JP6533372B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、照明装置に関する。
近年、従来の蛍光灯に代わって、エネルギー消費が小さくかつ高寿命である発光ダイオード(LED)を光源としたLED照明装置が普及しつつある。
発光ダイオードは素子1つ当たりの発光量が小さいため、LED照明装置では複数の発光ダイオードがプリント配線板に実装されている。この複数の発光ダイオードは、一般的には例えば特開2009−170114号公報に開示されるように、プリント配線板上に平面的に並置される。
特開2009−170114号公報
上述の従来のLED照明装置は、平板であるプリント配線板上に平面的に複数の発光ダイオードが並置されるため、この複数の発光ダイオードで形成される光源が指向性を有する。つまり、従来のLED照明装置では、発光ダイオード実装面の正面(法線方向)の光度は高いが、発光ダイオード実装面の正面に対する角度が大きくなる位置ほど、光度が低下する。そのため、従来のLED照明装置は、発光ダイオードの指向性に起因して配光角が小さく、発光ダイオード実装面の裏側(背面側)に光が届きにくいという不都合がある。また、複数の発光ダイオードを実装した場合、LED照明装置との位置関係によって明るさが均一にならず、光度分布の均一性が低いという不都合もある。
一方、この不都合を改善すべく、発光ダイオードの出光側にレンズやプリズムを積層し、光源からの光を横方向に屈折させ、配光性を改良したLED照明装置も考案されている。しかし、レンズやプリズムを用いた場合、光度のムラが発生し易いほか、このようなプリズム付LED照明装置は、レンズやプリズムの取付けによる構造の複雑化及びコスト上昇が避けられない。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、低コストながら配光角が大きく、かつ光度の変動を効果的に抑制できるLEDを用いた照明装置を提供することを目的とする。
上記課題に対し、本発明者らは、発光ダイオードを直角錐又は直角錐台の側面のみに配設し、かつ発光ダイオードを覆う光拡散カバー(グローブ)をある特定の形状とすることで、照明装置の光度の変動を著しく改善できると共に、背面側に光を拡散させ配光角を著しく向上できることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る照明装置は、複数の発光ダイオード及びこれらの複数の発光ダイオードが実装される基板を有する光源モジュールと、この光源モジュールが載置される金属基材と、この金属基材に上記複数の発光ダイオードを覆うよう付設され、外形が部分回転体状の光拡散カバーとを備える照明装置であって、上記光拡散カバーが、赤道面より金属基材側の基底部と先端側の前頭部とを有し、この前頭部外面の扁平比率が1以上かつ基底部外面の扁平比率以上であり、上記光源モジュールが側面傾斜角55°以上85°以下の直角錐又は直角錐台の凸部をその中心軸が上記光拡散カバーの部分回転体の回転軸と略一致するよう有し、上記複数の発光ダイオードが凸部の側面のみに略均等に配設され、上記複数の発光ダイオードの発光面の中心が上記光拡散カバーの赤道面と略一致又は下方に位置する。
本発明の照明装置は、低コストながら配光角が大きく、かつ光度の変動を効果的に抑制できるLED照明装置を実現できる。
図1は、本発明の一実施形態における照明装置を示す模式的正面図である。 図2は、図1の照明装置をフレキシブルプリント配線板の表面側から見た模式的平面図である。 図3Aは、図1の照明装置の光源モジュールを平面に展開した模式的平面図である。 図3Bは、図3AのA−A線での模式的部分断面図である。 図3Cは、図3Aの光源モジュールのフレキシブルプリント配線板を表面側から見た模式的部分平面図である。 図3Dは、図3Aのフレキシブルプリント配線板を表面側から見た模式的部分平面図である。 図3Eは、図3Bとは異なる実施形態の光源モジュールを示す模式的部分断面図である。 図3Fは、図3B及び図3Eとは異なる実施形態の光源モジュールを示す模式的部分断面図である。 図4は、1個の発光ダイオードの指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図5は、図1の照明装置の製造方法の一工程を示す模式的正面図である。 図6AはNo.1の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図6BはNo.2の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図6CはNo.3の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図6DはNo.4の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図6EはNo.5の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図6FはNo.6の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。 図6GはNo.7の照明装置の指向性を示すグラフ(配光曲線)である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る照明装置は、複数の発光ダイオード及びこれらの複数の発光ダイオードが実装される基板を有する光源モジュールと、この光源モジュールが載置される金属基材と、この金属基材に上記複数の発光ダイオードを覆うよう付設され、外形が部分回転体状の光拡散カバーとを備える照明装置であって、上記光拡散カバーが、赤道面より金属基材側の基底部と先端側の前頭部とを有し、この前頭部外面の扁平比率が1以上かつ基底部外面の扁平比率以上であり、上記光源モジュールが側面傾斜角55°以上85°以下の直角錐又は直角錐台の凸部をその中心軸が上記光拡散カバーの部分回転体の回転軸と略一致するよう有し、上記複数の発光ダイオードが凸部の側面のみに略均等に配設され、上記複数の発光ダイオードの発光面の中心が上記光拡散カバーの赤道面と略一致又は下方に位置する。
当該照明装置は、上述のような基底部と前頭部とを有し、かつ発光ダイオードの発光面と一定の位置関係を有する光拡散カバーを備えるため、発光ダイオードから発せられる光線を背面側(発光ダイオード実装面と反対側)に効果的に拡散して配光角を著しく向上することができる。また、当該照明装置は、複数の発光ダイオードを上述のような直錐体(直角錐又は直角錐台)状の凸部の側面のみに略均等に等方配置しているため、主に凸部頂点側(照明装置正面側)における光源(発光ダイオード群)との相対位置による光度の変動を低下させることができ、光度の均一性を格段に向上することができる。つまり、当該照明装置は、レンズやプリズム等の部材を設けることなく、低コストで配光角の向上と光度の変動抑制とを達成できる。なお、「部分回転体」とは、一方に湾曲した舌片状平面図形をその基底辺のまわりに一回転させてできる立体を意味する。「赤道面」とは、上記部分回転体の短軸に垂直な切断面であって、面積が最大のものを意味する。「扁平比率」とは、前頭部又は基底部の外形が最も近似する回転楕円体の赤道半径をa、極半径をbとしたときにa/bとして求められる値であり、「外形が最も近似する回転楕円体」とは、一部分を切り取った形状がその外形に最も近似する回転楕円体を意味する。「中心軸が回転軸と略一致する」とは、中心軸と回転軸との成す角度が5°以内、かつ中心軸と回転軸との最小距離が1mm以内であることを意味する。「略均等に配設される」とは、隣接する発光ダイオードの中心間距離の変動が±5%以内で配設されることを意味する。「発光ダイオードの発光面の中心」とは、複数の発光ダイオードの発光面の幾何学的重心を意味する。「発光面の中心が赤道面と略一致する」とは、発光面の中心と赤道面との距離が5mm以内であることを意味する。
上記前頭部及び基底部の外形が回転楕円体状であることが好ましく、上記前頭部の外面の扁平比率としては、1以上5以下が好ましく、基底部の外面の扁平比率としては、0.4以上1.25以下が好ましい。このように前頭部及び基底部の外面の扁平比率をそれぞれ上記範囲内とすることで、発光ダイオードから発せられる光線をより効果的に拡散し、配光角の向上をさらに促進することができる。なお、「回転楕円体状」とは、回転楕円体の一部であることを意味する。
