JP6532307B2 - 被覆装置及び被覆方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の露出した導体部を被覆材によって被覆する被覆装置及び被覆方法に関する。
従来、アルミニウム電線の露出した導体部に、防食材(被覆材)による防食被膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、流動性を有する合成樹脂である防食材を導体部に塗布して防食被膜を形成することにより、導体部の腐食を抑制している。
特開2014−130703号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、防食材が流動性を有した液体であるため、導体部の表面に付着した際に表面張力が生じて防食材が導体部から流れてしまうことがあった。防食材の付着量が少ないと、防食材が流れてしまうことにより、防食材の硬化又は乾燥後に導体部の表面の一部において防食被膜が形成されずに防食が不十分となってしまう可能性があった。また、防食材の硬化又は乾燥後に、防食被膜が形成されていない部分を検出した場合、防食材を再度塗布しなければならず、防食被膜を形成する作業に要する時間が長くなってしまう。
従って、防食材の硬化又は乾燥前に、導体部の表面全体に防食被膜が形成されるか否かを予測することが望まれていた。そこで、導体部の表面全体に防食被膜が形成されるために必要となる、防食材の導体部表面への付着量を予め把握しておくとともに、実際の付着量を測定することにより、防食材の硬化又は乾燥前に導体部の表面全体に防食被膜が形成されるか否かを予測する方法が考えられる。しかしながら、防食材を吐出したり出射したりする量を測定することはできても、導体部表面への付着量を液体の状態で測定することは困難であった。
本発明の目的は、電線の導体部への被覆材を含む液体の付着量を測定することができる被覆装置及び被覆方法を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、電線の露出した導体部を被覆材によって被覆する被覆装置であって、前記電線を保持する保持手段と、前記被覆材を含む液体を出射部から出射する出射手段と、前記出射部と前記保持手段とを相対移動させる移動手段と、前記導体部に形成された前記液体の膜の膜厚を光学的に測定するとともに前記出射部との相対位置が固定された膜厚測定手段と、前記出射部に前記液体を出射させつつ、前記膜厚測定手段が前記出射部に追従するように前記移動手段によって該出射部と前記保持手段とを相対移動させ、前記導体部のうち前記液体が出射された領域を対象として前記膜厚測定手段に前記膜厚を測定させる制御手段と、を備えることを特徴とする被覆装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記電線は、アルミニウム電線であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記保持手段は、複数の前記電線を並べて保持し、前記移動手段は、前記出射部と前記保持手段とを前記複数の電線の並設方向に沿って相対移動可能に構成され前記制御手段は、前記出射部に前記液体を出射させつつ前記出射部を前記保持手段に対して前記並設方向に沿って相対移動させ、該膜厚測定手段に前記膜厚を測定させることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記膜厚測定手段が測定した膜厚に基づいて、前記移動手段によって前記出射部と前記保持手段とを相対移動させるとともに、前記出射部に前記液体を再び出射させることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記出射部と前記導体部とに電圧を印加する電圧印加手段をさらに備え、前記出射部は金属によって構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記被覆材が防食材であることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、電線の露出した導体部を被覆材によって被覆する被覆方法であって、前記被覆材を含む液体を出射部から出射しつつ該出射部と前記電線とを相対移動させ、前記出射部との相対位置が固定されるとともに前記液体の膜の膜厚を光学的に測定する膜厚測定手段を前記出射部に追従させ、前記導体部のうち前記液体が出射された領域を対象として前記膜厚を前記膜厚測定手段により測定することを特徴とする被覆方法である。
