以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るカメラ100を示すブロック図である。カメラ100は、静止画及び動画を撮影可能なデジタルカメラである。101は撮像部であり、フォーカスレンズを含む撮像レンズ、絞り、シャッターユニット、光学像を電気信号に変換するCCD又はCMOS素子、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を含んでいる。
102は画像処理部であり、撮像部101からのデータ、又は、メモリ制御部103からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行ったり、エフェクト(特殊効果)を適用したりする。また、画像処理部102は、撮像した画像データに対し所定の演算処理を行う。得られた演算結果は、システム制御部104に送られ、システム制御部104は、演算結果に基づいて露光制御や測距制御を行う。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理が行われる。画像処理部102は更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。AWB(オートホワイトバランス)処理は、この演算結果に基づいて行われる。
119はCODECであり、画像処理部102からの画像データが静止画の場合にはJPEG等の静止画圧縮方式で、動画の場合にはMPEG2やH.264等の動画圧縮方式でエンコードする。CODEC119はまた、メモリ制御部103からのエンコード済み画像データをデコードする。CODEC119はまた、エンコード時には、表示部106によって生成されたOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示を画像に重畳してエンコードすることもできる。エフェクト(映像効果)の一部の要素は、CODEC119の制御によって実現される。撮像部101からの出力データは、画像処理部102、CODEC119及びメモリ制御部103を介して、メモリ105に書き込まれる。
メモリ105は、撮像部101によって得られ、CODEC119によってエンコードされた画像データや、表示部106に表示するための画像データを格納する。メモリ105はOSD表示用のフレームバッファと、エフェクトを画像に適用するためのワーク領域を兼ねている。表示部106は、LCD等の表示器上に、メモリ105から読み出した表示用の画像データに応じた表示を行う。表示部106は、静止画についてはアスペクト比4:3として表示し、動画についてはアスペクト比16:9として表示するものとする。撮像部101によってメモリ105に蓄積された画像データを表示部106に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダ(スルー画像表示)として機能する。メモリ105内のビットマップメモリに描画された、アイコンやタイムコード等のOSDを画像データに重畳して表示する機能も表示部106に含まれる。
不揮発性メモリ107は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ107には、システム制御部104の動作用の定数、プログラム等が記録される。ここでいう、プログラムとは、各実施形態にて後述するフローチャートを実行するためのプログラムのことである。
104はシステム制御部であり、カメラ100全体を制御する。システム制御部104は、例えばCPUを有している。108はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ108には、システム制御部104の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ107から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部104は、画像処理部102の動作を管理したり、メモリ105、表示部106等を制御して表示制御を行ったりする。システムメモリ108はメモリ105と共通であってもよい。システム制御部104は、前述した不揮発性メモリ107に記録されたプログラムをシステムメモリ108に展開し、実行することにより、後述する処理を実現する。
システムタイマー109は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。電源スイッチ115、モード切替ボタン110、トリガーボタン111、タッチパネル112は、システム制御部104に各種の動作指示を入力するための操作手段である。電源スイッチ115は、カメラ100全体の電源オン、電源オフを切り替える。
モード切替ボタン110は、システム制御部104の動作モードを切り替えるための、モード切替信号を発生する。システム制御部104は、モード切替信号により、動作モードを記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
トリガーボタン111は、システム制御部104に対して、静止画の撮影の指示、動画の撮影開始及び終了の指示を行うための、トリガー(レリーズ)信号を発生する。システム制御部104は、トリガー信号により、撮影処理の一連の動作を開始又は終了す。ここで、撮影処理とは、撮像部101、画像処理部102、CODEC119及びメモリ制御部103を介してメモリ105に蓄積されたエンコード済み画像データを、記録媒体114に書き込む処理である。
112は、表示部106に対する接触を検知可能なタッチパネルである。タッチパネルと表示部106とは一体的に構成することができる。システム制御部104はタッチパネル112への以下の操作を検出できる。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。
118は、本装置を外部の装置と接続するためのI/Fであり、例えばコンポジットビデオ入出力やHDMI(登録商標)のような映像入出力端子、あるいはUSBや赤外線や無線通信のI/Fである。I/F118にマウス等のポインティングデバイスを接続することで、これをタッチパネル112の代わりの入力手段として扱うこともできる。このときシステム制御部104は、I/F118に接続されたマウスの入力を受けて表示部106にポインタを表示する。さらに、マウスの移動やクリック信号を受けて、タッチパネル112による操作と同等の制御を行う。
116は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部116は、その検出結果及びシステム制御部104の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体114を含む各部へ供給する。117は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