上記基底部の外形が真球状であるとよい。このように基底部を真球の部分形状とすることで、正面側の光度を高めつつ、配光角の向上をさらに促進することができる。なお、「真球状」とは、真球の一部であることを意味する。
上記発光ダイオードの発光面の法線が上記光拡散カバーと交差する位置としては、赤道面の中心を基準とする緯度で±20°以内が好ましい。このように発光ダイオードと光拡散カバーとの相対位置を規定することで、発光ダイオードから発せられる光線をより効果的に拡散し、配光角の向上をさらに促進することができる。なお、「緯度」とは、赤道面の中心とある位置とを結ぶ直線が赤道面となす角度を意味する。
上記基板がフレキシブルプリント配線板であり、上記金属基材がプレス成型、ダイカスト、冷間鍛造又は切削加工により形成される上記凸部を有するとよい。このように発光ダイオードを実装したフレキシブルプリント配線板を金属基材の凸部に沿って配設することで、容易かつ確実に直錐体の側面に発光ダイオードを配設することができる。また、プレス成型により金属基材に凸部を形成することで、当該照明装置をより容易に製造できる。これらの結果、製造コストをさらに低減することができる。さらに、プレス成型以外に、ダイカスト、冷間鍛造又は切削加工により金属基材に凸部を形成しても良い。これらの加工方法では、内部が充填された金属基材を加工することができ、コストは高くなるが、金属基材による放熱性を向上させることができる。
上記フレキシブルプリント配線板が、ベースフィルムと、このベースフィルムの表面側に積層され、かつ1又は複数のランド部及びこのランド部に接続する配線部を含む導電パターンと、上記導電パターンの表面に積層され、上記1又は複数のランド部に対応する位置に開口が形成されたカバーレイとを有し、上記フレキシブルプリント配線板の裏面のうち、上記発光ダイオードが実装される1又は複数のランド部の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有し、この凹部に充填される熱伝導性接着剤をさらに備えるとよい。このように導電パターン裏面に至る凹部に熱伝導性接着剤を充填することで、導電パターンと金属基材等とが熱伝導性接着剤を介して接続されるため、発光ダイオードの放熱効果を著しく促進することができる。
ここで「ランド部」とは、導電パターンにおいて配線回路の途中にチップ部品を実装するための半田接続を行うために、半田接続が出来るサイズにまで配線を拡大した部分のことをいう。通常はカバーレイのこの部分に相当する位置に開口を形成して、半田接続用の導電部を露出させる。なお、この開口がランド部の大きさに対し相対的に小さい場合、開口内は全面が回路面(導電部)となる。逆に、開口がランド部の大きさに対し相対的に大きい場合、開口内にはランド部に相当するパッド形状の回路面とそれに接続する配線部とが存在してもよい。
上記フレキシブルプリント配線板の表面に略垂直な平面視で上記1又は複数のランド部における周縁の少なくとも一部を含む領域に上記ベースフィルムを残存させるとよい。このようにランド部における周縁の少なくとも一部を含む領域に上記ベースフィルムを残存させることで、発光ダイオードを実装したフレキシブルプリント配線板を金属基材に貼り付ける際に導電パターンが金属基材に当接することによる短絡の発生を防止することができる。なお、「略垂直」とは、平面となす角度が90±5°以内であることを意味する。「配線部との接続縁」とは、配線部とランド部との境界線を意味し、「配線部との接続縁と対向する周縁」とは、ランド部の周縁のうち、接続縁上の点とランド部の幾何学的重心とを通る仮想直線が交差する部分を意味する。
上記凹部が、上記カバーレイの開口の投影領域を少なくとも覆う領域に形成されているとよい。このように凹部をカバーレイの開口の投影領域を覆う領域に形成することで、発光ダイオードの放熱効果をさらに促進できる。
上記凹部が、上記発光ダイオードの投影領域を少なくとも覆う領域に形成されており、上記フレキシブルプリント配線板の表面に略垂直な平面視で上記複数のランド部間にカバーレイが存在するとよい。このように凹部を発光ダイオードの投影領域を覆う領域に形成すると共に複数のランド部間にカバーレイを存在させることで、フレキシブルプリント配線板の強度を維持しつつ発光ダイオードの放熱効果をさらに促進できる。
上記フレキシブルプリント配線板が上記1又は複数のランド部の投影領域毎に貫通孔を有し、上記熱伝導性接着剤が、上記貫通孔及びその上部にも充填され、発光ダイオード裏面に当接しているとよい。このように貫通孔をフレキシブルプリント配線板に形成することで、熱伝導性接着剤充填時に熱伝導性接着剤がランド部の投影領域外に漏出することを防止できる。また、この貫通孔を介して熱伝導性接着剤を発光ダイオードに当接させることで、発光ダイオードの放熱効果をさらに促進できる。
上記金属基材がアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、又はマグネシウム合金から形成されるとよい。金属基材をこれらの金属から形成することで、伝熱性、加工性、軽量性、低コスト性等を高めることができる。
上記光拡散カバーが、ガラス、セラミック又は合成樹脂を主成分とし、複数の光拡散粒子を有するとよい。このように光拡散カバーを構成することで、容易かつ確実に配光角の向上を促進することができる。なお、「主成分」とは、最も多く含まれる成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
従って、当該照明装置は、電球として好適に用いることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係る照明装置について図面を参照しつつ詳説する。なお、フレキシブルプリント配線板の「表裏」は、ベースフィルムの厚さ方向のうち、発光ダイオード実装側を表、発光ダイオード実装側と反対側を裏とする方向を意味し、当該照明装置の使用状態における表裏を意味するものではない。
図1及び図2に示す照明装置は、いわゆるLED電球であり、複数の発光ダイオード1及びこれらの複数の発光ダイオード1が実装されるフレキシブルプリント配線板2を有する光源モジュール3と、この光源モジュール3が載置される金属基材4と、この金属基材4に上記複数の発光ダイオード1を覆うよう付設され、外形が部分回転体状の光拡散カバー5と、金属基材4に接続され、電子機器等を格納する放熱体6とを主に備える。
<光源モジュール>
光源モジュール3は、フレキシブルプリント配線板2及びこのフレキシブルプリント配線板2に実装された複数の発光ダイオード1を有すると共に、中央に直角錐台状の凸部を有する。
(フレキシブルプリント配線板)
フレキシブルプリント配線板2は、図3A,3Bに示すように可撓性及び絶縁性を有するベースフィルム2aと、このベースフィルム2aの表面側に積層される導電パターン2bと、ベースフィルム2a及び導電パターン2bの表面に積層されるカバーレイ2eとを主に有する。この導電パターン2bは、複数のランド部2cと、このランド部2cに接続される配線部2dとを有し、このランド部2cには発光ダイオード1が半田1aを介して電気的に接続されるように配設(実装)されている。また、カバーレイ2eには複数のランド部2cに対応する位置に開口が形成されている。なお、図3Aはフレキシブルプリント配線板2を後述する金属基材4の凸部に沿って積層する前の平面状の展開図を示している。また、見やすくするために図3Aではカバーレイ2eを省略している。
上記フレキシブルプリント配線板2を構成するベースフィルム2aは、絶縁性及び可撓性を有するシート状部材で構成されている。このベースフィルム2aを構成するシート状部材としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの主成分としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等が好適に用いられる。なお、ベースフィルム2aは、充填材、添加剤等を含んでもよい。ここで、「主成分」とは、50質量%以上含有される成分を意味する。
