JP6532057B2 - 検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば弾性表面波センサを用いた抗原の検査方法に関する。
被測定試料中の物質を検査する手法としてラテラルフロー法が知られており(特許文献1参照)、ラテラルフロー法の一種にイムノクロマトグラフィー法での2種類の抗体で標的物質を挟み込むサンドイッチアッセイ法がある。サンドイッチアッセイ法を用いて、例えば抗原を検出する場合、抗原抗体反応に関与する1次抗体が組み込まれたメンブレンに、標識である2次抗体と抗原とを含む混合液からなる被測定試料を滴下する。滴下された被測定試料中の抗原とメンブレン中の1次抗体との間で抗原抗体反応が生じると、1次抗体と抗原とが相互に結合され、抗原抗体反応の生成物質として1次抗体と抗原との複合体が形成される。この複合体中の抗原に結合している2次抗体(標識)を観察すれば、上記抗原抗体反応に関与した物質(抗原)を視覚的に判別することができる。
また、各種物質の検出や物性値等の測定を行うための弾性表面波センサが知られている(特許文献2参照)。この種の弾性表面波センサは、圧電基板上に反応場を挟んで櫛形の送信電極と受信電極とが対向配置された構造を有している。この弾性表面波センサを用いれば、サンドイッチアッセイ法において、視覚観察によらずに、抗原抗体反応に関与する物質等を検出することができる。
特開2012−189355号公報 特開2013−096866号公報
弾性表面波センサを用いたサンドイッチアッセイ法による検出では、試料の粘性変化が支配的であるため、粘性に伴って損失が発生し、損失は検出対象である検体(抗原)の濃度に依存して大きくなる。損失が限度を越えて大きくなると検出結果についての誤差も拡大し、抗原の検出が行えなくなる可能性が生じる。その一方で、低い濃度の抗原を的確に検出できるようにするには、弾性表面波センサの感度を高くすることが求められる。つまり、高濃度の抗原の検出にあたっては、弾性表面波センサの感度を抑制して検出が可能な適正範囲に測定値が収まるようにする一方で、低濃度の抗原の検出では弾性表面波センサを高感度とすることが求められる。
このように、高濃度の抗原の検出に対応して適切な測定値が得られる弾性表面波センサの感度と、低濃度の抗原の検出に対応して適切な測定値が得られる弾性表面波センサの感度とが異なる。このために、現状においては、高濃度の抗原の検出と低濃度の抗原の検出とを同じ設定の弾性表面波センサにより的確に行うことが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、弾性表面波センサを使い分けたり感度設定を変更したりすることなく、広い範囲の抗原濃度に対応して抗原の検査が行えるようにすることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、反応場を伝搬する弾性表面波の変化を検出する弾性表面波センサを用いて抗原を検査する検査方法であって、抗原を含む第1試料を、前記反応場に配置された1次抗体に供給する第1試料供給ステップと、前記第1試料供給ステップの後において、第1の2次抗体を含み、前記抗原に対する前記第1の2次抗体の感度が所定の第2試料を前記反応場に供給する第2試料供給ステップと、前記第2試料供給ステップの後において、第2の2次抗体を含み、前記抗原に対する前記第2の2次抗体の感度が前記第2試料における前記所定の感度よりも高い第3試料を前記反応場に供給する第3試料供給ステップと、前記第2試料供給ステップにより前記第2試料が前記反応場に供給された第1状態と、前記第3試料供給ステップにより前記第3試料が前記反応場に供給された第2状態とのそれぞれにおいて、前記弾性表面波センサにより検出された弾性表面波の変化に基づく測定値を取得する測定ステップと、前記測定ステップによる測定結果が前記第1状態において測定される第1測定値と前記第2状態において測定される第2測定値とのうちのいずれか1つの測定値のみが適正範囲内に含まれることを示す場合は、適正範囲内に含まれるほうの測定値を前記抗原の検査に採択し、前記測定ステップによる測定結果が前記第1測定値と前記第2測定値とがいずれも適正範囲内に含まれることを示す場合は、前記第2測定値を前記抗原の検査に採択する測定値採択ステップとを含む検査方法である。
以上説明したように、本発明によれば、弾性表面波センサを使い分けたり感度設定を変更したりすることなく、広い範囲の抗原濃度に対応して抗原の検査が行えるようになるという効果が得られる。
第1実施形態における検査システムの構成例を示す図である。 第1実施形態における弾性表面波センサの構成例を示す図である。 第1実施形態の弾性表面波センサにおけるセンサ部の構成例を示す図である。 第1実施形態の検査手順に応じた反応場、保湿部材及び吸湿部材の状態の遷移例を側面方向より模式的に示す図である。 第1実施形態の検査手順に応じた反応場、保湿部材及び吸湿部材の状態の遷移例を側面方向より模式的に示す図である。 第1実施形態の検査手順に応じた抗体と抗原の結合状態の遷移例を模式的に示す図である。 第1実施形態の検査手順において用いられる2次抗体β1と2次抗体β2とについての、抗体濃度に対する測定値の特性例を示す図である。 第1実施形態における検査手順例を示すフローチャートである。 第2実施形態の検査手順において用いられる1次抗体β0と2次抗体β1と2次抗体β2とについての、抗体濃度に対する測定値の特性例を示す図である。 第2実施形態における検査手順例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態における検査システムの構成例を示す図である。本実施形態の検査システムは、抗原抗体反応を利用して抗原を検査するシステムである。同図の検査システムは、弾性表面波センサ100、測定回路200及び検査装置300を備える。
弾性表面波センサ100は、反応場を伝搬する弾性表面波の変化を検出するセンサである。
測定回路200は、検査行程におけるn回目の弾性表面波センサ100の入力信号Sin−nに対する出力信号Sout−nの変化を測定する。測定回路200は、弾性表面波センサ100の入力信号Sin−nを発生し、発生された入力信号Sin−nを弾性表面波センサ100に出力する。測定回路200は、入力信号Sin−nの入力に応じて弾性表面波センサ100から出力された出力信号Sout−nを入力し、入力信号Sin−nと出力信号Sout−nとを比較することで入力信号Sin−nに対する出力信号Sout−nの変化を測定する。具体例として、測定回路200は、入力信号に対する出力信号の変化として、位相差と振幅差とを測定する。また、測定回路200は、反応場122の初期状態における位相差と振幅差とを初期値として、その後の検査工程において測定される位相差と振幅差の初期値に対する変化量(測定値の一例)を測定する。
検査装置300は、測定回路200により測定された変化量を入力し、入力した変化量を利用して抗原についての検査を行う。例えば、検査装置300は、検体である抗原の存在の有無、また、検査対象の抗原が存在した場合には抗原量などについて検査することができる。検査装置300は、例えば専用の装置であってもよいし、検査用のアプリケーションソフトウェアがインストールされたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理装置であってもよい。
