以下、本発明に係る実施形態について図1から図26を参照して説明する。
本実施形態は、複数の錠剤200が収容され、錠剤200が取り出されたことを検出することが可能な錠剤ケース100に関するものである。
《第一実施形態》
第一実施形態の錠剤ケース100は、複数の錠剤200を内部に収容する。本実施形態で錠剤ケース100に収容される錠剤200は、厚みが幅よりも薄い円盤状をなしている。錠剤200は、厚い方向が錠剤ケース100の厚み方向と一致する姿勢で、錠剤ケース100内に収容されている。錠剤ケース100は、図1に示すように、外形が軸線Oを中心とする扁平な円盤状をなしている。錠剤ケース100は、図2に示すように、外部に錠剤200を取り出すために操作する操作部23の一部が露出している。図3に示すように、錠剤ケース100は、錠剤200を内部に収容する第一ケース11と、第一ケース11に着脱可能とされる第二ケース12と、を有する。図4に示すように、第一ケース11内には、複数の錠剤200が収容されている。図5に示すように第二ケース12内には、後述する検出部34が収容されている。
ここで、本実施形態では、軸線Oの延びる軸線O方向の第一ケース11側を上方側、第二ケース12側を下方側とする。また、本実施形態では、軸線O方向と直交する方向を径方向とする。
本実施形態の第一ケース11は、図6及び図7に示すように、複数の錠剤200を収容可能な収容空間Xを形成するトップケース部21と、トップケース部21に回転可能に取り付けられる錠剤押圧部22と、錠剤押圧部22を回転移動させる操作部23と、錠剤押圧部22の位置を予め定めた位置に復帰させる復帰部24と、トップケース部21に取り付けられるトップカバー部25と、第二ケース12にトップケース部21を着脱可能に固定する第一着脱部26と、を有する。
ここで、本実施形態では、トップケース部21に対して軸線Oを中心として錠剤押圧部22を回転させる方向を回転方向Dcとする。
トップケース部21は、トップカバー部25とともに、第一ケース11の外装を構成している。トップケース部21は、図6に示すように、軸線Oを中心とする有底筒状をなすトップケース本体(収容部)211と、トップケース本体211の底部の軸線O方向の上方側を向くトップケース上面211aから突出するトップ軸部212と、を有する。
トップケース本体211は、底部が軸線O方向の下方側に配置され、軸線O方向の上方側が開口するように側部が軸線O方向に延びた有底円筒状をなしている。トップケース本体211は、錠剤押圧部22と、トップカバー部25とともに複数の錠剤200を収容可能な収容空間Xを内部に形成している。トップケース本体211は、底部を軸線O方向に貫通するケース貫通孔211cと、トップケース本体211の側部を径方向に貫通するトップケース側部貫通孔211dと、トップケース本体211の底部の軸線O方向の下方側を向くトップケース下面211bから凹むトップケース凹部211eとが形成されている。
ケース貫通孔211cは、後述する錠剤押圧部22によって押圧された錠剤200が通過する。ケース貫通孔211cは、錠剤200を通過させることが可能な大きさでトップケース本体211の底部に形成される開口である。ケース貫通孔211cは、図7に示すように、軸線Oを中心とする回転方向Dcに延びる扇形をなしてトップケース本体211の底部を貫通している。
トップケース側部貫通孔211dは、トップケース本体211の側部を径方向に貫通し、トップケース上面211aに沿って回転方向Dcに延びる矩形状をなす貫通孔である。トップケース側部貫通孔211dは、軸線Oを境界として、ケース貫通孔211cと反対側の位置に設けられている。トップケース側部貫通孔211dは、回転方向Dcの長さが予め定めた幅にわたって形成されている。ここで、トップケース側部貫通孔211dの予め定めた幅とは、後述する初期位置Aから予め定めた規定位置Bまでの回転方向Dcの距離よりも長くなるように、初期位置Aから超過位置Cまでの回転方向Dcの距離に対応して設定される。
トップケース凹部211eは、トップケース下面211bから矩形状をなして軸線O方向に凹んでいる。トップケース凹部211eは、第一着脱部26をトップケース下面211bから突出させずに収容可能に形成されている。トップケース凹部211eは、軸線Oを中心として回転方向Dcに均等に離れた位置に複数形成されている。本実施形態では、トップケース凹部211eは、四カ所形成されている。
トップ軸部212は、図6に示すように、トップケース上面211aから軸線Oを中心とする円柱状をなして突出している。トップ軸部212は、軸線O方向の長さがトップケース本体211の側部よりも短くなるように形成されている。
錠剤押圧部22は、収容空間Xに収容された錠剤200を押圧する錠剤押圧面224aを有する。錠剤押圧部22は、錠剤押圧面224aが初期位置Aから予め定めた規定位置Bを越えた超過位置Cまで移動するように、トップケース部21に対して軸線Oを中心に相対回転可能に取り付けられている。錠剤押圧部22は、トップケース本体211内に収容されている。本実施形態の錠剤押圧部22は、軸線Oを中心とする円板状をなしている。錠剤押圧部22は、軸線O方向の下方側を向く押圧部下面222がトップケース上面211aと接触した状態でトップケース本体211内に収容される。錠剤押圧部22は、中心を軸線O方向に貫通する押圧部中心孔223と、錠剤押圧面224aが形成されたポケット部224と、押圧部下面222から凹んで後述する復帰部24が収容される復帰収容凹部225と、押圧部下面222から凹んで後述する操作部23が嵌合される操作嵌合凹部226とが形成されている。
ここで、初期位置Aとは、操作部23を移動させていない初期状態における錠剤押圧面224aの位置である。本実施形態の初期位置Aは、図4に示すように、収容空間Xとポケット部224とが連通した状態での錠剤押圧面224aの位置である。
また、規定位置Bとは、操作部23を予め定めた距離だけ初期位置Aから回転方向Dcの前方側に移動した後の錠剤押圧面224aの位置である。
また、超過位置Cとは、規定位置Bよりも回転方向Dcの前方側に移動した後の錠剤押圧面224aの位置である。
図7に示すように、押圧部中心孔223は、トップ軸部212が挿通可能に形成されている。押圧部中心孔223は、トップ軸部212の外形に対応する円形状の貫通孔である。つまり、押圧部中心孔223にトップ軸部212が挿入されることで、錠剤押圧部22は、トップケース本体211内で軸線O回りに回転可能に保持されている。
ポケット部224は、錠剤押圧部22を径方向の外側から切り欠くように形成されている。ポケット部224は、一つの錠剤200のみを受け入れ可能な大きさに形成されている。ポケット部224は、回転方向Dcの後方側に錠剤押圧面224aが形成され、回転方向Dcの前方側に後述する受け部332によって押される平面が形成されている。
