以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.画像形成装置の構成]
図1に模式的な左側面図を示すように、第1の実施の形態による画像形成装置1は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなり可撓性を有する用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷するようになっている。
画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。以下では、図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
この画像形成装置1は、印刷制御部3により全体を統括制御する(詳しくは後述する。)。表示部4は、例えば液晶パネルでなり、筐体2におけるユーザから見やすい位置に設けられている。操作部5は、例えばタッチセンサでなり表示部4と一体のタッチパネルとして構成されている。
筐体2内の最下部には、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット6が設けられている。給紙カセット6は、例えば中空の直方体状に形成されており、上面が開放されている。この給紙カセット6の前上方には、用紙繰出部7が設けられている。用紙繰出部7は、複数のローラ等により構成されており、各ローラを適宜回転させることにより、給紙カセット6に収納されている用紙Pのうち最上面の1枚のみを他の用紙Pから分離し、前斜め上方へ繰り出す。
用紙繰出部7の前側ないし上側には、用紙Pを搬送する下搬送部8が設けられている。下搬送部8は、用紙Pを案内する搬送ガイドによって搬送路W(以下これを媒体経路とも呼ぶ)を形成しており、この搬送路Wを挟んで対向する搬送ローラ対により用紙Pに駆動力を伝達し、搬送路Wに沿って搬送して中搬送部10へ引き渡す。中搬送部10は、筐体2における上下方向のほぼ中央を前後方向に横切るように配置されている。この中搬送部10は、下搬送部8と同様、用紙Pを案内する搬送ガイドによって搬送路Wを形成しており、この搬送路Wを挟んで対向する搬送ローラ対により用紙Pに駆動力を伝達し、搬送路Wに沿って後方へ搬送する。
中搬送部10における前後方向の中央よりもやや後側には、2次転写部12が設けられている。2次転写部12は、搬送路Wを上下から挟むようにして、下側の2次転写ローラ13及び上側の2次転写対向ローラ14が設けられている。2次転写ローラ13及び2次転写対向ローラ14は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成されている。
2次転写ローラ13は、細長い円柱状に形成された金属シャフトの周側面に、体積抵抗率が107〜109[Ω・cm]程度の導電性を有する発泡ウレタンの層が形成されている。この金属シャフトは、固定抵抗を介して2次転写制御部(後述する)と接続されることにより、周方向の抵抗値変動による転写不良の発生を抑制するようになっている。一方、2次転写対向ローラ14は、金属材料によって構成されており、グランドに接続されている。
2次転写部12は、図示しない付勢部材により2次転写ローラ13を上方へ付勢しており、2次転写対向ローラ14との間に2次転写ニップを形成している。また2次転写ローラ13は、図示しない2次転写モータから伝達される駆動力により矢印R2方向へ回転する。
中搬送部10の上方には、前方から後方へ向けて5個の画像形成ユニット15(15K、15C、15M、15Y及び15W)が整列されている。各画像形成ユニット15は、印刷制御部3の制御に基づき、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びホワイト(W)の各色によるトナー画像を形成するようになっている(詳しくは後述する)。
画像形成ユニット15と中搬送部10との間には、中間転写部20が設けられている。この中間転写部20は、前側のローラ21、後側のローラ22及び2次転写部12の2次転写対向ローラ14の周囲に、幅広の無端ベルトでなる中間転写ベルト23を張架させ、矢印E1の方向へ走行させるようになっている。中間転写部20は、中間転写ベルト23の上側部分において、各画像形成ユニット15と該中間転写ベルト23とを当接させている。また中間転写部20は、その下側部分において、2次転写部12の2次転写ローラ13及び2次転写対向ローラ14の間に中間転写ベルト23を挟持させ、用紙Pの搬送路Wに当接させている。
各画像形成ユニット15は、それぞれ印刷制御部3から画像データが供給されると、現像剤としてのトナーにより、この画像データに応じたトナー画像(以下これを現像剤像とも呼ぶ)を形成する。中間転写部20は、中間転写ベルト23を矢印E1の方向へ走行させることにより、各画像形成ユニット15により形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト23に順次転写し、この転写されたトナー画像を2次転写部12まで進行させる。2次転写部12は、2次転写ローラ13に所定の転写電位(例えば+2000[V])を印加することにより、中間転写ベルト23上のトナー画像を用紙Pに転写させる。