請求項1、7に記載された発明によれば、導体部のうち被覆材を含む液体が出射された領域を対象として液体によって形成された膜の膜厚を光学的に測定する、即ち、膜に対して光を照射するとともに反射光に基づいて膜厚を測定することで、被覆材を含む液体の導体部への付着量を測定することができる。液体の付着量を測定することにより、導体部の表面全体に被覆材の膜が形成されるために必要となる液体の付着量を予め把握しておけば、液体の乾燥又は被覆材の硬化前に、導体部の表面全体に被覆材の膜が形成されるか否かを予測することができる。また、液体の付着量が不足している場合には、液体を再度出射して付着量を増やすことにより、導体部の表面全体に被覆材の膜を形成することができる。さらに、膜厚測定手段が出射部に追従するように出射部を保持手段に対して相対移動させることで、液体を出射した直後に導体部に付着した液体の膜厚を測定することができる。
また、液体の出射量と、液体が実際に付着した付着量と、を比較し、出射量を調節しつつ液体を出射することができる。即ち、付着量が必要量よりも少ない場合には出射量を増やし、付着量が必要量よりも充分に多い場合には出射量を減らすことができる。このように出射量を調節しつつ液体を出射すれば、導体部の表面全体に被覆材の膜を形成するとともに、液体の無駄を削減することができる。
請求項2に記載された発明によれば、電線がアルミニウム電線であることで、電線を軽量化することができる。
請求項3に記載された発明によれば、出射部に液体を出射させつつ出射部と保持手段とを電線の並設方向に沿って相対移動させることで、簡単な構成で複数の電線の導体部を被覆材によって被覆することができる
請求項4に記載された発明によれば、膜厚測定手段が測定した膜厚に基づいて、移動手段によって保持手段と出射部とを相対移動させるとともに、出射手段に液体を再び出射させることにより、付着量が不足している部分に対して選択的に液体を追加で出射することができ、ムラをさらに抑制することができる。
請求項5に記載された発明によれば、出射部と電線の導体部とに電圧を印加して帯電させることで、出射部から出射された液体が帯電し、導体部に引き寄せられる。このように液体が導体部に電気的に引き寄せられることにより、導体部の表面において液体が表面張力によって弾かれにくく、被覆材が導体部の表面から流れてしまうことを抑制することができ、導体部が露出しないように被覆材によって被覆することができる。
請求項6に記載された発明によれば、防食材によって導体部を被覆することで導体部の腐食を抑制することができる。尚、防食材は、水性のウレタン樹脂塗料であることがより好ましく、ウレタン樹脂塗料を水に溶解又は分散させることにより防食材を含む液体としての出射液とすることができ、容易に取り扱うことできる。
本発明の実施形態に係る被覆装置全体の構成を示す斜視図である。 前記被覆装置によって被覆材が被覆される端子付電線を示す斜視図である。 前記被覆装置の膜厚測定手段によって金属部材の表面に形成された液体の膜の膜厚を測定する様子を模式的に示す断面図である。 前記端子付電線の金属表面に出射液が付着する様子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の被覆装置1は、図1に示すように、被覆材としての防食材によって複数の端子付電線100の後述する被覆領域Aを被覆する装置であって、防食材を含む液体としての出射液を出射する出射手段としてのスプレーガン2と、スプレーガン2のノズル21と後述する電極部521とに電圧を印加する電圧印加手段3と、ノズル21及び膜厚測定手段6を移動させる移動手段4と、複数の端子付電線100を並べて保持する保持手段5と、後述する出射液膜LFの膜厚を測定する膜厚測定手段6と、装置全体の制御を司る図示しない制御手段と、を備える。尚、本実施形態では、図1に示すように、複数の端子付電線100の並設方向をX方向とし、端子付電線100の長手方向をY方向とし、X方向及びY方向に交差する方向をZ方向とする。
