JP6532649B2 - エアバッグ - Google Patents
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Description
このエアバッグには、エアバッグを膨らませるためのガスを発生させるインフレータが採用されている。
そして、インフレータの容量を低減させるために、エアバッグの展開形状を略V字状(略「<」の形状)にすることが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。この技術では、展開状態で、略V字状になるように、図11のように、エアバッグ100の外側に結合部材103が設けられている。
しかしながら、このものでは、結合部材103をエアバッグ100に取り付けるための取り付け工程が必要となり、製造工程が煩雑となるおそれがある。
膨張可能な複数のセルが仕切壁を介して連なって配されおり、
屈曲した略V字状に展開されるとともに、車両の窓ガラスの車室内側にカーテン状に展開されるエアバッグであって、
展開状態で屈曲部に相当するセルの両側に位置する第1仕切壁と第2仕切壁は、相対的に斜めになるように設けられており、
展開状態で前記屈曲部が車室内側に突出し、前記屈曲部に相当するセルが車両乗員に当たるように配置されており、
前記屈曲部に相当するセルの両側に、前記第1仕切壁を介して隣接する第1隣接セルと、前記第2仕切壁を介して隣接する第2隣接セルと、が配されており、
前記第1隣接セルの前記屈曲部側とは反対側に、第3仕切壁を介して隣接する第3隣接セルが配され、
前記第2隣接セルの前記屈曲部側とは反対側に、第4仕切壁を介して隣接する第4隣接セルが配され、
前記第1仕切壁と前記第3仕切壁とが略平行であり、前記第2仕切壁と前記第4仕切壁とが略平行であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、袋織組織の3重織りによって、前記仕切壁が形成されていることを要旨とする。
このような構造では、エアバッグの外側に結合部材を取り付ける必要がなく、製造工程は簡略である。
そして、エアバッグが屈曲した形状に展開されるため、見かけ上の展開容積を増大させることができる。よって、見かけの展開容量に対するガス量を減少させることができ、インフレータの容量の低減が可能となる。また、見かけの展開容量に対するガス量を減少させることができるから、エアバッグの展開速度を向上させることができる。
また、袋織組織の3重織りによって、仕切壁が形成されている場合は、製織にて仕切壁を入れることが可能となり、製造工程を簡略化できる。
そして、エアバッグ(1)は、屈曲した略V字状に展開されるとともに、車両の窓ガラス(13)の車室内側にカーテン状に展開される。
展開状態で屈曲部に相当するセル(3C)の両側に位置する第1仕切壁(5B)と第2仕切壁(5C)は、相対的に斜めになるように設けられており、展開状態で屈曲部が車室内側に突出し、前記屈曲部に相当するセルが車両乗員に当たるように配置されている。
屈曲部に相当するセル(3C)の両側に、第1仕切壁(5B)を介して隣接する第1隣接セル(3B)と、第2仕切壁(5C)を介して隣接する第2隣接セル(3B)と、が配されている。第1隣接セル(3B)の屈曲部側とは反対側に、第3仕切壁(5A)を介して隣接する第3隣接セル(3A)が配されている。第2隣接セル(3B)の屈曲部側とは反対側に、第4仕切壁(5D)を介して隣接する第4隣接セル(3A)が配されている。第1仕切壁(5B)と第3仕切壁(5A)とが略平行であり、第2仕切壁(5C)と第4仕切壁(5D)とが略平行である。
仕切壁(5)には、膨張用のガスのセル(3)間の流れを規制するための機構を採用することができる。この機構としては、特に限定されず、例えば、仕切壁(5)の織りをその他の部分よりも粗くしたり、ガス流通可能な開口を設けたり、経糸及び緯糸の一方のみからなる非製織部を設けたりすることができる。
織りの粗さの程度や、開口の形状、大きさ、個数や、非製織部の大きさ、個数等は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
言い換えれば、本発明のエアバッグ(1)は、袋状に膨らむ部分と、それ以外の部分とを1枚の生地で同時に織り上げた(OPW;One Piece Woven)袋織りエアバッグであることが好ましい。
5個以上のセル(3)を備えると、例えば、5個のセルの場合を例示した図5に示されるように、セル(3)の容積の合計(Vcell5=v1+v2+v3+v4+v5)に対する展開容積Vopen5の比率を向上させることができるからである。すなわち、比率(Vopen5/Vcell5)を向上させることができるからである。