113はメモリカードやハードディスク等の記録媒体114とのインターフェースである。記録媒体114は、メモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。114はメモリ105に格納されたエンコード済み画像データ及び付随するメタデータを記録する記録媒体である。なお、記録媒体114に記録されたデータは、I/F113によって読み出されて、メモリ105に転送される。また、記録媒体114へのデータの記録は、I/F113によって行われる。記録媒体114はカメラ100に装着されるメモリカードやハードディスクドライブ、ディスク、カメラ100内に組み込まれたフラッシュメモリやハードディスクドライブであってもよい。上記のデバイスの複数を備えており、選択的に使用できる構成でも構わない。
図2は、カメラ100の画像処理部102で画像に適用可能なエフェクトの種別を示す図である。エフェクトは、以下の4つの要素の組み合わせで表現することができる。
・明るさや色を加工するもの(201)
・画像を幾何学変形したり、先鋭度を調整する(ぼかしたりシャープにしたりする)もの(202)
・動画像の時間軸を変更するもの(203)
・別の画像要素を重畳するもの(204)
このうち、201,202,204の3要素は画像処理部102によって実現できるが、要素によっては撮像部101の制御も必要となる。203はCODEC119において動画像の記録又は再生のフレームレートを操作することによって実現できる。このとき、記録及び再生の映像方式によっては、インタレース−プログレッシブ変換を同時に行う必要がある。このように、画像処理部102、撮像部101、及びCODEC119は、エフェクト適用部として機能する。
以下に、各エフェクトの、本実施形態における識別子(E+数値)と、その効果の概要を示す。
E1/ポップ:彩度を上げる。
E2/クール:色温度の低い、やや暗めの色調にする。
E3/ノスタルジック:彩度を下げる。
E4/セピア:セピア調の色調にする。
E5/ファンタジー:画像の周辺部を、白っぽくしてややぼかす。
E6/メモリー:画像の周辺部を、黒っぽくしてややぼかす。
E7/ダイナミックモノクローム:コントラストとシャープネスを上げ、モノクロームで表現する。
E8/魚眼風:画像全体を樽状に歪曲させ、魚眼レンズ風に表現する。
E9/ジオラマ風:彩度を上げ、画像周辺部をぼかすとともに、フレームレートを通常の5〜20分の1程度にする。
E10/オールドムービー:画像の上下に黒帯を重畳して横長の映像に見せるとともに、古いフィルムのように画面を揺らしたり、キズ画像を重畳したりする。
このうち、E1〜E4は、明るさ・色の加工(201)で実現される。E5〜E8は、明るさ・色の加工(201)及び幾何学変形・鮮鋭度調整(202)の組合せで実現される。E9は、明るさ・色の加工(201)と、幾何学変形・先鋭度調整(202)と、時間軸の加工(203)の3つの要素の組合せで実現される。E10は、明るさ・色の加工(201)と、幾何学変形・先鋭度調整(202)と、画像要素の重畳(204)の3つの要素の組合せで実現される。なお、カメラ100が適用可能なエフェクトは上記に限定されるものではない。
エフェクトの二重適用においては、二重適用により2つのエフェクトそれぞれの効果が得られるエフェクトの組み合わせと、ユーザが期待する効果と異なる結果を生むようなエフェクトの組み合わせがある。後者の例としては、例えば、画の品位が明らかに劣化してしまう等画像の破綻を誘発してしまうような組み合わせである。
例えば、「E5/ファンタジー」と「E1/ポップ」を組み合わせて適用した場合、画像の周辺部を白っぽくぼかして幻想的な雰囲気にしつつ、全体の彩度を高めて、より印象的に表現することができる。一方、例えば「E1/ポップ」と「E3/ノスタルジック」を組み合わせると、互いが彩度の上げ下げの効果を打ち消しあってしまうため、画の変化が少ないばかりか、階調が劣化する結果となってしまう。また、「E10/オールドムービー」と「E8/魚眼風」を組み合わせると、画像を横長に見せるための黒帯部分までもが樽状に歪んでしまい、明らかに期待する画と異なる状態になってしまう。
本実施形態に係るカメラ100は、このようなエフェクトの二重適用において、ユーザの意図しない結果が得られるのを防ぐことができる。以下、そのための処理について説明する。図3は、カメラ100によるエフェクト処理を示すフローチャートである。エフェクト処理は、撮影処理により静止画が撮影されメモリ105に記録された後に、実行される処理である。なお、エフェクト処理の前提として、カメラ100は、撮影処理において、例えばユーザ指示等に従い、撮影された静止画に対しエフェクトを適用する場合がある。この場合、システム制御部104は、エフェクトが適用されたことを示す情報及び適用されたエフェクトの種類を示すエフェクト情報をエフェクト適用後の画像に属性情報として対応付けて記録媒体114に記録しておくものとする。具体的には、システム制御部104は、エフェクト情報を画像のファイルヘッダや、画像ファイルに関連付けて記録された別ファイル(管理ファイル)にメタデータとして記録しておく。システム制御部104は、メタデータの記録方式としては、静止画ではExif、動画では例えばAVCHD規格に準じたものを用いればよい。
また、他の例としては、システム制御部104は、エフェクト情報を画像自体に記録してもよい。静止画においては、例えば電子透かし技術がこの方法に相当する。また、動画像であれば、映像信号のブランキング内に識別信号を埋め込めばよい。このように、画像自体に記録する場合、メタデータ方式のように、画像と別のデータを別途記録する必要がない。
また、他の例としては、システムメモリ108の中に、撮影履歴情報として、いつエフェクトを設定したかを含むエフェクト情報を記録しておいてもよい。この方法によれば、メタデータや画像内識別信号が利用できないコンテンツにおいても、エフェクトの情報を記録することができる。ただし、この方法は、カメラ100自身で記録したコンテンツにのみ対応することができ、直近に記録した限られた数のコンテンツにのみ対応可能である。また、システムメモリ108は電源を落とすと内容が保持できなくなるため、適切なタイミングにおいて、不揮発性メモリ107や記録媒体114にデータを転送するものとする。
S300において、システム制御部104は、ユーザ指示に従い、ユーザの所望の静止画を記録媒体114から読み出し、CODEC119によるデコード後の静止画を表示部106に表示する。次に、S301において、システム制御部104は、表示中の静止画のエフェクトの情報を取得する。具体的には、システム制御部104は記録媒体114にメタデータとして記録されているエフェクトの情報を読み出す。なお、上述のように、エフェクトの情報が、画像自体に記録されている場合には、システム制御部104は、画像信号解析によってエフェクトの情報を読み出せばよい。また、エフェクトの情報がシステムメモリ108に記録されている場合には、システム制御部104は、システムメモリ108からエフェクトの情報を読み出せばよい。
S302において、システム制御部104は、エフェクトの情報の取得に成功したか否かを確認する。システム制御部104は、取得に成功した場合には(S302でYes)、処理をS303へ進める。システム制御部104は、取得に失敗した場合には(S302でNo)、処理をS314へ進める。S303において、システム制御部104は、取得したエフェクトの情報に基づいて、静止画に対しエフェクトが適用済みか否かを判定する(適用判定処理)。システム制御部104は、エフェクト適用済みの場合には(S303でYes)、処理をS304へ進める。システム制御部104は、エフェクトが適用されていない場合には(S303でNo)、処理をS305へ進める。