錠剤押圧面224aは、ポケット部224において、回転方向Dcの前方側を向く面である。なお、回転方向Dcの前方側とは、初期位置Aの錠剤押圧面224aが規定位置Bに向かう側であり、回転方向Dcの後方側とは、規定位置Bの錠剤押圧面224aが初期位置Aに向かう側である。錠剤押圧面224aは、収容する錠剤200の形状に合わせた形状をなしている。例えば、本実施形態のように収容されている錠剤200が円盤状をなしている場合には、錠剤押圧面224aは、湾曲面を有している。
復帰収容凹部225は、押圧部中心孔223から径方向に離れた位置で断面形状が矩形状をなすように押圧部下面222から凹んでいる。復帰収容凹部225は、軸線Oを中心として回転方向Dcに延びている。本実施形態の復帰収容凹部225は、軸線O方向の下方側から見た際に、回転方向Dcに延びる扇形状をなしている。復帰収容凹部225は、後述する復帰部24を押圧部下面222から突出させずに収容可能に形成されている。復帰収容凹部225は、回転方向Dcの前方側を向く復帰部押圧面225aと、回転方向Dcの後方側を向く復帰部接触面225bとを有している。復帰部押圧面225aと復帰部接触面225bとの回転方向Dcの距離は、後述する復帰部24の回転方向Dcの長さよりも長く形成されている。
操作嵌合凹部226は、操作部23とともに錠剤押圧部22を回転移動させるために、操作部23が嵌合される。操作嵌合凹部226は、押圧部下面222に開口するとともに、錠剤押圧部22の外周面から径方向の内側に延びて断面形状が矩形状をなす第一嵌合凹部226aと、第一嵌合凹部226aに連通するとともに回転方向Dcの両側に突出するように延び、かつ、断面形状が矩形状をなす第二嵌合凹部226bとによって構成されている。つまり、本実施形態の操作嵌合凹部226は、断面T字状をなして操作部23の一部が嵌め込まれる溝として形成されている。
操作部23は、錠剤押圧面224aが初期位置Aから規定位置Bまで移動するように錠剤押圧部22を軸線O周りに回転移動させる。本実施形態の操作部23は、外部から回転方向Dcにスライドさせることで操作可能となっている。操作部23は、図6に示すように、トップカバー部25の外部に露出する操作部本体231と、操作部本体231と一体に形成されて操作嵌合凹部226に嵌合する操作凸部232とを有する。
操作部本体231は、断面矩形状をなして回転方向Dcに延在している。操作部本体231は、図2に示すように、第一ケース11及び第二ケース12の外周面を径方向の外側から覆うように形成されている。操作部本体231は、径方向の外側を向く面に滑り止め用の突起が複数形成されている。
操作凸部232は、操作部本体231の径方向の内側を向く面から突出している。操作凸部232は、操作嵌合凹部226に嵌め込まれることで、錠剤押圧部22を操作部本体231の動きに合わせて移動可能とする。本実施形態の操作凸部232は、トップケース側部貫通孔211dからトップケース本体211内に挿入された状態で、操作嵌合凹部226に嵌め込まれる。操作凸部232は、操作部本体231から径方向の内側に直方状をなして延びる第一操作凸部232aと、第一操作凸部232aの先端から回転方向Dcの両側に直方状をなして突出する第二操作凸部232bとによって構成されている。つまり、本実施形態の操作凸部232は、T字状をなして操作嵌合凹部226に嵌め込まれるよう形成されている。操作凸部232は、第一操作凸部232aがトップケース側部貫通孔211d内を回転方向Dcに移動することで、錠剤押圧面224aが初期位置Aから規定位置Bまで移動するように錠剤押圧部22を軸線O周りに回転移動させる。
復帰部24は、錠剤押圧面224aが規定位置Bを越えて超過位置Cまで移動した場合に、錠剤押圧面224aを規定位置Bに復帰させるように錠剤押圧部22を移動させる。復帰部24は、復帰収容凹部225に収容されて復帰部接触面225bに接触した状態で、トップケース本体211のトップケース上面211aに固定されている。本実施形態の復帰部24は、回転方向Dcに延びるバネ材やゴムのような弾性部材である。復帰部24は、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置されている状態では、復帰部接触面225bに接触しつつ、復帰部押圧面225aには接触しない位置に配置されている。復帰部24は、錠剤押圧面224aが超過位置Cに配置されている状態では、復帰部押圧面225aによって回転方向Dcに押圧されつつ、復帰部接触面225bには接触しない位置に配置されている。復帰部24は、押圧された場合に、復帰部押圧面225aを回転方向Dcの後方側に向かって押し戻して、錠剤押圧面224aが規定位置Bに配置されるように錠剤押圧部22の位置を戻す。
トップカバー部25は、トップケース本体211の上方側の開口を閉塞するようにトップカバー本体251に取り付けられている。トップカバー部25は、軸線Oを中心とする円板状をなすトップカバー本体251と、トップ軸部212が挿入されるトップ軸部挿入部252と、収容空間Xの一部を塞ぐカバー閉塞部253とを有する。
トップカバー本体251は、軸線O方向の下方側を向くトップカバー下面251aと、錠剤押圧部22の軸線O方向の上方側を向く押圧部上面221と、トップケース本体211の側部の内側を向く面と、によって収容空間Xを形成している。トップカバー本体251がトップケース本体211に取り付けられることで、押圧部上面221とトップカバー下面251aとの距離が、収容空間X内で錠剤200が移動可能、かつ、姿勢を変更することが不能となるように、錠剤200の厚みよりも若干大きい程度に設定される。
トップ軸部挿入部252は、トップカバー下面251aから軸線O方向の下方側に円筒状をなして突出している。トップ軸部挿入部252は、トップ軸部212の先端が嵌め込まれる。トップカバー部25は、トップ軸部挿入部252にトップ軸部212が嵌め込まれることで、トップケース部21に取り付けられる。
カバー閉塞部253は、トップカバー下面251aから軸線O方向の下方側に突出している。カバー閉塞部253は、トップケース本体211に取り付けられることで、トップカバー下面251aと押圧部上面221との間に錠剤200が嵌まり込まないように形成されている。本実施形態のカバー閉塞部253は、トップカバー下面251aから押圧部上面221と摺接する長さで突出する複数のリブである。カバー閉塞部253は、トップケース部21がトップケース部21に取り付けられた状態で軸線O方向の下方側から見た際に、ケース貫通孔211cの回転方向Dcの前方側の一部を閉塞する位置に形成されている。カバー閉塞部253は、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置されている状態で、ポケット部224を閉塞しないように、ポケット部224の錠剤押圧面224aと対向する面よりも回転方向Dcの前方側に配置されるよう形成されている。つまり、カバー閉塞部253は、錠剤押圧面224aが規定位置Bや超過位置Cに配置されている場合には、ポケット部224を閉塞する位置に配置される。