これは、例えば、図5の5個のセルの場合と、図6の3個のセルの場合と、を比較すると理解される。図5の5個のセルの場合の比率(Vopen5/Vcell5)は、上述のように算出されるが、図6の3個のセルの場合の比率(Vopen3/Vcell3)は、セル(3)の容積の合計(Vcell3=v1+v2+v3)と、展開容積(Vopen3)から算出される。そして、5個のセルの場合の比率(Vopen5/Vcell5)は、3個のセルの場合の比率(Vopen3/Vcell3)よりも大きくなる。このように5個以上のセルの場合では、展開容量を増やすことが容易となる。
屈曲部に相当するセル(3C)が1個である場合には、1カ所で屈曲することになるので、エアバッグ(1)の展開形状は略V字状(略「<」の形状)となる(図4参照)。展開形状における屈曲角度(θ)は、特に限定されないが、通常90度≦θ<180度であり、好ましくは110度≦θ≦160度であり、特に好ましくは120度≦θ≦150度である。なお、屈曲部に相当するセル(3C)が3個である場合であって、3カ所で屈曲する場合は、エアバッグ(1)の展開形状は略W字状となり、この場合は参考例となる(図7、図8参照)。
相対的に斜めになるようにするために、図3に示す長さL1と、長さL2との関係は、0.6≦L1/L2≦0.9であることが好ましく、0.7≦L1/L2≦0.8であることが更に好ましい。
但し、L1は、一方の外壁(7A)への、第1仕切壁(5B)の基端部(9A)と、第2仕切壁(5C)の基端部(9B)と、の距離である。また、L2は、他方の外壁(7B)への、第1仕切壁(5B)の基端部(11A)と、第2仕切壁(5C)の基端部(11B)と、の距離である。
このような構造では、エアバッグ(1)の外側に結合部材を取り付ける必要がなく、製造工程は簡略である。
そして、エアバッグ(1)が屈曲した形状に展開されるため、見かけ上の展開容積を増大させることができる。よって、見かけの展開容量に対するガス量を減少させることができ、インフレータの容量の低減が可能となる。また、見かけの展開容量に対するガス量を減少させることができるから、エアバッグの展開速度を向上させることができる。
(1)エアバッグの構成
本発明のエアバッグ1をカーテンエアバッグに適用した例を実施例1として説明する。
図1には、エアバッグ1が適用された車両の説明図が示されている。エアバッグ1は、サイドウインドウガラス13の車両内側にカーテン状に展開するように形成されている。車両には、エアバッグ1内にガスを供給するための図示しないインフレータが備えられている。インフレータとしては、公知の燃焼式又はコールドガス式のものが採用される。
また、車両には、側突センサ等のセンサと、センサに電気的に接続されたエアバッグ用のECUを備えている。センサは、車両の側面衝突を予測又は検出して検出信号を出力するように構成されている。
エアバッグ用のECUは、インフレータに電気的に接続されている。そして、エアバッグ用のECUに検出信号が入力されると、インフレータを作動させるようにされている。
このように展開するために、展開状態で屈曲部に相当するセル3Cの両側に位置する第1仕切壁5Bと第2仕切壁5Cは、図3に示されるように、非展開状態で、相対的に斜めになるように設けられている。言い換えれば、第1仕切壁5Bと第2仕切壁5Cは、略「ハ」字状になるように配置されている。
なお、展開状態においても、図4に示されるように、セル3Cの両側に位置する第1仕切壁5Bと第2仕切壁5Cは、相対的に斜めになるように設けられている。
また、仕切壁5Aは、仕切壁5Bと略平行にされており、同様に、仕切壁5Dは、仕切壁5Cと略平行にされている。
本実施例1では、仕切壁5A、5B、5C、5Dは、いずれも袋織組織の3重織りによって、形成されている。すなわち、仕切壁5A、5B、5C、5D及び外壁7A、7Bが共に、袋織りにより一体的に形成されている。
実施例1のエアバッグ1によれば、以下の作用効果を奏する。
エアバッグ1は、膨張可能な複数のセル3A、3B、3C、3D、3Eが仕切壁5A、5B、5C、5Dを介して連なって配されおり、屈曲した形状に展開されるようにされている。そして、展開状態で屈曲部に相当するセル3Cの両側に位置する第1仕切壁5Bと第2仕切壁5Cは、相対的に斜めになるように設けられている。
側突センサ等のセンサが、車両の側面衝突を予測又は検出して検出信号を出力すると、その検出信号が、エアバッグ用のECUに入力される。そして、エアバッグ用のECUは、インフレータを作動させる。すると、エアバッグ1は、複数のセル3A、3B、3C、3D、3Eがそれぞれ断面形状を円形に近づけるように膨張する結果、車室内側に屈曲部が突出するように展開される。