端子付電線100は、図2に示すように、電線としてのアルミニウム電線200と、アルミニウム電線200の端部に接続された端子金具300と、を備える。アルミニウム電線200は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成された導体部200Aと、導体部200Aの外側を被覆する絶縁被覆200Bと、を有する。端子金具300は、例えば銅等の適宜な金属で構成され、導体部200Aのうち絶縁被覆200Bから露出した部分に加締められる第1加締め部300Aと、絶縁被覆200Bに加締められる第2加締め部300Bと、相手側の端子に電気的に接続される電気接続部300Cと、を有し、導体部200Aに電気的に接続される。端子付電線100の露出した金属部分のうち、電気接続部300C以外の部分を被覆領域A(即ち、露出した導体部200A、第1加締め部300A、及び、第2加締め部300B)として防食材が被覆される。
防食材は、例えば水性のウレタン樹脂であって、水に溶解又は分散させることで出射液となる。即ち、金属表面において出射液が乾燥することによって防食材が残り、金属が防食材によって被覆されるようになっている。出射液は、後述するように膜厚測定手段6が出射する光の波長の範囲において、所定値(例えば10%)以上の透過率を有するように、防食材が溶解又は分散されているものとする。
スプレーガン2は、出射液を出射する出射部としてのノズル21と、出射液を収容する図示しない収容部と、ノズル21と収容部とを接続する可撓性の図示しない接続部と、圧力を加えることでノズル21に出射液を出射させる図示しない加圧部と、を有し、図1に示すZ方向(即ち、端子付電線100の並設方向及び長手方向を含む平面に交差する方向)を出射方向として出射液を出射する。スプレーガン2は、例えば空気を含ませることによって出射液を霧状に出射する。ノズル21は、例えば鉄やアルミ等の導電性の金属で構成されている。
電圧印加手段3は、直流電源31と、後述する電極部521に電気的に接続される第1接続部32と、ノズル21に電気的に接続される第2接続部33と、を有する。直流電源31は、第1接続部32と第2接続部33との間に例えば20kVの電圧を印加するものとする。本実施形態では、第1接続部32が直流電源31の負極に接続され、第2接続部33が直流電源31の正極に接続され、即ち、電圧印加手段3は、電極部521が負の電荷を有して帯電し、ノズル21が正の電荷を有して帯電するように電圧を印加する。尚、独立な2つの直流電源を用い、一方の直流電源の負極に第1接続部を接続するとともに他方の直流電源の正極に第2接続部を接続してもよく、接地電位と第1接続部との電位差と、接地電位と第2接続部との電位差と、は互いに異なる値であってもよい。
移動手段4は、例えばそれぞれX方向、Y方向及びZ方向に沿って進退する3つの直動モータを有し、ノズル21及び膜厚測定手段6をX方向、Y方向及びZ方向に平行移動可能に構成され、出射方向をZ方向に保ちつつノズル21及び膜厚測定手段6を三次元的に移動させる。
保持手段5は、複数の端子付電線100のアルミニウム電線200が載置される溝部を有する電線載置部51と、複数の端子金具300の電気接続部300CをZ方向から挟み込んで保持する端子保持部52と、を有する。端子保持部52は、電気接続部300Cを覆うことで防食材の付着を抑制するとともに、アルミニウム電線200側から電気接続部300C側に出射液が流れ込まないように、アルミニウム電線200側において隙間が生じないように端子金具300に密着して保持している。また、端子保持部52は、複数の端子金具300における電気接続部300Cのそれぞれの先端部に接触して電気的に接続される電極部521を有している。電極部521が正の電荷を有して帯電することで、導体部200A及び端子金具300も正の電荷を有して帯電し、端子付電線100は被覆領域Aにおいて正の電荷を有して帯電する。端子保持部52は、端子金具300を保持したままY方向を軸方向として180°回転させることにより、全体を裏返すことができるように構成されている。
膜厚測定手段6は、端子付電線100の被覆領域Aを対象として光を照射する照射部と、被覆領域Aにおいて反射された光を検出する受光部と、を有して光学的に膜厚を測定するように構成されている。膜厚測定手段6は、ノズル21に隣接して設けられるとともにノズル21との相対位置が固定されている。