第一着脱部26は、後述する第二ケース12の第二着脱部35と着脱可能とされている。第一着脱部26は、トップケース凹部211eに嵌め込まれて、トップケース下面211bから突出しないように固定されている。本実施形態の第一着脱部26は、複数の磁石である。本実施形態では、第一着脱部26は、四つ設けられている。
本実施形態の第二ケース12は、図8及び図9に示すように、ボトムカバー部32と、ボトムカバー部32に取り付けられるボトムケース部31と、ボトムカバー部32に回転可能に支持される移動部33と、移動部33が移動したことを検出する検出部34と、ボトムケース部31に固定されて第一着脱部26に着脱可能な第二着脱部35と、を有する。
ボトムカバー部32は、ボトムケース部31とともに、第二ケース12の外装を構成している。ボトムカバー部32は、図8に示すように、軸線Oを中心とする円板状をなすボトムカバー本体321と、ボトムカバー本体321の底部の軸線O方向の上方側を向くボトムカバー上面321aから突出するボトム軸部322と、を有する。
ボトム軸部322は、ボトムカバー上面321aから軸線Oを中心とする円柱状をなして突出している。ボトム軸部322は、軸線O方向の長さが後述するボトムケース本体311の側部よりも短くなるように形成されている。
ボトムケース部31は、ボトムカバー部32とともに内部に移動部33及び検出部34を収容する空間を形成する。ボトムケース部31は、図9に示すように、軸線Oを中心とする有底筒状をなすボトムケース本体311と、ボトム軸部322が挿入されるボトム軸部挿入部312と、外部へ錠剤200を取り出すため排出口Yを形成する排出口形成部313と、移動部33の移動を規制する移動規制部314と、を有する。
ボトムケース本体311は、図8に示すように、底部が軸線O方向の上方側に配置され、軸線O方向の下方側が開口するように側部が軸線O方向に延びた有底円筒状をなしている。ボトムケース本体311は、ボトムケース本体311の側部を径方向及び軸線O方向に貫通するボトムケース側部貫通孔311cと、ボトムケース本体311の底部の軸線O方向の上方側を向くボトムケース上面311aから凹むボトムケース凹部311dとが形成されている。
ボトムケース側部貫通孔311cは、矩形状をなしてボトムケース本体311の側部及び底部を径方向に貫通している。ボトムケース側部貫通孔311cは、回転方向Dcに予め定めた幅にわたって形成されている。ここで、ボトムケース側部貫通孔311cの予め定めた幅とは、錠剤200を取り出すために必要な幅であって、錠剤200の幅より長くなるように設定される。
ボトムケース凹部311dは、ボトムケース上面311aから矩形状をなして軸線O方向に凹んでいる。ボトムケース凹部311dは、第二着脱部35をボトムケース上面311aから突出させずに収容可能に形成されている。ボトムケース凹部311dは、軸線Oを中心として回転方向Dcに均等に離れた位置に複数形成されている。本実施形態では、ボトムケース凹部311dは、四カ所形成されている。
ボトム軸部挿入部312は、図9に示すように、ボトムケース本体311の底部の軸線O方向の下方側を向くボトムケース下面311bから軸線O方向の下方側に円筒状をなして突出されている。ボトム軸部挿入部312は、ボトム軸部322の先端が嵌め込まれる。ボトムケース部31は、ボトム軸部挿入部312にボトム軸部322が嵌め込まれることで、ボトムカバー部32に取り付けられる。
排出口形成部313は、ボトムケース側部貫通孔311cとともに、排出口Yを形成する。排出口形成部313は、ボトムケース本体311の側部の内側を向く面から径方向に延びる第一排出壁部313aと、ボトムケース側部貫通孔311cを挟んで第一排出壁部313aと対向する第二排出壁部313bと、第二排出壁部313bに接続されて回転方向Dcに延びる第三排出壁部313cと、第三排出壁部313cとボトムケース本体311の側部とを接続する第四排出壁部313dとを有する。
第一排出壁部313aは、ボトムケース側部貫通孔311cよりも回転方向Dcの後方側に形成されている。第一排出壁部313aは、ボトムケース下面311bから平板状をなして突出しており、ボトムケース本体311の側部から径方向の内側に向かって延びている。
第二排出壁部313bは、ボトムケース側部貫通孔311cよりも回転方向Dcの前方側に形成されている。第二排出壁部313bは、第一排出壁部313aに対してボトムケース側部貫通孔311cを挟み込むように回転方向Dcに間隔を空けて形成されている。第二排出壁部313bは、ボトムケース本体311の側部の内側を向く面から離れた位置でボトムケース下面311bから平板状をなして突出し、径方向に延びている。第二排出壁部313bは、第一排出壁部313a及び後述する第三規制壁部314cとともに、ボトムケース側部貫通孔311cに連通する空間をボトムケース本体311内に形成することで、排出口Yを形成している。
第三排出壁部313cは、第二排出壁部313bの径方向の外側の端部から回転方向Dcの前方側に向かって延びている。第三排出壁部313cは、ボトムケース下面311bから湾曲する板状をなして突出している。第三排出壁部313cは、ボトムケース本体311の側部に対して径方向に間隔を空けて平行に配置されている。第三排出壁部313cは、回転方向Dcの長さが、後述するシャッター部334の回転方向Dcの長さに対応して設定される。
第四排出壁部313dは、第三排出壁部313cの回転方向Dcの前方側の端部とボトムケース本体311の側部とを接続するように径方向に延びている。第四規制壁部314dは、ボトムケース下面311bから平板状をなして突出している。
移動規制部314は、後述する移動部33のガイド部333の位置を規制する。移動規制部314は、排出口Yと連通し、ガイド部333が挿入される溝部を形成する。移動規制部314は、第一排出壁部313aと接続される第一規制壁部314aと、第二排出壁部313bと接続される第二規制壁部314bと、第一規制壁部314a及び第二規制壁部314bと間隔を空けて形成される第三規制壁部314cと、第一規制壁部314aと第三規制壁部314cとを接続する第四規制壁部314dと、第二規制壁部314bと第三規制壁部314cとを接続する第五規制壁部314eとを有する。
第一規制壁部314aは、第一排出壁部313aの径方向の内側の端部から回転方向Dcの後方側に延びている。第一規制壁部314aは、ボトムケース本体311の側部に対して平行に湾曲する板状をなしてボトムケース下面311bから突出している。