ところで中間転写部20の後側には、清掃部26が設けられている。図2(A)に拡大図を示すように、清掃部26は、清掃ブレード27及び収容器28により構成されている。清掃ブレード27は、左右方向に長い板状の金属部材でなり、その長辺を中間転写ベルト23の外周面(以下これを転写面とも呼ぶ)に当接させている。この清掃ブレード27は、中間転写ベルト23の接線(図中に一点鎖線で示す)との間になす角度θが鋭角となるように、すなわち走行する中間転写ベルト23が当接箇所から進行するに連れて該清掃ブレード27から遠ざかるように、設置されている。また清掃ブレード27は、金属板としての性質を利用して僅かに弾性変形した状態で中間転写ベルト23に当接している。
このため清掃ブレード27は、走行する中間転写ベルト23との間に隙間を形成すること無く、また該中間転写ベルト23に対し過大な摩擦力を発生させることも無く、常にほぼ一定の適度な力を作用させながら摺動する。これにより清掃ブレード27は、2次転写部12において用紙Pへ転写されず中間転写ベルト23の表面にトナーが付着していた(すなわち残っていた)場合、このトナーをかき落として清掃することができる。収容器28は、内部に空間が形成されており、清掃ブレード27によって中間転写ベルト23の表面からかき落とされたトナーを収容する。
一方、中搬送部10(図1)は、2次転写部12において中間転写ベルト23からトナー像が転写された用紙Pを後方へ搬送し、定着部16内へ進行させる。定着部16は、搬送路Wの上下に配置された一対のローラを所定方向へ回転させながら、用紙Pに熱及び圧力を加えることにより、トナー像を用紙Pに定着させ、この用紙Pをさらに後方へ進行させる。これにより用紙Pには、画像データに基づいた画像が形成(すなわち印刷)される。
定着部16の後方ないし上方には、上搬送部17が設けられている。上搬送部17は、下搬送部8及び中搬送部10と同様に、用紙Pを案内する搬送ガイド及び複数の搬送ローラ対により構成されている。この上搬送部17は、下端において前側の定着部16から引き渡される用紙Pを上方へ進行させ、やがてその上端近傍で排出ローラ対18により前方向へ送り出すように搬送路Wを形成している。また上搬送部17の上端における前側であって、筐体2の上面には、画像が形成された用紙Pを集積(スタック)するスタッカ部19が設けられている。この上搬送部17は、定着部16から引き渡される用紙Pを搬送路Wに沿って上方へ搬送し、排出ローラ対18によって前方へ放出することにより、当該用紙Pをスタッカ部19に集積させる。
[2.画像形成ユニットの構成]
[2−1.画像形成ユニットの基本構成]
次に、画像形成部としての画像形成ユニット15の基本的な構成、すなわちトナー画像の形成に関する部分について説明する。図3(A)に模式的な側面図を示すように、画像形成ユニット15は、画像形成筐体31を中心に構成されている。画像形成筐体31は、全体として中空の直方体状に形成されており、その上側にトナーカートリッジ32及びLED(Light Emitting Diode)ヘッド33が取り付けられている。
LEDヘッド33は、複数のLED素子を左右方向、すなわち主走査方向に沿って配置しており、印刷制御部3(図1)から供給される画像データに基づいた発光パターンで各LED素子を発光させる。トナーカートリッジ32は、現像剤としてのトナーを収容しており、このトナーを画像形成筐体31の後上部に形成されたトナー収容部41へ供給する。またトナーカートリッジ32は、画像形成筐体31に対し着脱可能に構成されており、収容するトナーを全て消費した場合、十分な量のトナーが収容された新たなトナーカートリッジ32と交換される。
因みにブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びホワイト(W)の各トナーは、例えばポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤及び離型剤により構成され、さらに外添剤(例えば疎水性シリカ)が添加される。また各トナーは、例えば粉砕法により得られる平均粒径が8[μm]程度の粉砕形状とすることができ、或いは重合法などの周知の手法により製造することもできる。
ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の着色剤としては、有機系の顔料、例えばカーボンブラック、ピグメントイエロー、ピグメントマゼンタ及びピグメントシアン等を使用している。これらの着色剤は、複数材料の混合によってそれぞれの色を生成するため、ある程度透明な顔料を使用している。一方、ホワイト(W)の着色剤は、金属系の顔料、例えば金属酸化物である二酸化チタンを使用しており、不透明となっている。
画像形成筐体31内には、トナー収容部41の他、供給ローラ43、現像ローラ44、現像ブレード45、感光体ドラム46及び帯電ローラ47等が組み込まれている。供給ローラ43、現像ローラ44及び帯電ローラ47は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成され、それぞれの中心軸を中心として矢印R1方向へ回転し、またそれぞれ周側面を帯電させ得るようになっている。
供給ローラ43は、金属製のシャフトの外周に、例えば硬度50度(アスカーF型)でなるシリコン発泡体のような発泡体が付着された構成となっている。現像ローラ44は、金属製のシャフトの外周に、例えばゴム硬度70度(アスカーC型)でなる半導電性のウレタンゴムのような弾性体が付着された構成となっている。現像ブレード45は、左右方向に長い板状の金属材でなり、弾性変形を利用して長辺を現像ローラ44の周側面に当接させることにより、該現像ローラ44に対しある程度の力を加えている。