図2は、本発明の実施形態による弾性表面波センサ100の全体構成を模式的に示す図である。図2の上段側には、弾性表面波センサ100の上面図が示され、下段側には、弾性表面波センサ100の側面図が示されている。
弾性表面波センサ100は、プリント基板110と、プリント基板110上に配置されたセンサ部120と、センサ部120の反応場122上に設けられた保湿部材130と、保湿部材130の近傍に所定距離Lだけ離間して配置された吸湿部材140とを備えている。吸湿部材140には、排出経路150が任意的に設けられる。
図3は、本発明の実施形態による弾性表面波センサ100に備えられたセンサ部120の構成を模式的に示している。
センサ部120は、圧電基板121、反応場122、櫛形の送信電極123及び受信電極124を備えている。ここで、圧電基板121は、弾性表面波Wを伝搬させることができるものであれば、特に限定されないが、例えば36度Y板90°X伝播の水晶基板であり、または、36度Y板X伝播LiTaO3である。弾性表面波Wは、圧電基板121の表面に沿って伝搬する波であり、例えば、横波の伝播するすべり弾性表面波である。
反応場122は、試料が載置される領域であり、送信電極123と受信電極124との間の弾性表面波Wの伝搬経路となる圧電基板121の表面に形成されている。本実施形態では、反応場122上に載置される試料は液状物質である。以下の説明において、試料は、液状物質を意味する。反応場122には、例えば、圧電基板121上に蒸着された金属膜が形成される。金属膜の材料は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、等が挙げられ、特に限られるものではないが、反応場に滴下される試料に対して化学的に安定している金とすることが好ましい。
送信電極123及び受信電極124は、反応場122を挟むようにして圧電基板121上に配置されている。送信電極123は、入力端子Sと固定端子Gとの間に印加される高周波発振信号により励振されて圧電基板121上に弾性表面波Wを発生させるための要素である。受信電極124は、圧電基板121上の反応場122を伝搬した弾性表面波Wを受信するための要素である。送信電極123及び受信電極124は、それぞれ、試料が付着することで測定精度が低下することを回避するため、樹脂又はガラス等の封止部材(図示省略)により密閉されている。
なお、送信電極123及び受信電極124は、受信電極124に反射器を用いることで弾性表面波を反射させて送信電極123によって送信と受信を行う構成でもよい。この場合、反射器は、弾性表面波を機械的に反射するため、樹脂又はガラス等の封止部材は受信電極124に不要であり、封止部材は送信電極123にのみに備えればよく、また、入出力の端子も1つでよい。また、この場合、反射器は、弾性表面波の4分の1波長の櫛歯電極とすることが好ましい。さらに、基板端面での反射を利用してもよく、弾性表面波を反射可能であれば、反射器として任意の手段を用いることができる。
説明を図2に戻す。センサ部120の反応場122上には、保湿部材130が配置されている。保湿部材130は、液状の試料を反応場122上に保持するための要素であり、例えば多孔性基材である。保湿部材130に保持される試料は、抗体と抗原との双方またはいずれか一方を含む溶液と、反応場122の洗浄に供される洗浄液と、上記抗原抗体反応の促進、抑制、初期化のいずれかに供される液体との全てまたは一部である。
例えば、保湿部材130は多孔性基材である。ただし、保湿部材130は、必ずしも多孔性の素材に限らず、液状の試料を反応場表面に保持することができ、且つ、吸湿部材140等から反応場122への試料の逆流を阻止し得ることを限度に、保湿部材130は任意の素材であり得る。保湿部材130として使用し得る素材は、例えば、スポンジ、その他の保湿部材、メンブレン(ラテラルフロー用テストストリップに使用される部材、例えば、ニトロセルロースやナイロン)等)、ビニールテープ、プラスティックチューブ、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックシート、その他の非保湿材、液体を保持することができる構造体(例えば、プール)などを挙げることができる。
本実施形態では、概略矩形の反応場122の1辺に、テープ状の保湿部材130の一端を合わせるようにして、保湿部材130の一部が反応場122上に位置するように配置されている。本実施形態では、反応場122上に位置する保湿部材130の一部を除く残りの部分は、反応場122に液状の試料を導くための誘導経路として機能する。この経路上の保湿部材130に液状の試料を滴下することにより、試料が反応場122に導かれる。誘導経路による導入方向は任意に設定することができ、伝搬方向の水平面/垂直面どちらからでもよい。
反応場122に液状の試料を導くための上記誘導経路の部位は、例えばスロープ状に形成され、且つ(又は)、吸水性のない素材で構成されてもよい。また、このような誘導経路は、毛細管現象を利用して液状の試料を移送する素材であってもよい。上記誘導経路を設けた場合、液状の被測定試料が上記誘導経路を移動する過程で撹拌され、液状の試料に含まれる複数種類の物質(溶質)を混合することができる。
即ち、上記誘導経路は、滴下された試料を反応場122に運搬する機能と、滴下された試料を撹拌する機能を有している。ただし、反応場122に液状の試料を導くための誘導経路は任意的な要素であり、省略してもよい。上記誘導経路を省略した場合、保湿部材130は、例えば反応場122上にのみ配置され、液状の試料は、例えば反応場122上の保湿部材130に直接的に滴下される。
センサ部120の送信電極123上には、ガラス等の封止部材(図示なし)を挟んで吸湿部材140が配置されている。吸湿部材140は、保湿部材130に保持された試料が膨潤したときに保湿部材130から突出した余剰分を吸収するための要素である。吸湿部材140は、保湿部材130に先に保持された試料を、後で保湿部材130に追加される試料の滴下等に応じて保湿部材130から吸収することができ、保湿部材130に保持された試料を実質的に置換することができる吸湿容量を有している。
例えば、吸湿部材140は、保湿部材130の保湿容量よりも大きい容量の吸湿容量を有している。例えば、吸湿部材140の吸湿容量は、反応場122に配置された保湿部材130の保湿容量に、保湿部材130に保持される液体を置換する回数を乗じた容量以上に設定される。
ただし、上記の例に限定されず、反応場で反応に寄与しなかった余分な試料を他の試料に置換することができることを限度に、吸湿部材140の吸湿容量は任意に設定し得る。また、保湿部材130と吸湿部材140との間の最小距離を後述の所定距離Lとすることを限度に、吸湿部材140の形状は任意に設定し得る。
吸湿部材140は、上述の溶液、洗浄液、液体のいずれかである試料が保湿部材130に供給されたときに、保湿部材130に保持された試料の余剰分が保湿部材130から突出する所定距離Lに亘って隔たった位置に配置されている。即ち、吸湿部材140は、保湿部材130の端部から所定距離Lだけ離間して配置されている。このような所定距離Lを設定する目的は、反応場122を乾燥させず、且つ、余剰分の試料が吸湿部材140から保湿部材130に逆流することを防止するためである。