S304において、システム制御部104は、エフェクトボタンを無効化した上で、エフェクトボタンを表示部106に表示し、表示中の静止画に対するエフェクト処理を終了する。ここで、エフェクトボタンとは、ユーザが、表示中の静止画に適用する新たなエフェクトを選択するための表示アイテムの一例である。システム制御部104は、エフェクトボタンを無効化する処理として、エフェクトボタンを選択不可能であることをユーザが識別可能な表示態様で表示するように制御する。S304において、システム制御部104はさらに、表示部106に既に適用されているエフェクトの種別を示すアイコンを表示する。このように、システム制御部104は、エフェクトボタンを無効化することにより、ユーザによる新たなエフェクトの適用指示を受け付けるのを禁止することができる。なお、ユーザにより他の静止画が選択されると、システム制御部104は、再び、選択された静止画を対象としてエフェクト処理を実行するものとする。なお、S304の処理は、エフェクトが無効であることを表示する表示処理の一例である。
一方、S305において、システム制御部104は、エフェクトボタンを有効化した上で、エフェクトボタンを表示部106に表示する。システム制御部104は、エフェクトボタンを有効化する処理として、エフェクトボタンを選択可能であることをユーザが識別可能な表示態様で表示するよう制御する。システム制御部104はさらに、エフェクトが適用されていないことを示すアイコンを表示する。
このように、システム制御部104は、S304においてエフェクトボタンを無効化することにより、エフェクト適用部が実行可能なすべての新たなエフェクトの適用の指示をユーザから受け付けることを禁止する。一方で、システム制御部104は、S305においては、エフェクトボタンを有効化することにより、ユーザによる新たなエフェクトの適用の指示を受け付けることを許可する。すなわち、S304〜S305の処理は、エフェクトが適用されていると判定された場合に、画像に対する新たなエフェクトの適用を禁止するよう制御する制御処理の一例である。
図4(A)は、S304において表示される表示画面400の一例を示す図である。図4(B)は、S305において表示される表示画面410の一例を示す図である。図4(A)に示す表示画面400には、ユーザにより選択された静止画401が表示されている。ここで、静止画401は、エフェクトが適用された状態の画像である。さらに、静止画401に重畳して、前の画像及び次の画像を表示するためのボタン402a,402bが表示されている。ボタン402a,402bに対応するタッチパネル112上へのタッチ操作が検出されると、システム制御部104は、タッチされたボタン402a,402bに応じて、表示部106に表示する静止画を切り替える。
なお、システム制御部104は、エフェクト処理の実行中にボタン402a,402bへのタッチ操作が検出された場合には、実行中の処理を終了し、タッチ操作に係る静止画を表示対象として、S300から再びエフェクト処理を行うものとする。また、他の例としては、システム制御部104は、タッチパネル112上の任意の領域へのスワイプ(なぞる)操作が検出された場合に、対応する前後の静止画を表示部106に表示してもよい。
エフェクトボタン403は、エフェクト設定画面を表示するためのボタンである。表示画面400のエフェクトボタン403は、S304において無効化されているため、ユーザがタッチ操作等により選択することはできない。さらに、表示画面400には、適用済みエフェクトの種別を示すアイコン404も表示されている。図4(A)に示すアイコン404は、適用済みのアイコンの種別が「E1/ポップ」であることを示している。
図4(B)に示す表示画面410には、ユーザにより選択された静止画411が表示されている。ここで、静止画411は、エフェクトが適用されていない状態の画像である。さらに、静止画411に重畳して、表示画面410と同様に、ボタン402a,402bが表示されている。エフェクトボタン413は、エフェクト選択画面を表示するためのボタンである。表示画面410のエフェクトボタン413は、S305において有効化されているため、ユーザがタッチ操作等により選択することが可能である。さらに、表示画面410には、エフェクトが適用されていないことを示すアイコン414も表示されている。
なお、システム制御部104は、図4(A)に示すエフェクトボタン403と、図4(B)に示すエフェクトボタン413は、ユーザが両者を識別(区別)可能な表示態様で表示する。すなわち、システム制御部104は、図4(B)に示すエフェクトボタン413を、選択可能であることを識別可能に通常の表示態様で表示し、図4(A)に示すエフェクトボタン403を、選択不可能であることを識別可能な表示態様で表示する。例えば、システム制御部104は、エフェクトボタン403をカラー表示し、エフェクトボタン403をグレーアウトしたものをエフェクトボタン413として表示してもよい。ここで、エフェクトボタン403,413は、表示アイテムの一例である。
図3に戻り、システム制御部104は、S305の処理の後、エフェクト設定処理(S306)を行う。エフェクト設定処理(S306)は、以下に示すS307〜S310の処理を含んでいる。S307において、システム制御部104は、エフェクト設定画面の表示指示を受け付けるまで待機し、表示指示を受け付けると(S307でYes)、処理をS308へ進める。なお、システム制御部104は、ユーザによりエフェクトボタン413が選択された場合に、エフェクト設定画面の表示指示を受け付ける。S308において、システム制御部104は、エフェクト設定画面を表示部106に表示する。
図5(A)は、エフェクト設定画面500の一例を示す図である。エフェクト設定画面500には、撮影画像501に重畳して、画面タイトル502と、戻るボタン503と、選択ボタン504a〜504fと、スクロールボタン505a,505bとが表示されている。図5の画面タイトル502には、「エフェクト」と表示されており、ユーザは、エフェクト設定画面に切り替わったことを認識することができる。戻るボタン503は、直前の表示画面へ戻るためのボタンである。選択ボタン504a〜504fは、新たに適用するエフェクトの種別を選択するためのボタンである。スクロールボタン505a,505bは、表示されるエフェクト選択ボタンの種類を切り替えるための操作ボタンである。エフェクト設定画面500において、ユーザにより選択ボタン504a〜504fが選択されると、システム制御部104は、選択された選択ボタン504a〜504fに対応する種別のエフェクトの設定指示を受け付ける。