感光体ドラム46は、LEDヘッド33の真下に配置されており、供給ローラ43等と同様に中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成され、この中心軸を中心として回転する。この感光体ドラム46は、例えば円筒状に形成された導電性支持体の表面に感光層が塗布された構成となっている。感光層は、例えば導電性支持体の表面にブロッキング層、電荷発生層及び電荷輸送層が順次積層された積層構造となっている。因みに電荷輸送層の厚さは、18[μm]となっている。
感光体ドラム46の下側には、1次転写ローラ25が設けられている。1次転写ローラ25は、中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成され、この中心軸を中心として矢印R2方向へ回転する。また1次転写ローラ25は、その上端を中間転写ベルト23の内面側に当接させており、周側面を帯電させ得るようになっている。
また画像形成ユニット15には、感光体ドラムモータ49が設けられている。この感光体ドラムモータ49は、印刷制御部3の制御により回転駆動し、図示しないギア等によって駆動力を感光体ドラム46に伝達することにより、該感光体ドラム46を矢印R2方向へ回転させる。さらに画像形成ユニット15には、図示しない複数のギアにより、感光体ドラム46から駆動力を供給ローラ43及び現像ローラ44に伝達し、両者をそれぞれ矢印R1方向へ回転させる。因みに帯電ローラ47は、感光体ドラム46との間に作用する摩擦力により、該感光体ドラム46の回転に伴って矢印R1方向へ連れ回される。
画像形成ユニット15は、トナー画像を形成する場合、まず印刷制御部3(図1)の制御に基づき、感光体ドラムモータ49から感光体ドラム46へ駆動力を供給し、さらにその駆動力を供給ローラ43及び現像ローラ44へ伝達する。これにより画像形成ユニット15は、感光体ドラム46を矢印R2方向へ回転させると共に、供給ローラ43、現像ローラ44及び帯電ローラ47をそれぞれ矢印R1方向へ回転させる。また中間転写ベルト23は、ローラ21(図1)等の回転により、矢印E1の方向へ走行する。これに伴い1次転写ローラ25は、矢印R1方向へ回転する。
さらに画像形成ユニット15は、供給ローラ43、現像ローラ44、現像ブレード45及び帯電ローラ47にそれぞれ所定のバイアス電圧を印加することにより、それぞれ帯電させる。供給ローラ43は、この帯電によりトナー収容部41内のトナーを周側面に付着させ、回転によりこのトナーを現像ローラ44の周側面に付着させる。回転する現像ローラ44は、現像ブレード45によって周側面から余分なトナーが除去されることにより、該トナーを所定の層厚でなる均一な薄膜状に付着させた後、この周側面を感光体ドラム46の周側面に当接させる。
一方、帯電ローラ47は、帯電した状態で感光体ドラム46と当接することにより、当該感光体ドラム46の周側面における当接箇所、すなわち前上側部分を一様に帯電させる。LEDヘッド33は、印刷制御部3(図1)から供給される画像データに基づいた発光パターンで発光することにより、感光体ドラム46の周側面を露光する。これにより感光体ドラム46は、その周側面における上端近傍に、画像データに基づいた静電潜像が形成される。
続いて感光体ドラム46は、矢印R2方向への回転に伴い、静電潜像が形成された箇所を現像ローラ44に順次当接させる。これにより感光体ドラム46は、現像ローラ44の周側面からトナーが転写され、静電潜像に基づいたトナー画像を周側面に現像していく。以下では、感光体ドラム46の周側面においてトナー画像が現像される箇所を現像箇所とも呼ぶ。
さらに感光体ドラム46は、矢印R2方向へ回転することにより、現像されたトナー画像を下端、すなわち中間転写ベルト23を挟んで1次転写ローラ25と当接する箇所まで進行させ、該1次転写ローラ25の帯電により、その周側面からトナー画像を中間転写ベルト23へ転写させる。以下では、感光体ドラム46から中間転写ベルト23へトナー画像を転写する箇所を1次転写箇所とも呼ぶ。
このように画像形成ユニット15は、LEDヘッド33による露光パターンに基づいて感光体ドラム46の周側面にトナー画像を形成し、このトナー画像を中間転写ベルト23に転写するようになっている。説明の都合上、以下では、現像箇所である感光体ドラム46の周側面から中間転写ベルト23までトナーを順次転写する経路を転写経路と呼ぶ。また以下では、感光体ドラム46等を含む画像形成筐体31、トナーカートリッジ32及びLEDヘッド33をまとめて転写部30と呼ぶ。
ところで画像形成ユニット15では、画像データに描画ドット、すなわちトナーを付着させるべき画素が含まれていない場合、現像ローラ44や感光体ドラム46等を回転させるものの、LEDヘッド33を発光させないことになる。このような場合、画像形成ユニット15では、感光体ドラム46から中間転写ベルト23にトナーを一切転写しないことが望ましいものの、構造上の制約等により、感光体ドラム46から中間転写ベルト23に僅かにトナーが転写される。以下、画像形成ユニット15におけるこのような現象を「かぶり」と呼び、またこのようにして中間転写ベルト23に転写されたトナーを「かぶりトナー」と呼ぶ。
[2−2.画像形成ユニットにおける転写部の位置の切替]
ところで画像形成ユニット15は、図示しない可動保持機構によって保持されており、転写部30(すなわち画像形成筐体31、トナーカートリッジ32及びLEDヘッド33)を所定の範囲内で上下方向へ移動させ、複数通りの位置に切り替え得るようになっている。また画像形成筐体31における左右の両側面には、左右方向に沿った短い円柱状でなる位置決めカム35がそれぞれ立設されている。