第二規制壁部314bは、第二排出壁部313bの径方向の内側の端部から回転方向Dcの前方側に延びている。第二規制壁部314bは、ボトムケース本体311の側部に対して平行に湾曲する板状をなしてボトムケース下面311bから突出している。第二規制壁部314bは、軸線Oからの径方向の位置が第一規制壁部314aと同じ位置に形成されている。第二規制壁部314bは、第一規制壁部314aと回転方向Dcの長さが同じ長さで形成されている。
第三規制壁部314cは、第一規制壁部314a及び第二規制壁部314bよりも径方向の内側に形成されている。第三規制壁部314cは、ボトムケース本体311の側部に対して平行に湾曲する板状をなしてボトムケース下面311bから突出している。第三規制壁部314cは、第一規制壁部314a及び第二規制壁部314bと平行に形成されている。第三規制壁部314cは、回転方向Dcの後方側の端部の回転方向Dcの位置が第一規制壁部314aの回転方向Dcの後方側の端部と同じになるように形成されている。第三規制壁部314cは、回転方向Dcの前方側の端部の回転方向Dcの位置が第二規制壁部314bの回転方向Dcの前方側の端部と同じになるように形成されている。
第四規制壁部314dは、第三規制壁部314cの回転方向Dcの後方側の端部と第一規制壁部314aの回転方向Dcの後方側の端部とを接続するように径方向に延びている。第四規制壁部314dは、ボトムケース下面311bから平板状をなして突出している。
第五規制壁部314eは、第三規制壁部314cの回転方向Dcの前方側の端部と第二規制壁部314bの回転方向Dcの前方側の端部とを接続するように径方向に延びている。第五規制壁部314eは、ボトムケース下面311bから平板状をなして突出している。第五規制壁部314eは、径方向の長さが第四規制壁部314dと同じ長さで形成されている。
移動部33は、図8に示すように、錠剤200が少なくとも一つ配置可能な間隔を空けて錠剤押圧面224aに対向する錠剤受け面332aを有する。移動部33は、錠剤200を外部に排出可能な排出位置Dまで錠剤受け面332aを回転移動させるように、ボトムカバー部32に軸線Oを中心に相対回転に取り付けられている。移動部33は、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとの間に錠剤200が配置された状態で、錠剤押圧面224aが規定位置Bまで移動されることで、排出位置Dまで錠剤受け面332aを移動させる。
ここで、排出位置Dとは、錠剤200を外部に排出可能な位置である。本実施形態の排出位置Dとは、図4に示すように、錠剤受け面332aが到達することで、ポケット部224と排出口Yとが連通し、排出口Yが開放される位置である。
移動部33は、図8に示すように、平板状をなす移動部本体331と、錠剤受け面332aが形成された受け部332と、移動部本体331の移動をガイドするガイド部333と、移動部本体331から突出するシャッター部334と、シャッター部334よりも径方向の内側で移動部本体331から突出する移動突出部335とを有する。
移動部本体331は、軸線Oを中心とする円板状をなしている。移動部本体331は、図9に示すように、中心に軸線O方向に貫通する移動部中心孔331cが形成されている。移動部中心孔331cは、ボトム軸部322が挿通可能に形成されている。移動部中心孔331cは、ボトム軸部322の外形に対応する円形状の貫通孔である。つまり、移動部中心孔331cにボトム軸部322が挿入されることで、移動部本体331は、軸線O方向の下方側を向く移動部下面331bがボトムカバー上面321aと接触した状態でボトムカバー部32に回転可能に保持されている。
受け部332は、図8に示すように、移動部本体331の軸線O方向の上方側を向く移動部上面331aから平板状をなして突出している。受け部332は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態でボトムケース上面311aよりも軸線O方向の上方側に突出するよう形成されている。受け部332は、移動部本体331の外周面から径方向の内側に向かって延びている。受け部332は、第一排出壁部313a及び第二排出壁部313bと径方向の長さが同じ長さとなるように形成されている。受け部332は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態で、錠剤押圧面224aが初期位置Aにある場合には、第一排出壁部313aに接触した状態で配置される。受け部332は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態で、錠剤押圧面224aが超過位置Cにある場合には、第二排出壁部313bに接触した状態で配置される。
錠剤受け面332aは、受け部332において、回転方向Dcの後方側を向く面である。本実施形態の錠剤受け面332aは、移動部上面331aから垂直に延びる平面である。収容する錠剤200の形状に合わせた形状をなしている。錠剤受け面332aは、錠剤押圧面224aが錠剤200を押圧しながら規定位置Bに移動した場合に、排出位置Dに移動する。
ガイド部333は、受け部332と一体に形成されている。ガイド部333は、受け部332の径方向の内側の端部から回転方向Dcの両側に延びている。ガイド部333は、ボトムケース本体311の側部に対して平行に湾曲する板状をなして移動部上面331aから突出している。つまり、受け部332は、軸線O方向の上方側から見た際に、受け部332とともにT字状をなしている。ガイド部333は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態で移動規制部314によって形成される溝部に収容されるように、第一規制壁部314a及び第二規制壁部314bと、第三規制壁部314cとに挟まれるように形成されている。ガイド部333は、錠剤押圧面224aが初期位置Aにある場合には、回転方向Dcの後方側の端部が第四規制壁部314dに接触した状態で配置される。ガイド部333は、錠剤押圧面224aが超過位置Cにある場合には、回転方向Dcの前方側の端部が第五規制壁部314eに接触した状態で配置される。