図3に戻り、S308の処理の後、システム制御部104は、処理をS309へ進める。S309において、システム制御部104は、エフェクトの設定指示を受け付けるまで待機し、設定指示を受け付けると(S309でYes)、処理をS310へ進める。ここで、S309の処理は、新たなエフェクトの適用指示を受け付ける受付処理の一例である。S310において、システム制御部104は、設定指示に係るエフェクトを静止画に対して設定する。具体的には、システム制御部104は、静止画に対応付けて、設定指示に係るエフェクトの種類をメモリ105に記録する。なお、エフェクト切の選択ボタン504aが選択された場合には、システム制御部104は、エフェクト処理を終了する。システム制御部104は、さらに画像処理部102をはじめとするエフェクト適用部に対し、設定指示に係るエフェクトの適用を指示する。次に、S311において、システム制御部104は、エフェクト適用後の静止画をプレビュー表示すると共に、保存ダイアログボックスを表示する。
図5(B)は、プレビュー画面510の一例を示す図である。プレビュー画面510には、設定指示に係るエフェクトが適用された後の静止画511が表示されている。例えば、エフェクト「E1/ポップ」が選択された場合には、「E1/ポップ」が適用された静止画が表示される。さらに、静止画511上に、保存ダイアログボックス512と、確認ボタン513,514が重畳表示されている。保存ダイアログボックス512は、エフェクトを適用して保存するか問い合わせるメッセージ表示である。ボタン513は、エフェクトを適用して保存することを指示するためのボタンである。ボタン514は、エフェクトを適用せずに直前の画面へ戻ることを指示するためのボタンである。
図3に戻り、システム制御部104は、S311の処理の後、S312において、記録指示を受け付けたか否かを確認する。システム制御部104は、ボタン513が選択された場合に、記録指示を受け付けたと判定し(S312でYes)、処理をS313へ進める。システム制御部104は、ボタン514が選択された場合に、キャンセル指示を受け付けた、すなわち記録指示を受け付けなかったと判定し(S312でNo)、処理をS308へ進める。S313において、システム制御部104は、プレビュー表示した新規エフェクト画像をCODEC119によってエンコードした後、記録媒体114に記録する。以上で、エフェクト処理は終了する。
また、S314において、システム制御部104は、問合せ画面を表示する。図5(C)は、問合せ画面520の一例を示す図である。問い合わせ画面520には、エフェクト選択を行うか否かの判断を促すメッセージ521と、選択ボタン522,523が表示されている。選択ボタン522は、エフェクトの選択を行うことを指示するためのボタンである。選択ボタン523は、エフェクトの選択を行わないことを指示するためのボタンである。選択ボタン522が選択されると、システム制御部104は、選択する旨の確認情報を受け付ける。一方、選択ボタン523が選択された場合には、システム制御部104は、選択しない旨の確認情報を受け付ける。
図3に戻り、システム制御部104は、S314の処理の後、S315において、選択する旨の確認情報を受け付けた場合には(S314でYes)、処理をS305へ進める。システム制御部104は、選択しない旨の確認情報を受け付けた場合には(S314でNo)、処理をS304へ進める。これによりエフェクトを適用した場合に静止画の破綻の可能性があることをユーザに通知することができる。また、ユーザの希望により、エフェクトを適用するか否かを制御することができる。
なお、他の例としては、システム制御部104は、エフェクト情報の取得に失敗した場合には(S302でNo)、処理をS304へ進めることとしてもよい。また、他の例としては、システム制御部104は、取得に失敗した場合には(S302でNo)、処理をS305へ進めることとしてもよい。
以上のように、本実施形態に係るカメラ100は、画像に対しエフェクトが二重に適用されることにより、ユーザの意図と異なる結果が得られるのを防ぐことができる。
第1の実施形態に係るカメラ100の第1の変更例としては、カメラ100は、S303において、エフェクトボタンは有効化し、エフェクト設定画面における選択ボタンを無効化してもよい。なお、この場合、選択ボタンは表示アイテムの一例である。
また、第2の変更例としては、カメラ100は、エフェクトボタンを無効化するのに替えて、エフェクトボタンを非表示としてもよい。また、カメラ100は、第1の変更例と組み合わせる場合には、選択ボタンを非表示としてもよい。なお、S304においては、エフェクトボタンを表示するものとする。なお、カメラ100がこのように、複数の変更例を組み合わせて実行することが可能なのは言うまでもない。
また、第3の変更例としては、カメラ100がエフェクトの適用の禁止又は許可を制御する処理は実施形態に限定されるものではない。例えば、カメラ100は、エフェクトボタンを無効化又は有効化するのに替えて、以下の処理を行ってもよい。すなわち、システム制御部104は、エフェクト適用済みと判定された場合には(S302でYes)、エフェクト適用部による新たなエフェクトの適用を禁止する。また、システム制御部104は、エフェクトが適用されていないと判定された場合には(S302でNo)、エフェクト適用部による新たなエフェクトの適用を許可する。
さらに、カメラ100は、エフェクト適用済みと判定された場合に、エフェクト適用部による、適用禁止の種類のエフェクトについてのみ適用を禁止することとしてもよい。ここで、適用禁止の種類とは、各エフェクトに対し、二重適用を禁止するエフェクトの種類として、予め定められたエフェクトの種類である。例えば、前述の通り、「E1/ポップ」と「E3/ノスタルジック」を組み合わせると、互いが彩度の上げ下げの効果を打ち消しあってしまうため、画の変化が少ないばかりか、階調が劣化する等画像が破綻してしまう。この場合、カメラ100は、「E1/ポップ」に対し、「E3/ノスタルジック」を適用禁止の種別として予め記憶しておく。同様に、カメラ100は、「E3/ノスタルジック」に対し、「E1/ポップ」は、適用禁止の種類として記憶部に記憶しておく。
また、第4の変更例としては、カメラ100は、エフェクト適用済みと判定された場合に(S302でYes)、以下の処理を行うこととしてもよい。すなわち、カメラ100は、エフェクトボタンを無効化するのに替えて、エフェクトボタンが選択され、エフェクトの設定指示を受け付けた場合に、エフェクトを適用することができない旨のメッセージ表示を行ってもよい。具体的には、カメラ100は、図6に示す警告画面600を表示する。警告画面600には、メッセージ601と確認ボタン602が表示されている。メッセージは、エフェクトの多重適用ができない旨をユーザに通知するための情報である。すなわち、エフェクトの適用が制限されていることを示している。確認ボタン602は、警告画面600を閉じ、エフェクトボタンを押す前の画面状態に戻すためのボタンである。これにより、ユーザは、エフェクト適用できないことを容易に理解することができる。
また、第5の変更例としては、システム制御部104は、適用済みのエフェクトに基づいて、適用禁止のエフェクトの種類を特定し、特定した種類のエフェクトの選択ボタンのみを無効化してもよい。例えば、カメラ100は、適用済みのエフェクトの種類と、適用禁止エフェクトの種類とを対応付けて、不揮発性メモリ107に記憶しておく。ここで、適用禁止エフェクトの種類とは、適用済みのエフェクトに対し、二重適用した場合に、画像が破綻し、ユーザの意図しない結果となるようなエフェクトの種類である。より詳しくは、カメラ100は、複数のエフェクトについて、各エフェクトが適用された画像に新たに適用可能なエフェクトまたは新たな適用が不可能なエフェクトを示す対応情報を不揮発性メモリ107に予め記憶しておく。ここで、複数のエフェクトは、少なくとも画像処理部102で適用可能なエフェクトを含んでいる。そして、システム制御部104は、不揮発性メモリ107に記憶された対応情報を参照し、適用済みのエフェクトに対応付けられている適用禁止のエフェクトの種類を特定する。
