JP6531906B2 - 皮膚状態の評価方法 - Google Patents

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本発明は、皮膚状態の評価方法に関し、詳しくは、主要な皮膚タンパク質であるケラチン中の特定の位置のアミノ酸のカルボキシエチル化、および/またはカルボキシメチル化を検出することにより、それを指標として皮膚の状態を評価する方法に関する。
メイラード反応は、ブドウ糖などの還元糖によるタンパク質の非酵素的糖化反応であり、近年、生体内におけるメイラード反応が糖尿病性合併症、非糖尿病性腎症および老化に伴う疾患など種々の疾患の発症要因の1つであることが明らかにされた。
メイラード反応は、大きく前期反応と後期反応の二段階に分けられている。前期段階では、タンパク質のアミノ基と還元糖との反応によりアマドリ転位生成物(前期反応生成物)が可逆的に生成される。生体内における前期反応生成物として、ヘモグロビンAlcおよびフルクトサミン(糖化アルブミン)が知られており、糖尿病における臨床マーカーとして用いられている。後期段階では、酸化・脱水・重合・開裂などの複雑な反応を経てAGEs(advanced glycation end products)と呼ばれる後期反応生成物が不可逆的に生成される。このようにAGEsは、タンパク質のアミノ基と還元糖との間になされる反応で形成される構造体である。AGEsの特徴として褐色変化、蛍光性、あるいは分子内・分子間架橋形成などが挙げられている。AGEsの構造として、例えば、ピラリン、ペントシジン、クロスリン、イミダゾロン、カルボキシメチルリジン、およびカルボキシエチルリジンなどが報告されている。
メイラード反応は、健常人でも見られる現象であるが、糖尿病のような高血糖状態が持続する場合や、腎臓疾患のようなクリアランスの低下が認められる場合、あるいは加齢により、代謝速度の遅いタンパク質にAGEsが蓄積されることが報告されている。
生体内でのAGEsの生成が報告されているタンパク質として、ヘモグロビン、アルブミン、皮膚や血管壁等の結合組織のコラーゲンやエラスチン、神経ミエリン、眼球クリスタリンなどがあり、これらのタンパク質がメイラード反応を受けることによって、タンパク質の変性、機能低下および異常をもたらし、血管系の障害、腎症、神経障害、網膜症および白内障などの糖尿病性合併症や老化に伴う疾患を引き起こす原因の1つと考えられている。
そのため、早期にAGEsの生成および蓄積を把握することは、糖尿病、糖尿病性合併症、非糖尿病性腎症ならびに老化に伴う疾患などの予防および治療に対して極めて有効であると考えられている。AGEs量の測定は、当初、蛍光強度を用いて行われていた。
AGEs量の測定は、例えば蛍光性AGEsを測定する場合、サンプルを加熱処理し分解した後でHPLC分析を行う。この際、アーティファクトとしてペントシジンが生成することが知られており、このような加熱処理法では、正確なAGEs量を求めることができない。また、蛍光検出によるHPLC分析は、前処理などの操作が煩雑で、且つ、一定時間当たりの検体処理数が少ない。そのため、加熱処理を必要とせず、多検体処理できる簡便な測定方法が求められている。
そこで、近年、AGEs量の測定は主に抗メイラード反応後期生成物抗体(以下、「抗AGEs抗体」という)を用いた抗原抗体反応により行われている。例えば、荒木らは、抗N-カルボキシメチルリジン(以下単にカルボキシメチルリジン又はCMLとも記載する)抗体(6D12抗体)を世界にさきがけて開発し、CMLが加齢や糖尿病合併症の指標となる事を明らかにした(非特許文献1〜3)。
臨床検査で用いられる方法としては、血液中のヘモグロビンあるいはアルブミン中のAGEs量を抗AGEs抗体で測定する方法が報告されている。さらに、血漿または血清を用いて、実際には摘出検査が困難な臓器中のAGEsの存在を知ることを目的として、血液または血清中のAGEsに対する自己抗体の測定方法が報告されている(特許文献1)。