シャッター部334は、受け部332の径方向の外側の端部から回転方向Dcの前方側に向かって、移動部本体331の外周面に沿って延びている。シャッター部334は、ボトムケース側部貫通孔311cの回転方向Dcの長さよりも長く形成されている。シャッター部334は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態で、錠剤押圧面224aが初期位置Aにある場合には、回転方向Dcの後方側の端部が第一排出壁部313aに接触した状態で配置される。つまり、シャッター部334は、錠剤押圧面224aが初期位置Aにある場合には、ボトムケース側部貫通孔311cにおけるボトムケース本体311の側部の開口を閉塞している。シャッター部334は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態で、錠剤押圧面224aが規定位置Bにある場合には、第三排出壁部313c、第四排出壁部313d及びボトムケース本体311の側部によって形成される空間に収容される。つまり。シャッター部334は、錠剤受け面332aが排出位置Dにある場合には、ボトムケース側部貫通孔311cにおけるボトムケース本体311の側部の開口を開放している。シャッター部334は、移動部33がボトムケース部31と組み合わされた状態で、錠剤押圧面224aが超過位置Cにある場合には、回転方向Dcの前方側の端部が第四排出壁部313dに接触した状態で配置される。
移動突出部335は、シャッター部334よりも径方向の内側で移動部上面331aから円筒状をなして突出している。つまり、移動突出部335は、移動部中心孔331cを径方向の外側から取り囲むように形成されている。移動突出部335は、軸線O方向の上方側から見た際に、一部が切り欠かれた円形状をなしている。移動突出部335は、切り欠かれた部分に回転方向Dcの前方側を向く検出部押圧面335aが形成されている。
検出部34は、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出する。検出部34は、ボトムケース部31に固定される。検出部34は、移動突出部335を介して移動部33の位置を検出することで、錠剤押圧面224aの位置を検出する。本実施形態の検出部34は、後述する検出突起部343が一定角度以上傾くことで検出するセンサーである。検出部34は、ボトムケース部31に固定される検出部基板341と、検出部基板341に実装される検出部本体342と、検出部本体342から突出する検出突起部343と、検出部本体342に電力を供給する電源部344とを有する。
検出部基板341は、矩形状をなす基板である。検出部基板341は、検出突起部343が移動突出部335の切り欠きの間に配置されるようにボトムケース本体311に固定される。検出部基板341は、検出結果を記憶する不図示の記憶部や、外部に検出結果を報知する報知部が実装されていてもよい。
検出部本体342は、検出突起部343が突出方向に対して予め定めた角度以上傾くことで錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出する。検出部本体342は、検出突起部343が検出部基板341の外周より突出するように検出部基板341に配置されている。
なお、本実施形態における予め定めた角度とは、初期位置Aから規定位置Bまで錠剤押圧面224aが移動した場合に、移動突出部335が回転することで、検出部押圧面335aが移動する距離に対応して設定される。つまり、錠剤押圧面224aが規定位置Bまで移動した場合に、検出部押圧面335aによって突出方向と交差する方向に押圧された際の検出突起部343の傾きと同程度に設定される。
検出突起部343は、移動突出部335によって突出方向と交差する方向に押圧されることで検出部本体342に対して傾斜する。検出突起部343は、ボトムケース本体311に固定された検出部基板341に実装された検出部本体342から軸線Oに向かうように突出している。つまり、本実施形態における検出突起部343の突出方向は、径方向であって、突出方向と交差する方向とは回転方向Dcである。したがって、検出突起部343は、ボトムケース本体311に検出部34が固定される際に、移動部33が回転した場合の移動突出部335の回転軌道上に配置される。
電源部344は、検出部基板341とは別にボトムケース本体311に固定される。電源部344は、検出部基板341に繋がれており、検出部本体342に電力を供給している。本実施形態の電源部344は、ボタン電池である。
第二着脱部35は、第一着脱部26と着脱可能とされている。第二着脱部35は、ボトムケース凹部311dに嵌め込まれて、ボトムケース上面311aから突出しないように固定されている。本実施形態の第二着脱部35は、複数の磁石である。本実施形態では、第二着脱部35は、四つ設けられている。
次に、上記構成の複数の錠剤200が収容された錠剤ケース100から錠剤200を取り出す錠剤取り出し方法について図10から図25を用いて説明する。
錠剤ケース100は、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態で第一ケース11と第二ケース12とが組み合わされている。具体的には、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態の第一ケース11では、トップケース本体211のトップケース側部貫通孔211dの回転方向Dcの前方側を向く面に操作凸部232が接触した状態で、操作凸部232に操作嵌合凹部226が嵌合している錠剤押圧部22が配置されている。第二ケース12では、受け部332の錠剤受け面332aが第一排出壁部313aに接触した状態で移動部33が配置されている。そのため、第一着脱部26と第二着脱部35とによって第二ケース12に第一ケース11を取り付けることで、受け部332がケース貫通孔211c及びポケット部224に挿通され、押圧部上面221よりも軸線O方向の上方側に突出する。したがって、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態の錠剤ケース100では、図10に示すように、錠剤200が一つ配置可能な間隔を空けて錠剤押圧面224aに対向するように錠剤受け面332aがポケット部224内に配置されている。
また、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態では、図16に示すように、受け部332の錠剤受け面332aが第一排出壁部313aと接触している。そのため、シャッター部334が、ボトムケース側部貫通孔311cにおけるボトムケース本体311の側部の開口を閉塞している。このとき、ガイド部333は、回転方向Dcの後方側の端部が第四規制壁部314dに接触した状態で配置されている。
また、図19から図22は、第一ケース11に組み付けられた錠剤押圧部22の移動の様子を軸線O方向の下方側から見た図である。図19に示すように、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態において、復帰部24は、回転方向Dcの前方側の端部が復帰部接触面225bに接触しつつ、回転方向Dcの後方側の端部が復帰部押圧面225aには接触しない位置に配置されている。つまり、復帰部24は、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置されている状態では、回転方向Dcに押圧する力を受けておらず、変形していない。