ベースフィルム2aは、図3Aに示すように、同一形状の複数の台形が、正多角形の各辺と上辺が共有されるように接合された平面形状を有し、上記複数の台形部分のみに発光ダイオード1が実装される。ベースフィルム2aは、後述する金属基材4の凸部に沿うように正多角形と各台形との接続辺で折り曲げられ、金属基材4の凸部の上面に正多角形部分が積層され、凸部の側面に各台形部分が積層される。これにより、光源モジュール3の凸部が形成される。
また、ベースフィルム2aの対向する2組の上記台形部分の下辺にはさらに矩形状の領域が接続されており、この矩形部分には後述するコネクタ7が実装される。ベースフィルム2aは、金属基材4への積層時に上記台形と矩形との接続辺でも折り曲げられ、矩形部分が金属基材4の凸部周辺の平坦面に積層される。なお、コネクタ7を実装する部分は、図2、3Aに示す矩形部分内の位置に限定されず、任意の形状部分及び位置に形成可能であり、コネクタ7を台形部分に実装する場合には省略も可能である。
なお、ベースフィルム2aは、金属基材4の凸部に沿って配設された際に、隣接する台形部分の斜辺同士が当接するような形状を有することが好ましい。このようにベースフィルム2aを台形部分の斜辺同士が当接するような形状とすることで、直角錐台部Aにおいて金属基材4の表面が表出することを防いで、当該照明装置の光度の均一性及び意匠性を高めることができる。
上記ベースフィルム2aの平均厚さの下限としては、9μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、ベースフィルム2aの平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、38μmがより好ましい。ベースフィルム2aの平均厚さが上記下限未満の場合、ベースフィルム2aの強度が不十分となるおそれがある。逆に、ベースフィルム2aの平均厚さが上記上限を超える場合、ベースフィルム2aを凸部に沿って直錐体状に折り曲げることが困難になるおそれがある。
導電パターン2bは、複数のランド部2c及びこのランド部2cに接続する配線部2dを有しており、ベースフィルム2aの表面に積層された金属層をエッチングすることによって所望の平面形状(パターン)に形成されている。ランド部2cは、ベースフィルム2aの各台形部分に1か所ずつ設けられ、発光ダイオード1がそれぞれのランド部2cに実装されている。配線部2dは、これらの複数のランド部2c及びコネクタ7を直列に接続するように形成されている。
上記導電パターン2bは、導電性を有する材料で形成可能であるが、一般的には例えば銅によって形成される。
上記導電パターン2bの平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、8μmがより好ましい。一方、導電パターン2bの平均厚さの上限としては、75μmが好ましく、50μmがより好ましい。導電パターン2bの平均厚さが上記下限未満の場合、導通性が不十分となるおそれがある。逆に、導電パターン2bの平均厚さが上記上限を超える場合、フレキシブルプリント配線板2のフレキシブル性を損なうおそれがある。
(接着剤層)
上記フレキシブルプリント配線板2は、ベースフィルム2aの裏面に積層される接着剤層2hをさらに有し、この接着剤層2hにより金属基材4に接着される。この接着剤層2hは、ベースフィルム2aを金属基材4に接着可能な接着剤を主成分とする層である。この接着剤としては特に限定されず、例えばエポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤等の熱硬化性接着剤を用いることができる。接着剤層2hには、必要に応じて添加剤を含有させることができる。ただし、光源モジュール3は、後述する熱伝導性接着剤層11a,11bを備えるため、接着剤層2hに熱伝導性を付与する必要はない。
上記接着剤層2hの平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、接着剤層2hの平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、25μmがより好ましい。接着剤層2hの平均厚さが上記下限未満の場合、フレキシブルプリント配線板2と金属基材4との接着強度が不十分となるおそれがある。逆に、接着剤層2hの平均厚さが上記上限を超える場合、光源モジュール3が不必要に厚くなるおそれや、導電パターン2bと金属基材4との距離が大きくなって放熱性が不十分となるおそれがある。
接着剤層2hには、後述する熱伝導性接着剤層11a,11bが充填される凹部10の裏側部分を画定する開口が形成されている。この裏側部分、つまり接着剤層2hにおける凹部10の裏側部分の開口の大きさは、凹部10の表側部分、つまり後述のベースフィルム2aにおける凹部10の開口の大きさよりも大きい。このように接着剤層2hにおける凹部10の開口を大きくすることによって、熱伝導性接着剤層11a,11bの充填作業を容易化することができる。また、ベースフィルム2aを除去して凹部10の表側部分を形成してから凹部10の裏側部分を画定する開口を形成した接着剤層2hを積層する場合、これらの位置合わせが容易となる。
(凹部)
光源モジュール3は、上記フレキシブルプリント配線板2の裏面のうち、1の発光ダイオード1が実装される複数のランド部2cの投影領域の少なくとも一部に導電パターン2b裏面に至る凹部10を有する。また、図3Cに示すように、この凹部10内で、上記フレキシブルプリント配線板2の表面に略垂直な平面視で上記複数のランド部2cにおける配線部2dとの接続縁L1と対向する周縁L2を含む残存領域Pにベースフィルム2aが残存している。この残存領域Pは、1対のランド部2cの間の領域でもある。このようにベースフィルム2aを残存させることで、フレキシブルプリント配線板2を金属基材4に貼り付ける際に、ランド部2cの配線部2dとの接続縁L1と対向する周縁L2が押圧でフレキシブルプリント配線板2の裏面側に落ち込んでも残存領域Pのベースフィルム2aによってランド部2cと金属基材4との短絡を防止することができる。なお、図3Cではカバーレイ2eの図示を省略している。なお、「配線部との接続縁」とは、配線部とランド部との境界線を意味し、「配線部との接続縁と対向する周縁」とは、ランド部の周縁のうち、接続縁上の点とランド部の幾何学的重心とを通る仮想直線が交差する部分を意味する。
凹部10は、その底面に位置するランド部2cに実装される発光ダイオード1の投影領域と重複する領域に形成されている。つまり、凹部10の表側部分は、発光ダイオード1の投影領域を覆う領域のベースフィルム2aを上記残存領域P以外で除去して形成されている。また、凹部10の裏側部分は、表側部分の投影領域を覆う領域に形成されている。これによって、凹部10の開口は、上述のように、裏側の接着剤層2hの位置(裏側部分)で大きく、表側のベースフィルム2aの位置(表側部分)で小さくなるよう厚さ方向で段階的に拡径されている。
なお、図3A,3Bのフレキシブルプリント配線板2では、複数のランド部2cの投影領域が全てベースフィルム2aでの凹部10の開口領域(表側部分、残存領域Pを含む)と平面視で重複しているが、本発明の熱伝達促進効果を奏する範囲であれば、ランド部2cの投影領域の一部がベースフィルム2aでの凹部10の開口領域と重複しなくてもよい。ベースフィルム2aでの凹部10とランド部2cとの重複面積(残存領域Pを除く)のランド部2cの総面積に対する割合の下限としては、80%が好ましく、90%がより好ましく、95%がさらに好ましい。上記面積割合が上記下限に満たない場合、光源モジュール3の熱伝達効果が不十分となるおそれがある。
また、図3Bのフレキシブルプリント配線板2では、凹部10の少なくとも表側部分が、複数のランド部2cに対応する位置に設けられたカバーレイ2eの開口の投影領域を少なくとも覆う領域に形成されている。さらに、凹部10の少なくとも表側部分は、発光ダイオード1の投影領域を少なくとも覆う領域に形成されており、フレキシブルプリント配線板2の表面に略垂直な平面視で複数のランド部2c間にはカバーレイ2eが存在する。なお、図3Bのフレキシブルプリント配線板2のカバーレイ2eの開口Hの投影領域は、図3Dに示すようにランド部2cの投影領域よりも小さく、ランド部2cの投影領域内に存在する。つまり、ランド部2cは、開口Hによりその一部が表出している。