また、生体内では種々のAGEsが形成されるが、この中でN−カルボキシメチルリジン(CML)は多くの組織で観察される構造体で、加齢により蓄積され、他のAGEsとともに組織の弾性低下の要因となっていることが知られている(非特許文献4)。皮膚においては、真皮に存在するターンオーバーの遅いタンパク質(フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、エラスチン)でのCML形成が知られており、光老化で重要な役割を果たしていると考えられてきた(非特許文献5)。
さらに、川端らは、ターンオーバーの短い表皮にもCMLが存在することを発見し、ヒト皮膚切片の蛍光染色から表皮にCMLシグナルが存在することを見出し、ヒト角層の加水分解物からLC−MS/MSを用いてCMLの存在を明示した。加えて、角層から抽出したタンパク質の2次元電気泳動を用いた解析から、ケラチン10が表皮でCML化されるタンパク質の候補であることを提示するとともに、CMLの存在が示唆されるケラチン10のアミノ酸断片配列を開示している(非特許文献6)。
他に、皮膚におけるAGEsについては、真皮(特許文献2)および表皮(特許文献3,4)における存在が報告されている。そして、真皮AGEsの産生を抑制することによる皮膚老化防止または改善、美白剤を併用した皮膚外用剤による美白作用などが知られている。さらに、表皮の角層中のAGEsを検出する方法(特許文献3)や、表皮の角層中のAGEsの存在量を指標とした、表皮弾力性および/または皮膚表面形態の皮膚状態の評価方法が提案されている(特許文献4)。これらの報告はいずれも、粘着テープを用いたテープストリッピングにより角層採取を行い、タンパク質中のN−カルボキシメチルリジンを認識する抗AGEsモノクローナル抗体(6D12抗体)を用いて角層中のAGEsの存在を検出している。
しかしながら、CMLはAGEs構造の中で最も抗原性が高く安定であるが、現状の抗CML抗体(荒木らが世界で初めて開発したものを中心として)は多種類のタンパク質に形成されるCMLと非常に高く反応するため、どの組織/細胞のどのタンパク質に発現するのかなどを詳細に調べること、すなわち生物学的意義の詳細を調べることが困難である。すなわち、抗CML抗体(6D12抗体)を用いる方法は、特異性が低く、特定のタンパク質のAGEs化状態を見ることが出来ないという問題がある。
肌の状態は、きめ細やかさ、潤い、カサつき、皮脂量、メラニン色素量などを指標として総合的に判断されるのが一般的である。一方、ペントシジンなどの化合物の生成を蛍光画像として測定することも検討されているが、特異性が低いのが問題である。肌改善用商品の使用、食事のコントロール、生活パターンの改善などを行った結果として、肌の状態がどう変化しているかを知るための手法は各方面から臨まれているが、いまのところ高感度で簡便な方法論はない。
前述したように角層中のタンパク質がCML化されることは知られてはいたが、角層中の特定のタンパク質がCML化だけでなくN-カルボキシエチルリジン(以下単にカルボキシエチルリジン又はCELと記載する)化もされること、当該タンパク質中の特定の位置のアミノ酸がCML化又はCEL化されること及びその存在量が皮膚状態と相関があることは知られていない。
特開2001−4627号公報 特開2003−261432号公報 特開2009−008460号公報 特開2010−271163号公報
J Biol Chem. 1992 May 25;267(15):10211-4. J Biol Chem. 1991 Apr 25;266(12):7329-32. Diabetes. 1999 Sep;48(9):1842-9. Adv. Pharmacol. 23, 1-34 (1992) Br. J. Dermatol., 145, 10-18 (2001) Biocim. Biophys. Acta, 1814, 1246−1252 (2011)
本発明の課題は、容易な方法で得られる皮膚サンプルを用いて、そこに含まれるタンパク質のAGEs化状態を測定することにより、皮膚の状態を高感度で迅速に評価することである。