画像形成ユニット15は、転写部30を比較的下側に位置させた場合には、図3(A)に示したように、該感光体ドラム46の下端を中間転写ベルト23に当接させ、該感光体ドラム46及び1次転写ローラ25の間に中間転写ベルト23を挟持する。このとき画像形成ユニット15は、感光体ドラム46から中間転写ベルト23へトナー画像を転写することができる。以下、画像形成ユニット15におけるこのような状態を転写状態と呼び、このときの転写部30の位置を転写位置と呼ぶ。換言すれば、画像形成ユニット15は、転写部30を転写位置に切り替えた状態において、トナーカートリッジ32から中間転写ベルト23までトナーを順次転写する転写経路を形成している。
また画像形成ユニット15は、転写部30を比較的上側に位置させた場合には、図3(B)に示すように、該感光体ドラム46の下端を中間転写ベルト23及び1次転写ローラ25から離間させる。このとき画像形成ユニット15は、中間転写ベルト23が走行している場合であっても、感光体ドラム46や現像ローラ44等を静止させ、トナーを一切転写させない。以下、画像形成ユニット15におけるこのような状態を非転写状態と呼び、このときの転写部30の位置を非転写位置と呼ぶ。換言すれば、画像形成ユニット15は、転写部30を非転写位置に切り替えた状態において、上述した転写経路が切断されている。
因みに画像形成筐体31には、重力により常に下方へ向かう力が作用している。このため画像形成ユニット15は、転写部30に対し上方へ向かう力が加えられない場合、図3(A)に示した転写位置に移動させ、該画像形成筐体31に対し上方へ向かう力が加えられ上方へ持ち上げられた場合には、図3(B)に示した非転写位置に移動させる。
さらに画像形成ユニット15には、離接機構50が組み込まれている。図4(A)に示すように、離接機構50は、大きく分けて、画像形成筐体31の左右両側にそれぞれ配置されたリンクレバー51と、このリンクレバー51に駆動力をそれぞれ伝達するリンクレバー駆動部56とにより構成されている。
リンクレバー51は、前後方向に長い直方体状に構成されており、図示しないガイド等により、且つ上下方向及び左右方向の位置を保ったまま、前後方向へ移動し得るようになっている。このリンクレバー51の上面における後側部分には、ラックギア52が設けられている。
リンクレバー駆動部56は、離接モータ57及びピニオンギア58により構成されている。離接モータ57は、出力軸に出力ギア57Gが取り付けられており、印刷制御部3(図1)の制御に基づいて出力軸及び出力ギア57Gを回転させる。ピニオンギア58は、自在に回転可能な歯車として構成されており、出力ギア57G及びラックギア52とそれぞれ噛み合わされている。
このためリンクレバー駆動部56は、離接モータ57を回転させることによりピニオンギア58を介してラックギア52に駆動力を伝達し、リンクレバー51を前方向又は後方向へ移動させることができる。実際上、リンクレバー駆動部56は、印刷制御部3(図1)の制御に基づき、リンクレバー51を図4(A)に示した前寄りの位置、又は図4(B)に示す後寄りの位置へ移動させるようになっている。
リンクレバー51の上面における前後方向の中央付近には、ほぼ水平な当接案内面53が形成されている。またリンクレバー51の上面における前側部分には、当接案内面53よりも高い位置にほぼ水平な離間案内面54が形成され、さらに両者の間に傾斜面55が形成されている。
離接機構50は、図4(A)に示したように、リンクレバー駆動部56によりリンクレバー51を前寄りに位置させた場合、当接案内面53を位置決めカム35の真下に位置させる。このとき離接機構50は、当接案内面53から位置決めカム35に対し殆ど力を作用させない。このため画像形成ユニット15は、図3(A)に示したように、転写部30を転写位置に位置させて感光体ドラム46を中間転写ベルト23に当接させ、トナーの転写経路を形成した状態となる。
一方、離接機構50は、図4(B)に示したように、リンクレバー駆動部56によりリンクレバー51を後寄りに位置させた場合、離間案内面54を位置決めカム35の真下に位置させる。このとき離接機構50は、離間案内面54により位置決めカム35を介して転写部30を上方へ持ち上げ、その位置に支持する。このため画像形成ユニット15は、図3(B)に示したように、転写部30を非転写位置に位置させて感光体ドラム46を中間転写ベルト23から引き離し、トナーの転写経路を切断した状態となる。
このように画像形成ユニット15は、離接機構50のリンクレバー51を前方向又は後方向へ移動させることにより、転写部30を上下方向に変位させ、転写位置(図3(A))又は非転写位置(図3(B))に切り替えるようになっている。
[3.画像形成装置の制御ブロック構成]
次に、画像形成装置1の制御ブロック構成について説明する。図5に示すように、画像形成装置1は、印刷制御部3に各部が接続されており、この印刷制御部3により全体を統括制御するようになっている。
印刷制御部3は、その内部にCPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63及びフラッシュメモリ64等を有している。CPU61は、ROM62やフラッシュメモリ64から各種プログラムを読み出し、RAM63に展開して実行することにより、画像の印刷に関する種々の処理を実行する。また印刷制御部3には、表示部4及び操作部5が接続されている。