ここで、所定距離Lは、例えば、保湿部材130に保持された試料の余剰分(保湿部材130の保湿容量を超えた分)が膨潤により保湿部材130から突出する距離の上限値以下に設定される。また、所定距離Lは、例えば、保湿部材130に保持された試料が吸湿部材140に吸い取られる過程で、保湿部材130に所望量の試料を残して、保湿部材130と吸湿部材140との間の試料の移動を抑止し得る距離の下限値以上に設定される。従って、所定距離Lは、上記の下限値以上、且つ、上記の上限値以下の距離に設定される。ただし、所定距離Lは、上記の例に限定されず、保湿部材130に保持された試料を置換することができることを限度に、任意に設定し得る。
吸湿部材140として使用し得る素材としては、例えば、保湿部材130に保持された試料に含まれる水分等(水に限定されない。)によって組織的に吸湿機能が損なわれることが少なく、劣化の少ない素材が望ましい。そのような素材の例として、例えば、紙、スポンジ、高級水性分子、キャピラリー等が挙げられる。ただし、この例に限定されず、吸湿部材140として、液状の媒体を吸収する素材全般を用いることができ、また、異なる複数の素材を組み合わせて吸湿部材140を構成してもよい。
吸湿部材140には、吸湿部材140の吸湿容量を超えて保湿部材130から吸湿部材140に導かれた試料の余剰分を吸湿部材140の外部に誘導して排出するための排出経路150が設けられている。排出経路150を設けることにより、吸湿部材140の吸湿容量を回復させることができる。排出経路150は、吸湿部材140に吸収された液体を外部に排出することができるものであれば、任意の部材で構成することができる。
続いて、図4〜図7を参照して本実施形態の弾性表面波センサ100を用いた抗体を検体とする検査手順例について説明する。図4及び図5は、検査手順に応じた反応場122、保湿部材130及び吸湿部材140の状態の遷移例を側面方向より模式的に示す図である。図6は、検査手順に応じた抗体と抗原の結合状態の遷移例を模式的に示す図である。図7は、本実施形態の検査手順において用いられる2次抗体β1(第1の2次抗体の一例)と、2次抗体β2(第2の2次抗体の一例)とについての、抗体濃度に対する測定値(変化量)の特性例を示す図である。
弾性表面波センサ100を用いた検査を行うにあたり、先ず、測定者は、図4(A)に示すように反応場122上に1次抗体β0を配置して初期状態とする。そのうえで、測定者は、予め、第1試料、第2試料及び第3試料の3つの試料を準備しておく。第1試料は、抗原Aのみを含む液状の試料である。第2試料は、2次抗体β1のみを含む液状の試料である。第3試料は、2次抗体β2のみを含む液状の試料である。初期状態では、図6(A)に示すように反応場122上に1次抗体β0のみが存在しており、第1試料、第2試料及び第3試料は未だ滴下されていない。
上記の初期状態において、測定者は、測定回路200により送信電極123(図3)の入力端子Sに入力信号Sin−1を入力させる。これにより、入力端子Sと固定端子Gとの間に高周波発振信号が印加され、圧電基板121上に弾性表面波が励起して受信電極124にて受信され、受信電極124から出力信号Sout−1が出力される。このときの出力信号Sout−1には、1次抗体β0のみが配置された初期状態のもとでの入力信号Sin−1に対する変化として、位相差と振幅差が生じている。そこで、測定回路200は、入力信号Sin−1に対する出力信号Sout−1の位相差及び振幅差を測定したうえで、測定された位相差及び振幅差が反映された初期値Vdefを取得する。即ち、初期値Vdefは、測定された位相差と振幅差との情報を含む。取得された初期値Vdefは測定回路200が記憶する。測定回路200は、例えばマイクロプロセッサを備えており、初期値Vdefの記憶が可能である。
なお、以降において、測定回路200が上記のように弾性表面波センサ100に入力した入力信号Sin−nと、これに応じて得られた出力信号Sout−nとの位相差及び振幅差を測定する処理については入出力差分測定と称する。
次に、測定者は、図4(B)に示すように、抗原Aを含む第1試料を反応場122上の保湿部材130に滴下(供給)し、反応場122の表面で第1試料を1次抗体β0と反応させる。これにより、図6(B)に示すように、1次抗体β0と抗原Aとが抗原抗体反応により結合され、抗原Aが反応場122上で固定される。
続いて、測定者は、上記の図4(B)、図6(B)のように抗原Aが反応場122上で固定された状態において、測定回路200により入出力差分測定を行わせる。つまり、測定回路200は、送信電極123の入力端子Sに入力信号Sin−2を入力し、入力信号Sin−2の入力に応じて受信電極124から出力された出力信号Sout−2を取得する。そして、測定回路200は、入力信号Sin−2に対する出力信号Sout−2の位相差及び振幅差に基づく入出力差分値Vdif−2を測定する。そのうえで、測定回路200は、上記のように求められた入出力差分値Vdif−2の初期値Vdefに対する差分を変化量VAR−0として測定する。入出力差分値Vdif−2の初期値Vdefに対する差分は、例えば位相差に対応する差分と振幅差に対応する差分とが所定の演算により統合されたものである。あるいは、入出力差分値Vdif−2の初期値Vdefに対する差分とは、位相差に対応する差分と振幅差に対応する差分とのそれぞれを含む概念であってもよい。測定された変化量VAR−0は、検査装置300が取得する。
ここで、吸湿部材140が保湿部材130から所定距離Lだけ離間して配置されているので、第1試料の抗原Aと1次抗体β0の抗原抗体反応に必要な反応時間だけ、反応場122上の保湿部材130は、第1試料を保持し、且つ、吸湿部材140は、保湿部材130に保持された第1試料を吸収しない。このため、保湿部材130の吸水量のみの滴下で、反応場122上の第1試料の抗原抗体反応に必要な時間だけ、反応場122に第1試料を留めておくことができ、反応場が乾燥することなく抗原抗体反応をさせることができる。
次に、測定者は、図4(C)に示すように、2次抗体β1を含む第2試料を保湿部材130に滴下(供給)する。これにより、図6(C)に示すように、抗原Aと2次抗体β1とが抗原抗体反応により結合され、反応場122上には、1次抗体β0と抗原Aと2次抗体β1との複合体が形成される。
ここで、2次抗体β1が含まれる第2試料は、抗原Aに対する2次抗体β1の感度が低く設定されている。このため、本実施形態では、2次抗体β1として親和性が低いものを用いる。ここで、親和性は、例えば抗体に関する解離定数の逆数としての親和度により表すことができる。従って、2次抗体β1は、親和性が低いものとして扱われる所定の親和度を有するものが選定される。
このように第2試料についての感度が低く設定されているため、第2試料に含まれる2次抗体β1と結合できる抗原Aの数は少ない。図6(C)においては、4つの抗原Aのうち、1つの抗原Aのみに2次抗体β1が結合しており、残る3つの抗原Aが2次抗体β1と結合していない状態により、感度の低いことが表されている。
続いて、図4(D)に示すように、測定者が2次抗体β1を含む第2試料の滴下を継続すると、保湿部材130に保持される第2試料の量が徐々に増加する。そして、保湿部材130に保持された第1試料の量と第2試料の量の和が保湿部材130の保湿容量を超えると、保湿部材130に保持された第1試料が膨潤する。そして、膨潤した第1試料の一部が余剰分として保湿部材130から突出し、第1試料の一部が保湿部材130から吸湿部材140に向けて所定距離Lだけ突出した時点で吸湿部材140と接触する。
