、この代替中間目的地SMが、図10のSE9にて評価が改善されたと判定されたものである場合には、図10のSE5にて特定された施設の変化又は施設の周辺環境の変化に関する情報=「施設の清潔さ向上」、及び図10のSE4にて取得された外部評価に関する情報=「施設が改装された」がディスプレイ14に表示される。これにより、以前に端末装置10のユーザによって行われた評価が低かった施設である場合でも、評価の変化を考慮して当該施設を代替中間目的地として設定し、当該設定した代替中間目的地をユーザに対して提示することができる。
このように上記施設案内処理では、以前に端末装置10のユーザによって評価された施設を案内対象施設とすべきか否かを評価の変化を考慮して決定することができるので、評価の変化を考慮することなく決定する場合に比べて案内対象施設の特定を適切に行うことが可能になり、施設案内におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る施設案内システム1の案内対象施設の特定におけるユーザの利便性が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の代替中間目的地の設定におけるユーザの利便性を有している場合には、本願発明の課題は解決されている。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、施設案内サーバ20を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に評価変化特定部22a及び案内対象施設特定部22bを設けると共に、これら複数の装置の他の一部に経路設定部22c及び案内部22dを設けてもよい。また、端末装置10及び施設案内サーバ20を、単一の装置として統合して構成してもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(端末装置について)
上記実施の形態では、端末装置10が車載ナビゲーション装置を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、スマートフォンや携帯用ナビゲーション装置等の公知のモバイル端末を用いて構成されてもよい。
(施設案内システムの使用態様について)
上記実施の形態では、施設案内システム1の使用態様については、端末装置10が自車両に搭載されるものとして使用されると説明したが、これに限られない。例えば、歩行者が歩行経路を設定する場合には、端末装置10が歩行者によって携帯されるものとして使用されてもよい。この場合には、探索条件のうち燃費優先条件が除外される。
(評価入力シートについて)
上記実施の形態では、評価入力シートの表示内容については、チェック項目情報と、チェックボックスとが相互に関連付けて表示されると説明したが、これに限られない。例えば、施設案内処理にて案内する価値がある施設に対応する施設評価及び周辺環境評価のみを評価DB23cに格納できるように、評価対象となる施設を再訪するか否かを確認するための再訪確認情報(例えば、「施設を再訪しますか。」等)と、チェックボックスとが相互に関連付けて表示されてもよい。この場合に、図5の評価入力処理におけるSA3において、再訪確認情報に対応するチェックボックスにチェックが入れられた場合にはSA4の処理を行い、当該チェックボックスにチェックが入れられなかった場合にはSA4の処理を行うことなく評価入力処理を終了してもよい。
あるいは、評価対象となる施設がチェーン店である場合には、当該施設のブランド単位(又は系列単位)で施設に対する評価(具体的には施設評価)を行うことができるように、当該施設のブランド単位(又は系列単位)で評価するか否かを確認するためのブランド評価確認情報(例えば、「施設のブランド単位(又は系列単位)で評価しますか。」等)と、チェックボックスとが相互に関連付けて表示されてもよい。この場合において、施設DB23bは、項目「施設ID」、項目「施設種類」、項目「施設名称」、項目「施設位置」と、項目「施設ブランド又は系列)」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて格納されており、このうち項目「施設ブランド又は系列」に対応する情報は、施設のブランド又は系列を特定する施設ブランド情報を示す。そして、図5、図6の評価入力処理におけるSA3において、ブランド評価確認情報に対応するチェックボックスにチェックが入れられた場合には、SA4の処理が行われ、SB2において、評価対象となる施設に対応する施設評価及び周辺環境評価が評価DB23cに格納されると共に、施設DB23bの施設識別情報及び施設ブランド情報に基づいて、当該施設と同じブランド(又は系列)の施設に対応する施設評価(具体的には、評価対象となる施設に対応する施設評価と同じ評価)が評価DB23cに格納される。一方、SA3において、チェックボックスにチェックが入れられなかった場合には、SA4の処理が行われることなく評価入力処理が終了される。