ここで、膜厚測定手段6による膜厚の測定方法について、図3を参照して説明する。端子付電線100の被覆領域Aの表面に出射液が付着して出射液膜LFが形成された状態において、膜厚測定手段6の照射部が光を照射すると、この照射光は、一部が二点鎖線で示すように出射液膜LFの表面S1において反射されるとともに、残りが出射液膜LFに吸収されつつ一点鎖線で示すように出射液膜LFを透過して出射液膜LFと被覆領域Aとの界面S2おいて反射する。これら2種類の光が照射部から受光部まで進行する経路の距離の差は、出射液膜LFの膜厚dの2倍に略等しくなる。ここで、膜厚dに出射液膜LFの屈折率n(空気の屈折率を1とした相対屈折率)を乗じた値を光学膜厚ndとする。照射部による照射光の波長の整数倍が光学膜厚ndの2倍に等しい場合には、2種類の反射光が受光部において最も強め合い、照射光の波長の整数倍に半波長分を加えた値が光学膜厚ndの2倍に等しい場合には、2種類の反射光が受光部において最も弱め合う。従って、所定の範囲の波長の光を照射し、受光部が検出した光の各波長における強度を測定することにより、出射液膜LFの膜厚dを算出することができる。
以下、被覆装置1を用いて端子付電線100に向けて出射液を出射し、防食材によって端子付電線100を被覆する方法について説明する。
まず、作業者は、保持手段5に複数の端子付電線100を保持させ、被覆装置1を起動させる。制御手段は移動手段を制御してノズル21の位置を調節する。即ち、ノズル21のY方向位置を端子金具300の第1加締め部300Aに合わせするとともに、X方向位置を一方側(図1における左側)に配置された端子付電線100に合わせ、端子付電線100とのZ方向における間隔を調節する。次に、制御手段は、直流電源31に電圧の印加を開始させた後、スプレーガン2に出射液の出射を開始させ、図1に二点鎖線で示すようにノズル21をX方向の他方側(図1における右側)に移動させていく。即ち、ノズル21に出射液を出射させつつノズル21をX方向に移動させる。このとき、膜厚測定手段6は、ノズル21よりもX方向の一方側に位置し、ノズル21に追従して移動していくことで、端子付電線100の被覆領域Aのうち既に出射液が出射された領域を対象として出射液膜LFの膜厚を測定する。尚、出射開始時に出射液の品質が安定しない場合には、出射液が端子付電線100に届かない位置において予め出射液を出射しておいてもよい。
ノズル21がX方向の他方側の端子付電線100に対向する位置まで移動したら、制御手段は、出射液の出射を一旦停止し、ノズル21をY方向に沿って移動させた後、出射を再開するとともにノズル21をX方向の一方側に向けて移動させる。このときも他方側への移動時と同様に、膜厚測定手段6をノズル21に追従させる。尚、ノズル21をX方向に移動させる回数は、防食材の被覆厚さや、出射液の出射量等に応じて適宜に設定されればよい。また、端子付電線100の被覆領域Aの広さに応じてノズル21をY方向に移動させればよく、被覆領域Aが狭い場合にはノズル21をY方向に移動させなくてもよい。
ノズル21の移動及び出射が終了したら、制御手段は、膜厚測定手段6によって測定された出射液膜LFの膜厚dに基づいて出射液の付着量を算出し、被覆領域Aの各部における付着量が必要量以上であるか否かを判定する。ここで、付着量の必要量とは、出射液が乾燥して防食材の膜が被覆領域Aの表面全体に形成される(被覆領域Aの表面が露出しない)ために必要な付着量であり、予め実験を実施することにより決定されているものとする。出射液の付着量が必要量未満となる部分がある場合、制御手段は、移動手段4によって付着量が不足している部分までノズル21を移動させ、出射液を再び出射させ、膜厚測定手段6に膜厚を再び測定させる。制御手段は、複数の端子付電線100の被覆領域A全体において充分な付着量が得られるまで上記の動作を繰り返し実行する。尚、制御手段は、出射液を出射させつつノズル21を移動させる際に、付着量の不足を検知した時点でノズル21を該当部分にまで戻して出射液を出射させてもよい。