その後、錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態から錠剤ケース100を傾けることで、収容空間Xを収容された錠剤200の一つが滑るように押圧部上面221上を移動し、図11に示すように、ポケット部224に収容される。これにより、錠剤200が錠剤押圧面224aの前方に配置される(錠剤配置工程)。
ポケット部224に錠剤200が収容された状態で、操作部本体231が外部から回転方向Dcの前方側に向かって移動させるように操作される。操作部本体231が回転方向Dcの前方側に向かって移動することで、錠剤押圧部22も回転方向Dcの前方側に向かって軸線Oを中心として回転する。錠剤押圧部22が回転することで、ポケット部224の位置が移動し、錠剤押圧面224aが初期位置Aから規定位置Bに向かって回転方向Dcの前方側に軸線O回りに回転移動する(錠剤押圧面移動工程)。
錠剤押圧面224aが初期位置Aから回転移動することで、ポケット部224内の錠剤200が錠剤押圧面224aによって押されて、回転方向Dcの前方側に移動する。ポケット部224内の錠剤200が回転方向Dcの前方に移動することで、図12に示すように、錠剤受け面332aに錠剤200が接触する。そのため、錠剤受け面332aは、錠剤200を介して錠剤押圧面224aによって回転方向Dcの前方側に向かって押される。
錠剤受け面332aが回転方向Dcの前方側に向かって押されることで、図17に示すように、ガイド部333が第三規制壁部314cに沿って移動し、受け部332がシャッター部334とともに移動する。その結果、シャッター部334が、第三排出壁部313c、第四排出壁部313d及びボトムケース本体311の側部によって形成される空間に収容され始め、ボトムケース側部貫通孔311cにおけるボトムケース本体311の側部の開口が開放され始める。
また、受け部332が移動することで移動部本体331も回転移動し、移動突出部335が軸線Oを中心に回転する。そのため、移動突出部335の検出部押圧面335aが検出突起部343に接触する。検出部押圧面335aが検出突起部343に接触した状態で、さらに受け部332が移動して移動突出部335が回転移動することで、検出突起部343が検出部押圧面335aによって回転方向Dcの前方側に向かって押圧される。
また、錠剤押圧部22が回転方向Dcの前方側に向かって回転することで、図20に示すように、トップケース上面211aに固定されている復帰部24に対して、復帰収容凹部225が回転方向Dcの前方に移動する。そのため、復帰部接触面225bが復帰部24の回転方向Dcの前方側の端部から離れ、復帰部押圧面225aが復帰部24の回転方向Dcの後方側の端部に近づく。
その後、錠剤200が錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとに挟まれた状態で、操作凸部232がトップケース側部貫通孔211dの回転方向Dcの後方側を向く面と接触するまで操作部本体231を移動する。その結果、図13に示すように、錠剤押圧面224aが規定位置Bを越えて超過位置Cまで移動する。
また、錠剤押圧面224aが規定位置Bを越えることで、図18に示すように、シャッター部334が第三排出壁部313c、第四排出壁部313d及びボトムケース本体311の側部によって形成される空間に完全に収容され、ボトムケース側部貫通孔311cにおけるボトムケース本体311の側部の開口が完全に開放される。
錠剤押圧面224aが超過位置Cまで移動することで、図21に示すように、復帰収容凹部225が、復帰部24の回転方向Dcの後方側の端部に復帰部押圧面225aを押し付けるように回転方向Dcの前方に移動する。そのため、トップケース上面211aに固定されている復帰部24は、復帰部押圧面225aによって回転方向Dcに前方側に向かって押圧される。つまり、復帰部24は、錠剤押圧面224aが超過位置Cに配置されている状態では、回転方向Dcに圧縮されるよう変形している。
圧縮された復帰部24は、図22に示すように、元の長さになるように弾性力によって復帰部押圧面225aを回転方向Dcの後方側に向かって押し返す。その結果、錠剤押圧部22は、回転方向Dcの後方側に向かって押し戻されて、図14に示すように、錠剤押圧面224aが規定位置Bに配置される(錠剤受け面移動工程)。ここで、錠剤押圧部22が復帰部24によって回転方向Dcの後方側に移動させられても、移動部33は移動しないため、錠剤受け面332aの位置は移動しない。そのため、錠剤押圧面224aが錠剤200から離れることで、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとに挟まれていた錠剤200は、図15に示すように、自重で排出口Yに落下する。
また、受け部332とともに移動突出部335がさらに回転移動することで、検出突起部343が押圧されて径方向に対して予め定めた角度以上傾く。これにより、検出部本体342は、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出する(検出工程)。検出部本体342は、検出結果を不図示の記憶部に記憶したり、不図示の報知部を介して外部に報知したりする。
次に、錠剤200がポケット部224に収容されていない状態で操作部23が操作された場合を説明する。
図23に示すように、ポケット部224に錠剤200が収容していない状態で、操作部本体231が外部から回転方向Dcの前方側に向かって移動させるように操作される。操作部本体231が回転方向Dcの前方側に向かって移動することで、操作凸部232が操作嵌合凹部226に嵌合していることで、錠剤押圧部22も回転方向Dcの前方側に向かって軸線Oを中心として回転する。錠剤押圧部22が回転することで、ポケット部224の位置が移動し、錠剤押圧面224aが初期位置Aから規定位置Bに向かって回転方向Dcの前方側に軸線O回りに回転移動する。
ところが、錠剤200がポケット部224に収容されていないため、錠剤受け面332aは移動せずに、錠剤押圧面224aのみが回転方向Dcの前方側に向かって回転移動する。その後、錠剤押圧面224aが錠剤受け面332aに接触することで、図24に示すように、錠剤押圧部22が受け部332を直接押圧する。