最近、本発明者を中心としたグループは、AGEs化が表皮細胞の形態維持に必要不可欠なケラチン線維の構成タンパク質に生じ、加齢に相関してCMLが蓄積することを見出した。さらに抗CML抗体に特に反応する表皮タンパク質はケラチン10であることが判明したことから、このケラチン上の特異的CML化が皮膚の老化による症状やそれに関連する病態の良い指標となることが考えられた。
そこで、本発明者らは、主要皮膚タンパクであるケラチンをターゲットとして、そのCML化部位を高感度プロテオーム解析によって特定するとともに、同じタンパク質でCML化に加えてCEL化が生じていることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は皮膚表皮中のタンパク質であるケラチン10におけるカルボキシエチルリジンおよび/またはカルボキシメチルリジンの位置と存在量を指標として皮膚の状態を評価する、皮膚状態の評価方法を提供するものである。より詳細には以下の皮膚の評価方法が提供される。
配列番号1で示される皮膚表皮中のケラチン10における特定修飾構造を検出し、それを指標として皮膚の状態を評価する、皮膚の評価方法であって、当該特定修飾構造が下記i)〜v)から選択される少なくとも1つである、皮膚状態の評価方法、
i)207番目のカルボキシメチルリジン
ii)207番目のカルボキシエチルリジン
iii)284番目カルボキシエチルリジン
iv)285番目カルボキシメチルリジン
v)345番目のカルボキシメチルリジン。
本発明によれば、簡便な方法で、皮膚の状態より詳しくは、角層厚の上昇と水分量の低下を評価することができる。
ヒト3次元皮膚モデルを用いた、AGEs形成誘導による角層細胞の形態変化を示した図である。上段は、角層断面の透過型電子顕微鏡写真であり、下段は、角層1枚の内部部分の高倍率拡大図である。DおよびFの矢印はケラチン繊維の凝集を示す。 ヒト皮膚における、CML化度と角層厚および角層水分量の関係を示した図である。 ヒト角層から抽出したタンパク質を2次元電気泳動した結果である(左が、Sample I,右が、Sample Sである)。A0およびB0は、ウェスタンブロットの結果、抗CML抗体が反応しなかった対照の部分である。A1,A2およびB1,B2は、抗CML抗体が反応したタンパク質部分である。 ヨードアセトアミドによるアルキル化を用いた従来の実験系でマス分析を行った結果を用いて、ケラチン10の配列上に、プロテオーム解析から予測したCML部位を示した図である。 CML化したBSAをLC−MS/MS分析およびプロテオーム解析(Mascot)する手順を示したチャートである。 ヨードアセトアミドによるアルキル化を用いた実験系により、4名の背中から採取した角質を解析した結果を示している。ケラチン10の配列上のCMLおよびCELのプロテオーム解析のスコアを示している。 ヨードアセトアミドによるアルキル化を用いた実験系により、1名の身体の各部位(上腕、背中、および額)から採取した角質を解析した結果である。独立した3回の実験を実施し、207CML、284CEL+285CML、および345CMLについてのMascotスコアの結果の平均および標準偏差を示している。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施態様に限定されるものではない。
本発明者らは、ターンオーバーの短い表皮タンパク質にもAGEsが存在し、老化とかかわっていることを発見した。しかしそのターゲットとなる構造体の詳細を解析する方法論は簡便でなかった。そこで、侵襲を伴わない簡便なテープストリッピング法で表皮から回収したタンパク質を、ジスルフィド結合を還元して尿素を含むバッファーで可溶化し、SHブロック後2次元電気泳動とウェスタンブロティングを用いて特異的タンパク質を検出した。さらに、独自の抽出法でペプチドを回収後、質量分析を行った。そして高感度プロテオーム解析によって、表皮タンパク質であるケラチン中の修飾を分析することにより、初めて、表皮ケラチン10のCMLおよびCEL部位が表皮の老化の本体であることを発見した。特に、CELとCMLは同時に同じペプチド上に修飾されたものもあり、今までこのような修飾部位は報告されていない。