付着量の不足がなくなり出射液の出射が終了したら、作業者は、被覆装置1を一旦停止させ、端子保持部52を裏返す。次に、作業者は被覆装置1を再起動させ、端子保持部52を裏返す前の工程と同様にノズル21を移動させつつ出射液を出射させるとともに膜厚を測定させ、付着量の不足に応じてノズル21を移動させて出射液を再び出射させる。尚、出射液が端子付電線100におけるノズル21の反対側にまで回り込み、反対側においても防食材の被覆厚さが充分に確保できる場合には、保持手段5を裏返さなくてもよい。また、ノズル21のX方向における移動回数は、保持手段の裏返しの前後で異なっていてもよい。
出射液の出射が完了したら、作業者は被覆装置1を停止させ、端子付電線100に付着した出射液を乾燥させる。このとき、ヒータ等を用いて加熱することで乾燥させてもよいし、自然乾燥させてもよい。出射液が乾燥したら、防食材による被覆層が端子付電線100の表面に形成される。
ここで、出射液と、端子付電線100の被覆領域Aにおける金属表面と、の電気的な相互作用について説明する。まず、ノズル21が正に帯電していることから、出射液も正に帯電する。従って、図4(A)に示すように、出射液Lはクーロン力F1によって負に帯電した被覆領域Aに引き寄せられる。
図4(B)に示すように、出射液Lが金属表面に付着すると、出射液Lが有していた正の電荷は金属側に移り、さらに金属表面が負に帯電していることにより、出射液膜LFも負に帯電する。このとき、金属全体が略等電位となるのに対し、出射液Lは比較的高い抵抗値を有するため、出射液膜LF全体は等電位とはならず、出射液膜LFのノズル21側の表面の電位V1は、金属表面のうち出射液Lが付着していない部分の電位V2よりも、絶対値が小さくなる。
従って、図4(B)に示すように金属表面の一部に出射液膜LFが形成された状態でさらに出射液Lを出射すると、この出射液Lは露出した金属表面に引き寄せられやすくなる。即ち、露出した金属表面を向いたクーロン力F2がはたらく。このように出射液Lの出射を継続すると、図4(C)に示すように金属表面の全体を覆うように出射液膜LFが形成される。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、光を照射するとともに反射光に基づいて出射液膜LFの膜厚を測定することで、出射液の導体部への付着量を液体の状態で測定することができる。出射液の付着量を測定するとともに、被覆領域Aの表面全体に防食材の膜が形成されるために必要となる出射液の付着量を予め把握しておくことにより、出射液が乾燥する前に、被覆領域Aの表面全体に被覆材の膜が形成されるか否かを予測することができる。
さらに、ノズル21に出射液を出射させつつノズル21を端子付電線100の並設方向であるX方向に沿って移動させることで、簡単な構成で複数の端子付電線100の被覆領域Aを防食材によって被覆することができる。このとき、帯電した出射液は、拡散されやすく、且つ、被覆領域Aに引き寄せられることから、出射液の出射時に被覆領域Aの形状等に合わせてノズル21のY方向又はZ方向への移動を制御しなくても、被覆領域Aが露出しないように防食材によって被覆することができる。また、膜厚測定手段6をノズル21に追従させることで、出射液を出射した直後に出射液膜LFの膜厚を測定することができる。
さらに、出射液の付着量が不足している部分までノズル21を移動させて出射液を再び出射することにより、導体部の表面全体に被覆材の膜を形成することができる。
さらに、電圧印加手段3によってノズル21と端子付電線100の被覆領域Aとが互いに異なる極性を有して帯電するように電圧を印加し、出射液を出射することで、被覆領域A全体に出射液膜LFを形成し、防食材による被覆層を端子付電線100の表面に形成することができる。
さらに、被覆材としての防食材によって端子付電線100の被覆領域Aを被覆することで、被覆領域Aの腐食を抑制することができる。また、防食材は防水性も有し、被覆領域Aにおいて導体部200A及び端子金具300の表面まで水が浸入することを抑制することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、移動手段4がノズル21を移動させるものとしたが、保持手段5を移動させる移動手段を設けることでノズル21と端子付電線100とを相対移動させてもよい。