インタフェース部65は、図示しない上位装置から画像データや印刷指示等を受信する。センサ66は、搬送路Wにおける用紙Pの有無や、周囲の温度及び湿度等を検出して印刷制御部3へ供給する。プロセス制御部67は、各ローラの電圧を制御する。現像電圧制御部68、層形成・供給電圧制御部69及び帯電電圧制御部70は、画像形成ユニット15(図3)における現像ローラ44、供給ローラ43及び現像ブレード45、並びに帯電ローラ47に印加する電圧をそれぞれ制御する。1次転写制御部71及び2次転写制御部72は、画像形成ユニット15(図3)の1次転写ローラ25及び2次転写ローラ13に印加する電圧をそれぞれ制御する。
露光制御部73は、LEDヘッド33(図3)を制御することにより、画像データに基づいた発光パターンで発光させる。モータ制御部74は、感光体ドラムモータ49(図3)を制御することにより、感光体ドラム46に駆動力を供給し、矢印R2方向へ回転させる。回転検出部75は、各感光体ドラム46の回転状態を検出して回転数を計数する。
寿命算出部76は、回転検出部75により得られた各感光体ドラム46の回転数を基に、適宜補正処理等を行った上で、各感光体ドラム46の残り寿命(すなわち使用可能な残りの回転数)を算出する。この感光体ドラム46の残り寿命は、該感光体ドラム46を消耗品とみなした場合に、その残量を表す値となる。
離接制御部77は、各画像形成ユニット15の離接モータ57(図4)をそれぞれ制御することにより、転写部30の位置を転写位置(図3(A)及び図4(A))又は非転写位置(図3(B)及び図4(B))に切り替えさせる。離接状態判断部78は、回転検出部75により検出する各感光体ドラム46の回転状態を基に、各画像形成ユニット15の転写部30が転写位置(図3(A))又は非転写位置(図3(B))の何れに位置するかを判断し、得られた判断結果を印刷制御部3に通知する。
ここで印刷制御部3は、離接制御部77を介して各画像形成ユニット15を制御することにより、各画像形成ユニット15の転写部30を互いに独立して転写位置(図3(A))又は非転写位置(図3(B))に切り替えることができる。例えば印刷制御部3は、図6(A)に模式的に示すように、全ての画像形成ユニット15の転写部30を転写位置とすることや、図6(B)に示すように、ブラック(K)のトナー画像を形成する画像形成ユニット15Kの転写部30のみを転写位置とする一方で他の色の画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Wの転写部30を何れも非転写位置とすること等ができる。
このように印刷制御部3は、離接制御部77を介して画像形成ユニット15の転写部30を転写位置(図3(A))又は非転写位置(図3(B))に切り替えさせるようになっている。
[4.2次転写ローラのクリーニング]
次に、2次転写ローラ13(図1)における汚れの発生原理及びそのクリーニングについて説明する。
画像形成装置1は、所定の期間や所定枚数の印刷ごと等のタイミングで、色ずれ補正処理及び濃度補正処理と呼ばれる動作を行うことにより、用紙Pに印刷する各色の位置ずれを解消し、また各色の濃度を一定に維持する。この色ずれ補正処理及び濃度補正処理において、画像形成装置1の印刷制御部3は、まず各画像形成ユニット15において、所定の画像パターンでなる補正用トナー画像をそれぞれ形成して中間転写ベルト23に転写し、この中間転写ベルト23を走行させる。このとき印刷制御部3は、用紙Pについては搬送させない。
続いて印刷制御部3は、中間転写ベルト23の走行経路近傍に配置されたセンサ24(図1)により、この補正用トナー画像におけるトナーの位置ずれや濃度を検出させ、得られた検出結果を基に、各画像形成ユニット15におけるトナー画像の形成位置や濃度の値を調整し、次回以降の印刷時におけるトナー画像の色ずれ及び濃度を最適化する。
ここで画像形成装置1では、中間転写ベルト23に転写された補正用トナー画像を清掃部26に到達させた段階で、該中間転写ベルト23からトナーをかき落とすことができる。しかしながら画像形成装置1では、その前に補正用トナー画像が2次転写部12に到達した段階で、その一部のトナーを2次転写ローラ13に付着させ、汚れとしてしまう。
また画像形成装置1は、上位装置からの指示等に基づいて画像を印刷する際に、用紙Pが搬送路W上で詰まる等の理由により2次転写部12まで搬送されて来なかった場合等にも、中間転写ベルト23上のトナーを2次転写ローラ13に付着させ、汚れとしてしまう。
このように2次転写ローラ13にトナーが付着し汚れている場合、画像形成装置1は、次の印刷処理において2次転写部12に用紙Pを搬送すると、2次転写ローラ13に付着していたトナーをこの用紙Pの下面(すなわち画像データを転写すべき表面の反対面である裏面)に付着させる、いわゆる「裏汚れ」を発生させてしまう。
そこで画像形成装置1は、色ずれ補正処理及び濃度補正処理の直後やユーザから指示を受けた場合等に、2次転写ローラ13のクリーニング動作を行う。具体的に画像形成装置1の印刷制御部3は、まず図6(B)に示したように、モノクロの画像データを印刷する場合と同様、ブラック(K、黒色)の画像形成ユニット15Kの転写部30のみを転写位置とし、他の画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Wの転写部30を何れも非転写位置とする。このとき画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Wは、それぞれ感光体ドラムモータ49(図5)を停止させることにより、感光体ドラム46等を静止させており、その消耗を抑えている。