本発明の一つの態様は、皮膚表皮中のタンパク質のCELおよび/またはCMLの位置と存在量を指標として皮膚の状態を評価する、皮膚状態の評価方法である。
本発明の他の態様は、皮膚表皮中の同じタンパク質上に隣接して存在するCELおよびCMLの位置と存在量を指標として皮膚の状態を評価する、皮膚状態の評価方法である。
皮膚表皮中のタンパク質は、好ましくはケラチン、特に好ましくはケラチン10である。 ケラチン10のアミノ酸配列を、配列番号1として示す。
本発明において検出されるCEL部位は特に制限されないが、タンパク質がケラチン10の場合は、例えば、179番アミノ酸(179CEL)、207番アミノ酸(207CEL)、284番アミノ酸(284CEL)、285番アミノ酸(285CEL)、および334番アミノ酸(334CEL)からなる群より選ばれる1または複数の部位である。タンパク質におけるCELの存在量が多いと、好ましくはケラチン10におけるこれらの部位のCELの存在量が多いと、表皮のAGEs化状態が顕著であり、皮膚が老化状態にあると判断できる。
本発明において検出されるCML部位は特に制限されないが、タンパク質がケラチン10の場合は、例えば、207番アミノ酸(207CML)、285番アミノ酸(285CML)、および345番アミノ酸(345CML)からなる群より選ばれる1または複数の部位である。タンパク質におけるCMLの存在量が多いと、好ましくはケラチン10におけるこれらの部位のCMLの存在量が多いと、表皮のAGEs化状態が顕著であり、皮膚が老化状態にあると判断できる。
本発明の皮膚評価方法において検出されるCELおよびCMLの組合せは、これに限定されないが、例えば、284CEL+285CMLをあげることができ、これらの存在量が多いと、表皮のAGEs化状態が顕著であり、皮膚が老化状態にあると判断できる。
本発明の別の一つの態様は、皮膚表皮中のタンパク質、好ましくはケラチン10の特定の部位のCEL、CML、あるいはCELおよびCMLの簡便な高感度解析法であり、例えば、接着(粘着)テープを用いてヒトの皮膚から分離された表皮を可溶化バッファー(好ましくは尿素またはグアニジン塩酸を含むバッファー)で可溶化して得られた表皮中のタンパク質を、SHブロック剤を用いてSHブロックした後、分析することにより、表皮中のタンパク質のCEL、CML、あるいはCELおよびCMLの存在量を測定する方法である。
本発明の方法において用いることができるSHブロック剤は、これに限定されないが、例えば、ヨードアセトアミド、モノヨード酢酸をあげることができ、好ましくは、ヨードアセトアミドである。用いるSHブロック剤の濃度は、皮膚から分離された表皮中のタンパク質のSH基を十分にブロックできる濃度であれば特に制限されず、用いるバッファー、ブロッキング時間その他の条件に応じて適宜選択される。
表皮の可溶化バッファーは、表皮の角層からタンパク質、好ましくはケラチンを抽出できる限り特に制限されないが、例えば、尿素またはグアニジン塩酸を含むバッファーあげることができるが、好ましくは尿素を含むバッファーが用いられる。用いる可溶化剤、例えば尿素の濃度は、表皮中のタンパク質を抽出できる濃度であれば特に制限されず、用いるバッファー、溶出時間その他の条件に応じて適宜選択される。
本発明において、皮膚表皮中のタンパク質のCEL、CML、あるいはCELおよびCMLの検出は、それらを特異的に検出できる方法であれば特に制限されないが、例えば、LC/MS/MSを用いたマス分析、抗体を用いたELISA法、RIA法をあげることができる。