保湿部材130から突出した第1試料の一部が吸湿部材140に接触すると、図4(E)に示すように、保湿部材130に保持された第1試料の一部は、例えば毛細管現象等により吸湿部材140に吸収される。このとき、測定者が第2試料の滴下を継続すれば、1回目に滴下された第1試料のうち、保湿部材130に残留する第1試料は、2回目に滴下された第2試料により吸湿部材140側に押し出され、保湿部材130に保持された第1被測定部材が吸湿部材140に吸収される。これにより、保湿部材130に保持された第1被測定部材が保湿部材130から吸湿部材140に移動し、反応場122上の保湿部材130に保持されていた第1試料が第2試料で置換される。
そして、測定者は、反応場122上の保湿部材130に第2試料が保持され、図6(C)に示したように、抗原Aと結合した2次抗体β1が存在する状態(第1状態の一例)のもとで、測定回路200により入出力差分測定を行わせる。つまり、測定回路200は、送信電極123の入力端子Sに入力させた入力信号Sin−3と、入力信号Sin−3に応じた出力された出力信号Sout−3とにより、入出力差分値Vdif−3を測定する。そのうえで、測定回路200は、入出力差分値Vdif−3についての初期値Vdefに対する差分を変化量VAR−1(第1測定値の一例)として測定する。測定された変化量VAR−1は検査装置300が取得する。
次に、測定者は、図5(A)に示すように、2次抗体β2を含む第3試料を保湿部材130に滴下する。ここで、第3試料は、第2の試料よりも感度が高く設定されている。即ち、第3試料に含まれる2次抗体β2については、第2試料に含まれる2次抗体β1よりも高い親和度を有するものが選定される。
上記のように第3試料が高い感度を有することで、2次抗体β1と結合せずに残っていた抗原Aの多くが抗原抗体反応により2次抗体β2と結合され、反応場122上には、1次抗体β0と抗原Aと2次抗体β1との複合体が形成される。この状態は、図6(D)において、2次抗体β1と結合せずに残っていた3つの抗原Aが2次抗体β2と結合された状態により表されている。
続いて、図5(B)に示すように、測定者が2次抗体β2を含む第3試料の滴下を継続すると、図4(D)の場合と同様に、保湿部材130に保持される第3試料の量が徐々に増加して第2試料が膨潤し、膨潤した第2試料の一部が突出する。
そして、保湿部材130から突出した第2試料の一部が吸湿部材140に接触すると、図5(C)に示すように、保湿部材130に保持された第1試料の一部は、例えば毛細管現象等により吸湿部材140に吸収される。そして、測定者が第2試料の滴下を継続することで、保湿部材130に残留する第2試料が第3試料により吸湿部材140側に押し出され、保湿部材130から吸湿部材140に移動する。この結果、保湿部材130に保持された第2試料が第3試料で置換される。
そして、測定者は、反応場122上の保湿部材130に第3試料が保持され、図6(D)に示したように、2次抗体β1と2次抗体β2とが結合した抗原Aが存在する状態(第2状態の一例)のもとで、測定回路200により入出力差分測定を行わせる。つまり、測定回路200は、送信電極123の入力端子Sに入力させた入力信号Sin−4と、入力信号Sin−4に応じた出力された出力信号Sout−4とにより、入出力差分値Vdif−4を測定する。そのうえで、測定回路200は、入出力差分値Vdif−4についての初期値Vdefに対する差分を変化量VAR−2(第2測定値の一例)として測定する。測定された変化量VAR−2は検査装置300が取得する。
上記のように、本実施形態における検査工程においては、2次抗体として、抗原に対する感度が低い2次抗体β1と抗原に対する感度が高い2次抗体β2との2種類が使用される。これにより、本実施形態の検査工程においては、2次抗体に対応する変化量として、変化量VAR−1と変化量VAR−2との2つが測定される。
そのうえで、本実施形態においては、以下に説明するように、変化量VAR−1と変化量VAR−2とのうち、信頼性の高いほうを2次抗体に対応する変化量として採択して抗原の検査を行う。
ここで、図7は、2次抗体β1と2次抗体β2とのそれぞれに対応する抗原濃度と変化量との関係(検量線)の例を示している。同図においては、縦軸が抗原濃度を示し、横軸が変化量を示す。同図において、検量線LN1は、抗原に対する感度が低い2次抗体β1に対応して測定された変化量VAR−1と抗原濃度との関係を示し、検量線LN2は、抗原に対する感度が高い2次抗体β2に対応して測定された変化量VAR−2と抗原濃度との関係を示す。
同図において、Vmin〜Vmaxの範囲が、抗原を検出可能な変化量の適正範囲である。Vmaxより大きい変化量の範囲とVmin未満の変化量の範囲とでは、いずれも信頼性のある検出結果を得ることが難しいことから、検査には用いられない。
また、同図において、抗原に対する感度が低い2次抗体β1に対応の検量線LN1に着目すると、変化量VAR−1の適正範囲(Vmin〜Vmax)に対応する抗原濃度はC1min〜C1maxの範囲である。変化量VAR−1は、C1min未満の抗原濃度ではVmin未満となり、C1maxより大きい抗原濃度ではVmaxより大きくなる。一方、抗原に対する感度が高い2次抗体β2に対応の検量線LN2に着目すると、変化量VAR−2の適正範囲(Vmin〜Vmax)に対応する抗原濃度はC2min〜C2maxの範囲である。変化量VAR−2は、C2min未満の抗原濃度ではVmin未満となり、C2maxより大きい抗原濃度ではVmaxより大きくなる。この場合において、C1min、C1max、C2min、C2maxの抗原濃度の大小関係は、C1max>C2max>C1min>C2minである。
上記のような変化量と抗原濃度との関係のもとでは、変化量の適正範囲の下限であるVminにおいては、抗原に対する感度が低い2次抗体β1によっては、C1min未満の抗原濃度の条件での検出ができない。しかし、抗原に対する感度が高い2次抗体β2によっては、C1minより低いC2minまでの抗原濃度に対応して検出が可能である。
一方、変化量の適正範囲の上限であるVmaxにおいては、抗原に対する感度が高い2次抗体β2によっては、C2maxより高い抗原濃度の条件での検出ができない。しかし、抗原に対する感度が低い2次抗体β1によっては、C2maxより高いC1maxまでの抗原濃度のもとで検出が可能である。
つまり、本実施形態では、抗原に対する感度が異なる2つの2次抗体を使用して測定を行うことで、抗原の検出にあたって測定が可能な抗原濃度の範囲を、いずれか一方の2次抗体のみを使用する場合よりも拡大することができる。
そして、抗原の検査結果を得るにあたっては、2次抗体に対応して測定された変化量として、2次抗体β1に対応する変化量VAR−1と、2次抗体β2に対応する変化量VAR−2とのうちから以下のようにいずれか一方を採択する。なお、以下の説明は、検査装置300について、測定回路200から取得した変化量VAR−1と変化量VAR−2とのいずれかを採択する処理を実行するように構成された場合を例に挙げる。
この場合、検査装置300は、図7における適正範囲のデータを記憶する。適正範囲のデータは、事前の試験などによって取得することができる。