これにより印刷制御部3は、画像形成ユニット15Kにおいて発生する僅かなかぶりトナーを中間転写ベルト23に付着させることができる。その一方で印刷制御部3は、転写部30を非転写位置とした他の画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Wにおいて、感光体ドラム46を静止させたままとすることで、無駄な消耗を抑えることができる。
次に印刷制御部3は、中間転写ベルト23を走行させると共に、2次転写部12において、一定時間の間(例えば中間転写ベルト23が30周走行する間等)、2次転写ローラ13に印刷時と逆極性の電位(例えば−2000[V]等)を印加させ、或いは印刷時と同極性の電位(すなわち正電位)及び逆極性の電位(すなわち逆電位)を交互に印加させる。これにより印刷制御部3は、2次転写ローラ13の表面に付着していたトナーを中間転写ベルト23に付着させること、すなわち逆転写することができる。
さらに印刷制御部3は、引き続き中間転写ベルト23を走行させることにより、2次転写ローラ13から転写されたトナーを清掃部26に到達させ、清掃ブレード27(図2(A))により該中間転写ベルト23からトナーをかき落とさせる。このとき画像形成装置1は、画像形成ユニット15Kにおいて発生する僅かなかぶりトナーを中間転写ベルト23の表面に付着させているため、これを潤滑剤として作用させることにより、中間転写ベルト23の表面に対し清掃ブレード27を適度に滑らせることができる。
[5.効果等]
以上の構成において、画像形成装置1は、ブラック(K)のトナー画像を形成する画像形成ユニット15Kのみにおいて転写部品を転写位置(図3(A))に切り替え、他の色の画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Wの転写部30を何れも非転写位置(図3(B))として、2次転写ローラ13のクリーニング動作を行うようにした。このため画像形成装置1は、画像形成ユニット15Kから中間転写ベルト23へかぶりトナーを供給しながら、2次転写ローラ13のトナーを該中間転写ベルト23へ逆転写し、清掃部26においてこのトナーを該中間転写ベルト23からかき落とし、回収できる。
これにより画像形成装置1は、清掃部26において清掃ブレード27と中間転写ベルト23との間に作用する摩擦力が過大となり、図2(B)に示すように該清掃ブレード27がめくれること、すなわち該中間転写ベルト23との間になす角度θが鈍角となり、該中間転写ベルト23のトナーを適切にかき落とせなくなることを、未然に防止できる。
その一方で画像形成装置1は、ブラック以外の各色の画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Wの転写部30を何れも非転写位置(図3(B))とした。このため画像形成装置1は、2次転写ローラ13のクリーニング動作中に、これらの画像形成ユニット15の感光体ドラム46を静止させたままにできるので、無駄な消耗を抑えることができる。
これを換言すれば、画像形成装置1は、ブラック(K)の画像形成ユニット15Kの転写部30のみを転写位置とし他の色の転写部30を非転写位置として2次転写ローラ13のクリーニング動作を行う。これにより画像形成装置1は、清掃ブレード27と中間転写ベルト23との間で潤滑剤として作用し得る適量のかぶりトナーを供給しながら、感光体ドラム46の消耗を必要最小限に抑えることができる。
他の観点から見れば、画像形成装置1は、中間転写ベルト23における上側部分において、少なくとも1箇所を画像形成ユニット15の感光体ドラム46及び1次転写ローラ25の間に挟持する。このため画像形成装置1は、全ての画像形成ユニット15の転写部30を非転写位置に切り替える場合と比較して、該中間転写ベルト23のバタツキを抑えて、安定的に走行させることができる。また画像形成装置1は、転写部30を非転写位置とした画像形成ユニット15を動作させないため、これらの転写部30を転写位置に切り替えた場合よりも、消費電力を大幅に抑えることができる。
また、例えばモノクロの画像データを印刷する場合に、各色の画像形成ユニットの転写部品を転写位置又は非転写位置に切り替えるような画像形成装置であれば、印刷制御部3における制御方法を変更すれば、本実施の形態と同様の作用効果を得ることもできる。
ところで画像形成装置1では、2次転写ローラ13のクリーニング動作を行うときに、画像形成ユニット15Kの転写部30を転写位置として、僅かな量のトナーをかぶりトナーとして消費しながら感光体ドラム46を回転させる。このとき画像形成ユニット15Kでは、トナー収容部41内で多くのトナーを滞留させることにより、劣化させる恐れがある。
しかしながら画像形成装置1では、多くの場合、文字を黒色で表した画像データ、例えばモノクロの文書データ等を印刷する機会が多く、他の色と比較してブラック(K)の使用頻度が高い。このため画像形成装置1では、2次転写ローラ13のクリーニング動作を終えた後の印刷処理において、僅かに劣化したブラック(K)のトナーを直ちに消費することを期待できるため、長期間に渡りトナーを滞留させて劣化度合を過剰に高めてしまうこと、すなわち画像データを印刷した場合における品質の低下を未然に回避できる。