ELISA法を用いる場合は、好ましくは、特定の部位のCELおよび/またはCMLを特異的に認識する一次抗体を用いることができ、例えば、ケラチン10の179CEL、207CEL、284CEL、285CEL、334CEL、207CML、285CML、または345CMLを特異的に認識する一次抗体が好ましく用いられる。二次抗体としては、これに限定されないが、蛍光ビオチン、FITC標識抗体、酵素標識抗体を用いることができる。或いは、標識をコンジュゲートしたCELおよび/またはCMLを認識する抗体を用いることができる。
また、CELを認識する抗体とCMLを認識する抗体を組み合わせて用いることにより、或いは、近傍に存在するCELおよびCMLを同時に認識する抗体を用いることにより、CELおよびCMLの存在を検出することができる。
本発明の一つの態様において、検出された皮膚表皮中のタンパク質(好ましくはケラチン10)のCEL、CML、あるいはCELおよびCMLの存在量は、AGEs化の数値とすることができ、この数値を指標に、皮膚の状態を評価できる。これにより、皮膚状態の現状の正確な把握と、改善あるいは増悪後の判定を客観的に行うことができ、さらには、肌の改善や美容効果の判定に用いることができる。この数値は、皮膚の状態に影響する各種疾患の状態を把握することおよび/または疾病予防のための指標として用いることもできる。
さらに本発明においては、接着(粘着)テープによる表皮の簡易定量的回収法と可溶化法とELISA法を組み合わせることにより、短時間で特定の皮膚タンパクのAGEs化状態を数値化することができる。これにより、皮膚のAGEs化状態や老化状態など皮膚の健康状態を高感度に迅速に測定できる。
本発明におけるAGEs化状態とは前述したように表皮中のタンパク質、より詳しくはケラチン10中のリジンがCML化またはCEL化することを示す。
CELまたはCML、あるいはCELおよびCMLの存在量に基づくAGEs化の数値化は、例えば、マス分析でのMascotスコアや非AGEペプチドに対するピークの強度、或いはwestern blot法やdot blot法での染色強度などで行うことができる。
これらの数値が高くなると、皮膚の弾性低下、角層厚の上昇と水分量の低下が起こっていると判断でき、皮膚が老化状態にあると判断できる。
上記のように、本発明を用いて、容易に得られるヒトおよび病態モデル動物の表皮角層サンプル中のタンパク質のAGEs化の度合いを、特定の部位の、CEL化ケラチン、CML化ケラチンあるいはCELおよびCML化ケラチン量として測定することができ、それにより、皮膚の状態をAGEs化の数値で判断することができるので、皮膚の現状の正確な把握と、改善あるいは増悪後の判定を客観的に行うことができる。また、このCEL化ケラチン、CML化ケラチンあるいはCELおよびCML化ケラチン量測定は、皮膚の状態に影響する各種の疾患の状態を把握することにも用いることができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:AGEs形成誘導による角質細胞形態の変化
ヒト皮膚再構築モデル(東洋紡,TESTSKIN TMLSE−30)を用いて、製造元のプロトコールに従いヒト3次元皮膚モデルを構築した。グリオキサール(濃度200 μM)用いてAGEs形成誘導を行い、構築されたヒト3次元皮膚モデルの角層を電子顕微鏡で観察した。また、AGEs形成阻害剤であるアミノグアニジン(濃度 2 mM)を添加し、AGEsの形成阻害を確認した。結果の写真を図1に示す。AGEs形成誘導が行われた皮膚では、角質細胞の一つ一つが肥厚するなどの形成異常が見られた。また、健全な角層の構築に必要なケラチン線維の凝集が、AGEs形成誘導によって阻害される様子が観察され、これはアミノグアニジン添加により回復した。
次いで、ヒト皮膚の角層(SC)におけるAGEs量と角層厚、角層水分量を求めた。AGEs量は、Western blotのシグナル強度から求めた。角層厚は、共焦点ラマン分光装置を用いて求めた。角層水分量は、共焦点ラマン分光装置を用いて求めた。それらの関係を図2に示す。
これらの結果より、角層でのAGEsの形成より角層厚の上昇と水分量の低下が起こっていることが確認できた。つまり、角層でのAGEsの増加は、老化皮膚の特徴である皮膚表面のゴワつきや硬化に関与していることが考えられる。