上記実施の形態では、評価入力シートの表示内容については、あらかじめ設定された8つのチェック項目情報を表示すると説明したが、これに限られない。例えば、ユーザのニーズに応じた評価入力が可能となるように、評価入力シートの表示内容を変更できるようにしてもよい。一例として、図7に示す8つのチェック項目情報の中からチェック対象とすべきチェック項目情報を任意に選択し、当該選択したチェック項目情報だけを評価入力シートに表示させてもよい。これにより、例えば、ユーザが隣接する道路の種類を気にしない場合には、図7に示す8つのチェック項目情報のうち、チェック項目=「施設に隣接する道路が幹線道路である。」をチェック対象から除外することで、評価入力シートを入力する手間を省略できる。
(評価入力処理について)
上記実施の形態では、SB2において、SB1にて受信された評価格納要求情報に含まれる施設評価及び周辺環境評価を評価DB23cに格納すると説明したが、これに限られない。例えば、施設案内処理にて案内する価値がある施設の施設評価及び周辺環境評価のみを評価DB23cに格納できるように、施設案内サーバ20の制御部22が、上記評価格納要求情報に含まれる施設評価及び周辺環境評価に基づいて算定された総合評価が閾値以上(例えば、総合評価が2以上等)であるか否かを判定し、上記閾値以上である場合には施設評価及び周辺環境評価を格納し、上記閾値以上でない場合には施設評価及び周辺環境評価を格納してもよい。
(施設案内処理について)
上記実施の形態では、SE5において、評価の変化の特定方法については、SE3にて取得したユーザ評価のうちの施設評価若しくは周辺環境評価、又はSE4にて取得された外部評価に対応する施設の変化又は施設の周辺環境の変化を特定すると説明したが、これに限られない。例えば、上記ユーザ評価のうちの施設評価若しくは周辺環境評価に代えて、公知の言語解析手法等を用いて、インターネット上のWebサイトのうち、SE3にて取得された外部評価の更新日時よりも前に更新されたWebサイトであって対象第1案内対象候補施設に関連するWebサイトに表示されているテキスト情報の中から取得した施設評価若しくは周辺環境評価を用いて、施設の変化又は施設の周辺環境の変化を特定してもよい。
また、上記実施の形態では、SC11において、SC10にて受信された第2経路情報に含まれる第2経路と、当該第2経路情報に含まれる代替中間目的地に関する位置アイコンを、ディスプレイ14に表示された地図に対して重ねて表示すると説明したが、これに限られず、例えば、上記第2経路情報に含まれる代替中間目的地に関する位置アイコンのみを、ディスプレイ14に表示された地図に対して重ねて表示してもよい。
(代替中間目的地検索処理について)
上記実施の形態では、SE4において、外部の任意の情報のうち対象第1案内対象候補施設に関連する情報の中から、対象第1案内対象候補施設に対応する施設評価及び周辺環境評価を外部評価として取得すると説明したが、これに限られない。外部評価のうち施設評価の取得方法については、例えば、対象第1案内対象候補施設がチェーン店である場合には、対象第1案内対象候補施設と同じブランド(又は系列)の施設に関連する情報の中から、当該同じブランド(又は系列)の施設に対応する施設評価を対象第1案内対象候補施設に対応する施設評価として取得してもよい。
上記実施の形態では、SE6において、総合評価を判定する際には、あらかじめ設定された閾値を用いると説明したが、これに限られず、例えば、ユーザによって端末装置10のタッチパッド13を介して入力された閾値を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、SE9において、対象第1案内対象候補施設に対する評価が改善されたか否かの判定方法については、SE5にて特定された各種の評価の変化に「改善変化」のみが含まれている場合、又は、SE5にて特定された各種の評価の変化のうちの「改善変化」の数が「改悪変化」の数を上回る場合には、上記評価が改善されたと判定すると説明したが、これに限られない。例えば、SE3にて取得された総合評価に応じて上記評価が改善されたか否かを判定してもよい。具体的には、SE3にて取得された総合評価が閾値以上(例えば、総合評価が2以上等)である場合において、SE5にて特定された各種の評価の変化に「改善変化」のみが含まれている場合、又は、SE5にて特定された各種の評価の変化のうちの「改善変化」の数が「改悪変化」の数を上回る場合であり、且つ、「改善変化」の数が第1所定値以上(例えば、1つ以上等)である場合に限り、上記評価が改善されたと判定してもよい。一方、SE3にて取得された総合評価が閾値以上でない場合において、SE5にて特定された各種の評価の変化に「改善変化」のみが含まれている場合、又は、SE5にて特定された各種の評価の変化のうちの「改善変化」の数が「改悪変化」の数を上回る場合であり、且つ、「改善変化」の数が第1所定値を上回る第2所定値以上(例えば、2つ以上等)である場合に限り、上記評価が改善されたと判定してもよい。これにより、例えば、総合評価が低い施設で行われた評価の改善が少ない場合には、当該施設を代替中間目的地として設定することを防止することができる。