また一般に、ホワイト(W)は金属材料を含有しているために、かぶりトナーが発生しやすいことが知られている。このため画像形成装置1では、仮に2次転写ローラのクリーニング動作時にホワイト(W)の画像形成ユニット15Wの転写部30を転写位置のままとした場合、かぶりトナーが過剰に発生する恐れがある。そこで画像形成装置1では、2次転写ローラのクリーニング動作時に、ホワイト(W)の画像形成ユニット15Wにおける転写部30を非転写位置に切り替えることが望ましい。
以上の構成によれば、画像形成装置1は、ブラック(K)のトナー画像を形成する画像形成ユニット15Kの転写部30のみを転写位置とし、他の色の転写部30を何れも非転写位置として、2次転写ローラ13のクリーニング動作を行う。これにより画像形成装置1は、画像形成ユニット15Kから適量のかぶりトナーを中間転写ベルト23に供給することで、清掃部26における清掃ブレード27のめくれを回避しながら、該中間転写ベルト23を適切に清掃できる。この結果、画像形成装置1は、中間転写ベルト23を使用しながら2次転写ローラ13をクリーニングでき、且つ該中間転写ベルト23も清掃部26により適切に清掃でき、同時に感光体ドラム46等の無駄な消耗を抑えることができる。
[6.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、図6(B)に示したように、ブラック(K)の画像形成ユニット15の転写部30を転写位置(図3(A))に位置させ、他の色の画像形成ユニット15の転写部30を非転写位置(図3(B))に位置させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図6(C)〜(E)に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)又はイエロー(Y)の画像形成ユニット15(15C、15M又は15Y)の転写部30を転写位置に位置させ、他の色の転写部30を非転写位置に位置させても良い。
また上述した実施の形態においては、予め定めた色、例えばブラック(K)の画像形成ユニット15の転写部30を転写位置に位置させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、画像形成装置1における各画像形成ユニット15の使用状況に応じて、転写部30を転写位置に位置させる画像形成ユニット15を選択しても良い。
例えば画像形成装置1は、最も使用度合が高い、すなわちトナーの消費量が最も多い色や、これと反対にトナーの消費量が最も少ない色の転写部30を転写位置に位置させても良い。また、例えば画像形成ユニット15のうち、寿命算出部76(図5)により算出された各感光体ドラム46の残り寿命が最も長いもの、すなわち使用可能な回転数が最も多いものの転写部30を転写位置に位置させても良い。
さらには、例えば2次転写ローラ13のクリーニング動作を行う度に、各色の画像形成ユニット15の転写部30を順次交代で転写位置に移動させても、すなわち以前と異なる画像形成ユニット15の転写部30を転写位置に移動させても良い(図6(B)〜(E))。これにより、使用頻度が低い色について、印刷以外でのトナーの消費量を抑えて、トナーカートリッジ32や感光体ドラム46の交換頻度を低減させることができる。
なおホワイト(W、白色)のトナーについては、上述したように、金属材料を含有しているために、他の色と比較して、帯電性が低く、かぶりトナーの発生量が多くなることが知られている。このため、ホワイト(W)におけるかぶりトナーの発生量が過大であるために清掃ブレード27と中間転写ベルト23との間の潤滑剤として不適当であれば、このホワイト(W)を除外した各色の画像形成ユニット15の転写部30を交代で転写位置に移動させても良い。
或いは、ホワイト(W)の画像形成ユニット15Wに代えて、例えばクリア(透明色)等のような、他の特色を表すトナー画像を形成する画像形成ユニット15を設けても良い。因みにクリアを表すトナーには、顔料を一切含まないものの他、バインダー樹脂由来の黄色みを軽減する目的で、例えば微量の青色顔料や蛍光増白剤等を添加したもの等がある。すなわちクリアを表すトナーは、実質的に顔料を含まないと言える。このように実質的に顔料を含まない特色の場合、トナーの帯電特性が他の色と異なるため、かぶりトナーの発生量も大きく異なる可能性がある。このような場合、特色の画像形成ユニット15を除外して、他の各色の画像形成ユニット15の転写部30を交代で転写位置に移動させても良い。
さらに上述した実施の形態においては、1色の画像形成ユニット15の転写部30を転写位置に位置させ、他の色の画像形成ユニット15の転写部30を非転写位置に位置させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば1色の画像形成ユニット15において発生するかぶりトナーのみでは清掃ブレード27と中間転写ベルト23との間の潤滑剤として不足である場合等に、2〜4色の画像形成ユニット15の転写部30を転写位置に位置させ、残りの画像形成ユニット15の転写部30を非転写位置に位置させても良い。