なお、カメラ100は、第1の変更例と組み合わせ、選択ボタンのうち、適用禁止エフェクトの種類の選択ボタンのみを無効化し、残りの選択ボタンを有効化してもよい。これにより、ユーザに対し、エフェクト利用の制約をより少なくすることができる。対応情報には、例えば、画像の彩度を強調するエフェクトであるE1/ポップ(彩度を上げるエフェクト)が適用された画像に、新たに同じくE1/ポップを適用すること。及びジオラマ風(彩度を上げるエフェクト)を適用することは重複適用禁止の組み合わせとして記憶する。これは、二重で適用された場合、色情報が飽和して、ギスギスした画像になってしまうためである。また、E1/ポップ(彩度を上げるエフェクト)が適用された画像に、新たにE3/ノスタルジック(彩度を下げるエフェクト)を適用することは重複適用禁止の組み合わせとして記憶する。
これは、互いが彩度の上げ下げの効果を打ち消しあってしまうため、画の変化が少ないばかりか、階調が劣化する結果となってしまうためである。また、E10/オールドムービー(レターボックス(黒帯)を付けて横長画像に見えるようにするエフェクト)が適用された画像に、新たにE8/魚眼風(画像を歪曲させるエフェクト)を適用することは重複適用禁止の組み合わせとして記憶する。これは、レターボックスも含めて歪んだ画像となってしまうためである。これらの組合せの逆の組合せも禁止である。一方、E5/ファンタジー(画像の周辺部を白っぽくしてぼかすエフェクト)が適用された画像に、新たにE1/ポップ(彩度を上げるエフェクト)を組み合わることは、重複適用を許可する組合せとして記憶する。これは、画像の周辺部を白っぽくぼかして幻想的な雰囲気にしつつ、全体の彩度を高めて、より印象的に表現することができる。この逆の組合せも許可である。
第6の変更例としては、カメラ100は、静止画の撮影を行うデジタルスチルカメラであってもよい。
第7の変更例としては、カメラ100は、静止画に替えて、動画を表示対象とする場合においても、第1の実施形態において説明したのと同様に、エフェクト適用済みの動画に対する新たなエフェクトの適用を禁止してもよい。さらに、この場合、カメラ100は、動画の撮影を行うデジタルビデオカメラであってもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るカメラ100について説明する。第2の実施形態に係るカメラ100は、動画再生時に、再生対象の動画に適用するエフェクトを予め設定した上で、一連の動画シーンを連続再生する。さらに、本実施形態に係るカメラ100は、各エフェクトに対する適用禁止の種別のエフェクトと、代替エフェクトとを対応付けて予め記憶部に記憶しておく。ここで、代替エフェクトとは、適用済みのエフェクトと組み合わせて適用することを前提に容易されたエフェクトであり、ユーザが期待する、2つのエフェクトが両立した結果を得るためのエフェクトである。
例えば、「E10/オールドムービー」と「E8/魚眼風」を組み合わせた場合、前述の通り、画像が破綻する。これに対し、「E10/オールドムービー」を適用済みの画像に対し、画像を歪ませる効果を適用する画面領域を「E10/オールドムービー」の黒帯部分以外に限定したエフェクトが、「E8/魚眼風」の代替エフェクトとして対応付けられている。「E10/オールドムービー」と「E8/魚眼風」の代替エフェクトを組み合わせることにより、黒帯部分が樽状に歪んでしまうことを避け、2つのエフェクトが両立しているように表現することができる。
代替エフェクトとしては、これ以外にも、明るさや色の加工度合を変更したものや、部分要素の一部を省略したものが考えられる。例えば、「E1/ポップ」と「E1/ポップ」の二重適用では、画の彩度が飽和してしまうことが予想される。そこで、2つ目のエフェクトとして彩度強調を控えめにした代替エフェクトを適用することによって、この問題を回避できる。また、「E3/ノスタルジック」と「E9/ジオラマ風」の組み合せでは、彩度の上げ下げが衝突してしまう。そこで、「E9/ジオラマ風」から彩度調整の要素を省略した代替エフェクトを用いて、ぼかしやフレームレート制御の要素だけを適用するのが望ましい。
図7は、第2の実施形態に係るエフェクト処理を示すフローチャートである。S700において、システム制御部104は、再生する動画シーンを選択するためのインデックス画面を表示部106に表示する。図8(A)は、インデックス画面800の一例を示す図である。801は、画像が記録媒体114に相当する内蔵メモリ内のコンテンツであることを示すタイトル表示である。802は、記録媒体114内の動画シーンを示すサムネイル群である。任意のサムネイルがタッチされると、カメラ100は、タッチされた動画シーンを始点にして動画の連続再生を開始することができる。
803a,803bは、それぞれサムネイル群802を前のページ又は次のページへ切り替えるためのボタンである。804は、動画再生時に適用するエフェクトの設定画面へ遷移するためのエフェクトボタンであり、ボタン内に現在の設定状態「E1」が表示されている。
図7に戻り、S700の処理の後、S701において、システム制御部104は、エフェクト設定処理を行う。エフェクト設定処理(S701)における処理は、図3を参照しつつ説明したエフェクト設定処理(S306)と同様である。但し、本実施形態においては、エフェクトの対象は、静止画に替えて動画とする。また、システム制御部104は、インデックス画面800のエフェクトボタン804が選択された場合に、エフェクト設定画面の表示指示を受け付けるものとする。
次に、S702において、システム制御部104は、再生指示を受け付けるまで待機し、再生指示を受け付けると(S702でYes)、処理をS703へ進める。なお、システム制御部104は、インデックス画面800のサムネイル群802の一のサムネイルがタッチされた場合に、タッチされたサムネイルに対応する動画シーンの再生指示を受け付けるものとする。S703において、システム制御部104は、再生指示に係る動画のエフェクト情報に基づいて、エフェクト適用済みか否かを確認する。システム制御部104は、エフェクト適用済みの場合には(S703でYes)、処理をS705へ進める。システム制御部104は、エフェクト適用済みでない場合には(S703でNo)、処理をS704へ進める。
S704において、システム制御部104は、S701において設定されたエフェクトを適用した上で、再生対象の動画シーンから動画の再生を開始する。次に、S705において、システム制御部104は、適用したエフェクトの種別を表示部106に表示する。図8(B)は、S705において表示される再生画面810の一例を示す図である。811は、再生中の動画である。動画811には、エフェクト「E1/ポップ」が適用されている。812は、シーンを再生中であることを示すアイコンと、シーン内の再生位置を示すタイムコード表示である。813は、適用中のエフェクトの種別を示すアイコンである。なお、S701において、エフェクトが設定されなかった場合には、アイコン813は表示されない。814a〜814dは、CODEC119によるシーンの再生動作に指示を発行するためのボタンであり、順に再生停止ボタン、再生一時停止ボタン、逆方向シーンスキップボタン、正方向シーンスキップボタンである。