その後、錠剤受け面332aが錠剤押圧面224aによって押圧されたまま、操作凸部232がトップケース側部貫通孔211dの回転方向Dcの後方側を向く面と接触するまで操作部本体231を移動すると、図25に示すように、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動せずに、錠剤押圧面224aが規定位置Bを越えて超過位置Cまで移動する。
錠剤受け面332aは排出位置Dまで移動していないため、移動突出部335が十分に移動できずに、検出部本体342に対して予め定めた角度以上まで傾くように検出突起部343を押圧することができない。その結果、検出部本体342は、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出することがない。
上記のような第一実施形態の錠剤ケース100及び錠剤取り出し方法によれば、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとの間に錠剤200が配置された状態で、錠剤押圧面224aが規定位置Bまで移動されることで、排出位置Dまで錠剤受け面332aを移動させることができる。一方、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとの間に錠剤200が配置されていない状態では、錠剤押圧面224aが規定位置Bまで移動されても、排出位置Dまで錠剤受け面332aを移動させることができない。つまり、排出位置Dに錠剤受け面332aが移動した場合には、必ず錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとに錠剤200が挟まれており、錠剤200は収容空間Xから外部に排出される。したがって、錠剤受け面332aが排出位置Dに移動したことを検出部34が検出することで、錠剤200が錠剤ケース100から取り出されたことを高い精度で検出することができる。
また、ポケット部224を有することで、一つの錠剤200のみを錠剤受け面332aと錠剤押圧面224aとの間に高い精度で配置することができる。そのため、錠剤200一つ一つが取り出されたことをより高い精度で検出することができる。
また、錠剤受け面332aは、錠剤押圧面224aがポケット部224に収容された錠剤200を押圧しながら規定位置Bに移動した場合に、排出位置Dに移動する。そのため、錠剤200がポケット部224に入っていない場合には、錠剤受け面332aは排出位置Dまで移動することができない。したがって、錠剤200がポケット部224に入っていない場合には検出部34は検出することができない。これにより、錠剤200がポケット部224に入っている場合のみに検出部34によって、錠剤200が錠剤ケース100から取り出されたことを検出することができる。
また、錠剤押圧部22によって規定位置Bを越えて超過位置Cまで錠剤押圧面224aを移動させた後に、復帰部24によって錠剤押圧面224aを規定位置Bまで戻すことができる。そのため、排出位置Dにおいて、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとで挟み込んで移動させた錠剤200から錠剤押圧面224aを離すことができる。したがって、錠剤200が錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとで挟み込まれた状態から解放されるため、排出位置Dにおいて錠剤200を取り出し易くすることができる。
また、ボトムケース側部貫通孔311cにおけるボトムケース本体311の側部の開口をシャッター部334で閉塞することで、第一ケース11と第二ケース12とが組み合わされた状態の排出口Yを閉塞することができる。したがって、第一ケース11と第二ケース12とが組み合わされた状態で排出口Yから誤って錠剤200が漏れ出てしまうことを防ぐことができる。また、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動することで、シャッター部334が錠剤受け面332aとともに移動して排出口Yを開放することで、排出位置Dまで錠剤200を運ぶことで確実に錠剤200を錠剤ケース100から取り出すことができる。したがって、錠剤200を取り出す行為を阻害することなく、収容されている錠剤200が誤って漏れ出てしまうことを防止できる。
また、移動突出部335が軸線O回りに回転して検出部押圧面335aで検出突起部343を押して、検出突起部343を径方向に対して一定角度以上傾けることで、検出部34は、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出することができる。そのため、検出突起部343が傾く際に弾性力が働き、実装バラツキにより検出突起部343を押す移動突出部335の位置が多少ばらついても、検出突起部343に追従させることができる。そのため、錠剤ケース100から錠剤200が取り出されたことをより一層高い精度で検出することができる。
また、収容空間Xを形成するトップケース部21を有する第一ケース11と、検出部34を有する第二ケース12と着脱可能にすることで、収容空間Xが形成されたトップケース部21と検出部34とを別々準備したのちに錠剤ケース100を構成することができる。また、図26に示すように、例えば、第一ケース11に収容されている錠剤200よりも小型の錠剤200を収容する小型第一ケース110を事前に準備しておくことで、小型第一ケース110を第二ケース12に取り付けるだけで、錠剤200の種類を変更することができる。したがって、異なる種類の錠剤200を用いる場合でも事前に準備した異なる第一ケース11に取り換えるだけで、容易に錠剤ケース100を準備することができる。
《第二実施形態》
次に、図27から図30を参照して第二実施形態の錠剤ケースについて説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の錠剤ケースは、検出部と移動突出部の構成について、第一実施形態と相違する。
図27に示すように、第二実施形態の検出部34Aは、検出突起部343Aが突出方向に押圧されることで検出する押しボタン式のセンサーとなっている。第二実施形態の検出部34Aは、検出部本体342Aから突出する検出突起部343Aが、検出部本体342Aに対して突出方向に移動する。
第二実施形態の検出部本体342Aは、検出突起部343Aが後述する移動弾性部338によって突出方向に押圧されることで錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出する。
検出突起部343Aは、ボトムケース本体311に固定された検出部基板341に実装された検出部本体342Aから回転方向Dcの後方側に向かうように突出している。つまり、本実施形態における検出突起部343Aの突出方向は、回転方向Dcである。したがって、検出突起部343Aは、ボトムケース本体311に検出部34Aが固定される際に、移動部33Aが回転した場合の移動突出部336の回転軌道上に配置される。