ベースフィルム2aでの凹部10の開口面積の上限としては、発光ダイオード1の投影面積の2倍が好ましく、1.8倍がより好ましく、1.5倍がさらに好ましい。ベースフィルム2aでの凹部10の開口面積が上記上限を超える場合、ベースフィルム2aの除去領域が大きくなり、フレキシブルプリント配線板2を屈曲した場合等の絶縁信頼性が不十分となるおそれがある。なお、「凹部の開口面積」とは、凹部の底面(導電パターン又はカバーレイの表出裏面)の面積を意味し、残存領域Pの面積は含まない。
ベースフィルム2aにおける凹部10の開口径(表側部分の径)と接着剤層2hにおける凹部10の開口径(裏側部分の径)との差の下限としては、2μmが好ましく、40μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。一方、ベースフィルム2aにおける凹部10の開口径と接着剤層2hにおける凹部10の開口径との差の上限としては、1000μmが好ましく、600μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。ベースフィルム2aにおける凹部10の開口径と接着剤層2hにおける凹部10の開口径との差が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層11a,11bの充填作業の容易化が不十分となるおそれがある。逆に、ベースフィルム2aにおける凹部10の開口径と接着剤層2hにおける凹部10の開口径との差が上記上限を超える場合、熱伝導性接着剤層11a,11bの充填量が増加し、光源モジュール3のコストが不必要に大きくなるおそれや、金属基材4への接着強度が低下するおそれがある。なお、「開口径」とは開口と等面積の真円の直径を意味する。
ベースフィルム2aの残存部の投影領域(残存領域P)と上記1のランド部2c(図3B中の左側又は右側のランド部2cの一方)の投影領域との平均重複幅wの下限としては、10μmが好ましく、30μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。一方、上記平均重複幅wの上限としては、500μmが好ましく、300μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。上記平均重複幅wが上記下限未満の場合、ランド部2cと金属基材4との短絡防止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均重複幅wが上記上限を超える場合、凹部10と熱伝導性接着剤層11a,11bとによる放熱効果が不十分となるおそれがある。なお、「平均重複幅」とは、ランド部2cとベースフィルム2aの残存部との投影領域の重複部分の面積を、ランド部2cの投影領域における周縁のうち、ベースフィルム2aの残存部の投影領域と重複する部分の長さで除した値を意味する。
(熱伝導性接着剤層)
光源モジュール3は、熱伝導性接着剤層11a,11bを備える。熱伝導性接着剤層11a,11bは、上記凹部10に充填され、導電パターン2bと金属基材4とを接着する。具体的には、この熱伝導性接着剤層は、導電パターン2bの裏面に積層され、凹部10の表面側に充填される第一熱伝導性接着剤層11aと、この第一熱伝導性接着剤層11aの裏面に積層され、凹部10の裏面側に充填される第二熱伝導性接着剤層11bとからなる。このように熱伝導性接着剤層を2層に分けて形成することで、1層目(第一熱伝導性接着剤層11a)の形成後、ボイドの有無を確認してから2層目(第二熱伝導性接着剤層11b)を形成できるため、接着剤の充填を確実にすることで熱伝導性及び接着力の低下を防止することができる。
熱伝導性接着剤層11a,11bは、それぞれ接着性樹脂成分と熱伝導性フィラーとを含有する。
接着性樹脂成分としては、例えばポリイミド、エポキシ、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム等が使用できる。接着性樹脂成分としてアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を主成分とする粘着剤を用いれば、フレキシブルプリント配線板2を金属基材4に容易かつ確実に貼着できる。
上記熱伝導性フィラーとしては、例えば金属酸化物、金属窒化物等を挙げることができる。上記金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。これらの中でも、電気絶縁性、熱伝導性、価格等の観点から酸化アルミニウムが好ましい。また、上記金属窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等を用いることができる。これらの中でも、電気絶縁性、熱伝導性及び低誘電率の観点から窒化ホウ素が好ましい。なお、上記金属酸化物及び金属窒化物は、2種以上を混合して用いることができる。
熱伝導性接着剤層11a,11bにおける熱伝導性フィラーの含有量の下限としては、40体積%が好ましく、45体積%がより好ましい。一方、熱伝導性フィラーの含有量の上限としては、85体積%が好ましく、80体積%がより好ましい。熱伝導性フィラーの含有量が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層11a,11bの熱伝導性が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性フィラーの含有量が上記上限を超える場合、上記接着性樹脂成分と熱伝導性フィラーとの混合時に気泡が入り易くなり、耐電圧性が低下するおそれがある。なお、熱伝導性接着剤層11a,11bは、熱伝導性フィラー以外に硬化剤等の添加剤を含有してもよい。
熱伝導性接着剤層11a,11bの熱伝導率の下限としては、1W/mKが好ましく、2W/mKがより好ましい。一方、熱伝導性接着剤層11a,11bの熱伝導率の上限としては、20W/mKが好ましい。熱伝導性接着剤層11a,11bの熱伝導率が上記下限に満たない場合、光源モジュール3の放熱効果が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性接着剤層11a,11bの熱伝導率が上記上限を超える場合、熱伝導性フィラーの含有量が過多となり、上記接着性樹脂成分と熱伝導性フィラーとの混合時に気泡が入り易くなって耐電圧性が低下するおそれや、コストが過大となるおそれがある。
第二熱伝導性接着剤層11bの熱伝導率は、第一熱伝導性接着剤層11aの熱伝導率よりも小さいことが好ましい。つまり、第二熱伝導性接着剤層11bの熱伝導性フィラーの含有量は、第一熱伝導性接着剤層11aの熱伝導性フィラーの含有量よりも小さいことが好ましい。このように第一熱伝導性接着剤層11aの熱伝導性フィラー含有量を大きくすると共に、第二熱伝導性接着剤層11bの熱伝導性フィラー含有量を小さくすることで、熱伝導性接着剤層全体での放熱効果を維持しつつ金属基材4との接着力を高めることができる。
また、第一熱伝導性接着剤層11aを形成する接着剤のチキソ性(チキソトロピー)は、第二熱伝導性接着剤層11bを形成する接着剤のチキソ性よりも高いことが好ましい。第一熱伝導性接着剤層11aの接着剤のチキソ性を第二熱伝導性接着剤層11bよりも高めることで、凹部10への接着剤の充填性を高めて、より容易かつ確実に第一熱伝導性接着剤層11aを形成することができる。なお、チキソ性とは、一定の力を加えると粘度が低下し、静置すると元の粘度に回復する性質の指標であり、例えば低せん断速度での粘度を高せん断速度での粘度で割った比で表される。
熱伝導性接着剤層11a,11bは高絶縁性であることが好ましい。具体的には、熱伝導性接着剤層11a,11bの体積抵抗率の下限としては、1×10Ωcmが好ましく、1×1010Ωcmがより好ましい。熱伝導性接着剤層11a,11bの体積抵抗率が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層11a,11bの絶縁性が低下し、導電パターン2bがベースフィルム2aの裏面側に積層される金属基材4と導通してしまうおそれがある。なお、体積抵抗率とは、JIS−C2139(2008)に準拠して測定される値である。