そのうえで、検査装置300は、検査工程において、前述のように測定回路200により測定された変化量VAR−1と変化量VAR−2とを取得すると、取得された変化量VAR−1と変化量VAR−2とについて、以下の条件が満たされるか否かについて判定する。つまり、検量線LN1、LN2について図7のように特性が異なることで、検体である抗原Aの実際の濃度に応じて、変化量VAR−1、VAR−2は、それぞれ異なる値が測定される。そこで、検査装置300は、変化量VAR−1についてVAR−1≦Vmaxが成立し、かつ、変化量VAR−2についてVmin≦VAR−2≦Vmaxが成立するという第1条件が満たされるか否かについて判定する。
第1条件が満たされる場合としては、変化量VAR−2は適正範囲内にあるが変化量VAR−1が適正範囲よりも少ない場合と、変化量VAR−1と変化量VAR−2のいずれもが適正範囲内にある場合とのいずれかである。
変化量VAR−2は適正範囲内にあるが変化量VAR−1が適正範囲よりも少ない場合には、変化量VAR−1を採択することができないので、変化量VAR−2を採択することになる。
また、変化量VAR−1と変化量VAR−2のいずれもが適正範囲にある場合には、変化量VAR−1と変化量VAR−2のいずれもが抗原Aの検査が可能である。ただし、この場合においては、検量線LN1と検量線LN2とを比較すると、検量線LN2のほうが抗原濃度の単位変化幅に対する変化量の変動幅が大きい。このことは、検量線LN2に対応する変化量VAR−2のほうが、検量線LN1に対応する変化量VAR−1よりも微細な変化を捉えやすい、即ち、検査精度が高くなるということである。従って、この場合には、検査精度の高さを優先して、抗原Aの検査に使用する2次抗体に対応の変化量として、変化量VAR−2を採択するほうが好ましい。
そこで、第1条件が満たされる場合には、検査装置300は、第3試料(2次抗体β2を含む)に対応の変化量VAR−2を採択する。
一方、第1条件が満たされなかった場合、検査装置300は、変化量VAR−1についてはVmin≦VAR−1≦Vmaxが成立し、変化量VAR−2についてはVAR−2>Vmaxが成立するという第2条件が満たされるか否かについて判定する。
第2条件が満たされる場合とは、変化量VAR−2は、対応の第3試料の抗原Aに対する感度が高いために適正範囲を越えてしまっているが、変化量VAR−1は、対応の第2試料の抗原Aに対する感度が低いために適正範囲内となっている状態である。
この場合、変化量VAR−2を採択することはできないが、変化量VAR−1については採択可能である。従って、この場合の検査装置300は、抗原Aの検査に使用する2次抗体に対応の変化量として、第2試料(2次抗体β1)に対応の変化量VAR−1を採択する。このように第2条件が満たされて変化量VAR−1が採択される場合、変化量VAR−1としては、C2max≦VAR−1≦Vmaxの範囲の値となる。C2maxは、変化量VAR−2が適正範囲の上限値Vmaxとなるときに対応する抗原濃度である。
第1条件及び第2条件が満たされなかった場合には、変化量VAR−1、VAR−2のいずれもが適正範囲(Vmin〜Vmax)外であることになる。そこで、この場合の検査装置300は、変化量VAR−1、VAR−2のいずれも採択できないとして、例えばエラーを出力する。
そして、検査装置300は、例えば、抗原Aを滴下した段階にて測定された変化量VAR−0と、上記のように採択される変化量VAR−1と変化量VAR−2とのいずれか一方とを利用して、抗原Aについての検査を行う。
上記のような構成によれば、抗原に対する感度の相違する複数の2次抗体に対応する複数の変化量を取得することにより、検査が可能な抗原濃度の範囲が拡大される。これにより、例えば抗原濃度が低い条件に対応しては高感度化を図りつつ、抗原濃度が高い条件に対応しては変化量が検出可能範囲に収まるようにするという、弾性表面波センサ100に与えるべきトレードオフな設計要求が緩和される。これにより、弾性表面波センサを使い分けたり感度設定を変更したりすることなく、広い範囲の抗原濃度に対応して抗原の検査を行うことが可能になる。
また、本実施形態では、第2試料と第3試料との抗原に対する感度の相違を、2次抗体β1、β2について親和性を異ならせることにより設定している。このように親和性により抗原に対する感度を設定する場合、第2試料及び第3試料について、親和性の低い傾向の2次抗体を用いることで、抗体の濃度を高くしておいたとしても、抗原抗体反応は第2試料の滴下量に依存しにくくなる。これにより、第2試料及び第3試料について、抗体量を少なくすべきとの条件が緩和され、検査を行いやすくなる。
また、本実施形態では、弾性表面波センサ100について図2及び図3により説明した構成とすることで、前述のように、保湿部材130にて先に保持された試料が次に滴下される試料によって置換されるようになっている。これにより、第2試料及び第3試料の抗体濃度の希釈が少なくなることから、例えば良好な検査結果を期待できる。
さらに、試料の置換が行われることで、フック効果(プロゾーン現象)の発生が抑制されるために、これによっても検出可能な抗原濃度の範囲が拡大されるという効果が得られる。フック効果とは、抗原と2次抗体とを事前混合して1次抗体に結合させる場合において、抗原の濃度が高すぎると2次抗体と結合していない抗原が、抗原と2次抗体との複合体よりも先に1次抗体と結合してしまう結果、抗原濃度が実際よりも低く検出される現象である。本実施形態であれば、第2試料の滴下により第1試料から第2試料への置換が行われることで、1次抗体と結合しなかった抗原が除去されたのちに2次抗体を添加できるため、上記のようなフック効果の発生が抑制される。
続いて、図8のフローチャートを参照して、本実施形態における抗原の検査手順について説明する。
先ず、測定者は、反応場122上に1次抗体β0を配置する(ステップS101)。次に、測定者は、1次抗体β0が配置された状態において測定回路200により弾性表面波センサ100を動作させる操作を行うことで前述の入出力差分測定を行って初期値Vdefを測定する(ステップS102)。測定された初期値Vdefは検査装置300により取得される。
なお、ここでの測定回路200により弾性表面波センサ100を動作させる操作とは、例えば測定者が測定回路200を操作して、弾性表面波センサ100に入力信号を入力させる操作である。あるいは、測定回路200により弾性表面波センサ100を動作させる操作として、測定者が検査装置300を操作するようにしてもよい。検査装置300は、操作に応じて測定回路200から弾性表面波センサ100に入力信号が入力されるように制御を行う。
次に、測定者は、抗原Aを含む第1試料を保湿部材130に滴下する(ステップS103)。これにより、保湿部材130にて配置された1次抗体β0と抗原Aとが結合し、抗原Aが反応場122上で固定される。次に、測定者は、ステップS103により1次抗体β0と抗原Aとが結合した状態において、測定回路200により弾性表面波センサ100を動作させて入出力差分測定を行い、変化量VAR−0を測定する(ステップS104)。測定された変化量VAR−0は、検査装置300により取得される。
次に、測定者は、2次抗体β1を含む第2試料を保湿部材130に滴下する(ステップS105)。これにより、これまで保湿部材130にて保持されていた第1試料は、第2試料に置換され、1次抗体β0に結合している抗原Aに2次抗体β1が結合する。なお、第2試料は抗原Aに対する感度が低いことから、図6(C)にて説明したように、2次抗体β1は感度に応じた確率で一部の抗原Aと結合する。