第二実施形態の移動突出部336は、検出突起部343Aに接触可能とされ、検出突起部343Aに対して弾性力を与える移動弾性部338を有する。具体的には、移動突出部336は、シャッター部334よりも径方向の内側で移動部上面331aから円筒状をなして突出している移動突出部本体337と、移動突出部本体337の回転方向Dcの前方側の端部に配置された移動弾性部338とを有する。
移動突出部本体337は、軸線O方向の上方側から見た際に、移動部中心孔331cを径方向の外側から取り囲むように一部が切り欠かれた円形状をなしている。
移動弾性部338は、移動突出部本体337の回転方向Dcの前方側の端部に接続される弾性部本体338aと、弾性部本体338aに接続されて検出突起部343Aを押圧する突起押圧部338bとを有する。
弾性部本体338aは、移動突出部本体337を回転方向Dcの前方側に延長するように、一体に形成されている。弾性部本体338aは、移動突出部本体337の回転方向Dcの前方側の端部から回転方向Dcの前方側に向かうにしたがって、移動部下面331bから離間して次第に軸線O方向の長さが短くなるように形成されている。つまり、弾性部本体338aは、径方向の外側から見た際に、移動部下面331b側が切り欠かれた台形状をなしている。
突起押圧部338bは、弾性部本体338aの回転方向Dcの前方側の端部から径方向の外側に向かって突出している。突起押圧部338bは、移動部下面331bから離間した位置に形成され、矩形板状をなしている。突起押圧部338bは、回転方向Dcの前方側を向く面が、検出部押圧面335aとして形成されている。
次に、第二実施形態において、検出部34Aが検出する際の動きを説明する。
錠剤押圧面224aが初期位置Aに配置された状態では、図28に示すように、検出突起部343Aは、ボトムケース本体311に検出部34Aが固定された状態で、移動部33Aが回転した場合の突起押圧部338bの回転軌道上に配置されている。
その後、錠剤200を介して錠剤押圧面224aが錠剤受け面332aを回転方向Dcの前方側に向かって押し始めることで、図29に示すように、受け部332が移動する。受け部332が移動することで移動部本体331も移動し、移動突出部本体337が軸線Oを中心に回転する。そのため、移動突出部本体337とともに、移動弾性部338も軸線Oを中心に回転移動し、突起押圧部338bが検出突起部343Aに近づいていく。
受け部332とともに移動部本体331がさらに回転移動することで、図30に示すように、突起押圧部338bが、検出突起部343Aと接触し、検出突起部343Aを回転方向Dcの前方側に押圧する。検出突起部343Aは、突起押圧部338bの検出部押圧面335aによって回転方向Dcの前方側に向かって押圧されることで、検出部本体342A側に向かって押し込まれる。これにより、検出部本体342Aは、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出する。これにより、検出部本体342Aは、検出結果を不図示の記憶部に記憶したり、不図示の報知部を介して外部に報知したりする。
上記のような第二実施形態の錠剤ケース100によれば、突起押圧部338bによって検出突起部343Aが回転方向Dcに押し込まれることで、検出部34Aは、錠剤受け面332aが排出位置Dまで移動したことを検出することができる。また、弾性部本体338aは、移動部下面331b側が切り欠かれた形状をなしている。そのため、突起押圧部338bに対して回転方向Dcとは異なる方向に力が働いた際に、移動突出部本体337に対して撓むことで、突起押圧部338bに対して回転方向Dcとは異なる方向に働く力を分散させることができる。つまり、突起押圧部338bにバネ性を持たせることができる。したがって、検出部本体342Aに検出突起部343Aを押し込む際に、実装バラツキにより検出突起部343Aを押す移動突出部336の位置が多少ばらついても、検出突起部343Aに追従させることができる。そのため、錠剤ケース100から錠剤200が取り出されたことをより一層高い精度で検出することができる。
なお、本実施形態では移動弾性部338を、弾性部本体338aによって突起押圧部338bにバネ性を持たせたが、このような構造に限定されるものではなく、検出突起部343Aに対して弾性力を与える構造であればよい。例えば、移動弾性部338は、バネやゴムのような弾性部材で形成することでバネ性を持たせてもよい。
また、本発明の最小構成による錠剤ケース101は、図31(a)に示すように、軸線Oを中心とする筒状をなし、複数の錠剤201を収容可能な収容空間5が形成された収容部4と、収容空間5に収容された錠剤201を押圧する錠剤押圧面61を有する錠剤押圧部6と、錠剤押圧面61が初期位置A1から予め定めた規定位置B1まで移動するように錠剤押圧部6を軸線O周りに回転移動させる操作部7と、を備える。さらに、錠剤ケース101は、錠剤201が少なくとも一つ配置可能な間隔を錠剤押圧面61にとの間に空けて錠剤押圧面61に対向する錠剤受け面81を有し、錠剤201を外部に排出可能な排出位置D1まで錠剤受け面81を回転移動させる移動部8と、錠剤受け面381が排出位置D1まで移動したことを検出する検出部9と、を備える。
移動部8は、図31(b)に示すように、錠剤押圧面61と錠剤受け面81との間に錠剤201が配置された状態で、錠剤押圧面61が規定位置B1まで移動されることで、排出位置D1まで錠剤受け面81を移動させる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとの間は、本実施形態では、一つの錠剤200のみを配置な間隔で形成されているが、このように形成されることに限定されるものではない。錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとの間は、少なくとも一つの錠剤200が配置可能な間隔で形成されていれば良い。したがって、錠剤押圧面224aと錠剤受け面332aとの間は、複数の錠剤200を収容可能な間隔を空けて形成されていてもよい。
また、錠剤押圧面224aは、湾曲した形状であることに限定されるものではなく、収容する錠剤200の形状に合わせた形状をなしいればよい。例えば、錠剤押圧面224aは、平面として形成されていてもよい。
また、復帰部24は、本実施形態のように弾性部材であることに限定されるものではなく、規定位置Bを越えて移動した錠剤押圧面224aを規定位置Bに復帰させるように錠剤押圧部22を移動させることができればよい。復帰部24は、電気的に制御されて自動で錠剤押圧部22の位置を調整する構造であっても良い。