熱伝導性接着剤層11a,11b全体の平均厚さ(第二熱伝導性接着剤層11bの裏面から導電パターン2bの裏面までの平均距離)は、ベースフィルム2aの平均厚さと接着剤層2hの平均厚さとの合計よりも大きいことが好ましい。具体的には、熱伝導性接着剤層11a,11b全体の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、熱伝導性接着剤層11a,11b全体の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。熱伝導性接着剤層11a,11b全体の平均厚さが上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層11a,11bがベースフィルム2aの裏面側に積層される金属基材4と十分に接触せず、熱伝達効果が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性接着剤層11a,11b全体の平均厚さが上記上限を超える場合、熱伝導性接着剤層11a,11bの充填量が増加しコストが嵩むおそれや、光源モジュール3が不必要に厚くなるおそれがある。
第一熱伝導性接着剤層11aの平均厚さに対する第二熱伝導性接着剤層11bの平均厚さの比の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましい。一方、第一熱伝導性接着剤層11aの平均厚さに対する第二熱伝導性接着剤層11bの平均厚さの比の上限としては、2が好ましく、1.5がより好ましい。第一熱伝導性接着剤層11aの平均厚さに対する第二熱伝導性接着剤層11bの平均厚さの比が上記下限に満たない場合、接着性向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、第一熱伝導性接着剤層11aの平均厚さに対する第二熱伝導性接着剤層11bの平均厚さの比が上記上限を超える場合、放熱効果が不十分となるおそれがある。
フレキシブルプリント配線板2の表面の発光ダイオード1が実装される部分(ランド部2c)を除いた部分には、カバーレイ2eが積層される。このカバーレイ2eは絶縁機能及び接着機能を有し、ベースフィルム2a及び導電パターン2bの表面に接着される。カバーレイ2eが図3Bに示すように絶縁層2fと接着層2gとを有する場合、絶縁層2fとしては、ベースフィルム2aと同じ材質を用いることができ、平均厚さもベースフィルム2aと同様とすることができる。また、カバーレイ2eの接着層2gを構成する接着剤としては、例えばエポキシ系接着剤等が好適に用いられる。接着層2gの平均厚さとしては、特に限定されるものではないが、12.5μm以上25μm以下が好ましい。
上記カバーレイ2eの表面は、白色に着色されることが好ましい。カバーレイ2eの表面に白色層を形成することで、発光ダイオード1のフレキシブルプリント配線板2側への出射光を反射し、光線の利用効率を高めることができる。また、当該照明装置の意匠性を高めることができる。この白色層は、例えば白色顔料の塗工等により形成することができる。
導電パターン2bの両端にはコネクタ7が接続されている。このコネクタ7は、複数の発光ダイオード1を当該照明装置に電力を供給する電源回路と電気的に接続するための部材であり、導電パターン2bの別のランド部に実装されている。このコネクタ7には、金属基材4の貫通孔4aを貫通したリード線が接続され、発光ダイオード1に点灯用の電力を供給する。
(発光ダイオード)
発光ダイオード1は、フレキシブルプリント配線板2のランド部2cに半田1aを介して実装されている。この発光ダイオード1としては、多色発光タイプ又は単色発光タイプで、チップ型又は合成樹脂等でパッケージされた表面実装型の発光ダイオードを用いることができる。また、本発明の効果を高める観点から、レンズを備えていない発光ダイオードを用いることが好ましい。また、発光ダイオード1のランド部2cへの接続方法としては、半田に限らず、例えば導電性ペーストを用いたダイボンディングや、金属線を用いたワイヤボンディング等を用いることもできる。
当該照明装置では、光度分布が図4に示すようなものとなる発光ダイオードを用いることが好ましい。なお、図4のグラフは、直角錐台の一側面に1個の発光ダイオードを配置し、直角錐台の中心軸回りで周囲360°の範囲(図4中、中心軸回りの角度φが0°以上360°以下の範囲)の光度をシミュレーションにより算出した光度を等高線で示している。このグラフの同心円はθ(上記中心軸方向に対する傾斜角度)を45°ごとに区切った目盛であり、光度の大小は光度の相対的強さを10%ごとに区切った等高線で示される。
<金属基材>
金属基材4は、金属製のバルク状又は板状の部材であり、平面視円状に形成され、中央に直角錐台状の凸部を有する。この凸部に沿って上記フレキシブルプリント配線板2が積層されることで、直角錐台部Aが構成されている。
金属基材4を形成する金属としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、鉄、ニッケル、モリブデン、タングステン等を用いることができる。これらの中でも伝熱性、加工性、軽量性、コスト等の観点からアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、又はマグネシウム合金が特に好ましい。
金属基材4の凸部の形成方法は特に限定されないが、例えばプレス成型によって容易かつ確実に形成することができる。具体的には、凸部形状を有する金型を金属平板に対向させてプレスすることで凸部を有する金属基材4を形成することができる。このようにプレス成型することで、凸部と筐体端部(光拡散カバーとの接続部分)とを同時に形成することができ、製造コストを低減できる。さらに、プレス成型以外に、ダイカスト、冷間鍛造又は切削加工により金属基材に凸部を形成しても良い。これらの加工方法では、内部が充填された金属基材を加工することができ、コスト及び重量は上昇するが、金属基材4による放熱性を向上させることができる。
プレス成型加工を用いる場合、金属基材4の平均厚さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、金属基材4の平均厚さの上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。金属基材4の平均厚さが上記下限未満の場合、金属基材4の強度が不十分となるおそれがある。逆に、金属基材4の平均厚さが上記上限を超える場合、プレス成型等による凸部の形成が困難になるおそれがあるほか、当該照明装置の重量や体積が不必要に大きくなるおそれがある。
金属基材4の平面視形状は、当該照明装置を用いる照明装置の形状に合わせて適宜設計することができ、例えば図1及び図2に示す円形の他に、多角形状とすることができる。金属基材4の平面視形状を図1及び図2に示すような円形とする場合、その直径としては例えば10mm以上200mm以下とすることができる。
また、金属基材4は、当該照明装置に電力を供給する電源回路とフレキシブルプリント配線板2の導電パターン2bとを接続するためのリード線を挿通させる貫通孔4aを有している。図2では、この貫通孔4aは、直角錐台部Aを挟んで対向する位置に1つずつ計2つ設けられているが、貫通孔4aの形成位置はこれに限定されず、後述するコネクタ7とリード線との接続が容易となる位置に貫通孔4aを形成すればよい。
なお、金属基材4は、複数の発光ダイオード1の発熱を逃がす放熱体としての機能も奏する。
<直角錐台部>
直角錐台部Aは、底面(直角錐台部Aの高さ方向に対向する2面のうち、面積の大きい面)が正多角形の直角錐台状の部位である。直角錐台部Aは、その底面が金属基材4側となり、かつ底面及び上面(底面との対向面)が金属基材4の表面と略平行となるように形成されている。また、上記複数の発光ダイオード1は、フレキシブルプリント配線板2の表面における直角錐台部Aの側面を形成する領域に配設されている。なお、「略平行」とは、一の面の法線と他の面とのなす角度が90±5°以内であることを意味する。