実施例2:ヒト背中角層中のCML化タンパク質の特定
ヒト角層抽出タンパク質を2次元電気泳動しWestern blot法によりCMLスポットを検出後、同一条件の電気泳動を別途実施しCMLスポットに対応する位置のゲルを切り出しLC−MS/MSを用いてCML化されるタンパク質の特定およびCML化部位の特定を行った。方法の詳細を以下に示す。
2−1.CML化タンパク質試料の調製
(1)試料(ヒト背中角層)
ヒトの背中にメンディングテープ(2.4 cm X 10 cm、10枚)を塗布し、押し付けて接着後、これをはがすことで角層を採取した。採取したテープはOHPシートに貼り付けて−80℃で保存した。対象者は19歳から60歳までの健常な男性(喫煙習慣のない方)を対象とした。
(2)角層タンパク質の抽出
テープ3枚を50 mlの遠心チューブに入れ、抽出溶剤(8 M urea,50 mM DTT,50 mM CHES,pH 9.3)15 mlを加えて30℃で16hr振盪した。
Cellulose Acetate膜(φ=0.80 μm,Dismic−25CS,Toyo Roshi)で濾過した後、濾液を限外濾過膜(Amicon Ultra 15、ultracel 10K:排除限界10kDa,Millipore)を用いて遠心濃縮、さらに0.5 mlスケールの限外膜(Ultrafree 0.5,Biomax 5K,Millipore)を用いて約100 μlに濃縮後、−25℃で保存した。
(3)電気泳動とPVDF膜への転写
抽出した角層タンパク質を、ヨードアセトアミドを用いてSH基封鎖し、2次元電気泳動を行って分離した。
電気泳動は30 μgのタンパク質をアプライしてZoom Gel System(Invitrogen)を用いて等電点電気泳動し、NuPagepreCastgel System(Invitrogen)でBis−Tris gel、MOPS bufferを用いたSDS−PAGEを実施した。PVDF膜(pore size 0.2 μm:Invitrogen LC2002)への転写はXcell IIを用いた標準プロトコール(Invitrogen)にて実施した。
(4)ウェスタンブロット(CML)
以下の条件にて行った。
・blocking:2% skim milk/0.2% PBSTに浸漬し、室温で1 hr 振盪した。
・1次/2次抗体:抗CML::HRP conjugate(KH001−02,Transgenic,6D12クローン)を用い、希釈率1:5,000となるよう2% skim milk/0.2% PBST 10mlで希釈後加え、室温で1.5 hr振盪した。
・検出:Chemiluminescence:Super Signal Westdura(Thermo Scientific)を用いた。
(5)タンパク質染色
ゲルはRapidStain(Calbiochem #553215)、PVDF膜はCoomassie Blue Rを用いて染色した。
(6)ゲルからのCML spotの切り出し
ウェスタンブロットと同じ条件でタンパク質を電気泳動し、ゲルをRapidStain(Calbiochem,#553215)を用いて染色した。この染色像からCML spotに相当する部分を、カミソリを用いて切り出した。切り出したゲルは−80℃で保存後、プロテオーム解析を実施した。
(7)プロテオーム解析
ゲル中のタンパク質をin gel消化し、マス分析を実施した。LC−MS/MSを用いたマス分析にはQ−Star Elite(ABSciex)を使用した。次いで、検出したシグナルのMascot解析は以下の条件で実施した。
上記表中のそれぞれのサンプルの処理条件は以下の表2の通りである。
2−2:電気泳動およびCML部位の検出