図7に戻り、S705の後、システム制御部104は、処理をS711へ進める。S711において、システム制御部104は、動画の終了まで再生を続け(S710でNo)、再生が終了すると(S711でYes)、エフェクト処理を終了する。
一方、S706において、システム制御部104は、再生指示に係る動画のエフェクト情報に基づいて、適用済みのエフェクトの種類を特定する。そして、システム制御部104は、記憶部を参照し、適用済みのエフェクトの種類と、エフェクト設定処理(S701)において設定されたエフェクトの種類とを組み合わせた場合に、画像が破綻するか否かを判定する(破綻判定処理)。システム制御部104は、記憶部において、エフェクト設定処理において設定されたエフェクトの種類が適用済みのエフェクトに対し、適用禁止の種類として対応付けられている場合には、画像が破綻すると判定する。システム制御部104は、画像が破綻すると判定した場合には(S706でYes)、処理をS707へ進める。システム制御部104は、画像が破綻しないと判定した場合には(S706でNo)、処理をS704へ進める。
S707において、システム制御部104は、エフェクト設定処理(S701)において設定されたエフェクトに対応する代替エフェクトが記憶部に記憶されているか否かを確認する。システム制御部104は、代替エフェクトが存在する場合には(S707でYes)、処理をS708へ進める。システム制御部104は、代替エフェクトが存在しない場合には(S707でNo)、処理をS709へ進める。S708において、システム制御部104は、エフェクト設定処理(S701)において設定されたエフェクトに替えて、代替エフェクトを適用した上で、再生対象の動画シーンから動画の再生を開始し、その後、処理をS711へ進める。
S709において、システム制御部104は、エフェクト設定処理(S701)において設定されたエフェクトを適用することなく、すなわち、いかなるエフェクトも適用することなく、再生対象の動画シーンから動画の再生を開始する。次に、S710において、システム制御部104は、エフェクト設定処理(S701)において設定されたエフェクトが無効であることを示すアイコンを表示部106に表示し、その後、処理をS711へ進める。
図8(C)は、S710において表示される再生画面820の一例を示す図である。821は、再生中の動画である。動画821には、エフェクトは適用されていない。これに対応し、適用中のエフェクトに種別を示すアイコン823には、エフェクトが適用されていないことを示す二重線が重畳されている。再生画面820のこれ以外の構成は、図8(B)に示す再生画面810と同様である。なお、第2の実施形態に係るカメラ100のこれ以外の構成及び処理は、第1の実施形態に係るカメラ100の構成及び処理と同様である。
以上のように、第2の実施形態に係るカメラ100は、一連の動画シーンを連続再生する場合においても、エフェクト適用済みのシーンに対するエフェクトの二重適用により、画像が破綻するのを回避することができる。また、カメラ100は、画像が破綻しない代替エフェクトを利用することにより、エフェクトを組み合わせたような結果を得ることができる。このように、本実施形態に係るカメラ100は、画の破綻を回避しつつ、利用者の意図をできるだけ尊重した映像表現を行うことができる。
第2の実施形態の変更例としては、カメラ100は、動画だけでなく、一連の静止画のスライドショーの再生においても、図7を参照しつつ説明したエフェクト処理を実行することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るカメラ100について説明する。第3の実施形態に係るカメラ100は、シナリオモードを備えたデジタルカメラである。シナリオモードとは、カメラ100において予め用意されたシナリオテーマの一つを選択し、そのテーマ内の一連のシーンタイトルに従って、シーンを順に撮影したり連続再生したりできる機能である。これにより、ユーザは、編集を意識せずとも起承転結のある映像作品を撮影、再生することができる。以下、カメラ100がシナリオモードにおいて、エフェクト機能を組み合わせて撮影及び再生を行う処理について説明する。
図9は、第3の実施形態に係るシナリオ撮影処理を示すフローチャートである。システム制御部104は、動作モードが、シナリオモードにおける撮影モードに設定されると、シナリオ撮影処理を開始する。S900において、システム制御部104は、ユーザ操作に従い、シナリオテーマを設定する。なお、シナリオテーマの設定は、図示しないシナリオテーマの設定画面におけるユーザ操作に応じて行われるものとする。システム制御部104は、シナリオを新規作成した場合は、記録媒体114にシナリオメタデータのコンテナを作成する。シナリオメタデータは、作成したシナリオ内の一連のシーン情報や再生順、テーマタイトルの情報、適用するエフェクトの情報等を記録したデータである。システム制御部104は、さらに、撮影確認画面を表示する。
図10(A)は、撮影確認画面1000の一例を示す図である。1001は、シナリオモードの撮影確認画面であることを示すタイトル表示である。1002は、サムネイル表示である。S900において設定されたシナリオテーマに対し、シーン撮影が行われている場合には、そのシーンのサムネイルが表示される。このシナリオテーマに対し、まだ何も撮影されていない場合には、設定されたシナリオテーマの特徴を表現したサンプルサムネイルが表示される。1003は、S900において設定されたシナリオテーマのタイトル文字列である。1004は、このシナリオテーマで撮影する一連のシーンに適用するエフェクトの設定画面へ遷移するためのボタンであり、ボタン内に現在の設定状態「E1」が表示されている。1005は、このシナリオテーマ内でこれから撮影するシーンの選択画面へ遷移するためのボタンであり、ボタン内には、表示時点において設定されているシーンタイトル「午前中の競技種目」が表示されている。1006は、撮影確認画面から撮影画面へ遷移するためのボタンである。
図9に戻り、S900の処理の後、システム制御部104は、処理をS901へ進める。S901において、システム制御部104は、撮影確認画面において、エフェクトの設定指示を受け付けたか否かを確認する。なお、撮影確認画面において、ユーザ操作により、ボタン1004が選択され、エフェクト設定画面が表示され、エフェクト設定画面においてエフェクトの選択ボタンが選択されると、システム制御部104は、設定指示を受け付ける。なお、このとき表示されるエフェクト設定画面は、図5(A)を参照しつつ説明したエフェクト設定画面と同様である。システム制御部104は、エフェクトの設定指示を受け付けると(S901でYes)、処理をS902へ進める。システム制御部104は、エフェクトの設定指示を受け付けない場合、又はエフェクトを設定しない旨の「切」の設定指示を受け付けた場合には(S901でNo)、処理をS903へ進める。