直角錐台部Aの側面の底面に対する傾斜角の下限は、55°であり、60°がより好ましく、65°がさらに好ましい。一方、直角錐台部Aの側面の底面に対する傾斜角の上限は、85°であり、80°がさらに好ましく、75°がより好ましい。上記傾斜角が上記下限未満の場合、フレキシブルプリント配線板2の表面側(直角錐台部Aの突出側)において、直角錐台部Aの中心軸との角度が大きい方向の光度が直角錐台部Aの中心軸方向(正面)の光度に対して大きく低減し、光度の変動(光度の最小値に対する最大値の比)が大きくなるおそれがある。加えて、当該照明装置の配光角が小さくなるおそれがある。逆に、上記傾斜角が上記上限を超える場合、フレキシブルプリント配線板2の表面側において、直角錐台部Aの中心軸方向の光度が、直角錐台部Aの中心軸との角度が大きい方向の光度に対して大きく低減し、光度の分布の均一性が低下するおそれがある。
直角錐台部Aの底面は、図1及び図2では正6角形であるが、当該照明装置の直角錐台部Aの底面の形状は正6角に限定されない。例えば正9角、正12角、正15角及びそれ以上の角数の角錘台も採用可能である。発光ダイオードの配設数が多い場合は、より大きな多角錘台としてもよい。直角錐台部Aの底面は、正多角形とすることが好ましいが、各辺の長さが異なる多角形でもよい。
また、直角錐台部Aの底面の形状としては、各辺の長さが異なる5角形等を採用することも可能である。光度の変動を効果的に抑制するには、直角錐台部Aの底面の形状は正多角形とすることが好ましいが、各辺の長さが異なる多角形でも効果を得ることはできる。
直角錐台部Aの寸法は特に限定されず、当該照明装置を使用する照明装置の照度、大きさ等に合わせて適宜設計することができる。例えば電球用途の場合、直角錐台部Aの底面の外接円の直径としては、例えば10mm以上50mm以下とすることができる。直角錐台部Aの上面の外接円の直径としては、例えば1mm以上45mm以下とすることができる。直角錐台部Aの高さとしては、例えば5mm以上40mm以下とすることができる。
複数の発光ダイオード1は、直角錐台部Aの側面のみに略均等に配設され、直角錐台部Aの上面には配設されない。また、複数の発光ダイオード1は、発光面が直角錐台部Aの側面と略平行となるように配設されている。また、隣接する発光ダイオード1の発光面の法線の直角錐台部Aの底面への投影線の成す角は全て等しい。この角度としては72°以下が好ましい。なお、直角錐台部Aの1つの側面に複数の発光ダイオード1が配設される場合、「発光面の法線」とは、1つの側面に配設される複数の発光ダイオード1の幾何学的重心を通る直角錐台部Aの側面の法線を意味する。
直角錐台部Aの各側面における発光ダイオード1の配設数は図1〜3Aでは1個としているが、各側面の発光ダイオード1の配設数は、当該照明装置の大きさ、要求される照度等に合わせて適宜設計することができ、2個以上としてもよく、例えば3個又は4個とすることができる。なお、各側面における発光ダイオード1の配設数は、方向による光度の変動が抑えられるように同一とすることが好ましい。
また、発光ダイオード1は直角錐台部Aの各側面において同じ位置に配設することが好ましい。このように発光ダイオード1を各側面において同じ位置に配設することで、周回方向に発光ダイオード1を等間隔で配設できるため、光度の変動をより効果的に抑えることができる。
<光拡散カバー>
光拡散カバー5は、いわゆるドーム状のカバー形状を有する。具体的には、光拡散カバー5は、外形が部分回転体状であり、赤道面Eより金属基材4側の基底部5bと先端側の前頭部5aとを有する。光拡散カバー5の部分回転体の回転軸は光源モジュール3の凸部(直角錐台部A)の中心軸と略一致する。なお、光拡散カバーとは、分散度(受光角0°の透過光量に対する相対透過率が50%となる受光角度)が10°以上となるカバーである。
前頭部5aの外形は、回転楕円体状であり、具体的には真球又は扁球を赤道面で切断した半球状である。この前頭部5aの外面の扁平比率は、1以上であり、かつ後述の基底部5bの外面の扁平比率以上である。
前頭部5aの外面の扁平比率の下限としては、1が好ましく、1.2がより好ましく、1.3がさらに好ましい。一方、前頭部5aの外面の扁平比率の上限としては、5が好ましく、4がより好ましく、3がさらに好ましい。前頭部5aの外面の扁平比率が上記下限未満の場合、当該照明装置の配光角が十分大きくならないおそれがある。逆に、前頭部5aの外面の扁平比率が上記上限を超える場合、当該照明装置の正面側の光度が低下するおそれがある。
基底部5bの外形は、前頭部5a同様、回転楕円体状である。具体的には、基底部5bの外形は、真球又は扁球を赤道面及び赤道に平行で赤道よりも極に近い面で切断した形状である。基底部5bの赤道面Eは前頭部5aの赤道面Eと一致する。また、基底部5bはその底面(赤道面Eと反対側の切断面)で金属基材4と接続され、基底部5bの底面は金属基材4の表面と一致する。
基底部5bの外面の扁平比率の上限としては、1.25が好ましく、1.2がより好ましく、1.1がさらに好ましい。一方、基底部5bの外面の扁平比率の下限としては、0.4が好ましく、0.5がより好ましく、0.8がさらに好ましい。基底部5bの外面の扁平比率が上記上限を超える場合、当該照明装置の正面側の光度が低下するおそれがある。逆に、基底部5bの外面の扁平比率が上記下限未満の場合、当該照明装置の配光角が十分大きくならないおそれがある。さらに、基底部5bの外形は真球状、つまり真球の一部とすることが好ましい。
複数の発光ダイオード1の発光面の中心は、上記光拡散カバー5の赤道面Eと略一致又は下方に位置する。複数の発光ダイオード1の発光面の中心と光拡散カバー5の赤道面Eとの垂直方向の距離の下限としては、基底部5bの高さ(基底部5bの底面から赤道面Eまでの距離)に対し、10%が好ましく、20%がより好ましく、30%がさらに好ましい。上記距離が上記下限未満の場合、当該照明装置の配光角向上効果が不十分となるおそれがある。
また、発光ダイオード1の発光面の法線が上記光拡散カバー5と交差する位置の赤道面Eの中心を基準とする緯度としては、±20°以内が好ましく、±10°以内がより好ましい。上記緯度が上記範囲を超えると、当該照明装置の配光角の向上効果が不十分となるおそれがある。
光拡散カバー5は、構成部材として、光透過性の板材と、この板材の表面又は内部に配設された複数の光拡散粒子とを有する。この板材の材質としては、いわゆる電球のグローブに使用される公知の材料が使用でき、例えばガラス、セラミック又は合成樹脂を主成分とする透明又は半透明の材料を用いることができる。板材の平均厚さは、特に限定されないが、例えば0.1mm以上5mm以下である。
上記光拡散粒子としては、例えばガラス、セラミック、合成樹脂等を主成分とするものが好適に使用できる。
<放熱体>
放熱体6は、当該照明装置を支持し、また発光ダイオード1の熱を外部へと伝える機能を果たす。放熱体6の材質としては、アルミニウム等が好適に用いられる。また、放熱体6の端部には口金(図示せず)が取付けられる。
また、放熱体6の内部には発光ダイオード1に電力を供給する電源回路(図示せず)が格納され上記口金と電気的に接続される。この電源回路は、光源モジュール3のコネクタ7とリード線を介して接続され、口金から供給される電力を複数の発光ダイオード1に供給し、これらを点灯させる。
<配光角>
平面上に発光ダイオードを設置した従来の照明装置では配光角は約120°であり、これより大きな配光角が求められている。そのため、当該照明装置の配光角の下限としては300°が好ましい。もちろん光源の取り付け部があるため360°の配光角の実現は難しいが、360°の配光角が実現できればより好ましい。当該照明装置は配光角が300°以上であることで、高配光型照明として好適に用いられる。なお、「配光角」とは、以下の手順で求められる値である。まず、直角錐台部Aの底面中心を原点とし、この原点を通り直角錐台部Aの底面と平行な1つの軸を基準軸とする。次に、直角錐台部Aの中心軸に対する角度がθ(°)である方向において、直角錐台部Aの中心軸方向から見て上記基準軸を中心に左右に−90°から90°の範囲の光度の平均値を算出する。この光度平均値をθが0°から360°の範囲で算出し、これらの光度平均値の最大値(最大光度)を求める。θが0°から360°の範囲において、上記最大光度に対する光度平均値の比が50%以上となるθの範囲の大きさ(角度幅)が配光角である。ここで、「光度」とは、JIS−C7801(2009)に準拠して測定される値である。