続いて、測定者は、ステップS105により2次抗体β1と一部の抗原Aとが結合した状態において、測定回路200により弾性表面波センサ100を動作させて入出力差分測定を行い、変化量VAR−1を測定する(ステップS106)。測定された変化量VAR−1は、検査装置300により取得される。
次に、測定者は、2次抗体β2を含む第3試料を保湿部材130に滴下する(ステップS107)。これにより、これまで保湿部材130にて保持されていた第2試料は、第3試料に置換され、1次抗体β0に結合している抗原Aのうち、2次抗体β1と結合していな抗原Aと2次抗体β2とが結合する。
続いて、測定者は、ステップS107により2次抗体β2と抗原Aとが結合した状態において、測定回路200により弾性表面波センサ100を動作させて入出力差分測定を行い、変化量VAR−2を測定する(ステップS108)。測定された変化量VAR−2は、検査装置300により取得される。
これまでの処理によって、検査装置300においては、抗原Aと1次抗体β0との結合に応じた変化量VAR−0と、抗原Aと2次抗体β1との結合に応じた変化量VAR−1と、抗原Aと2次抗体β2との結合に応じた変化量VAR−2とが取得されている。ここで、2次抗体に応じた変化量としては、変化量VAR−1と変化量VAR−2とのうちのいずれか一方が採択される。
そこで、検査装置300は、取得された変化量VAR−1と変化量VAR−2とについて、前述の第1条件が満たされているか否かについて判定する(ステップS109)。第1条件が満たされている場合(ステップS109−YES)、検査装置300は、2次抗体に応じた変化量として、変化量VAR−2を採択する(ステップS110)。
一方、第1条件が満たされていない場合(ステップS109−NO)、検査装置300は、さらに、取得された変化量VAR−1と変化量VAR−2とについて、前述の第2条件が満たされているか否かについて判定する(ステップS111)。第2条件が満たされている場合(ステップS111−YES)、検査装置300は、2次抗体に応じて検査に用いる変化量として、変化量VAR−1を採択する(ステップS112)。
そして、検査装置300は、ステップS110またはステップS112により採択された変化量VAR−1または変化量VAR−2を利用して、抗原Aについての検査に関する処理を実行する(ステップS113)。この際、検査装置300は、必要に応じて、ステップS103に応じて取得された変化量VAR−0を併せて検査に利用できる。検査に関する処理に応じて、検査装置300は、検査結果を表示や印刷などにより出力することができる。
また、第2条件が満たされていない場合(ステップS111−NO)、検査装置300は、検査結果がエラーであるとして、エラーに応じた所定の処理を行う(ステップS114)。例えば、検査装置300は、ステップS114において、検査結果がエラーであったことを示すメッセージを、画像あるいは音声などによって出力することができる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。本実施形態における検査システムの構成は、図1〜図3と同様でよい。また、本実施形態における検査手順も、図4及び図5と同様である。
ただし、本実施形態においては、図4(B)に示したように抗原Aを含む第1試料を反応場122上の保湿部材130に滴下(供給)し、図6(B)のように反応場122の表面で第1試料を1次抗体β0と反応させた状態(第3状態の一例)においても、変化量の測定を行う。
つまり、測定回路200は、送信電極123の入力端子Sに入力させた入力信号Sin−0と、入力信号Sin−3に応じた出力された出力信号Sout−0とにより、入出力差分値Vdif−0を測定する。測定回路200は、入出力差分値Vdif−0についての初期値Vdefに対する差分を変化量VAR−0(第3測定値の一例)として測定する。測定された変化量VAR−0は検査装置300が取得する。
図9は、先に図7に示した2次抗体β1(変化量VAR−1)、2次抗体β2(変化量VAR−2)とのそれぞれに対応する検量線LN1、LN2とともに、1次抗体β0(変化量VAR−0)に対応する検量線LN0の例を示している。
同図に示されるように、1次抗体β0に対応する検量線LN0は、2次抗体β1に対応する検量線LN1よりも傾きが大きい。このことは、1次抗体β0による抗原Aの変化が2次抗体β1よる場合と比較して小さいことを示す。これは、例えば主として1次抗体β0に対して固定する抗原Aの分子の大きさの影響による。
同図において、C0max〜C1maxの抗原濃度の範囲に対応しては、検量線LN0で示される変化量VAR−0のみが適正範囲(Vmin〜Vmax)内に収まっている。ここで、C1maxは、検量線LN1で示される変化量VAR−1により検出可能な抗原濃度の最大値である。変化量VAR−0により検出可能な抗原濃度の最大値がC0maxであり、C0maxはC1maxより大きい。
つまり、本実施形態において、1次抗体β0に対応する変化量VAR−0を検査に採択する測定値の候補に含めることにより、2次抗体β1、β2に対応の変化量VAR−1、VAR−2のみを候補とした場合と比較して、検査が可能な抗原濃度の範囲をさらに拡大することが可能になる。
なお、変化量VAR−0により検出可能な抗原濃度の最小値がC0minであり、この場合におけるC0max、C0min、C1max、C1min、C2max、C2minの各抗原濃度の大小関係は、C0max>C1max>C0min>C2max>C1min>C2minである。
また、本実施形態においては、第1試料、第2試料及び第3試料の滴下に応じて変化量(VAR−0、VAR−1、VAR−2)が測定された段階ごとに、測定された変化量を検査に採択可能か否かを判定が行われる。そして、或る段階で測定された変化量が採択可能であると判定された場合には、採択可能であると判定された変化量を用いて直ちに検査が行われる。従って、この場合には、未だ試料の滴下の手順が残っていたとしても、以降においては、残りの試料の滴下(及びこれに伴う変化量の測定)の手順は行わないようにされる。このように、本実施形態においては、必ずしも第3試料の滴下と変化量VAR−2の測定までの手順を行うことなく検査に移行することが可能とされている。このように検査手順が省略可能とされることで、検査に要する時間を短縮することが可能になる。
図10のフローチャートを参照して、本実施形態における抗原の検査手順について説明する。
同図の検査手順が行われるにあたり、本実施形態の検査装置300は、図9に示した変化量VAR−0(検量線LN0)、VAR−1(検量線LN1)、VAR−2(検量線LN2)についての特性を示す情報を記憶している。これにより、検査装置300により、変化量VAR−0、VAR−1、VAR−2のそれぞれについての適正範囲と抗原濃度との関係が把握される。
同図において、ステップS201〜S204は、図8のステップS101〜S104と同様である。
ステップS204により変化量VAR−0が測定されると、検査装置300は、ステップS204にて測定された変化量VAR−0について、V2≦VAR−0≦Vmaxが成立するか否かについて判定する(ステップS205)。V2は、図9に示されるように、変化量VAR−1(検量線LN1)が適正範囲の上限値であるVmaxとなる抗原濃度C1maxのときに得られる変化量VAR−0である。