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
実施の形態の1つの側面1に係る施設案内システムは、ユーザからの施設に対する評価の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段にて入力された前記評価を特定する評価情報を施設毎に格納する評価情報格納手段と、前記施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定手段と、前記評価情報格納手段に格納された前記評価情報に対応する施設の中から、前記評価情報と、前記評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき案内対象施設を特定する案内対象施設特定手段と、前記案内対象施設に関する案内を行う案内手段と、を備えた。
上記側面1に係る施設案内システムによれば、入力手段にて入力された評価を特定する評価情報を施設毎に格納する評価情報格納手段と、施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定手段と、評価情報格納手段に格納された評価情報に対応する施設の中から、評価情報と、評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき案内対象施設を特定する案内対象施設特定手段と、案内対象施設に関する案内を行う案内手段と、を備えたので、以前にユーザによって評価された施設を案内対象施設とすべきか否かを評価の変化を考慮して決定することができるので、評価の変化を考慮することなく決定する場合に比べて案内対象施設の特定を適切に行うことが可能になり、施設案内におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
実施の形態の他の側面2に係る施設案内システムは、上記側面1に係る施設案内システムにおいて、前記評価は、前記施設を直接的に評価する際の指標となる施設評価と、前記施設の周辺環境を評価する際の指標となる周辺環境評価とを含む。
上記側面2に係る施設案内システムによれば、評価が、施設評価と、周辺環境評価とを含むので、施設評価及び周辺環境評価に基づいて案内対象施設を特定できるので、いずれか一方の評価のみに基づいて案内対象施設を特定する場合に比べて、案内対象施設の特定を一層適切に行うことが可能になり、施設案内におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
実施の形態の他の側面3に係る施設案内システムは、上記側面1又は側面2に係る施設案内システムにおいて、地図情報を格納する地図情報格納手段と、所定方法で指定された探索条件と、前記地図情報とに基づいて、出発地から中間目的地を経由して最終目的地に至る第1経路を設定する経路設定手段と、を備え、前記経路設定手段は、前記第1経路とは異なる第2経路であって前記ユーザの現在地から前記最終目的地に至る第2経路を新たな経路として再設定する場合において、前記中間目的地とは異なる代替中間目的地であって、当該中間目的地に対応する施設の種類と同一の種類の前記案内対象施設であり前記案内対象施設特定手段にて特定された前記案内対象施設を代替中間目的地として設定し、前記ユーザの現在地から前記代替中間目的地を経由して前記最終目的地に至る前記第2経路を新たな経路として再設定し、前記案内手段は、前記第2経路及び前記代替中間目的地に関する情報を案内する。
上記側面3に係る施設案内システムによれば、経路設定手段が、第2経路を新たな経路として再設定する場合において、中間目的地とは異なる代替中間目的地であって、当該中間目的地に対応する施設の種類と同一の種類の案内対象施設を代替中間目的地として設定し、ユーザの現在地から代替中間目的地を経由して最終目的地に至る第2経路を新たな経路として再設定し、案内手段が、第2経路及び代替中間目的地に関する情報を案内するので、以前にユーザによって評価された施設を代替中間目的地とすべきか否かを評価の変化を考慮して決定することができるので、評価の変化を考慮することなく決定する場合に比べて代替中間目的地の特定を適切に行うことが可能になり、代替中間目的地を案内する際のユーザの利便性を向上させることが可能になる。