<照明装置の製造方法>
当該照明装置は、例えば図5に示すように金属基材4の表面側に凸部に沿うようにフレキシブルプリント配線板2を積層する工程と、この積層体に光拡散カバー5を装着する工程とを備える製造方法によって製造することができる。
フレキシブルプリント配線板2の金属基材4への積層方法としては、例えば次の各工程を有する方法を用いることができる。まず、凹部10の表側部分を画定する孔をベースフィルム2aに形成し、このベースフィルム2aの裏面に凹部10の裏側部分を画定する孔を有する接着剤シートを積層する。次に、凹部10に熱伝導性接着剤を充填する。その後、フレキシブルプリント配線板2を金属基材4の表面に積層してこれらを接着させる。
フレキシブルプリント配線板2及び金属基材4からなる積層体への光拡散カバー5の装着方法としては、例えば接着剤や、ネジ等の機械要素によって両者を固定する方法を挙げることができる。
<利点>
当該照明装置は、上述した形状の前頭部5aと基底部5bとを有し、かつ発光ダイオード1の発光面と一定の位置関係を有する光拡散カバー5を備えるため、発光ダイオード1から発せられる光線を背面側(発光ダイオード実装面と反対側)に効果的に拡散して配光角を著しく向上することができる。また、当該照明装置は、複数の発光ダイオード1を直角錐台部Aの側面のみに略均等に等方配置しているため、主に直角錐台部Aの頂点側(照明装置正面側)における光源(発光ダイオード群)との相対位置による光度の変動を低下させることができ、光度の均一性を格段に向上することができる。つまり、当該照明装置は、プリズム等の部材を設けることなく、低コストで配光角の向上と光度の変動抑制とを達成できる。
また、当該照明装置は、発光ダイオード1が配設される直錐体が直角錐台であるため、発光ダイオード1の等間隔での配設を容易にすることができる。
さらに、当該照明装置は、凸部を有する金属基材4に、発光ダイオード1を実装したフレキシブルプリント配線板2を凸部に沿って配設することで、容易かつ確実に直角錐台部Aの側面に発光ダイオード1を配設することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、当該照明装置が金属基材とフレキシブルプリント配線板との積層体を備え、フレキシブルプリント配線板に発光ダイオードが実装されていたが、本発明はフレキシブルプリント配線板に発光ダイオードを実装したものに限定されない。例えば、複数のリジッドのプリント配線板を金属基材の凸部の側面にそれぞれ積層してその上に発光ダイオードを実装してもよい。また、凸部を有さない平板状の金属基材の上にプリント配線板で中空の直錐体を形成してもよいし、樹脂等で金属基材の上に凸部を形成し、この凸部を被覆するようにプリント配線板を配設して直錐体を形成してもよい。
また、光源モジュールの凸部形状として直角錐台の代わりに直角錐を用いることも可能である。
さらに、光拡散カバーの外形は、部分回転体状であればよく、上記実施形態のように前頭部及び基底部が真球又は扁球の一部から構成されるものに限定されない。例えば、光拡散カバーは、U字型の舌片状平面図形の開口(始点と終点とを結ぶ直線)を基底辺(中心軸)として回転させた外形を有していてもよい。
また、当該照明装置は、金属基材の裏面側に積層されるヒートシンクを備えてもよい。このヒートシンクとしては、例えば中空又は中実の円柱体で、金属基材の平面形状と同様の底面を有するものが用いられる。また、ヒートシンクの材質としては、伝熱性の高いものであれば特に限定されないが、軽量性及び加工性の観点からアルミニウムを好適に用いることができる。さらに、ヒートシンクは金属板又は金属ブロックを機械加工して製造できるが、コストの観点からは金属板を用いることが好ましい。また、ヒートシンクと金属基材とを一体化してもよい。
ヒートシンクの平均厚さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、ヒートシンクの平均厚さの上限としては、10mmが好ましく、8mmがより好ましい。ヒートシンクの平均厚さが上記下限未満の場合、放熱効果が不十分となるおそれがある。逆に、ヒートシンクの平均厚さが上記上限を超える場合、当該照明装置の重量や体積が不必要に大きくなるおそれがある。
さらに、上記実施形態では、フレキシブルプリント配線板の裏面側に凹部を設け、熱伝導性接着剤層を充填する構成としたが、凹部は本願発明の必須の構成要素ではなく、フレキシブルプリント配線板のベースフィルムの裏面全体に通常の接着剤層又は熱伝導性接着剤層を積層してもよい。
また、上記凹部を設ける場合、熱伝導性接着剤層を2層に分けることなく、1種の熱伝導性接着剤の充填により熱伝導性接着剤層を設けてもよい。また、ベースフィルムは平面視でランド部における配線部との接続縁を含む領域に残存させてもよい。このように残存領域を設けても、ランド部の裏面側(金属基材側)への落ち込みによる金属基材との短絡を抑制することができる。
さらに、図3Eに示すように凹部を設ける場合にベースフィルムを残存させない光源モジュールを備える照明装置も本発明の意図する範囲内である。この光源モジュールでは、凹部10の少なくとも表側部分が、複数のランド部2cに対応する位置に設けられたカバーレイ2eの開口の投影領域及び発光ダイオード1の投影領域を少なくとも覆う領域に形成されている。さらに、フレキシブルプリント配線板2の表面に略垂直な平面視で複数のランド部2c間にはカバーレイ2eが存在する。図3Eの光源モジュールのベースフィルム2aでの凹部10の開口面積の上限及び下限は、上記図3Bの光源モジュールと同様とすることができる。
また、図3Fの光源モジュールのように、フレキシブルプリント配線板2が複数のランド部2cの投影領域に貫通孔12を有してもよい。この貫通孔12は、複数のランド部2cの投影領域内に形成され、フレキシブルプリント配線板2の導電パターン2b及びカバーレイ2eを貫通している。この貫通孔12内と、その裏面側及び上部とにも熱伝導性接着剤を充填することで、発光ダイオード1の裏面に熱伝導性接着剤が当接し、発光ダイオード1の放熱効果をさらに促進することができる。また、熱伝導性接着剤充填時に熱伝導性接着剤が凹部10以外に漏出することを防止することができる。
上記貫通孔12の平均面積の下限としては、0.005mmが好ましく、0.01mmがより好ましい。一方、貫通孔12の平均面積の上限としては、1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。貫通孔12の平均面積が上記下限未満の場合、熱伝導性接着剤の漏出防止効果や、放熱効果の促進が不十分となるおそれがある。逆に、貫通孔12の平均面積が上記上限を超える場合、フレキシブルプリント配線板2の強度が低下するおそれがある。
上記貫通孔12は、凹部10を形成する前又は後、或いは凹部10と同時に形成することができる。貫通孔12の形成方法としては、凹部10の表側部分の形成方法と同様の方法を用いることができる。なお、複数の貫通孔12を1の凹部10内に形成してもよい。
また、上記実施形態では、凹部を1の発光ダイオードが接続される複数のランド部の投影領域を含むように形成したが、1の発光ダイオードが接続される1のランド部の投影領域と、他の発光ダイオードが接続される1のランド部の投影領域とを含むように複数の発光ダイオード間を跨るように凹部を形成してもよい。
さらに、上記各実施形態では凹部を複数のランド部の投影領域を包含する領域に形成したが、凹部を1のランド部の投影領域を含むように形成してもよい。加えて、凹部の形成領域は発光ダイオード及びランド部の投影領域と重複しない領域を含んでもよい。
なお、当該照明装置はLED電球以外の形態の照明装置に適用することも可能である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[No.1〜7]