V2≦VAR−0≦Vmaxが成立すると判定された場合(ステップS205−YES)、図9から分かるように、検査対象の抗原の抗原濃度に対応して適正範囲に含まれるのは変化量VAR−0のみであり、変化量VAR−1、VAR−2はいずれも適正範囲外であることが推定される。即ち、この場合の変化量VAR−0についての測定結果は、変化量VAR−0のみが適正範囲に含まれていることを示している。そこで、この場合には、変化量VAR−0のみが採択可能であると判定される。そこで、この場合の検査装置300は、変化量VAR−0を採択する(ステップS206)。
一方、V2≦VAR−0≦Vmaxが成立しないと判定された場合(ステップS205−NO)、変化量VAR−0が採択不可であるということになる。そこで、この場合には、ステップS207、S208により、図8のステップS105、S106と同様に、2次抗体β1を含む第2試料を滴下し、変化量VAR−1を測定する。
次に、検査装置300は、ステップS208にて測定された変化量VAR−1について、V1≦VAR−1≦Vmaxが成立するか否かについて判定する(ステップS209)。V1は、図9に示されるように、変化量VAR−2(検量線LN2)が適正範囲の上限値であるVmaxとなる抗原濃度C2maxのときに得られる変化量VAR−1である。
V1≦VAR−1≦Vmaxが成立すると判定された場合(ステップS209−YES)、図9に示すように、変化量VAR−1(検量線LN1)は、V3≦VAR−1≦Vmaxの範囲内と、V1≦VAR−1≦V3の範囲内とのいずれかに含まれる。
変化量VAR−1がV3≦VAR−1≦Vmaxの範囲内に含まれる場合には、図9によれば、変化量VAR−0も適正範囲内にあり、一方、変化量VAR−2は適正範囲を越えることが示される。この場合、変化量VAR−2は、明らかに採択不可である。そこで、変化量VAR−1と変化量VAR−0とが採択候補として残るが、前述のように、検量線としての傾きが小さいほうが検査精度が高くなる。従って、この場合は、変化量VAR−1と変化量VAR−0とで、検量線の傾きが小さいほうの変化量VAR−1が採択可能であることになる。
また、変化量VAR−1がV1≦VAR−1≦V3の範囲内である場合には、残る変化量VAR−0、VAR−2のいずれもが適正範囲外となる。従って、この場合にも変化量VAR−1が採択可能であることになる。
このように、ステップS209においてV1≦VAR−1≦Vmaxが成立すると判定されたことに伴い、検査装置300は、変化量VAR−1が採択可能であると判定することになる。そして、検査装置300は、判定結果に従って、変化量VAR−1を検査に用いる測定値として採択する(ステップS210)。
一方、V1≦VAR−1≦Vmaxが成立しないと判定された場合(ステップS209−NO)、変化量VAR−0、VAR−1のいずれもが採択不可であるということになる。そこで、この場合には、ステップS211、S212により、図8のステップS107、S108と同様に、2次抗体β2を含む第3試料を滴下し、変化量VAR−2を測定する。
次に、検査装置300は、ステップS212にて測定された変化量VAR−2について、Vmin≦VAR−2≦Vmaxが成立するか否かについて判定する(ステップS213)。
Vmin≦VAR−2≦Vmaxが成立すると判定された場合(ステップS213−YES)、図9に示すように、変化量VAR−2(検量線LN2)は、V4≦VAR−2≦Vmaxの範囲内と、Vmin≦VAR−1≦V4の範囲内とのいずれかに含まれる。
変化量VAR−2がV4≦VAR−1≦Vmaxの範囲内に含まれる場合には、変化量VAR−1も適正範囲内にあり、一方、変化量VAR−0は適正範囲より小さい。この場合、変化量VAR−2は、明らかに採択不可である。そこで、変化量VAR−2と変化量VAR−1とが採択候補として残る。この場合は、検量線の傾きが小さいほうの変化量VAR−2が採択可能であることになる。
また、変化量VAR−2がVmin≦VAR−2≦V4の範囲内である場合には、残る変化量VAR−0、VAR−1のいずれもが適正範囲外となる。従って、この場合にも変化量VAR−2が採択可能であることになる。
このように、ステップS213においてVmin≦VAR−2≦Vmaxが成立すると判定されたことに伴い、検査装置300は、変化量VAR−2が採択可能であると判定することになる。そして、検査装置300は、判定結果に従って、変化量VAR−2を検査に用いる測定値として採択する(ステップS214)。
一方、Vmin≦VAR−2≦Vmaxが成立しないと判定された場合(ステップS213−NO)、変化量VAR−0、VAR−1、VAR−2のいずれもが採択不可であるということになる。そこで、この場合の検査装置300は、ステップS215により、図8のステップS114と同様に、検査結果がエラーであるとして、エラーに応じた所定の処理を行う。
そして、ステップS206により変化量VAR−0が採択された場合、検査装置300は、ステップS204に応じて取得された変化量VAR−0を利用して、抗原Aについての検査に関する処理を実行する(ステップS216)。
あるいは、検査装置300は、ステップS210により変化量VAR−1が採択された場合、ステップS208に応じて取得された変化量VAR−1を利用して、抗原Aについての検査に関する処理を実行する(ステップS216)。
あるいは、検査装置300は、ステップS214により変化量VAR−2が採択された場合、ステップS212に応じて取得された変化量VAR−2を利用して、抗原Aについての検査に関する処理を実行する(ステップS216)。
上記の処理によれば、ステップS206により変化量VAR−0が採択された場合には、以降のステップS207〜S215の処理がスキップされ、ステップS216による検査に関する処理が行われる。つまり、この場合には、以降の第2試料の滴下とこれに伴う変化量VAR−1の測定、第3試料の滴下とこれに伴う変化量VAR−2の測定とを行わなくともよい。
また、ステップS210により変化量VAR−1が採択された場合にも、以降のステップS211〜S215の処理がスキップされる。この場合、第3試料の滴下とこれに伴う変化量VAR−2の測定とを行わなくともよい。
このように本実施形態においては、必ずしも第3試料の滴下とこれに応じた変化量VAR−2の測定までの手順を行わなくともよいものであり、抗原の検査の作業効率の向上を図ることが可能である。
なお、図8または図10のフローチャートにおいて検査装置300が実行する手順を実現するためのプログラムは記憶媒体に記憶させておくことができる。
なお、図8の説明において、ステップS109以降の手順については、検査装置300が実行する場合を例に挙げた。しかしながら、ステップS109以降において変化量VAR−1、VAR−2のいずれを採択するのかについての手順を、測定者が行うようにしてもよい。つまり、測定者は、検査装置300により取得された変化量VAR−1、VAR−2を表示または印刷などにより出力させてその値を確認する。確認の結果、第1条件が満たされていれば変化量VAR−2を採択し、第2条件が満たされていれば変化量VAR−1を採択する。そして、測定者は、変化量VAR−1、VAR−2のうち採択したほうを、検査に使用すべき2次抗体に対応の変化量として検査装置300に入力する。検査装置300は指定された2次抗体に対応の変化量を利用してステップS113としての検査を行う。また、測定者は、第1条件と第2条件のいずれも満たされていなければ、検査がエラーであると判断する。