S902において、システム制御部104は、S900において設定されたシナリオテーマにおいて撮影される一連のシーンに適用するエフェクトの種別を、S900において作成したシナリオメタデータに記録する。次に、S903において、システム制御部104は、シーンタイトルの設定指示を受け付けたか否かを確認する。システム制御部104は、撮影確認画面において、シーンタイトルの選択ボタン1005が選択されると、不図示のシーンタイトルの設定画面を表示する。そして、システム制御部104は、シーンタイトルの設定画面において、ユーザ操作に応じてシーンタイトルが選択されると、シーンタイトルの設定指示を受け付ける。システム制御部104は、シーンタイトルの設定指示を受け付けると(S903でYes)、処理をS904へ進める。システム制御部104は、シーンタイトルの設定指示を受け付けなかった場合には(S903でNo)、処理をS905へ進める。
S904において、システム制御部104は、設定指示に従い、シーンタイトルを設定する。次に、S905において、システム制御部104は、「撮影を始める」ボタン1006へのユーザ操作に応じて、撮影画面の表示指示を受け付けたか否かを判定する。システム制御部104は、表示指示を受け付けた場合には(S905でYes)、処理をS906へ進める。システム制御部104は、表示指示を受け付けなかった場合には(S905でNo)、処理をS901へ進める。
S906において、システム制御部104は、S902において、シナリオメタデータにエフェクトが設定されているか否かを判定する。システム制御部104は、エフェクトが設定されている場合には(S906でYes)、処理をS907へ進める。システム制御部104は、エフェクトが設定されていない場合には(S906でNo)、処理をS911へ進める。S907において、システム制御部104は、撮影画面を表示する。このとき、システム制御部104は、撮影画面中のエフェクト設定ボタンを無効化する。
図10(B)は、S907において表示される撮影画面1010の一例を示す図である。撮影画面1010には、撮影画像1011が表示されている。撮影画像1011は、エフェクト「E1/ポップ」が適用された状態の画像である。1012は、撮影動作状態を示すアイコン及び撮影時間を示すタイムコードである。図10(B)においては、撮影開始前の待機状態となっている。1013は、撮影するシーン毎にエフェクトを個別設定するためのエフェクト選択画面へ遷移するボタンである。図10(B)の撮影画面1010においては、シナリオ全体にエフェクト「E1」が設適用されているため、ボタン1013の表示は無効化されている。1014は、これから撮影するシーンのシーンタイトルを設定する画面(図示しない)へ遷移するためのボタンであり、表示時点での設定状態「午前中の競技項目」が表示されている。1015は、シナリオ全体に適用されているエフェクト種別を示すアイコンである。ここでは表示時点の設定状態「E1」が表示されている。
図9に戻り、S907の処理の後、システム制御部104は、処理をS908へ進める。S908において、システム制御部104は、S902において適用されたエフェクトをシーンに対して設定する。次に、S909において、システム制御部104は、撮影開始指示を受け付けたか否かを確認する。システム制御部104は、撮影指示を受け付けると撮影を開始する(S909でYes)。次に、S916において、システム制御部104は、トリガーボタン111によってシーンの撮影が終了するまで撮影を継続し、撮影が終了すると(S916でYes)、処理をS917へ進める。S917において、システム制御部104は、S908において適用されたエフェクトの種類の情報を含む撮影情報を、撮影したシーンのメタデータに記録する。次に、S918において、システム制御部104は、シナリオ撮影が終了すると(S918でYes)、シナリオ撮影処理を終了する。システム制御部104は、シナリオ撮影を終了しない場合には(S918でNo)、処理をS903へ進める。
一方、S911において、システム制御部104は、撮影画面を表示する。このとき、システム制御部104は、撮影画面中のエフェクト設定ボタンを有効化する。図10(C)は、S911において表示される撮影画面1020の一例を示す図である。撮影画面1020には、撮影画像1021が表示されている。撮影画像1021は、エフェクトが適用されていない状態の画像である。1023は、撮影するシーン毎にエフェクトを個別設定するためのエフェクト選択画面へ遷移するボタンである。S911においては、シナリオ全体のエフェクトが切設定のため、有効表示されており、シーン毎にエフェクトを選択できるようになっている。1025は、シナリオ全体に適用されているエフェクト種別を示すアイコンである。ここでは、表示時点での設定状態「OFF」が表示されている。撮影画面1020のこれ以外の構成は、図10(B)に示す撮影画面1010と同様である。
図9に戻り、S911の処理の後、システム制御部104は、処理をS912へ進める。S912において、システム制御部104は、エフェクト設定処理を行う。エフェクト設定処理(S912)における処理は、図3を参照しつつ説明したエフェクト設定処理(S306)と同様である。但し、本実施形態においては、エフェクトの対象は、シーンとする。また、システム制御部104は、撮影画面1020のエフェクトボタン1023が選択された場合に、エフェクト設定画面の表示指示を受け付けるものとする。
次に、S913において、システム制御部104は、S912において設定されたエフェクトをシーンに対して適用する。次に、S914において、システム制御部104は、撮影開始指示を受け付けたか否かを確認する。システム制御部104は、撮影指示を受け付けると撮影を開始する(S914でYes)。次に、S915において、システム制御部104は、エフェクトボタン1023を無効化し、その後処理をS916へ進める。このように、S915においてエフェクトボタン1023を無効化するので、撮影中のエフェクト変更はできなくなる。
次に、シナリオ再生処理について説明する。図11は、シナリオ再生処理を示すフローチャートである。システム制御部104は、動作モードが、シナリオモードにおける再生モードに設定されると、シナリオ再生処理を開始する。S1100において、システム制御部104は、不図示のシナリオ選択画面において、ユーザ操作に従い再生対象のシナリオが選択されると、シナリオメタデータを記録媒体114から読み出し、再生確認画面を表示する。
図12は、S1100において表示される再生確認画面1200の一例を示す図である。1201は、シナリオモードの再生確認画面であることを示すタイトル表示である。1202は、ユーザにより選択されたシナリオ内のシーンのサムネイルである。1203は、ユーザにより選択されたシナリオのテーマタイトル文字列であり、シナリオメタデータ内の情報を元に表示される。1204は、このシナリオを再生するときに新たに適用するエフェクトの選択画面へ遷移するためのボタンであり、ボタン内には、表示時点における設定状態「E1」が表示されている。1205は、シナリオ内の任意のシーンから再生するためのシーン選択画面へ遷移するためのボタンである。1206は、再生画面へ遷移し、シナリオの一連のシーン再生を開始するためのボタンである。