実施の形態の他の側面4に係る施設案内システムは、上記側面1から側面3のいずれかに係る施設案内システムにおいて、前記評価変化特定手段は、前記施設に対する評価に基づいて前記施設の変化又は前記施設の周辺環境の変化を特定し、当該特定した前記施設の変化又は前記施設の周辺環境の変化に基づいて前記評価の変化を特定し、前記案内手段は、前記案内対象施設に関する案内を行う場合に、当該案内対象施設に対応する前記施設の変化又は前記施設の周辺環境の変化に関する情報を案内する。
上記側面4に係る施設案内システムによれば、案内手段が、案内対象施設に関する案内を行う場合に、当該案内対象施設に対応する施設の変化又は施設の周辺環境の変化に関する情報を案内するので、例えば、以前のユーザによる評価が低かった施設を案内対象施設として案内する場合に、この案内の根拠となる評価の変化に関する情報を提示できるので、案内対象施設が案内された理由をユーザが容易かつ迅速に把握することが可能になり、ユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
実施の形態の他の側面5に係る施設案内方法は、入力手段が、ユーザからの施設に対する評価の入力を受け付ける入力ステップと、評価情報格納手段が、前記入力ステップにおいて入力された前記評価を特定する評価情報を施設毎に格納する評価情報格納ステップと、評価変化特定手段が、前記施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定ステップと、案内対象施設特定手段が、前記評価情報格納手段に格納された前記評価情報に対応する施設の中から、前記評価情報と、前記評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき案内対象施設を特定する案内対象施設特定ステップと、案内手段が、前記案内対象施設に関する案内を行う案内ステップと、を含む。
上記側面5に係る施設案内方法によれば、評価情報格納手段が、入力ステップにおいて入力された評価を特定する評価情報を施設毎に格納する評価情報格納ステップと、評価変化特定手段が、施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定ステップと、案内対象施設特定手段が、評価情報格納手段に格納された評価情報に対応する施設の中から、評価情報と、評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき案内対象施設を特定する案内対象施設特定ステップと、案内手段が、案内対象施設に関する案内を行う案内ステップと、を含むので、以前にユーザによって評価された施設を案内対象施設とすべきか否かを評価の変化を考慮して決定することができるので、評価の変化を考慮することなく決定する場合に比べて案内対象施設の特定を適切に行うことが可能になり、施設案内におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
実施の形態の他の側面6に係る施設案内プログラムは、コンピュータを、ユーザからの施設に対する評価の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段にて入力された前記評価を特定する評価情報を施設毎に格納する評価情報格納手段と、前記施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定手段と、前記評価情報格納手段に格納された前記評価情報に対応する施設の中から、前記評価情報と、前記評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき案内対象施設を特定する案内対象施設特定手段と、前記案内対象施設に関する案内を行う案内手段と、として機能させる。
上記側面6に係る施設案内プログラムによれば、コンピュータを、入力手段にて入力された評価を特定する評価情報を施設毎に格納する評価情報格納手段と、施設に対する評価を取得し、当該取得した評価の変化を特定する評価変化特定手段と、評価情報格納手段に格納された評価情報に対応する施設の中から、評価情報と、評価の変化とに基づいて、案内対象とすべき案内対象施設を特定する案内対象施設特定手段と、案内対象施設に関する案内を行う案内手段と、として機能させるので、以前にユーザによって評価された施設を案内対象施設とすべきか否かを評価の変化を考慮して決定することができるので、評価の変化を考慮することなく決定する場合に比べて案内対象施設の特定を適切に行うことが可能になり、施設案内におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。