要は、少なくとも1色の画像形成ユニット15の転写部30を転写位置に位置させることでかぶりトナーを中間転写ベルト23に供給でき、且つ少なくとも1色の画像形成ユニット15の転写部30を非転写位置に位置させることで感光体ドラム46等の消耗を抑えることができれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、転写部30を転写位置に位置させた画像形成ユニット15のかぶりトナーのみを清掃ブレード27と中間転写ベルト23との間の潤滑剤として使用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばかぶりトナーのみでは清掃ブレード27と中間転写ベルト23との間の潤滑剤として不足である場合に、例えば主走査方向の全範囲に濃度40%のような所定の画像パターンでなるトナー画像を形成して中間転写ベルト23に転写することにより、潤滑剤としての不足分を補うようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置1をいわゆるタンデム方式とし、各画像形成ユニット15に感光体ドラム46を組み込み、中間転写ベルト23の走行経路に沿って各画像形成ユニット15を配置する構成とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の方式により画像形成ユニット及び中間転写部を構成して、中間転写ベルトにトナー画像を転写しても良い。
例えば図7に示す画像形成装置101は、中間転写部120において中間転写ベルト23の上側に1個の大径の感光体ドラム146が配置され、この感光体ドラム146に対し各色の現像ローラ144等が離接可能に構成されている。この画像形成装置101においても、2次転写ローラ13のクリーニング動作を行う場合に、少なくとも1色について現像ローラ144を感光体ドラム146に当接させてかぶりトナーを転写させる一方、他の色において現像ローラ144を感光体ドラム146から離間させて消耗を抑えることができる。
さらに上述した実施の形態においては、各色の画像形成ユニット15にそれぞれ離接機構50(図4)を組み込み、各色の転写部30を独立して転写位置又は非転写位置に移動させるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)等、複数の色の転写部30をまとめて転写位置又は非転写位置に移動させる離接機構を設けても良い。これにより構成の簡素化や制御処理の簡略化等を図ることができる。
さらに上述した実施の形態においては、離接機構50(図4)により画像形成ユニット15を上下方向へ変位させることにより、感光体ドラム46を中間転写ベルト23に対し当接又は離間させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば1次転写ローラ25を上下方向へ移動させることにより、中間転写ベルト23を感光体ドラム46に対し当接又は離間させるようにしても良い。要は、トナーカートリッジ32から中間転写ベルト23までのトナーの伝達経路における何れかの箇所を接続又は遮断することにより、中間転写ベルト23にかぶりトナーを転写するか否か、及び感光体ドラム46等の回転に伴う消耗を防止するか否かを切り替えることができれば良い。また、画像形成ユニット15や1次転写ローラ25を変位させるための機構としては、離接機構50(図4)に限らず、周知の種々の機構を利用することができる。
さらに上述した実施の形態においては、清掃部26に金属板でなる清掃ブレード27を設けて中間転写ベルト23に当接させ、走行する該中間転写ベルト23の表面からトナーをかき落として清掃する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば清掃部26にブラシを設けて中間転写ベルト23に当接させ、トナーを掻き落とすようにする等、清掃部26に種々の部材を設けて中間転写ベルト23の表面からトナーを清掃しても良い。また清掃部26の位置については、ローラ22の後側に限らず、2次転写部12よりも下流側且つホワイト(W)の画像形成ユニット15よりも上流側において、中間転写ベルト23の走行経路に当接する箇所であれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置1に5個の画像形成ユニット15を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば4個以下や6個以上等、2個以上の任意の数でなる画像形成ユニット15を設けても良い。特に、クリアや金色等、特色と呼ばれるトナーを取り扱う画像形成ユニット15を設ける場合には、他の色と比較してトナーの帯電に関する性質が大きく異なりかぶりトナーの発生量も異なる可能性が高いため、2次転写ローラ13のクリーニング動作を行う場合に、転写部30を非転写位置に移動させることが考えられる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、電子写真式のプリンタである画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置、或いはこれらを組み合わせたMFP(Multi Function Printer)等、画像形成ユニットから中間転写ベルトにトナー画像を転写してから用紙に2次転写させることにより画像を印刷する種々の装置に適用しても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、中間転写ベルトとしての中間転写ベルト23と、画像形成部としての画像形成ユニット15と、2次転写部としての2次転写部12と、転写部位置切替部としての離接機構50と、清掃部としての清掃部26と、制御部としての印刷制御部3とによって画像形成装置としての画像形成装置1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる中間転写ベルトと、画像形成部と、2次転写部と、転写部位置切替部と、清掃部と、制御部とによって画像形成装置を構成しても良い。