図11に戻り、S1100の処理の後、システム制御部104は、処理をS1101へ進める。S1101において、システム制御部104は、S1100において選択されたシナリオのシナリオメタデータにエフェクトが設定されているか否か、すなわち、シナリオ撮影時にシナリオ全体に対し、エフェクトが設定されたか否かを判定する。システム制御部104は、エフェクトが設定されている場合には(S1101でYes)、処理をS1102へ進める。システム制御部104は、エフェクトが設定されていない場合には(S1101でNo)。処理をS1105へ進める。
S1102において、システム制御部104は、エフェクトボタン1204を無効化する。すなわち、システム制御部104は、撮影時にシナリオ全体に対してエフェクトを適用した場合は、オリジナルの映像を尊重し、S1102の処理により、再生時にはエフェクトの多重適用を禁止する。次に、S1103において、システム制御部104は、ユーザ操作による「再生する」ボタン1206の選択に対応し、再生指示を受け付けるまで待機する。システム制御部104は、再生指示を受け付けると(S1103でYes)、処理をS1104へ進める。S1104において、システム制御部104は、再生画面を表示し、シーン再生を開始する。次に、S1113において、システム制御部104は、再生終了するまで再生を継続し、再生が終了すると(S1113でYes)、シナリオ再生処理を終了する。
図13(A)は、S1104において表示される再生画面1300の一例を示す図である。1301は、再生中の動画である。動画1301は、撮影時に適用されたエフェクトのみが反映され、新たなエフェクトは適用されていない状態の動画である。1302は、再生中のシーンのシーンタイトルを示す文字列である。1303は、シーンを再生中であることを示すアイコンと、シーン内の再生位置を示すタイムコードと、シナリオ内のシーン番号である。1304a〜1304dは、CODEC119によるシーンの再生動作に指示を発行するためのボタンであり、順に再生停止ボタン、再生一時停止ボタン、逆方向シーンスキップボタン、正方向シーンスキップボタンである。再生画面1300には、エフェクトの適用を示すアイコンは表示されていない。
図11に戻り、S1105において、システム制御部104は、エフェクト設定処理を行う。エフェクト設定処理(S1105)における処理は、図3を参照しつつ説明したエフェクト設定処理(S306)と同様である。但し、本実施形態においては、エフェクトの対象は、シーンとする。また、システム制御部104は、再生確認画面1200のエフェクトボタン1204が選択された場合に、エフェクト設定画面の表示指示を受け付けるものとする。
次に、S1106において、システム制御部104は、ユーザ操作による「再生する」ボタン1206の選択に対応し、再生指示を受け付けたか否かを確認する。システム制御部104は、再生指示を受け付けると(S1106でYes)、処理をS1107へ進める。システム制御部104は、再生指示を受け付けなかった場合には(S1106でNo)、処理をS1105へ進める。S1107において、システム制御部104は、再生中のシーンのシーンメタデータにエフェクトが設定されているか否かを判定する。システム制御部104は、エフェクトが設定されている場合には(S1107でYes)、処理をS1109へ進める。システム制御部104は、エフェクトが設定されていない場合には(S1107でNo)、処理をS1108へ進める。S1108において、システム制御部104は、S1105において設定されたエフェクトを適用してシーン再生を開始し、その後処理をS1113へ進める。
図13(B)は、S1108において表示される再生画面1310の一例を示す図である。1311は、再生中の動画である。動画1311は、S1105において設定されたエフェクトが適用された状態の動画である。1312は、再生中のシーンにエフェクトが適用されていることを示すアイコンである。なお、S1105においてエフェクトが設定されなかった場合には、このアイコン1312は表示されない。なお、再生画面1310のこれ以外の構成は、図13(A)に示す再生画面1300と同様である。
図11に戻り、S1109において、システム制御部104は、シーンメタデータに設定されたエフェクトに対し、S1105において設定されたエフェクトを適用するのに替えて適用可能な代替エフェクトが存在するか否かを確認する。システム制御部104は、代替エフェクトが存在する場合には(S1109でYes)、処理をS1112へ進める。システム制御部104は、代替エフェクトが存在しない場合には(S1109でNo)、処理をS1110へ進める。S1110において、システム制御部104は、S1105で設定されたエフェクトを適用せずに、シーン再生を開始する。次に、S1111において、システム制御部104は、システム制御部104は、エフェクト設定処理(S701)において設定されたエフェクトが無効であることを示すアイコンを表示部106に表示し、その後、処理をS1113へ進める。
図13(C)は、S1111の処理後に表示部106に表示される再生画面1320の一例を示す図である。1321は、再生中の動画である。動画1321は、撮影時に設定された、シーンメタデータに設定されたエフェクトのみが適用され、S1105において設定されたエフェクトは反映されていない動画である。1322は、S1105において設定されたエフェクトが再生中のシーンに適用されていないことを示すアイコンである。なお、S1105においてエフェクトが設定されなかった場合には、このアイコン1322は表示されない。再生画面1320のこれ以外の構成は、図13(A)に示す再生画面1300と同様である。
図11に戻り、S1112においては、システム制御部104は、代替エフェクトを適用してシーン再生を開始し、その後、処理をS1113へ進める。なお、S1112において表示される再生画面は図13(A)に示す再生画面1300と同様である。なお、第3の実施形態に係るカメラ100のこれ以外の構成及び処理は、他の実施形態に係るカメラ100の構成及び処理と同様である。
以上のように、本実施形態に係るカメラ100は、シナリオモードを備え、エフェクト設定を行って撮影及び再生を行った場合にも、エフェクトが適用済みのシーンに対するエフェクトの多重適用によって、画が破綻するのを回避できる。また、シナリオ撮影時のオリジナルのエフェクト設定を尊重しつつ、再生時にエフェクトを適用してアレンジする自由度を確保することができる。
以上、上述した各実施形態によれば、画像に対しエフェクトが二重に適用されることにより、ユーザの意図と異なる結果が得られるのを防ぐことができる。
なお、システム制御部104の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず画像に対するエフェクトを適用を制御する情報処理装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダー等に適用可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。