試料(Sample I:57才男性の背中より採取、Sample S:48歳男性の背中より採取)を、ヨードアセトアミドを用いてSH基封鎖を行った後、2次元電気泳動を行い分離し、抗CML抗体でウェスタンブロットした。それぞれの試料につき、切り出しを行う部分を以下のように決定した。抗CML抗体が反応しなかったコントロール(Blank)をA0およびB0とし、抗CML抗体が反応したスポットをそれぞれA1・A2、およびB1・B2とした。2次元電気泳動の結果を図3に示す。
次いで、切り出したゲルからペプチドを抽出し、マス分析を行った。その結果、ケラチン10の全アミノ酸配列のうちの約70%を解析断片の配列でカバーした。そして多くのCML化配列を検出することができた。B1の結果を図4に示す。
しかしながら、マス分析においてはCML化すると58 Daltonの分子量の増加が見られるはずであるが、多くの場合57 Daltonの分子量が増加した形でCML化配列が検出された。そこで、CML化配列で予想される分子量より1 Daltonの分子量が異なる原因を調べる目的で、グリオキサールを用いてCML化したBSAを試料としたマス分析を以下のようにして実施した。
実施例3:グリオキサールを用いてCML化したBSAのマス分析
3−1:試料(CML化BSA)と方法
1% BSA(和光純薬011−17844)4 mlを15 ml tubeに分取し、1 M グリオキサール 1 mlを加え50℃で10日間保温した。2 M塩酸アミノグアニジン 5 mlを加えて反応停止した後、精製水を用いて透析(4℃、1晩)した。
得られたCML化BSAを用いて、図5のプロトコールに従い、LC−MS/MS測定およびプロテオーム解析を行った。LC−MS/MSを用いたマス分析にはQ−Star Elite(ABSciex)を使用し、検出したシグナルのMascot解析は上記の表に示した条件で実施した。
3−2:CML化したBSAを試料としたマス分析
上記に従い50℃でのグリオキサール処理によりBSAのCML化を実施した試料を用いてマス分析の条件検討を行った。電気泳動から切り出したゲルをヨードアセトアミドもしくはモノヨード酢酸を用いてSH基封鎖(還元アルキル化)を実施し、それぞれの試料をマス分析した。
マス分析した試料を表1に示す条件のMascot解析で得られたペプチドはカルボキシメチル化によるリジンの修飾とカルバミドメチル化によるリジンの修飾を区別することができた。すなわち、BSAでCML化した配列を検出できた。ヨードアセトアミドで還元アルキル化した試料では、グリオキサール処理すると多くのリジン残基がCML化したが、モノヨード酢酸で処理した試料ではグリオキサール未処理の試料でも多くのリジン残基がCML化されていた。結果を以下の表3に示す。
この結果とヨードアセトアミドで還元アルキル化した試料でカルバミドメチルリジンが検出されたことと併せて考えると、SH基封鎖処理でシステイン残基だけでなく、リジン残基も修飾されたと考えられる。すなわちヨードアセトアミド処理ではカルバミドメチルシステインとカルバミドメチルリジンが、モノヨード酢酸処理ではカルボキシメチルリジン(CML)とカルボキシメチルシステインが生成したことを示している。
以前の分析結果ではケラチン10においてCML化した部位が多く検出され、しかも分子量が1 Dalton小さかったが、これらのペプチドは、ヨードアセトアミド処理によるSH基封鎖で生成したカルバミドメチルリジン(+57 Dalton)であり、ケラチン上のCML(+58 Dalton)ではないと判断された。つまり、SH基封鎖で用いたヨードアセトアミドによりカルバミドメチルシステインが生じるが、副産物としてカルバミドメチルリジンが生じることが明らかとなった。カルバミドメチルリジンがリジン残基に対して57 Dalton 分子量が増加した形で検出されていた。よって、カルバミドメチルリジンによるノイズを除去することで、CMLを検出できる実験系が確立できた。この新しい系を用いることにより、CML化配列の候補を正確にピックアップすることができることが判った。
実施例4:アミノ酸修飾部位の特定