また、前記実施形態では、膜厚測定手段6とノズル21との相対位置が固定され、移動手段4がノズル21とともに膜厚測定手段6を移動させるものとしたが、膜厚測定手段6は、ノズル21と独立に移動するように構成されていてもよいし、定位置に固定されていてもよい。例えば、膜厚測定手段6は、出射液膜LFのうち付着量が不足しやすいと予め判明している位置において膜厚を測定するように設置されていてもよい。
また、前記実施形態では、被覆材として防食材を例示したが、被覆材は、例えば金属の露出した部分に絶縁層を形成するためのものであってもよいし、金属表面に傷がつくことを抑制するためのコーティング材であってもよく、端子付電線100のうち少なくとも導体部200Aを被覆する適宜なものであればよい。また、出射液は、適宜な液体に被覆材が溶解又は分散されていてもよいし、液体の被覆材によって構成され、例えば紫外線やX線を照射したり加熱したりすることによって硬化するものであってもよい。
また、前記実施形態では、導体部200Aがアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されたアルミニウム電線を有する端子付電線100を対象として防食材を被覆するものとしたが、電線の導体部の材質はアルミニウムに限定されず、例えば銅等の適宜な金属や、適宜な金属が組み合わされた合金であってもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 被覆装置
2 スプレーガン(出射手段)
3 電圧印加手段
4 移動手段
5 保持手段
6 膜厚測定手段
21 ノズル(出射部)
A 被覆領域(金属部材)
L 出射液(液体)
LF 出射液膜
200 アルミニウム電線(電線)
200A 導体部

Claims (7)

  1. 電線の露出した導体部を被覆材によって被覆する被覆装置であって、
    前記電線を保持する保持手段と、
    前記被覆材を含む液体を出射部から出射する出射手段と、
    前記出射部と前記保持手段とを相対移動させる移動手段と、
    前記導体部に形成された前記液体の膜の膜厚を光学的に測定するとともに前記出射部との相対位置が固定された膜厚測定手段と、
    前記出射部に前記液体を出射させつつ、前記膜厚測定手段が前記出射部に追従するように前記移動手段によって該出射部と前記保持手段とを相対移動させ、前記導体部のうち前記液体が出射された領域を対象として前記膜厚測定手段に前記膜厚を測定させる制御手段と、を備えることを特徴とする被覆装置。
  2. 前記電線は、アルミニウム電線であることを特徴とする請求項1に記載の被覆装置。
  3. 前記保持手段は、複数の前記電線を並べて保持し、
    前記移動手段は、前記出射部と前記保持手段とを前記複数の電線の並設方向に沿って相対移動可能に構成され
    前記制御手段は、前記出射部に前記液体を出射させつつ前記出射部を前記保持手段に対して前記並設方向に沿って相対移動させ、該膜厚測定手段に前記膜厚を測定させることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆装置。
  4. 前記制御手段は、前記膜厚測定手段が測定した膜厚に基づいて、前記移動手段によって前記出射部と前記保持手段とを相対移動させるとともに、前記出射部に前記液体を再び出射させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆装置。
  5. 前記出射部と前記導体部とに電圧を印加する電圧印加手段をさらに備え、
    前記出射部は金属によって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆装置。
  6. 前記被覆材が防食材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆装置。
  7. 電線の露出した導体部を被覆材によって被覆する被覆方法であって、
    前記被覆材を含む液体を出射部から出射しつつ該出射部と前記電線とを相対移動させ、前記出射部との相対位置が固定されるとともに前記液体の膜の膜厚を光学的に測定する膜厚測定手段を前記出射部に追従させ、前記導体部のうち前記液体が出射された領域を対象として前記膜厚を前記膜厚測定手段により測定することを特徴とする被覆方法。
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