図1の照明装置において、直角錐台部Aの底面を正6角形とし、光拡散カバーの前頭部の短軸半径(極半径)r1及び赤道半径r2、基底部の底面直径、高さ、短軸半径(極半径)R1及び赤道半径R2、直角錐台部Aの側面の底面に対する傾斜角及び発光ダイオードの配設位置における対向する側面間の距離、並びに発光ダイオードの発光面の基底部底面からの高さをそれぞれ表1に示す値としたモデルを形成した。この照明装置のモデルに用いた発光ダイオードは、平面寸法が横1.5mm×縦3mmであり、レンズを有さない。また、複数の発光ダイオードはそれぞれ直角錐台部Aの側面の中心に配設されている。また、これらのモデルにおいて直角錐台部Aの上面には発光ダイオードは配置しない。No.1〜5は、実施例であり、前頭部外面の扁平比率(r2/r1)が基底部外面の扁平比率(R2/R1)より大きい。No.6,7は、比較例であり、前頭部外面の扁平比率が基底部外面の扁平比率より小さい。
上記No.1〜7の照明装置について、光度の分布を以下の手順で算出した。まず、直角錐台部の底面中心を原点とし、この原点を通り直角錐台部の底面と平行な1つの軸を基準軸とする。次に、直角錐台部の中心軸に対する角度がθ(°)である方向において、直角錐台部の中心軸方向から見て上記基準軸を中心に左右に−90°から90°の範囲の光度の平均値を算出する。この光度平均値をθが0°から360°の範囲で算出した結果を図6A〜6Gに示す。なお、図6A〜6Gでは、直角錐台部の中心軸上で直角錐台部の底面の裏側(発光ダイオードの発光面と反対側)方向をθ=0°としている。この光度は、1個の発光ダイオードの光度分布が図4となり、かつ光拡散材に入射した光がランバート分布となることを前提としており、解析ソフトウェア「ZEMAX」を用いて発光ダイオード1本あたりの光線本数を1億本とし、non−sequential、Far Fieldで照明解析をすることより算出したものである。なお、光拡散カバーの基底部の底面では光が散乱(反射)するものとした。
また、No.1〜7の前頭部外面の扁平比率(赤道半径r2の短軸半径r1に対する比、r2/r1)、基底部外面の扁平比率(赤道半径R2の短軸半径R1に対する比、R2/R1)、及び配光角を表1に示す。
Figure 0006533372
表1及び図6A〜6Gに示すように、No.1〜7の配光角は200°以上であり、従来型のLED電球の配光角が約120°であるのに対し配光角が向上している。しかし、300°以上の配光角を実現できるのは、発光ダイオードの発光面の中心が上記光拡散カバーの赤道面よりも下方に位置し、かつ前頭部外面の扁平比率が基底部外面の扁平比率より大きいNo.1〜5である。さらに、直角錐台部の側面の傾斜角を66°以上69°以下としたNo.2〜5は360°の配光角が得られ、No.4,5は特に光度の均一性に優れる。このように本発明の照明装置により、容易に高配光型照明が得られる。
以上のように、本発明の照明装置は、低コストながら配光角が大きく、かつ光度の変動を効果的に抑制できる。
1 発光ダイオード
1a 半田
2 フレキシブルプリント配線板
2a ベースフィルム
2b 導電パターン
2c ランド部
2d 配線部
2e カバーレイ
2f 絶縁層
2g 接着層
2h 接着剤層
3 光源モジュール
4 金属基材
4a 貫通孔
5 光拡散カバー
5a 前頭部
5b 基底部
6 放熱体
7 コネクタ
10 凹部
11a 第一熱伝導性接着剤層
11b 第二熱伝導性接着剤層
12 貫通孔
P 残存領域
H 開口

Claims (9)

  1. 複数の発光ダイオード及びこれらの複数の発光ダイオードが実装される基板を有する光源モジュールと、
    この光源モジュールが載置される金属基材と、
    この金属基材に上記複数の発光ダイオードを覆うよう付設され、外形が部分回転体状の光拡散カバーと
    を備える照明装置であって、
    上記光拡散カバーが、赤道面より金属基材側の基底部と先端側の前頭部とを有し、この前頭部外面の扁平比率が1以上かつ基底部外面の扁平比率以上であり、
    上記光源モジュールが側面傾斜角55°以上85°以下の直角錐台の凸部をその中心軸が上記光拡散カバーの部分回転体の回転軸と略一致するよう有し、上記複数の発光ダイオードが凸部の側面のみに略均等に配設され、
    上記複数の発光ダイオードの発光面の中心が上記光拡散カバーの赤道面と略一致又は下方に位置し、
    上記基板が、ベースフィルムを含むフレキシブルプリント配線板であり、上記金属基材がプレス成型、ダイカスト、冷間鍛造又は切削加工により形成される上記凸部を有し、
    上記ベースフィルムが、上記複数の発光ダイオードが実装される同一形状の複数の台形部分と、この台形部分の上辺と正多角形の各辺とが共有されるように接合された平面形状を有し、
    隣接する上記発光ダイオードの発光面の法線の上記直角錐台の底面への投影線の成す角が72°以下であり、
    上記発光面の中心と上記光拡散カバーの赤道面との垂直方向の距離が、上記基底部の高さの10%以上であり、
    上記光拡散カバーの分散度が10°以上であり、
    上記フレキシブルプリント配線板が、上記ベースフィルムと、このベースフィルムの表面側に積層され、かつ1又は複数のランド部及びこのランド部に接続する配線部を含む導電パターンと、上記導電パターンの表面に積層され、上記1又は複数のランド部に対応する位置に開口が形成されたカバーレイとを有し、
    上記フレキシブルプリント配線板の裏面のうち、上記発光ダイオードが実装される1又
    は複数のランド部の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有し、
    上記導電パターンの裏面に積層される第一熱伝導性接着剤層と、この第一熱伝導性接着剤層の裏面に積層されるとともに第一熱伝導性接着剤層よりも熱伝導率が小さい第二熱伝導性接着剤層とを含み、上記凹部に充填される熱伝導性接着剤をさらに備え、
    上記フレキシブルプリント配線板の表面に略垂直な平面視で上記1又は複数のランド部における周縁の少なくとも一部を含む領域に上記ベースフィルムを残存させ、
    上記凹部が、上記カバーレイの開口の投影領域を少なくとも覆う領域に形成されている照明装置。
  2. 上記前頭部及び基底部の外形が回転楕円体状であり、前頭部の外面の扁平比率が1以上5以下であり、基底部の外面の扁平比率が0.4以上1.25以下である請求項1に記載の照明装置。
  3. 上記基底部の外形が真球状である請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
  4. 上記発光ダイオードの発光面の法線が上記光拡散カバーと交差する位置が、赤道面の中心を基準とする緯度で±20°以内である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の照明装置。
  5. 上記凹部が、上記発光ダイオードの投影領域を少なくとも覆う領域に形成されており、
    上記フレキシブルプリント配線板の表面に略垂直な平面視で上記複数のランド部間にカバーレイが存在する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 上記フレキシブルプリント配線板が上記1又は複数のランド部の投影領域毎に貫通孔を有し、上記熱伝導性接着剤が、上記貫通孔及びその上部にも充填され、発光ダイオード裏面に当接している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 上記金属基材がアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、又はマグネシウム合金から形成される請求項1から請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 上記光拡散カバーが、ガラス、セラミック又は合成樹脂を主成分とし、複数の光拡散粒子を有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 電球として用いられる請求項1から請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
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