本実施例1のエアバッグ1では、第1仕切壁5Bと第2仕切壁5Cは、相対的に斜めになるように設けられている。そのため、エアバッグ1の外側に結合部材を取り付けなくても、屈曲した状態に展開される。
そして、エアバッグ1が屈曲した形状に展開されるため、見かけ上の展開容積を増大させることができるから、乗員に対する衝撃をより吸収することができる。
また、実施例1のエアバッグ1では、見かけの展開容積に対するガス量を減少できるから、エアバッグ1の展開速度を上げることができる。これを、図5を参照しつつ説明する。図5に示されるように、このエアバッグ1の見かけの展開容積は、展開容積Vopen5となる。仮に、エアバッグが屈曲形状でない場合には、エアバッグを展開するためには、展開容積Vopen5と同容量のガスが必要となる。一方、本実施例1のエアバッグ1では、展開するためには、展開容積Vopen5よりも小さい、セルの容積の合計(Vcell5=v1+v2+v3+v4+v5)のガスが必要なだけである。つまり、実施例1では、展開容積Vopen5を得るために必要なガス量は、屈曲形状でないものに比べて小さい。ここで、同一のインフレータを用いた場合に、単位時間あたりのガスの供給能力は一定であるから、必要なガス量が小さいということは、展開に必要なガス量に到達するための時間が早いことになる。従って、本実施例1のエアバッグ1では、展開速度を上げることができるのである。
また、エアバッグ1は屈曲した形状に展開されるため、たわみにくくなる。その結果、ロールオーバー時(横転時)に、車外への投げ出しを防止できる。
次に、参考例1に係るエアバッグ1を、図7〜図8を参照しつつ説明する。なお、参考例1のエアバッグ1において、上記実施例1のエアバッグ1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。参考例1では、次の点が、実施例1と相違している。すなわち、参考例1では、展開状態で屈曲部に相当するセル3Cが3個備えられている。そして、各セル3Cの両側に位置する第1仕切壁と第2仕切壁は、相対的に斜めになるように設けられている。この場合には、エアバッグ1は、3カ所で屈曲することになるので、エアバッグ1の展開形状は略W字状となる。
次に、参考例2に係るエアバッグ1を、図9を参照しつつ説明する。なお、参考例2のエアバッグ1において、上記実施例1のエアバッグ1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。参考例2では、次の点が、実施例1と相違している。すなわち、参考例2では、エアバッグ1をニーエアバッグに適用した例が示されている。
次に、参考例3に係るエアバッグ1を、図10を参照しつつ説明する。なお、参考例3のエアバッグ1において、上記実施例1のエアバッグ1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。参考例3では、次の点が、実施例1と相違している。すなわち、参考例3では、エアバッグ1を歩行者保護エアバッグに適用した例が示されている。
上記実施例では、セル3の個数は、特定の個数のものを例示して説明したが、その個数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
上記実施例では、展開形状における屈曲角度(θ)が、特定角度のものを例示して説明したが、その角度は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
Claims (2)
- 膨張可能な複数のセルが仕切壁を介して連なって配されおり、
屈曲した略V字状に展開されるとともに、車両の窓ガラスの車室内側にカーテン状に展開されるエアバッグであって、
展開状態で屈曲部に相当するセルの両側に位置する第1仕切壁と第2仕切壁は、相対的に斜めになるように設けられており、
展開状態で前記屈曲部が車室内側に突出し、前記屈曲部に相当するセルが車両乗員に当たるように配置されており、
前記屈曲部に相当するセルの両側に、前記第1仕切壁を介して隣接する第1隣接セルと、前記第2仕切壁を介して隣接する第2隣接セルと、が配されており、
前記第1隣接セルの前記屈曲部側とは反対側に、第3仕切壁を介して隣接する第3隣接セルが配され、
前記第2隣接セルの前記屈曲部側とは反対側に、第4仕切壁を介して隣接する第4隣接セルが配され、
前記第1仕切壁と前記第3仕切壁とが略平行であり、前記第2仕切壁と前記第4仕切壁とが略平行であることを特徴とするエアバッグ。 - 袋織組織の3重織りによって、前記仕切壁が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
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