同様にして、図10のステップS205、S206、S209、S210、S213、S214、S215、S216などの手順についても、測定者が行うようにしてもよい。
なお、第1実施形態の変形例として、ステップS111により第2条件が満たされないことが判定された場合、即ち、変化量VAR−1、VAR−2のいずれもが採択不可であった場合に、以下の手順が行われるようにしてもよい。
つまり、この場合には、ステップS104に応じて取得された変化量VAR−0が適正範囲に含まれているか否かについて判定が行われる。変化量VAR−0が適正範囲に含まれていることが判定されれば、変化量VAR−0を採択してステップS113による検査が行われる。そのうえで、変化量VAR−0が適正範囲外であることが判定された場合に、ステップS114によるエラーに対応した処理が行われるようにすればよい。
また、第2実施形態の変形例として、変化量VAR−0についての採択可否の判定は行わないようにして、変化量VAR−1、VAR−2についての採択可否の判定が行われるように構成することできる。
なお、上記の説明においては、2次抗体β1と2次抗体β2とで抗原に対する親和度の異なるものを用いることにより、第2試料と第3試料とについてそれぞれ異なる抗原に対する感度を設定していた。しかし、第2試料と第3試料とについての抗原に対する感度は、親和度以外によっても設定可能である。
例えば、抗原に対する感度は抗体濃度によっても設定できる。即ち、試料における抗原濃度が高いほど、資料に含まれる2次抗体が抗原と出会う確率が高くなり、多くの抗原抗体反応が生じる。従って、第2試料について所定の抗原濃度を設定し、第3試料について、第2試料よりも高い所定の抗原濃度を設定することで、第2試料に対して第3試料の感度を高く設定することができる。
また、抗原に対する感度は、化学修飾による分子の重さによって設定できる。分子が軽いほど重量負荷効果の影響が小さくなって低濃度の抗原との結合が困難になり、測定される変化量は適正範囲未満となる可能性が高くなるが、抗原濃度が高い状態であっても変化量が適正範囲を越えにくい。一方、分子が重いほど重量負荷効果の影響が大きくなって抗原濃度が低くとも結合がしやすくなり変化量が適正範囲となりやすいが、抗原濃度が高いと変化量が適正範囲を越えやすくなる。従って、第2試料については化学修飾による分子について所定の重さを設定し、第3試料については、第2試料よりも大きな所定の重さを設定することで、第2試料に対して第2試料の感度を高く設定することができる。
また、抗原に対する感度は、粘性によっても設定できる。粘性が低いほど感度は低くなり、粘性が高いほど感度は高くなる。従って、第2試料については低い粘性として、第3試料については高い粘性とすることで、第2試料に対して第3試料の感度を高く設定することができる。
また、本実施形態において使用可能な弾性表面波センサは、図2及び図3示した構成の弾性表面波センサ100に限定されない。例えば、特開2013−96686号公報に記載される弾性表面波センサなどのように、試料の置換が行われない弾性表面波センサを用いることもできる。
100 弾性表面波センサ、110 プリント基板、120 センサ部、121 圧電基板、122 反応場、123 送信電極、124 受信電極、130 保湿部材、140 吸湿部材、150 排出経路、200 測定回路、300 検査装置

Claims (6)

  1. 反応場を伝搬する弾性表面波の変化を検出する弾性表面波センサを用いて抗原を検査する検査方法であって、
    抗原を含む第1試料を、前記反応場に配置された1次抗体に供給する第1試料供給ステップと、
    前記第1試料供給ステップの後において、第1の2次抗体を含み、前記抗原に対する前記第1の2次抗体の感度が所定の第2試料を前記反応場に供給する第2試料供給ステップと、
    前記第2試料供給ステップの後において、第2の2次抗体を含み、前記抗原に対する前記第2の2次抗体の感度が前記第2試料における前記所定の感度よりも高い第3試料を前記反応場に供給する第3試料供給ステップと、
    前記第2試料供給ステップにより前記第2試料が前記反応場に供給された第1状態と、前記第3試料供給ステップにより前記第3試料が前記反応場に供給された第2状態とにおいて、前記弾性表面波センサにより検出された弾性表面波の変化に基づく測定値を測定する測定ステップと、
    前記第1状態において測定される第1測定値と前記第2状態において測定される第2測定値とのうちのいずれか1つの測定値のみが適正範囲に含まれることを前記測定ステップによる測定結果が示す場合は、適正範囲に含まれるほうの測定値を前記抗原の検査に採択し、
    前記第1測定値と前記第2測定値とがいずれも適正範囲に含まれることを前記測定ステップによる測定結果が示す場合は、前記第2測定値を前記抗原の検査に採択する測定値採択ステップと
    を含む検査方法。
  2. 前記測定ステップは、前記第1試料供給ステップにより前記第1試料が前記反応場に供給された第3状態において、前記弾性表面波センサにより検出された弾性表面波の変化に基づく第3測定値をさらに取得し、
    前記測定値採択ステップは、前記第1測定値と第2測定値とのいずれもが採択されなかった場合において、前記第3測定値が適正範囲に含まれていれば、前記第3測定値を採択する
    請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記測定値採択ステップは、前記測定ステップにより測定値が取得された段階ごとに、取得された測定値の採択可否を判定するようにされ、
    前記測定値採択ステップにより或る1つの段階において測定値の採択が可能であると判定された場合には、前記或る1つの段階より後の試料供給ステップが行われないようにされる
    請求項2に記載の検査方法。
  4. 前記測定ステップは、前記第1試料供給ステップにより前記第1試料が前記反応場に供給された第3状態において、前記弾性表面波センサにより検出された弾性表面波の変化に基づく第3測定値をさらに測定し、
    前記測定値採択ステップは、測定された第3測定値について、適正範囲に含まれており、かつ、前記第1測定値と前記第2測定値とのいずれもが適正範囲外である場合に対応する値である場合に採択可能であると判定する
    請求項3に記載の検査方法。
  5. 前記第2試料は、抗原との親和性を示す親和度が所定の前記第1の2次抗体を含み、
    前記第3試料は、前記第1の2次抗体よりも高い所定の親和度を有する前記第2の2次抗体を含む
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の検査方法。
  6. 前記第2試料は、所定の抗体濃度を有し、
    前記第3試料は、前記第2試料よりも高い所定の抗体濃度を有する
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の検査方法。
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