実施例2−1に従い4名(サンプル:#1,#8,#11,#22)から試料を調製し、実施例3で確立したヨードアセトアミドによるアルキル化を用いた実験系で、マス分析を行いプロテオーム解析を実施した。その結果、ケラチン10において、カルボキシルメチルリジンに加えて、カルボキシエチルリジンが存在することが判った。また、プロテオーム解析は、以下のMascot解析条件にて行った。
Mascotスコアの結果を図6に示す。
図6より、207番アミノ酸(207CML)、285番アミノ酸(285CML)、および345番アミノ酸(345CML)の顕著な存在が確認された。また、全ての試料において、285CMLは、284CELと共に存在した(284CEL+285CML)。なお、207、285および345番目のアミノ酸位置は、川端ら(非特許文献6)によってCMLの存在が示唆されたケラチン10のアミノ酸断片には含まれていない。
図6より、179番アミノ酸(179CEL)、207番アミノ酸(207CEL)、284番アミノ酸(284CEL)、285番アミノ酸(285CEL)、および334番アミノ酸(334CEL)の存在が優位に確認できた。また、284CELが存在している試料は全て285CMLが共に存在していた(284CEL+285CML)。
実施例5:アミノ酸修飾部位の身体部位差の確認
実施例2−1と同様にして59歳男性から、上腕、背中および額の角層を採取し、実施例3で確立したヨードアセトアミドによるアルキル化を用いた実験系にてマス分析を行いプロテオーム解析を実施した。実施例4で確認された、207CML、284CEL+285CML、および345CMLについてのMascotスコアの結果を図8に示す。尚、本実験では同一のタンパク質試料を独立した3回のプロテオーム解析を実施して、プロテオーム解析実験の再現性も併せて確認したものである。
上記の結果より、角層厚の上昇と水分量の低下などの皮膚性状のマーカーとして、CML化したリジンの近傍にあるリジンがカルボキシエチル化した配列(284CEL+285CML)が最も有力な候補としてピックアップされた。また、207CMLおよび345CMLも有力な候補として確認できた。CML化が単独で生じた他の配列位置もピックアップされたが、その出現頻度は低かった。
上記の記載は、本発明の目的および対象を単に説明するものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。添付の特許請求の範囲から離れることなしに、記載された実施態様に対しての、種々の変更および置換は、本明細書に記載された教示より当業者にとって明らかである。
本発明の方法により、皮膚のAGEs化状態を高感度で測定でき、皮膚の老化状態や健康状態を的確に判定できる。本発明の方法は、医薬品、化粧品、ヒト表皮細胞老化関連分野、健康補助薬品開発分野など様々な分野で応用可能である。

Claims (5)

  1. 配列番号1で示される皮膚表皮中のケラチン10における特定修飾構造を検出し、それを指標として皮膚の状態を評価する、皮膚の評価方法であって、当該特定修飾構造が下記i)〜v)から選択される少なくとも1つである、皮膚状態の評価方法、
    i)207番目のカルボキシメチルリジン
    ii)207番目のカルボキシエチルリジン
    iii)284番目カルボキシエチルリジン
    iv)285番目カルボキシメチルリジン
    v)345番目のカルボキシメチルリジン。
  2. 前記特定修飾構造が、284番目のカルボキシエチルリジンおよび285番目のカルボキシメチルリジンである、請求項1に記載の皮膚状態の評価方法。
  3. 前記皮膚の状態が、皮膚の老化状態である、請求項1または2に記載の皮膚状態の評価方法。
  4. 前記皮膚の老化状態が皮膚の角層厚の上昇と水分量の低下である請求項3記載の皮膚状態の評価方法。
  5. 前記特定修飾構造の存在量を指標の一つとして皮膚の状態を評価する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の皮膚状態の評価方法。
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